JP2006149108A - 永久磁石型モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】
特にスキュー付の永久磁石型モータにおいて、コギングトルクをより低減させることである。
【解決手段】
電磁鋼板を積層して形成され、複数のスロット24及び磁極歯22tを有する鉄心に巻線が巻回された固定子Kと、周方向に交互に異極となるように着磁された複数の永久磁石11を有する回転子Rとが、空隙Gを介して対向配置された永久磁石型モータMにおいて、電磁鋼板の積層方向に沿った前記鉄心の両端部であって、スロット24の開口部が形成されている側のそれぞれの周縁部には、前記空隙Gと同一の空隙長Lgをおいて回転子Rと対向配置された磁性体よりなるスロットレスリング部25が、それぞれ一体に形成された構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コギングトルクを低減して高性能化を図った永久磁石型モータに関するものである。
近年、様々な用途にコギングトルクの小さいモータが求められている。以下、永久磁石で形成された磁極を有する回転子の外側に固定子が配置され、該固定子の鉄心に巻回された巻線を励磁することによって回転磁界を形成して、駆動トルクを得る構成の同期式の永久磁石型モータ(以下の説明において、単に「モータ」とも記す)を一例に挙げて、従来からのコギングトルクの低減方法について説明する。
まず、コギングトルクとは、固定子鉄心の磁極歯と回転子の永久磁石との間に作用する磁気的な力が、無通電状態で、固定子に対する回転子の配置(回転角)に応じて変化することにより生じる脈動トルクであって、モータの回転子を無通電の状態で1回転させると、巻線を巻回するために該鉄心に必須的に設けたスロットの個数に比例した回数だけコギングトルクが発生する。このコギングトルクは、回転子の各磁極と対向する固定子の内周面上にスロットの開口部が存在することにより、回転子が回転移動する間に、回転子の永久磁石の各磁極から発生する界磁磁束の磁路が、前記各開口部を横切る度に周期的に変化し、空隙における磁束分布変化に乱れが生じることに起因して生じる。そして、この磁束分布変化の乱れ度合は、固定子に対する回転子の配置が変化する中で、回転子が、磁気的に最も安定していて、磁気抵抗が最小となる位置において静止しようとする際に作用する固定子との間で引き合うトルクの大きさと、更にその安定位置から回転子を回転させるために、該安定位置での磁気吸引力に打ち勝つべく抵抗するトルクの大きさとに依存する。より具体的には、回転子の各磁極の境界線が固定子の磁極歯の中央付近と対向して配置する時が前記安定位置であって、回転子の各磁極の境界線が、該安定位置から前記スロットの開口部に近づく方向に回転移動する間には、元の安定した状態に戻ろうと抵抗するトルクが作用し、逆に、前記スロットの開口部から安定位置に近づく方向に回転移動する間には、前記安定位置に配置しようと引き合うトルクが作用して、この変化が周期的に繰返されることが、磁場解析等によって証明されている。このように、任意の安定位置から次の安定位置に回転子を回転させる間に必要なトルクが脈動してコギングトルクとなる。なお、以下の説明において、「コギングトルク」とは、脈動する回転トルクの山の高さである最大値と最小値の差を指す。
よって、仮に固定子の鉄心の内周面が平坦で、スロットが形成されていない平滑な鉄心が有るとするならば、回転子の永久磁石と鉄心との間の空隙の磁束密度は円周全体において一定となり、永久磁石の回転によっても空隙内の磁束分布変化に乱れが生じず、コギングトルクが発生しないと考えられる。特許文献1に記載のモータにおいては、この点に着目し、固定子の鉄心を上記したスロットを有しない状態に近づけるため、該鉄心のスロットの開口部を閉塞する磁性体からなる薄肉のリングを、鉄心の全内周面に内装することにより、コギングトルクを低減化しようとするものである。このコギングトルクの低減化技術の問題点は、前記リングが、密着或いは0.1ミリ程度の隙間を介して、接着剤または保持具により鉄心の内周面に内装される構成であるので、リングの内周面と回転子の外周面との間の空隙長が、僅かではあるが所定寸法より大きな空隙長になってしまうことである。従って、空隙全体の磁気抵抗が大きくなり、モータのトルク特性が損なわれかねないという問題を有していた。
