JP2006176949A - 物性の優れたウール - Google Patents

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Abstract

【課題】
耐洗濯性ばかりでなく、更にその他各種物性の優れたウールを提供すること
【解決手段】
同一加工機内にウール、水、及び浸透剤を投入後、常温で浸漬して前処理し、次いで、先ず酸性溶剤、次に次亜塩素酸塩溶剤、続いてピロリン酸塩溶剤を、各々常温又は低温域で順次、適宜な間隔を設けて連続投入した後、加熱し、一定時間浸漬する方法で製造されたウール
【選択図】図4

Description

本発明は改質されたウールに関する。
周知の通りウールの多機能性は全繊維中の王様であるが、家庭で手軽に洗えないという欠点がある。本発明の目的は、家庭で容易に洗濯機で洗える防縮ウールを提供することである。
既存のそ毛ウールは、家庭で洗える縮まないウールを目指しており、ウールの表面に存在する収縮フェルティングするスケールの除去加工が一般的である。紡毛ウールは、かさ高、風合いを重視する為、むしろスケールのフェルティング構造を生かした縮繊加工による厚み、かさ高、表面毛羽立ちを特徴とする加工を中心とする。実用化済みのウールの防縮加工には、強アルカリ処理によるスケール除去加工(通称クロイ加工)や、スケール最表面のポリマー樹脂被膜コーティング加工(例、Hercosett 加工)や、物理的スケールセット加工や、塩素処理を含む酵素加工等があり、何れもウールのスケール間の凹凸面を平面的に溶融、剥離、摩擦、圧縮、又は被膜化する方法である為、いずれの方法によってもウール表面へのダメージが大きく、撥水性、呼吸機能や消臭機能性、吸湿、吸水、保湿、弾力(かさ高)、クリンプ(ちぢみ)、不帯電性(防汚性)等、ウールの優れた繊維物性を低下させる。
本発明は耐洗濯性ばかりでなく、更にその他各種物性の優れたウールを提供することである。
本発明は上記の課題を解決する為になされたものであり、この課題は以下の手段を採用することにより解決される。即ちウール、水、及び浸透剤(好ましくは脱気性)を用いてウールを常温で短時間前処理する。次いで先ず好ましくは大量の酸性溶剤たとえば酸化剤溶液、次に微量の次亜塩素酸塩溶剤、続いて大量のピロリン酸塩溶剤を順次、適宜な間隔で投入する。この際、各溶剤は常温か安全な低温域とする。本処理中、酸性系の溶剤と塩素系の溶剤の混合溶液を同一浴で、適度な低温度内に加熱、浸漬処理することにより、イオン化処理が行われることとなる。更に好ましくは、該処理済みウールを充分洗浄し、加熱沸騰し、短時間、煮沸処理してウール内奥の臭気性汚染物質(有害な塩素系有機物質を含む)を完全除去する。かくして製造されるウールは所期の目的を達成するものとなる。
(1)本発明の改質されたウールの製法によると、あらゆる動物性繊維就中ウールの繊維構造内に処理液が浸透して、沈着乃至固着し、優れた各種の物性を有するものに改変する。動物性繊維の内、原毛ウール(品種、地域、年齢、雄雌を問わず)は、例えば、豪州、ニュージーランド、ソ連、南米、中国、インド、パキスタン、トルコ、アルゼンチン、英国産などや、ヘアー(獣毛)、即ち、モヘアー、ラマ、グァナコ、ビイキューナ、カシミヤ、ラクダ、アンゴラ、牛毛、チンチラ等の、あらゆる動物性繊維が本発明の対象となる。
(2)ウールの繊度としては、極細10ミクロンから、極太45ミクロンの間に於いて、適宜、処理条件(温度、時間)を調整して、処理することが出来る。

(3)脂付き原毛ウールや洗化炭処理ウール、天然洗剤や合成洗剤で洗毛処理されたウール等にも適用出来る。
