JP2006224042A - 排水処理酵母の育種方法、該方法により育種された酵母並びにそれを用いたリンの除去及び回収方法 - Google Patents

排水処理酵母の育種方法、該方法により育種された酵母並びにそれを用いたリンの除去及び回収方法 Download PDF

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Tsutomu Fujii
Haruyuki Iefuji
Kazuhiro Iwashita
Noriatsu Ozaki
Takashi Watabe
治幸 家藤
則篤 尾崎
和裕 岩下
貴志 渡部
力 藤井
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National Research Inst Of Brewing
独立行政法人酒類総合研究所
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Abstract

【課題】 排水等からのリンの除去又は回収を、簡便、効率的に行うことができる、リンの除去又は回収方法、及びそのための手段を提供すること。
【解決手段】 高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が増大された排水処理酵母の育種方法は、突然変異処理した排水処理酵母又は自然に突然変異した排水処理酵母について、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能を指標とし、前記除去能及び/又は蓄積能が増大された酵母をスクリーニングすることを含む。
【選択図】 図5

Description

本発明は、高濃度リン存在下におけるリンの蓄積能が増大された排水処理酵母の育種方法、該方法により育種された酵母並びにそれを用いたリンの除去方法及び回収方法に関する。

湖沼、内海、内湾に流れ込む排水中のリン化合物は、水域内のリン濃度を上昇させ、富栄養化により赤潮やアオコの発生など悪影響を引き起こす。このため、排水中のリンを除去することが望まれている。

一方、従来より、飲食品の製造排水の処理にハンゼヌラ属、クルイベロマイセス属、キャンディダ属、トリコスポロン属等の酵母が用いられている(非特許文献1、2)。これらの排水処理酵母は、排水中の溶存態有機炭素(dissolved organic carbon, DOC)量や全窒素(T-N)量を減少させる能力を有している。酵母を用いる排水処理は、例えば清酒排水処理等で実用化されている(非特許文献2、3)。しかしながら、これらの排水処理酵母は、通常の微生物と同様に生育に必要とするリンを吸収利用するが、高濃度リン存在下において必要以上のリン除去効果は期待できない。一方、遺伝子操作によってリンの取り込み量を増大させた大腸菌形質転換体を用いて排水等からのリンの除去、回収を行なうことも知られている(非特許文献4、5、6)。

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MAP法のような化学的な処理方法は、比較的大規模な装置を要し、また、リンの除去を別工程で行なう必要がある等、操作が煩雑である。また、大腸菌形質転換体を用いる方法は、遺伝子操作をした菌であるため、その菌により実際の処理を行うためには厳密に管理された設備を必要とし、処理設備が複雑化する。

従って、本発明の目的は、排水等からのリンの除去又は回収を、簡便、効率的に行うことができる、リンの除去又は回収方法、及びそのための手段を提供することである。

本願発明者らは、醸造排水処理等に用いられている排水処理酵母に高濃度リン存在下におけるリンの除去能を付与することができれば、有機炭素や全窒素の低減と同時にリンの低減も行うことができ、効率的にリンの除去が可能になることに想到した。そして、排水処理酵母のうち、後述するS.cerevisiaeでのPHO調節機構と同様な機構で外界からのリンの取り込みが制御されている酵母に突然変異処理を行なうことにより、高濃度リン存在下におけるリンの蓄積能が増大された酵母を育種できることを見出し、実際にこのような育種方法により高濃度リン存在下におけるリンの蓄積能が増大された酵母を創製し、これらの酵母が、リン含有量の大きな排水処理に適用可能であることを実験的に確認し、本発明を完成した。

すなわち、本発明は、突然変異処理した排水処理酵母又は自然に突然変異した排水処理酵母について、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能を指標とし、前記除去能及び/又は蓄積能が増大された酵母をスクリーニングすることを含む、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が増大された排水処理酵母の育種方法を提供する。また、本発明は、上記本発明の方法により育種された酵母を提供する。さらに、本発明は、ハンゼヌラ属に属し、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が増大された酵母を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の酵母で、リン含有物を処理することを含む、リン含有物からのリンの除去方法を提供する。さらに、本発明は、上記本発明の酵母で、リン含有物を処理し、酵母菌体からリンを回収することを含む、リン含有物からのリンの回収方法を提供する。

本発明により、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が増大された排水処理酵母の育種方法及び該育種方法により得られる、高濃度リン存在下におけるリンの蓄積能が増大された排水処理酵母が初めて提供された。本発明の育種方法により得られた酵母は、有機炭素や全窒素の除去能という排水処理酵母の基本性能を有し、さらに、高濃度リン存在下におけるリンの除去能を併せ持っているため、該酵母を用いて排水処理を行なえば、有機炭素や全窒素の除去と同時にリンの除去も行なうことができるので効率的であり、また、処理も小規模な装置で簡便に行うことができる。従って、本発明は、リン含有量の大きな有機排水の処理に大いに貢献するものと期待される。

上記の通り、本発明の育種方法は、排水処理酵母を突然変異処理し、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が増大された酵母をスクリーニングすることを含む。ここで、「排水処理酵母」とは、排水中のDOCやT-Nの低減能を有する酵母を意味し、25000 mg/LのDOCを24時間以内に20000 mg/L以下に、3000 mg/LのT-Nを24時間以内に2700 mg/L以下に低減することが可能な酵母が好ましい。このような排水処理酵母として、ハンゼヌラ(Hansenula)属、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)属、キャンディダ(Candida)属、トリコスポロン(Trichosporon)属等に属する酵母を挙げることができる。

突然変異処理に供する酵母は、排水処理酵母であれば特に限定されないが、S. cerevisiaeのPHO調節機構と類似の機構により外界からのリンの取り込みが制御されている排水処理酵母を用いると、高濃度リン存在下におけるリンの蓄積能が増大された所望の酵母が得られる可能性が大きく高まるので好ましい。PHO調節機構は、外界のリン濃度に依存して、菌体内のホスファターゼ活性及びリン酸トランスポーター活性が調節される機構で、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)において知られている機構である(非特許文献7)。これを図1に示す。図1に示されるように、低リン酸環境下では、Pho81pの抑制が解除され、最終的にPho4pが活性化され、PHO5, PHO84等の遺伝子が高発現する。逆に、高リン酸環境下では、Pho81pの活性が抑制され、最終的にPho4pの活性が抑制され、PHO5, PHO84 等の遺伝子の発現が抑えられる。すなわち、高リン酸環境下で、酸性ホスファターゼ及びリン酸トランスポーター遺伝子の発現が抑制され、その結果、菌体中でのリンの取込量が減少する。そして、このようなPHO調節機構に関与する遺伝子に変異が導入された結果、高リン酸環境下においても酸性ホスファターゼ及びリン酸トランスポーター遺伝子の発現が抑制されないサッカロミセス・セレビシエの変異株も知られている(非特許文献7)。なお、サッカロミセス・セレビシエは、排水処理酵母ではなく、上記変異株をリンの除去に用いることも知られていない。

