JP2006194933A - 電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 多数枚のプリントを行っても、クリーニングブレードのキズやトナー固着が無く、かぶりの発生、画像濃度低下、鮮鋭度の低下、黒ポチの発生等の画像欠陥が無い高品質のトナー画像が得られる電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】 導電性アルミニウム基体上に最上層を有する電子写真感光体であり、該導電性アルミニウム基体と最上層との間に、無機粒子とバインダーとを含有する中間層を有する電子写真感光体において、該導電性アルミニウム基体は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が3.0〜7.0であり、該無機粒子の数平均一次粒径が5〜300nmであり、該中間層が最上層に覆われていることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
従来電子写真用感光体として、板状、ベルト状又はドラム状のアルミニウム基体上に、無機光導電性材料を用いた感光層や有機光導電性材料を用いた感光層を設けた感光体が知られている。
前記感光体の電子写真性能はアルミニウム基体の表面状態及び感光層による影響が大である。
例えば、基体表面の機械的平滑度が悪く凹凸や傷があると電気的欠陥を生じ、画像形成時黒ポチや黒筋等を発生する。そこで通常ダイヤモンドバイト等により鏡面加工が施される。又アルミニウム基体は所望の機械的強度を確保するため、通常マグネシウム、鉄、珪素、銅、マンガン等が合金成分として含有される。しかしながら鉄、珪素等の合金成分は、押出し成型又は引拔き成型等の基体加工の過程で、アルミニウム合金を形成すると共に結晶化して多数の細い晶出物を形成し、且つその周辺にアルミニウム融体が形成されることが多い。これらの晶出物及びその周辺のアルミニウム融体はその上に感光層を形成して像形成を行なった場合、画像欠陥を生ずることが多い。
そこで例えば、鉄成分を0.2質量%以下とし、珪素成分を0.1質量%以下とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。又、晶出物の径を3μm以下とし、晶出物面積率を0.5%以下とすることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、合金成分の量や、晶出物の径と面積率のみを規制しても、高品質のトナー画像を得ることは難しかった。
又、アルミニウム基体の表面の各種欠陥を被覆し、感光体として用いたときの画質の調整を目的として、例えばポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂等の中間層を設ける技術が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら前記中間層を設けた感光体では、基体の欠陥に起因する問題は解決するが、繰り返し像形成の過程で疲労劣化を生じ易く、帯電性、電荷保持性が低下しかつ残留電位が上昇して画質が悪化するという問題があった。
又、アルミニウム基体上に水和した酸化アルミニウム層を設け、この上に電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を設けた感光体が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。前記水和した酸化アルミニウム層は、例えば100℃付近の純水で処理することにより形成され、水和加工が容易でかつ簡単であり、しかも整流性を有することから、感光体に高感度化、及び優れた帯電性、電荷保持性、繰り返し特性等を付与することができると記載されている。
しかしながら、前記水和した酸化アルミニウム層を設けたアルミニウム基体を用いた感光体では、前記の如く電子写真性能上優れた特性を有する反面、反転現像方式で像形成を行なったとき、厳しい環境条件(例えば、30℃、80%RH、或いは10℃、20%RH)下、或いは繰り返し使用時に黒ポチ等の画像欠陥を発生することが判った。例えばレーザ光を用いた複写機又はプリンタ等においては、感光体上にスポット像露光を行ない、ドット状の静電潜像を形成し、これを反転現像方式で現像して像形成が行なわれるが、この際黒ポチの集団からなるかぶり又は濃度むらが観察され問題があった。
又、アルミニウム合金より成る導電性基体の表面に水和した酸化アルミニウム合金層を設け、該層上に感光層を設けた電子写真感光体において、前記導電性基体表面のアルミニウム合金に含まれる晶出物の径が5μm以下であり、且つ導電性基体表面のアルミニウム合金中の前記晶出物の占める割合が面積比で2%以下であることを特徴とする電子写真感光体が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
しかし、高温高湿(例えば、30℃、80%RH)でトナー画像を形成すると、黒ポチが発生し問題があった。
又、電子写真感光体には、導電性基体と感光層との電気伝導度を制御し、又、導電性基体と電荷発生層の間との接着力を向上させるために、下引き層(中間層)を設ける提案がされている。この中間層を設けた場合であっても電荷発生層と電荷輸送層がその端部から膜剥離を生じる。かかる問題を解決するため、感光層の端部が中間層の端部より内側に設けるようにして電子写真感光体を形成する方法が記載されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかしながら、酸化チタン等の粒子を含む下引き層を用いた場合、下引き層が露出しているため、画像を形成等する際に下引き層がすられて、下引き層の表面に存在する粒子が脱離し、電子写真感光体表面を汚すという問題点があった。さらに、かかる電子写真感光体では、画像を形成した際に画像に黒ポチを生ずるという問題があった。又、画像形成時に下引き層へトナーが付着し易く、付着したトナーがクリーニングしにくためトナーが端部に積層され、クリーニング不良を発生し、かぶりを発生させる問題があった。
又、基体上に粒子を含有する中間層(下引き層)と感光層とをこの順で積層してなる電子写真感光体であって、中間層を感光層が覆うことによって、中間層から粒子が脱離することを防止し、且つ、中間層による電気伝導度制御性、接着性を維持することが検討されてきた。特に粒子として酸化チタンを用い、酸化チタンを有機珪素化合物で表面処理したものと、ポリアミドとを具備する中間層に用いれば、中間層の電気伝導性御性や、接着性を維持しつつ粒子(例えば、酸化チタン)が脱離するこを防止できることが記載されている(例えば、特許文献7参照。)。
しかし、上記で得られた感光体は、中間層が感光層に覆われ、感光層が直接基体に設けられた層構成なので、塗膜の端部において感光層と基体との接着性が不十分なため、多数枚プリン中に塗膜端部の感光層が剥離し、剥離した塗膜がクリーニング性や現像性に悪影響をおよぼし良好な画像を継続して得ることは難しかった。