(4)ウールの原毛(スカッド洗毛を含む)、トップフリース(紡毛、そ毛紡用)、糸(紡毛、そ毛紡績糸、空気精紡糸、単糸及び撚糸)、生地(編み、織り、及び不織布)、半乃至完成品も適宜同様に適用することが出来る。
本発明の処理について、以下に詳述する。
本発明は基本的には一浴一段法で、前処理は通常常圧のオーバーマイヤ染色機にウールと水と浸透剤を投入して浸漬処理するが、ウールと水の浴比は1:10〜12、また浸透剤はウール総重量当り0.3〜1%好ましくは0.5重量%程度を使用する。該処理は低温、短時間で好ましくは常温10分程度である。この際の浸透剤としては、通常使用されて来たものが使用され、例えば空気を例示出来、特に脱気性のものが好ましい。
次に本処理は常温又は低温で、適宜な間隔を設け、各溶剤を順次、連続投入する。先ず(A)酸性溶剤を投入する。この際の酸性溶剤としては、代表的には酸化物質、更に具体的には過酸化水素の水溶液を好ましいものとして例示出来、その濃度は通常35%過酸化水素水が好ましく使用される。この際、他の酸性溶剤も使用出来、必要に応じ2種以上併用しても良い。また場合によっては酸性溶剤の一部を最後に分割して使用することも出来る。酸性溶剤は大量に使用するのを基本とし、そのウールの繊度に応じて使用量を調整する。通常はウール総重量に対し、約10〜30重量%好ましくは15〜20重量%程度である。浸漬時間は30〜720分好ましくは60〜90分程度である。
続いて(B)次亜塩素酸塩溶剤を適宜な間隔、通常1〜5分間隔を設けて投入する。この際の次亜塩素酸塩としてはそのアルカリ金属塩が好ましいものとして例示出来、特にナトリウム塩が好ましい。その使用量はやはりウールの繊度に応じて適宜調整されるが、通常ウール総重量の1〜5重量%好ましくは3〜5%特には2〜4重量%の微量である。この時点でpHは7前後に維持される(少々、塩素ガス発生の兆しがあり、ここから溶剤投入は出来るだけ速やかに行う事が好ましい)。
本発明における(C)ピロリン酸塩溶剤の処理は、繊度に応じウール総重量の5〜20好ましくは10〜15特に10%(大量)を投入する。この際のピロリン酸塩としてはアルカリ金属塩、特に好ましくはそのナトリウム塩が使用される。該溶剤は主に食品添加物に使われるもので、タンパク質への反応が優しく、大量に使っても差し支えない。該溶剤はウールのスケール構成内の各部(CMC部位、各クチクル膜)を通過し、皮質部(コルテックス)内の細胞間接着層や、各繊維状タンパク質組織部まで奥深く隅々に浸透して沈着する。この時点でpHは9前後を維持する。ここで塩素ガスの発生を完全に防止する。
本発明の処理に於ける加熱は、25℃〜70℃の間の安全な低温域で行われる。50〜60℃で50〜70分が基準となり、ウール繊度に応じ、品質上、安全確実な温度と時間を定める。なお、上記の本処理工程で完成したウールを充分水洗いして、約5分程度沸騰、煮沸処理して、繊維の内奥に在る臭気性汚染物質(有害な有機塩素化合物を含む)を完全除去することも出来る。
更に詳しく本発明の処理を説明すれば以下の通りである。
本発明の前処理は、ウールと水に浸透剤通常脱気性浸透剤を投入し、ウール繊維内の空気を完全に抜き取る。これは続く本処理中、各溶剤とウールが均等に反応するためには必要な工程である。
続く本処理では、先ず(A)大量第1酸性溶剤を投入するが、この時点で気泡が発生し始め、ウールに付着する。しかし乍らウールは酸に強く、この処理状態の中で、ウール全体は柔らかく改変し、且つその白度も上がる。
次いで、(B)適宜な間隔を置いて、微量の次亜塩素酸塩溶剤を投入するが、この微量の溶剤は、ウールのタンパク質組成部に対し比較的反応が弱く、優しくスケール構成の各層特にスケール溝部のCMC部位から浸透、膨潤し、その内奥皮質部(コルテックス)へ浸透する。
