JP2006218589A - 非晶質炭素皮膜被覆部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】非晶質炭素皮膜の厚膜化に伴う応力集中によるクラック発生を抑制し、非晶質炭素皮膜の耐剥離性を改善し、耐摩耗性の向上した非晶質炭素皮膜被覆部材を提供する。
【解決手段】WC基超硬合金からなる基体に非晶質炭素皮膜を被覆した部材において、該基体のWC平均粒径が0.8μm以下であり、該基体の結合相の平均粒径が200μm以下であり、該基体の飽和磁化値をR、202×Co%/100の値をS、とした時、飽和磁化比R/Sが、0.65≦R/S≦0.9であること、を特徴とする非晶質炭素皮膜被覆部材である。
【選択図】 なし
【解決手段】WC基超硬合金からなる基体に非晶質炭素皮膜を被覆した部材において、該基体のWC平均粒径が0.8μm以下であり、該基体の結合相の平均粒径が200μm以下であり、該基体の飽和磁化値をR、202×Co%/100の値をS、とした時、飽和磁化比R/Sが、0.65≦R/S≦0.9であること、を特徴とする非晶質炭素皮膜被覆部材である。
【選択図】 なし
Description
本願発明は、非晶質炭素皮膜を被覆した部材に関するものであり、ドリル、小径ドリル、エンドミル、エンドミル加工用刃先交換型チップ、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯切り工具、ガンドリル、リーマーおよびタップなどの工具部材、パンチ、金型他の耐摩部材などに関する。
切削加工、打ち抜き加工などの加工工具は、基体の強度向上、靭性向上、耐摩耗性向上と供に、各種の表面被覆による特性向上が試みられている。そこで非晶質炭素皮膜皮膜は潤滑性、耐摩耗性に優れる皮膜として知られ、工具刃先に被覆し工具の試みがなされている。WC基超硬合金及びWC基超硬合金に非晶質炭素皮膜皮膜を被覆した技術は、特許文献1から5に開示されている。
特許文献1は、結合相粒の平均粒径が200μm以下である超硬合金が開示されている。結合相粒の平均粒径を200μm以下とすることにより、粒界部の不健全性が抗折力に影響しないレベルに健全化させることが可能となることが記載されている。特許文献2は、飽和磁化の値がCo1%当り1.62μTm3/kg以下、保磁力が27.8〜51.7kA/m、であることを特徴とする超微粒超硬合金が記載されている。しかし、特許文献1、2には非晶質炭素皮膜被覆に関する記述はない。
特許文献3は、硬質相と結合相からなる硬質材料を基体とし、基材表面に非晶質カーボン膜が形成された表面被覆加工用工具が開示されている。該基体の結合相の結晶構造が、六方細密格子を含まないこと、また用途はプリント基板穴明け用の極小径ドリルとすることが開示されている。特許文献4は、WC基超硬合金からなる基体上に非晶質カーボン膜を被覆した非晶質カーボン被覆工具が開示されている。しかし、特許文献3、4には基体のWC基超硬合金のWC粒径、飽和磁化、保磁力等の特性との関連についての記載はない。特許文献5は、超硬合金基体内のタングステンカーバイドの平均粒径が0.2μm以上、0.7μm未満であり、ロックウェル硬度がHRAで93.0以上、94.5未満である被覆超硬エンドミルが記載されている。
特許文献1は、結合相粒の平均粒径が200μm以下である超硬合金が開示されている。結合相粒の平均粒径を200μm以下とすることにより、粒界部の不健全性が抗折力に影響しないレベルに健全化させることが可能となることが記載されている。特許文献2は、飽和磁化の値がCo1%当り1.62μTm3/kg以下、保磁力が27.8〜51.7kA/m、であることを特徴とする超微粒超硬合金が記載されている。しかし、特許文献1、2には非晶質炭素皮膜被覆に関する記述はない。
特許文献3は、硬質相と結合相からなる硬質材料を基体とし、基材表面に非晶質カーボン膜が形成された表面被覆加工用工具が開示されている。該基体の結合相の結晶構造が、六方細密格子を含まないこと、また用途はプリント基板穴明け用の極小径ドリルとすることが開示されている。特許文献4は、WC基超硬合金からなる基体上に非晶質カーボン膜を被覆した非晶質カーボン被覆工具が開示されている。しかし、特許文献3、4には基体のWC基超硬合金のWC粒径、飽和磁化、保磁力等の特性との関連についての記載はない。特許文献5は、超硬合金基体内のタングステンカーバイドの平均粒径が0.2μm以上、0.7μm未満であり、ロックウェル硬度がHRAで93.0以上、94.5未満である被覆超硬エンドミルが記載されている。
本願発明は、非晶質炭素皮膜の厚膜化に伴う応力集中によるクラック発生を抑制し、非晶質炭素皮膜の耐剥離性を改善し、耐摩耗性の向上した非晶質炭素皮膜被覆部材を提供することを目的とする。