特開2000−175384号公報
また、コギングトルクを低減するための常套手段として、モータの固定子及び/又は回転子にスキューを施す方法がある。スキューを施して、固定子鉄心の磁極歯(スロット)の形成方向と、回転子の各永久磁石のN極及びS極の磁極境界線とが、互いに交差するように対向配置させ、該磁極境界線が、鉄心のスロットを介して隣接する複数の磁極歯に対向し得る構成とする。よって、スキューが形成されずに、前記鉄心の磁極歯の形成方向と前記磁極境界線とが平行に配置される場合と比較すると、回転子が回転移動する間に、前記磁極境界線がいずれかのスロットの開口部と対向する周方向に沿った距離が長くなり、換言すると、回転子の各永久磁石から発生する界磁磁束が、スロットの開口部を横切る周長が長くなる。従って、固定子の各磁極歯が、回転子の一つの磁極からそれと逆極性の隣りの磁極に相対移動する時の磁束分布の変化が穏やかになり、即ち、前記磁極境界線がスロットの開口部を横切るか否かで、その度に空隙において生じる磁束分布の乱れが周方向に沿って平滑化されてより滑らかになり、これに起因して生じるコギングトルクが低減される。
しかしながら、極めて高精度のトルク制御が必要とされる用途等のモータにおいては、コギングトルクが小さいほど有利であって、スキューを施しただけの従来構成のモータでは、まだ不十分な場合があった。
本発明は、特にスキュー付の永久磁石型モータにおいて、コギングトルクをより低減させることを課題としている。
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、電磁鋼板を積層して形成され、複数のスロット及び磁極歯を有する鉄心に巻線が巻回された固定子と、周方向に交互に異極となるように着磁された複数の永久磁石を有する回転子とが、空隙を介して対向配置された永久磁石型モータにおいて、電磁鋼板の積層方向に沿った前記鉄心の両端部であって、スロットの開口部が形成されている側のそれぞれの周縁部には、前記空隙と同一の空隙長をおいて回転子と対向配置された磁性体よりなるスロットレスリング部が、それぞれ一体に形成されていることを特徴としたものである。
無端状のリングを、鉄心の前記両端部のみに、スロットレスリング部として付加的に設ける請求項1の発明によれば、スロットの全開口部を閉塞するように、鉄心の周面全体にリングを装着する前記した従来技術と比較すると、より簡単で組立容易な構成でありながら、コギングトルクを低減することができる。また、スロットレスリング部が装着されていない鉄心部による元の空隙長をそのまま維持するように、該鉄心の両端部にスロットレスリング部を装着する構成により、従来例のようにリングを装着した結果空隙長の微増を招き、これに起因して空隙の磁気抵抗が大きくなって駆動トルクの特性が損なわれる恐れがない。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記回転子及び/又は固定子には、両者の間に相対的にスロットのほぼ1ピッチ分だけずれたスキューが施されていることを特徴としたものである。
本発明者は、スキュー付のモータのコギングトルクについて、回転子の磁極境界線が固定子鉄心の電磁鋼板の積層方向、即ちモータの軸方向に沿った端部において、磁極歯の中央部に配置する際には最小で、スロットの開口部に配置して、該開口部から磁極歯に移動する際には最も大きく感じられた後述する実験結果を元に、回転子が回転移動する間に、空隙において周期的に変化する磁束分布変化の乱れ度合が、前記鋼板の積載方向に沿った鉄心の部位により異なり、特に両端部において他の部位よりも大きくなり、コギングトルクの全体の大きさに、大きく影響を与えていると考察した。