JP2006167936A - インクジェットヘッドの回復方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 効果的な予備吐回復動作を実現し、インクジェットヘッドの吐出機能を維持する回復方法を提供する。
【解決手段】 インク滴を吐出する複数のノズルを持つインクジェットヘッド、前期インクジェットヘッドの吐出特性を回復させるための予備吐回復手段、前期インクジェットヘッドの吐出速度を計測する計測手段を備え、前記計測手段による計測結果に基づき前期予備吐回復手段による予備吐回復終了判定を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱エネルギーを利用して記録剤を吐出し記録を行うインクジェットヘッドの吐出機能を維持するための回復方法に関する。
従来、紙、OHP用シートなどの記録媒体に対して記録を行う画像形成装置としては、種々の記録方式による記録ヘッドを搭載した形態で提案されている。この記録ヘッドには、ワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式によるものなどがあり、特に、インクジェット方式には、記録用紙に直接インクを噴射するものであるので、ランニングコストが安く、静粛性に優れた記録動作が可能な方式として注目されている。
熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドでは、エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロセスを用いて、基板上に製膜さらた電気熱変換体、電極、液路壁、天板等を形成することにより、容易に、高密度にインク吐出口であるノズルを配置したものを製造することができるようになっている。
ところが、上記熱エネルギーを利用した記録ヘッドにおいては、次のような課題が存在する。またこの傾向は記録ヘッド、インク種類(染料、顔料)、インク色によって異なっている。
(1)録ヘッド使用初期に、電気熱変換体(以下、ヒータと称す)やインク流路とインクとの親和性の変化から、吐出状態(吐出速度)が大きく変動する場合がある。
(2)インク吐出を行う毎に電気熱変換体(以下、ヒータと称す)上にインクの焦げが堆積してしまい、吐出量や吐出速度に影響を与え、記録品位を低下する。また前記堆積状態は、ヘッド内の使用頻度の高いノズルと使用頻度の低いノズル間で差を生じ、濃度ムラを引き起こす要因となっていた。
これに加えて、水系顔料インク(顔料粒子を水中に分散させている)を用いた場合には、熱をかけることで前記分散が破壊されるため、分散破壊物がヒータ上へ堆積するという課題が発生している。
上記課題に対し、初期の吐出不安定状態回避(親和性向上)のため使用初期に加熱処理(エージングと呼んでいる)を行う例が特許文献1に、記載されている。また、記録にともなう堆積物を除去しインク吐出機能を維持させる目的で、インクジェット記録ヘッドを前記記録装置に装着した状態で予備吐回復手段により強制的にインクを吐出口から吐出させる回復方法が、特許文献2、特許文献3などに開示されている。さらには、使用頻度の高いノズルと使用頻度の低いノズル間の堆積状態の差に対しては、累積ドット数カウントから堆積量を計算し、該計算結果に応じて回復条件を制御する方法が、特許文献4、特許文献5などに開示されている。
特開平02−78554号公報 特許第2839966号公報 特開平09−099559号公報 特開平07−081081号公報 特開平08−039825号公報
ところで、上述した回復方法では、事前の設計段階での評価を元に予備吐回復条件設定を行っており、インク、ヘッドのばらつき、さらにはヘッド内ノズル毎のばらつきまで十分な対応がなされていない。このため、回復不足にならないよう十分な条件設定を行うと、過剰な予備吐回復を行うこととなり、ヘッドの耐久寿命に影響をきたす。予備吐回復工程は、一般に高い駆動エネルギーを加える傾向があり、過剰な予備吐数を付与した場合の耐久寿命に対する影響はより顕著になる。また、逆に吐出状態が悪い方向にふれてしまった場合、吐出性能が完全に回復しないまま記録動作へ移行してしまう可能性があり、画質へ影響をきたす懸念がある。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、より効果的な予備吐回復動作を実現し、インクジェットヘッドの吐出機能を維持する回復方法を提供するものである。