本願発明は、WC基超硬合金からなる基体に非晶質炭素皮膜を被覆した部材において、該基体のWC平均粒径が0.8μm以下であり、該基体の結合相の平均粒径が200μm以下であり、該基体の飽和磁化値をR、202×Co%/100の値をS、とした時、飽和磁化比R/Sが、0.65≦R/S≦0.9であること、を特徴とする非晶質炭素皮膜被覆部材である。上記の構成を採用することによって、非晶質炭素皮膜の応力集中によるクラック発生を抑制し、非晶質炭素皮膜皮膜の耐剥離性を改善し、耐摩耗性の向上した非晶質炭素皮膜被覆部材を提供することができる。
本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材は、基体のロックウェル硬度がHRAで93以上、95以下であることが好ましい。基体の保磁力が24kA/m以上であることが好ましい。本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材は、ドリル、小径ドリル、エンドミル、エンドミル加工用刃先交換型チップ、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯切り工具、ガンドリル、リーマー及びタップからなる群より選択される1種であることが好ましい。より好ましくは、非晶質炭素皮膜被覆部材が、直径0.2mm未満のプリント基板用ドリルであること、又は直径1.5mm未満のプリント基板用ルーターエンドミルであることである。
本願発明は、非晶質炭素皮膜の応力集中によるクラック発生を抑制し、非晶質炭素皮膜の耐剥離性を改善し、耐摩耗性の向上した非晶質炭素皮膜被覆部材を提供することができた。特に、直径0.2mm未満のプリント基板用ドリル、直径1.5mm未満のプリント基板用ルーターエンドミルとして用いた場合には工具寿命が改善された。更に直径0.075mm、0.005mm等の極小径を有するプリント基板用ドリルに用いた場合には工具寿命が大きく改善し、産業上の利用について効果が得られる。
本願発明は、WC基超硬合金基体のWC平均粒径を0.8μm以下とし、基体の結合相粒径を200μm以下とすることにより、非晶質炭素皮膜の膜厚が0.5μmを超えて厚い場合においても、皮膜への応力集中によるクラック発生を抑制し、非晶質炭素皮膜被覆部材の高特性化を計ることができた。従って、本願発明の特徴のある母材を適用することによって、0.5μmを超える様な非晶質炭素皮膜の厚膜化を可能にした。
WC平均粒径を0.8μm以下に規定した理由は、部材の耐摩耗性を向上させるためには、基体の硬さを一定以上に硬くしておく必要があり、基体のWC平均粒径を0.8μm以下とすることが、基体の硬さを硬くするために有効であるからである。一方、0.8μmを超えて大きい場合、Co量を少なくして硬さを上げようとした場合にも、耐摩耗性を確保するための硬さを確保することができなくなるためである。
WC平均粒径を0.8μm以下に規定した理由は、部材の耐摩耗性を向上させるためには、基体の硬さを一定以上に硬くしておく必要があり、基体のWC平均粒径を0.8μm以下とすることが、基体の硬さを硬くするために有効であるからである。一方、0.8μmを超えて大きい場合、Co量を少なくして硬さを上げようとした場合にも、耐摩耗性を確保するための硬さを確保することができなくなるためである。
結合相粒径を200μm以下に規定した理由は、200μm以下の場合、非晶質炭素皮膜へのクラックの発生が少なく耐剥離性に有効だからである。一方、200μmを超えて大きい場合、非晶質炭素皮膜へ多くのクラックが発生し非晶質炭素皮膜が部分的または広い範囲にわたり剥離する不都合のためである。このことは、以下に述べる皮膜の圧痕試験によって確認した。即ち、焼結後の冷却速度を変えることにより結合相の粒径を制御し、WC平均粒径が0.6μmの超硬合金を作製し、これらを平面研削、研摩加工した後、非晶質炭素皮膜被覆層を形成した。これにロックウェルAスケールの円錐形状のダイヤモンド圧子を用いて円形の圧痕を生成させ、その周りの状態を調査した結果によって得られた。この結果より、0.5μmを超える様な厚膜の非晶質炭素皮膜の剥離を抑え、非晶質炭素皮膜被覆部材を長寿命化するためには、非晶質炭素皮膜に応力が負荷されたときに、皮膜へのクラックの発生を抑え、クラックの進行に伴い発生する皮膜の剥離を抑えることが重要であり、結合相の粒径を小さくすることがこれに対し有効であることを見出した。
ここで、基体の結合相の粒径が非晶質炭素皮膜へのクラック発生と、それに続く皮膜の剥離に及ぼす影響については、主に以下の理由が考えられる。第1の理由は、結合相粒界部分が結合相の主成分であるCo量が少なく、WC量が多くなっているために、結合相粒界部分の硬さが、結合相粒内に比べ高くなっていることである。第2の理由は、結合相粒界部は焼結時の液相の最終凝固部であるために、凝固収縮による引張りの残留応力が結合相粒内に比べて高くなっていることである。第3の理由は、結合相粒界部は結合相粒内に比べ、WCが多くなっているため、結合相粒内よりも熱膨張係数が小さくなること、である。これらはいずれも焼結体の均一性を阻害するものである。この様な焼結体の不均一が存在すると、非晶質炭素皮膜を形成した時に、皮膜に発生する残留応力の不均一化に繋がる。皮膜に残留応力の不均一がある場合、皮膜に外部応力が負荷されると、皮膜内に発生する合計した応力が不均一となり、外部応力負荷前の皮膜の残留応力が均一である場合に比べ、合計した応力の最大値は高くなる。よってトータルの応力の最大値がクラックの発生する応力を超える可能性が高くなり、クラックが発生しやすくなる。