PHO機構と類似の機構を有すると思われる排水処理酵母を突然変異処理に供することにより、本機構に関与する遺伝子に変異が起きると、高リン酸環境下においても酸性ホスファターゼ及びリン酸トランスポーター遺伝子の発現が抑制されない変異株、すなわち、高濃度リン存在下におけるリンの蓄積能が親株よりも増大された変異体が得られる可能性がある。このため、PHO機構と類似の機構を有する排水処理酵母を突然変異処理に供することが、所望の変異株を得る確率を高める上で好ましい。すなわち、高濃度リン存在下において酸性ホスファターゼ活性が減少する、及び/又は培地中のリン濃度が増大した際に速やかに菌体中のリン蓄積量が増大する酵母を突然変異処理に供することが好ましい。ここで、「高濃度リン存在下において酸性ホスファターゼ活性が減少する」か否かは、全リン濃度(リン酸換算, Pi)が300ppmの培地中で培養した場合に、ジアゾカップリング法による染色法である溝口らの方法(非特許文献8)による重層法において、培養1時間以内に赤く染色されるか否かにより調べることができる(詳細は実施例に記載)。また、「培地中のリン濃度が増大した際に速やかに菌体中のリン蓄積量が増大する」か否かは、低リン酸培地(全リン濃度(リン酸換算)が20ppm)中で前培養した菌体を、高リン酸培地(全リン濃度(リン酸換算)が500ppm)に移して1.5時間後に菌体中のリン蓄積量が、もともと高リン酸培地中で培養されていた菌体中のリン蓄積量の90%以上になるか否かにより調べることができる(詳細は実施例に記載)。

突然変異処理は、周知のいずれの方法によっても行うことができる。例えば、エチルメタンスルホネート(EMS)、ニトロソグアニジン、ニトロソアミン等の変異誘発剤による処理や紫外線照射等により行なうことができる。下記実施例では、EMSで30℃、1時間処理することにより突然変異処理を行なっているが、突然変異処理はもちろんこの方法に限定されるものではない。なお、所望の変異体を得ることができる確率を高めるために突然変異処理することが好ましいが、微生物は自然に突然変異する性質を有しているので、自然に突然変異した排水処理酵母について、突然変異処理後の排水処理酵母と同様に、以下に記載するスクリーニングに供することもできる。

突然変異処理後、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能を指標とし、前記除去能及び/又は蓄積能が増大された酵母をスクリーニングする。菌体内にリンが蓄積されることにより外界からリンが除去されるので、外界からのリンの除去能及び菌体内へのリンの蓄積能のいずれを指標にしてスクリーニングを行なってもよい。もっとも、リンの蓄積能は、菌体を高リン酸培地中で培養後、菌体を加水分解して調べる必要があるため、多数の突然変異処理株について行なうのは手間がかかる。このため、スクリーニングは、リンの除去能を指標にして行なうことが効率的である。リンの除去能を指標にしてスクリーニングした変異株について、念のために蓄積能を調べてもよい。リンの除去能を指標にしたスクリーニングは、高リン酸培地(全リン濃度(リン酸換算)が500ppm)中で株を一定時間(例えば24時間)培養し、培地中の残存全リン量を測定し、一方、菌体量(波長660nmの吸光度(OD660)を測定することにより測定可能)を測定し、単位菌体量当りのリン除去量が、変異処理を行なっていない親株よりも少ない株を選択することにより行うことができる。30℃、24時間培養後の単位菌体量当りのリン除去量が、親株の1.5倍以上、さらに好ましくは1.7倍以上の株を選択することが好ましい。菌体を担体中に不動化してバイオリアクターとして用いる場合等には、単位菌体量当りのリン除去量が大きいものが好ましいが、菌株を排水中で増殖可能な状態で接触させて処理する場合には、菌株の増殖力も重要であるので、単位菌体量当りのリン除去量ではなく、残存全リン量のみを指標にしてスクリーニングを行なってもよい。この場合、高リン酸培地中で30℃、24時間培養後の残存全リン量が、親株の70%以下、さらに好ましくは50%以下の株を選択することが好ましい。なお、残存全リン量を指標とする場合には、吸光度を測定する手間がないので、先ず、残存全リン量を指標としてスクリーニングを行い、選択された菌株について単位菌体量当りのリン除去量を指標としてスクリーニングを行なってもよい。一方、蓄積能を指標としたスクリーニングは、高リン酸培地(全リン濃度(リン酸換算)が500ppm)中で株を一定時間(例えば24時間)培養した後、菌体全体を加水分解し、全リン量を測定し、さらに、菌体量を測定し、単位菌体当りのリンの蓄積量を算出することにより行うことができる。この場合、単位菌体当りのリンの蓄積量が親株の2倍以上の変異株を選択することが好ましい。