特開昭64−79339号公報 特開平1−285953号公報 特開2003−345050号公報 特開昭64−29852号公報 特開平6−3845号公報 特開昭59−184359号公報 特開2002−107986号公報
本発明は、上記課題を鑑みなされたもので、多数枚のプリントを行っても高品質のトナー画像が得られる電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)、電子写真画像形成方法(以下、単に画像形成方法ともいう)、電子写真画像形成装置(以下、単に画像形成装置ともいう)、プロセスカートリッジを提供することを目的とする。
具体的には、本発明の感光体は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が3.0〜7.0の導電性アルミニウム基体上に、数平均一次粒径が5〜300nmの無機粒子を含有する中間層塗膜を設け、該中間層塗膜の端部が最上層塗膜に覆われている層構成のものである。
この感光体は塗膜端部から塗膜が剥離せず、クリーニングブレードにキズやトナー固着が発生せず良好なクリーニング性が確保できる。その結果、多数枚のプリントを行っても、クリーニング不良に伴うかぶりの発生が無く、高濃度で、鮮鋭度が良く、黒ポチの発生が無い、高品質のトナー画像を作成することが可能な感光体、画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジを提供できる。
本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
(請求項1)
導電性アルミニウム基体上に最上層を有する電子写真感光体であり、該導電性アルミニウム基体と最上層との間に、無機粒子とバインダーとを含有する中間層を有する電子写真感光体において、該導電性アルミニウム基体は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が3.0〜7.0であり、該無機粒子の数平均一次粒径が5〜300nmであり、該中間層が最上層に覆われていることを特徴とする電子写真感光体。
(請求項2)
前記最上層が、感光層であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
(請求項3)
前記無機粒子が、N型半導電性粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
(請求項4)
前記無機粒子が、無機酸化物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
(請求項5)
前記無機粒子が、酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
(請求項6)
前記無機粒子が、表面処理されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電子写真感光体。
(請求項7)
前記中間層の膜厚が、0.2〜40μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電子写真感光体。
(請求項8)
前記中間層のバインダーが、ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電子写真感光体。
(請求項9)
前記電子写真感光体の層構成が、少なくとも中間層の上に、電荷発生層と電荷輸送層とを有する感光層をこの順に設けた積層型であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の電子写真感光体。
(請求項10)
前記電荷発生層及び中間層が、最上層に覆われていることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
(請求項11)
前記最上層が、電荷輸送層であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。
(請求項12)
前記最上層が、保護層であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。
(請求項13)
請求項1〜12の何れか1項に記載の電子写真感光体を、帯電する帯電工程、該帯電された電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程、該静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、該トナー像を記録材に転写する転写工程とを有する画像を形成する電子写真画像形成方法において、該導電性アルミニウム基体は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が3.0〜7.0であり、該無機粒子の数平均一次粒径が5〜300nmであり、該中間層が最上層に覆われていることを特徴とする電子写真画像形成方法。
(請求項14)
前記帯電工程が、電子写真感光体に帯電部材を接触させて帯電することを特徴とする請求項13に記載の電子写真画像形成方法。
(請求項15)
前記帯電部材が、帯電ローラであることを特徴とする請求項14に記載の電子写真画像形成方法。
(請求項16)
前記帯電部材が、磁気ブラシであることを特徴とする請求項14に記載の電子写真画像形成方法。
(請求項17)
請求項13〜16の何れか1項に記載の電子写真画像形成方法に用いられることを特徴とする電子写真画像形成装置。
(請求項18)
請求項1〜12の何れか1項に記載の電子写真感光体と帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の少なくとも何れかと結合されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジは、多数枚のプリントを行っても、クリーニングブレードにキズやトナー固着が無く、かぶりの発生、画像濃度の低下、鮮鋭度の低下、黒ポチの発生等の画像欠陥が無い高品質のトナー画像が得られる優れた効果を有する。
発明者等は、多数枚プリントを行っても、高品質のトナー画像が得られ、トナークリーニング不良やトナー固着に起因する画像欠陥を発生させない感光体について検討を行ったた。
種々検討した結果、導電性アルミニウム基体の放出電子の強度比を特定範囲に規定すると、基体と最上層との接着性が良好になり、多数枚プリントを行っても塗膜が剥離しなくなることを見いだした。
この理由は、明確ではないが、基体表面が上記のような酸化された状態となると、酸化されて形成された酸化物構造が最上層中の樹脂との接着性を向上させているものと推測される。
この結果、高品質画像を得るために無機粒子を含有する中間層を基体と感光層の間に設け、該中間層を最上層で覆うことにより、塗膜端部からの剥離に起因するクリーニングブレードのキズやトナー固着が発生しない感光体を作製することができるものと推測している。