上記課題を解決するために
請求項1に記載のインクジェットヘッドの回復方法によると
インク滴を吐出する複数のノズルを持つインクジェットヘッド、
前記インクジェットヘッドの吐出特性を回復させるための予備吐回復手段、
前記インクジェットヘッドの吐出速度を計測する計測手段を備え、
前記計測手段による計測結果に基づき
前記予備吐回復手段による予備吐回復終了判定を行う
ことを特徴とするものである。
本発明によると、上記であげたような課題に対して、該インクジェットヘッドの吐出状態(吐出速度)を直接評価し終了判定するため、各タイミングにおいて過不足なく適切な予備吐回復を行うことが可能となる。
本発明によれば、インク、ヘッド(ノズル)のばらつきによらず、効果的かつ確実に予備吐回復を実現し、インクジェットヘッドの吐出機能を維持し、良好な画質を維持することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
<記録装置概要>
初めに、本発明のインクジェット記録装置の全体的な構成、及び動作を説明する。
図7は本発明のインクジェット記録装置の全体を表す模式図である。
図7において紙送りローラー701は、記録媒体702を一対のローラーで挟み込むようになっており、回転することにより記録媒体を副走査方向に移動させる。記録ヘッドはプラテン706に対向する面に吐出口を備えている。また、記録ヘッド705はキャリッジ704に着脱可能に取り付けられ、キャリッジ駆動手段(図示せず)によりキャリッジが主走査ガイド703に沿って動くことにより記録媒体に対して走査(以下「主走査」と記載する)しながらインク滴を吐出することが出来る。
なお、記録ヘッドはインク供給装置(図示せず)に結合され、インクが供給されている。プラテン706はインク記録ヘッドの下に設けられ、記録時には記録媒体がプラテンと記録ヘッドの間に位置するとともに、プラテン706に保持されることにより、記録媒体と記録ヘッドの間隔が適正になるように保持される。さらにプラテン脇には、記録ヘッドの吐出口周りの状態を適正に保つ為の回復手段707、インク滴吐出速度計測手段708を備えている。また、図7には示されていないが、このインクジェット記録装置は記録媒体を紙送りローラーまで供給する記録媒体供給手段、記録が終わった記録媒体を取り出す記録媒体排出手段を備えている。
記録動作は以下の様に行われる。
このインクジェット記録装置に記録開始の指令信号が入力されると、記録媒体供給手段(図示せず)により記録媒体が図7の右上方向から先端が紙送りローラーの位置に来るまで供給され、その後、記録信号に応じて、紙送りローラーにより記録媒体上の印刷開始位置に記録ヘッドが位置するように記録媒体が送られる。続いて、キャリッジ、記録ヘッドが主走査しながら記録媒体上にインク滴を吹き付けることにより印刷が行われる。その後、紙送りローラーにより所定量記録媒体が送られ(以下この動作を「副走査」と記載する)が行われ、再び、キャリッジ、記録ヘッドが主走査を行いながら記録媒体上にインク滴を吹き付ける。この副走査、主走査の繰り返しにより、記録媒体に記録が行われた後、図7の左下方向に記録媒体が排出される。なお、記録媒体としては紙が良く用いられるが、その他の素材であっても構わない。また、OHPシートやコンパクトディスク、さらには、インクジェットを用いたDNAチップ製造装置やディスプレー製造装置の場合、それぞれに適した材質からなる基板であっても構わない。
<本発明の実施例にかかるインク滴吐出速度計測装置及び計測方法>
図8は、本発明の実施例を説明するための要部の斜視図である。
本例の記録ヘッド705には6つの記録チップ801が備えられており、それぞれの記録チップ801には、複数の吐出口801Aが副走査方向に沿って列状に形成されている。それぞれの記録チップ801に対しては、チューブ803およびジョイント802を介して異なるインクが供給される。記録チップ801には、吐出口801Aのそれぞれに対応するヒーター(吐出エネルギー発生手段)が備えられており、そのヒーターの熱エネルギーによって、吐出口801Aから図8中の下方に向かってインク滴を吐出する。これらのヒーターおよび吐出口801Aなどによって、インク吐出部が構成されている。804は、吐出口801Aが位置する記録ヘッド705の吐出口面である。