そこで焼結体をより均一にする必要がある。結合相の粒径を小さくすることは、焼結体の成分、硬さ、残留応力などの不均一性を改善する。結合相の粒径を小さくすることによって、皮膜へのクラックの発生が抑制される理由は、焼結体の均一性が改善されるからである。外部応力負荷前の皮膜内の応力分布が均一になると、外部応力が負荷された場合でも、局所的に発生する応力の最大値を低下させることが可能になる。そして、発生したトータルの応力の最大値がクラックの発生する応力を越えにくくなるのである。
結合相の粒径を小さくするためには、焼結後の冷却速度を早くするのが効果的であるが、現実には焼結装置の構造等により限定される。上述のように焼結後の冷却速度を種々変化させて検討を行った結果、結合相の平均粒径を200μm以下としておけば、非晶質炭素皮膜へのクラックの発生を抑制し、その後に生じる皮膜の剥離も抑えることができる。本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材は、結合相の粒径を小さくすることによって皮膜へのクラックの発生を抑制するという現象が見られるが、その理由は非晶質炭素皮膜の硬さが他の皮膜に比べて著しく硬く、クラックが発生し易いからである。
ここで、基体の結合相の粒径が非晶質炭素皮膜へのクラック発生と、それに続く皮膜の剥離に及ぼす影響については、主に以下の理由が考えられる。第1の理由は、結合相粒界部分が結合相の主成分であるCo量が少なく、WC量が多くなっているために、結合相粒界部分の硬さが、結合相粒内に比べ高くなっていることである。第2の理由は、結合相粒界部は焼結時の液相の最終凝固部であるために、凝固収縮による引張りの残留応力が結合相粒内に比べて高くなっていることである。第3の理由は、結合相粒界部は結合相粒内に比べ、WCが多くなっているため、結合相粒内よりも熱膨張係数が小さくなること、である。これらはいずれも焼結体の均一性を阻害するものである。この様な焼結体の不均一が存在すると、非晶質炭素皮膜を形成した時に、皮膜に発生する残留応力の不均一化に繋がる。皮膜に残留応力の不均一がある場合、皮膜に外部応力が負荷されると、皮膜内に発生する合計した応力が不均一となり、外部応力負荷前の皮膜の残留応力が均一である場合に比べ、合計した応力の最大値は高くなる。よってトータルの応力の最大値がクラックの発生する応力を超える可能性が高くなり、クラックが発生しやすくなる。
そこで焼結体をより均一にする必要がある。結合相の粒径を小さくすることは、焼結体の成分、硬さ、残留応力などの不均一性を改善する。結合相の粒径を小さくすることによって、皮膜へのクラックの発生が抑制される理由は、焼結体の均一性が改善されるからである。外部応力負荷前の皮膜内の応力分布が均一になると、外部応力が負荷された場合でも、局所的に発生する応力の最大値を低下させることが可能になる。そして、発生したトータルの応力の最大値がクラックの発生する応力を越えにくくなるのである。
結合相の粒径を小さくするためには、焼結後の冷却速度を早くするのが効果的であるが、現実には焼結装置の構造等により限定される。上述のように焼結後の冷却速度を種々変化させて検討を行った結果、結合相の平均粒径を200μm以下としておけば、非晶質炭素皮膜へのクラックの発生を抑制し、その後に生じる皮膜の剥離も抑えることができる。本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材は、結合相の粒径を小さくすることによって皮膜へのクラックの発生を抑制するという現象が見られるが、その理由は非晶質炭素皮膜の硬さが他の皮膜に比べて著しく硬く、クラックが発生し易いからである。
本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材の超硬合金における基体の飽和磁化比R/Sを、0.65≦R/S≦0.9とする。この理由は、R/Sがこの範囲にある場合に、皮膜との密着性に優れた耐摩耗性に優れた部材を得られるからである。一方、R/Sが0.65未満ではη相が析出し密着性、機械的特性等が大幅に低下するからである。また、R/Sが0.9を超えると結合相中のW固溶量が低下するため、非晶質炭素皮膜との密着性が低下する。従って0.65≦R/S≦0.9に規定する。これによって、本願発明のWC基超硬合金基体は非晶質炭素皮膜の被覆用基体として適している。
