JP2006194151A - 内燃機関のレーザ点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関のレーザ点火装置において、集光レンズとして採用される液体レンズが焦点を形成する位置(すなわち、点火位置)を簡易な構成で変更可能とする。
【解決手段】液体レンズ202において、導電性の水溶液222に対して印加する電圧をチャンバの領域毎に異ならせ、オイル223が形成する界面231の曲率を領域毎に変化させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関のレーザ点火装置に関し、詳細には、レーザの集光レンズとして、屈折率が異なる2つの流体の界面でレーザを屈折させる液体レンズを採用した内燃機関のレーザ点火装置に関する。
レーザを採用した点火装置として、次のものが知られている。すなわち、レーザ発振器とこのレーザ発振器から発射されるレーザの集光レンズとの間に、凹レンズ及び凸レンズを含んで構成されるコリメータを設置したものである。このものでは、コリメータをエンジン回転数に応じて駆動することで、レーザの発振周波数によらず、レーザによる点火位置を燃焼室の適切な位置に調整することができる(特許文献1)。
特開平09−042138号公報(段落番号0011〜0013)
しかしながら、この公知のレーザ点火装置には、次の問題がある。すなわち、このものでは、点火位置の調整のために複数のレンズからなるコリメータを採用するため、装置が概して大型化し、車載上の不利があることである。また、このものでは、点火位置をレーザの光軸上で前後させることができるに過ぎず、この光軸外の位置で点火を行わせることができないことである。後者の問題に関し、燃焼形態によっては最適な点火位置が常に1つの光軸上で得られるとは限らず、最適燃焼を追求するうえで改善の余地がある。
本発明は、レーザの集光レンズとして液体レンズを採用するとともに、この液体レンズが焦点を形成する位置(すなわち、点火位置)を簡易な構成で変更可能とし、燃焼形態に応じて燃焼室の適切な位置で点火を行わせることを目的とする。
本発明は、内燃機関のレーザ点火装置を提供する。本発明に係る装置は、内燃機関の燃焼室に向け、パルス状のレーザを発射するレーザ発振器と、このレーザ発振器から発射されるレーザの経路上に配置され、このレーザが形成する焦点の位置を燃焼室の所定の位置に調整する液体レンズであって、この液体レンズのチャンバに収容され、このチャンバの内面に対して所定のぬれ角を形成する導電性の第1の液状媒体と、このチャンバにおいて、第1の液状媒体とは分離した状態で収容され、第1の液状媒体との間に前記ぬれ角に応じた曲率の界面を形成する、第1の液状媒体とは異なる屈折率の第2の液状媒体とを含んで構成される液体レンズと、第1の液状媒体に電圧を印加して前記ぬれ角を変化させる電圧印加手段とを含んで構成され、電圧印加手段により所定の大きさの電圧を印加して行われる第1の動作時とそれ以外の第2の動作時とで、レーザによる点火位置を変化させる。また、本発明に係る装置は、チャンバの領域毎に第1の液状媒体に印加する電圧の大きさを異ならせて、又はチャンバの領域毎に第2の液状媒体として収容する流体の粘性を異ならせて、第1及び第2の動作時の間で、レーザの経路を異ならせる。
本発明によれば、レーザの集光レンズとして液体レンズを採用するとともに、この液体レンズにおいて、第1の液状媒体に印加する電圧を制御して、この媒体のぬれ角、及び第2の液状媒体が形成する界面の曲率を変化させることとしたので、液体レンズが焦点を形成する位置をこのレンズ自体で変更することができ、レーザ点火装置の構成を簡易なものとすることができる。また、電圧又は粘性の調整によりチャンバの領域毎に界面の曲率を異ならせることで、レーザの焦点を偏らせ、燃焼形態に応じてより適切な位置で点火を行わせることができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る内燃機関1の構成を、気筒中心軸mを含む平面による断面で示している。本実施形態では、内燃機関1として、いわゆる直噴型のガソリンエンジンを採用しており、後述する燃料噴射弁19が、気筒中心軸mに隣接させて設置されている。