本例においては、インクジェット記録装置に、インクの吐出速度を計測手段を備え、その該計測結果に基づいて予備吐回復終了判定を行う。
計測手段は、記録ヘッド705の吐出口列(以下、「ノズル列」ともいう)と対向する位置にフォトセンサを配置して、記録ヘッド705の吐出口801Aから吐出されるインク滴を光学的に直接検知する透過型フォトインタラプタである。その発光部805は、発光素子として赤外線LEDを用い、その発光面に一体成形したレンズを通して、受光部806に向けて光軸807に並行な光を投射する。受光部806は、受光素子としてフォトトランジスタを用いている。808は、発光部805と受光部806を対向配備する架台である。なお、記録ヘッドに備えられるノズル数が多くなるほど、インク滴を相対的には長距離にわたって安定的に検出する必要性があるので、フォトセンサの光源としては指向性が強く光速を絞りやすいものを用いた方が有利である。したがって、前記のLEDのほかに、半導体レーザーやその他のレーザー光源を用いてもよい。また、フォトセンサとしては、PINシリコンフォトダイオード等光速応答性の優れたものを用いるのが望ましい。
次に、インク吐出速度計測方法に関して説明する。
インクの吐出速度計測の際には、まず、検出対象の吐出口801Aから吐出されたインク滴が発光部805と受光部806との間を通過するように、記録ヘッド705と検出手段とを相対移動させる。そして、吐出口801Aからインク滴を吐出して、それを発光部805と受光部806との間に通過させる。そのインク滴が発光部805側からの光を遮って、受光部806側の受光量を減少させることにより、その受光部806におけるフォトトランジスタの出力が変化する。その出力の変化に基づいて、吐出口801Aからのインク滴が光軸を横切るタイミングを知ることができる。駆動パルス印加時刻及び、それから吐出されたインク滴が光軸を横切るまでの時間を測定することにより各ノズルの吐出速度を計測するものである。
計測は、異なるインクを吐出するノズル列毎に吐出口801A単位で行う。また図8では、記録ヘッドノズル列に対して光軸807が平衡になるよう図示させているが、これに限られるものでなくノズル列801に対して光軸807を傾け、記録ヘッド705をスキャンしながら検出を行ってもかまわない。
<実施例1:インクジェットヘッド使用初期の吐出特性回復>
図1に本発明の特徴となる予備吐回復工程を示すフローチャートを示す。本実施例は、ヘッド使用初期の吐出不安定期間を回避するための予備吐回復に関するものである。
はじめに、ヘッド使用初期の吐出特性に関して、本発明者が水系顔料インクにて行った実験結果の一例を図2に示す。横軸:ヘッド使用初期を0としたときの吐出数、縦軸:各吐出数時点での吐出速度をプロットした結果である。実験は、記録時のヘッド駆動制御条件(駆動電圧:19V、駆動パルス:プレパルス0.3us −インターバルタイム0.4us −メインパルス0.82usのダブルパルス駆動)で行った。
使用開始とともに吐出速度が著しく低下し、所定吐出数をこえると回復しはじめ、最終的に初期と同等レベルまで吐出速度が回復する。さらには、不図示であるが本発明者の実験により、これ以降このような一時的吐出不安定傾向が再発することはないことが確認されている。
これに対して、従来は、あらかじめ設計した予備吐条件(ヘッド駆動制御条件、予備吐発数)にて、使用初期に全ヘッド一律に予備吐回復を行っていた。具体的には駆動電圧19V、駆動パルス:プレパルス0.3us −インターバルタイム0.4us −メインパルス0.99usのダブルパルス駆動にて、5*10^5(発/ノズル)予備吐を行っていた。ここでは使用初期の予備吐回復を短時間で終了させること、また予備吐回復効果にマージンを持たせることを目的とし、駆動エネルギーを記録時より増加(駆動パルス幅を広く)させている。
本実施例では以下のようなシーケンスに従って予備吐回復を行う。
まずはじめに、図1ステップS100において、予備吐回復対象の記録チップ選択を行う。ヘッド使用初期の吐出特性はインク毎に異なるものであり、その変動レベルが画質に影響のない記録チップに関してはこのステップで予備吐回復の対象からはずす。