尚、無機粒子を含有する中間層は、放出電子の強度比を特定範囲に規定した基体を用いても基体との接着が弱く、多数枚プリントを行うと露出している中間層の塗膜端部から膜剥離が生じた。
本発明者等は、光電子分光法により測定したアルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が3.0〜7.0の範囲にある基体上に、数平均一次粒径が5〜300nmの無機粒子を含有する中間層を設け、更に該中間層が最上層で覆われている感光体を用いることにより本発明の課題を解決できることを確認し、本発明に到った。
本発明の感光体は、基体上に設けられた中間層が最上層(例えば感光層、保護層)に覆われているものである。中間層が最上層に覆われているとは、実質的に中間層の全てが最上層で覆われ、露出している中間層の部分が実質的に存在しない状態を意味する。中間層の端部と、最上層の端部が略同位置の場合でも、中間層の基体軸方向の表面が実質的に最上層に覆われていればよい。又、感光層がいわゆる積層型の場合には、電荷発生層及び電荷移動層の両方又は何れか一方により中間層が覆われていればよい。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔導電性アルミニウム基体〕
本発明で用いられる導電性アルミニウム基体は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が3.0〜7.0の範囲、好ましくは3.3〜6.5の範囲の酸化膜を有するものである。
放出電子の強度比が上記範囲の基体を用いることにより、基体と感光層との接着性が良好で、且つ良好な電位安定性が得られ高品質の画像が得られる感光体を作製できる。
尚、光電子分光法によるアルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比(Al(oxido)/Al(metal)の強度比)の測定は、下記の光電子分光法により行うことができる。
使用装置;ESCALAB 200−R(VG Scientfic社製)
測定条件;
アノード:Mg(600W)
チルト:60度、
P.E.:100eV/10eV(定性・定量状態分析モード)
光電子取り出し角度:45度
具体的には、基体の任意の10カ所を上記測定条件で測定し、その平均値を強度比とする。
ここで、導電性アルミニウム基体とは、円筒状でも、シート状(ポリエステルフィルム等にアルミニウムが蒸着されたものも含む)でもよい。又、導電性アルミニウム基体としては、その主成分がアルミニウム元素がら構成され、強度や腐食性等の特性を改良するために混合されるマグネシウム、亜鉛、シリカ等の他の金属、遷移金属等を含有していてもよい。
円筒状のアルミニウム基体とは、回転することによりエンドレスに画像を形成できる円筒形状のアルミニウム基体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にあるものが好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
上記範囲の放出電子の強度比を有する基体は、下記の処理方法で得ることができるが、これに限定されるものではない。
1)硫酸溶液中で浸漬処理
2〜10質量%の溶液中に基体を浸漬し、常温或いは加熱して基体表面を処理する。
2)オゾン水中で浸漬処理
オゾンを吹き込んだ水中に基体を浸漬し、常温或いは加熱して基体表面を処理する。
3)超音波で処理
超音波浴中に基体を浸漬し、常温或いは加熱して基体表面を処理する。
4)空中で加熱処理
基体を空中で50〜100℃に加熱して処理する。
尚、中間層や感光層塗布液等を塗布して基体上に中間層や感光層を設けた後、これらの層を溶剤等で除去しても放出電子の強度比は変化しないことが確認されている。
〔無機粒子〕
本発明で用いられる無機粒子は、N型半導電性粒子が好ましい。
ここで、N型半導電性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。即ち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性のバインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、又、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
本発明に係るN型半導電性粒子の判別方法について説明する。
基体(導電性支持体)上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成する絶縁性のバインダー中にN型半導電性粒子を50質量%分散させた分散液を塗布して設けた中間層)を形成する。この中間層を負極性に帯電させて、減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に減衰特性を評価する。
N型半導電性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の減衰が正極性に帯電させた時の減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導電性粒子という。
無機粒子としては、無機酸化物を挙げることができ、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)等の金属酸化物が好ましく、中でも酸化チタンが特に好ましい。
無機粒子は、数平均一次粒径が5〜300nmのもので、好ましくは10〜200nmのものである。
ここで、数平均一次粒径とは、粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によって求めた値である。
前記数平均一次粒径を有する無機粒子は、バインダー中に均一分散できるので、中間層中に凝集粒子の形成や中間層表面に大きな凹凸の発生を防止できる。中間層中に凝集粒子が有ると、凝集粒子が電荷トラップとなって黒ポチや転写メモリーの発生、又、表面に大きな凹凸が有ると、黒ポチが発生し易い。更に、中間層塗布液中で無機粒子が沈降しにくく、液の分散安定性にも優れる。
前記酸化チタンの結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型及びアモルファス型等がある。これらの中で、ルチル型酸化チタンは、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、転写メモリーの発生を防止することができ好ましい。
本発明に係る無機粒子は、表面を表面処理することにより、より分散性が向上し好ましい。具体的には、無機粒子の表面に存在する水酸基等の反応性基をカップリング剤等と反応させ表面処理する方法が好ましい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、或いはアルミニウムカップリング剤等が好ましい。
チタンカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルと(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルと(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリアシルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等が用いられる。
アルミニウムカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が用いられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が用いられる。
又、酸化チタンでは、前記表面処理に先立ち、アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理(一次処理)を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子の表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。
この様に、酸化チタン粒子の表面処理は前記一次処理とその後の反応性基をカップリング剤等を用いた二次処理の少なくとも2回以上の表面処理を行うことにより、酸化チタン粒子の表面処理が均一に行われ、該表面処理された酸化チタン粒子は分散性が良好で、且つ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
尚、前述のアルミナ及びシリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。又、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
前記酸化チタンのアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は以下のような湿式法で行うことができる。即ち、酸化チタン粒子(数平均一次粒径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
尚、前記表面処理の金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
〔中間層〕
中間層は、前記無機粒子、バインダー及び分散溶媒等から構成される中間層塗布液を塗布、乾燥して形成される。
中間層中での無機粒子の含有量(比率)は、中間層のバインダーとして用いる樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で0.5〜2.0倍が好ましい。中間層中にこのような体積比で無機粒子を含有することにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇や転写メモリーも発生せず、黒ポチを効果的に防止でき、電位変動が小さい良好な感光体を形成することができる。
具体的には、中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、無機粒子を50〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、上記無機粒子を分散させる中間層のバインダーとしては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中ではポリアミド樹脂が、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくでき好ましい。中でも、下記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミドがより好ましい。
Figure 2006194933
一般式(1)中、Y1は2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基、Z1はメチレン基、mは1〜3、nは3〜20を示す。
上記一般式(1)中、Y1の2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基は下記化学構造が好ましい。即ち、Y1が下記化学構造を有するポリアミド樹脂は、温湿度変化に対する電荷ブロッキング耐性の変化が少なく、黒ポチ改善効果が著しい。
Figure 2006194933
上記化学構造において、Aは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R4は置換基で、アルキル基を示し、pは1〜5の自然数を示す。但し、複数のR4は同一でも、異なっていても良い。
本発明のポリアミド樹脂の具体例としては下記のような例が挙げられる。
Figure 2006194933
Figure 2006194933
Figure 2006194933
Figure 2006194933
上記具体例の中でも、一般式(1)のアルキル置換されたシクロアルカン基を含む繰り返し単位構造を有するN−1〜N−5、N−9、N−10、N−13、N−14のポリアミド樹脂が特に好ましい。
又、ポリアミド樹脂の分子量は、数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量をこの範囲とすることで、中間層の膜厚を均一にでき、中間層中に凝集樹脂の発生を防止でき、黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止できる。
中間層塗布液を作製する溶媒としては、無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%である。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明に係る中間層の膜厚は、0.2〜40μmが好ましく、0.3〜20μmがより好ましい。中間層の膜厚をこの範囲にすることで、黒ポチの発生をおさえ、残留電位の上昇や転写メモリーが発生しにくく、露出した中間層に付着したトナー粒子を良好にクリーニングでき、高鮮鋭度のトナー画像を得ることができる。
本発明に係る中間層は、実質的に絶縁層である。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108Ω・cm以上の層である。本発明に係る中間層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、2×109〜1×1013Ω・cmがさらに好ましい。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:「Hiresta IP」(三菱油化社製)
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:20±2℃、65±5RH%