シリンダブロック11には、ピストン12が挿入されており、ピストン12の冠面121とシリンダヘッド13の下面との間に形成される空間が、燃焼室14となる。シリンダヘッド13には、気筒中心軸mを基準とした一側に吸気ポート15が形成されており、吸気ポート15は、図示しない吸気マニホールドと接続して、吸気通路を形成している。吸気ポート15は、吸気弁16により開放及び遮断される。一方、気筒中心軸mを基準とした他側に排気ポート17が形成されており、排気ポート17は、図示しない排気マニホールドと接続して、排気通路を形成している。排気ポート17は、排気弁18により開放及び遮断される。吸気弁16及び排気弁18は、各弁16,18の上方に設置された図示しない吸気カム及び排気カムにより夫々駆動される。
また、シリンダヘッド13には、燃焼室14の上部略中央に臨ませて燃料噴射弁19が設置されるとともに、この燃料噴射弁19に隣接させて、この燃料噴射弁19により噴射された燃料を着火させるためのレーザ点火装置(以下、単に「点火装置」という。)20が設置されている。本実施形態では、燃料噴射弁19が気筒中心軸mに対して吸気ポート15の側に若干オフセットさせて設置されているが、この燃料噴射弁19の配置は、燃料噴射弁19及び点火装置20の双方を気筒中心軸mに近付けたい要求と、点火装置20の排気ポート17からの熱的な絶縁とを考慮してのものである。このため、燃料噴射弁19を気筒中心軸m上に設置することも可能であり、この場合に、点火装置20は、図1に示すよりも排気ポート17に近付けて配置される。
燃料噴射弁19は、先端のノズル部において、周方向に複数の噴孔が設けられたマルチホール型の燃料噴射弁であり、各噴孔から噴射された燃料は、全体として中空のコーン状噴霧Sを形成する。このコーンの中心線を燃料噴射弁19の噴射方向線とした場合に、この噴射方向線は、気筒中心軸mに対して傾斜させて設定されている。この噴射方向線の設定は、燃料噴射弁19を前述のようにオフセットさせたことによるものであり、燃料噴射弁19を気筒中心軸m上に配置した場合は、噴射方向線を気筒中心軸mに一致させることができる。燃料噴射弁19へは、燃料ポンプ21により加圧された燃料が、燃料配管22を介して規定圧力で供給される。燃料ポンプ21は、図示しないカムシャフトに連結されており、エンジン1の出力により駆動される。
点火装置20は、レーザ発振器201と、このレーザ発振器201から発射されるレーザの光軸A上に配置された液体レンズ202と、レーザ発振器201及び液体レンズ202を収納するハウジング203とを含んで構成される。レーザ発振器201は、パルス状のレーザを発射するタイプのものである。他方、液体レンズ202は、チャンバ部材(221)の内部に屈折率が異なる2つの流体を封入して構成され、レーザ発振器201から発射されるレーザの集光レンズとして機能する。ハウジング203には、レーザの光軸A上の部位に、レーザが透過可能な素材で構成された窓部材204が嵌め込まれている。レーザ発振器201から発射されたレーザは、液体レンズ202及びこの窓部材204を通過し、燃焼室14内で焦点f1を形成する。この焦点f1の位置で、図1(電圧を印加しない場合を示す。)に示す場合の点火が行われる。
図3は、液体レンズ202の構成を模式的に示している。
本実施形態では、液体レンズ202において、2つの流体222,223が、チャンバ部材221の内部に封入されている。チャンバ部材221は、レーザrが透過可能な材質であり、切頭円錐の側面の形状として形成された電極224a,224bが収められている。電極224a,224bは、互いに切頭円錐の半分に相当する部分を形成しており、電気的に絶縁された状態で結合されて、1つの切頭円錐を形成している。2つの流体222,223は、この切頭円錐の内部に相当する空間(以下「チャンバ」という。)に封入されている。2つの流体のうち一方(「第1の液状媒体」に相当する。)222は、導電性の水溶液である。他方(「第2の液状媒体」に相当する。)223は、不導体のオイルである。電極224a,224bの表面及びチャンバ部材221の上部内面に撥水性を持たせることで、これらの流体222,223は、互いに分離し、かつオイル223がチャンバの上部に偏在した状態で保持される。この状態において、水溶液222は、電極224a,224bの表面に対して一定のぬれ角αを形成しており、オイル223が水溶液222との間に形成する界面(以下、単に「界面」という。)231は、このぬれ角αに応じた曲率を有している。ぬれ角αは、水溶液222に印加する電圧の大きさを変化させることにより制御することができる。このぬれ角αの制御は、エレクトロウェッティング法として一般に知られるところである。界面231の曲率は、主にオイル223の表面張力に応じたものとして与えられるが、印加する電圧及びぬれ角αを変化させることで、可変に制御することができる。
