以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。したがって、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の情報処理装置(例えば、図1の端末1−1)は、所定の空間を共有する複数の他の情報処理装置(例えば、図1の端末1−2)と通信を行う通信手段(例えば、図1の内部通信処理部23)と、他の情報処理装置の、所定の空間における位置情報および方向情報、通信相手に対しての接続要求の度合いを表す接続要求度情報、並びに各方位に対しての接続要求の度合いを表す指向性情報からなる特性情報を取得する特性情報取得手段(例えば、図2の特性情報通信部55)と、自己の特性情報と、特性情報取得手段により取得された他の情報処理装置の特性情報に基づいて、通信手段による通信における他の情報処理装置に対する接続優先度を算出する優先度算出手段(例えば、図2の優先度算出部57)とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の情報処理装置は、ユーザの動作に対応して、自己の位置情報または方向情報を入力する動作入力手段(例えば、図1の動作入力部26)と、動作入力手段により入力された自己の位置情報または方向情報の変化を検出する変化検出手段(例えば、図2の方向検出部51)とをさらに備え、変化検出手段により自己の位置情報または方向情報の変化が検出された場合、優先度算出手段により算出された他の情報処理装置に対する接続優先度は、自己の位置情報または方向情報の変化に応じて更新されることを特徴とする。
請求項3に記載の情報処理装置は、優先度算出手段により算出された他の情報処理装置の接続優先度をユーザに通知する通知手段(例えば、図1の出力部28)をさらに備えることを特徴とする。
請求項5に記載の情報処理装置は、優先度算出手段により算出された他の情報処理装置に対する接続優先度に基づいて、他の情報処理装置との通信において送信または受信されるデータを調整するデータ調整手段(例えば、図3の音量調整部85)をさらに備えることを特徴とする。
請求項6に記載の情報処理装置は、データ調整手段により調整されたデータの出力を制御する出力制御手段(例えば、図3の混合器86)をさらに備えることを特徴とする。
請求項7に記載の情報処理装置は、他の情報処理装置との通信において送信または受信されるデータは、音声データであり、データ調整手段(例えば、図24の出力音声情報調整部221)は、接続優先度に基づいて、音声データの音量または音質を調整することを特徴とする。
請求項8に記載の情報処理装置は、データ調整手段(例えば、図30の出力音声情報調整部221)は、他の情報処理装置の特性情報にも基づいて、データを調整することを特徴とする。
請求項10に記載の情報処理方法は、所定の空間を共有する複数の他の情報処理装置と通信を行う通信ステップ(例えば、図21のステップS111)と、他の情報処理装置の、所定の空間における位置情報および方向情報、通信相手に対しての接続要求の度合いを表す接続要求度情報、並びに各方位に対しての接続要求の度合いを表す指向性情報からなる特性情報を取得する特性情報取得ステップ(例えば、図17のステップS25)と、自己の特性情報と、特性情報取得ステップの処理により取得された他の情報処理装置の特性情報に基づいて、通信ステップの処理による通信における他の情報処理装置に対する接続優先度を算出する優先度算出ステップ(例えば、図17のステップS27)とを含むことを特徴とする。
なお、請求項11に記載の記録媒体および請求項12に記載のプログラムも、上述した請求項10に記載の情報処理方法と基本的に同様の構成であるため、繰り返しになるのでその説明は省略する。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した通信システムの構成例を示している。
この通信システムは、端末1−1が、ネットワーク2を介して、所定の空間(実空間や仮想空間)を共有する複数の端末1(図1の例の場合、端末1−2および1−3)と一度に通信を行う場合に、通信相手の端末1、GPS(Global Positioning System)衛星3、仮想空間管理サーバ4、または基地局5などから、自己および通信相手の情報を取得し、取得した情報に基づいて算出される複数の端末1の接続優先度に応じて、複数の端末1間の通信バランスを制御し、複数の端末1と最適に通信を行うようにするものである。なお、以下、端末1−1乃至1−3を個々に区別する必要がない場合、まとめて端末1とも称する。
図1の例において、インタネットに代表されるネットワーク2には、ユーザaが操作する端末1−1、ユーザbが操作する端末1−2、および端末1−3(ユーザには操作されていない)が接続されている。なお、以下、適宜、ユーザaと端末1−1を合わせてノードAとも称し、ユーザbと端末1−2を合わせてノードBとも称し、端末1−3をノードNとも称する。この例においては、端末1が3台のみ示されているが、ネットワーク2には、任意の台数の端末1が接続される。
ネットワーク2には、また、端末1の画面にCG(Computer Graphic)として表示させる仮想的な空間(仮想空間)や、仮想空間におけるユーザの象徴としてのマスコット(アバタ)の位置情報および方向情報などを管理し、提供する仮想空間管理サーバ4、および、端末1に図示せぬ無線ICタグ(RFID(Radio Frequency Identification))を埋め込むことにより、端末1の位置を検出し、ローカルポジショニングシステム(Local Positioning System)による位置情報などを提供する基地局5などが接続されている。この仮想空間管理サーバ4および基地局5も、任意の台数、ネットワーク2に接続される。
ネットワーク2は、端末1同士、仮想空間管理サーバ4、または基地局5の間で、各端末1の特性情報を通信する通信路である特性情報通信回線11−1、および、端末1間において、各種データを通信する通信路である外部通信回線11−2により構成される。なお、図1の例においては、説明の便宜上、ネットワーク2を2つの通信路に分けて説明するが、実際には、1つの通信路で特性情報も各種データも通信される。
端末1−1は、パーソナルコンピュータなどで構成される。端末1−1の接続優先度解析部21、内部通信処理部23、および出力制御部24は、入出力インタフェース25を介して、入出力インタフェース25に適宜装着される動作入力部26、情報入力部27、および出力部28と接続されている。なお、図1においては、図示しないが、入出力インタフェース25には、例えば、マイクロフォンなどで構成される音声入力部、またはヘッドフォンやスピーカなどで構成される音声出力部なども適宜装着される。
すなわち、動作入力部26または情報入力部27からの情報は、入出力インタフェース25を介して、接続優先度解析部21、内部通信処理部23、または出力制御部24に入力され、内部通信処理部23または出力制御部24からの情報は、入出力インタフェース25を介して、出力部28に出力される。
接続優先度解析部21は、図示せぬGPS機能を搭載しており、GPS衛星3から地球に送出される信号(電波)を受信し、その信号を解析することにより、受信位置(緯度、経度など)を算出し、その位置情報を記憶する。また、接続優先度解析部21は、動作入力部26から入力されるノードAの方向情報も記憶する。
接続優先度解析部21は、端末1−2および1−3と、外部通信回線11−2を介して通信を行う場合、特性情報通信回線11−1を介して、各端末1(または仮想空間管理サーバ4)から、ノードBおよびノードNの特性情報を取得する。なお、ノードAの特性情報も、端末1−2および1−3の要求に応じて、特性情報通信回線11−1を介して送信される。
特性情報は、ノードのID(Identification)情報、所定の空間(実空間または仮想空間)におけるノードの位置や方向の情報、ノードが他のノードとの通信を要求する度合いを表す接続確立指数、および、ノードを中心とした各方向に対しての接続確立指数を表す指向性フィルタ指数情報(以下、指向性フィルタ情報とも称する)などにより構成される。
接続優先度解析部21は、自己の位置情報を基準とした、所定の空間(実空間または仮想空間)で構成される基準空間を設定し、設定した基準空間に、自己および通信相手の特性情報に基づいて、通信相手の位置を配置し、自己と通信相手の相対的な位置や関係を求めることにより、端末1−2および1−3との通信における各ノードの接続優先度を算出し、算出した接続優先度を記憶部22に登録する。
また、接続優先度解析部21は、端末1−2および1−3との通信の途中に、ユーザaの動作や操作に基づいて、動作入力部26から入力されるノードAの方向や位置の変化を検出した場合、情報入力部27からの指示に応じて、接続確立指数や指向性フィルタ情報を変更した場合、または、通信相手の端末1−2または1−3から変更された特性情報が受信された場合など、少なくとも1つの特性情報の変化に応じて、各ノードの接続優先度を再算出し、算出した接続優先度で、記憶部22に登録される接続優先度を更新する。
なお、接続優先度解析部21は、端末1−2および1−3との通信の途中に、動作入力部26から入力されるノードAの方向や位置の変化を検出した場合、または、情報入力部27からの指示に応じて、接続確立指数や指向性フィルタ情報を変更した場合、通信相手の端末1−2および1−3に、特性情報通信回線11−1を介して、ノードAの特性情報を送信する。
記憶部22には、接続優先度解析部21により算出された通信相手(端末1−2および1−3)の接続優先度が、ID情報に対応付けて、接続優先度リスト(図4)として登録される。記憶部22に登録された接続優先度リストは、自己または通信相手の特性情報の変化が1つでも検出された場合に接続優先度解析部21により改めて算出された接続優先度で更新される。
内部通信処理部23は、外部通信回線11−2を介して、通信が確立された端末1−2および端末1−3からのデータを受信すると、記憶部22に登録される接続優先度を参照し、参照した接続優先度に応じて、端末1−1内部において、端末1−2と1−3との通信バランスを制御する。すなわち、例えば、通信中のデータが音声データであれば、複数端末1のうち、接続優先度の高い端末からの音声データの音量を大きく出力するように通信バランスを制御したり、また、映像データであれば、接続優先度の低い端末1からの映像データを間引いて出力するように制御する。
出力制御部24は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、あるいは、記憶部22の接続優先度リストを監視しており、接続優先度リストが登録されたり、または、接続優先度リストが自己または通信相手の方向や位置の変化に応じて更新されると、各ノードの接続優先度をユーザに通知するための画面データなどを生成し、入出力インタフェース25を介して、出力部28を構成するモニタなどに出力させる。
動作入力部26は、ジャイロセンサ、加速度センサ、電子コンパス、またはチルト(傾斜)センサなどで構成され、ユーザaに装着されたり、端末1−1に設置されている。動作入力部26は、動作入力部26が装着されたユーザaの動作に応じて、または、動作入力部26が設けられた端末1−1を移動させるユーザaの動作に応じて、ノードAの位置情報または方向情報を入力する。また、動作入力部26を、ユーザの操作に応じて、ノードAの位置情報または方向情報を入力する方向キーが設けられたコントローラなどで構成するようにしてもよい。
情報入力部27は、キーボードやマウスなどで構成され、ユーザの操作に対応した操作信号を、入出力インタフェース25を介して、接続優先度解析部21、内部通信処理部23、および出力制御部24に入力する。
出力部28は、出力制御部24や内部通信処理部23から入出力インタフェース25を介して入力されるデータに対応して、映像を表示するモニタや、点灯するLED(Light Emitting Diode)などで構成される。
なお、端末1−2および1−3の構成例については、端末1−1の構成例と同様であるので、その説明は省略する。この端末1は、パーソナルコンピュータで構成することができることはもちろん、例えば、携帯電話機、その他のPDA(Personal Digital Assistant)機器や、AV(Audio Visual)機器や家電(家庭用電化製品)などのCE(Consumer Electronics)機器などで構成することもできる。
また、図1の例においては、接続優先度解析部21は、GPS衛星3によるGPS機能を用いて、地球上における位置情報を取得する場合を説明したが、例えば、GPSの場合よりも狭い実空間で、端末1などに無線ICタグが埋め込まれている場合には、基地局5から、ローカルポジショニングシステムによる位置情報を取得するようにしてもよいし、仮想空間を共有する端末同士で通信を行う場合には、仮想空間管理サーバ4から仮想空間における位置情報などを取得するようにしてもよい。仮想空間の場合には、他のノードの特性情報も仮想空間管理サーバ4から取得される。
さらに、図示はしないが、地面に埋め込んだ無線ICタグによる位置検出、電波やレーダを用いた測距機能、端末1にカメラを複数台設け、ステレオ視による測距機能、あるいは、室内空間にカメラを設置し、そのカメラから取得される情報などを用いて位置情報を取得するようにしてもよい。すなわち、この通信システムは、地球上としての広範囲の空間、所定の地域の空間、または室内空間などの大小さまざまな実空間、および仮想空間において適用される。
図2は、端末1の接続優先度解析部の詳細な構成例を示している。
図2の例において、接続優先度解析部21は、方向検出部51、特性情報設定部52、空間情報設定部53、情報取得制御部54、特性情報通信部55、空間情報管理部56、および優先度算出部57により構成される。
方向検出部51は、情報取得制御部54からの制御に応じて、動作入力部26から入力されるユーザ(自己のノード)の方向情報を、自己のノードの現在の方向として設定するとともに、情報取得制御部54に供給する。また、方向検出部51は、動作入力部26から入力される自己のノードの方向や位置の変化を検出した場合、変化が検出された方向情報や位置情報を、情報取得制御部54に供給する。
すなわち、方向検出部51は、自己のノードの方向設定時の方向に対して変化を検出するため、予めキャリブレーション処理として、現在の方向を設定する。なお、位置についても同様に設定するようにしてもよい。具体的には、方向検出部51は、端末1の起動またはリセット時に、動作入力部26を規定の基準位置に適応させたり、動作入力部26を構成する電子コンパスまたはチルトセンサからの情報に基づいて、自己のノードの現在の方向や位置を設定し、設定した自己のノードの現在の方向または位置を基準に、動作入力部26を構成するジャイロセンサ、加速度センサ、またはコントローラからの情報から、自己のノードの方向や位置の変化を検出する。
特性情報設定部52は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、各種設定情報を、情報取得制御部54に供給するとともに、ユーザの指示に応じて、通信の開始や終了などを通知する。すなわち、特性情報設定部52は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、内蔵するメモリ(図示せぬ)に、特性情報のうち、自己のノードのID情報、自己のノードが他のノードとの通信を要求する度合いを表す接続確立指数、および、自己のノードを中心とした各方向に対しての接続確立指数を表す指向性フィルタ指数を設定し、情報取得制御部54に供給する。また、特性情報設定部52は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、自己のノードの接続確立指数および指向性フィルタ指数を変更した場合、変更した自己のノードの接続確立指数および指向性フィルタ指数を、情報取得制御部54に供給する。
空間情報設定部53は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、所定の地域の空間、室内空間、および仮想空間などの中から、基準空間とする空間(すなわち、どの空間を共有する端末と通信を行うか)を設定し、基準空間とする空間の情報を、空間情報管理部56に供給する。
情報取得制御部54は、特性情報設定部52から、自己のノードの接続確立指数および指向性フィルタ指数などが入力されると、方向検出部51、および特性情報通信部55を制御し、自己の方向情報および位置情報、並びに通信相手の特性情報をそれぞれ取得させ、方向検出部51、特性情報設定部52、または特性情報通信部55からの自己および通信相手の特性情報を、空間情報管理部56に供給する。また、情報取得制御部54は、特性情報通信部55を介して受信される通信相手からの要求に応じて、特性情報通信部55を制御し、自己の特性情報を、通信相手に送信させる。
情報取得制御部54は、他の端末1の外部通信回路11−2を介しての通信の途中に、方向検出部51、特性情報設定部52、または特性情報通信部55から自己または通信相手の変更された特性情報が入力された場合、自己または通信相手の変更された特性情報を、空間情報管理部56に供給する。なお、このとき、方向検出部51または特性情報設定部52から変更された自己の特性情報が入力された場合には、変更された自己の特性情報は、特性情報通信部55を介して通信相手の端末1に送信される。
特性情報通信部55は、特性情報送信部61および特性情報受信部62により構成されており、情報取得制御部54の制御のもと、予め端末1内に記憶されている通信相手のアドレス(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control Address)アドレス、または携帯電話機の番号など)を用いて、特性情報通信回線11−1を介して、各ノードの特性情報を送受信する。
特性情報送信部61は、情報取得制御部54から自己の特性情報の送信が指示された場合、または、通信相手の端末1から特性情報を要求された場合、情報取得制御部54から自己のノードの特性情報を取得し、特性情報通信回線11−1を介して通信相手の各端末1に送信したり、情報取得制御部54の制御のもと、情報通信回線11−1を介して、通信相手の各端末1にそれぞれの特性情報を要求する。
特性情報受信部62は、特性情報送信部61からの要求に応じて、情報通信回線11−1を介して、通信相手の各端末1から送信されてくる、それぞれの特性情報を取得する。また、特性情報受信部62は、図示せぬGPS機能を内蔵しており、情報取得制御部54の制御のもと、GPS衛星3から地球に送出される信号(電波)を受信し、その信号を解析することにより、受信位置(緯度、経度など)を算出し、その位置情報を、情報取得制御部54に供給する。
