JP2006152204A - 天草エキス、天草エキスの製造方法、石鹸及び石鹸の製造方法 - Google Patents
天草エキス、天草エキスの製造方法、石鹸及び石鹸の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】天草特有の臭いを抑えると共に、植物油などと効率よく且つムラなく混合することが可能な天草エキス(寒天)及び天草エキスの製造方法を提供し、また、この天草エキスを添加した石鹸及び石鹸の製造方法を提供する。
【解決手段】天草を溶かした湯を濾し、得られた液体を冷却して固まらせる。そして、ゼリー状に液体が固まったら、凍結、解凍、洗浄の工程を複数回繰り返して、脱臭及び精製を行い、精製した寒天繊維を加熱、冷却してゼリー状に固め、粉砕して天草エキスを製造する。そして、このゼリー状の天草エキスを苛性ソーダ水溶液に添加し、オイルと混合して石鹸を製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】天草を溶かした湯を濾し、得られた液体を冷却して固まらせる。そして、ゼリー状に液体が固まったら、凍結、解凍、洗浄の工程を複数回繰り返して、脱臭及び精製を行い、精製した寒天繊維を加熱、冷却してゼリー状に固め、粉砕して天草エキスを製造する。そして、このゼリー状の天草エキスを苛性ソーダ水溶液に添加し、オイルと混合して石鹸を製造する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、天草エキス、天草エキスの製造方法、石鹸及び石鹸の製造方法に関し、特に、石鹸などに利用可能な天草エキス、天草エキスの製造方法、及びこの天草エキスを利用した石鹸、石鹸の製造方法に関する。
入浴時や洗顔などに使用する石鹸として、ヨモギエキスやレモンエキス、ハーブエキスなどのエキスを配合した石鹸が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−363065号公報
しかし、天草から抽出した天草エキス(寒天成分)を添加した石鹸を製造する場合は、次のような問題があった。
まず、天草から作成した天草エキスである寒天をそのまま添加して製造された石鹸は、天草特有の臭いが非常に強く、また、エッセンシャルオイルなどで香りを付けるとしても、この天草の臭いが邪魔をして、所望の香りを付けることが困難であった。
また、ゼリー状に固まって凝固した寒天は、80℃以上に熱しなければ完全に溶けず、植物油や苛性ソーダと、寒天(天草エキス)とを混合する40℃前後の温度では、寒天が溶解せず、寒天と植物油などとをムラなく混ぜ合わせることが困難であった。
そして、仮に、寒天を80℃以上に熱して溶解させて植物油などと混合させたとしても、植物油などの温度が40℃前後であるため温度差が大きく、混合物にムラが生じ、寒天の偏りが生じたり、石鹸の部分によって硬さが異なるなどの問題があった。
なお、寒天を一旦煮出して溶解させた後、徐々に溶解した寒天を冷まし、固まる前に植物油などと混合することによって、寒天と植物油などとをムラなく混ぜ合わせることも可能であるが、この方法では、混合作業を行う都度、寒天を煮出し、徐々に冷まさなければならず、効率的に石鹸を製造することができなかった。
さらに、寒天は生物であるため腐敗し易く、冷蔵保存する必要があるが、寒天は冷えると凝固してしまい、石鹸の製造に適した形態で保存することが困難であった。
そこで、本発明では、天草特有の臭いを抑えると共に、植物油などと効率よく且つムラなく混合することが可能な天草エキス(寒天)及び天草エキスの製造方法を提供し、また、この天草エキスを添加した石鹸及び石鹸の製造方法を提供することを目的とする。
本発明における天草エキスは、天草から作成した寒天を凍結させた後に解凍、洗浄して不純物を除去し、不純物を除去した前記寒天を溶解して作成されたことを特徴とする。
この構成では、天草特有の臭いが脱臭され、また、天草エキスを冷蔵保存することができる。
また、天草エキスは、粉砕されていることにより、石鹸素地などに加えられた際に偏りなく混合することができる。
次に、本発明における天草エキスの製造方法は、天草から寒天を作成する工程と、前記寒天を凍結させた後に解凍、洗浄して不純物を除去する脱臭・精製工程と、不純物を除去した前記寒天から寒天を作成する工程とを具備する。
