JP2006194151A - 内燃機関のレーザ点火装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体レンズ202において、導電性の水溶液222に対して印加する電圧をチャンバの領域毎に異ならせ、オイル223が形成する界面231の曲率を領域毎に変化させる。
【選択図】 図4
Description
図1は、本発明の第1の実施形態に係る内燃機関1の構成を、気筒中心軸mを含む平面による断面で示している。本実施形態では、内燃機関1として、いわゆる直噴型のガソリンエンジンを採用しており、後述する燃料噴射弁19が、気筒中心軸mに隣接させて設置されている。
本実施形態では、液体レンズ202において、2つの流体222,223が、チャンバ部材221の内部に封入されている。チャンバ部材221は、レーザrが透過可能な材質であり、切頭円錐の側面の形状として形成された電極224a,224bが収められている。電極224a,224bは、互いに切頭円錐の半分に相当する部分を形成しており、電気的に絶縁された状態で結合されて、1つの切頭円錐を形成している。2つの流体222,223は、この切頭円錐の内部に相当する空間(以下「チャンバ」という。)に封入されている。2つの流体のうち一方(「第1の液状媒体」に相当する。)222は、導電性の水溶液である。他方(「第2の液状媒体」に相当する。)223は、不導体のオイルである。電極224a,224bの表面及びチャンバ部材221の上部内面に撥水性を持たせることで、これらの流体222,223は、互いに分離し、かつオイル223がチャンバの上部に偏在した状態で保持される。この状態において、水溶液222は、電極224a,224bの表面に対して一定のぬれ角αを形成しており、オイル223が水溶液222との間に形成する界面(以下、単に「界面」という。)231は、このぬれ角αに応じた曲率を有している。ぬれ角αは、水溶液222に印加する電圧の大きさを変化させることにより制御することができる。このぬれ角αの制御は、エレクトロウェッティング法として一般に知られるところである。界面231の曲率は、主にオイル223の表面張力に応じたものとして与えられるが、印加する電圧及びぬれ角αを変化させることで、可変に制御することができる。
図3は、成層燃焼による場合の液体レンズ202の状態を示している。この場合に、前述のように電極224a,224bに電圧は印加されておらず、界面231は、オイル223の表面張力に応じた一律な曲率を有している。レーザ発振器201から発射されたレーザrは、光軸Aと一致する経路(「基準経路」に相当する。)上を伝播するとともに、界面231で屈折し、光軸A上の位置で焦点f1を形成する。この焦点f1の位置が成層燃焼運転時(「第2の動作時」に相当する。)における点火位置となる。
すなわち、本実施形態では、レーザrの集光レンズとして液体レンズ202を採用するとともに、この液体レンズ202において、導電性の水溶液222に印加する電圧を制御して、ぬれ角α及び界面231の曲率を変化させ、液体レンズ202が形成する焦点f1,f2の位置(すなわち、点火位置)を変化させることとした。このため、点火位置の調整のためにコリメータ等の集光レンズ以外の光学要素を設置する必要がなく、点火装置20の構成を簡易なものとすることができる。
以下に、本発明の他の実施形態について説明する。
本実施形態では、液体レンズ202において、2つの電極224a,224bの間に、不導体のオイル223a,223bが収容されるチャンバを2つに区画する仕切り壁229が形成されている。この仕切り壁229は、電気的な絶縁性を持たせた薄板状の部材により形成されており、チャンバ部材221の上部内面と、電極224a,224bの結合部とに対し、液密に結合されている。仕切り壁229が形成された点以外の構成は、第1の実施形態のものと同様である。
なお、本実施形態では、仕切り壁229を、オイル223a,223bが収容される空間のみを区画するものとして形成しているが、仕切り壁229は、水溶液222が収容される空間にまで延在させ(この場合の仕切り壁を図5に二点差線で示す。)、チャンバの全体を区画するものとして形成してもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るレーザ点火装置の液体レンズ202の構成を示している。
なお、レーザ発振器201と液体レンズ202とは、ハウジング203に収納して、一体に構成するに限らず、光ファイバー等の導波路により接続してもよい。両者のデバイス201,202を隔離して配置し、レーザ発振器201を内燃機関から遠ざけることで、レーザ発振器201に対する熱の影響を抑制し、作動状態を安定させることができる。
更に、ピストン12の冠面121に、噴霧を案内するためのキャビティを形成するとともに、成層燃焼による運転に際し、負荷に応じて点火時期を切り換えることとしてもよい。すなわち、低負荷側の領域では、燃料の噴射時期を遅く設定して、スプレーガイド燃焼による形態を採用する一方、高負荷側の領域では、燃料の噴射時期を進角させ、このキャビティにより案内された噴霧が形成する混合気に対して点火を行うのである。これにより、噴射される燃料の量に応じて可燃混合気の大きさ及び空燃比を調整し、成層燃焼の適正化を図ることができる。
Claims (8)
- 内燃機関の燃焼室に向け、パルス状のレーザを発射するレーザ発振器と、