本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材の超硬合金における基体の硬さは、ロックウェル硬度がHRAで93以上の場合、基体の耐摩耗性が十分に確保されるので、非晶質炭素被覆部材とした場合にもその耐摩耗性の向上に効果的であり望ましい。一方HRAの上限値はJIS―Z2245にてHRA95と規定されているので、上限値までを含むものとし、HRA95以下とした。本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材の超硬合金における基体の保磁力が24kA/m以上が好ましい。この理由は、24kA/m未満では部材の耐摩耗性を確保するために必要な硬さを得ることができないためである。
本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材の超硬合金における基体の硬さは、ロックウェル硬度がHRAで93以上の場合、基体の耐摩耗性が十分に確保されるので、非晶質炭素被覆部材とした場合にもその耐摩耗性の向上に効果的であり望ましい。一方HRAの上限値はJIS―Z2245にてHRA95と規定されているので、上限値までを含むものとし、HRA95以下とした。本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材の超硬合金における基体の保磁力が24kA/m以上が好ましい。この理由は、24kA/m未満では部材の耐摩耗性を確保するために必要な硬さを得ることができないためである。
本願発明の非晶質炭素皮膜被覆部材が、ドリル、小径ドリル、エンドミル、エンドミル加工用刃先交換型チップ、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯切り工具、ガンドリル、リーマー及びタップ等に適用されることによって、工具の長寿命化が計られ、好ましい形態である。より好ましくは、直径0.2mm未満のプリント基板用ドリル又は、直径1.5mm未満のプリント基板用ルーターエンドミルに適用されることである。この理由は、非晶質炭素皮膜被覆部材が小径となるほど加工などに作用する部位が小さくなり、結合相の結晶粒界がある部分とない部分との差が大きくなり、結合相の粒径の影響が大きくなるからである。非晶質炭素皮膜の被覆方法は、フィルターアークイオンプレーティング法により成膜された非晶質炭素皮膜を用いることが、好ましい。その理由は、基体との密着性や皮膜の硬さを確保すること、またターゲットから飛来した粒子を低減するからである。ターゲット材はグラファイトターゲットを用い、雰囲気としては水素を含まない雰囲気を用いることが、皮膜中の水素含有量を低減するため好ましい。非晶質炭素皮膜の構造は、テトラヘドラルアモルファスカーボンであり、炭素原子がSP3結合とSP2結合を有し、SP3結合の全結合に対する比率が40〜80%であることが高い硬さを得るために好ましい。また非晶質炭素被覆膜は必ずしも基体の全面を被覆している必要はなく、基体の少なくとも一部を被覆していればよい。以下、本願発明を実施例によって詳細に説明する。実施例では本願発明の1部の例を示すものであり、本願発明は実施例により制約されるものではない。
(実施例1)
原料粉末として、平均粒径約0.4μmのWC粉末、同約1μmのCo、VC、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.3VC−0.7Cr3C2−9Co組成に配合した。成形バインダーを含んだアルコール中アトライターで12時間混合し、スプレードライヤーで造粒乾燥した。得られた造粒粉末をプレス成形して圧粉体とした。この圧粉体を10Paの真空雰囲気中において1400℃で焼結した。冷却速度は1℃/min〜80℃/minの範囲で種々変化させ焼結体を作製した。焼結体試料は、熱触刻法により結合相粒を現出させ、結合相の平均粒径は、画像処理装置を用いて円相当径を求めることにより測定した。同様の研摩面にてロックウェルAスケールにてHRA硬さを測定した。焼結体試料を相当の寸法に切断の後、飽和磁化、保磁力を測定した。飽和磁化は飽和磁化の値をRとし、202×Co%/100の値をSとして計算した飽和磁化比R/Sにより表示した。焼結体試料の配合組成を表1、評価結果を表2に示す。
原料粉末として、平均粒径約0.4μmのWC粉末、同約1μmのCo、VC、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.3VC−0.7Cr3C2−9Co組成に配合した。成形バインダーを含んだアルコール中アトライターで12時間混合し、スプレードライヤーで造粒乾燥した。得られた造粒粉末をプレス成形して圧粉体とした。この圧粉体を10Paの真空雰囲気中において1400℃で焼結した。冷却速度は1℃/min〜80℃/minの範囲で種々変化させ焼結体を作製した。焼結体試料は、熱触刻法により結合相粒を現出させ、結合相の平均粒径は、画像処理装置を用いて円相当径を求めることにより測定した。同様の研摩面にてロックウェルAスケールにてHRA硬さを測定した。焼結体試料を相当の寸法に切断の後、飽和磁化、保磁力を測定した。飽和磁化は飽和磁化の値をRとし、202×Co%/100の値をSとして計算した飽和磁化比R/Sにより表示した。焼結体試料の配合組成を表1、評価結果を表2に示す。