なお、この位置情報は、端末1に無線ICタグを埋め込めこみ、特性情報受信部62により、基地局5のローカルポジショニングシステムから取得されるようにしてもよい。また、仮想空間管理サーバ4により提供される仮想空間を共有するノード間における通信を行う場合には、特性情報送信部61および特性情報受信部62は、仮想空間管理サーバ4にアクセスし、相互の位置情報および方向情報などを受信し、それらの情報の変化も検出する。この場合、仮想空間管理サーバ4に各ノードの特性情報のうち、必要に応じたもの(すべても含む)を管理させるようにしてもよい。
空間情報管理部56は、空間情報設定部53からの基準とする空間情報に基づいて、情報取得制御部54から入力されるユーザの位置情報を基準位置とし、自己を基準とした自己のノードの基準空間を定義する。空間情報管理部56は、情報取得制御部54から自己および通信相手の特性情報が入力されると、自己および通信相手の特性情報に基づいて、自己のノードの基準空間に、通信相手のノードを配置したり、各情報を反映させることにより自己のノードの基準空間を設定し、設定された自己のノードの基準空間を管理し、優先度算出部57に供給する。空間情報管理部56は、すでに自己のノードの基準空間が管理されている場合に、情報取得制御部54から自己または通信相手の特性情報が入力されると、入力された特性情報に基づいて、記憶されている自己のノードの基準空間を更新するとともに、優先度算出部57に供給する。
優先度算出部57は、空間情報管理部56により供給された自己のノードの基準空間を用いて、自己と通信相手の相対的な位置や関係を求めることにより、自己のノードから通信相手の各ノードまでの接続優先度を算出し、各ノードに関する接続優先度をID情報に対応付けて記憶部22に記憶する。
なお、図2の例においては、位置情報の変化の検出は、方向検出部51により検出される場合を説明したが、方向検出部51による位置情報の変化の検出は、例えば、室内空間においてなどあまり広くない空間の場合に用いられる。したがって、GPS機能により位置情報の変化が取得されるような大きな空間の場合には、位置情報の変化は、特性情報受信部62が内蔵する図示せぬGPS機能が用いられて検出されるように構成される。
図3は、端末1の内部通信処理部の詳細な構成例を示している。図3の例の場合、例えば、複数の端末1間で外部通信回線11−2を介して相互に音声データを通信するチャット(会話)において、それぞれの音声データの音量が、対応する接続優先度に応じて制御される、すなわち、通信における音量バランスが調整される場合を説明する。
内部通信処理部23は、通信制御部81、優先度情報取得部82、外部通信インタフェース(I/F)83、コーデック部84、音量調整部85、混合器86、および分配器87により構成される。また、図3の例においては、入出力インタフェース25には、さらに、他のユーザの音声データに対応する音声を出力するヘッドフォンなどからなる音声出力部91、および、ユーザの音声を集音し、音声に対応するデータを入力するマイクロフォンからなる音声入力部92も装着されている。
通信制御部81は、情報入力部27から入力されるユーザの指示、または優先度情報取得部82からの通知に対応して、外部通信インタフェース83を制御し、外部通信回線11−2を介して、通信相手の端末1と通信を行わせる。また、通信制御部81は、外部通信インタフェース83により受信されたノードのID情報を優先度情報取得部82に供給し、ID情報に対応するノードの接続優先度を取得させ、音量調整部85を制御し、優先度情報取得部82からのノードの接続優先度に応じた音量に調整させる。
優先度情報取得部82は、記憶部22の接続優先度リストを監視し、接続優先度リストが登録されると、通信制御部81に通知する。また、優先度情報取得部82は、通信制御部81から供給されるID情報に対応する接続優先度を記憶部22から取得し、取得した接続優先度を通信制御部81に供給する。その後、優先度情報取得部82は、通信制御部81から供給されたID情報に対応する接続優先度を監視し、接続優先度が変更されたと判定した場合、変更された接続優先度を取得し、取得した接続優先度を通信制御部81に供給する。
外部通信インタフェース83は、データ受信部101およびデータ送信部102により構成され、通信制御部81の制御のもと、外部通信回線11−2を介して、通信相手の端末と接続(回線を確立)し、音声データを送受信する。データ受信部101は、外部通信回線11−2を介して音声データを受信すると、受信した音声データをコーデック部84に供給するとともに、その音声データに付加されているノードのID情報を取り出し、取り出したID情報を通信制御部81に供給する。データ送信部102は、通信制御部81の制御のもと、コーデック部84により符号化された音声データを外部通信回線11−2を介して対応する端末1に送信する。
コーデック部84は、復号部103および符号化部104により構成される。復号部103は、データ受信部101により受信された音声データ(デジタルデータ)を復号し、復号された音声データ(アナログデータ)を音量調整部85に供給する。符号化部104は、音量調整部85により音量が調整された音声データ(アナログデータ)を符号化し、符号化された音声データ(デジタルデータ)をデータ送信部102に供給する。
音量調整部85は、出力音量調整部105および入力音量調整部106により構成され、通信制御部81の制御のもと、接続優先度に応じた音量バランスになるように(すなわち、接続優先度に応じた重み付けをして)、入力されるデータの音量調整を行う。出力音量調整部105は、復号部103からの音声データを、通信制御部81の制御のもと、優先度情報取得部82からの各ノードの接続優先度に応じた音量に調整することにより、端末1より受信された音声データの音量バランスを制御し、混合器86に出力する。入力音量調整部106は、分配器87からの音声データを、通信制御部81の制御のもと、優先度情報取得部82からのノードの接続優先度に応じた音量に調整することにより、送信される音声データの音量バランスを制御し、符号化部104に出力する。
なお、図3の例の場合、データ受信部101は、ノードB(端末1−2)からの音声データAb1を受信するデータ受信部101−1、ノードN(端末1−3)からの音声データAn1を受信するデータ受信部101−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されており、データ送信部102は、ノードBに対しての音声データAb2を送信するデータ送信部102−1、ノードNに対しての音声データAn2を送信するデータ送信部102−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されている。
また、出力音量調整部105は、ノードBからの音声データAb1の音量を調整する出力音量調整部105−1、ノードNからの音声データAn1の音量を調整する出力音量調整部105−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されており、入力音量調整部106は、ノードBに対しての音声データAb2の音量を調整する入力音量調整部106−1、ノードNに対しての音声データAn2の音量を調整する入力音量調整部106−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されている。
すなわち、データ受信部101−1は、ノードBからの音声データAb1を受信し、復号部103を介して、出力音量調整部105−1に供給する。出力音量調整部105−1は、ノードBからの音声データAb1の音量を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、混合器86に供給する。データ受信部101−2は、ノードNからの音声データAn1を受信し、復号部103を介して、出力音量調整部105−2に供給する。出力音量調整部105−2は、ノードNからの音声データAn1の音量を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、混合器86に供給する。
また、入力音量調整部106−1は、分配器87からの音声データの音量を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、音声データAb2として、符号化部104を介して、データ送信部102−1に供給する。データ送信部102−1は、ノードBに対しての音声データAb2を、対応する端末1−2に送信する。入力音量調整部106−2は、分配器87からの音声データの音量を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、音声データAn2として、符号化部104を介して、データ送信部102−2に供給する。データ送信部102−2は、ノードNに対しての音声データAn2を、対応する端末1−3に送信する。
混合器86は、出力音量調整部105−1、105−2、…からの音量が調整された音声データを混合し、混合した音声データを、入出力インタフェース25を介して、音声出力部91から出力させる。分配器87は、音声入力部92から入力された音声データを、入出力インタフェース25を介して入力し、入力音量調整部106−1、106−2、…に分配する。
図4は、記憶部22に登録される接続優先度リストの構成例を示している。接続優先度リストは、ID情報に対応付けてリスト形式で記憶部22に登録される。
図4の例の場合、接続優先度リストは、「ノード名」、優先度算出部57により算出された「接続優先度」、接続を優先する「順位」、およびノードの位置情報である「位置」により構成される。
例えば、図4の接続優先度リストには、「ノードB」は、接続優先度が「100」で、順位が「1」であることが登録されており、「ノードN」は、接続優先度が「65」で、順位が「2」であることが登録されている。
次に、図5を参照して、空間情報管理部56において設定されるノードAの基準空間について説明する。図5の例においては、ノードAの位置を中心(原点)としたノードAの基準空間座標がx,yの2次元で示されている。なお、基準空間は、実際には、x,y,zの3次元で構成される。
ノードAの基準空間座標において、ノードAの位置を中心に、y軸の図中上方向が0度として設定され、0度から時計回りに360度の方位(θ)が設定されている。すなわち、図5の例の場合、ノードAの正面方向paは、0度の方位を向いている。また、ノードAの基準空間座標には、各ノードの特性情報に基づいて、正面方向pbを向くノードB、正面方向pcを向くノードC、および正面方向pnを向くノードNが配置されている。また、ノードAの基準空間座標において、原点(ノードA)を中心とする6つの円の半径は、ノードAからの距離をそれぞれ示す。例えば、説明の便宜上、最内周の円の半径を10m、次の円の半径を20m、…、最外周の円の半径を60mとして説明する。
具体的には、ノードAの基準空間座標において、ノードBは、原点に対して、略315度の方位の、半径55m(略)離れた位置に、略225度の方位を正面方向pbとして配置されている。ノードCは、原点に対して、略70度の方位の、半径45m(略)離れた位置に、略70度の方位を正面方向pcとして配置されている。ノードNは、原点に対して、略225度の方位の、半径40m(略)離れた位置に、略135度の方位を正面方向pnとして配置されている。
さらに、図5の例において、ノードAを囲む指向性フィルタfaは、ノードAの正面方向paの背面方向が凹んだ形状をしている円で表されており、これは、ノードAが、正面指向性型の指向性フィルタ情報を有することを表している。ノードBを囲む無指向性フィルタNfb、ノードCを囲む無指向性フィルタNfc、ノードNを囲む無指向性フィルタNfnは、正円で示されており、これは、各ノードが、無指向性型の指向性フィルタ情報を有していることを表している。
ここで、指向性フィルタ情報について、図6を参照して説明する。指向性フィルタ情報とは、x,y,zの3次元の空間における方位(すなわち、xy平面上における角度θ(deg)およびyz平面における角度φ(deg))への通信に対する要望の大きさである指向性フィルタ指数f(θ,φ)を表すものである。この指向性フィルタ情報は、ユーザによる情報入力部27の操作に応じて変更が可能である。
図6の例においては、説明の便宜上、3次元のうち、z次元が省略された、すなわち、3次元のうち、x,yの2次元(xy平面)における、各方位に対する指向性フィルタ指数f(θ,φ)を表すグラフが示されている。
このグラフにおいて、原点は、指向性フィルタの中心であるノード位置を示し、xy平面の各円は、−50(原点)から、−10刻みの指向性フィルタ指数を表している。また、グラフにおいては、y軸上において上方向が0度を表し、360度の方位が0度から時計回りに設定されており、0度の方位を正面方向とした正面指向性型の指向性フィルタ131と、無指向性型の指向性フィルタ132の指向性フィルタ指数が示されている。
正面指向性型の指向性フィルタ131は、正面方向qの方位に対しては、指向性フィルタ指数が略3と大きく、正面方向qの方位から、原点を中心に背面方向に回動するにつれて、指向性フィルタ指数がだんだん小さくなり、背面方向(180度)の方位に対しては、略−40と小さくなっていく、凹んだ形状の指向性フィルタ指数を有している。
無指向性型の指向性フィルタ132は、どの方位に対しても一定で同じ大きさ(略0)である(すなわち、無指向である)正円の形状の指向性フィルタ指数を有している。
なお、縦軸を指向性フィルタ指数f(θ,φ)とし、横軸を方位θとした図7のグラフにおいても同様に、正面指向性型の指向性フィルタ131の場合、正面方向q(0度)の方位における指向性フィルタ指数が、略3であり、原点を中心に、背面方向に回動するにつれて、指向性フィルタ指数がだんだん小さくなり、背面方向(180度)の方位における指向性フィルタ指数が、略−40であることが示されており、無指向性型の指向性フィルタ132の場合、どの方位に対する指向性フィルタ指数も、略0であることが示されている。
したがって、図5に戻って、ノードAの基準空間座標において、ノードAが指向性フィルタfaを有することにより、ノードAの正面方向paから±60度以内に位置するノードBへの指向性フィルタ指数が一番大きく、ノードAの正面方向paから±120度以内に位置するノードCへの指向性フィルタ指数が、ノードBの指向性フィルタ指数よりも小さく、ノードAの背面方向から±60度以内に位置するノードNへの指向性フィルタ指数が一番小さいことがわかる。
以上のように、図5のノードAの基準空間座標においては、無指向性フィルタNfb、無指向性フィルタNfc、および無指向性フィルタNfnをそれぞれ有するノードB、ノードCおよびノードNの正面方向に応じて各ノードの指向性フィルタ情報は変化しないが、指向性フィルタfaを有するノードAの正面方向paに応じてノードAの指向性フィルタ情報は変化する。
そして、ノードA(端末1−1)においては、図5に示されるように、各ノードが配置され、指向性フィルタ情報などの各特性情報が反映(設定)されたノードAの基準空間を参照して、ノードAから各ノードXへの接続優先度YAXが算出される。すなわち、接続優先度YAXは、次の式(1)で表される。
YAX = PA×fA(θAX,φAX)÷LAX×fX(θXA,φXA)×PX
・・・(1)
ここで、PAは、ノードAの接続確立指数を表し、PXは、ノードXの接続確立指数を表し、LAXは、ノードAからノードXの距離に応じて大きくなる接続優先度減衰指数を表す。また、fA(θAX,φAX)は、ノードAの指向性フィルタのノードAからみたノードA方向における指向性フィルタ指数を表し、fX(θXA,φXA)は、ノードXの指向性フィルタのノードXからみたノードA方向における指向性フィルタ指数を表す。
なお、接続優先度の算出に必要な各ノードの特性情報(すなわち、位置情報、方向情報、ID情報、指向性フィルタ指数情報、接続確立指数情報)のうち取得できないものがある場合には適宜、規定値を入力するようにして接続優先度の算出を行うようにしてもよい。
次に、ノードAの基準空間を用いて算出される複数ノード間における接続優先度のシミュレーション結果について、図8乃至図14を参照して説明する。
図8は、各シミュレーションに用いられるノードAの基準空間の座標を説明する図である。図9、図11、および図13は、各シミュレーションの内容をそれぞれ説明する図であり、図10、図12、および図14は、図9、図11、および図13のシミュレーション結果である接続優先度の遷移をそれぞれ説明する図である。
まず、図8を参照して、各シミュレーションにおいて用いられるノードAの基準空間の座標を説明する。
図8の例においては、ノードAの基準空間座標と、ノードAとノードAの基準空間座標に配置される各ノードとの相対位置表が示されている。なお、図8に示されるノードAの基準空間座標は、図5の基準空間座標と同様に構成されており、y軸の上方向(図中上方向)が0度として設定され、0度から時計回りに360度の方位(θ)が設定されている。すなわち、図8の例においても、ノードAの正面方向paは、0度の方位を向いている。また、ノードAの基準空間において、原点(ノードA)を中心とする6つの円(点線)の半径は、ノードAからの距離をそれぞれ示し、最内周の円の半径を10m、次の円の半径を20m、…、最外周の円の半径を60mとして説明する。
図8の例の場合、ノードAの座標は、座標[0,0]([x座標,y座標]を示す)である。ノードAの基準空間座標には、各ノードの特性情報に基づいて、ノードB、ノードCおよびノードDが配置されている。
まず、ノードBは、ノードAとの相対距離Dabが40mで、ノードAとの相対方位θabが315度(−45度)で、座標[xb,yb]の位置に配置されている。ノードCは、ノードAとの相対距離Dacが30mで、ノードAとの相対方位θacが90度で、座標[xc,yc]の位置に配置されている。ノードDは、ノードAとの相対距離Dadが25mで、ノードAとの相対方位θadが157.5度で、座標[xd,yd]の位置に配置されている。
なお、このノードAの基準空間座標は、各ノードの特性情報が、GPS機能などによりそれぞれのノードで取得された後、各ノード間で送受信されて設定されたものである。