本実施形態では、一方の電極(「第1の電極」に相当する。)224aと水溶液222との間に電源225が接続されており、この電源225により、チャンバのうち電極224aが配置された領域(「第1の領域」に相当する。)にある水溶液222に対して比較的に大きな電圧が印加される。また、他方の電極(「第2の電極」に相当する。)224bと水溶液222との間に電源226が接続されており、この電源226により、チャンバのうち電極224bが配置された領域(「第2の領域」に相当する。)にある水溶液222に対し、第1の領域におけるものよりも小さな電圧が印加される。水溶液222に印加する電圧を領域毎に異ならせることで、各電極224a,224b上でのぬれ角αを異ならせ、界面231の曲率を1つの水溶液222内で、領域毎に異ならせることができる。電極224aと水溶液222との間、及び電極224bと水溶液222との間には、スイッチ227,228が夫々介装されており、水溶液222に対する電圧の印加及び遮断を制御することができる。スイッチ227,228の操作は、後述するエンジンコントロールユニット31により行われる。なお、本実施形態に関し、電極224a,224bが「電圧印加手段」を構成する。
図1に戻り、内燃機関1の運転は、エンジンコントロールユニット(以下「ECU」という。)31により統合的に制御される。ECU31には、アクセル開度を検出するアクセルセンサ41からの信号、クランク角センサ42からの信号(これをもとに、エンジン回転数を算出する。)、及び冷却水温度を検出する温度センサ43からの信号等が入力されるとともに、燃料配管22に設置された燃料圧力センサ(図示せず。)からの信号が入力される。ECU31は、これらの信号をもとに、燃料噴射弁19の噴射量及び噴射時期と、点火装置20の点火時期(すなわち、レーザの発射時期)とを演算し、設定する。
本実施形態では、内燃機関1の運転状態に応じ、成層燃焼と均質燃焼との間で燃焼形態が切り換えられる。検出したアクセル開度が所定の値以下である低負荷側の領域では、前者の成層燃焼が選択される。他方、この領域よりも高負荷側の領域では、後者の均質燃焼が選択される。成層燃焼による運転では、燃料の噴射時期が圧縮行程中に設定され、点火装置20による点火位置(焦点f1による。)の周辺に噴霧を集中させて燃焼が行われる。図1は、この成層燃焼による場合の、点火時期における筒内の状態を示している。本実施形態では、成層燃焼の形態として、ピストン12の冠面121との衝突前の噴霧Sに対して点火が行われる、いわゆるスプレーガイド燃焼が採用される。均質燃焼による運転では、燃料の噴射時期が吸気行程中に設定され、燃焼室14の全体に噴霧を拡散させて燃焼が行われる。図2は、この均質燃焼による場合の、点火時期における筒内の状態を示している。均質燃焼による場合に、点火は、噴霧を拡散させて形成された混合気Mに対して行われる。均質燃焼による運転に際し、ECU31は、電源225,226を作動させて、界面231の曲率を変化させ、点火位置を成層燃焼による場合よりも燃焼室14の中央に近い、焦点f2の位置に変化させる。
次に、点火装置20による点火位置の可変動作について、図3,4により説明する。
図3は、成層燃焼による場合の液体レンズ202の状態を示している。この場合に、前述のように電極224a,224bに電圧は印加されておらず、界面231は、オイル223の表面張力に応じた一律な曲率を有している。レーザ発振器201から発射されたレーザrは、光軸Aと一致する経路(「基準経路」に相当する。)上を伝播するとともに、界面231で屈折し、光軸A上の位置で焦点f1を形成する。この焦点f1の位置が成層燃焼運転時(「第2の動作時」に相当する。)における点火位置となる。