これらの焼結体を平面研削加工および研摩加工して得た研摩面に、フィルターアークイオンプレーティング装置を用いて、非晶質炭素皮膜皮膜を1μm成膜した。この時グラファイトをターゲット材に用いた。得られた非晶質炭素皮膜被覆材の表面にロックウェルAスケールの円錐形のダイヤモンド圧子を用いて圧痕を形成し、その周辺の状況を観察した。結果を表2に併せて示す。
本発明例1から5に示す様に、結合相粒径が200μm以下の試料は、ロックウェルAスケールの円錐形圧子による圧痕の周辺に発生するクラックが少なく、皮膜の剥離は見られなかった。一方、結合相粒径が200μmを超える比較例6から8は、発生するクラック量が多く発生した。結合相の粒径が大きくなる程、クラックの量も増加し、部分的な剥離から全周の剥離へと剥離の程度が劣化した。特に、比較例6は皮膜の剥離を生じた。この理由は、R/S値が0.91であることから結合相中のW固溶量が低下し、非晶質炭素皮膜との密着性が低下したためである。比較例8はクラックの量が非常に多かった。この理由は、R/S値が0.64であることからη相が析出し密着性、機械的特性等が大幅に低下したためである。
本発明例1から5に示す様に、結合相粒径が200μm以下の試料は、ロックウェルAスケールの円錐形圧子による圧痕の周辺に発生するクラックが少なく、皮膜の剥離は見られなかった。一方、結合相粒径が200μmを超える比較例6から8は、発生するクラック量が多く発生した。結合相の粒径が大きくなる程、クラックの量も増加し、部分的な剥離から全周の剥離へと剥離の程度が劣化した。特に、比較例6は皮膜の剥離を生じた。この理由は、R/S値が0.91であることから結合相中のW固溶量が低下し、非晶質炭素皮膜との密着性が低下したためである。比較例8はクラックの量が非常に多かった。この理由は、R/S値が0.64であることからη相が析出し密着性、機械的特性等が大幅に低下したためである。
(実施例2)
実施例1と同様の原料粉末を用い同一組成に配合し、成形バインダーを含んだアルコール中アトライターで12時間混合後、スプレードライヤーで造粒乾燥した。得られた造粒粉末を押出しプレス成形して圧粉体とした。これらを実施例1と同様の焼結条件で焼結し、冷却速度も実施例1と同様に変化させ、焼結体を得た。得られた焼結体について実施例1と同様の方法にて結合相の平均粒径、硬さ、飽和磁化比、保磁力を求めた。結果を表3に示す。
実施例1と同様の原料粉末を用い同一組成に配合し、成形バインダーを含んだアルコール中アトライターで12時間混合後、スプレードライヤーで造粒乾燥した。得られた造粒粉末を押出しプレス成形して圧粉体とした。これらを実施例1と同様の焼結条件で焼結し、冷却速度も実施例1と同様に変化させ、焼結体を得た。得られた焼結体について実施例1と同様の方法にて結合相の平均粒径、硬さ、飽和磁化比、保磁力を求めた。結果を表3に示す。
次にこれらの焼結体を加工して、φ2.0×31.8mmの丸棒からφ0.1mmのプリント基板用ドリルを作製した。これらを実施例1と同様の方法にて非晶質炭素皮膜を膜厚1.0μm成膜した。これらのドリルを用いて下記の条件にて穴明を実施し、折損までの寿命を評価した。加工条件を下記に示す。結果を表3に示す。
(加工条件1)
基板:0.1mmt、両面板、銅厚さ5μm×6枚重ね
回転数:300、000回転/分
送り量:5μm/回転
本発明例9から13に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のドリルは、折損寿命がいずれも3000回以上と長寿命となった。一方、比較例14から16は結合相平均粒径が200μm以上であり、ドリルの折損寿命がいずれも3000回未満であった。これらの現象は、結合相の粒径を小さくすることにより非晶質炭素皮膜へのクラックの発生が抑制され、非晶質炭素皮膜皮膜の膜剥離が遅れるためである。
(加工条件1)
基板:0.1mmt、両面板、銅厚さ5μm×6枚重ね
回転数:300、000回転/分
送り量:5μm/回転
本発明例9から13に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のドリルは、折損寿命がいずれも3000回以上と長寿命となった。一方、比較例14から16は結合相平均粒径が200μm以上であり、ドリルの折損寿命がいずれも3000回未満であった。これらの現象は、結合相の粒径を小さくすることにより非晶質炭素皮膜へのクラックの発生が抑制され、非晶質炭素皮膜皮膜の膜剥離が遅れるためである。
(実施例3)
原料粉末として、平均粒径約0.6μmのWC粉末、同約1μmのCo、VN、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.4VN−0.45Cr3C2−8Co組成に配合した。実施例1、2と同様の方法にて焼結体を作製し、得られた焼結体を評価した。結果を表4示す。