以上のように構成されるノードAの基準空間座標が用いられて、図9、図11、および図13に示されるシミュレーションが実行される。また、これらのシミュレーションにおいては、ノード間の距離に応じて大きくなる接続優先度減衰指数の算出方法の一例として、自由空間中における2.4GHz帯電磁波の電波損失の算出方法が用いられるとする。自由空間中における2.4GHz帯電磁波の電波損失L[dB]は、次の式(2)で表される。
L[dB]= 10 log(4πd/λ)2 = 10 log(4πfd/c)2
・・・(2)
ここで、λは、波長[m]を表し、dは、電波距離[m]を表し、fは、周波数[Hz]を表し、cは、光速(3.0*108)[m/s]を表す。
さらに、これらのシミュレーションにおいては、各ノードの接続確立指数は、0[dB]が用いられる。また、図5を参照して上述した指向性フィルタ指数f(θ,φ)の単位にも、[dB]を用いることとする。
次に、図9および図10を参照して、ノードAだけが正面指向性型の指向性フィルタを用いる場合のシミュレーション結果について説明する。
図9の例においては、ノードAだけが正面指向性型の指向性フィルタを用いる場合の図8のノードAの基準空間座標が示されている。この場合、ノードAは、図6を参照して上述した正面指向性型の指向性フィルタfaを有しており、ノードAの正面方向paは、y軸の上方向を向いている。また、ノードAの基準空間座標に配置されるノードB、ノードC、およびノードDは、それぞれ、無指向性フィルタNfb、無指向性フィルタNfc、および無指向性型の指向性フィルタNfdを有している。
すなわち、図9のノードAの基準空間座標においては、無指向性フィルタNfb、無指向性フィルタNfc、および無指向性フィルタNfdをそれぞれ有するノードB、ノードCおよびノードDの正面方向に応じて各指向性フィルタ情報は変化しないが、指向性フィルタfaを有するノードAの正面方向に応じて、ノードAの指向性フィルタ情報は変化する。
したがって、図9のノードAの基準空間座標において、ノードAの正面方向paが各方位を向いた場合、式(1)および式(2)を用いて算出される図9のノードAの基準空間座標におけるノードAと各ノード間の接続優先度も、ノードAの正面方向paが向いた方位(θ)に応じて、図10に示されるように遷移する。
図10は、図9のノードAの基準空間座標におけるノードAの正面方向paに対する、ノードAと各ノード間の接続優先度の遷移を示すグラフである。図10においては、縦軸が接続優先度[dB]を表し、横軸は、ノードAの基準空間座標におけるノードAの正面方向paの向き(θ)(すなわち、ノードAの基準空間座標において、ノードAの正面方向が向いた方向)を表している。なお、図10の例においては、図9における方位(θ)である180度乃至360度は、−180度乃至0度に換算されている。
ノードBは、ノードAの基準空間座標において、ノードAとの相対距離Dabが40mで、ノードAとの相対方位θabが−45(315)度の方位に位置している。したがって、図10に示されるノードAとノードB間の接続優先度Qabは、ノードAの正面方向paが−45度の方位を向いたときに略−71[dB]と一番高くなり、ノードAの正面方向paの向きが、−45度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードAの正面方向paが90度または180度を向いたときに、略−91[dB]になり、図示されないが、ノードAの正面方向paが135度を向いたときに一番低くなる。
同様に、ノードCは、ノードAの基準空間座標において、ノードAとの相対距離Dacが30mで、ノードAとの相対方位θacが90度の方位に位置している。したがって、図10に示されるノードAとノードC間の接続優先度Qacは、ノードAの正面方向paが90度の方位を向いたときに略−67[dB]と一番高くなり、ノードAの正面方向paの向きが、90度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードAの正面方向paが−45(315)度または225度を向いたときに、略−89[dB]になり、図示されないが、ノードAの正面方向paが270度を向いたときに一番低くなる。
ノードDは、ノードAの基準空間座標において、ノードAとの相対距離Dadが25mで、ノードAとの相対方位θadが157.5度の方位に位置している。したがって、図10に示されるノードAとノードD間の接続優先度Qadは、ノードAの正面方向paが157.5度の方位を向いたときに略−66[dB]と一番高くなり、ノードAの正面方向paの向きが、157.5度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードAの正面方向paが22.5度または−67.5(292.5)度を向いたときに、略−87[dB]になり、図示されないが、ノードAの正面方向paが−22.5(337.5)度を向いたときに一番低くなる。
以上により、ノードAが正面指向性型の指向性フィルタfaを有している図9の基準空間座標におけるノードAと各ノード間の接続優先度を比較した場合、ノードAの正面方向paが−45度の方位(すなわち、ノードB方向)を向いたとき、点線L1上の丸に示されるように、接続優先度Qab(略−71[dB])>>接続優先度Qac(略−89[dB])>接続優先度Qad(−90[dB]以下)となる。
また、ノードAの正面方向paが90度の方位(すなわち、ノードC方向)を向いたとき、点線L2上の丸に示されるように、接続優先度Qac(略−67[dB])>接続優先度Qad(略−72[dB])>>接続優先度Qab(略−91[dB])となる。
さらに、ノードAの正面方向paが157.5度の方位(すなわち、ノードD方向)を向いたとき、点線L3上の丸に示されるように、接続優先度Qad(略−66[dB])>>接続優先度Qac(略−73[dB])>>接続優先度Qab(−90[dB]以下)となる。
なお、ノードAが正面指向性型の指向性フィルタを持たない基準空間座標、すなわち、各ノードが無指向性フィルタを有する基準空間座標におけるノードAと各ノード間の接続優先度を比較した場合には、ノードAの正面方向の向きは各ノードとの接続優先度には影響せず、相対距離に応じて、接続優先度Qad(略−66[dB])>接続優先度Qac(略−67[dB])>接続優先度Qab(略−71[dB])となる。
以上のように、ノードAのみが正面指向性型の指向性フィルタを有している図9の場合、ノードAの正面方向の向きに応じて、各ノードの接続優先度が遷移し、ノードAの正面方向の向きにあるノードの接続優先度が他のノードの接続優先度よりも大きくなることがわかる。
次に、図11および図12を参照して、ノードDだけが正面指向性型の指向性フィルタを用いる場合のシミュレーション結果について説明する。
図11の例においては、ノードDだけが正面指向性型の指向性フィルタを用いる場合の図8のノードAの基準空間座標が示されている。この場合、ノードAは、無指向性フィルタNfaを有しており、ノードAの基準空間座標に配置されるノードB、ノードC、およびノードDは、それぞれ、無指向性フィルタNfb、無指向性フィルタNfc、および、図6を参照して上述した正面指向性型の指向性フィルタfdを有している。
図11の例の場合、ノードDの正面方向pdは、上方向(0度の方位)を向いており、図11のノードAの基準空間においては、無指向性フィルタNfa、無指向性フィルタNfb、および無指向性フィルタNfcをそれぞれ有するノードA、ノードB、およびノードDの正面方向に応じて各指向性フィルタ情報は変化しないが、指向性フィルタfdを有するノードDの正面方向に応じて、ノードDの指向性フィルタ情報は変化する。
したがって、図11のノードAの基準空間座標において、ノードDの正面方向pdが各方位を向いた場合、式(1)および式(2)を用いて算出される図11のノードAの基準空間座標におけるノードAとノードD間の接続優先度も、ノードDの正面方向pdが向いた方位(θ)に応じて、図12に示されるように遷移する。なお、ノードAと、ノードBおよびノードC間の接続優先度は変わらない。
図12は、図11のノードAの基準空間座標におけるノードDの正面方向pdに対する、ノードAと各ノード間の接続優先度の遷移を示すグラフである。図12においては、縦軸が接続優先度[dB]を表し、横軸は、ノードAの基準空間座標におけるノードDの正面方向pdの向き(θ)(すなわち、ノードAの基準空間座標において、ノードDの正面方向が向いた方向)を表している。なお、図12の例においては、図11における方位(θ)である180度乃至360度は、−180度乃至0度に換算されている。
図11の場合、ノードAは無指向性フィルタNfaを有しており、ノードAの正面方向の向きは各ノードとの接続優先度には影響しない。したがって、図12に示されるノードAとノードB間の接続優先度Qabは、ノードAとノードBとの相対距離Dab(40m)に応じて、ノードDの正面方向とは無関係に、−73[dB]と一定である。同様に、図12に示されるノードAとノードC間の接続優先度Qacは、ノードAとノードCとの相対距離Dac(30m)に応じて、ノードDの正面方向とは無関係に、略−69[dB]と一定である。
ここで、ノードDは、ノードAの基準空間座標において、ノードAとの相対方位φadが157.5度の方位に位置しており、正面指向性型の指向性フィルタfdを有している。したがって、図12に示されるノードAとノードD間の接続優先度Qadは、ノードDの正面方向pdが−22.5(337.5)度の方位(すなわち、ノードA方向)を向いたときに略−66[dB]と一番高くなり、ノードDの正面方向pdの向きが、−22.5度の方位からノードDを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードDの正面方向pdが112.5度または202.5(−157.5)度を向いたときに、略−87[dB]になり、図示されないが、ノードDの正面方向pdが157.5度の方位(すなわち、ノードAの逆方向)を向いたときに一番低くなる。
以上により、ノードDが正面指向性型の指向性フィルタfdを有している図11の基準空間座標におけるノードAと各ノード間の接続優先度を比較した場合、ノードDの正面方向pdが−22.5度の方位(すなわち、ノードA方向)を向いたとき、点線L11上の丸に示されるように、接続優先度Qad(略−66[dB])>接続優先度Qac(略−69[dB])>接続優先度Qab(略−73[dB])となる。
また、ノードDの正面方向pdが157.5度の方位(すなわち、ノードAの逆方向)を向いたとき、点線L12上の丸に示されるように、接続優先度Qac(略−69[dB])>接続優先度Qab(略−73[dB])>>接続優先度Qad(−90[dB]以下)となる。
以上のように、ノードDのみが正面指向性型の指向性フィルタを有している場合、ノードDの正面方向の向きに応じて、ノードAとノードD間の接続優先度が遷移し、ノードDの正面方向がノードAを向くことにより、ノードDの接続優先度が他のノードの接続優先度よりも大きくなることがわかる。
次に、図13および図14を参照して、ノードAおよびノードDが正面指向性型の指向性フィルタを用いる場合のシミュレーション結果について説明する。
図13の例においては、ノードAおよびノードDが正面指向性型の指向性フィルタを用いる場合の図8のノードAの基準空間座標が示されている。この場合、ノードAは、図6を参照して上述した正面指向性型の指向性フィルタfaを有しており、ノードAの基準空間座標に配置されるノードB、ノードC、およびノードDは、それぞれ、無指向性フィルタNfb、無指向性フィルタNfc、および、正面指向性型の指向性フィルタfdを有している。
図13の例の場合、ノードAの正面方向paは、図中上方向を向いており、ノードDの正面方向pdは、図中右方向(90度の方位)を向いている。図13のノードAの基準空間においては、無指向性フィルタNfb、および無指向性フィルタNfcをそれぞれ有するノードB、およびノードDの正面方向に応じて各指向性フィルタ情報は変化しないが、指向性フィルタfaを有するノードAの正面方向に応じて、ノードAの指向性フィルタ情報は変化し、指向性フィルタfdを有するノードDの正面方向に応じて、ノードDの指向性フィルタ情報は変化する。
したがって、図13のノードAの基準空間座標において、ノードAの正面方向paが各方位を向いた場合、式(1)および式(2)を用いて算出される図13のノードAの基準空間座標におけるノードAと各ノード間の接続優先度も、ノードAの正面方向paが向いた方位(θ)に応じて、図14に示されるように遷移し、さらに、ノードDの正面方向pdが各方位を向いた場合、ノードAとノードD間の接続優先度は、ノードDの正面方向pdが向いた方位(θ)に応じて遷移する。
図14は、図13のノードAの基準空間座標におけるノードAの正面方向に対する、ノードAと各ノード間の接続優先度の遷移を示すグラフである。なお、図14のグラフは、図10のグラフにおいて、ノードDの接続優先度の遷移が異なるだけである。
すなわち、ノードDは、ノードAの基準空間座標において、ノードAとの相対距離Dadが25mで、ノードAとの相対方位θadが157.5度の方位に位置しており、さらに、正面指向性型の指向性フィルタfdを有している。
したがって、ノードDの正面方向pdが−22.5度の方位(すなわち、ノードA方向)を向いている場合、図14に示されるノードAとノードD間の接続優先度Qad−1は、ノードAの正面方向paが157.5度の方位(ノードD方向)を向いたときに略−64[dB]と一番高くなり、ノードAの正面方向paの向きが、157.5度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードAの正面方向paが22.5度または−67.5(292.5)度を向いたときに、略−85[dB]になり、図示されないが、ノードAの正面方向paが−22.5(337.5)度の方位(ノードDとは逆方向)を向いたときに一番低くなる。
さらに、例えば、ノードDの正面方向pdが90度の方位を向いている場合、図14に示されるノードAとノードD間の接続優先度Qad−2(一点鎖線)は、ノードAの正面方向paが157.5度の方位(ノードD方向)を向いたときに略−78[dB]と一番高くなり、ノードAの正面方向paの向きが、157.5度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードAの正面方向paが60度または−100(260)度を向いたときに、略−90[dB]になり、図示されないが、ノードAの正面方向paが22.5(337.5)度を向いたときに一番低くなる。
すなわち、ノードAの正面方向paが157.5度の方位(ノードD方向)を向いている場合、ノードAとノードD間の接続優先度Qadは、ノードDの正面方向pdが−22.5度の方位(ノードA方向)(接続優先度Qad−1)を向いたときに略−64[dB]と一番高くなり、ノードDの正面方向pdの向きが、−22.5度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードDの正面方向pdが90度の方位(接続優先度Qad−2)を向いたときに、略−78[dB]になり、図示されないが、ノードDの正面方向pdが157.5度を向いたときに一番低くなる。
以上により、ノードAおよびノードDが正面指向性型の指向性フィルタを有している図13の基準空間座標におけるノードAと各ノード間の接続優先度を比較した場合、ノードAの正面方向paが−45度の方位(すなわち、ノードB方向)を向き、ノードDが−22.5度の方位(すなわち、ノードA方向)を向いたとき、点線L21上の丸に示されるように、接続優先度Qab(略−71[dB])>>接続優先度Qac(略−89[dB])>接続優先度Qad−1(−90[dB]以下)となる。ノードAの正面方向paが−45度の方位(すなわち、ノードB方向)を向き、ノードDが90度の方位を向いたとき、点線L21上の丸に示されるように、接続優先度Qab(略−71[dB])>>接続優先度Qac(略−89[dB])>接続優先度Qad−2(−90[dB]以下)となる。
また、ノードAの正面方向paが90度の方位(すなわち、ノードC方向)を向き、ノードDが−22.5度の方位(すなわち、ノードA方向)を向いたとき、点線L22上の丸に示されるように、接続優先度Qac(略−67[dB])>接続優先度Qad−1(略−69[dB])>>接続優先度Qab(略−91[dB])となる。ノードAの正面方向paが90度の方位(すなわち、ノードC方向)を向き、ノードDが90度の方位を向いたとき、接続優先度Qac(略−67[dB])>接続優先度Qad−2(略−83[dB])>>接続優先度Qab(略−91[dB])となる。
さらに、ノードAの正面方向paが157.5度の方位(すなわち、ノードD方向)を向き、ノードDが−22.5度の方位(すなわち、ノードA方向)を向いたとき、点線L23上の丸に示されるように、接続優先度Qad−1(略−64[dB])>>接続優先度Qac(略−73[dB])>>接続優先度Qab(−90[dB]以下)となる。ノードAの正面方向paが157.5度の方位(すなわち、ノードD方向)を向き、ノードDが90度の方位を向いたとき、接続優先度Qac(略−73[dB])>接続優先度Qad−2(略−78[dB])>接続優先度Qab(−90[dB]以下)となる。
以上のように、ノードAおよびノードDが正面指向性型の指向性フィルタを有している場合、ノードAの正面方向の向きに応じて、各ノードの接続優先度が遷移し、ノードDの正面方向の向きに応じて、さらに、ノードAとノードD間の接続優先度が遷移する。したがって、ノードAとノードDが互いの方向を向いたとき、ノードDの接続優先度が他のノードの接続優先度よりも大きくなることがわかる。
以上の3種類のシミュレーション結果のように、各ノードが有する特性情報(すなわち、位置情報、方向情報、ID情報、指向性フィルタ指数情報、接続確立指数情報)を用いて、自己と通信相手の相対的な位置や関係を求め、ある時点におけるノードAと各ノード間での接続優先度を算出し、算出された接続優先度を比較することにより、通信を行う複数のノードの中で優先順位を付与することができる。
また、各ノードの接続優先度は、動作入力部26からのノードの方向情報を変化させる(すなわち、ユーザが動作入力部26を動作させる)ことにより調整が可能であり、図6を参照して上述したような正面指向型の指向性フィルタを、各ノードの方向情報と連動させて使用することにより、例えば、ノードAが接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作によって簡単に各ノードの接続優先度を調整することができる。