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、更に、鉄心のスロットの前記両端部の開口部分において、該開口部分の前記積層方向に沿った直ぐ両外側に、磁束分布変化に乱れが生じないスロットレスリング部を設けることによって、磁束の乱れ度合いが最も大きいと推察される鉄心の前記両端部での磁束分布変化の乱れ度合を緩和することができる。よって、この両端部位で生じるコギングトルクを低減させることにより、全体のコギングトルクを効果的により小さくできる。また、一般にスロットの「1ピッチ」分だけずれたスキュー角は、モータの本来的な特性の一つであるトルク特性に悪影響を及ぼさない範囲とされており、この点においても問題はない。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記スロットレスリング部は、固定子の両端面に形成された環状溝に嵌め込まれて一体に形成されていることを特徴としたものである。
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の作用効果に加えて、スロットレスリング部が固定子の両端面に形成された環状溝内に嵌め込まれていて、固定子の両端面に対して突出部が存在しない。このため、使用中におけるスロットレスリング部の折損等の恐れが皆無となって、安定して使用できる。
本発明によれば、特にスキュー付の永久磁石型モータにおいて、鉄心の前記両端部にスロットレスリング部を設けることによって、該両端部に配置するスロットの開口部に起因して、該部位でより大きく生じる回転トルクの脈動を小さくすることにより、コギングトルクを効果的に低減できる。
以下、本発明について詳細に説明する。図1は、本実施形態のモータMの全体構成を示す概略断面図であって、図2は、固定子Kと回転子Rとの配置関係を、図1のX矢視方向から示した略図であって、図3は、固定子Kと回転子Rとの周方向に沿った配置関係を平面状に展開して示した説明図である。永久磁石型モータMは、巻線21を適宜励磁することにより回転磁界を生じる固定子Kと、空隙Gを介して該固定子Kの内側に回転自在に配置され、永久磁石11による磁極を有する回転子Rとを備え、固定子K及び回転子Rが、エンドブラケット31を介して一体化された構成である。回転子Rは、アーク型の永久磁石11によるN極及びS極の6極の磁極と、回転軸12とからなり、N極及びS極の各磁極が、周方向に沿って交互に、また、両極の磁極境界線Bが回転子Rの軸方向Aに沿って平行をなすように、回転軸12の外周面に貼着された構成である。また、固定子Kは、周方向に沿って等間隔をおいて配置された18個の磁極歯22t及びスロット24を有する鉄心22に前記巻線21が巻回され、該鉄心22がフレーム23の内周面の所定位置に固定された構成であって、該固定子Kには、鉄心22のスロット24の1ピッチ分だけずれたスキューが施されている。即ち、鉄心22を構成する所定枚数の電磁鋼板を、僅かずつ所定角度だけ周方向にずらしながら積層し、鉄心22の積層方向に沿った片端部に配置する各磁極歯22tが、それぞれ他端部に配置する隣の磁極歯22tと対峙するようにずらされている。以下の説明では、固定子Kの鉄心22にスキューが施されて、隣接する各スロット24が周方向に沿って1ピッチずれて配置される間隔を、モータMの軸心を中心とする中心角に換算して、これを1ピッチ角度(P)と記して説明する。なお、図1において、32はエンドブラケット31の内側中央の凹部に嵌合されたベアリングであって、回転子Rは、一対のベアリング32によって、固定子Kの内周面と所定の空隙長Lgをおいて、回転自在に軸支されている。また、モータMは、巻線を分布巻きして三相Y結線がなされ、ACサーボモータとして使用されるものである。また、図3に示すモータMの各構成部分は、実際のモータMを構成する各部材の寸法比率を無視して模式的に示したものである。