原料粉末として、平均粒径約0.6μmのWC粉末、同約1μmのCo、VN、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.4VN−0.45Cr3C2−8Co組成に配合した。実施例1、2と同様の方法にて焼結体を作製し、得られた焼結体を評価した。結果を表4示す。
これらの焼結体を加工して、φ2×31.8mmの丸棒からφ0.075mmのプリント基板用ドリルを作製した。実施例1と同様の方法にて非晶質炭素皮膜膜を膜厚0.8μm成膜した。これらのドリルを用いて下記の条件にて穴明を実施し、折損までの寿命を評価した。加工条件を下記に示す。結果を併せて表4に示す。
(加工条件2)
基板:0.1mmt、両面板、銅厚さ5μm×4枚重ね
回転数:300、000回転/分
送り量:5μm/回転
本発明例17から21に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のドリルは、折損寿命がいずれも3000回以上と長寿命となった。一方、比較例22から24は径結合相平均粒径が200μm以上であり、ドリルの折損寿命がいずれも3000回未満となり、本発明例のドリルに比べ明らかに切削特性が劣っていた。これらの現象も実施例2と同じ理由と推定され、実施例2より小径となることによって、結合相の粒径の影響がさらに大きくなる傾向を示した。
(加工条件2)
基板:0.1mmt、両面板、銅厚さ5μm×4枚重ね
回転数:300、000回転/分
送り量:5μm/回転
本発明例17から21に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のドリルは、折損寿命がいずれも3000回以上と長寿命となった。一方、比較例22から24は径結合相平均粒径が200μm以上であり、ドリルの折損寿命がいずれも3000回未満となり、本発明例のドリルに比べ明らかに切削特性が劣っていた。これらの現象も実施例2と同じ理由と推定され、実施例2より小径となることによって、結合相の粒径の影響がさらに大きくなる傾向を示した。
(実施例4)
原料粉末として、平均粒径約0.6μmのWC粉末、同約1μmのCo、TaC、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.3TaC−0.7Cr3C2−7Co組成に配合した。実施例1、2と同様の方法にて焼結体を作製し、得られた焼結体を評価した。結果を表5に示す。
原料粉末として、平均粒径約0.6μmのWC粉末、同約1μmのCo、TaC、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.3TaC−0.7Cr3C2−7Co組成に配合した。実施例1、2と同様の方法にて焼結体を作製し、得られた焼結体を評価した。結果を表5に示す。
これらの焼結体を加工して、φ3.175×38mmの丸棒からφ0.8mmのプリント基板用ルーターエンドミルを作製した。刃形状はダイヤ目とした。これらを実施例1と同様の方法にて非晶質炭素皮膜膜を膜厚2.0μm成膜した。これらのルーターエンドミルを用いて下記の条件にて溝入れ加工し、2m切削後にルーター刃先部を観察して膜剥離の有無を調査した。その後同一のルーターを用い、折損までの切削距離を評価した。結果を併せて表5に示す。
(加工条件3)
基板:1.6mmt、銅なし、FR4×2枚重ね
回転数:40、000回転/分
送り量:400mm/min、
z軸切込速度:100mm/min
本発明例25から29に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のルーターエンドミルは、折損寿命がいずれも5m以上と長寿命となった。一方、比較例30から32は結合相平均粒径が200μm以上であり、折損寿命はいずれも5m未満と短寿命となり、切削特性が明らかに劣る結果となった。
(加工条件3)
基板:1.6mmt、銅なし、FR4×2枚重ね
回転数:40、000回転/分
送り量:400mm/min、
z軸切込速度:100mm/min
本発明例25から29に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のルーターエンドミルは、折損寿命がいずれも5m以上と長寿命となった。一方、比較例30から32は結合相平均粒径が200μm以上であり、折損寿命はいずれも5m未満と短寿命となり、切削特性が明らかに劣る結果となった。
(実施例5)
原料粉末として、平均粒径約0.8μmのWC粉末、同約1μmのCo、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.7Cr3C2−6Co組成に配合した。実施例1、2と同様の方法にて焼結体を作製し、得られた焼結体を評価した。結果を表6に示す。