なお、突然変異処理した各菌体について、上記したリン除去能又は蓄積能を指標にしたスクリーニングを行なってもよいが、全リン量の測定の手間がかかるため、多数の突然変異処理株について初めからリン除去能又は蓄積能を指標にしたスクリーニングを行なうのは手間がかかる。そこで、スクリーニングの効率を高めるため、リン除去能又は蓄積能を指標にしたスクリーニングに先立ち、ホスファターゼ活性を指標とする一次スクリーニングを行なうことが好ましい。上記の通り、リンの除去能の増大は、酸性ホスファターゼ及びリン酸トランスポーターの発現量の増大に起因すると考えられるので、高濃度リン存在下におけるホスファターゼ活性が増大している菌株は、リン除去能も増大している可能性が高く、このため、高濃度リン存在下におけるホスファターゼ活性は、一次スクリーニングの指標として用いることができる。また、ホスファターゼ活性を指標とするスクリーニングを組み入れることで、最終的に選択される菌株は、無機リンのみならず有機リンの取り込みも増大した変異株であるので好ましい。ホスファターゼ活性を指標とするスクリーニングは、PHO調節機構を有する親株の選択方法において上記した、溝口らの方法(非特許文献8)による重層法により行なうこともできるが、重層法は染色培地を重層する手間が必要なため、多数の変異処理菌株について行なおうとするとかなり手間がかかる。このため、さらに簡便なスクリーニング法として、X−リン酸(5-ブロモ-4-クロロ-インドリルホスフェート)を用いる方法(非特許文献9)を採用してもよい。X−リン酸を含有する高リン酸固相培地上で菌株を培養した場合、ホスファターゼ活性があると、X−リン酸が分解され、コロニーが青く染まる。この方法により、高濃度リン存在下においてホスファターゼ活性を有する菌株を選択することができる。この方法により一次スクリーニングした菌株は、上記したリン除去能及び/又は蓄積能を指標とするスクリーニングに供することができる。

なお、上記のスクリーニング方法により得られた菌株は、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が親株よりも増大された本発明の菌株であるが、本発明の酵母は、排水処理に用いられるので、親株が有しているDOCやT-Nの除去能と同等程度(好ましくは95%〜100%)の除去能を有していることを確認することが好ましい。

上記した本発明の育種方法により、高濃度リン存在下におけるリンの蓄積能が増大された排水処理酵母を得ることができる。本発明は、該育種方法により育種された酵母をも提供する。なお、該育種方法により得られた酵母をさらに継代培養した酵母や、該酵母にリン除去能及び蓄積能に影響を与えない他の変異が導入された酵母も、「育種された酵母」に包含される。下記実施例では、排水処理酵母であるハンゼヌラ・ファビアニ(Hansenula fabianii) J-640株を親株として4株、ハンゼヌラ・アノマラ (Hansenula anomala) J224-1を親株として1株の変異株を分離した。得られた本発明の変異株であるHansenula fabianii J-640 PFW1、Hansenula fabianii J-640 PFW2、Hansenula fabianii J-640 PFW3、Hansenula fabianii J-640 PFW4及びHansenula anolama J224-1 PAW1は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに2004年10月14日に寄託され、その受領番号は、それぞれFERM P-20246、FERM P-20247、FERM P-20248、FERM P-20249及びFERM P-20245である。このように、本発明は、ハンヌゼラ属に属し、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が増大された酵母自体をも提供するものである。

本発明の酵母は、リン含有物からのリンの除去に用いることができる。リン含有物としては、排水や廃棄物、特に飲食物の製造に伴う排水や廃棄物、家畜の糞便等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、リンの除去が望まれる他のリン含有物からのリンの除去にも適用可能である。特に好ましい例として、しょうちゅう粕液部及びその希釈物を挙げることができるが、もちろんこれに限定されない。本発明の酵母をリンの除去に使用する場合、排水等のリン含有物に本発明の酵母を接触させ放置するだけでよい。処理温度は、酵母が活動できる温度であれば何ら限定されるものではなく、常温ないし30℃程度が好ましい。用いる菌体量は、処理するリン含有物中のリン濃度や用いる酵母のリン除去能等に基づいて、適宜選択することができる。例えば、排水がしょうちゅう粕液部である場合、好ましくは、OD660が0.1〜0.3となる程度の量の菌体を液に投入し、常温ないし30℃程度で1〜2日インキュベートすることにより排水処理を行うことができる。

さらに、リンの除去に供した酵母からリンを回収することもできる。リンの回収は、例えば、酵母を熱処理して細胞からポリリン酸を放出させ、放出されたポリリン酸を回収することにより行うことができる。熱処理の条件は、好ましくは60℃〜80℃、特に好ましくは約70℃で30分間〜2時間、好ましくは約1時間である。ポリリン酸の回収は、公知の方法、例えば、CaCl2を最終濃度50 mMとなるように添加し、pHを10に調整し、菌体から放出されたリン酸を例えばカルシウム塩として沈殿させることにより回収すること(非特許文献6)することにより行うことができる。

以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

1. 実験方法
1.1培地、排水試料
一般的な酵母の前培養にはYM培地(0.3% 酵母抽出物(yeast extract), 0.3% 麦芽抽出物(malt extract), 0.5% ペプトン, 1% グルコース)及びYPD培地(1% 酵母抽出物, 2% ペプトン, 2% グルコース)を用いた。リン酸取込み試験には特に断らない限りSD培地(2% グルコース, 0.227%アスパラギン, 0.05% MgSO4・7H2O, 0.033% CaCl2・2H2O, 0.1%ビタミンmix, 0.1% 微量元素(trace element))を基本に、低リン酸培地には全リンをリン酸換算で20mg/l、高リン酸培地には全リンをリン酸換算で500 mg/lとなるようにKH2PO4を添加するとともに、Kの量を一定にするため必要な量のKClを添加した培地を用いた。また、重層法によるホスファターゼ活性の検出及び前培養条件によるリンの取込制御の検出実験では、YNBD培地(0.57% YNB w/o リン酸, 2% グルコース)を基本に本文中に示す全リン濃度になるようにKH2PO4を添加するとともに、Kの量を一定にするため必要な量のKClを添加し用いた。Xリン酸分解によるホスファターゼの検出及び取得変異株の菌体あたりのリン酸含量を求める実験では、高リン酸YPD培地(1% 酵母抽出物, 2% ペプトン, 2% グルコース, 0.4% KH2PO4)を用いた。なお、いずれの培地も酵母の栄養要求性の相補が必要な場合は必要な核酸、アミノ酸を添加した。実排水を用いた簡易処理試験には、芋しょうちゅう粕もしくは麦しょうちゅう粕をCalbiochem社の薄手の不織布ミラクロスを用いてろ過し液部を2倍に希釈して使用した。