また、固定子Kの鉄心22は、特に次のように形成されている。鉄心22の前記電磁鋼板の積層方向、即ちモータMの組立状態において軸方向Aに沿った両端部22e1,22e2であって、スロット24の開口部24aが形成された内周側のそれぞれの端縁には、磁性体よりなる横断面が方形の薄肉円環形状のスロットレスリング部25が、鉄心22の内周面と同心上に、該内周面が軸方向Aに沿った外側に延設されるようにそれぞれ一体に形成されている。該スロットレスリング部25の内径は、磁極歯22tの内径と同一であって、また、幅寸法は、両スロットレスリング部25とスロット付の鉄心22とが同じく一体化されて、前記スロットレスリング部25を含んだ固定子Kの軸方向Aの全長が、回転子Rの永久磁石11の軸方向Aに沿った磁極長とほぼ等しくなるように定められている(但し、スロットレスリング部25自身の幅寸法は、スロット付の鉄心22の全長のほぼ10%を超えない程度とする)。即ち、回転子Rの永久磁石11の両端部は、本来の固定子Kの両端面から前記スロットレスリング部25の幅Wに対応する長さだけ突出していて、前記永久磁石11の両端の突出部は、空隙長Lgを有する空隙Gを介してスロットレスリング部25でそれぞれ覆われている。これら寸法設定により、スロットレスリング部25が一体化された鉄心22は、スロット付の鉄心22部分と同様に、同じ空隙長Lgを介して、回転子Rと対向可能に形成され、空隙長が微増することに起因する空隙Gでの磁気抵抗の増大を防止する構成となっている。なお、スロットレスリング部25の外径寸法は、該スロットレスリング部25が鉄心22の両端部22e1,22e2に一体化されて、磁極歯22tの略傘型の先端部の幅を超えない肉厚を有するように定められ、スロットレスリング部25と巻線21のコイルエンドとの干渉を避ける構成となっている。
次に、本実施形態のモータMの回転子Rを、無通電状態で回転させた際の作用について説明する。このためにまず、スロットレスリング部25が形成されていない従来構成のスキュー付のモータのコギングトルクの大きさを実際に確かめた実験例について、本実施形態のモータMの構成を援用して説明する。但し、回転子Rを回転させるのに要するトルクの大きさの尺度は、実験者の触感(「コトコト」と感じる大きさ)によるものとし、実験者自身がモータMの出力軸を回転させて、前記トルクが脈動する様を推し測った。実験に使用した従来モータは、本実施形態のモータMと同様の固定子側にスロットの1ピッチ分のスキューを設けた6極18スロットの同期式の永久磁石型モータである。前記回転に要するトルクは、図4に示されるとおり、回転子Rが図2及び図3に示した位置から角度(P/2)ほど回転して、各磁極境界線Bが固定子Kの鉄心22の軸方向Aに沿った片端部22e1において、磁極歯22tの中央部に配置される前後には、それ程大きく感じられず、1ピッチ角度(P)だけ回転して、回転前と同じく片端部22e1において、隣りの開口部24aと交差するように対向配置する際には最も大きく感じられるように脈動し、この変化が周期的に繰返されるという結果であった。なお、図4は、磁極境界線Bが、鉄心22の片端部22e1において、前記開口部24aと交差するように対向配置される際に、他の対向位置よりも、相対的により大きなコギングトルクが感じ取れたことを示す図であって、連続する「山」の高さ等の形状そのものには、特に意味は有しない。
また、図2及び図3に示されるように、鉄心22のスロット24の1つの開口部24a(1)と、空隙Gを介して該開口部24a(1)に対向配置される回転子Rの前記磁極境界線B(1)との対向交差部C(1)は、該回転子Rが前記1ピッチ角度(P)だけ回転する間に、丁度1つの開口部24a(1)の全長に相当する分だけ、軸方向A及び周方向に移動する。このように、前記1ピッチ角度(P)だけずれたスキューが施されている場合には、回転子Rが1回転する間に、1本の各磁極境界線Bは、常に連続して開口部24aと交差するように対向することになり、該磁極境界線Bがスロットの開口部24aと対向することによって生じる磁束分布変化の乱れ度合が全周に亘って平滑化されるので、コギングトルクがなくなるかのように考えられるが、実験においては、脈動の程度は小さくなっているものの、なお脈動そのものの存在は明らかに感じとられた。