図4は、均質燃焼による場合の液体レンズ202の状態を示している。この場合に、電極224a,224bのそれぞれに対して電圧が印加され、界面231は、印加された電圧の大きさに応じてぬれ角αが増大することで、曲率が全体として減少する。ぬれ角αの増大は、印加される電圧が大きいときほど顕著となる性質がある。このため、界面231のうち、電源225により大きな電圧が印加された水溶液222のある領域(すなわち、第1の領域)で、曲率がより小さくなる一方、電源226により小さな電圧が印加された水溶液222のある領域(すなわち、第2の領域)で、曲率が比較的に大きいままで維持される。このため、1つの界面231に付与される曲率が、領域毎に変化することとなる。レーザ発振器201から発射されたレーザrは、液体レンズ202への入射前は光軸A上を伝播する。しかしながら、曲率が大きく減少した領域の界面231での屈折が抑制されることで、このレーザrは、界面231の通過後は光軸Aを外れて伝播することとなり、光軸A外の位置で焦点f2を形成する。この焦点f2の位置が均質燃焼運転時(「第1の動作時」に相当する。)における点火位置となる。界面231の曲率が全体として減少したことで、この焦点f2は、成層燃焼運転時における焦点f1よりも液体レンズ202から遠い位置に形成される。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、レーザrの集光レンズとして液体レンズ202を採用するとともに、この液体レンズ202において、導電性の水溶液222に印加する電圧を制御して、ぬれ角α及び界面231の曲率を変化させ、液体レンズ202が形成する焦点f1,f2の位置(すなわち、点火位置)を変化させることとした。このため、点火位置の調整のためにコリメータ等の集光レンズ以外の光学要素を設置する必要がなく、点火装置20の構成を簡易なものとすることができる。
また、本実施形態では、水溶液222に印加する電圧を領域毎に異ならせることで、電圧の印加時とそれ以外の非印加時とで、レーザrの経路及び液体レンズ202から焦点f1,f2までの距離を異ならせることとした。本実施形態では、特に、混合気が層状に形成される成層燃焼運転時には、ピストン12の冠面121との衝突前の噴霧S内に点火位置を設定する一方、混合気を燃焼室14の全体に拡散させる均質燃焼運転時には、点火位置を燃焼室14の中央に近付けることとしたので、燃焼形態毎に点火位置を適切な位置に調整し、燃焼を安定して行わせることができる。特に、均質燃焼運転時には、点火位置を熱効率の観点からより良好な位置に調整することができるので、燃料消費量の削減に寄与する。
更に、本実施形態では、界面231の曲率を領域毎に異ならせるため、2つの電極224a,224bを絶縁状態で結合して一体化するとともに、各電極224a,224bに印加する電圧を異ならせることとした。このため、点火位置を簡単な構成により変更することができる。
以下に、本発明の他の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ点火装置の液体レンズ202の構成を示している。
本実施形態では、液体レンズ202において、2つの電極224a,224bの間に、不導体のオイル223a,223bが収容されるチャンバを2つに区画する仕切り壁229が形成されている。この仕切り壁229は、電気的な絶縁性を持たせた薄板状の部材により形成されており、チャンバ部材221の上部内面と、電極224a,224bの結合部とに対し、液密に結合されている。仕切り壁229が形成された点以外の構成は、第1の実施形態のものと同様である。
本実施形態によれば、オイル223a,223bを領域毎に分断する仕切り壁229を設置したことで、界面231a,231bの曲率を領域毎に明確に変化させることができる。このため、電圧の印加時とそれ以外の非印加時とで、レーザの焦点(すなわち、点火位置)を大きく変化させることができる。
なお、本実施形態では、仕切り壁229を、オイル223a,223bが収容される空間のみを区画するものとして形成しているが、仕切り壁229は、水溶液222が収容される空間にまで延在させ(この場合の仕切り壁を図5に二点差線で示す。)、チャンバの全体を区画するものとして形成してもよい。