体積抵抗をこの範囲にすることで、中間層による電荷ブロッキング性が良好で黒ポチの発生を防止でき、電位保持性も良好で、且つ繰り返しプリントしても残留電位が上昇せず、露出した中間層に付着したトナー粒子を良好にクリーニングでき、高品質の画質を得ることができる。
〔感光体の層構成〕
本発明に係る感光体は、中間層が感光層で覆われていることを特徴としている。
中間層が感光層に覆われているとは、中間層の上に感光層が形成されており、実質的に中間層の全てが覆われ、露出している部分が実質的に存在しない状態を意味する。中間層の端部と感光層の端部が略同位置の場合でも、中間層の基体軸方法の表面が実質的に感光に覆われていればよい。又、感光層がいわゆる積層型の場合には、電荷発生層及び電荷輸送層の両方又は何れか一方により中間層が覆われていればよい。
図1は、本発明に係る感光体の層構成の一例を示す模式図である。
図1において、100は基体、200は中間層、210は無機粒子、220はバインダー、300は感光層、400は電荷発生層、500は電荷輸送層、700は基体の露出部、800は保護層を示す。
図1の(a)は、基体100の端部まで、無機粒子210とバインダー220を有する中間層200の被膜と感光層300(電荷発生層400と電荷輸送層500から成る)の被膜が形成されている層構成の模式図である。
(b)は、基体100の端部まで中間層200と感光層300の被膜が形成されず、端部に基体の露出部700を有する層構成の模式図である。
(c)は、基体100の端部まで中間層200が形成されず、中間層の塗膜端部が感光層300により覆われ、且つ、基体端部に基体の露出部700を有する層構成の模式図である。
(d)は、基体100の端部まで中間層200が形成されず、中間層の塗膜端部が電荷発生層400により覆われ、さらに電荷輸送層500で覆われ、塗膜端部では基体に直接電荷輸送層500が接着された状態で、且つ基体端部に基体の露出部700を有する層構成の模式図である。
(e)は、(d)の電荷輸送層の上に保護層800を設け、且つ、基体端部に基体の露出部700を有する層構成の模式図を示す。
図2は、本発明に係る感光体の比較層構成の一例を示す感光体の模式図である。
図2において、600は中間層の露出部を示す。
図2の(f)は、基体100の端部まで中間層200が形成されず、中間層の塗膜端部が感光層300に覆われず、中間層の露出部600を有し、且つ、基体の露出部700を有する層構成の模式図である。
〔感光体の作製〕
中間層が感光層で覆われている感光体は、例えば、浸漬塗布で浸漬の深さを調整して、或いは円形量規制型塗布、或いは浸漬塗布と円形量規制型塗布を組み合わせて塗膜を設けた後、不要な塗膜部分を除去するこのにより作製することができがこれに限定されるものではない。尚、円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
浸漬塗布では、片端の方は浸漬塗布の侵入深度の上下により中間層を上に出したり、電荷発生層や電荷輸送層を上にしたりすることは容易にできる。
もう一方の片端につていは、浸漬塗布ではほぼ基体端部まで塗られてしまので、中間層を覆いたい場合は、中間層を剥離しやすい溶剤で中間層塗膜を剥離し、その後電荷発生層と電荷輸送層を塗布し、中間層を剥離しない溶剤で不要な電荷発生層と電荷輸送層を剥離すればよい。
以下、本発明に係る感光体を構成する部材、各層について説明する。
(基体)
本発明で用いる基体は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が前記範囲のものを用いる。基体の形状は円筒状で、比抵抗が103Ωcm以下のものが好ましい。
(中間層)
本発明に係る中間層は、前記した中間層を用いる。
(感光層)
本発明に係る感光層は、前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した層構成をとるのがより好ましい。機能を分離した構成をとることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成をとる。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆の構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層の各層について説明する。
〈電荷発生層〉
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料等を用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化が殆ど無く、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、シリコン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置「AC−1」(理研計器社製)で測定される。
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
酸化防止剤としては、公知の化合物を用いることができ、具体的には「Irganox1010」(日本チバガイギー社製)を挙げることができる。
尚、本発明に係る感光体は、必要に応じ基体と中間層の間に導電層、電荷輸送層の上に保護層を設けても良い。
ここで、導電層、保護層について説明する。
(導電層)
画像形成において、露光がレーザ光の場合は、干渉縞発生防止のために中間層と基体の間に導電層を設けることが好ましい。導電層は、カーボンブラックや金属粒子等の導電性無機粒子をバインダー中に分散した導電層塗布液を基体上に塗布し、乾燥して形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。
(保護層)
感光体の表面特性を改良するために保護層を感光層の上に設けることができる。保護層は、その表面硬度、現像剤等に対する耐摩耗性を高める点から、保護層用の結着樹脂としては硬化性樹脂を用いることが好ましい。表面保護層のバインダーとしは、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、及びシロキサン樹脂を挙げることができる。これらの中ではフェノール樹脂が高温高湿下及び常温低湿下における表面保護層の抵抗変動が少ないため、耐使用環境性に優れ好ましい。
〔画像形成〕
次に、本発明に係る画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明をする。
具体的には、感光体を帯電する帯電工程、該帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程、該静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、該トナー像を中間転写体を介して或いは介さずに記録材に転写する転写工程を経由して画像を形成する画像形成方法を挙げることができる。
前記帯電工程で用いる帯電部材は、接触させて帯電する帯電ローラや磁気ブラシが好ましい。