選択された記録チップのみ続くステップS101へ進み、ヘッド駆動制御条件を予備吐回復用へ変更し、続くステップS102において予備吐を行う。本発明者によると前記予備吐回復条件は、ヘッド駆動制御条件を上記従来と同様に設定し、予備吐発数は1/5の1*10^5(発/ノズル)に設定した。ただし該予備吐回復条件(ヘッド駆動制御条件、予備吐発数)は、これに限られるものでなく、調整可能なものである。また、単位予備吐回復工程(予備吐→終了判定)あたりの予備吐数は、これを少なくし終了判定をこまめに行うことで、過剰な予備吐を極力防ぐことが可能となり、より効果的な予備吐回復が実現されるものである。
予備吐回復終了後、続くステップS103ではヘッド駆動制御条件を吐出速度計測用に設定変更し、続くステップS104における吐出速度計測結果に基づき予備吐回復の終了判定を行う(判定方法に関しては後述する)。本発明者の実験においては、吐出速度計測用ヘッド駆動制御条件設定は記録時と同様の条件としたがこれに限られるものでない。
ステップS105では予備吐回復対象の全記録チップの予備吐回復が終了しているか判定を行い、終了していない場合には、再度ステップS101に戻り予備吐回復を行う。そして、全記録チップが終了した時点で予備吐回復シーケンスを終了し、記録に入るものとする。
上記ヘッド駆動制御条件設定例の中で、駆動パルスに関しダブルパルス駆動で行う例を示したがこれに限られるものでなく、プレパルス無しのシングルパルス駆動としてもよい。
かかる予備吐回復処理はインクジェット記録ヘッドの液路および共通液室にインクを充填した状態で行うものであり、予備吐回復処理に伴って吐出されるインクはキャップ部材中に収容し、予備吐動作中は回復用ポンプにより連続吸引を行うようにした。
<ステップS104予備吐回復終了判定方法>
判定閾値:
本発明者の計算によると、吐出量が8.5pl(インク滴着弾径:〜40um)のヘッドを用い、初期吐出速度13.0m/s、ヘッド―紙間距離2.0mm、キャリッジスピード50inch/s、解像度600dpiで印字している場合、双方向の着弾レジ(主操作方向)を調整後吐出速度が2m/s以上変動すると、調整時に双方向で一致していた着弾位置が1dot以上ずれる。すなわち双方向で副操作方向に伸びる罫線パタンを記録しようとした場合に二重線となってしまうものである。
これをもとに、本発明者は予備吐回復終了判定閾値を前回の計測結果との比較でΔv<1m/sと設定した(初回終了判定時は、基準値がないので、計測のみでステップS101へ戻る)。閾値設定に関してはこれに限られるものでなく、求められる画質、ヘッド―紙間距離、キャリッジスピード等により変わるものである。
また、ヘッドの特性があらかじめ把握されている場合には、2回の比較でなく吐出速度絶対値で規定してもよい。
評価ノズル及び判定:
記録チップ内全ノズルにわたり行い、全ノズルが前記判定閾値を満たした段階で終了とした。ただしこれに限られるものでなく、初期の段階で不良ノズルが含まれる可能性があるので、その妥当性に応じて全ノズルの90%が閾値を満たしたら終了等基準を設けてよいものである。
さらには、初期特性によっては、全ノズルでなく、代表ノズルを選択してもよい。
<実施例2:記録中の定期的吐出特性回復>
本実施例は、ヘッドを継続的に使用していく中で、ヒータ上へ堆積物が堆積することにより生じる吐出不安定期間から回復するための予備吐回復に関するものである。
本発明者により、図2とは異なる水系顔料インクを用い、ヘッドを継続的に使用した際の吐出特性を評価した実験結果一例を図3に示す。図2と同様に横軸:吐出数、縦軸:吐出速度をあらわしているが、横軸桁数が2桁異なっている(レンジを長くとっており、2*10^8が記録ヘッドの想定寿命である)。実験条件としては、記録時のヘッド駆動制御条件(駆動電圧:19V、駆動パルス:プレパルス0.3us −インターバルタイム0.4us −メインパルス0.88usのダブルパルス駆動)に設定して行ったものである。
使用開始から、印字を重ねてヒータ上への堆積物が堆積するにつれ、徐々に吐出速度が低下する様子がわかる。吐出特性は記録を行うだけでは回復せず、一般に記録時より高い駆動エネルギーにて予備吐を行うことで回復させる。この低下傾向は、ヘッド、インクによってことなる。
従来は、後述する回復タイミングにおいて、あらかじめ設計した条件(ヘッド駆動制御条件、予備吐発数)にて予備吐回復を行っていた。具体的には駆動電圧19V、駆動パルス:1.47usのシングルパルス駆動にて、1*10^4(発/ノズル)予備吐を行っていた。ここでは予備吐回復時に堆積物を除去する目的から、駆動エネルギーを記録時より増加させている。ダブルパルス駆動であると総パルス幅(プレヒート+インターバルタイム+メインヒート)が長くなるのでここではシングルパルス駆動とした。