また、本実施形態では、電源225,226の一方の極を水溶液222に接続しているが、仕切り壁229を導電性の部材により形成するとともに、この仕切り壁229を接地させ、電極224a,224b及びこの仕切り壁229の間に電極225,226を接続してもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るレーザ点火装置の液体レンズ202の構成を示している。
以上では、導電性の水溶液222に印加する電圧を領域毎に異ならせることで、界面231の曲率を変化させることとしたが、本実施形態では、水溶液222の全体に渡り印加する電圧を一定とする一方、不導体のオイルとして領域毎にぬれ性が異なるオイル、たとえば、粘性が異なるオイル235,236を収容することで、同様の効果を得ることとしている。
すなわち、本実施形態では、液体レンズ202において、電極224は、切頭円錐の側面の形状として形成された1つの部材により構成され、この1つの電極224に対し、電源226により所定の電圧が印加される。また、オイル235,236が収容される空間が、第2の実施形態のものと同様の仕切り壁229により2つに区画され、区画された一方の空間には、比較的に小さな表面張力を形成する低粘性のオイル235(「第1の流体」に相当する。)235が、他方の空間には、このオイル235が形成するものよりも大きな表面張力を形成する高粘性のオイル236(「第2の流体」に相当する。)が収容されている。このため、水溶液222に電圧が印加された場合に、ぬれ角αが領域毎に変化し、界面231a,231bの曲率が領域毎に変化することとなる(電圧を印加した場合の界面を図6に二点鎖線で示す。)。仕切り壁229が形成された点、及び界面231a,231bの曲率を変化させるために2つのオイル235,236が採用された点以外の構成は、第1の実施形態のものと同様である。
本実施形態によれば、電圧印加手段として複数の電源を設置する必要がないので、点火装置20の構成をより簡易化することができる。
なお、レーザ発振器201と液体レンズ202とは、ハウジング203に収納して、一体に構成するに限らず、光ファイバー等の導波路により接続してもよい。両者のデバイス201,202を隔離して配置し、レーザ発振器201を内燃機関から遠ざけることで、レーザ発振器201に対する熱の影響を抑制し、作動状態を安定させることができる。
また、電極224a,224bに印加する電圧は、可変電源により連続的に変化させることとしてもよい。エンジン回転数等に基づいて実際の燃焼安定性を検出し、点火位置に起因して燃焼が不安定であると判断されるときは、電圧及び曲率の微調整によりこれに対応することができる。
更に、ピストン12の冠面121に、噴霧を案内するためのキャビティを形成するとともに、成層燃焼による運転に際し、負荷に応じて点火時期を切り換えることとしてもよい。すなわち、低負荷側の領域では、燃料の噴射時期を遅く設定して、スプレーガイド燃焼による形態を採用する一方、高負荷側の領域では、燃料の噴射時期を進角させ、このキャビティにより案内された噴霧が形成する混合気に対して点火を行うのである。これにより、噴射される燃料の量に応じて可燃混合気の大きさ及び空燃比を調整し、成層燃焼の適正化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る内燃機関の、成層燃焼運転時における点火動作 同上実施形態に係る内燃機関の、均質燃焼運転時における点火動作 同上実施形態に係る液体レンズの、成層燃焼運転時における状態 同上実施形態に係る液体レンズの、均質燃焼運転時における状態 仕切り壁が形態された、本発明の第2の実施形態に係る液体レンズの構成 不導体のオイルとして粘性が異なるオイルが採用された、本発明の第3の実施形態に係る液体レンズの構成
符号の説明