なお、上記説明においては、x,yの2次元で示されている基準空間座標を用いて接続優先度を説明したが、上述したように、実際には、基準空間は、3次元で構成される。したがって、例えば、3次元の基準空間座標において、ノードAが他のノードとあまり接続したくない場合には、yz平面の角度(φ)を下に向ける、すなわち、ノードがうつむくといったごく自然な動作によって、簡単に各ノードの接続優先度を調整することができる。
図15は、記憶部22に記憶される接続優先度リストの構成例を示している。すなわち、図15の接続優先度リストは、図4の接続優先度リストの他の構成例である。
図15の例の場合、接続優先度リストは、ノードのID情報に基づいて、「ノード名」、優先度算出部57により算出された「接続優先度」、接続するノードの中での接続優先順位を示す「順位」、ノードの位置情報である「位置」、ノードの方向情報である「方向」、ノードに接続するための「アドレス」、ノードが有する「指向性フィルタ指数」、および、ノードの「接続確立指数」によりリスト化されて構成されている。
「ノードB」は、接続優先度が「100」で、順位が「2」であり、位置が[xb,yb,zb]([x座標,y座標,z座標])で、方向が(θB,φB)((xy平面の角度,yz平面の角度))で、アドレスが「xx-xx-xx-」であり、指向性フィルタ指数は、fB(θ,φ)であり、接続確立指数が「45」である。
「ノードC」は、接続優先度が「65」で、順位が「3」であり、位置が[xc,yc,zc]([x座標,y座標,z座標])で、方向が(θC,φC)((xy平面の角度,yz平面の角度))で、アドレスが「090-xxxx」であり、指向性フィルタ指数は、fC(θ,φ)であり、接続確立指数が「21」である。
「ノードN」は、接続優先度が「123」で、順位が「1」であり、位置が[xn,yn,zn]([x座標,y座標,z座標])で、方向が(θN,φN)((xy平面の角度,yz平面の角度))で、アドレスが「xx-xx-xx-」であり、指向性フィルタ指数は、fN(θ,φ)であり、接続確立指数が「70」である。
すなわち、この接続優先度リストは、各ノードの特性情報である「位置」、「方向」、「指向性フィルタ指数」、および「接続確立指数」が取得され、式(1)および式(2)を用いて各ノードの「接続優先度」が算出され、算出された各ノードの「接続優先度」に基づいて、接続するノードの中での各ノードの接続優先順位を示す「順位」が設定され、これらの情報がノードIDに基づいて、記憶部22に登録されたものである。
また、この接続優先度リストは、内部通信処理部23に供給されるとともに、出力制御部24に供給され、入出力インタフェース25を介して、出力部28を構成するモニタに表示される。このとき、出力制御部24は、接続優先度リストを構成する情報を、図15の接続優先度リストと同じ構成のリスト形式で、あるいは、接続優先度リストのうちの一部の情報だけをリスト形式でモニタに表示させる。さらに、出力制御部24は、接続優先度リストを構成する情報を、図16に示すように、ノードAの基準空間座標を、3D(dimension)空間としてCG(Computer Graphics)合成した映像を用いて表示させることもできる。
図16は、出力部28に出力される接続優先度リストの表示例を示している。
図16の例においては、x,y,zからなる3次元のノードAの基準空間座標に、各ノードの特性情報に基づいた位置に配置された各ノードを象徴するアバタとともに、図15の接続優先度リストのうちのノード名、位置、方向、指向性フィルタ指数の各情報が表示されている。なお、説明の便宜上、xy平面において、y軸の正方向を0度とし、0度から時計回りに360度の方位を示すものとして説明する。
出力部28には、ノードA、ノードB、およびノードCは、各端末1を操作するユーザa、ユーザb、およびユーザcがマスコット形状のアバタとしてそれぞれ表示され、ノードNは、端末1が接続されているのみである(ユーザには操作されていない)ため、端末1がデータベース形状のアバタとして表示されている。また、各ノードの方向は、各アバタの正面方向の向きで表され、各アバタの下部には、各ノードが有する指向性フィルタ指数情報を表す指向性フィルタが表示されている。
すなわち、ノードAの基準空間座標の原点には、ノードAのアバタAAが、その正面方向paがノードC向き(略135度方向)に表示され、アバタAAの下部には、ノードAが有する指向性フィルタ指数情報として、正面指向型の指向性フィルタfaが凹んだ形状をしている円で表示されている。また、アバタAAの上部には、ノード名「ノードA」と、位置情報「座標値[0,0,0]」が吹き出し表示されている。
ノードAの背面方向(略315度)の方位の、ノードAとの相対距離Dabの位置には、ノードBのアバタABが、その正面方向pbが略180度の方位向きに表示され、アバタABの下部には、ノードBが有する指向性フィルタ指数情報として、正円の無指向性フィルタNfbが表示されている。また、アバタABの上部には、ノード名「ノードB」と、位置情報「座標値[xb,yb,zb]」が吹き出し表示されている。
ノードAの正面方向(略135度)の方位の、ノードAとの相対距離Dacの位置には、ノードCのアバタACが、その正面方向pcが略270度の方位向きに表示され、アバタACの下部には、ノードCが有する指向性フィルタ指数情報として、正円の無指向性フィルタNfcが表示されている。また、アバタACの上部には、ノード名「ノードC」と、位置情報「座標値[xc,yc,zc]」が吹き出し表示されている。
ノードAの略45度の方位の、ノードAとの相対距離Danの位置には、ノードNのアバタANが、その正面方向pnがノードA向き(略225度方向)に表示され、アバタANの下部には、ノードNが有する指向性フィルタ指数情報として、正円の無指向性フィルタNfbが表示されている。また、アバタANの上部には、ノード名「ノードN」と、位置情報「座標値[xn,yn,zn]」が吹き出し表示されている。
なお、図16の例の場合、ノードAとの相対距離は、Dac>Dab>Danとなっている。
以上のように、記憶部22に登録された接続優先度リスト、すなわち、算出された接続優先度が、各特性情報とともにモニタに表示されるので、ノードAのユーザaは、表示された接続優先度リストをもとに、動作入力部26を動作させることで、動作入力部26からのノードの方向情報の変化による効果をすぐに知ることができ、容易に各ノードの接続優先度を調整することができる。
さらに、ユーザが、各ノードの位置やノードに関する他の情報を予め知らなくても、表示された接続優先度リストをもとに、各ノードの位置や情報を簡単に把握することができる。
次に、図17のフローチャートを参照して、端末1の接続優先度設定処理について説明する。
端末1−1を操作するユーザaは、ノードBの端末1−2およびノードNの端末1−3と外部通信回線11−2を介して、複数のノード間でのチャットを行うアプリケーションなどを用いることにより、相互に音声データを通信するため、マウスなどからなる情報入力部27を操作して、端末1−1に通信の開始を指示する。このとき、ユーザaは、必要に応じて、例えば、通信を行う対象の空間情報や、ノードが他のノードとの通信を要求する度合いを表す接続確立指数、および、ノードを中心とした各方向に対しての接続確立指数を表す指向性フィルタ指数を入力する。
情報入力部27は、ユーザの操作に対応する操作信号を、特性情報設定部52および空間情報設定部53に入力する。特性情報設定部52は、情報入力部27から入力されるユーザaの指示に対応して、ノードAのID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報などを情報取得制御部54に供給するとともに、情報取得制御部54に通信開始を通知する。空間情報設定部53は、情報入力部27から入力されるユーザaの指示に対応して、基準空間とする空間の情報を、空間情報管理部56に供給する。
情報取得制御部54は、特性情報設定部52から通信開始の通知が入力されるまで待機しており、ノードAの接続確立指数情報および指向性フィルタ指数情報が入力され、通信開始の通知が入力されると、通信開始が指示されたと判定し、図17の接続優先度設定処理を開始する。
情報取得制御部54は、ステップS21において、特性情報受信部62を制御し、GPS衛星3から地球に送出される信号(電波)を受信させて、自己の位置情報を取得させ、空間情報設定部53に供給し、ステップS22に進む。
空間情報管理部56は、ステップS22において、空間情報設定部53からの基準とする空間情報に基づいて、情報取得制御部54から入力されるユーザaの位置情報を基準位置とし、自己を基準としたノードAの基準空間を定義し、ステップS23に進む。
情報取得制御部54は、ステップS23において、方向検出部51を制御し、動作入力部26から入力されるユーザa(ノードA)の方向情報に基づいて、ノードAの現在の方向を設定させ、設定されたノードAの現在の方向を、空間情報管理部56に供給し、ノードAの基準空間に反映させ、ステップS24に進む。
空間情報管理部56は、ステップS24において、情報取得制御部54に供給されている端末1−1(ノードA)のID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報を取得し、ステップS25に進む。
情報取得制御部54は、ステップS25において、特性情報送信部61を制御し、特性情報通信回線11−1を介して、通信相手の各ノードにそれぞれの特性情報(位置情報、方向情報、ID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報など)を要求させることにより、情報通信回線11−1を介して、通信相手の各ノードから送信されてくるそれぞれの特性情報を、特性情報受信部62に取得させ、空間情報管理部56に供給し、ステップS26に進む。
すなわち、通信相手のノードの端末1−2および1−3においては、予め、例えば、ステップS21の処理と同様にして自己(通信相手)の位置情報が取得され、ステップS24の処理と同様にして自己の方向情報が取得され、ステップS24の処理と同様にして自己のID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報が取得されており、特性情報送信部61からの要求に応じてこれらの特性情報が、情報通信回線11−1を介して端末1−1に送信されてくる。なお、通信相手のノードの端末1−2および1−3は、特性情報送信部61からの要求が受信されたときに特性情報を取得するようにしてもよい。
なお、端末1−2および1−3が実行するステップS25の処理により、端末1−1(ノードA)の特性情報が要求された場合には、情報取得制御部54は、特性情報送信部61を制御し、特性情報受信部62からの位置情報、特性情報設定部52からノードAのID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、方向検出部51からのノードAの方向情報を、情報通信回線11−1を介して、端末1−2および1−3に送信させる。
空間情報管理部56は、情報取得制御部54から通信相手の各ノードの特性情報が供給されると、ステップS26において、取得された各情報を、ノードAの基準空間に配置し、通信相手のノードが配置されたノードAの基準空間を、優先度算出部57に供給し、ステップS27に進む。
すなわち、空間情報管理部56は、ステップS24において取得された端末1(ノード)のID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報と、ステップS25において情報取得制御部54から通信相手の各ノードの特性情報に基づいて、ステップS23において現在の方向が反映されたノードAの基準空間に、各ノードを配置し、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報を反映させる。そして、空間情報管理部56は、通信相手のノードが配置され、各情報が反映されたノードAの基準空間を記憶し、管理するとともに、優先度算出部57に供給する。
優先度算出部57は、空間情報管理部56から供給されたノードAの基準空間に基づいて(すなわち、式(1)および式(2)を用いて)、自己と通信相手の相対的な位置関係を求めることで、自己のノード(ノードA)から、他のノード(ノードBおよびノードNなど)までの接続優先度をそれぞれ算出し、ステップS28に進み、各ノードに関する特性情報や、接続優先度解析結果を、ID情報に対応付けて、接続度優先度リストとして、記憶部22に登録させる。
なお、内部通信処理部23の優先度情報取得部82は記憶部22を監視しており、接続度優先度リストが登録されると、優先度リストが登録されたことを通信制御部81に通知する。これにより、内部通信処理部23においては、記憶部22に登録された接続優先度リストに応じて、図20を参照して後述する内部通信制御処理が実行される。
一方、出力制御部24は、記憶部22の接続優先度リストを監視しており、ステップS28において、接続優先度リストが登録されると、ステップS29において、各ノードの接続優先度リストの情報をユーザに通知するための画面データなどを生成し、入出力インタフェース25を介して、画面データに対応する画面を、出力部28を構成するモニタなどに出力させ、接続優先度設定処理を終了する。
以上により、モニタには、図16を参照して上述したような接続優先度リストの情報(以下、接続優先度の通知画面とも称する)が表示される。
したがって、動作入力部26が装着(設置)されているユーザaは、モニタに表示される接続優先度の通知画面を参照して、例えば、ノードAが接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作を行ったり、または、情報入力部27を介して、ノードAの接続確立指数および指向性フィルタ指数などを変更するなど、所望の接続優先度を設定することが可能である。
次に、図18のフローチャートを参照して、図17の接続優先度設定処理により登録された接続優先度リストの接続優先度更新処理を説明する。なお、図18の接続優先度更新処理は、図20を参照して後述する内部通信制御部24による内部通信制御処理と並行で行われる処理であり、情報入力部27から入力されるユーザaの通信終了を指示する操作信号に基づいて、特性情報設定部53が情報取得制御部54に通信の終了を通知し、情報取得制御部54が通信を終了すると判定するまで、繰り返し続けられる処理である。
図17のステップS29において、各ノードの接続優先度リストの情報をユーザに通知するための接続優先度の通知画面がモニタに表示される。
ユーザaは、外部通信回線11−2を介しての、他のノードと相互に音声データの通信を行いながら、モニタに表示される接続優先度の通知画面を参照して、例えば、接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作を行う。なお、ジャイロセンサ、または加速度センサなどで構成される動作入力部26は、例えば、ユーザaに装着されており、ユーザaの動作に応じて、ノードAの位置情報または方向情報を入力する。
あるいは、例えば、ユーザaは、モニタに表示される接続優先度の通知画面を参照して、情報入力部27を介して、ノードAの接続確立指数、または指向性フィルタ指数などを変更する指示を行う。
または、例えば、通信相手のユーザbは、端末1−1の場合と同様にして、端末1−2のモニタに表示される接続優先度の通知画面を参照して、例えば、端末1−2の動作入力部26が装着されたユーザbが、接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作を行ったり、端末1−2の情報入力部27を介して、ノードBの接続確立指数、または指向性フィルタ指数などを変更する指示を行う。この場合、端末1−2は、後述される図19のステップS72、S74,またはS76の処理と同様に、変更されたノードBの特性情報を、特性情報通信回線11−1を介して、端末1−1に送信してくる。
これに対応して、優先度情報解析部21は、図17のステップS51において変化情報供給処理を実行する。この変化情報供給処理を、図19のフローチャートを参照して説明する。
方向検出部51は、ステップS71において、図17のステップS23において設定されたノードAの現在の方向や位置を基準として、動作入力部26から入力されたノードAの位置情報または方向情報から、ノードAの方向や位置の変化を検出したか否かを判定し、ノードAの方向や位置の変化を検出したと判定した場合、ステップS72に進み、動作入力部26から入力されたノードAの位置情報または方向情報を、情報取得制御部54を介して、空間情報管理部56に供給し、ステップS73に進む。
なお、このとき、情報取得制御部54は、変更が検出されたノードAの位置情報または方向情報を、特性情報送信部61を制御し、特性情報通信回線11−1を介して、ノードの端末1−2や端末1−3にも送信させる。
ステップS71において、入力されたノードAの位置情報または方向情報から、ノードAの方向や位置の変化を検出していないと判定された場合、ステップS72の処理はスキップされ、処理は、ステップS73に進む。
ステップS73において、特性情報設定部52は、情報入力部27を介して入力されるユーザaの操作信号に基づいて、ノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報の変更指示が入力されたか否かを判定し、情報入力部27を介して、ノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報を変更する指示が入力されたと判定した場合、ノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報を変更し、ステップS74に進み、変更したノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報を、情報取得制御部54を介して、空間情報管理部56に供給し、ステップS75に進む。
なお、このとき、情報取得制御部54は、変更されたノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報を、特性情報送信部61を制御し、特性情報通信回線11−1を介して、ノードの端末1−2や端末1−3にも送信させる。
ステップS73において、ノードAの接続確立指数および指向性フィルタ情報の変更指示が入力されていないと判定された場合、ステップS74の処理はスキップされ、処理は、ステップS75に進む。
また、例えば、上述したように、ノードBの特性情報に変更があった場合、端末1−2は、変更されたノードBの特性情報を、特性情報通信回線11−1を介して、端末1−1に送信してくる。