このように、回転トルクが周期的に脈動する理由について、以下のように推定した。固定子Kの鉄心22の軸方向Aに沿った片端部22e1のスロット24aの開口部分24a1と、磁極歯22tを介して該開口部24aと隣合うスロット24の開口部24aであって、同様の他端部22e2の開口部分24a2とは、前記スキューが丁度スロットの1ピッチ角度(P)だけずれて形成されていることにより、軸方向Aに沿った一直線上に配置されて、回転子Rの1本の磁極境界線Bの片端及び他端の両端部B1,2とそれぞれ交差するように対向配置される。具体例を挙げると、回転子Rが図2及び図3に示した位置から1ピッチ角度(P)だけ回転すると、磁極境界線B(1)の軸方向Aに沿った片端部B1(1)は、前記鉄心22の軸方向Aに沿った片端部22e1に配置するスロット24a(2)の開口部分24a1(2)と交差するように対向配置され、磁極境界線B (1)の他端部B2(1)は、鉄心22の前記他端部22e2に配置するスロット24a(1)の開口部分24a2(1)と交差するように対向配置される。換言すると、鉄心22の前記両端部22e1,22e2を除く中央鉄心部分22mに配置する各スロット24の開口部分は、各磁極境界線Bとそれぞれ1箇所において交差するように対向配置するのに対して、片端及び他端の前記各開口部分24a1,24a2は、各磁極境界線Bの両端部B1,B2の2箇所において同時に交差するように対向配置され、前記両端部を除く開口部分の対向箇所よりも多くなっている。
従って、回転子Rが回転して磁極境界線Bが周方向に移動する間に、空隙Gにおいて磁束分布の変化が乱れる度合は、上述したように交差して対向配置する箇所が多い分だけ、磁極境界線Bが、鉄心22の両端部22e1,22e2において、前記スロット24の開口部分24a1,24a2と交差するように対向配置する際に大きくなり、この結果、空隙Gでの磁束分布変化の乱れ度合について、鉄心22の軸方向Aに沿った各部分22e1,22m,22e2について比較すると、該両端部22e1,22e2と回転子Rとが対向配置する空隙部分において、これ以外の中央鉄心部分22mに対向する空隙部分よりも大きくなると考えられる。また、鉄心22の軸方向Aに沿ったセンターライン22m0を基準にして考察すると、該センターライン22m0近傍の鉄心22の中央付近において、磁極境界線Bがスロット24の開口部24aと対向配置する際には、永久磁石11の界磁磁束の磁路は、センターライン22m0の軸方向Aに沿った両側の両端部22e1,22e2に向けて最も有効的に分散できるので、前記鉄心22の中央付近での磁束密度が減少し易く、これに起因して回転トルクの脈動が小さくなる傾向にあると考えられる。これに対して、鉄心22の前記両端部22e1,22e2において、磁極境界線Bが前記各開口部分24a1,24a2と対向配置する際には、前記界磁磁束の磁路は、片側のセンターライン22m0の方向に向けて分散するのみなので、鉄心22の前記中央付近と比較した場合には、回転トルクの脈動が大きくなると推察できる。従って、スキューが施されたモータMにおいては、コギングトルクの大きさは、軸方向Aに沿った鉄心22の各部分22e1,22m,22e2により異なり、固定子鉄心22の前記両端部22e1,22e2と、これに対向する回転子Rの間に生じるコギングトルクは、コギングトルク全体の大きさに占める割合が、他の部位で発生するコギングトルクよりも大きくなるものと推定した。