1…内燃機関、11…シリンダブロック、12…ピストン、13…シリンダヘッド、14…燃焼室、15…吸気ポート、16…吸気弁、17…排気ポート、18…排気弁、19…燃料噴射弁、20…レーザ点火装置、201…レーザ発振器、202…液体レンズ、221…チャンバ部材、222…「第1の液状媒体」としての導電性の水溶液、223,235,236…「第2の液状媒体」としての不導体のオイル、224a,224b…電極、225,226…電源、229…仕切り壁、231…界面、31…エンジンコントロールユニット、41…アクセルセンサ、42…クランク角センサ、43…冷却水温度センサ、f1,f2…レーザの焦点、m…気筒中心軸、A…レーザの光軸、S…噴霧、M…混合気。

Claims (8)

  1. 内燃機関の燃焼室に向け、パルス状のレーザを発射するレーザ発振器と、
    このレーザ発振器から発射されるレーザの経路上に配置され、このレーザが形成する焦点の位置を前記燃焼室の所定の位置に調整する液体レンズであって、この液体レンズのチャンバに収容され、このチャンバの内面に対して所定のぬれ角を形成する導電性の第1の液状媒体と、このチャンバにおいて、前記第1の液状媒体とは分離した状態で収容され、前記第1の液状媒体との間に前記ぬれ角に応じた曲率の界面を形成する、前記第1の液状媒体とは異なる屈折率の第2の液状媒体とを含んで構成される液体レンズと、
    前記第1の液状媒体に電圧を印加して前記ぬれ角を変化させる電圧印加手段とを含んで構成され、
    前記電圧印加手段により所定の大きさの電圧を印加して行われる第1の動作時とそれ以外の第2の動作時とで、前記レーザによる点火位置を変化させる内燃機関のレーザ点火装置。
  2. 前記電圧印加手段は、前記チャンバの第1の領域に設けられた第1の電極と、この第1の領域以外の第2の領域に設けられた第2の電極とを含んで構成され、前記第1及び第2の領域の間で、前記第1の液状媒体に印加する電圧の大きさを異ならせて、前記第1の動作時と前記第2の動作時とで、前記液体レンズを通過した後のレーザの経路を異ならせる請求項1に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
  3. 前記液体レンズは、前記第2の液状媒体として、前記チャンバの第1の領域に収容された第1の流体と、この第1の領域以外の第2の領域に収容された、前記第1の流体とは異なるぬれ性の第2の流体とを含んで構成され、前記第1及び第2の領域の間で、前記界面の曲率を異ならせて、前記第1の動作時と前記第2の動作時とで、前記液体レンズを通過した後のレーザの経路を異ならせる請求項1に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
  4. 前記第1及び第2の領域の間に、前記第2の液状媒体が収容される空間を区画する仕切り壁が形成された請求項2又は3に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
  5. 前記第2の動作時における前記レーザの経路を基準経路として、前記第1の動作時における前記レーザによる点火位置が、この基準経路外の位置にあり、かつ前記第2の動作時とは前記液体レンズからの距離が相違する請求項2〜4のいずれかに記載の内燃機関のレーザ点火装置。
  6. 前記第1の動作時において、前記第2の動作時におけるよりも前記レーザによる点火位置が燃焼室の中央に近付けられる請求項5に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
  7. 燃焼室の全体に噴霧を拡散させて行われる均質燃焼と、燃焼室の一部に噴霧を集中させて行われる成層燃焼とで、燃焼形態を切り換えて運転される内燃機関に適用され、
    前記第1の動作時に前記均質燃焼による運転が、前記第2の動作時に前記成層燃焼による運転が行われる請求項6に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
  8. 前記成層燃焼による運転時に、このレーザ点火装置による点火が、この内燃機関のピストンとの衝突前の噴霧に対して行われる請求項7に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102062037A (zh) * 2011-01-18 2011-05-18 天津大学 可变焦距的发动机激光点火装置

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