これに対して本実施例においては、後述するような回復タイミングにおいて図5に示すフローチャートに基づき予備吐回復を行った。
<予備吐回復タイミング取得方法>
図4に予備吐回復のタイミングを判定するフロー一例を示す。
ステップS400で、記録ヘッドのEEPROMから各記録チップ毎の累積記録ドット数を読み込む。続くステップS401において記録を行うと同時に、記録ドット数をカウントし、加算する。加算された累積記録ドット数は、記録動作終了ごとにEEPROMに転送される。
ステップS402では、ステップS401を終了した時点での各チップの累積記録ドット数と、あらかじめ予備吐回復のタイミング(記録ドット数)を設定したテーブル間で比較を行い、S403で結果に基づき以下の判定を行う。
《予備吐回復タイミングに達した記録チップが存在した場合》
S404以降へ進み、予備吐回復シーケンスを行う。予備吐回復シーケンスにおいては、後述するようにはじめに全記録チップの吐出速度計測を行い、予備吐回復の必要性判定を行う。これにより記録ドット数としてはタイミングに達していたとしても、吐出状態としては不必要な場合の予備吐回復を避け、また累積記録ドット数としては未達の記録チップでも吐出速度が低下していた場合には予備吐回復を行うことが可能となる。
《予備吐回復タイミングに達した記録チップが存在しない場合》
S401へ戻り、続く記録を行う。
前記では、EEPROMへの転送を記録終了毎としたがこれに限られるものでなく、電源ON時にEEPROMから累積記録ドット数を読み込んだ後はプリンタ本体でカウントを行い、電源off時にEEPROMへ転送してもよい。ただし、突発的なトラブルによりプリンタ自体が制御不能になったときにデータがクリアされる可能性があるので、記録終了毎転送する方が望ましい。このようにしてノズルの利用状況を記録ヘッド内に保持することで、ヘッドを着脱し、もしくは別のプリンタに装着した場合にも、その記録ヘッドの記録開始時点からの利用状況を踏まえた予備吐回復処理を行なうことができる。
予備吐回復のタイミング(記録ドット数)テーブルは、ヘッド寿命に渡り常に一定間隔で設定してもよいし、ヘッド経時劣化に応じて徐々に間隔を変えてもよい。
また、本実施形態のように吐出速度計測手段を備える場合には、あらかじめ設定した累積ドット数から予備吐回復を行うタイミングを決定するのではなく、インク滴吐出速度の計測結果から決定してもよい。具体的には、吐出速度を常にモニターし、これが所定の速度を下回った時点で予備吐回復手段による回復を行うものである。吐出速度計測を行うタイミングは、毎ページまたは一定記録ページごとでもよいし、頻度がそれほど必要とされないのならインクタンク交換毎等に設定してもよいものである。また、計測にあたっては一度にヘッド内全チップを行うと計測時間がかかってしまうので、各計測タイミング毎、1チップずつ行うようにしてもよい。
<予備吐回復方法>
図5に本実施例の特徴となる予備吐回復工程を示すフローチャートを示す。
実施例1の図1と基本的構成は同じなので、ここでは、前記と異なる特徴的な部分に関して記載する。
予備吐回復対象記録チップを選択する際に、実施例1とは異なり記録時の使用状況に応じ全記録チップ状態が異なるため、はじめに吐出速度を計測し予備吐回復の必要性を判定する工程を設けている(S500、S501)。これにより、記録ドット数としてはタイミングに達して予備吐回復シーケンスへ移行したとしても、吐出状態としては不必要な場合の予備吐回復を避け、またタイミング(累積記録ドット数)としては未達の記録チップでも吐出速度が低下していた場合には予備吐回復を行うことを可能としている。
<ステップS501、506判定方法>
判定閾値:
本発明者によると、判定時の基準吐出速度をヘッド使用初期計測結果(実施例1予備吐回復終了時計測結果)におき、その値との比較で判定を行った。具体的には、S501においては、Δvで2m/s以上低下した時点でで予備吐回復を行うものとし、S506終了判定閾値はΔvで1m/s以内とした。ただし、実施例1と同様これに限られるものでなく、求められる画質、ヘッド―紙間距離、キャリッジスピード等により変わるものである。また、ヘッドの特性があらかじめ把握されている場合には、比較でなく吐出速度絶対値で規定してもよい。
評価ノズル:
