JP2006220560A - 基板及び微小構造物並びに基準スケールの作製方法及び微小構造物の測長方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 測定対象物3が表面5aに形成される基板本体5と、該基板本体5の表面上5aで、測定対象物3が形成される領域近傍に少なくとも一方向に延びるよう設けられた基準スケール6とを備え、該基準スケール6が、集束イオンビームFIBを利用して形成され、予め決められた間隔毎に隣接配置された複数の目盛り7を有している基板2を提供する。
【選択図】 図1
Description
測長方法としては、様々な方法が提供されているが、その1つとして、走査型電子顕微鏡(SEM)等のビーム系で、スキャンする際の信号変化(コントラスト変化箇所)を基準としたビーム走査距離や2次電子像から測長する方法が知られている。このSEMを利用した測長方法は、通常、測長対象物のFIB画像を確認するモニタ上に、長さの基準となるミクロンバーが表示されるようになっている。そして、このミクロンバーと測長対象物とを比較することで、測長対象物の長さや、隣り合う測長対象物同士の間隔等を測長していた(例えば、特許文献1参照)。
なお、光学顕微鏡による観察では、ミクロンバーではなく、レンズに表示されたスケールを利用する方法が採用されている。また、観察分野では、測定対象物に応じて、nm〜mmまでの範囲内で最適な大きさのミクロンバーが必要とされている。
即ち、ミクロンバーは、画面上に2次元的に表示されるものなので、測定対象物に対して直角にFIBを照射する場合にはミクロンバーを利用して測定対象物を正確に測長することができるが、測定対象物が傾斜している場合には、正確な測長を行うことができなかった。つまり、FIBの照射方向に対して傾斜している測長対象物を測長することになるので、単純に測長対象物とミクロンバーとを比較することができず、ミクロンバーを基準として測長を行うことができなかった。
また、光学顕微鏡等を利用した場合には、ミクロンバーすらないので、測長がさらに困難なものであった。
本発明の基板は、測定対象物が表面に形成される基板本体と、該基板本体の表面上で、前記測定対象物が形成される領域近傍に少なくとも一方向に延びるよう設けられた基準スケールとを備え、該基準スケールが、集束イオンビームを利用して形成され、予め決められた間隔毎に隣接配置された複数の目盛りを有していることを特徴とするものである。
特に、測定対象物の近傍に基準スケールが形成されるので、比較を速やかに行うことができ、また、基板本体の姿勢(傾斜状態)に関わらずどの方向からでも測長を行えるので、測長が容易で使い易い。また、FIBを利用して基準スケールを形成するので、基板本体の素材を選ばずに、nm〜mmまでの任意の範囲内で目盛りを形成できるので、設計の自由度が高い。
また、基板本体に基準スケールが直接形成されているので、ミクロンバーが画面上に表示されるSEM観察ではなく、例えば、光学顕微鏡により観察を行ったとしても、容易且つ正確に測長を行うことができ、利便性の向上を図ることができる。
これにより、仮に斜め45度の角度からFIBを照射したとしても、基板本体の表面に垂直な方向からFIBを照射して目盛りを形成したものと擬制することができる(同様の効果を得ることができる。)よって、垂直方向から照射した場合と同様に、目盛りを正確に所定の間隔毎に形成することができる。このように、FIBの照射方向を自由に設定できるので、設計の自由度を向上することができる。
また、基板本体に基準スケールが直接形成されているので、ミクロンバーが画面上に表示されるSEM観察ではなく、例えば、光学顕微鏡により観察を行ったとしても、容易且つ正確に測長を行うことができ、使い易い。
本実施形態のIC基板(微小構造物)1は、図1に示すように、図2に示す基板2により製造され、該基板2と基板2に形成された配線パターン(測定対象物)3とで構成されている。
この基板2は、図2に示すように、配線パターン3が表面5aに形成される基板本体5と、該基板本体5の表面5a上で、配線パターン3が形成される領域の近傍に少なくとも一方向に延びるように設けられた基準スケール6とを備えている。
この基準スケール6は、図3に示す集束イオンビーム装置10から照射される集束イオンビーム(FIB)を利用して形成され、予め決められた間隔、例えば、1μm毎に隣接配置された3本(複数)の目盛り7を有している。即ち、長さが3μmのスケールとされている。
なお、本実施形態では、基準スケール6は、基板本体5の表面5a上にデポジション膜を堆積して形成されたものである。
また、制御機構16は、上記各構成品の総合的な制御を行うようになっている。また、上記基板2は、内部の圧力を調整可能な容器20内に収納されており、該容器20内でFIB照射や原料ガスGの供給等が行われるようになっている。
