JP2006188845A - 地山補強土工法及び地山補強土構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 地盤2に孔4を削孔する削孔工程と、補強材10に透水性を有する袋体12を少なくとも一つ取り付け、この状態で補強材10及び袋体12を孔4内に挿入する補強材及び袋体の挿入工程と、袋体12内にグラウト材25を加圧注入する第1グラウト材注入工程と、袋体12内のグラウト材25が固化した後に、孔4内にグラウト材25を注入する第2グラウト材注入工程と、孔4内のグラウト材25が固化した後に、補強材10の頭部11を地盤2の表面3に定着させる頭部処理工程とを備える。袋体12の内部にグラウト材25を加圧注入することにより、袋体12が膨張変形して孔4を押し拡げ、袋体13(グラウト材25)の孔4に対する付着力が高められる。
【選択図】 図6
Description
すなわち、請求項1に係る発明は、地盤に削孔した孔内に補強材をグラウト材を介して全面接着させる地山補強土工法であって、前記地盤に孔を削孔する削孔工程と、補強材に透水性を有する袋体を少なくとも一つ取り付け、この状態で補強材及び袋体を前記孔内に挿入する補強材及び袋体の挿入工程と、前記袋体内にグラウト材を加圧注入する第1グラウト材注入工程と、前記袋体内のグラウト材が固化した後に、前記孔内にグラウト材を注入する第2グラウト材注入工程と、前記孔内のグラウト材が固化した後に、前記補強材の頭部を地盤の表面に定着させる頭部処理工程とを備えてなることを特徴とする。
本発明による地山補強土工法によれば、削孔工程において、ボーリングマシン等により浸透性の高い地層を含む地盤に孔を削孔し、補強材及び袋体の挿入工程において、補強材に透水性を有する袋体を取り付け、補強材と袋体とを一緒に孔内に挿入して所定の位置に位置決めし、第1グラウト材注入工程において、袋体内にグラウト材を加圧注入して袋体を膨張変形させ、袋体によって孔を押し拡げ、第2グラウト材注入工程において、袋体の上部の孔の部分にグラウト材を無加圧注入し、頭部処理工程において、グラウト材が固化した後に、地盤の表面上で補強材の頭部にナットを締め付けることにより、補強材が全面接着された状態で孔内に定着されることになる。
本発明による地山補強土工法によれば、削孔工程において、ボーリングマシン等により浸透性に低い地盤に孔を削孔し、第1グラウト材注入工程において、孔内にグラウト材を無加圧注入し、補強材及び袋体の挿入工程において、補強材に非透水性を有する袋体を取り付け、補強材と袋体とを一緒に孔内に挿入して所定の位置に位置決めし、第2グラウト材注入工程において、袋体内にグラウト材を加圧注入して袋体を膨張変形させ、袋体で孔を押し拡げ、頭部処理工程において、グラウト材が固化した後に、地盤の表面上で補強材の頭部にナットを締め付けることにより、補強材が全面接着された状態で孔内に定着されることになる。
本発明による地山補強土構造によれば、地盤の地質等に応じて、非透水性又は透水性を有する素材からなる袋体を補強材に取り付け、袋体を補強材と一緒に地盤に削孔した孔内に挿入し、袋体にグラウト材を加圧注入して膨張変形させ、地盤の孔内にグラウト材を無加圧注入し、補強材の頭部を地盤の表面に定着具により定着させることにより、地盤の地質に関わらず、斜面の安定化を図ることができる。
また、袋体の内部にグラウト材を加圧注入することにより、袋体(グラウト材)の地盤に対する密着性を高めることができるとともに、袋体からグラウト材を滲出させて地盤と袋体との間に介在させ、又は、孔内に無加圧注入したグラウト材を袋体と地盤との間に介在させることができるので、グラウト材(袋体)と地盤との間の極限周面摩擦抵抗力を増加させることができ、浸透性の高い地盤であっても、浸透性の低い地盤であっても、補強材の引き抜き抵抗力を増加させることができる。
さらに、袋体を設置した孔の部分のみの径を拡大させることができるので、その部分に支圧部を形成することができ、これにより補強材の引き抜き抵抗力を増加させることができる。