又、前記転写工程の後に、感光体上に残存したトナーを回収するクリーニング工程を、前記帯電工程の前に有しない画像形成方法が好ましい。
又、本発明に係る画像形成装置は、前記電子写真画像形成方法を用いられることが好ましい。
又、本発明に係るプロセスカートリッジは、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の少なくとも何れかと、電子写真感光体が結合され、前記電子写真画像形成装置本体に対して一体的に出し入れ可能に形成されていることが好ましい。
図3は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
図3において、50は感光体(感光体ドラム)で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電工程)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
感光体への一様な帯電の後、像露光手段(像露光工程)としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
その静電潜像は次いで現像手段(現像工程)としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。
一般にデジタルの画像形成方法では反転現像が行われるが、ここで反転現像とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち、感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
現像剤は、搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。又、現像剤は感光体に対して接触或いは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図3のように現像位置上部に設けて行う。
転写材Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラ57の回転作動により転写域へと給紙される。
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転写器)58が作動し、給紙された転写材Pにトナーと反対極性の帯電を与えてトナーを転写する。
次いで転写材Pは分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラ601と圧着ローラ602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラ61を介して装置外部に排出される。尚、前記の転写電極58及び分離電極59は転写材Pの通過後、一次作動を中止し、次なるトナー像の形成に備える。図3では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
一方転写材Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
本発明で用いる記録材は、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いる現像剤は、1成分現像剤でも2成分現像剤でも良い。
1成分現像剤の場合は、非磁性1成分現像剤、或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性1成分現像剤としたものが挙げられ、何れも使用することができる。
又、2成分現像剤は、キャリア100質量部にトナー3〜20質量部を混合して調製したものである。キャリアの磁性粒子としては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものが良い。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
いかに、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
《基体の作製》
(基体1の作製)
アルミニウム合金引抜管を用意し、両端インロー加工後、ダイヤモンドバイトで鏡面加工を施した。尚、鏡面加工時は切削油の供給量を多くし、基体温度を40℃以下に抑えた。
鏡面加工を施したアルミニウム素管(基体)を下記条件で洗浄して基体を作製した。
第1槽(超音波洗浄)
アルカリ性洗剤(ソニックフェロー社製SE−115)5%水溶液(pH10.0)を用い、常温で超音波洗浄を60秒行った。尚、超音波発振器は28kHzのものを槽の底部と横の両方に配置。回転及び振動の併用のものを用いた。
第2槽(スポンジ擦り洗浄)
アルカリ性洗剤水溶液(第1槽と同じ)を用いベルクリーン(カネボウ社製)スポンジを素管に擦りつけ、素管と同方向に回転させながら、洗剤シャワーをかけて60秒間擦り洗浄を行った。
第3槽(濯ぎ)
オゾン水(25℃)を用い、第1槽と同じ構成の槽にてオーバフローさせながら、濯ぎを60秒行った。
第4槽(濯ぎ)
純水(25℃)を用い、第1槽と同じ構成の槽にてオーバフローさせながら、濯ぎを60秒行った。
第5槽(乾燥)
80℃の超純水に1分間浸漬させて水和酸化処理を施した後、0.5cm/secの引き上げ速度にて素管を引き上げ、素管を50℃の温風で乾燥して「基体1」を作製した。
尚、オゾン水は、オゾン水製造装置「D−OZONEスーパー500」(神鋼プラント建設株式会社製)を用いて作製した。
(基体2〜6の作製)
第1槽の超音波洗浄時間、第3槽の濯ぎ時間及び第5槽の乾燥温度を変えて「基体2〜6」を作製した。
表1に、得れた「基体1〜6」のアルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比の値を示す。尚、放出電子の強度比は、前記測定方法で測定した値である。
Figure 2006194933
《感光体1の作製》
(基体)
上記で作製した「基体1」を用いた。
(中間層の形成)
下記成分を混合した液を、サンドミル分散機を用いて10時間、バッチ式にて分散した後、同じ混合溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5μm、圧力;50kPa)して中間層塗布液を調製した。
上記中間層塗布液を、浸漬塗布の侵入深度を調整し、「基体1」の上端部から15mmまで塗布、乾燥して中間層を形成した。
その後、下記混合溶媒を含新浸したテープで基体の下端部から15mmまでの中間層塗膜を除去して基体下端部を露出させた後、120℃で30分乾燥し、膜厚3.0μmの中間層を形成した。尚、膜厚は、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて測定した値である。
前記「N−9」の化学構造のポリアミド樹脂 1.0質量部(1.0体積部)
ルチル型酸化チタン 3.5質量部(1.0体積部)