本実施形態の基準スケール6の作製方法は、配線パターン3が形成される領域の近傍に向けてFIBを照射する照射工程と、基板本体5とFIBの照射軸とを基板本体5の表面5aに平行なXY方向に相対移動させ、少なくとも一方向に向けて、予め決められた間隔(1μm)毎に複数の目盛り7が隣接配置されるように走査しながら加工を行う加工工程とを備えている。
これら各工程について、以下に詳細に説明する。なお、本実施形態では、加工工程の際、基板本体5の表面5aに対して集束イオンビーム鏡筒、即ち、イオン照射部13を垂直に位置させた状態にし、FIBを基板本体5の表面5aに垂直に照射させた状態で行う。
具体的には、FIBが照射されるそれぞれの位置(A点、B点、C点)で基板本体5を傾斜させた時に、それぞれの回転中心位置が一致するように高さ調整を行う。こうすることで、基準スケール6を形成したい領域全体の平面がFIBの入射方向に対して垂直な面となる。
なお、高さ調整(傾き調整)を行う際に、3点での高さ測定を行ったが、2点間方向に延びた方向へ基準スケール6を設ける場合には、3点に限られず、少なくとも2点で高さ測定を行えば良い。
なお、加工工程の際、FIBの照射により発生した2次電子Eを2次電子検出器15で検出することで、基準スケール6の加工状況が表示部17に表示される。
特に、配線パターン3の近傍に基準スケール6が形成されるので、比較を速やかに行うことができ、また、基板本体5の姿勢(傾斜状態)に関わらずどの方向からでも測長を行えるので、測長が容易で使い易い。また、FIBを利用して基準スケール6を形成するので、基板本体5の素材を選ばずに、nm〜mmまでの任意の範囲内で目盛り7を形成でき、設計の自由度が高い。
また、本実施形態では、基板本体5の表面5aに対してFIBを垂直に照射させた状態で基準スケール6の目盛り7を形成するので、該目盛り7をより正確に所定の間隔、即ち、1μm毎に形成することができる。よって、測長の高精度化を測ることができる。
このように製造されたIC基板1は、上述したように、配線パターン3が形成される領域近傍に基準スケール6を有する基板2から製造されるので、姿勢(傾斜角度)に関わらず配線パターン3を容易且つ確実に測長でき、配線パターン3の間隔や長さ等を把握することができる。よって、製品の高品質化を図ることができる。
この集束イオンビーム試料作製装置30は、上記集束イオンビーム装置10の構成品のうち試料台11、試料台制御機構12、イオン照射部13、2次電子検出器15、制御機構16、表示部17及び容器20に加え、基板本体5の表面5aに向けて電子ビームBを照射する電子ビーム照射部31を備えている。また、この電子ビーム照射部31は、電子発生源32及び電子光学系33を有しており、電子発生源32で発生した電子Dを電子光学系33で細く絞って電子ビームBとして照射できるようになっている。
なお、FIB照射時と同様に、電子ビームBの照射により発生した2次電子Eを2次電子検出器15で検出して、2次電子像を表示部17に表示することができるようになっている。
まず、IC基板1を試料台11に載せた後、イオン照射部13又は電子ビーム照射部31からFIB若しくは電子ビームBをIC基板1に向けて照射しながら、試料台制御機構12により試料台11をXY方向に走査する。この際、FIB又は電子ビームBの照射により発生した2次電子Eを2次電子検出器15で検出し、2次電子像を表示部17に表示する。
これにより、図6に示すように、表示部17の画面上に基準スケール6及び配線パターン3を、IC基板1を真上から見た状態で表示することができる。なお、画面上には、従来のミクロンバーも表示されている。
ところが、従来のミクロンバーを利用した場合、図7に示すように、試料台11の傾斜によりIC基板1が傾斜したときには、該傾斜角度にミクロンバーが追従しないので、単純にミクロンバーと比較して測長を行うことができない。
また、基準スケール6は、デポジション膜により形成されるので、視認性が良く高精度の測長を行える。
また、本実施形態においては、電子ビームBの照射方向に対して垂直にSEMステージを傾斜させることなく、SEM像を利用して、FIBにより作製された基準スケール6から測長を行うことができる。
なお、図8に示すように、FIBを利用した測長ではなく、光学顕微鏡35による測長を行っても構わない。この場合には、上部照明光L1を利用しても構わないし、下部透過型照明光L2を利用しても構わない。
このように形成された基準スケール6は、目盛り7の周囲がデポジション膜Mで縁取りされた状態になるので、より視認性を向上することができる。特に、基板本体5として光学的に透明な基板2を採用する場合には、落射照明ではなく、下部透過型照明光L2による透過光を使用することで、より基準スケール6を確認し易くなる。
この場合には、加工工程の際、基板本体5の表面5aと集束イオンビーム鏡筒(イオン照射部13)とのなす角度に応じた係数を、目盛り7を形成したい所望の間隔に乗算して補正値を算出し、算出した補正値を新たな間隔値として使用すれば良い。