但し、この溶剤投入直後から若干、気泡の発生が多くなり、塩素ガス発生の兆候も見られる場合もあり、あまり間隔をおかずに次の溶剤を投入する事が好ましい。
(C)素早くピロリン酸塩溶剤を大量に投入することが上記(ロ)で説明した如く特に好ましい。該溶剤は、ウールへの反応は大変優しく、スケール各層や皮質部の奥底深くに、ソフトに浸透する働きがあり、同時に該アルカリ性溶剤の投入は、酸性の溶剤(次に投入する酸性溶剤を含む)を強力に中和、分解する働きがあり、塩素ガス発生を完全に抑止する。
本来、酸性の溶剤中に塩素系の溶剤を入れると、有害な塩素ガスを発生するので、一般に使用されない処理法であるが、本溶剤使用により、それらを事前に中和、分解し、塩素ガス発生を防止するので、全く安全無害な処理である。
混入された溶剤は一気に相互の反応を強め、気泡発生をより一層活発化させ、中和、分解を進め、新たに生成される混合水溶液は、該CMC部位(スケール開閉組織)と、そのスケール先端部に作用する。尚、この新たに生成される水溶液は、以後、ゆっくり皮質部内で浸透、沈着、固着し、併せてウールの白度、柔軟度、嵩高性を上げ、諸機能(性能)をパワーアップする。
つまり本発明に使用する全ての溶剤は、ウール構成各部を優しく改変し、タンパク質組織を傷めないで、的確に改変する働きを有すると共に、各々、他の溶剤を中和、分解しつつ、新たな処理溶液を生成し、その処理溶液が一層、パワフルな機能、性能を有するウール構造に改変する。更に水及び浸透剤によるウールの前処理が常温5分程度の極少時間の浸漬処理法であり、続く本処理も、順次、テンポ良く、各溶剤の連続投入が合計10分程度で完了することが出来、全体としても処理する時間が極めて短時間であって、所謂速攻処理法である大きな利点がある。また、加工機内の温度は常温又は低温域を維持し、極めて安全である。
一般的に、ウールを水に浸すと、湿膨潤し、スケール先端部は立ち上がり、スケールは振動、摩擦でその根元方向に繊維集団をランダムにフェルティングさせる構造的特徴を有するが、本発明の処理済みウールは、水中で振動、摩擦しても、ウール繊維は細かく束状に柔らかく絡み合うだけで、従来の様に丸く固くボール状に収縮フェルティングしない。
また、本発明による処理済みウールから得られる各製品たとえば綿、糸、生地等は、家庭での洗濯機によるソフト洗い(ネット入れ、ウール洗剤、低温、弱水流による洗濯やドライ洗濯)では、繊維集団間のフェルティング現象を引き起こさずに縮まず硬くならず、嵩高や毛羽立ち性も余り変わらない。また、本発明処理ウールは、鮮明性、柔軟性、光沢性、白度性(日を追って白度を増し黄変しない)、耐光堅牢性、その他の作用を向上させる。
該ウールの皮質部(コルテックス)は、あらゆる染料(カチオン染料、酸性染料、反応性染料、天然草木染料)や、各種物質を強力に染固着し、例えば、40時間5級未満取得(日本国財団法人毛製品検査協会の試験鑑定証明書付き)の耐光堅牢性が得られ、従来のコットン同様、冴えのある色鮮やかな無地染め、プリント捺染が可能となる。
また本発明ウールは、ブラックライトの中で青白く光る白度と透明感を有し、従来ウールには見られない特徴がある。
従来法で処理された染色ウールを本発明処理法により処理すると、皮質部に残存する臭気性の有害な汚染物質(たとえば硫化水素、酢酸、ホルムアルデヒド、アンモニア、二酸化窒素、重クロム酸カリウム等)の内、特に、イオン結合していない遊離状態にある過剰物質を容易に除去出来、この結果全くECO−WOOL製品に該当するものとなり、安全クリーンな改変ウール製品と成る。