ここで、実施形態のモータMの回転子Rを無通電状態で回転させると、以下に示すような効果が得られる。モータMの鉄心22の両端部22e1,22e2に配置するスロット開口部24aの前記両端の開口部分24a1,24a2において、該両開口部分24a1,24a2の軸方向Aに沿った直ぐ両外側には、スロットレスリング部25が設けられており、該スロットレスリング部25と回転子Rが対向配置する空隙部分では、磁束分布変化に乱れが生じない構成となっている。よって、磁束分布変化に乱れが生じない空隙部分と近接することによって、回転子Rの磁極境界線Bの前記両端部B1,B2が、2箇所の前記両開口部分24a1,24a2に対向配置することに起因して、両端部22e1,22e2と回転子Rが対向配置する空隙部分での磁束分布変化の乱れ度合を緩和することができる。また、回転子Rから鉄心22の両端部22e1,22e2の前記両開口部分24a1,24a2に向かう界磁磁束は、鉄心22の両端部22e1,22e2より軸方向Aに沿った内側と、スロットレスリング部25が形成された外側との両側に向けて分散できるので、この対向部分での磁束密度を、両端部22e1,22e2以外の中央鉄心部分22mと同等に減少させ、この結果、磁束分布がより大きく乱れる度合を小さくすることができる。従って、磁束分布変化の乱れ度合に応じて、この鉄心22の両端部22e1,22e2において脈動するコギングトルクを低減することにより、全体のコギングトルクを効果的により小さくできる。
また、上記した実施形態では、前記1ピッチ角度(P)のスキューが施されたモータMについて説明したが、1ピッチ角度(P)以外のスキュー角が施されている際にも、上述したように、回転子Rの界磁磁束が、鉄心22の両端部22e1,22e2から両側に向けて分散できる作用により、同等の効果がある。なお、スキュー角を大きくするほど誘起電圧が小さくなり、モータのトルク特性に不具合を生じる恐れがあるが、一般にスロットの「1ピッチ」分だけずれたスキューは、モータのトルク特性に悪影響を及ぼさない範囲とされており、実施形態のモータMに関しては、この点について問題はないと言える。
上記した実施形態では、固定子K側にスロットの1ピッチだけスキューを施したモータMについて説明したが、逆に回転子R側にスロットの1ピッチだけスキューを施した構成のモータでも、同じ作用効果が得られる。図5は、回転子Rにスロットの1ピッチ角度(P)だけスキューを施した場合の固定子Kと回転子Rとの周方向に沿った配置関係を平面状に展開して示した説明図であって、前述のモータMに対応する構成部分には、同じ符号を付した。図示から明らかなとおり、磁極境界線B(1)の軸方向Aの片端部B1(1)が、前記鉄心22の軸方向Aに沿った片端部22e1に配置するスロット24a(1)の開口部分24a1(1)と交差するように対向配置されると、磁極境界線B(1)の他端部B2(1)は、該磁極境界線B (1)が前記1ピッチ角度(P)分のスキュー角を有していることにより、前記鉄心22の他端部22e2に配置する前記スロット24a(1)の隣りのスロット24a(2)の開口部分24a2(2)と交差するように対向配置される。そして、このように、スキューが施された1本の各磁極境界線Bの両端部B1,B2が、隣り合うスロットの片端及び他端の前記各開口部分24a1,24a2の2箇所において同時に交差するように対向配置される状態は、回転子Rが図5に示す回転位置から1ピッチ角度(P)だけ回転する毎に繰返される。よって、この配置時の磁束分布変化の乱れ度合が大きくなって、回転子Rの回転に伴い、コギングトルクの脈動が発生するように懸念されるが、該両開口部分24a1,24a2の軸方向Aに沿った直ぐ両外側には、前記スロットレスリング部25が設けられており、前記磁束分布変化の乱れ度合が緩和されて、コギングトルクの脈動が抑制される。以上は、回転子R側にスロットの1ピッチだけスキューを施こした場合の説明であるが、スキュー角は、固定子と回転子の間で、相対的にスロットの1ピッチ角度(P)だけずれていればよく、図示は省くが、固定子と回転子との両方にスキューが施される構成でも構わない。また、回転子Rの永久磁石による各磁極は、必ずしも1つのアーク形状の永久磁石で形成されるとは限らず、図5に示されるように、例えば軸方向Aに4分割された各磁石ブロック41a〜41dにより、N極又はS極の1磁極が構成されていても構わない。
また、図6に示される固定子Kは、その両端面にスロットレスリング体51に対応した形状の環状溝52を形成しておいて、該環状溝52に前記スロットレスリング体51が嵌め込まれた構成である。この構成により、固定子Kの両端面に対して突出部が存在しなくなって、スロットレスリング体51の折損等の恐れが皆無となって、安定して使用できる。