これに対応して、特性情報受信部62は、ステップS75において、他のノードから特性情報が受信されたか否かを判定し、他のノードから特性情報を受信したと判定した場合、ステップS76に進み、受信した他のノードから特性情報を、空間情報管理部56に供給し、図18のステップS51に戻り、ステップS52に進む。
ステップS75において、他のノードから特性情報を受信していないと判定された場合、ステップS76の処理はスキップされ、処理は、図18のステップS51に戻り、ステップS52に進む。
図18のステップS52において、空間情報管理部56は、ノードAの位置情報、方向情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、他のノードの特性情報のうち、少なくとも1つの情報が供給されたか否かを判定する。
空間情報管理部56は、ステップS52において、ノードAの位置情報、方向情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、他のノードの特性情報のうち、少なくとも1つの情報が供給されていないと判定した場合、ステップS51に戻り、それ以降の処理を繰り返す。すなわち、ステップS52において、ノードAの位置情報、方向情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、他のノードの特性情報のうち、少なくとも1つの情報が供給されたと判定されるまで、ステップS51の処理が繰り返される。
一方、ステップS52において、ノードAの位置情報、方向情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、他のノードの特性情報のうち、少なくとも1つの情報が供給されたと判定された場合、空間情報管理部56は、ステップS53に進み、供給された情報に基づいて、ノードAの基準空間に配置されるノードの配置位置などを変更して、記憶されているノードAの基準空間を更新するとともに、優先度算出部57に供給し、ステップS54に進む。
優先度算出部57は、ステップS54において、空間情報管理部56から供給されたノードAの基準空間(すなわち、式(1)および式(2))を用いて、自己と通信相手の相対的な位置関係を求めることで、自己のノード(ノードA)から、他のノード(ノードBおよびノードNなど)までの接続優先度をそれぞれ算出し、ステップS55に進み、記憶部22に登録されている、接続優先度解析結果である接続度優先度リストをID情報に対応付けて更新し、ステップS56に進む。
出力制御部24は、記憶部22を監視しており、ステップS55において、記憶部22に、接続優先度リストが更新されると、ステップS56において、各ノードの接続優先度をユーザに通知するための画面データなどを新たに生成し、入出力インタフェース25を介して、画面データに対応する画面を更新して、出力部28を構成するモニタなどに出力させ、接続優先度更新処理を終了する。
以上のように、自己のノードの特性情報、および通信相手のノードの特性情報を取得し、それらを用いて、自己と通信相手の相対的な位置関係を求めることで、接続優先度を算出するようにしたので、この接続優先度を用いて、複数の通信相手との通信に、重み付けなどの制御を行うことができ、通信相手のノード数が増えた場合であっても、最適な通信品質を得ることができる。
また、これらの接続優先度は、各ノードの位置情報や方向情報の変化、あるいは、接続確立指数および指向性フィルタ指数に応じて、逐次変更されるので、この接続優先度を用いて、各ノードの状態が変わった場合にも、その状態に応じた通信の制御を行うことができる。
さらに、ユーザは、振り向くなどの自然かつ簡単な動作、または、リモコンなどに設けられる方向指示ボタンなどで方向を指示することだけで、接続優先度を変更させることすなわち、接続優先度に応じて制御される処理を変更させることができる。
次に、図20のフローチャートを参照して、以上のようにして設定される接続優先度を用いての制御処理の例を説明する。
図20の制御処理は、図17の接続優先度設定処理により記憶され、更新される接続優先度リストに基づいて実行される端末1−1の内部通信制御処理の例である。
図17のステップS28において、優先度算出部57は、接続優先度リストを記憶部22に登録させる。優先度情報取得部82は、記憶部22の接続優先度リストを監視し、接続優先度リストが登録されると、通信制御部81に通知する。通信制御部81は、優先度情報取得部82からの通知が入力されるのを待機しており、優先度算出部57からの通知が入力されたと判定した場合、図20の内部通信制御処理を開始する。
通信制御部81は、ステップS81において、データ送信部102−1を制御し、通信相手のノード(例えば、ノードBの端末1−2)と、外部通信回線11−2を介して接続させる。
このとき、データ送信部102−1は、外部通信回線11−2を介して、端末1−2に対して、ノードBのノードIDを要求する。端末1−2は、端末1−1からの要求を受信すると、外部通信回線11−2を介して、端末1−1に対して、ノードBのノードID情報を送信してくる。
データ受信部101−1は、端末1−2からのノードBのノードID情報を受信し、通信制御部81に供給する。通信制御部81は、ステップS82において、データ受信部101−1からノードBのノードID情報を取得し、ステップS83に進み、優先度情報取得部82を制御し、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードID情報があるか否かを判定し、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードID情報がないと判定された場合、ステップS84に進む。
優先度情報取得部82は、ステップS84において、接続優先度が設定されていないノードBに、規定の接続優先度を設定し、ステップS85に進む。なお、接続優先度が設定されていない場合、ノードBとの接続を停止させるようにしてもよく、規定の接続優先度を設定するか、接続を停止させるかの設定は、ユーザaが情報入力部27を操作することなどで変更可能とされる。
ステップS83において、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードID情報があると判定された場合、優先度情報取得部82は、ノードBに対応する接続優先度を取得し、ステップS84をスキップし、ステップS85に進む。
ステップS85において、通信制御部81は、通信候補となるすべての通信相手と接続されたか否かを判定し、通信候補となるすべての通信相手と接続されていないと判定した場合、ステップS81に戻り、次の通信相手(例えば、ノードN)と、それ以降の処理を繰り返す。
ステップS85において、通信候補となるすべての通信相手と接続されたと判定された場合、通信制御部81は、ステップS86に進み、各ノードから受信される音声データを処理する音量調整部85に対して、優先度情報取得部82により取得(設定)された接続優先度に応じた音量バランス(重み付け)を設定し、ステップS87に進み、外部通信インタフェース83および音量調整部85を制御し、音声情報調整処理としての音声バランス調整処理を実行する。この音声バランス調整処理を、図21のフローチャートを参照して説明する。
外部通信インタフェース83のデータ受信部101−1は、図21のステップS111において、通信制御部81の制御のもと、ノードBからの音声データを受信し、受信した音声データを復号部103に供給し、ステップS112に進む。
復号部103は、ステップS112において、データ受信部101−1により受信された音声データ(デジタルデータ)を復号し、復号された音声データ(アナログデータ)を音量調整部105−1に供給し、ステップS113に進む。
出力音量調整部105−1は、ステップS113において、復号部103により復号された、ノードBからの音声データAb1の音量を、ステップS86において通信制御部81により設定されたノードBの音量バランス(重み付け)に応じて調整し、混合器86に供給し、ステップS114に進む。
なお、ステップS111乃至S113においては、データ受信部101−1がノードBからの音声データAb1を受信し、出力音量調整部105−1が処理する例を説明したが、この処理は、ノードNからの音声データAn1を受信し、処理するデータ受信部101−2および出力音量調整部105−2などにおいても同様に実行される。
混合器86は、ステップS114において、出力音量調整部105−1、105−2、…からの音量が調整された音声データを混合し、混合した音声データを、入出力インタフェース25を介して、音声出力部91から出力させ、音量バランス調整処理を終了する。そして、処理は、図20のステップS87に戻り、ステップS88に進む。
ステップS88において、記憶部22に登録されている接続優先度リストを監視し、通信が確立されている端末のID情報の接続優先度が変更(更新)されたか否かを判定し、接続優先度が変更されたと判定した場合、変更された接続優先度を通信制御部81に供給し、ステップS86に戻り、それ以降の処理を繰り返す。すなわち、このステップS86において、通信制御部81は、音量調整部85に対して、変更された接続優先度に応じた音量バランスを設定し、以降の処理を繰り返す。
ステップS88において、接続優先度が変更されていないと判定した場合、ステップS89に進み、情報入力部27から入力されるユーザaの通信終了を指示する操作信号に基づいて、情報取得制御部54が通信を終了するか否かを判定し、情報取得制御部54が通信を終了しないと判定した場合、ステップS87に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
すなわち、この場合、変更されていない接続優先度に応じた音声バランス調整処理が実行される。
ステップS89において、通信制御部81は、情報入力部27から入力されるユーザaの通信終了を指示する操作信号に基づいて、通信を終了すると判定した場合、各端末と接続を停止し、内部通信制御処理を終了する。
次に、図22のフローチャートを参照して、図20のステップS87の音量バランス調整処理の例を説明する。すなわち、図22の処理は、図21の音量バランス調整処理の他の例である。
分配器87は、ステップS131において、音声入力部92から入出力インタフェース25を介して入力される、ユーザaの音声に対応する音声データを、入力音量調整部106−1、106−2、…に分配し、ステップS132に進む。
入力音量調整部106−1は、ステップS132において、分配器87からの音声データの音量を、ステップS86において通信制御部81により設定されたノードBの音量バランス(重み付け)に応じて調整し、ノードBに対しての音声データAb2として、符号化部104に供給し、ステップS133に進む。
ステップS133において、符号化部104は、音量調整部85により音量が調整された音声データ(アナログデータ)を符号化し、符号化された音声データ(デジタルデータ)をデータ送信部102−1に供給し、ステップS134に進む。
ステップS134において、データ送信部102−1は、通信制御部81の制御のもと、符号化部104により符号化された音声データを、外部通信回線11−2を介して対応するノードBの端末1−2に送信する。
なお、ステップS132乃至S134においては、入力音量調整部106−1がノードBに対しての音声データAb2を処理し、データ送信部102−1がノードBの端末1−2に送信する例を説明したが、この処理は、ノードNに対しての音声データAn2を処理し、送信する入力音量調整部106−2およびデータ送信部102−2などにおいても同様に実行され、音量バランス調整処理を終了する。そして、処理は、図20のステップS87に戻り、ステップS88に進む。
以上のように、複数のノードとの通信を行う際に、求められた各ノードの接続優先度に応じて、重み付けをして、通信するデータの制御などを行うことにより、複数のノードとであっても、混信してしまうことが抑制され、最適な通信を行うことができる。
また、ユーザが振り向いたり、方向ボタンを操作するなどの簡単な操作で、通信途中においても、接続優先度が変わった場合にも、それに対応した通信の制御を行うことができる。
なお、上記処理の説明においては、ユーザからの通信開始の指示に応じて、図17の接続優先度設定処理が開始され、図17の接続優先度設定処理により接続優先度リストが記憶されたことに応じて、図20の内部通信制御処理が開始されるように説明したが、それらの処理は、ユーザからの開始指示に応じて、別途開始するようにしてもよい。すなわち、ユーザからの接続優先度設定開始の指示に応じて、図17の接続優先度設定処理が開始され、その後、例えば、モニタに表示される接続優先度リストを確認したユーザからの通信開始の指示に応じて、図20の内部通信制御処理が開始されるようにしてもよい。
また、上記説明における音声データは、モノラルでもステレオでもよく、特に限定されない。
さらに、図21および図22の例においては、接続優先度に基づいて、複数の通信相手から受信され、出力される音声データ、または入力され、複数の通信相手に送信される音声データ(すなわち、複数の通信相手と送受信される音声データ)の音量バランスを調整する例を説明したが、次に、音声データにおける他の音声特性(音声特性情報)の調整処理の例について説明する。
図23は、端末1の内部通信処理部の他の構成例を示している。
なお、図23の内部通信処理部201は、図3の内部通信処理部23の通信制御部81、優先度情報取得部82、および音量調整部85が、通信制御部211、優先度情報取得部212、および音声情報調整部213に入れ替わった点を除いて、その他の構成は、上述した図3の内部通信処理部23と同様の構成である。したがって、図中、図3における場合と対応する部分については同一の符号を付してあり、繰り返しになるので、以下では、その説明は適宜省略する。
すなわち、図23の例の場合、例えば、複数の端末1間で外部通信回線11−2を介して相互に音声データを通信するチャット(会話)において、それぞれの音声データの音量だけでなく、音量以外の他の音声特性も、対応する接続優先度などに応じて制御される場合、すなわち、図23においては、通信における音量以外の他の音声特性も調整される場合を説明する。
図23の通信制御部211は、図3の通信制御部81と同様に、情報入力部27から入力されるユーザの指示、または優先度情報取得部212からの通知に対応して、外部通信インタフェース83を制御し、外部通信回線11−2を介して、通信相手の端末1と通信を行わせる。また、通信制御部211は、外部通信インタフェース83により受信されたノードのID情報を優先度情報取得部212に供給し、ID情報に対応するノードの接続優先度を取得させ、音声情報調整部213を制御し、優先度情報取得部212からのノードの接続優先度に応じた音声特性に調整させる。
なお、上述した図17のステップS28において、優先度算出部57により、各ノードに関する特性情報(「位置」、「方向」、「指向性フィルタ指数」、および「接続確立指数」などの情報)や、接続優先度解析結果が、ID情報に対応付けて、接続度優先度リストとして、記憶部22に登録されている。接続優先度解析結果とは、ノードAの基準空間に基づいて優先度算出部57による求められるもの、すなわち、接続優先度だけでなく、自己と通信相手の相対的な位置関係(自己ノードとの相対方向や相対距離など)も含まれている。これは、上述した図16の接続優先度リストの表示例に、自己ノードの特性情報である「位置」、「方向」、「指向性フィルタ指数」、および「接続確立指数」、並びに、他のノードの特性情報である「位置」、「方向」などが、自己ノードとの相対方向や相対距離などとして表示されていることからもわかる。
すなわち、記録部22の接続度優先度リストに、各ノードの特性情報の位置情報と方向情報としては、取得した情報そのもの、および、自己ノードとの相対方向や相対距離が少なくとも一方が登録されている。これらの接続優先度リストの各情報は、各ノードの特性情報の変化に応じて更新される。
以下においては、説明の便宜上、記録部22に、接続度優先度リストとして登録されている各ノードの特性情報の位置情報と方向情報は、自己ノードとの相対方向や相対距離として説明する。なお、取得した情報そのものが登録されている場合でも、自己ノードの特性情報も登録されているので、自己ノードとの相対方向や相対距離は求めることは容易である。
したがって、通信制御部211は、必要であれば、ID情報に対応するノードの接続優先度だけでなく、記憶部22に記憶されている接続優先度リストの情報のうち、音声情報調整部213が行う音声調整処理に応じて必要な情報を、優先度情報取得部212に取得させ、音声情報調整部213を制御し、優先度情報取得部212からのノードの接続優先度リストの情報(例えば、各ノードの方向情報など)に応じて、音声データの音声特性を調整させる。
優先度情報取得部212は、記憶部22の接続優先度リストを監視し、接続優先度リストが登録されると、通信制御部211に通知する。また、優先度情報取得部212は、通信制御部211から供給されるID情報に対応する、通信制御部211により取得を指示された接続優先度リストの情報を記憶部22から取得し、取得した接続優先度リストの情報を通信制御部211に供給する。その後、優先度情報取得部212は、通信制御部211から供給されたID情報に対応する接続優先度リストを監視し、接続優先度リストのうちの、通信制御部211により取得を指示された情報が変更されたと判定した場合、変更された接続優先度リストの情報を取得し、取得した接続優先度リストの情報を通信制御部211に供給する。
音声情報調整部213は、出力音声情報調整部221および入力音声情報調整部222により構成され、通信制御部211の制御のもと、接続優先度や方向情報などの接続優先度リストの情報に応じて(すなわち、接続優先度リストの情報に応じた重み付けをして)、入力される音声データの調整を行う。
出力音声情報調整部221は、復号部103からの音声データを、通信制御部211の制御のもと、優先度情報取得部212からの各ノードの接続優先度リストの情報に応じて調整することにより、他の端末1より受信された音声データの音声特性(具体的には、音量や明瞭度など)を制御し、混合器86に出力する。入力音声情報調整部222は、分配器87からの音声データを、通信制御部211の制御のもと、優先度情報取得部212からのノードの接続優先度リストの情報に応じた音声データに調整することにより、送信される音声データの音声特性(具体的には、音量や明瞭度など)を制御し、符号化部104に出力する。