本発明処理によるとウールの総重量(比重)を一層軽減化させ、空気保有量を増大し、通気性、保温性を一段と向上させるので、軽くて、夏涼しく冬暖かいウール製品ができる。
本発明のウールはその構造としては現在完全には解明されていないが以下の様になっているものと推測される。即ち、ウロコ状のスケール部のCMC部位(細胞膜錯合体、図1のイ)を開放、起立し、スケール先端部を外向きに立ち上げ、開いたまま固定し、該細胞膜の一部を空洞化し、その本来有するスケールの閉鎖、倒伏機構を消失させるので、開放、起立したまま元に戻らない構造となる。
本発明の処理によれば、スケール構造のうち、根元方向に収縮フェルティングするエキソ層(図3のハ)と、エンド層(図3のニ)と、CMC部位(図3のイ)の一部を適宜軟化、溶解または空洞化する為、その連繁作用によるフェルティング複合作用が働かなくなり、該スケール繊維間の指向性摩擦効果(DEF)、つまり表面摩擦係数の差が減少又は消滅し、収縮フェルティングしない防縮ウール構造となる仕組みができ上がる。
本発明処理は、皮質部(コルテックス)内の細胞間接着剤(図2のト)の一部を適宜、軟化、溶解又は空洞化する為、従来、困難であった諸物質を容易に浸透させ、アミノ酸結合し、染固着する構造となり、高度な染色耐光堅牢性を獲得すると考えられる。
水蒸気(気体)は、細孔のあるスケール最表皮部(エピ・クチクル層)から進入し、水滴となり各層へ移動し、これがCMC部位(スケール構部にあり、コルテックスと接合する膜状物質)、エキソ層、エンド層、サブ層(殆ど全てのクチクル細胞膜)など、微細な細胞膜複合部を経て、皮質部へ浸透する(その逆がある)が、本発明に於いては、クチクル各層や皮質部が軟化、溶解又は空洞化して、複雑な多孔構造を形成している為、従来ウール以上に卓越した性能が得られる。
尚図1はウールの構造を拡大して模示的に示した説明図があり、(イ)〜(ニ)の構造から成っている。
図2はウール構造の断面図であり、(イ)〜(ニ)は図1と同じことを意味し、(ホ)はサブ・クチクル層、(ヘ)はフィブリル、(ト)は細胞間接着剤、(チ)は皮質部〜コルテックス部である。
図3はスケール構造の断面模式図であり、(イ)〜(ホ)は図1及び図2と同じことを示す。但し図1に於いて、(S)はエピクチクル層に於ける超結晶性の高い層であり、(h)はエンド・クチクル層に於ける結晶性の高い層を示す。
図4は本発明ウールの一例の電子顕微鏡写真である。
本発明ウールはウール原毛の単繊維間の絡みは非常に強いが、2本以上の繊維同士の絡みはその本数が増えるに従い、弱いという性質を兼ねたウールである。
本発明は、紡毛ウールの原毛やそ毛ウールのトップに適用することが出来、またトップのブロークンカット品も適用出来る。本発明の応用製品は以下の通りである。
(a)加工済みウール原毛を整毛、特殊加工などで、玉(粒)状綿、不織布わたを製造する。
(b)当該わたを種々の形に成形加工したり、カード、ニードルパンチング機等で不織加工などを行い、固形物、不織布、樹脂綿、固綿等を製造出来、カーペットの裏張り、布団・毛布・パット・枕・クッションの詰物や、衣服の芯地、肩パット、靴の中敷き(インソール)、換気扇フィルターや、防臭、抗菌、消臭剤として防虫用品を作成することも出来る。