原料粉末として、平均粒径約0.8μmのWC粉末、同約1μmのCo、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.7Cr3C2−6Co組成に配合した。実施例1、2と同様の方法にて焼結体を作製し、得られた焼結体を評価した。結果を表6に示す。
これら焼結体を加工して、φ6×50mmの丸棒からφ3mmのアルミ加工用エンドミルを作製した。切れ刃は2枚刃スクエア形状とした。これらを実施例1と同様の方法にて非晶質炭素皮膜を膜厚1.5μm成膜した。これらのエンドミルを用いて下記の条件にて溝加工を実施し、500m切削後の刃先状態を観察し、刃先逃げ面摩耗量を調査した。加工条件を下記に示す。結果を併せて表6に示す。
(加工条件4)
被削材:A5052
回転数:16、000回転/分
送り量:1600mm/min
軸方向切込量:4.5mm
径方向切込量:0.6mm
本発明例33から37に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のアルミ用エンドミルは、500m切削後の刃先摩耗量が0.3mm以下と小さく長寿命となった。一方、比較例38から40は結合相平均粒径が200μm以上であり、いずれも刃先摩耗量が0.3mmを超え明らかに切削特性が劣っていた。
(加工条件4)
被削材:A5052
回転数:16、000回転/分
送り量:1600mm/min
軸方向切込量:4.5mm
径方向切込量:0.6mm
本発明例33から37に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のアルミ用エンドミルは、500m切削後の刃先摩耗量が0.3mm以下と小さく長寿命となった。一方、比較例38から40は結合相平均粒径が200μm以上であり、いずれも刃先摩耗量が0.3mmを超え明らかに切削特性が劣っていた。
(実施例6)
原料粉末として、平均粒径約0.6μmのWC粉末、同約1μmのCo、Cr3C2各原料粉末及びグラファイト粉末を用い、WC−0.4VN−0.8Cr3C2−10Co組成に配合した。実施例1、2と同様の方法にて焼結体を作成し、得られた焼結体を評価した。結果を表7に示す。
原料粉末として、平均粒径約0.6μmのWC粉末、同約1μmのCo、Cr3C2各原料粉末及びグラファイト粉末を用い、WC−0.4VN−0.8Cr3C2−10Co組成に配合した。実施例1、2と同様の方法にて焼結体を作成し、得られた焼結体を評価した。結果を表7に示す。
これら焼結体を加工して、φ6×80mmの丸棒からφ6mmのアルミ加工用リーマーを作製した。これらを実施例1と同様の方法にて非晶質炭素皮膜を膜厚1.5μm成膜した。これらのリーマーを用いて下記の条件にて穴加工を実施し、1000穴加工した時点で刃先状態を調査した。加工条件を下記に示す。結果を併せて表7に示す。
(加工条件5)
被削材:A7075、厚さ15mmt
切削速度:25m/min、回転数:1330回転/分
送り量:0.1mm/回転
リーマー代:0.1mm
本発明例41から45は膜剥離が発生しなかった。一方、比較例46から48は膜剥離が発生した。これらの現象は非晶質炭素皮膜へのクラックの発生が、結合相の粒径を小さくすることにより抑制され、非晶質炭素皮膜の膜剥離が遅れるためである。特に、比較例46の皮膜剥離の理由は、R/S値が0.91であることから結合相中のW固溶量が低下し、非晶質炭素皮膜との密着性が低下したためである。比較例48にはクラックが見られたがこの理由は、R/S値が0.64であることからη相が析出し密着性、機械的特性等が大幅に低下したためである。
(加工条件5)
被削材:A7075、厚さ15mmt
切削速度:25m/min、回転数:1330回転/分
送り量:0.1mm/回転
リーマー代:0.1mm
本発明例41から45は膜剥離が発生しなかった。一方、比較例46から48は膜剥離が発生した。これらの現象は非晶質炭素皮膜へのクラックの発生が、結合相の粒径を小さくすることにより抑制され、非晶質炭素皮膜の膜剥離が遅れるためである。特に、比較例46の皮膜剥離の理由は、R/S値が0.91であることから結合相中のW固溶量が低下し、非晶質炭素皮膜との密着性が低下したためである。比較例48にはクラックが見られたがこの理由は、R/S値が0.64であることからη相が析出し密着性、機械的特性等が大幅に低下したためである。
(実施例7)
原料粉末として、平均粒径約0.6μm、同約1μmのCo、TaC、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.3TaC−0.8Cr3C2−11Co組成に配合した。実施例1と同様の方法にて焼結体を作製した、得られた焼結体を評価した。結果を表8に示す。
原料粉末として、平均粒径約0.6μm、同約1μmのCo、TaC、Cr3C2各原料粉末を用い、WC−0.3TaC−0.8Cr3C2−11Co組成に配合した。実施例1と同様の方法にて焼結体を作製した、得られた焼結体を評価した。結果を表8に示す。