なお、図23の例の場合、出力音声情報調整部221は、ノードBからの音声データAb1の音声特性を調整する出力音声情報調整部221−1、ノードNからの音声データAn1の音声特性を調整する出力音声情報調整部221−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されており、入力音声情報調整部222は、ノードBに対しての音声データAb2の音声特性を調整する入力音声情報調整部222−1、ノードNに対しての音声データAn2の音声特性を調整する入力音声情報調整部222−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されている。
すなわち、データ受信部101−1は、ノードBからの音声データAb1を受信し、復号部103を介して、出力音声情報調整部221−1に供給する。出力音声情報調整部221−1は、ノードBからの音声データAb1の音声特性を、ノードBの接続優先度リストの情報に応じて調整し、混合器86に供給する。データ受信部101−2は、ノードNからの音声データAn1を受信し、復号部103を介して、出力音声情報調整部221−2に供給する。出力音声情報調整部221−2は、ノードNからの音声データAn1の音声特性を、ノードNの接続優先度リストの情報に応じて調整し、混合器86に供給する。
また、入力音声情報調整部222−1は、分配器87からの音声データの音声特性を、ノードBの接続優先度リストの情報に応じて調整し、音声データAb2として、符号化部104を介して、データ送信部102−1に供給する。データ送信部102−1は、ノードBに対しての音声データAb2を、対応する端末1−2に送信する。入力音声情報調整部222−2は、分配器87からの音声データの音声特性を、ノードNの接続優先度リストの情報に応じて調整し、音声データAn2として、符号化部104を介して、データ送信部102−2に供給する。データ送信部102−2は、ノードNに対しての音声データAn2を、対応する端末1−3に送信する。
混合器86は、出力音声情報調整部221−1、221−2、…からの音量や明瞭度などの音声特性が調整された音声データを混合し、混合した音声データを、入出力インタフェース25を介して、音声出力部91から出力させる。分配器87は、音声入力部92から入力された音声データを、入出力インタフェース25を介して入力し、入力音声情報調整部222−1、222−2、…に分配する。
図24は、図23の出力音声情報調整部の詳細な構成例を示している。なお、図24においては、説明の便宜上、出力音声情報調整部221−1および221−2のみを説明する。
図24の例の場合、出力音声情報調整部221−1は、図3の出力音量調整部105−1、および出力音質調整部231−1により構成されている。出力音声情報調整部221−2は、図3の出力音量調整部105−2、および出力音質調整部231−2により構成されている。なお、以下、出力音質調整部231−1および231−2を個々に説明する必要がない場合、まとめて出力音質調整部231とも称する。
出力音質調整部231は、通信制御部211の制御のもと、接続優先度に応じた明瞭度になるように、音声データの音質の調整を行う。すなわち、出力音質調整部231は、音声データが接続優先度に応じた明瞭度になるように、図25を参照して後述する帯域制限フィルタやぼかしフィルタを用いて、音声データの音質を調整する。
具体的には、図24の例の場合、通信制御部211は、ノードBからの音声データAb1をノードBの接続優先度に応じた音量に調整させるように出力音量調整部105−1を制御し、ノードBからの音声データAb1をノードBの接続優先度に応じた明瞭度の音質に調整させるように、出力音質調整部231−1を制御する。
同様に、通信制御部211は、ノードNからの音声データAn1をノードNの接続優先度に応じた音量に調整させるように出力音量調整部105−2を制御し、ノードNからの音声データAn1をノードNの接続優先度に応じた明瞭度の音質に調整させるように、出力音質調整部231−2を制御する。
出力音量調整部105−1は、復号部103より供給される、ノードBからの音声データAb1の音量を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、出力音質調整部231−1に供給する。出力音質調整部231−1は、出力音量調整部105−1からの音声データAb1の音質を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、混合器86に供給する。
出力音量調整部105−2は、復号部103より供給される、ノードNからの音声データAn1の音量を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、出力音質調整部231−2に供給する。出力音質調整部231−2は、出力音量調整部105−2からの音声データAn1の音質を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、混合器86に供給する。
図25は、図23の入力音声情報調整部の詳細な構成例を示している。なお、図25においては、説明の便宜上、入力音声情報調整部222−1および222−2のみを説明する。
図25の例の場合、入力音声情報調整部222−1は、図3の入力音量調整部106−1、および入力音質調整部232−1により構成されている。入力音声情報調整部222−2は、図3の入力音量調整部106−2、および入力音質調整部232−2により構成されている。なお、以下、入力音質調整部232−1および232−2を個々に説明する必要がない場合、まとめて入力音質調整部232とも称する。
入力音質調整部232は、通信制御部211の制御のもと、接続優先度に応じた明瞭度になるように、音声データの音質調整を行う。すなわち、入力音質調整部232は、音声データが接続優先度に応じた明瞭度になるように、出力音質調整部231と同様の帯域制限フィルタやぼかしフィルタを用いて、音声データの音質を調整する。
具体的には、図25の例の場合、通信制御部211は、分配器87からの音声データを、音声データAb2として、ノードBの接続優先度に応じた音量に調整させるように入力音量調整部106−1を制御し、ノードBからの音声データAb2をノードBの接続優先度に応じた明瞭度の音質に調整させるように、入力音質調整部232−1を制御する。
同様に、通信制御部211は、分配器87からの音声データを、音声データAn2として、ノードNの接続優先度に応じた音量に調整させるように入力音量調整部106−2を制御し、ノードNからの音声データAn2をノードNの接続優先度に応じた明瞭度の音質に調整させるように、入力音質調整部232−2を制御する。
入力音量調整部106−1は、分配器87より供給される音声データの音量を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、音声データAb2として、入力音質調整部232−1に供給する。入力音質調整部232−1は、入力音量調整部106−1からの音声データAb2の音質を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、符号化部104を介して、データ送信部102−1に供給する。
入力音量調整部106−2は、分配器87より供給される音声データの音量を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、音声データAn2として、入力音質調整部232−2に供給する。入力音質調整部232−2は、入力音量調整部106−2からの音声データAn2の音質を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、符号化部104を介して、データ送信部102−2に供給する。
なお、図24および図25の例においては、出力音声情報調整部221においても、入力音声情報調整部222においても、音量調整の後に音質調整を行うようにしたが、処理の順番はそれに限定されず、音質調整後に音量調整が行われるようにしてもよい。
次に、図26を参照して、図24の出力音質調整部231および図25の入力音質調整部232により用いられるフィルタについて説明する。
図26の例においては、横軸が周波数(音の高さ)を表わし、縦軸は音量の大きさを表すグラフ251乃至254が示されている。図26のグラフ251乃至254は、音声調整に用いられるフィルタの周波数特性を表わすものである。
グラフ251および252は、それぞれローパスフィルタおよびハイパスフィルタの周波数特性を表わしている。両軸とグラフ251で囲まれる範囲は、ローパスフィルタにおいて音声が通過する通過域であり、横軸とグラフ252で囲まれる範囲(ハッチング範囲)は、ハイパスフィルタにおいて音声が通過する通過域である。ローパスフィルタに音声データを入力すると、出力される音声は、グラフ251の周波数特性に従って変化し、ハイパスフィルタに音声データを入力すると、出力される音声は、グラフ252の周波数特性に従って変化する。
すなわち、ローパスフィルタは、グラフ251に示されるように、低い音声に対してはそのまま通過させるが、ある程度高い音声に対しては通過させにくくし、高い音声に対しては通過させない特性を有している。また、ハイパスフィルタは、グラフ252に示されるように、高い音声に対してはそのまま通過させるが、ある程度低い音声に対しては通過させにくくし、低い音声に対しては通過させない特性を有している。
グラフ253は、バンドパスフィルタ(帯域制限フィルタ)の周波数特性を表わしている。横軸とグラフ253で囲まれる範囲(ハッチング範囲)は、バンドパスフィルタにおいて音声が通過する通過域である。バンドパスフィルタに音声データを入力すると、出力される音声は、グラフ253の周波数特性に従って変化する。
すなわち、バンドパスフィルタは、グラフ253に示されるように、特定の周波数(グラフ253の中心の周波数)付近の音声に対してはそのまま通過させるが、中心の周波数からある程度低いまたは高い音声に対しては通過させにくくし、中心の周波数から低いまたは高い音声に対しては通過させない特性を有している。
グラフ254は、ガウス関数を用いたぼかしフィルタであるガウスぼかしフィルタの周波数特性を表わしている。横軸とグラフ254で囲まれる範囲は、ガウスぼかしフィルタにおいて音声が通過する通過域である。いまの場合、中心の周波数が異なる3種類のガウスぼかしフィルタの周波数特性が示されている。これらガウスぼかしフィルタに音声データを入力すると、出力される音声は、グラフ254の各周波数特性に従って変化する。
すなわち、ガウスぼかしフィルタは、グラフ254に示されるように、入力された音声の中心の周波数からの距離に応じた重み付けを行って出力する特性を有している。
以上のようなフィルタが用いられて、接続優先度に応じた明瞭度になるように、音声データの音質が調整される。これにより、優先度の高いノードからの音声が、優先度の低いノードからの音声より明瞭に聞こえるようになり、逆に、優先度の低いノードからの音声が優先度の高いノードからの音声より不明瞭に聞こえるようになる。
次に、図27のフローチャートを参照して、図23の内部通信処理部201により実行される内部通信制御処理の例を説明する。なお、図27は、図20を参照して上述した端末1−1の内部通信制御処理の他の例であり、図27の例において、図20と同じ処理の詳細説明については適宜省略する。
例えば、図17のステップS28において、優先度算出部57により、接続優先度リストが記憶部22に登録される。優先度情報取得部212は、記憶部22の接続優先度リストを監視し、接続優先度リストが登録されると、通信制御部211に通知する。通信制御部211は、優先度情報取得部212からの通知が入力されるのを待機しており、優先度算出部57からの通知が入力されたと判定した場合、図20の処理と同様に、図27の内部通信制御処理を開始する。
通信制御部211は、ステップS151において、データ送信部102−1を制御し、通信相手のノード(例えば、ノードBの端末1−2)と、外部通信回線11−2を介して接続させる。
このとき、データ送信部102−1は、外部通信回線11−2を介して、端末1−2に対して、ノードBのノードIDを要求する。端末1−2は、端末1−1からの要求を受信すると、外部通信回線11−2を介して、端末1−1に対して、ノードBのノードID情報を送信してくる。
データ受信部101−1は、端末1−2からのノードBのノードID情報を受信し、通信制御部211に供給する。通信制御部211は、ステップS152において、データ受信部101−1からノードBのノードID情報を取得し、ステップS153に進み、優先度情報取得部212を制御し、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードID情報があるか否かを判定し、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードID情報がないと判定された場合、ステップS154に進む。
優先度情報取得部212は、ステップS154において、記憶部22の接続優先度リストにノードID情報がないと判定され、接続優先度リストの情報が設定されていないノードBに、規定の接続優先度リストの情報(図24および図25の例の場合、接続優先度)を設定し、ステップS155に進む。
ステップS153において、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードID情報があると判定された場合、優先度情報取得部212は、ノードBに対応する接続優先度リストの情報を取得し、ステップS154をスキップし、ステップS155に進む。
ステップS155において、通信制御部211は、通信候補となるすべての通信相手と接続されたか否かを判定し、通信候補となるすべての通信相手と接続されていないと判定した場合、ステップS151に戻り、次の通信相手(例えば、ノードN)と、それ以降の処理を繰り返す。
ステップS155において、通信候補となるすべての通信相手と接続されたと判定された場合、通信制御部211は、ステップS156に進み、各ノードから受信されたり、各ノードに対して送信される音声データを処理する音声情報調整部213に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストの情報(図24および図25の例の場合、接続優先度)に応じて、音声特性の調整度合いを設定し、ステップS157に進む。
具体的には、通信制御部211は、出力音量調整部105または入力音量調整部106に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストに応じた音声特性の調整度合いとして、音量バランス(重み付け)を設定し、出力音質調整部231または入力音質調整部232に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストに応じた音声特性の調整度合いとして、明瞭度を設定する。
通信制御部211は、ステップS157において、外部通信インタフェース83および音声情報調整部213を制御し、音声特性調整処理を実行する。この音声特性調整処理を、図28のフローチャートを参照して説明する。なお、図28の例においては、図24の出力音声情報調整部221の場合を説明する。
外部通信インタフェース83のデータ受信部101−1は、図28のステップS171において、通信制御部211の制御のもと、ノードBからの音声データを受信し、受信した音声データを復号部103に供給し、ステップS172に進む。
復号部103は、ステップS172において、データ受信部101−1により受信された音声データ(デジタルデータ)を復号し、復号された音声データ(アナログデータ)を音量調整部105−1に供給し、ステップS173に進む。
出力音量調整部105−1は、ステップS173において、復号部103により復号された、ノードBからの音声データAb1の音量を、ステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの音量バランスに応じて調整し、出力音質調整部231−1に供給し、ステップS174に進む。
出力音質調整部231−1は、ステップS174において、帯域制限フィルタやぼかしフィルタを用いて、出力音量調整部105−1により音量が調整された、ノードBからの音声データAb1の音質を、ステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの明瞭度に応じて調整し、混合器86に供給し、ステップS175に進む。
なお、ステップS171乃至S174においては、データ受信部101−1がノードBからの音声データAb1を受信し、出力音量調整部105−1および出力音質調整部231−1が処理する例を説明したが、この処理は、ノードNからの音声データAn1を受信し、処理するデータ受信部101−2および出力音量調整部105−2および出力音質調整部231−2などにおいても同様に実行される。
混合器86は、ステップS175において、出力音質調整部231−1、231−2、…からの音声特性が調整された音声データを混合し、混合した音声データを、入出力インタフェース25を介して、音声出力部91から出力させ、音声特性調整処理を終了する。そして、処理は、図27のステップS157に戻り、ステップS158に進む。
ステップS158において、記憶部22に登録されている接続優先度リストを監視し、通信が確立されている端末のID情報の接続優先度リストの情報が変更(更新)されたか否かを判定し、接続優先度リストの情報が変更されたと判定した場合、変更された接続優先度リストの情報を通信制御部211に供給し、ステップS156に戻り、それ以降の処理を繰り返す。すなわち、このステップS156においては、音声情報調整部213に対して、変更された接続優先度に応じた音声特性の調整度合い(すなわち、音量や明瞭度)を設定し、以降の処理を繰り返す。
ステップS158において、接続優先度リストの情報が変更されていないと判定した場合、ステップ159に進み、情報入力部27から入力されるユーザaの通信終了を指示する操作信号に基づいて、情報取得制御部54が通信を終了するか否かを判定し、情報取得制御部54が通信を終了しないと判定した場合、ステップS157に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
すなわち、この場合、変更されていない接続優先度に応じた音声特性調整処理が実行される。