1.2供試酵母
モデル酵母S. cerevisiaeでのPHO調節機構に基づく表現型を確認するため、実験室株X2180-1A(MAT a, SUC2, mal0, gal2, CUP1)の他、PHO調節機構変異株のシリーズとして、変異株の親株にあたるNBW7(MAT a, ade2, his3, leu2, trp1, ura3, pho3-1)(非特許文献10)および図1のPHO81C変異株であるNOF1株(MAT a, ade2, his3, leu2, trp1, ura3, pho3-1, PHO81C-1:高リン酸条件でも酸性ホスファターゼやリン酸トランスポーターが高発現)(非特許文献7)、PHO4c変異株であるNBD82-1株(MAT a, ade2, his3, leu2, trp1, ura3, pho3-1, PHO4C-1:高リン酸条件でも酸性ホスファターゼやリン酸トランスポーターが高発現)(非特許文献10)、pho4遺伝子破壊株であるNBD4-1株(MAT a, ade2, his3, leu2, trp1, ura3, pho3-1, pho4:HIS3:高リン酸条件でも低リン酸条件でも酸性ホスファターゼやリン酸トランスポーターの発現が抑制)(非特許文献10)を用いた。また、育種対象として変異をかける親株の候補株としては、酒類総合研究所(旧国税庁醸造研究所)の保有株で、実用排水処理酵母のH. fabianii J640株、H. anomala J224-1株(非特許文献11)、および生デンプンを分解する排水処理酵母Cryptococcus sp. S-2株(非特許文献12)を用いた。

1.3分析項目
リン酸の測定はJIS K 0102に従い、モリブデン青(アスコルビン酸還元)吸光光度法により行った。全リンの測定にはJIS K 0102によるペルオキソ二硫酸カリウム分解法に従い、加水分解後、遊離のリン酸としてリン酸換算で測定した。菌体内の全リンは、菌体を集菌後、純水に懸濁し、菌体全体を加水分解することにより測定した。ポリリン酸量の評価は黒田らの方法(非特許文献6)に従った。高リン酸YPD培地で24時間培養した酵母培養液を遠心分離後、菌体を洗浄し、100mM Tris-HCl(pH8.0)緩衝液を加え混合、70℃1時間の反応で溶出された液部にHClを終濃度1Nとなるように加え、100℃で7分間加熱することでポリリン酸を無機リン酸に分解した後、遊離のリン酸としてリン酸換算で測定した。排水の一般分析項目のうち、pH、DOC(溶存態有機炭素)、T-N(全窒素)の分析は、JIS K 0102に従い、行った。

1.4モデル酵母によるリン酸取込み試験
高リン酸YPD培地で前培養した菌体を初期菌体量がOD660=0.2となるように高リン酸SD培地に植菌し、30℃、120rpmにて振とう培養を行い、12時間、24時間、36時間後にサンプリング、培地上清中の全リン残存量をリン酸換算で測定した。また、酵母の増殖はOD660による菌体密度を測定し、評価した。

1.5酸性ホスファターゼ活性の評価
酵母が産生する酸性ホスファターゼ活性の評価は、ジアゾカップリング法(非特許文献13)による染色法である溝口らの方法(非特許文献8)に従い、重層法により行った。染色用重層培地として、0.1M酢酸緩衝液 (pH4.0) 100mlに対し、α-ナフチルリン酸カルシウム50mg、Fast Blue B Salt 500mgの割合で混合し、加熱溶解させておいた3%寒天溶液 100mlと混合したものを重層培地として準備し、酵母を24時間培養したYNBD寒天培地(KH2PO4とKの量を一定にするため必要な量のKClを添加)に重層、0.5〜1時間で赤色に染色される酵母を酸性ホスファターゼ産生株とした。

また、ホスファターゼ活性変異株の取得は、Morohoshiらの方法(非特許文献9)に従い、5-ブロモ -4-クロロ-インドリルホスフェート p-トルイジン塩 (Xリン酸:Sigma)を50mg/l加えた高リン酸YPDプレート培地を選択培地として用い、青く染まるコロニーを選抜した。

1.6リン酸取込制御機構の有無についての確認試験
あらかじめ低リン酸、又は高リン酸YNB培地で24時間振とう培養した菌体を分取し、洗浄後、高リン酸YNB培地に懸濁後30℃にて振とう培養を行い、はっきりとした菌体の増殖が認められない1.5時間まで、0.5時間ごとに菌体量(OD660)及び菌体中の全リンを測定し、菌体あたりのリン含有量が増加する様子を観察することにより評価した。

1.7変異誘発処理
YM培地で24時間培養した酵母培養液 250μL、0.2Mリン酸緩衝液 (pH8.0) 4.6 ml、変異誘発剤のEMS 150μLを有栓型試験管に入れ、ゆるやかに振とうしながら30℃、1時間放置することにより変異処理を行った。これに6%ハイドロサルファイトナトリウム溶液を適量混合することで中和して変異誘発を止め、プレート培地上に約千個のコロニーが出現するように1/15Mリン酸Bufferを用いて希釈し、約600枚のプレートに塗布、変異株を得た。なお、本変異処理条件での死滅率は約90%であった。

1.8培地からの全リン除去量の評価
高リン酸YPD培地40mlに初期OD660が0.2となるように菌体を加え、30℃、120rpm、24時間振とう培養し、菌体量(OD660)及び培地中の全リンをリン酸換算で測定した。培地の全リン量、菌体量から、菌体あたりの全リン除去量を評価した。

1.9小スケールでの排水簡易処理試験
しょうちゅう粕をミラクロスでろ過した液部を2倍希釈後、滅菌(121℃、15分間)したものを試料とした。親株と変異株は高リン酸YPD液体培地で前培養し、初期菌体密度がOD660で0.2となる(排水が濁っているため実際のOD660は別)ように排水に加え、30℃、120rpmにて簡易処理試験を行った。12時間、24時間、36時間後にサンプリングし、菌体量(OD660)、無機リン酸残存量、全リン残存量を測定した。

2.実験結果及び考察
2.1モデル酵母のPHO調節機構変異株による培地中のリン除去
モデル酵母S. cerevisiaeではリン酸の取込を制御する調節経路としてPHO調節機構(図1)が知られており(非特許文献7)、また、本調節機構関連の遺伝子破壊株や変異株がすでに取得されている(非特許文献7、14)。そこで本願発明者らは、高リン酸条件でも酸性ホスファターゼ遺伝子PHO5やリン酸トランスポーター遺伝子PHO84 が抑制されず高発現していることが分かっているPho81常時活性化変異株(図1のPHO81c)であるNOF1株及びPho4常時活性化変異株(図1のPHO4c)であるNBD82-1株と、逆に低リン酸条件でもPHO5やPHO84 が抑制されているpho4遺伝子破壊株であるNBD4-1株、これらの親株であるNBW7株を用いて培地中のリンの除去試験を行った。培地は全リンがリン酸換算で500ppmになるよう調整したSD培地を用いた。