実施例1と同様に、記録チップ内全ノズルにわたり行い、全ノズルが前記判定閾値を満たした段階で終了とした。ただしこれに限られるものでなく、初期の段階で不良ノズルが含まれる可能性があるので、その妥当性に応じて全ノズルの90%が閾値を満たしたら終了等基準を設けてよいものである。さらには、実施例1と同様、全ノズルでなく、代表ノズルを選択してもよい。
<実施例3:ノズル単位でのマスク処理>
実施例1、2においては、予備吐回復終了判定を各チップ毎に行う例を示したが、本実施例においては、これをチップ内ノズル毎に判定する例を示す。図6に本実施例の特徴となる予備吐回復フローを示す。
実施例1の図1、実施例2の図5と基本的構成は同じなので、ここでは、前記と異なる特徴的な部分に関して記載する。
S600〜S602において予備吐回復の必要性を判定する際、実施例1、2では記録チップ単位で判定を行い、続くステップへ進んだが、ここではステップS603において、記録チップ内ノズル単位での判定を行い、予備吐回復を行うノズルまで抽出し専用のマスクを形成する(吐出性が回復しているノズルの予備吐を停止し、その他のノズルの予備吐回復を行う予備吐用マスクを作成)。そして、続くS604移行の予備吐工程へ進み、S608において全チップ、全ノズルが終了したと判断された時点で予備吐回復シーケンスを終了し印字に戻る。
本発明の特徴となる実施例1にかかる予備吐回復シーケンスフローチャートである。 本発明者の実験結果の一例を示した図である。 本発明者の実験結果の一例を示した図である。 本発明の実施例2にかかる予備吐回復タイミング取得フローチャートである。 本発明の特徴となる実施例2にかかる予備吐回復シーケンスフローチャートである。 本発明の特徴となる実施例3にかかる予備吐回復シーケンスフローチャートである。 本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態におけるインク滴検出手段を示す概略斜視図である。
符号の説明
701 紙送りローラ
702 記録媒体
703 主操作ガイド
704 キャリッジ
705 記録ヘッド
706 プラテン
707 回復手段
708 インク滴吐出速度計測手段

Claims (7)

  1. インク滴を吐出する複数のノズルを持つインクジェットヘッド、
    前記インクジェットヘッドの吐出特性を回復させるための予備吐回復手段、
    前記インクジェットヘッドの吐出速度を計測する計測手段を備え、
    前記計測手段による計測結果に基づき
    前記予備吐回復手段による予備吐回復終了判定を行う
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの回復方法。
  2. 前記吐出状態検出結果に基づく予備吐回復終了判定は、
    各記録チップ単位で行うものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの回復方法。
  3. 前記吐出状態検出結果に基づく予備吐回復終了判定は
    各記録チップ内ノズル毎に行うものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの回復方法。
  4. 前記予備吐回復手段による回復は、
    前記インクジェットヘッド使用初期にインクとのなじみ性から生じる
    吐出不安定状態を回避させることを目的とする
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットヘッドの回復方法。
  5. 前記予備吐回復手段による回復は、
    前記インクジェットヘッドでの記録を通じ
    前記記録素子上に堆積される堆積物除去を目的とする
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットヘッドの回復方法。
  6. 前記予備吐回復時のヘッド駆動制御条件は、
    記録時のヘッド駆動制御条件と同じである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェットヘッドの回復方法。
  7. 前記予備吐回復時のヘッド駆動制御条件は、
    記録時のヘッド駆動制御条件と異なる
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェットヘッドの回復方法。
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