ステップS159において、通信制御部211は、情報入力部27から入力されるユーザaの通信終了を指示する操作信号に基づいて、通信を終了すると判定した場合、各端末と接続を停止し、内部通信制御処理を終了する。
次に、図29のフローチャートを参照して、図27のステップS157の音声特性調整処理の例を説明する。すなわち、図29の処理は、図25の入力音声情報調整部222による、図28の音声特性調整処理の他の例である。
図29の例の場合、図27のステップS156において、通信制御部211により、入力音量調整部106に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストに応じた音声特性の調整度合いとして、音量バランス(重み付け)が設定され、入力音質調整部232に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストに応じた音声特性の調整度合いとして、明瞭度が設定されている。
分配器87は、ステップS181において、音声入力部92から入出力インタフェース25を介して入力される、ユーザaの音声に対応する音声データを、入力音量調整部106−1、106−2、…に分配し、ステップS182に進む。
入力音量調整部106−1は、ステップS182において、分配器87からの音声データの音量を、ステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの音量バランス(重み付け)に応じて調整し、ノードBに対しての音声データAb2として、入力音質調整部232−1に供給し、ステップS183に進む。
入力音質調整部232−1は、ステップS183において、入力音量調整部106−1からの音声データAb2の音質を、ステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの明瞭度に応じて調整し、符号化部104に供給し、ステップS184に進む。
ステップS184において、符号化部104は、入力音量調整部106−1および入力音質調整部232−1により音量および音質が調整された音声データ(アナログデータ)を符号化し、符号化された音声データ(デジタルデータ)をデータ送信部102−1に供給し、ステップS185に進む。
ステップS185において、データ送信部102−1は、通信制御部211の制御のもと、符号化部104により符号化された音声データを、外部通信回線11−2を介して対応するノードBの端末1−2に送信する。
なお、ステップS182乃至S185においては、入力音量調整部106−1および入力音質調整部232−1がノードBに対しての音声データAb2を処理し、データ送信部102−1がノードBの端末1−2に送信する例を説明したが、この処理は、ノードNに対しての音声データAn2を処理し、送信する入力音量調整部106−2、入力音質調整部232−1、およびデータ送信部102−2などにおいても同様に実行され、音声特性調整処理を終了する。そして、処理は、図27のステップS157に戻り、ステップS158に進む。
以上のように、複数のノードとの通信を行う際に、求められた各ノードの接続優先度に応じて、通信する音声データの特性として、音量だけでなく音質も調整されるので、優先度の高いノードからの音声が大きく、明瞭に聞こえるようになり、優先度の低いノードからの音声が小さく、不明瞭に聞こえるようになる。
したがって、音声データの音量だけを調整する場合よりも、さらに、複数の通信相手との通信に、接続優先度に応じた重み付けなどの制御を行うことができ、複数のノードと行う通信のバランスを最適にすることができる。すなわち、複数のノードとの通信であっても、さらに最適な通信を行うことができる。
図30は、図23の出力音声情報調整部の詳細な構成例を示している。すなわち、図30は、図24の出力音声情報調整部の他の構成例であり、特に、図30の例においては、受信部101によりモノラルの音声データが受信される場合の例が示されている。
また、図30の例において、混合器86は、右音声データを混合する右用混合器86−1、および、左音声データを混合する左用混合器86−2により構成されている。同様に、音声出力部91は、右音声データに対応する右音声を出力する右音声出力部91−1、および左音声データに対応する左音声を出力する左音声出力部91−2により構成されており、入出力インタフェース25は省略されている。
図30の出力音声情報調整部221−1は、出力音量調整部105−1、出力音質調整部231−1、および出力音源位置調整部261−1により構成されており、出力音声情報調整部221−2は、出力音量調整部105−2、出力音質調整部231−2、および出力音源位置調整部261−2により構成されている。なお、以下、出力音源位置調整部261−1および261−2を個々に説明する必要がない場合、まとめて出力音源位置調整部261とも称する。
出力音源位置調整部261は、出力音量調整部105および出力音質調整部231により接続優先度に応じて複数の端末との通信バランスが最適になるように調整された音声データの音声特性の左右バランスを、各ノードの方向情報に応じて調整する。すなわち、出力音源位置調整部261は、供給される音声データから、右音声データおよび左音声データを生成し、通信制御部211の制御のもと、出力される音声が各ノードの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように、右音声データおよび左音声データの音量、音質などの音声特性の左右バランスを調整する。
例えば、具体的には、出力音源位置調整部261は、自己ノードにおいて出力される音声が、自己ノードに対する各ノードの方向情報(すなわち、各ノードの自己ノードとの相対方位)に応じた音源位置から聞こえるように、音像定位デジタルフィルタなどを用いて、右音声データおよび左音声データの左右バランスの調整を行う。なお、この場合の音声出力部91は、図32を参照して後述するステレオヘッドフォン281で構成される。
ここで、音像定位デジタルフィルタとは、従来から、数多く提案されている、頭部や耳介による反射、回折、共振などの伝達経路を考慮した頭部音響伝達関数であり、特開平8−265900号公報には、頭の方向に対応する頭部音響伝達関数が近似されるデジタルフィルタの係数が、頭の方向や頭と音源の距離に応じて補正可能であることが記載されている。
すなわち、出力音源位置調整部261は、例えば、上述した音像定位デジタルフィルタ(各ノードの方向情報に応じて求められた音像定位デジタルフィルタや、さらに、場合によっては、各ノードの方向情報に応じて係数が補正された音像定位デジタルフィルタ)を用いて、モノラルのデータ(出力音質調整部231からの音声データ)と音像定位デジタルフィルタとを畳み込み演算して、3次元の任意の位置(いまの場合、各ノードの方位に基づく位置)に音像定位するステレオのデータ(右音声データおよび左音声データ)を出力することにより、右音声データおよび左音声データの左右バランスの調整を行う。
図30の例においては、通信制御部211は、ノードBからの音声データAb1をノードBの接続優先度に応じた音量に調整させるように出力音量調整部105−1を制御し、ノードBからの音声データAb1をノードBの接続優先度に応じた音質に調整させるように、出力音質調整部231−1を制御する。さらに、通信制御部211は、出力される音声(ノードBからの音声データAb1に対応する音声)が、ノードBの接続優先度リストの情報である方向情報に応じた音源位置から聞こえるように出力音源位置調整部261−1を制御する。
同様に、通信制御部211は、ノードNからの音声データAn1をノードNの接続優先度に応じた音量に調整させるように出力音量調整部105−2を制御し、ノードNからの音声データAn1をノードNの接続優先度に応じた音質に調整させるように、出力音質調整部231−2を制御する。さらに、通信制御部211は、出力される音声(ノードNからの音声データAn1に対応する音声)が、ノードNの接続優先度リストの情報である方向情報に応じた音源位置から聞こえるように出力音源位置調整部261−2を制御する。
出力音量調整部105−1は、復号部103より供給される、ノードBからの音声データAb1の音量を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、出力音質調整部231−1に供給する。出力音質調整部231−1は、出力音量調整部105−1からの音声データAb1の音質を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、出力音源位置調整部261−1に供給する。
出力音源位置調整部261−1は、出力音質調整部231−1により調整された音声データAb1から、右音声データAb1−1および左音声データAb1−2を生成し、通信制御部211の制御のもと、出力される音声がノードBの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように、右音声データAb1−1および左音声データAb1−2の音声特性の左右バランスを調整する。そして、出力音源位置調整部261−1は、右音声データAb1−1を混合器86−1に出力し、左音声データAb1−2を混合器86−2に出力する。
出力音量調整部105−2は、復号部103より供給される、ノードNからの音声データAn1の音量を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、出力音質調整部231−2に供給する。出力音質調整部231−2は、出力音量調整部105−2からの音声データAn1の音質を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、出力音源位置調整部261−2に供給する。
出力音源位置調整部261−2は、出力音質調整部231−2により調整された音声データAn1から、右音声データAn1−1および左音声データAn1−2を生成し、通信制御部211の制御のもと、出力される音声がノードNの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように、右音声データAn1−1および左音声データAn1−2の音声特性の左右バランスを調整する。そして、出力音源位置調整部261−2は、右音声データAn1−1を混合器86−1に出力し、左音声データAn1−2を混合器86−2に出力する。
混合器86−1は、出力音源位置調整部261−1から、音量、音質、音源位置などの音声特性が調整された右音声データAb1−1および出力音源位置調整部261−2から、音量、音質、音源位置などの音声特性が調整された右音声データAn1−1を混合し、混合した音声データを、入出力インタフェース25を介して、右音声出力部91−1から出力させる。
図31は、図23の入力音声情報調整部の詳細な構成例を示している。すなわち、図31は、図25の入力音声情報調整部の他の構成例であり、図31の例においては、音声入力部92よりモノラルの音声データが入力される場合の例が示されている。
図31の入力音声情報調整部222−1は、入力音量調整部106−1、入力音質調整部232−1、および入力音源位置調整部262−1により構成されており、入力音声情報調整部222−2は、入力音量調整部106−2、入力音質調整部232−2、および入力音源位置調整部262−2により構成されている。なお、以下、入力音源位置調整部262−1および262−2を個々に説明する必要がない場合、まとめて入力音源位置調整部262とも称する。
入力音源位置調整部262は、出力音源位置調整部261と同様に、入力音量調整部106および入力音質調整部232によりにより接続優先度に応じて複数の端末との通信バランスが最適になるように調整された音声データの音声特性の左右バランスを、各ノードの方向情報に応じて調整する。すなわち、入力音源位置調整部262は、入力音質調整部232により調整された音声データから、右音声データおよび左音声データを生成し、通信制御部211の制御のもと、各ノードの接続優先度リストの情報である方向情報に基づいて、各ノードにおいて出力される音声が自己ノードの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように、右音声データおよび左音声データの音声特性の左右バランスの調整を行う。
例えば、具体的には、入力音源位置調整部262は、各ノードの接続優先度リストの情報である方向情報(すなわち、各ノードの自己ノードとの相対方位)に基づいて、各ノードにおいて出力される音声がノードAの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように、出力音源位置調整部261と同様の音像定位デジタルフィルタなどを用いて、右音声データおよび左音声データの左右バランスの調整を行う。
図31の例においては、通信制御部211は、分配器87からの音声データを、音声データAb2として、ノードBの接続優先度に応じた音量に調整させるように入力音量調整部106−1を制御し、ノードBからの音声データAb2をノードBの接続優先度に応じた音質に調整させるように、入力音質調整部232−1を制御する。
さらに、通信制御部211は、ノードBの接続優先度リストの情報である方向情報(ノードAとの相対方向情報)に基づいて、ノードBにおいて出力される音声(ノードBからの音声データAb2に対応する音声)が、ノードAの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように入力音源位置調整部262−1を制御する。
同様に、通信制御部211は、分配器87からの音声データを、音声データAn2として、ノードNの接続優先度に応じた音量に調整させるように入力音量調整部106−2を制御し、ノードNからの音声データAn2をノードNの接続優先度に応じた音質に調整させるように、入力音質調整部232−2を制御する。
さらに、通信制御部211は、ノードNの接続優先度リストの情報である方向情報(ノードAとの相対方向情報)に基づいて、ノードNにおいて出力される音声(ノードNからの音声データAn2に対応する音声)が、ノードAの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように入力音源位置調整部262−2を制御する。
入力音量調整部106−1は、分配器87より供給される音声データの音量を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、音声データAb2として、入力音質調整部232−1に供給する。入力音質調整部232−1は、入力音量調整部106−1からの音声データAb2の音質を、ノードBの接続優先度に応じて調整し、入力音源位置調整部262−1に供給する。
入力音源位置調整部262−1は、入力音質調整部232−1からの音声データAb2から、右音声データAb2−1および左音声データAb2−2を生成し、通信制御部211の制御のもと、ノードBの接続優先度リストの情報である方向情報(ノードAとの相対方位)に基づいて、ノードBにおいて出力される音声がノードAの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように、右音声データAb2−1および左音声データAb2−2の左右バランスを調整し、右音声データAb2−1および左音声データAb2−2を、符号化部104を介して、データ送信部102−1に供給する。
入力音量調整部106−2は、分配器87より供給される音声データの音量を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、音声データAn2として、入力音質調整部232−2に供給する。入力音質調整部232−2は、入力音量調整部106−2からの音声データAn2の音質を、ノードNの接続優先度に応じて調整し、入力音源位置調整部262−2に供給する。
入力音源位置調整部262−2は、入力音質調整部232−2からの音声データAn2から、右音声データAn2−1および左音声データAn2−2を生成し、通信制御部211の制御のもと、ノードNの接続優先度リストの情報である方向情報(ノードAとの相対方位)に基づいて、ノードNにおいて出力される音声がノードAの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように、右音声データAn2−1および左音声データAn2−2の左右バランスを調整し、右音声データAn2−1および左音声データAbn−2を、符号化部104を介して、データ送信部102−2に供給する。
なお、図30および図31の例においては、出力音声情報調整部221においても、入力音声情報調整部222においても、音量調整、音質調整、および音源位置調整の順に処理を行うようにしたが、音声特性調整処理の順番はそれに限定されない。
次に、図32を参照して、図30の出力音源位置調整部261および図31の入力音源位置調整部262により行われる音源位置調整の効果について説明する。
図32の例においては、ノードAのユーザaは、右音声出力部91−1および左音声出力部91−2で構成される音声出力部91としてのステレオヘッドフォン281を頭に装着して、正面方向paを向き、端末1−1を用いて、ノードB、ノードC、およびノードDと音声データの通信を行っている。
そして、ノードAのステレオヘッドフォン281からは、出力音量調整部105および出力音質調整部231により各ノードの接続優先度に応じて音量および音質が調整され、出力音源位置調整部261により各ノードの方向情報に応じた音源位置から聞こえるように左右バランスが調整された各ノードからの音声データに対応する音声が出力されている。
図32の場合、ノードBは、ノードAの正面方向paとの相対方位θabの方向情報と、ノードCおよびノードDと比較して最も高い接続優先度を有している。ノードCは、ノードAの正面方向paとの相対方位θacの方向情報と、ノードCおよびノードDと比較して最も低い接続優先度を有している。ノードDは、ノードAの正面方向paとの相対方位θadの方向情報と、ノードAよりも低く、ノードCよりも高い接続優先度を有している。
すなわち、ノードBからの音声データに対応する音声は、最も高い優先度情報に応じて、最も近くから聞こえるように最も大きく、明瞭に、かつ、ノードAの正面方向paとの相対方位θabから聞こえるように、ステレオヘッドフォン281から出力される。ノードCからの音声データに対応する音声は、最も低い優先度情報に応じて、最も遠くから聞こえるように最も小さく、不明瞭にかつ、ノードAの正面方向paとの相対方位θacから聞こえるようにステレオヘッドフォン281から出力される。