また、本発明は、上述した構成のモータに限定されず、以下に説明するようなモータにも適用可能である。例えば、回転子Rの磁極を構成する永久磁石11,41は、回転軸12の外周面に装着された構成のモータについて説明したが、永久磁石を回転軸の周囲の回転子ヨーク(図示せず)の内部に埋め込む等して構成された回転子を有するモータにも適用できる。また、回転子Rの磁極数及び固定子Kのスロット24の数が、それぞれ6極と18スロットの場合について説明したが、これらの数に限定されるものでもなく、例えば固定子Kのスロット24の数が「12」で回転子Rの磁極数が「4」のように、回転子Rの磁極数が2の倍数であって、しかも「固定子のスロット数:回転子の磁極数」が3の倍数の条件を満たす組合せであれば、モータMと同様に3相交流駆動のモータにおいて、同等の効果がある。また、固定子の内側に配置された回転子が回転するインナーローター型のモータについて説明したが、アウターロータ型のモータにも適用可能である。更に、図示はしないが固定子Kの各磁極歯22tの内周面に補助溝を形成して、鉄心22の磁極歯と回転子の各磁極との間に、相対的に補助溝の1ピッチだけずれたスキュー角を設ける構成でも構わない。
また、固定子及び/又は回転子に設けられるスキュー角は、必ずしも1ピッチずれて形成されるものに限られず、1ピッチ以下であっても本発明の上記した作用効果を期待でき、更にモータの本来的な特性の一つであるトルク特性を低下させない範囲において、1ピッチ以上であってもよい。
本実施形態のモータMの全体構成を示す概略断面図である。 固定子Kと回転子Rとの配置関係を、図1のX矢視方向から示した略図である。 スキュー角が付けられた固定子Kと回転子Rとの周方向に沿った配置関係を平面状に展開して示した説明図である。 回転子Rの回転角に対するコギングトルクの変化を示す図である。 固定子Kとスキュー角が付けられた回転子Rとの周方向に沿った配置関係を平面状に展開して示した説明図である。 両端面の環状溝52内にスロットレスリング体51が嵌め込まれて一体に形成された固定子Kの縦断面図である。
符号の説明
G:空隙
K:固定子
M:永久磁石型モータ
R:回転子
11,41:永久磁石
22t:磁極歯
24:スロット
25:スロットレスリング部
51:スロットレスリング体
52:環状溝

Claims (3)

  1. 電磁鋼板を積層して形成され、複数のスロット及び磁極歯を有する鉄心に巻線が巻回された固定子と、周方向に交互に異極となるように着磁された複数の永久磁石を有する回転子とが、空隙を介して対向配置された永久磁石型モータにおいて、
    電磁鋼板の積層方向に沿った前記鉄心の両端部であって、スロットの開口部が形成されている側のそれぞれの周縁部には、前記空隙と同一の空隙長をおいて回転子と対向配置された磁性体よりなるスロットレスリング部が、それぞれ一体に形成されていることを特徴とする永久磁石型モータ。
  2. 前記回転子及び/又は固定子には、両者の間に相対的にスロットのほぼ1ピッチ分だけずれたスキューが施されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型モータ。
  3. 前記スロットレスリング部は、固定子の鉄心の両端面に形成された環状溝に嵌め込まれて一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石型モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011188685A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Mitsubishi Electric Corp 永久磁石型電動機

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