供試した4株の高リン酸SD培地における増殖はほとんど変わらなかった(図2(A))が、無機リン酸の除去率(図2(B))及び有機態リンを含めたリンの除去率(図2(C))はどちらも、NOF1株及びNBD82-1株の方がNBD4-1株や親株であるNBW7株に比べて高かった。このことは、高リン酸培地条件でPHO84やPHO5遺伝子が高発現している株には環境中のリンを多く除去する能力があることを示しており、PHO調節機構の変異によるリン酸高取込株の育種が可能であることを示唆している。なお、本培地はリン酸換算で500ppmのリンを含む高リン酸条件でありNBW7株のPHO84やPHO5遺伝子が抑制されたため、pho4遺伝子破壊株であるNBD4-1株とのリン除去能には差が出なかったものと考えられる。なお、各酵母は30℃、48時間YPD培地で振とう前培養を行った後、OD660が0.2となるように高リン酸SD培地に植菌し、30℃で振とうした。なお、図2中、(A)はOD660を指標とした酵母の増殖、(B)は培地中の残存無機リン酸濃度の経時変化、(C)は培地中の残存全リン濃度の経時変化を示す。また、図2中、白抜きの四角はNBW7株 (親株), ○はNBD4-1株(△pho4), △はNBD82-1株(PHO4c), ▲はNOF1株(PHO81c)についての結果を示す。

2.2実用排水処理酵母より育種候補株の選択
2.2.1酸性ホスファターゼ活性の調節確認
前述のS. cerevisiae PHO制御機構変異株のうちNOF1株、NBD4-1株、NBW7株及び半数体の実験室酵母を代表してX2180-1A株を用い、培地のリン酸濃度を変えた培地におけるホスファターゼ活性を重層法(非特許文献8)により確認した。本法では、培養した酵母のホスファターゼ活性を赤い発色により検出することができる。全リン濃度をリン酸換算で20ppmに調整した培地の場合、低リン酸条件でPHO5が抑制されるNBD4-1株を除く3株が赤く染色され、ホスファターゼ活性が確認された。全リン濃度をリン酸換算で100ppm、150ppm、300ppmと変化させると親株のNBW7株及び実験室株のX2180-1A株は赤く染色されなくなり、これらの株ではホスファターゼの発現が環境中のリン酸濃度が高くなることにより抑制されていることが確認できた。一方、PHO5が環境のリン酸濃度により抑制できない変異株であるNOF1株は300ppmの全リンでも赤く染色された。このことは、NOF1株のように高リン酸条件でも酸性ホスファターゼ遺伝子PHO5が抑制されず高発現している株をホスファターゼの活性染色により見分けることができることを示している。一方、S. cerevisiaeでいうPHO調節機構と類似の調整機構における変異を利用した実用排水処理酵母の育種方針を立てた場合、育種候補株の持つべき性質としては、X2180-1A株やNBW7株のように環境中のリン酸濃度を感知し、ホスファターゼ活性が抑制される株であることが必須である。そこで、本研究所所蔵の実用排水処理酵母であるH. fabianii J640株、H. anomala J224-1株、Cryptococcus sp. S-2株を用いて同様の試験を行い、ホスファターゼ活性制御を観察した。なお、各酵母は、全リンを調整したYNBD寒天培地で24時間培養した後、染色培地を重層し30分後に観察した。

全リン濃度を20ppmに調整した培地の場合、3株が赤く染色され、ホスファターゼ活性が確認された。全リンの濃度をリン酸換算で100ppm、150ppm、300ppmと変化させるとH. fabianii J640株、H. anomala J224-1株は赤く染色されなくなり、これらの実用酵母ではホスファターゼの発現が環境中のリン酸により抑制されていることが確認できた。一方、Cryptococcus sp. S-2株は300ppmリン酸の培地でも赤く染色されており、少なくともこの条件では、ホスファターゼ活性の抑制が確認できなかった。なお、各酵母は、全リンを調整したYNBD寒天培地で24時間培養した後、染色培地を重層し30分後に観察した。

2.2.2リンの取込活性が環境のリン濃度により調節されている株の選択
リンの取込活性が環境中のリン濃度で制御されているかどうかを確認するため、前述の実用廃水処理酵母H. fabianii J640株、H. anomala J224-1株、Cryptococcus sp. S-2株及びリンの取込活性が環境中のリン濃度で制御されていることが明らかな実験室酵母S. cerevisiae X2180-1A株を用いて、低リン酸条件で培養した酵母と高リン酸条件で培養した酵母を高リン酸培地に接種し、菌体中のリン含有量の変化を観察した(図3)。なお、各酵母はあらかじめ低リン酸YNBD培地(全リン酸が20ppm、結果は図3中「□」で示す)又は高リン酸YNBD培地(全リン酸が500ppm、結果は図3中「■」で示す)で24時間30℃にて振とう培養した後、高リン酸YNBD培地(全リン酸が500ppm)に摂取し、30分ごとに酵母菌体を加水分解し、菌体中の全リン含量を測定した。図3中、 (A)はX2180-1A株、(B)はH. fabianii J640株、(C)はH. anomala J224-1株、(D)はCryptococcus sp. S-2株についての結果を示す。

実験室酵母S. cerevisiae X2180-1A株では、高リン酸培地で前培養した酵母は新しい高リン酸培地に移しても酵母菌体内のリン酸含量がほとんど変わらなかったが、低リン酸培地で前培養した酵母は当初菌体あたりのリン酸含有量が低いものの速やかに回復し、約1時間で、高リン酸培地で前培養した酵母の菌体あたりのリン酸含有量とほぼ同じになった(図3(A))。研究所所蔵の実用排水処理酵母であるH. fabianii J640株、H. anomala J224-1株についても同様であり(図3(B), (C))、これらの株ではモデル酵母S. cerevisiaeと同様の制御が行われている可能性が示唆された。一方、Cryptococcus sp. S-2株では、酵母菌体あたりのリン酸含有量の回復が遅く、1.5時間たっても高リン酸培地で前培養した株の菌体あたりのリン酸含有量に追いつかなかった(図3(D))。