このレーザ発振器から発射されるレーザの経路上に配置され、このレーザが形成する焦点の位置を前記燃焼室の所定の位置に調整する液体レンズであって、この液体レンズのチャンバに収容され、このチャンバの内面に対して所定のぬれ角を形成する導電性の第1の液状媒体と、このチャンバにおいて、前記第1の液状媒体とは分離した状態で収容され、前記第1の液状媒体との間に前記ぬれ角に応じた曲率の界面を形成する、前記第1の液状媒体とは異なる屈折率の第2の液状媒体とを含んで構成される液体レンズと、
前記第1の液状媒体に電圧を印加して前記ぬれ角を変化させる電圧印加手段とを含んで構成され、
前記電圧印加手段により所定の大きさの電圧を印加して行われる第1の動作時とそれ以外の第2の動作時とで、前記レーザによる点火位置を変化させる内燃機関のレーザ点火装置。 - 前記電圧印加手段は、前記チャンバの第1の領域に設けられた第1の電極と、この第1の領域以外の第2の領域に設けられた第2の電極とを含んで構成され、前記第1及び第2の領域の間で、前記第1の液状媒体に印加する電圧の大きさを異ならせて、前記第1の動作時と前記第2の動作時とで、前記液体レンズを通過した後のレーザの経路を異ならせる請求項1に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
- 前記液体レンズは、前記第2の液状媒体として、前記チャンバの第1の領域に収容された第1の流体と、この第1の領域以外の第2の領域に収容された、前記第1の流体とは異なるぬれ性の第2の流体とを含んで構成され、前記第1及び第2の領域の間で、前記界面の曲率を異ならせて、前記第1の動作時と前記第2の動作時とで、前記液体レンズを通過した後のレーザの経路を異ならせる請求項1に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
- 前記第1及び第2の領域の間に、前記第2の液状媒体が収容される空間を区画する仕切り壁が形成された請求項2又は3に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
- 前記第2の動作時における前記レーザの経路を基準経路として、前記第1の動作時における前記レーザによる点火位置が、この基準経路外の位置にあり、かつ前記第2の動作時とは前記液体レンズからの距離が相違する請求項2〜4のいずれかに記載の内燃機関のレーザ点火装置。
- 前記第1の動作時において、前記第2の動作時におけるよりも前記レーザによる点火位置が燃焼室の中央に近付けられる請求項5に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
- 燃焼室の全体に噴霧を拡散させて行われる均質燃焼と、燃焼室の一部に噴霧を集中させて行われる成層燃焼とで、燃焼形態を切り換えて運転される内燃機関に適用され、
前記第1の動作時に前記均質燃焼による運転が、前記第2の動作時に前記成層燃焼による運転が行われる請求項6に記載の内燃機関のレーザ点火装置。 - 前記成層燃焼による運転時に、このレーザ点火装置による点火が、この内燃機関のピストンとの衝突前の噴霧に対して行われる請求項7に記載の内燃機関のレーザ点火装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005006600A JP2006194151A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 内燃機関のレーザ点火装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005006600A JP2006194151A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 内燃機関のレーザ点火装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006194151A true JP2006194151A (ja) | 2006-07-27 |
Family
ID=36800433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005006600A Withdrawn JP2006194151A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | 内燃機関のレーザ点火装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006194151A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102062037A (zh) * | 2011-01-18 | 2011-05-18 | 天津大学 | 可变焦距的发动机激光点火装置 |
-
2005
- 2005-01-13 JP JP2005006600A patent/JP2006194151A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102062037A (zh) * | 2011-01-18 | 2011-05-18 | 天津大学 | 可变焦距的发动机激光点火装置 |
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