(c)加工済みウールの糸、生地、完成品は、極細から極太ミクロンのウールや、1〜3番手から48〜60番手の紡毛そ毛ウールや、又は単糸や2本以上の撚糸があり、100%純正のウールから他繊維との混紡、交織、交編品を含め、カーペット・マット・布団・毛布・シーツ・座布団・カバー類・カーテン・クッション・椅子張り地・テーブル掛け・ネクタイ・マフラー・スカーフ・ショール・ハンカチ・タオル・壁・天井・床材(クロス)・衛星用マスク・整理用ナプキン・シャツ・パンツ・タイツ・ブラジャー・おしめカバー・下着・寝衣・紳士婦人服(上下)・コート・ジャケット・着物・エプロン・靴下・帽子・ネクタイ・帯・手提げかばん・セーター・腹巻・マフラー・縫いぐるみ・布製おもちゃ等・種々の応用商品となる。更に、敷物類は、ウイルトン、タフト製、経編みマイヤー製のカットパイル、ループパイル、平織等、本ウールによる全面パイル製、部分パイル製が含まれ、毛布類は織り、シール、タフト(紡毛、そ毛の横糸、縦糸#2〜48番手のウール単糸、撚り糸)や、編みボアー、マイヤー(紡毛そ毛パイル糸#8〜60番手のウール単糸、撚り糸)が包含される。
実験例1
実験例1は本発明法で処理したウールと処理を施していないウールについて、夫々のマイナスイオン発生を測定したものである。
<試験材料>
No.1 ニュージーランド製ウールの原毛 未加工
No.2
本発明法
上記原毛の加工品、加工は35%過酸化水素水をウールの20重量%の量で使用し、90分浸漬し、5分経過後、次亜鉛素酸ナトリウム溶液をウールの5重量%添加する。次いでウールの5重量%のピロリン酸ナトリウムを加えて加工し、これを水洗いし、5分間煮沸したものである。
<測定方法>
測定装置 : エアーカウンタ FIC−2000(フィーサ(株)製)
装置概略 : アクリル板(30×20×22cm、内側はアルミホイルで覆われている)で仕切った箱の側面にイオン測定装置を設置。上半分はオープンになっていて、試料の取り出しが出来る。
方法 : 測定時間(60秒)、湿度33%、温度24℃、手に持った試料を測定器に入れ、振動させながら測定。
<測定結果>
Figure 2006176949
実験例2
実験例2は各種ウールの消臭特性を測定した。
<試料材料>
ウール加工綿
ウール加工糸
但し加工は実験例1と同様に実施したもの
<調査方法>
ホルムアルデヒド消臭について、三菱レイヨン試験法に基づき、ホルムアルデヒドの消臭率を求めた。
・ 試料 : 1g
・ 初期濃度 : 35ppm
・ ガス量 : 500ml
・ 放置時間 : 1時間
<調査結果>
Figure 2006176949
上記ホルムアルデヒド消臭調査結果により、加工綿及び加工糸とも消臭率95%以上を示し、優れた消臭効果を示す。
実験例3
実験例3は各種ウールのピリング試験の結果を示す。
<試験材料>
ウール製天竺編 TST6832
実験例1の加工品をニットあみしたもの
<測定方法>
JIS L 1076 A法 ICI型法 5時間
<測定結果>
Figure 2006176949
実験例4
実験例4はアンモニアガスの消臭性について、各種ウールについてその特性を測定した。
<試験材料>
No.1 : 未加工品
No.2 : ウール綿加工品
No.3 : 加工後洗濯したもの
但し、上記各No.1〜No.3の材料は以下のものである
No.1 : 実験例1の原毛と同じもの
No.2 : 実験例1と同じ加工品
No.3 : 実験例1と同じ加工品を湯洗い後、65℃×15分で中性洗剤(1%濃度)を使用してドライ洗濯したもの
<測定方法>
ユニチカガーメンテック(株)のバック法で行う。
<測定結果>
Figure 2006176949
実験例5
実験例5は各種ウールについて、JIS−L−0842、同−0844及び同−0849に基ずく各種測定を行ったものである。
<試験材料>
No.1 : 実験例1の原毛、未加工と同じ
No.2 : 実験例1の原毛、未加工品と同じ
<測定結果>
Figure 2006176949
Figure 2006176949