さらに、袋体の内部のみにグラウト材を加圧注入し、孔の他の部分にはグラウト材を無加圧注入しているので、孔の口元から大量のグラウト材が外部に漏れ出るようなことはなく、法表面がグラウト材で汚れて環境や景観を損ねたり、グラウト材の一部が排水工に流れ込んだりするのを防止できる。
さらに、袋体の内部にグラウト材を加圧注入しているので、注入量によって袋体の膨張変形後の寸法を予測することができるとともに、グラウト材の注入量も予測することができるので、品質管理を容易にすることができる。
さらに、袋体にグラウト材を加圧注入し、グラウト材が固化した後に、袋体の上部の孔の部分にグラウト材を無加圧注入する前に、補強材に緊張力を与えることが可能になるので、掘削に伴う変形を小さくすることもできる。
図1〜図6には、本発明による地山補強土工法の第1の実施の形態が示されていて、この地山補強土工法は、浸透性の高い地盤を備えた地山の斜面を安定化させるのに有効なものであって、地山1の地盤2に孔4を削孔する削孔工程と、削孔工程で削孔した孔4内に補強材10及び袋体12を挿入する補強材及び袋体の挿入工程と、袋体12の内部にグラウト材25を注入する第1グラウト材注入工程と、孔4の内部にグラウト材25を注入する第2グラウト材注入工程と、補強材10の頭部11を地盤2の表面3に定着させる頭部処理工程とを備えている。以下、各工程について詳しく説明する。
削孔工程は、図1及び図2に示すように、地山1の地盤2にボーリングマシン等の掘削手段26によって所定の直径、深さの孔4を削孔する工程であって、地山1の地盤2の地質、地層構成、すべり面の形状等に応じて、孔4の直径、深さ、数、ピッチ等を設定する。例えば、直径が45mm〜90mm、深さが5m〜7m程度の孔4を複数箇所に削孔する。
補強材10及び袋体12の挿入工程は、図3に示すように、削孔工程で削孔した各孔4内に、補強材10及び袋体12を挿入する工程であって、異形鉄筋等からなる棒状の補強材10に少なくとも一つの袋体12を取り付け、補強材10と袋体12とを一体として孔4内に挿入し、袋体12を孔4内の所定の位置に位置決めする。
第1グラウト材注入工程は、図4に示すように、注入パイプ20を介して袋体12の内部にグラウト材25を加圧注入する工程であって、袋体12の内部にグラウト材25を5〜10kgf/cm2程度の圧力で加圧注入する。袋体12の内部にグラウト材25を加圧注入することにより、袋体12が膨張変形して孔4を押し拡げる。
第2グラウト材注入工程は、図5に示すように、注入パイプ22を袋体12の上部の孔4内に導き、注入パイプ22を介して袋体12の上部の孔4内にグラウト材25を無加圧注入する工程であって、この第2グラウト材注入工程によって孔4内の全体にグラウト材25が充填され、補強材10が孔4内にこのグラウト材25と第1グラウト材注入工程で袋体12内に注入したグラウト材25とを介して全面接着される。
頭部処理工程は、補強材10の頭部11を地盤2の表面3に定着させる工程であって、第2グラウト材注入工程において孔4内に注入したグラウト材25が固化した後に、図6に示すように、地盤2の表面3に金属、コンクリート等からなるプレート30を設置し、プレート30から突出させた補強材10の頭部11にナット31を螺合させて締め付け、補強材10の頭部11を地盤2の表面3に定着させる。この場合、プレート30の代わりに、受圧板、法表面に施工した法面工等を用いてもよい。なお、プレート30とナット31とにより、定着具が構成される。
削孔工程は、第1の実施の形態の削孔工程と同様の工程であって、図9及び図10に示すように、地山1の地盤2にボーリングマシン等の掘削手段26によって所定の直径、深さの孔4を削孔する工程であって、地山1の地盤2の地質、地層構成、すべり面の形状等に応じて、孔4の直径、深さ、数、ピッチ等を設定する。
第1グラウト材注入工程は、第1の実施の形態の第2グラウト材注入工程に相当する工程であって、図11に示すように、削孔工程で形成した孔4内に注入パイプ22を導き、注入パイプ22を介して孔4内に所定量のグラウト材25を無加圧注入する。