この構成では、天草特有の臭いを脱臭すると共に、冷蔵保存の可能な天草エキスを製造することができる。
また、不純物を除去した前記寒天から作成した寒天を粉砕する工程をさらに具備することにより、石鹸素地などに加えられた際に偏りなく混合することが可能な天草エキスを製造することができる。
本発明における石鹸は、ゲル状の天草エキスが添加された石鹸素地を整形して製造されたことを特徴とする。
この構成では、天草エキスを含有する石鹸の天草特有の臭いを抑えることができる。
また、前記天草エキスは、粉砕されて前記石鹸素地に加えられることにより、天草エキスを偏りなく分散させることができる。
さらに、マルセイユ石鹸製法を用いて製造されることにより、オリーブオイルの濃度が高い天草エキス入り石鹸を提供することができる。
本発明における石鹸の製造方法は、ゲル状の天草エキスが添加された石鹸素地を整形して製造することを特徴とする。
この構成では、の天草特有の臭いを抑えた天草エキス含有石鹸を製造することができる。
また、本発明における石鹸の製造方法は、ゲル状の天草エキスを苛性ソーダ水溶液に添加する工程と、前記苛性ソーダ水溶液とオイルとを混合する工程とを具備する。
この構成では、の天草特有の臭いを抑えた天草エキス含有石鹸を製造することができる。
そして、前記天草エキスは、粉砕されていることにより、天草エキスが偏りなく分散された石鹸を製造することができる。
さらに、マルセイユ石鹸製法を用いて製造することにより、オリーブオイルの濃度が高く、天草エキスを含有する石鹸を製造することができる。
本発明では、寒天特有の臭いを脱臭すると共に、寒天エキスの冷蔵保存を可能とし、さらに、石鹸素地における寒天エキスの偏りを防止することが可能となる。
以下、本発明に係る天草エキス、天草エキスの製造方法、石鹸及び石鹸の製造方法について詳細に説明する。
本実施例では、天草エキスの製造方法の一例について説明する。
まず、天草40gに水2Lを加えて沸騰直前まで加熱し、一旦火を止めて酢20mlを加え、掻き混ぜた後、弱火でさらに1時間加熱する。
そして、火を止め、布などで残った固形物を濾して液体を分離し、分離した液体を冷却してゼリー状に固まらせ、寒天を作成する。
また、寒天を冷凍し、完全に凍結させた後に自然解凍する。そして、寒天から溶け出した水分を除去し、残った寒天(寒天繊維)を水で洗浄し、寒天繊維に付着している不純物を除去する。
その後、洗浄した寒天繊維(寒天)を再び冷凍し、完全に凍結させた後、自然解凍して寒天から溶け出した水分を除去し、残った寒天を水で洗浄する。
冷凍・洗浄を繰り返して精製した寒天に水を加えて総量を1Lとし、加熱して水に寒天を溶かした後、冷却してゼリー状に固め、完全に固まった寒天をミキサーにかけて粉砕し、所望の大きさに加工する。
なお、天草としては、「改良」という加工を施した天草、すなわち、海底から採取した天草を真水で洗い、乾燥させる工程を数回繰り返し、赤茶色から淡い琥珀色に変化した天草を用いる。この「改良」という加工を施した天草は、晒し天草ともいい、一般に「天草」と呼ばれて流通しているものである。
酢としては、例えば、穀物酢や米酢などの一般的に市販されている食酢や、酢酸濃度が食酢と同程度(約4vol.%)の酢酸溶液などを用いることができる。
本実施例では、寒天の凍結・解凍を繰り返して洗浄するため、寒天特有の臭いの源となる不純物を除去し、脱臭・精製することが可能であり、また、冷蔵してもゲル状(ゼリー状)のまま固形化しないため、冷蔵保存による長期保存が可能となる。
また、寒天繊維質を再び溶かしてゲル状に加工し直した後、ミキサなどで粉砕するため、例えば、寒天エキス入りの石鹸を製造する場合、細かく粉砕された状態で石鹸素地に加えることが可能であり、混合時の偏りを防止し、ほぼ均一に寒天エキスが拡散された石鹸を製造することができる。
本実施例では、天草エキスを含有する石鹸の製造方法の一例について説明する。
まず、オリーブ油500ml、ココナッツ油120ml、パーム油70mlとを混ぜ合わせ、湯煎にかけて約40℃に加熱し、オイルを作成する。
また、オイルとは別に、寒天エキス100ml、製製水150ml、苛性ソーダ83gを混ぜ合わせて苛性ソーダ水溶液を作成する。この際、水溶液の温度が60〜80℃程度に上昇するため、40℃程度になるまで苛性ソーダ水溶液を冷ます。