実験例6
実験例6は、編地とこれを用いて作ったセータについて、夫々その耐洗濯性寸法変化率を測定したものである。
<試験材料>
No.1 : 編み地(半製品)
No.2 : セーター
但しNo.1は中国産カシミヤ綿(輸入品)を実験例1と同じ加工を施したものであり、またNo.2は上記No.1の編み地を用いてセーターとしたものである。
<測定結果>
Figure 2006176949
Figure 2006176949
実験例7
6種類のウールについて、その耐光堅度を測定した。この例では、その測定を専門の検査所に依頼したものである。
<試験材料>
(い)実験例1と同じ加工手段により加工後、インスタントコーヒー、をO.W.F.20%で60分間ボイルしたもの(参考資料1)
(ろ)実験例1と同じ加工手段により加工後、インド茜をO.W.F.20%で60分間ボイルしたもの(参考資料2)
(は)実験例1と同じ加工手段により加工後、緑茶エキスパウダーをO.W.F.20%で60分間ボイルしたもの(参考資料3)
(に)実験例1と同じ加工手段により加工後、クルミをO.W.F.20%で60分間ボイルしたもの(参考資料4)
(ほ)実験例1と同じ加工手段により加工後、コガネバナをO.W.F.20%で60分間ボイルしたもの(参考資料5)
(へ)実験例1と同じ加工手段により加工後、60℃で15分洗い加工したもの。但し洗剤は合成洗剤「テキサトンN」(O.W.F.15%)(参考資料6)
<測定方法処理結果>
添付の試験測定証明書の通り(参考資料1〜6)
図1はウールの構造を拡大して模示的に示した説明図である。(イ)〜(ニ)の構造から成っている。 図2はウール構造の断面模式図である。 図3はスケール構造の断面摸式図である。 図4は本発明ウールの一例の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
イ・・・CMC部位
ロ・・・エピ・クチクル層
ハ・・・エキソ・クチクル層
ニ・・・エンド・クチクル層
ホ・・・サブ・クチクル層
ヘ・・・フィブリル
ト・・・細胞間接着剤
チ・・・皮質部〜コルテックス
参考資料
Figure 2006176949
Figure 2006176949
Figure 2006176949
Figure 2006176949
Figure 2006176949
Figure 2006176949

Claims (6)

  1. 同一加工機内にウール、水、及び浸透剤を投入後、常温で浸漬して前処理し、次いで、先ず酸性溶剤、次に次亜塩素酸塩溶液、続いてピロリン酸塩溶剤を、各々常温又は低温域で順次、適宜な間隔を設けて連続投入した後、加熱し、一定時間浸漬して製造された物性の優れたウール
  2. 上記ピロリン酸塩溶剤を投入後、一定時間浸漬し、さらに充分洗浄後、加熱して煮沸する処理を行って製造された請求項1に記載のウール
  3. 上記物性が耐洗濯性、消臭性、抗ピリング性及びマイナスイオン放射性の少なくとも1つである請求項1又は2に記載のウール
  4. 上記耐洗濯性が、防縮性、耐光洗濯性及び摩擦性の少なくとも1つである請求項3に記載のウール
  5. 各スケール先端が上向きに開き、そのスケール根元部の溝にあるC・M・Cの一部が溶解、空洞化すると共に、それが元に戻らないよう固定して成るスケール・オープン構造を特徴とするウール。
  6. 各スケールの内層及び皮質部境界域のC・M・Cの一部が溶解、空洞化し、該皮質部の周りに形成される孔質層が固着されて成る請求項5に記載のウール

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