補強材及び袋体の挿入工程は、第1の実施の形態の補強材及び袋体の挿入工程と同一の工程であって、図12に示すように、削孔工程で削孔し、第1グラウト材注入工程でグラウト材25を注入した孔4内に、補強材10及び袋体12を挿入する。
第2グラウト材注入工程は、第1の実施の形態の第1グラウト材注入工程に相当する工程であって、図13に示すように、注入パイプ20を介して袋体の内部に所定量のグラウト材25を加圧注入する。袋体12の内部にグラウト材25を加圧注入することにより、袋体12が膨張変形して孔4を押し拡げることになるが、この実施の形態の地盤2は浸透性の低い地盤2であるので、第1の実施の形態による地盤2よりも押し拡げる量が小さくなる。また、袋体12からグラウト材25が滲出することはないが、孔4内には既にグラウト材25が無加圧注入されているので、袋体12と地盤2との間にグラウト材25を介在させることができ、袋体12と地盤2との間の付着力を高めることができる。なお、第2グラウト材注入工程で使用した注入パイプ20はそのまま孔4内に残置させてもよいし、孔4から引き抜いてもよい。そして、孔4内のグラウト材25及び袋体12の内部のグラウト材25が固化した後に、次の頭部処理工程に移行する。
頭部処理工程は、第1の実施の形態の頭部処理工程と同一の工程であって、図14に示すように、地盤2の表面3に金属、コンクリート等からなるプレート30を設置し、プレート30から突出させた補強材10の頭部11にナット31を螺合させて締め付け、補強材10の頭部11を地盤2の表面3に定着させる。この場合、プレート30の代わりに、受圧板、法表面に施工した法面工等を用いてもよい。なお、プレート30とナット31とにより、定着具が構成される。
3 表面 4 孔
5 底部 6 口元
10 補強材 11 頭部
12 袋体 13 口部
14 シール部材 15 空気抜き用の孔
19 固定ベルト 20 注入パイプ
21 排出パイプ 22 注入パイプ
25 グラウト材 26 掘削手段
30 プレート 31 ナット
Claims (3)
- 地盤に削孔した孔内に補強材をグラウト材を介して全面接着させる地山補強土工法であって、
前記地盤に孔を削孔する削孔工程と、補強材に透水性を有する袋体を少なくとも一つ取り付け、この状態で補強材及び袋体を前記孔内に挿入する補強材及び袋体の挿入工程と、前記袋体内にグラウト材を加圧注入する第1グラウト材注入工程と、前記袋体内のグラウト材が固化した後に、前記孔内にグラウト材を注入する第2グラウト材注入工程と、前記孔内のグラウト材が固化した後に、前記補強材の頭部を地盤の表面に定着させる頭部処理工程とを備えてなることを特徴とする地山補強土工法。 - 地盤に削孔した孔内に補強材をグラウト材を介して全面接着させる地山補強土工法であって、
前記地盤に孔を削孔する削孔工程と、前記孔内にグラウト材を注入する第1グラウト材注入工程と、補強材に非透水性を有する袋体を少なくとも一つ取り付け、この状態で補強材及び袋体を前記孔内に挿入する補強材及び袋体の挿入工程と、前記袋体内にグラウト材を加圧注入する第2グラウト材注入工程と、前記袋体内のグラウト材及び前記孔内のグラウト材が固化した後に、前記補強材の頭部を地盤の表面に定着させる頭部処理工程とを備えてなることを特徴とする地山補強土工法。 - 地山の斜面を安定化させるために、地山の地盤に施工される地山補強土構造であって、
前記地盤に削孔される孔と、該孔内に挿入される補強材と、該補強材に少なくとも一つ取り付けられるとともに、該補強材と一緒に前記孔内に挿入される透水性又は非透水性の材料からなる袋体と、該袋体内に加圧注入されて、該袋体を膨張変形させるグラウト材と、前記孔内に無加圧注入されるグラウト材と、前記補強材の頭部を前記地盤の表面に定着させる定着具とを備えてなることを特徴とする地山補強土構造。
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