ノードDからの音声データに対応する音声は、中間の優先度情報に応じた距離から聞こえるような大きさと明瞭度で、かつ、ノードAの正面方向paとの相対方位θadから聞こえるようにステレオヘッドフォン281から出力される。
以上のように、各ノードからの音声データが、各ノードの方位情報により求められる音源位置から聞こえるように、すなわち、音像定位するように調整されるので、音量および音質を調整した場合だけの場合よりも、頭外感や現実感が得られ、複数のノードとの通信において、さらに最適な通信を行うことができる。
次に、図33のフローチャートを参照して、図27のステップS157の音声特性調整処理の例を説明する。すなわち、図33の処理は、図30の出力音声情報調整部221による、図28の音声特性調整処理の他の例である。
なお、図33の例の場合、図27のステップS156において、通信制御部211は、出力音量調整部105に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストに応じた音量バランスを設定し、出力音質調整部231に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストに応じた明瞭度を設定している。さらに、通信制御部211は、出力音源位置調整部261に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストの情報のうちの方向情報に応じた左右バランス(具体的な例としては、音像定位デジタルフィルタ)を設定している。
外部通信インタフェース83のデータ受信部101−1は、図33のステップS211において、通信制御部211の制御のもと、ノードBからの音声データを受信し、受信した音声データを復号部103に供給し、ステップS212に進む。
復号部103は、ステップS212において、データ受信部101−1により受信された音声データ(デジタルデータ)を復号し、復号された音声データ(アナログデータ)を音量調整部105−1に供給し、ステップS213に進む。
出力音量調整部105−1は、ステップS213において、復号部103により復号された、ノードBからの音声データAb1の音量を、図27のステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの音量バランス(重み付け)に応じて調整し、出力音質調整部231−1に供給し、ステップS214に進む。
出力音質調整部231−1は、ステップS214において、出力音量調整部105−1により音量が調整された、ノードBからの音声データAb1の音量を、ステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの音声の明瞭度に応じて調整し、出力音源位置調整部261−1に供給し、ステップS215に進む。なお、この音質調整処理には、帯域制限フィルタやぼかしフィルタが用いられる。
出力音源位置調整部261−1は、ステップS215において、出力音質調整部231−1により調整された音声データAb1から、右音声データAb1−1および左音声データAb1−2を生成し、ステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの左右バランス(重み付け)に応じて、左右の音声データの音声特性を調整する。
そして、出力音源位置調整部261−1は、右音声データAb1−1を、混合器86−1に出力し、左音声データAb1−2を混合器86−2に出力し、ステップS216に進む。なお、具体的には、この音源位置調整処理には、音像定位デジタルフィルタが用いられる。
なお、ステップS211乃至S215においては、データ受信部101−1がノードBからの音声データAb1を受信し、出力音量調整部105−1、出力音質調整部231−1、および出力音源位置調整部261−1が処理する例を説明したが、この処理は、ノードNからの音声データAn1を受信し、処理するデータ受信部101−2および出力音量調整部105−2、出力音質調整部231−2、および出力音源位置調整部261−2などにおいても同様に実行される。
右用混合器86−1、左用混合器86−2は、ステップS216において、出力音質調整部231−1、231−2、…からの音声特性が調整された右音声データ、左音声データをそれぞれ混合し、混合した音声データを、入出力インタフェース25を介して、右音声出力部91−1、左音声出力部91−2からそれぞれ出力させ、音声特性調整処理を終了する。そして、処理は、図27のステップS157に戻り、ステップS158に進む。
さらに、図34のフローチャートを参照して、図27のステップS157の音声特性調整処理の他の例を説明する。すなわち、図34の処理は、図31の入力音声情報調整部222による、図29の音声特性調整処理の他の例である。
なお、図34の例の場合、図33の例の場合と同様に、図27のステップS156において、通信制御部211は、入力音量調整部106に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストに応じた音量バランスを設定し、入力音質調整部232に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストに応じた明瞭度を設定している。さらに、通信制御部211は、入力音源位置調整部262に対して、優先度情報取得部212により取得(設定)された接続優先度リストの情報のうちの方向情報に応じた左右バランス(具体的な例としては、音像定位デジタルフィルタ)を設定している。
分配器87は、ステップS231において、音声入力部92から入出力インタフェース25を介して入力される、ユーザaの音声に対応する音声データを、入力音量調整部106−1、106−2、…に分配し、ステップS232に進む。
入力音量調整部106−1は、ステップS232において、分配器87からの音声データの音量を、図27のステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの音量バランス(重み付け)に応じて調整し、ノードBに対しての音声データAb2として、入力音質調整部232−1に供給し、ステップS233に進む。
入力音質調整部232−1は、ステップS233において、入力音量調整部106−1からの音声データAb2の音質を、ステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの音声の明瞭度に応じて調整し、入力音源位置調整部262−1に供給し、ステップS234に進む。
入力音源位置調整部262−1は、ステップS234において、入力音質調整部232−1により調整された音声データAb2から、右音声データAb2−1および左音声データAb2−2を生成し、ステップS156において通信制御部211により設定されたノードBの左右バランス(重み付け)に応じて、左右の音声データの音声特性を調整する。そして、入力音源位置調整部262−1は、右音声データAb2−1および左音声データAb1−2を符号化部104に出力し、ステップS235に進む。
ステップS235において、符号化部104は、入力音量調整部106−1、入力音質調整部232−1、および入力音源位置調整部262−1により音量、音質、音源位置が調整された音声データ(アナログデータ)を符号化し、符号化された音声データ(デジタルデータ)をデータ送信部102−1に供給し、ステップS236に進む。
ステップS236において、データ送信部102−1は、通信制御部211の制御のもと、符号化部104により符号化された音声データを、外部通信回線11−2を介して対応するノードBの端末1−2に送信する。
なお、ステップS232乃至S236においては、入力音量調整部106−1、入力音質調整部232−1、および入力音源位置調整部262−1がノードBに対しての音声データAb2を処理し、データ送信部102−1がノードBの端末1−2に送信する例を説明したが、この処理は、ノードNに対しての音声データAn2を処理し、送信する入力音量調整部106−2、入力音質調整部232−2、入力音源位置調整部262−2、およびデータ送信部102−2などにおいても同様に実行され、音声特性調整処理を終了する。そして、処理は、図27のステップS157に戻り、ステップS158に進む。
以上のように、複数のノードとの通信を行う際に、求められた各ノードの接続優先度に応じて、重み付けをして通信する音声データの音量や音質だけでなく、各ノードの特性情報である方向情報(自己ノードとの相対方位)に応じて、左右バランス、すなわち、聞こえる音声の音源位置を調整するようにしたので、音声データの音量や音質だけを調整する場合よりも、十分な頭外感や方向感、現実感が得られることで、ユーザは、より通信のバランスに応じた音声を聞くことができる。したがって、複数のノードと行う通信のバランスが調整され、より最適な通信を行うことができる。
なお、上記説明においては、音声入力部91から入力された各ユーザの音声データを、複数の通信相手と送受信する場合を説明したが、例えば、お互いに視聴中の、例えば、端末1の記憶部22などの記録媒体に予め記憶されている、各ユーザ固有の音声データや各ユーザが所有する音声データ(例えば、楽曲データなど)を通信相手と送受信することも可能である。すなわち、他のユーザである通信相手の視聴中の楽曲データを聞くことができるので、一緒に楽しむことができ、さらに、これにより、ユーザの購買意欲を増大させ、楽曲データの販売促進を促すことにもつながる。
この場合、ユーザが、仮に、通信相手からの楽曲データをコピーしようとしても、接続優先度により音量や音質、音源位置が調整された楽曲データがコピーされてしまうので、正確な楽曲データはコピーされることが抑制されるが、万一の場合を考慮し、楽曲データには、コピー防止が施されるようにしてもよい。
また、上記説明においては、複数の通信相手から受信され、出力される音声データ、または複数の通信相手に送信される音声データ(すなわち、複数の通信相手と送受信される音声データ)の音声特性を調整する処理の例を説明したが、音声データに限らず、この接続優先度は、例えば、複数の通信相手と送受信される映像データの透明度の制御や、映像データを子画面表示する場合の子画面の大きさの制御、または、映像データの解像度の制御などの制御にも用いることができる。
以上のように、自己および通信相手の各ノードの位置情報、方向情報、ID情報、指向性フィルタ指数情報、接続確立指数情報などからなる特性情報を取得し、取得した相互の特性情報に基づいて、自己と通信相手のノードとの接続優先度を算出するようにしたので、複数ノード間において通信を行う場合に、接続するノードが増えたとしても、その接続優先度に応じて、通信の内容(すなわち、どのノードを優先するかなど)を制御することができる。
これにより、例えば、音声データの音声特性である音量バランスや音質を調整したり、画像データの解像度などを調整したりすることができるので、複数ノード間においても、混信などが抑制され、快適な通信を行うことができる。
また、優先度情報だけでなく、自己および通信相手の各ノードの特性情報を用いても、データの特性を調整するようにしたので、例えば、音声データの左右バランスを調整することにより、通信相手から受信した音声データを音像定位して聞くことができ、十分な頭外感や方向感を得ることができる。
さらに、位置情報、方向情報、指向性フィルタ指数情報、および接続確立指数情報などの特性情報の変化に応じて、接続優先度も更新するようにしたので、各ノードの状態が変わったとしても簡単に対応できる。
また、位置情報や方向情報を、ユーザや端末に連動させて入力されるようにしたので、簡単で自然な操作により複数ノード間における通信バランスを最適に制御することができる。
なお、上記説明においては、端末1が個人的に用いられる例を説明したが、本発明の端末1は、もちろん、例えば、図1におけるノードNの端末1−3が街頭の店舗内あるいは店舗前に設置される(すなわち、店舗が端末1−3を有する)場合のような商業的な用途にも用いるようにしてもよい。
具体的には、店舗内あるいは店舗前に設置される端末1−3において、記憶部22などに蓄積されている、その店舗固有の音声データ(すなわち、その店舗を宣伝する内容の音声データ)が再生され、ノードAやBなどに対して通信されている場合に、端末1−1を操作するユーザaが店舗の方向(ノードN方向)を向いたり、あるいは近づくことにより、端末1−1においては、方向情報や位置情報などが変更され、端末1−1において、ノードNの接続優先度が最も高くなり、その結果、端末1−1から聞こえるノードNの店舗からの音声データの音量が最も大きくなり、音質が最も明確になる。
なお、この場合、端末1−3において、音声データは、再生されていなくてもよいし、再生されている場合、端末1−3からの音声は消音されている場合も考えられ、これらは適宜用途に応じて設定可能である。
これにより、ユーザは、興味のある店舗と通信し、興味のある店舗の方向を向いたり、近づくだけで、興味のある店舗からの宣伝(音声データの音声)を大きく、明確に聞くことができる。すなわち、ユーザは、興味のない店舗の方向を向いたり、近づかなければ、宣伝の音声は、明確には聞こえないので、聞きたくない宣伝を聞くことによるわずらわしさを感じることが抑制される。
さらに、ユーザは、店舗の場所を知らなくても、いま自分が向いた方向、あるいは、移動した辺りに、音声データが対応する音声から聞こえる店舗があることを把握することができる。すなわち、振り向いたり、移動することで変化する音声を聞くだけで、所望の店舗の場所を探すことができる。
一方、店舗の方は、店舗(ノードN)に近づいたユーザ(店舗に興味のあるユーザ)に、明確な宣伝を聞かせることができるので、店舗の存在をアピールしたり、その店舗の商品などの販売促進を図ることができる。換言すれば、本発明を適用することにより、宣伝のための音声データを消音または小さくしても、宣伝効果を得つつ、宣伝の騒音による住民の苦情を減少させることができる。
以上のように、本発明によれば、上述したようなユーザの個人的な効果だけでなく、商品の販売促進など商業的な面でも効果を図ることができる。
なお、上記説明においては、説明の便宜上、ネットワーク2を特性情報通信回線11−1と外部通信回線11−2に分けて説明したため、端末1においては、機能別に、特性情報通信部55と外部通信インタフェース83と分けて構成するようにしたが、特性情報通信回線11−1と外部通信回線11−2を分ける必要がない場合には、1つの通信部として構成するようにしてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図1の端末1−1乃至1−3は、図35に示されるようなパーソナルコンピュータ401により構成される。
図35において、CPU(Central Processing Unit)411は、ROM(Read Only Memory) 412に記憶されているプログラム、または、記憶部418からRAM(Random Access Memory)413にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM413にはまた、CPU411が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
CPU411、ROM412、およびRAM413は、バス414を介して相互に接続されている。このバス414にはまた、入出力インタフェース415も接続されている。
入出力インタフェース415には、キーボード、マウスなどよりなる入力部416、CRT(Cathode Ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部417、ハードディスクなどより構成される記憶部418、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部419が接続されている。通信部419は、無線などのネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース415にはまた、必要に応じてドライブ420が接続され、磁気ディスク421、光ディスク422、光磁気ディスク423、或いは半導体メモリ424などが適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部418にインストールされる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
なお、このプログラムは、全体として上述した一連の処理を実行できれば、その形態は特に限定されない。例えば、上述した各ブロックのそれぞれに対応するモジュールのそれぞれからなるモジュール構成とされてもよいし、幾つかのブロックの機能の一部または全部が組み合わされたモジュール、若しくは、ブロックの機能が分割されたモジュールからなるモジュール構成とされてもよい。或いは、単に1つのアルゴリズムを有するプログラムでもよい。
このプログラムが記録される記録媒体は、図35に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク421(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク422(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク423(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ424などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM412や、記憶部418に含まれるハードディスクなどで構成される。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1−1乃至1−3 端末,2 ネットワーク,3 GPS衛星,4 仮想空間管理サーバ,5 基地局,11−1 特性情報通信回線,11−2 外部通信回線,21 接続優先度解析部,22 記憶部,23 内部通信処理部,24 出力制御部,25 入出力インタフェース,26 動作入力部,27 情報入力部,28 出力部,51 方向検出部,52 特性情報設定部,53 空間情報設定部,54 情報取得制御部,55 特性情報通信部,56 空間情報管理部,57 優先度算出部,61 特性情報送信部,62 特性情報受信部,81 通信制御部,82 優先度情報取得部,83 外部通信インタフェース,84 コーディング部,85 音声調整部,86 混合器,87 分配器,91 音声出力部,92 音声入力部,201 内部通信処理部,211 通信制御部,212 優先度情報取得部,213 音声情報調整部,281 ステレオヘッドフォン