以上の結果から、ホスファターゼ活性とリンの取込活性が環境中のリン濃度で制御されている育種候補株として、H. fabianii J640株、H. anomala J224-1株の2株を選択し、変異処理を行うこととした。

2.3リン高取込み変異株の取得
育種候補株であるH. fabianii J640株、H. anomala J224-1株の2株について、下記スキーム1に示す戦略でリン高取込酵母の育種を試みた。まずコロニーの色で識別可能なホスファターゼ活性を指標に高リン酸培地でホスファターゼを高発現している株を1次スクリーニングし、得られたコロニーを高リン酸培地5mlで培養し、培地からのリン除去量を指標に2次スクリーニング、さらに50mlに培養規模を大きくして増殖も加味し、菌体あたりのリン除去量を指標に3次スクリーニングをかけた。

2.3.1酸性ホスファターゼ生産変異株の分離
高リン酸培地にもかかわらず酸性ホスファターゼを生産するようになった変異株を数百枚のプレートから選択する方法としては、染色培地をプレートに重層する方法はあまり効率的ではない。そこで、Xリン酸の分解によるホスファターゼ活性の検出方法が重層法の代わりに使えるかどうか確認した。Xリン酸を用いた方法は、大腸菌のアルカリホスファターゼの活性検出に用いられた方法(非特許文献9)で、染色培地を重層する必要なしに、コロニーが青く染まることで目的の株を選択できる。PHO調節機構の変異株であるNOF1株、親株のNBW7株の2株、育種候補株であるH. fabianii J640株、H. anomala J224-1株の2株についてXリン酸を含有しリン濃度の異なる培地にて活性の染色試験を行った。なお、各酵母は、50ppm Xリン酸を含む寒天培地で1日培養した後、Xリン酸分解による青い染色を観察した。YPD培地はもともとリン酸換算で360ppm以上のリンを含有しているため、通常のYPD培地にXリン酸を加えてもリン含有量が多く、低リン酸培地としての使用が難しかったため、比較用の低リン酸培地としては低リン酸YNBD培地を使用した。低リン酸YNBD培地では供試した4株ともホスファターゼを高発現し青く染まったが、リン酸換算で613ppmの全リンを含む高リン酸YPD培地ではNOF1以外の株は青く染色されず、重層法と同様、産生されたホスファターゼの活性を酵母の染色により識別できることが分かった。

そこで、EMSにより突然変異処理した酵母をXリン酸含有高リン酸YPD培地に塗布し、青く染まったコロニーを選択することによりホスファターゼ生産株を選択することとした。EMS処理したH. fabianii J640、H. anomala J224-1とも1枚あたり1,000コロニーが出現するように約600枚のプレートにまいた(約6×105個のコロニー)。得られたコロニーの中でX-リン酸を分解し青色に染まっている酸性ホスファターゼ産生変異株はH. fabianii J640が66株、H. anomala J224-1が322株であった。これらの株を単離し次のスクリーニングに用いた。

2.3.2培地からのリン除去能による変異株の選択
得られた変異株から、高リン酸培地で親株に比べリンを除去する株の選択を試みた。まず取得した変異株をおおまかに選択するため、L字型試験管に高リン酸YPD液体培地5mlを加え、酵母を植菌、30℃、24時間振とう培養を行い、培地中の全リン残存量を測定し、培地中からのリン除去量が親株と比べて明らかに多い株を選択した。H. fabianii J640から10株、H. anomala J224-1から22株得られた。

次にYM培地で30℃24時間振とう前培養を行い、菌体量がOD660で0.2となるように高リン酸YPD培地に植菌し、30℃24時間振とう培養した。培地に残存する全リン量と菌体量(OD660)を測定することにより、培地からのリン除去量、単位菌体量のリン除去量を算出、親株と比較し、H. fabianii J640から4株、H. anomala J224-1から1株変異株を取得した(表1)。取得したH. fabianiiの変異株のうち、PFW1株とPFW2株は親株に比べ菌体あたりのリン除去量で2倍程度のリンを除去していた。PFW3株は菌体あたりのリン除去量が35.8 Pippm/OD660と親株の3倍量のリンを培地中から除去していたが、24時間培養後の菌体量はやや少なかった。PFW4株は菌体量が変異株の中ではもっとも多く、菌体あたりのリン除去量は他の3つの変異株に劣っていたが、培地中に残存するリンの量がもっとも少なかった。これらのことから、H. fabianiiの変異株の中では、PFW4株がもっとも有力と考えられた(表1(A))。一方、H. anomalaの変異株であるPAW1株も24時間後の菌体量はやや少ないものの、菌体あたりのリン除去量が親株に比べ約2倍と高く、培地残存Pi量も親株よりも少なくなることが分かった(表1(B))。なお、各酵母はYM培地で30℃48時間振とうにより前培養し、菌体量がOD660=0.2になるように高リン酸YPD培地50mlに植菌、30℃24時間振とう培養した。菌体量は培養後のOD660で評価し、培養後の上清中の全リン(培地残存Pi)をリン酸換算で測定した。菌体あたりのリン除去量は、初期全リン濃度から培地残存Piを引いて求めたリン除去量をOD660で割ることにより計算した。

2.4取得変異株のリン蓄積能力
3次スクリーニングにおいて、今回取得した変異株は培地中のリンの除去能力が親株に比べて高かった(表1)。そこで、高リン酸YPD培地で24時間振とう培養した酵母菌体をまるごと加水分解し、リン含量を測定、親株と比較することで変異株のリン蓄積能力を評価した(図4白いバー)。今回取得したH. fabianii J640の変異株(PFW1〜PFW4株)はOD660あたりリン酸換算で24〜26mgのリンを菌体にためこんでいた。これは親株の約3.5倍〜3.9倍の蓄積能にあたる。一方、H. anomala J224-1の変異株PAW1株も親株の約2.4倍の約28mgのリンを菌体にためこんでいた。なお、各酵母は高リン酸YPD培地で24時間振とう培養後、菌体ごと加水分解することにより菌体中の全リンを測定した。また、70℃1時間の条件で放出されたリンについて分析した。図4中、白いバーは菌体中の全リン量、灰色のバーは酵母を70℃、1時間の熱処理した際に放出され1NHCl、100℃、7分という条件で分解されるリン化合物量、黒いバーは酵母を70℃1時間の熱処理した際に放出された無機リン酸量を示す。