これら焼結体を加工して、銅製リードフレーム打ち抜きパンチを作製した。形状先端寸法は、15mm×0.15mmとした。これらを実施例1と同様の方法にて非晶質炭素皮膜膜を膜厚2.0μm成膜した。これらパンチを用いて銅系リードフレームの打ち抜き加工テストを実施した。200万回の打ち抜き後の皮膜剥離及びパンチ先端部分の幅方向の摩耗量をパンチ中央部分で測定した。本発明例49から53に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のリードフレーム打ち抜きパンチは200万回の打ち抜き後の観察により、先端部分の摩耗量が40μm以下と少なく、皮膜の剥離も起きていなかった。一方、比較例54から56は結合相平均粒径が200μm以上であり、いずれも刃先に皮膜剥離が見られ、パンチ先端中央部分の摩耗量も大きく、パンチは短寿命であった。特に、比較例54は皮膜の剥離がはげしかった。この理由は、R/S値が0.91であることから結合相中のW固溶量が低下し、非晶質炭素皮膜との密着性が低下したためである。比較例56は剥離の他にも部分的にクラックも観察された。この理由は、R/S値が0.64であることからη相が析出し密着性、機械的特性等が大幅に低下したためである。
(実施例8)
実施例7と同じ原料粉末および製造条件にて焼結体を作製した。実施例1と同様の方法にて焼結体を作製し、得られた焼結体を評価した。結果を表9に示す。
実施例7と同じ原料粉末および製造条件にて焼結体を作製した。実施例1と同様の方法にて焼結体を作製し、得られた焼結体を評価した。結果を表9に示す。
これら焼結体を加工して、銅製リードフレーム切断刃を作製した。実施例1と同様の方法にて非晶質炭素皮膜を膜厚1μm成膜した。切断刃を用いて、直径0.8mmの銅系リードフレームの切断加工テストを実施した。切断刃のチッピング又はリードフレームに0.2mmのバリが発生した時に寿命と判定し、切断回数および切断刃刃先の皮膜剥離の有無を調査した。結果を表9に示す。本発明例57から61に示す様に、結合相平均粒径が200μm以下のリードフレーム切断刃はいずれもチッピング又はバリ発生による切断寿命が700万回を超え、寿命時に皮膜の剥離も生じていなかった。一方、比較例62から64は結合相平均粒径が200μm以上であり、切断寿命が500万回以下であった。更に刃の先端部分に皮膜剥離が見られ耐剥離性が劣っていた。特に、比較例62は皮膜の剥離がはげしかった。この理由は、R/S値が0.91であることから結合相中のW固溶量が低下し、非晶質炭素皮膜との密着性が低下したためである。比較例64はクラックも観察された。この理由は、R/S値が0.64であることからη相が析出し密着性、機械的特性等が大幅に低下したためである。
Claims (6)
- WC基超硬合金からなる基体に非晶質炭素皮膜を被覆した部材において、該基体のWC平均粒径が0.8μm以下であり、該基体の結合相の平均粒径が200μm以下であり、該基体の飽和磁化値をR、202×Co%/100の値をS、とした時、飽和磁化比R/Sが、0.65≦R/S≦0.9であること、を特徴とする非晶質炭素皮膜被覆部材。
- 請求項1記載の非晶質炭素皮膜被覆部材において、該基体のロックウェル硬度がHRAで93以上、95以下であることを特徴とする非晶質炭素被覆部材。
- 請求項1又は2記載の非晶質炭素皮膜被覆部材において、該基体の保磁力が24kA/m以上であること、を特徴とする非晶質炭素皮膜被覆部材。
- 請求項1乃至3いずれかに記載の非晶質炭素皮膜被覆部材において、該非晶質炭素皮膜被覆部材は、ドリル、小径ドリル、エンドミル、エンドミル加工用刃先交換型チップ、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯切り工具、ガンドリル、リーマー及びタップからなる群より選択される1種であることを特徴とする非晶質炭素皮膜被覆部材。
- 請求項4記載の非晶質炭素皮膜被覆部材において、該非晶質炭素皮膜被覆部材は、直径0.2mm未満のプリント基板用ドリルであること、を特徴とする非晶質炭素皮膜被覆部材。
- 請求項4記載の非晶質炭素皮膜被覆部材において、該非晶質炭素皮膜被覆部材は、直径1.5mm未満のプリント基板用ルーターエンドミルであることを特徴とする非晶質炭素皮膜被覆部材。
Priority Applications (1)
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JP2005035532A JP2006218589A (ja) | 2005-02-14 | 2005-02-14 | 非晶質炭素皮膜被覆部材 |
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- 2005-02-14 JP JP2005035532A patent/JP2006218589A/ja not_active Withdrawn
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