混合溶媒 10.0質量部
(エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン
=45質量比/20質量比/30質量比)
(電荷発生層の形成)
下記成分を混合した液を、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布の侵入深度を調整し、基体の上端部から13mmまで塗布、乾燥して膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
その後、溶媒(4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン7質量部:t−ブチルアセテート3質量部)を含浸したテープで基体下端から13mmまでの電荷発生層塗膜を除去して基体下端を露出させた。尚、膜厚は、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて測定した値である。
Y形オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 20質量部
シリコン変性ポリビニルブチラール 10質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 700質量部
t−ブチルアセテート 300質量部
(電荷輸送層の形成)
下記成分を混合した液を、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
この塗布液を、浸漬塗布の侵入深度を調整し、基体の上端部から10mmまで塗布、乾燥して膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
その後、溶媒(テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2))を含浸したテープで基体下端から10mmまでの電荷輸送層塗膜を除去して基体下端を露出させ、「感光体1」を作製(図1の(d)に該当)した。尚、膜厚は、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて測定した
4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン
70質量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製) 100質量部
酸化防止剤「Irganox1010」(日本チバガイギー社製) 8質量部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750質量部
《感光体2の作製》
上記で作製した「感光体1」の表面に、下記保護層塗布液を円形量規制型塗布装置により塗布、乾燥して膜厚3μmの保護層を形成した。
(保護層層の形成)
下記成分を混合した液を、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン
70質量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロン−Z800」(三菱ガス化学社製) 100質量部
酸化防止剤「Irganox1010」(日本チバガイギー社製) 8質量部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750質量部
その後、溶媒(テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2))を含浸したテープで基体の両端から10mmまで保護層塗膜を除去して基体端部を露出させ、「感光体2」を作製(図1の(e)に該当)した。尚、膜厚は、渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて測定した。
《感光体3〜5、7〜13の作製》
上記「感光体1」の作製で用いた「基体1」と中間層の「無機粒子」を、表2に示すように変更した以外は同様にして「感光体3〜5、7〜13」を作製した(図1の(d)に該当)。
《感光体6の作製》
上記で作製した「感光体1」の電荷輸送層を、テトラヒドロフランとt−ブチルアセテートの混合溶媒(50:50質量%)を含浸したテープで基体の両端部から15mmまで剥離し、中間層と感光層の端部が略同位置の「感光体6」を作製(図1の(b)に該当)した。
《感光体14の作製》
上記「感光体1」のの中間層の作製で用いた「無機粒子」を、添加しない以外は同様にして「感光体14」を作製(図1の(d)に該当)した。
《感光体15の作製》
上記で作製した「感光体1」の感光層を、テトラヒドロフランとt−ブチルアセテートの混合溶媒(50:50質量%)を含浸したテープで基体の両端部から20mmまで剥離し、中間層が感光層端部より5mm露出した「感光体15」を作製(図2の(f)に該当)した。
表2に、「感光体1〜15」の作製で用いた基体、無機粒子、その数平均一次粒径、層構成を示す。尚、数平均一次粒径は、前記測定方法により測定し得られた値である。
Figure 2006194933
《評価》
評価装置としては、図3に記載の画像形成装置を用いた。
プリントは、この画像形成装置に上記で作製した「感光体1〜15」を順次装填し、最も厳しいと思われる高温高湿環境(30℃、80%RH)にて連続10万枚行った。
感光層の膜剥離とクリーニングブレードのキズとトナー固着は、10万枚プリント後の感光体とクリーニングブレードを目視観察して評価した。
画像評価は、画素率が7%の文字画像、カラー人物顔写真(ハーフトーンを含むドット画像)、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4版の中性紙にプリントしたトナー画像で行った。
〈目視観察〉
(感光層の膜剥離)
感光層の膜剥離は、連続10万枚プリント後の感光体を目視で観察し、感光層端部の膜剥離状態で評価した。
評価基準
○:感光層端部の膜剥離が、認められない
×:感光層端部の膜剥離が、認められた。
(クリーニングブレードのキズとトナー固着)
クリーニングブレードのキズとトナー固着は、10万枚プリント終了後のクリーニングブレードを取り外し、感光体の塗膜端部が接触していた部分のキズとトナー固着を目視で観察して行った。
評価基準
○:クリーニングブレードに、キズとトナー固着共に認められなかった。
×:クリーニングブレードに、少なくともキズかトナー固着が認められた。
〈画像評価〉
(かぶり)
かぶりは、印字されていないプリント用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とし、次に、無地画像形成がなされた評価用紙の白地部分を同様に20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をかぶり濃度として評価した。測定は「RD−918」(マクベス反射濃度計)を用いて行った。
評価基準