モデル酵母S. cerevisiaeの場合、過剰に取り込んだリンは液胞にポリリン酸の形で蓄積する(非特許文献15)。液胞のない大腸菌も、過剰のリンは菌体内にポリリン酸の形でため込むことが知られている(非特許文献6、4、17)。そこで、細胞からポリリン酸を放出させる条件(非特許文献6)と同じ70℃1時間の熱処理を実用廃水処理酵母及び変異株に対して行い無機リン酸量(図4黒いバー)と1NHCl、100℃、7分という条件で分解されるリン化合物(図4灰色のバー:ポリリン酸と推定)の量を測定した。H. fabianii J640の変異株(PFW1〜4株)ではOD660あたりリン酸換算で親株の4.1倍〜4.8倍にあたる9.4〜11.0mgのポリリン酸と推定されるリン化合物が検出された。H. anomala J224-1の変異株PAW1株は親株の約2.4倍の10mgのポリリン酸と推定されるリン化合物が検出された。ポリリン酸抽出条件の検討が十分ではないため、すべてのポリリン酸が抽出されているか分からないが、ポリリン酸と推定されるリン化合物の量は親株と変異株で大きく異なっており、H. fabianii J640株やH. anomala J224-1株でもポリリン酸の蓄積が大事であることを示唆する結果となった。

2.5リン除去能力の評価
2.5.1高リン酸SD培地からのリン除去能評価
高リン酸SD培地を用いて変異株のリン除去量を評価した(図5)。H. fabianii J640株の変異株として得られた4株のうち、3次スクリーニングにおいてもっともリンを除去したPFW4株をH. fabianii J640株の変異株として用いることとした。YM培地で前培養した酵母をOD660が0.2となるように高リン酸SD培地に植菌し、30℃で振とうし、増殖(OD660)及び培地中の全リン、無機リン酸を測定し、培地中のリンの除去能力を評価した。親株と変異株では増殖はほとんど変わらなかった(H. fabianii J640:図5(A)、H. anomala J224-1:図5(B))が、培地中に残存する全リン濃度は親株に比べて変異株の方が少なく、除去能力が高かった(H. fabianii J640:図5(C)、H. anomala J224-1:図5(D))。無機リン酸においても同様であった(H. fabianii J640:図5(E)、H. anomala J224-1:図5(F))。なお、図5中、□はH. fabianii J640株、■はH. fabianii J640 変異株PFW4株、△はH. anomala J224-1株、▲はH. anomala J224-1変異株PAW1株についての結果を示す。これらは、本発明の変異株が実用排水処理酵母である親株よりも高濃度リンの処理能力が高いことを示している。

2.5.2しょうちゅう粕液部からのリン除去能力評価
高リン酸SD培地において我々の取得した変異株は親株よりも高いリン除去能力を示したことから、実際に高濃度のリンを含むしょうちゅう粕の液部を用いた小スケールの排水簡易処理試験を行い、変異株の処理能力を評価した。評価項目としては、リン除去能のみではなく、増殖に相関のあるOD660やDOC除去能、T-N除去能といった実用廃水処理酵母としての能力の評価も含めた。また、しょうちゅう粕は、クエン酸などの有機酸含量が高く、廃棄の際には廃酸の扱いになるため処理により中性化できる(有機酸の資化性がよい)ことが望ましい(非特許文献16)。そのため、pHについても測定した。

しょうちゅう粕は一般にまず固形分をろ過や遠心等で除去分離し、液体部分を処理する(非特許文献18、19、16)。そこで今回ミラクロスを用いてろ過し液部を調整した後、2倍希釈して用いた。しょうちゅうの種類としては平成12酒造年度現在(非特許文献20)、海洋投棄比率の高く処理法の開発が迫られている芋しょうちゅう粕(図6)と、芋しょうちゅう粕に続き海洋投棄量の多い麦しょうちゅう粕(図7)を用いた。

芋しょうちゅう粕液部を用いた試験(図6)では、酵母の増殖(OD660)、DOC、T-N、pHについて、H. fabianii J640株とその変異株PFW4株、H. anomala J224-1株とその変異株PAW1株のどちらとも、親株と変異株で処理能力の違いは見られなかった。一方、リン除去能については、親株がしょうちゅう粕液部のリンの半分程度しか除去できなかったのに対し、それぞれの変異株は残存リンが5%程度になるまでリンを除去した(図6(C), (D))。各酵母を芋しょうちゅう粕液部にOD660=0.2となるよう植菌し、30℃で振とうした。なお、図6中、□はH. fabianii J640株、■はH. fabianii J640 変異株PFW4株、△はH. anomala J224-1株、▲はH. anomala J224-1変異株PAW1株についての結果を示す。また、図6中、 (A), (B)はOD660を指標にした増殖、(C),(D)は排水中の全リン(リン酸換算)の経時変化(除去)、(E),(F)は排水中のDOCの経時変化(除去)、(G),(H)は排水中のT-Nの経時変化(除去)、(I),(J)は排水中のpHの経時変化についての結果を示す。

麦しょうちゅう粕液部を用いた試験(図7)も同様で、酵母の増殖(OD660)、DOC、T-N、pHについて、H. fabianii J640株とその変異株PFW4株、H. anomala J224-1株とその変異株PAW1株のどちらとも、親株と変異株で処理能力に違いは見られなかったが、リンの除去能力については、親株が半分程度しか除去できなかったのに対し、それぞれの変異株は残存リンが3%程度になるまでリンを除去した(図7(C), (D))。なお、各酵母を麦しょうちゅう粕液部にOD660=0.2となるよう植菌し、30℃で振とうした。図7中、□はH. fabianii J640株、■はH. fabianii J640 変異株PFW4株、△はH. anomala J224-1株、▲はH. anomala J224-1変異株PAW1株についての結果を示す。また、図7中、 (A), (B)はOD660を指標にした増殖、(C),(D)は排水中の全リン(リン酸換算)の経時変化(除去)、(E),(F)は排水中のDOCの経時変化(除去)、(G),(H)は排水中のT-Nの経時変化(除去)、(I),(J)は排水中のpHの経時変化を示す。