これにより、仮に基板本体5の表面5aに対して斜め45度の角度からFIBを照射したとしても、基板本体5の表面5aに垂直な方向からFIBを照射して目盛り7を形成したものと擬制することができる。よって、垂直方向から照射した場合と同様に目盛り7を正確に所定の間隔毎に形成することができる。このようにFIBの照射方向を自由に設定できるので、設計の自由度を向上することができる。
また、上記実施形態では、基準スケール6の範囲を3μmとしたが、これに限られず、任意の範囲に設定して構わない。例えば、図10に示すように、20μmとしても構わない。なお、図10には、上述したFIBを構造部材に照射した例も併せて図示している。この方法により、基板面に平行でない一部の構造物面や側面に対しても基準スケール6を形成することができる。
1 IC基板(微小構造物)
2 基板
3 配線パターン(測定対象物)
5 基板本体
5a 基板本体の表面
6 基準スケール
7 目盛り
13 集束イオンビーム鏡筒(イオン照射部)
Claims (12)
- 測定対象物が表面に形成される基板本体と、
該基板本体の表面上で、前記測定対象物が形成される領域近傍に少なくとも一方向に延びるよう設けられた基準スケールとを備え、
該基準スケールは、集束イオンビームを利用して形成され、予め決められた間隔毎に隣接配置された複数の目盛りを有していることを特徴とする基板。 - 請求項1記載の基板において、
前記基準スケールは、前記基板本体の表面上をエッチング加工して形成されたものであることを特徴とする基板。 - 請求項1記載の基板において、
前記基準スケールは、前記基板本体の表面上にデポジション膜を堆積して形成されたものであることを特徴とする基板。 - 請求項1記載の基板において、
前記基準スケールは、前記基板本体の表面上に堆積されたデポジション膜をエッチング加工して形成されたものであることを特徴とする基板。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の基板により製造されたことを特徴とする微小構造物。
- 測定対象物が表面に形成される基板本体の表面上の、該測定対象物が形成される領域近傍に基準スケールを作製する基準スケールの作製方法であって、
基板本体と集束イオンビームの照射軸とを前記基板本体の表面に平行な方向に相対移動させ、少なくとも一方向に向けて、予め決められた間隔毎に複数の目盛りが隣接配置されるよう走査しながら加工を行う加工工程とを備えていることを特徴とする基準スケールの作製方法。 - 請求項6記載の基準スケールの作製方法において、
前記加工工程の際、前記基板本体の表面に対して、集束イオンビーム鏡筒を垂直に位置させた状態で前記集束イオンビームを照射して加工を行うことを特徴とする基準スケールの作製方法。 - 請求項6記載の基準スケールの作製方法において、
前記加工工程の際、前記基板本体の表面と集束イオンビーム鏡筒の照射方向とのなす角度に応じた係数を前記間隔に乗算して補正値を算出し、算出した補正値を前記間隔値として使用することを特徴とする基準スケールの作製方法。 - 請求項6から8のいずれか1項に記載の基準スケールの作製方法において、
前記加工工程の際、前記集束イオンビームにより前記基板本体の表面をエッチング加工して前記目盛りを形成することを特徴とする基準スケールの作製方法。 - 請求項6から8のいずれか1項に記載の基準スケールの作製方法において、
前記加工工程の際、前記集束イオンビームの照射と共に前記基板本体の表面にデポジション膜を形成する原料ガスを供給してデポジション膜を基板本体の表面に堆積させ、前記目盛りを形成することを特徴とする基準スケールの作製方法。 - 請求項6から8のいずれか1項に記載の基準スケールの作製方法において、
前記加工工程は、前記集束イオンビームの照射と共に前記基板本体の表面にデポジション膜を形成する原料ガスを供給して、デポジション膜を前記目盛りを形成する領域全体に堆積させる堆積工程と、該堆積工程後、原料ガスの供給を停止すると共に集束イオンビームにより堆積したデポジション膜をエッチング加工して前記目盛りを形成するエッチング工程とを有することを特徴とする基準スケールの作製方法。 - 測定対象物が表面に形成される基板本体と、該基板本体の表面上で、測定対象物が形成される領域近傍に少なくとも一方向に延びるよう集束イオンビームを利用して形成され、予め決められた間隔毎に隣接配置された複数の目盛りを有する基準スケールとを有する基板に、前記測定対象物を形成した微小構造物を測長する微小構造物の測長方法であって、
前記複数の目盛りと前記測定対象物とを比較し、該目盛りを基準とすることで測定対象物の測長を行うことを特徴とする微小構造物の測長方法。
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