◎:初期と10万枚プリント後の両方共に0.005以下で良好
○:初期は0.005以下、10万枚プリント後は0.01以下で実用上問題ないレベル
×:初期と10万枚プリント後の両方共に0.01より大きく実用上問題となるレベル。
(黒ポチ)
黒ポチは、10万枚プリント後、高温高湿(30℃80%RH)の環境において無地画像を100枚プリントして評価した。評価は、黒ポチ発生の周期性が感光体の周期と一致し、目視できる(径0.4mm以上)黒ポチがA4サイズ当たり何個あるかで行った。
評価基準
◎:黒ポチ頻度:全てのプリント画像が3個/A4以下で良好
○:黒ポチ頻度:4個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生するが実用上問題なし
×:黒ポチ頻度:11個/A4以上が1枚以上発生し実用上問題有り。
(画像濃度)
画像濃度は、ベタ黒画像部のプリント画像の濃度で評価した。画像濃度の測定は「RD−918」(マクベス社製)を使用し、紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
評価基準
◎:初期と10万枚プリント後の両方共に1.2以上で良好
○:初期は1.2以上、10万枚プリント後は1.0以上で実用上問題ないレベル
×:初期と10万枚プリント後の両方共に1.0未満で実用上問題となるレベル。
(鮮鋭度)
鮮鋭度は、10万枚プリント後、高温高湿(30℃80%RH)の環境において文字画像(3ポイント、5ポイントの文字)をプリントし、文字画像を目視で評価した。
評価基準
◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭であり、容易に判読可能で良好
○:3ポイントは一部判読不能、5ポイントは明瞭であり、容易に判読可能で実用上問題ないレベル
×:3ポイントは殆ど判読不能、5ポイントも一部或いは全部が判読不能で実用上問題となるレベル。
表3に評価結果を示す。
Figure 2006194933
表3から明らかなように、本発明の「実施例1〜10」は何れの評価項目も良好であるが、本発明外の「比較例1〜5」は少なくとも何れかの項目に問題が有ることが判る。
尚、市販の接触帯電手段を採用した画像形成装置を用いても、本発明の「実施例1〜10」は何れの評価項目も良好な結果が得られた。
本発明に係る感光体の層構成の一例を示す模式図である。 本発明に係る比較層構成の一例を示す模式図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
符号の説明
100 基体
200 中間層
210 無機粒子
220 バインダー
300 感光層
400 電荷発生層
500 電荷輸送層
600 中間層の露出部
700 基体の露出部
800 保護層

Claims (18)

  1. 導電性アルミニウム基体上に最上層を有する電子写真感光体であり、該導電性アルミニウム基体と最上層との間に、無機粒子とバインダーとを含有する中間層を有する電子写真感光体において、該導電性アルミニウム基体は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が3.0〜7.0であり、該無機粒子の数平均一次粒径が5〜300nmであり、該中間層が最上層に覆われていることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記最上層が、感光層であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記無機粒子が、N型半導電性粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記無機粒子が、無機酸化物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記無機粒子が、酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記無機粒子が、表面処理されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記中間層の膜厚が、0.2〜40μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記中間層のバインダーが、ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記電子写真感光体の層構成が、少なくとも中間層の上に、電荷発生層と電荷輸送層とを有する感光層をこの順に設けた積層型であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 前記電荷発生層及び中間層が、最上層に覆われていることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 前記最上層が、電荷輸送層であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。
  12. 前記最上層が、保護層であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真感光体。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の電子写真感光体を、帯電する帯電工程、該帯電された電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光工程、該静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、該トナー像を記録材に転写する転写工程とを有する画像を形成する電子写真画像形成方法において、該導電性アルミニウム基体は、アルミニウム酸化物とアルミニウム金属との放出電子の強度比が3.0〜7.0であり、該無機粒子の数平均一次粒径が5〜300nmであり、該中間層が最上層に覆われていることを特徴とする電子写真画像形成方法。
  14. 前記帯電工程が、電子写真感光体に帯電部材を接触させて帯電することを特徴とする請求項13に記載の電子写真画像形成方法。
  15. 前記帯電部材が、帯電ローラであることを特徴とする請求項14に記載の電子写真画像形成方法。
  16. 前記帯電部材が、磁気ブラシであることを特徴とする請求項14に記載の電子写真画像形成方法。
  17. 請求項13〜16の何れか1項に記載の電子写真画像形成方法に用いられることを特徴とする電子写真画像形成装置。
  18. 請求項1〜12の何れか1項に記載の電子写真感光体と帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段の少なくとも何れかと結合されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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