そして、温度がそれぞれ約40℃のオイルと苛性ソーダ水溶液とを混ぜ合わせ、撹拌器でおよそ20分間撹拌した後、マヨネーズ状の粘度になるまで約12時間、混合物を寝かせる。
その後、石鹸を整形する型に混合物を流し入れ、発泡スチロール製の箱などの保温容器に混合物を型ごと入れ、さらに約24時間寝かせる。
混合物の全体が固まったら型から抜き出し、陽が入らず、風通しの良い場所で4週間以上(長いほど良い)熟成させることにより、石鹸が完成する。
本実施例では、オリーブオイルをベースとしたマルセイユ石鹸製法(油脂総量のうち72%以上がオリーブオイル)を用いて、天草エキス(寒天成分)を約10〜20%添加した石鹸素地を作ることができる。
また、石鹸素地における天草エキスの偏りを防止し、さらに、石鹸素地に天然エッセンシャルオイルなどの香料を添加することにより、所望の香りを石鹸素地に添加することができる。
なお、本実施例では、マルセイユ石鹸製法で石鹸素地を作成しているが、他の製法で石鹸素地を作成しても良い。
このように本発明では、寒天特有の臭いの源となる不純物を寒天エキスから除去すると共に、寒天エキスの冷蔵保存による長期保存が可能となる。
また、マルセイユ石鹸製法による寒天エキス入りの石鹸素地を作ることが可能であり、所望の香りを石鹸素地に付けることも可能である。
さらに、天草エキスの脱臭・生成工程、ゲル状加工及びけん化の工程で、40℃以上に熱を加えないコールドプロセス製法を用いることができる。
Claims (11)
- 天草エキスにおいて、
天草から作成した寒天を凍結させた後に解凍、洗浄して不純物を除去し、不純物を除去した前記寒天を溶解して作成された
ことを特徴とする天草エキス。 - 粉砕されていることを特徴とする請求項1記載の天草エキス。
- 天草エキスの製造方法において、
天草から寒天を作成する工程と、
前記寒天を凍結させた後に解凍、洗浄して不純物を除去する脱臭・精製工程と、
不純物を除去した前記寒天から寒天を作成する工程と
を具備することを特徴とする天草エキスの製造方法。 - 不純物を除去した前記寒天から作成した寒天を粉砕する工程をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の天草エキスの製造方法。
- ゲル状の天草エキスが添加された石鹸素地を整形して製造されたことを特徴とする石鹸。
- 前記天草エキスは、粉砕されて前記石鹸素地に加えられていることを特徴とする請求項5記載の石鹸。
- マルセイユ石鹸製法を用いて製造されたことを特徴とする請求項5または6記載の石鹸。
- 石鹸の製造方法において、
ゲル状の天草エキスが添加された石鹸素地を整形して製造する
ことを特徴とする石鹸の製造方法。 - 石鹸の製造方法において、
ゲル状の天草エキスを苛性ソーダ水溶液に添加する工程と、
前記苛性ソーダ水溶液とオイルとを混合する工程と
を具備することを特徴とする石鹸の製造方法。 - 前記天草エキスは、粉砕されていることを特徴とする請求項8または9記載の石鹸の製造方法。
- マルセイユ石鹸製法を用いて製造することを特徴とする請求項8乃至10記載の石鹸の製造方法。
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JP2004348580A JP2006152204A (ja) | 2004-12-01 | 2004-12-01 | 天草エキス、天草エキスの製造方法、石鹸及び石鹸の製造方法 |
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KR20230012765A (ko) * | 2021-07-16 | 2023-01-26 | 우무솝 주식회사 | 우뭇가사리 추출물 및 귤피 추출물을 함유하는 비누 및 이의 제조방법 |
KR20230012764A (ko) * | 2021-07-16 | 2023-01-26 | 신동선 | 우뭇가사리 추출물을 함유하는 비누 및 이의 제조방법 |
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