これらの結果を、酵母が最終的に除去した炭素(C)、窒素(N)、リン(P)の比として整理すると、芋しょうちゅう粕(表2)の場合、炭素除去量を100とした場合、窒素については5.4〜5.8でほとんど変わらなかったが、リンは親株が1.5〜1.6であるのに対し2.8〜2.9とほぼ2倍に増加した。麦しょうちゅう粕液部の場合も同様で炭素除去量を100とすると、窒素は5.8〜6.5とほぼ変わらなかったが、リンは親株が1.8程度であるのに対し3.3程度とほぼ2倍近くまで増加した(表3)。これらの結果は、我々の取得した変異株は少なくともしょうちゅう粕液部ではリン以外についてはほぼ同等の処理能力を持ちながら、リンについての処理能力及び蓄積能力が大幅に向上したことを示している。

今回試験に用いた芋しょうちゅう粕液部は約3割がリン化合物であったが、取得した変異株は親株に比べ、無機リン酸を多く取り込むのみならず、有機態リンについても効率的に処理していた(図8)。これは、取得した変異株においてリン酸の取込能力が向上しただけでなく、ホスファターゼ活性の向上も指標としたため、有機リンを資化しやすい形にする能力も向上し、相乗効果により多くのリンを環境から除去回収することができるようになったためと考えられる。なお、各酵母は、芋しょうちゅう粕液部にOD660=0.2となるよう植菌し、30℃で36時間振とうした。処理前のリン濃度と組成はブランクとして示した。図8中、■は無機リン酸残存量、□はその他のリン化合物残存量を示す。

サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)において知られているPHO機構を模式的に示す図である。 モデル酵母のPHO調節経路変異株によるリンの取込み試験の結果を示す図である。(A)はOD660を指標とした酵母の増殖、(B)培地中の残存無機リン酸濃度の経時変化、(C)培地中の残存全リン濃度の経時変化を示す。 前培養の培地リン濃度が、親株の酵母菌体中の全リン含量に及ぼす影響を示す図である。(A)はX2180-1A株、(B)はH. fabianii J640株、(C)はH. anomala J224-1株、(D)はCryptococcus sp. S-2株についての結果を示す。 実施例で得られた本発明の変異株の菌体あたりのリン酸含有量を示す図である。白いバーは菌体中の全リン量、灰色のバーは酵母を70℃1時間の熱処理した際に放出され1NHCl、100℃、7分という条件で分解されるリン化合物量、黒いバーは酵母を70℃1時間の熱処理した際に放出された無機リン酸量を示す。 実施例で得られた本発明の変異株と親株の増殖及び培地中の全リン、無機リン酸の経時変化を示す図である。(A), (B)は OD660を指標にした増殖、(C),(D)は培地中全リンの経時変化、(E),(F)は培地中無機リン酸の経時変化を示す。 実施例で得られた本発明の変異株を、芋しょうちゅう粕液部に適用した簡易処理試験(環境負荷成分等の経時変化)の結果を示す図である。(A), (B)はOD660を指標にした増殖、(C),(D)は排水中の全リン(リン酸換算)の経時変化(除去)、(E),(F)は排水中のDOCの経時変化(除去)、(G),(H)は排水中のT-Nの経時変化(除去)、(I),(J)は排水中のpHの経時変化を示す。 実施例で得られた本発明の変異株を、麦しょうちゅう粕液部に適用した簡易処理試験(環境負荷成分等の経時変化)の結果を示す図である。(A), (B)はOD660を指標にした増殖、(C),(D)は排水中の全リン(リン酸換算)の経時変化(除去)、(E),(F)は排水中のDOCの経時変化(除去)、(G),(H)は排水中のT-Nの経時変化(除去)、(I),(J)は排水中のpHの経時変化を示す。 実施例で得られた本発明の変異株で処理後の排水中の残存リン濃度とその組成を示す図である。

Claims (11)

  1. 突然変異処理した排水処理酵母又は自然に突然変異した排水処理酵母について、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能を指標とし、前記除去能及び/又は蓄積能が増大された酵母をスクリーニングすることを含む、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が増大された排水処理酵母の育種方法。
  2. 前記スクリーニングに供される排水処理酵母は、突然変異処理された排水処理酵母である請求項1記載の方法。
  3. 突然変異処理に供される前記排水処理酵母は、高濃度リン存在下において酸性ホスファターゼ活性が減少する、及び/又は培地中のリン濃度が増大した際に速やかに菌体中のリン蓄積量が増大する酵母である請求項2記載の方法。
  4. 前記スクリーニングは、高濃度リン存在下におけるホスファターゼ活性を指標として一次スクリーニングを行い、高濃度リン存在下におけるホスファターゼ活性が親株よりも高い株について、高濃度にリンを含有する培地からのリンの除去量を指標にして二次スクリーニングを行なうことを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記排水処理酵母が、ハンゼヌラ属に属する酵母である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法により育種された酵母。
  7. ハンゼヌラ・ファビアニ J640 PFW1株(FERM P-20246)、ハンゼヌラ・ファビアニ J640 PFW2株(FERM P-20247)、ハンゼヌラ・ファビアニ J640 PFW3株(FERM P-20248)、ハンゼヌラ・ファビアニ J640 PFW4株(FERM P-20249)若しくはハンゼヌラ・アノラマ J224-1 PAW1株(FERM P-20245)又は高濃度リン存在下における増大されたリンの除去能及び/又は蓄積能を維持するその変異体である請求項6記載の酵母。
  8. ハンゼヌラ属に属し、高濃度リン存在下におけるリンの除去能及び/又は蓄積能が増大された酵母。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1項に記載の酵母で、リン含有物を処理することを含む、リン含有物からのリンの除去方法。
  10. 前記リン含有物が、食品又は飲料の製造に伴う排水又は廃棄物である請求項8記載の方法。
  11. 請求項9又は10記載の方法に供した酵母からリンを回収することを含むリンの回収方法。

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JP2005043350A Pending JP2006224042A (ja) 2005-02-21 2005-02-21 排水処理酵母の育種方法、該方法により育種された酵母並びにそれを用いたリンの除去及び回収方法

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