JP2006147184A - Led点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一個または複数のLEDを直列接続したLED回路と、電源に対し並列に接続した複数の前記LED回路の電源供給路に設けたスイッチング素子とを備え、タイミング調整回路は、前記各々のスイッチング素子のON/OFF動作タイミングが重なり同時にON/OFF動作しないように、前記ON/OFF動作タイミングをずらすように前記LED回路の各々に対応して設けた。
【選択図】 図1
Description
従来のLED点灯装置は、複数のLEDにより構成された発光ユニットに、定電流回路を直列接続し、この直列接続された両端に電源としてコンバータ回路を接続している。コンバータ回路は、電源が接続されたコイル、スイッチングトランジスタ、及びコンデンサを備え、スイッチングトランジスタをオン・オフさせたときコイルに生じる逆起電圧をコンデンサに蓄積し、このコンデンサの両端電圧を出力する。また、コンバータ回路は発光ユニットと定電流回路との接続点の電圧を検出して定電流回路の端子間電圧が一定になるように出力電圧を制御し、定電流回路に安定化した電圧を供給する。定電流回路は通過する電流の値が一定になるように電流制御を行う。これにより発光ユニットを通過する電流が一定になり、複数のLEDが定電流駆動される。発光ユニットには、複数のLEDを直列接続したものや、複数のLEDを直列接続したものを複数個並列に接続したものがある。これらは、全てのLEDに一つの定電流回路を接続して同様な電流が流れるように構成されたものである。(例えば、特許文献1参照)。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるLED点灯装置の構成を示す回路図である。図1に例示したものはn個(nは0及び1を除いた自然数)のLED回路a〜nを、電源1からみて並列に接続して構成したものである。
ダイオード2aのアノードには電源1の電圧VBが印加される。ダイオード2aのカソードは、抵抗4a及びコンデンサ5aの一端に接続される。抵抗4aの他端は、スイッチング素子のFET3aのゲート及びトランジスタ20aのコレクタに接続される。コンデンサ5aの他端は、フライホイールダイオード6aのカソード、FET3aのソース、及びコイル7aの一端に接続される。フライホイールダイオード6aのアノードは接地される。FET3aは、NチャネルMOS型電界効果トランジスタからなり、ドレインに電源1の電圧VBが印加され、電源1とコイル7aとの接続をON/OFFするスイッチング素子である。このように接続されたダイオード2a、抵抗4a、及びコンデンサ5aによりFET3aを駆動するブートストラップ式の駆動回路が構成される。
LED10aのカソードは、シャント抵抗11a及び抵抗12aの一端が接続される。シャント抵抗11aの他端は接地される。抵抗12aの他端は、抵抗13aの一端およびコンパレータ15aの正入力端子に接続される。抵抗13aの他端は、コンパレータ15aの出力端子に接続され、抵抗13aはコンパレータ15aに正帰還をかける帰還抵抗である。コンパレータ15aの反転入力端子は、抵抗16a及び抵抗18aの一端が接続される。抵抗16aの他端は電圧VBが印加され、抵抗18aの他端は接地される。また、コンパレータ15aの出力端子には、抵抗19a及び抵抗14aの一端が接続される。抵抗14aの他端には電源VBが印加され、抵抗14aはコンパレータ15aの出力信号をプルアップする抵抗である。抵抗19aの他端は、トランジスタ20aのベースに接続される。トランジスタ20aはNPN型バイポーラトランジスタからなり、エミッタが接地される。
上記コンパレータ15aは、ヒステリシス特性を有し、隣接するLED回路に流れる電流によって上記ヒステリシス特性を変化させるもので、複数の抵抗との組み合わせによってタイミング調整回路を構成している。
各LED回路a〜nはいずれも同様に構成され、また同様に動作する。ここではLED回路aの動作を例示して説明する。
前述のようにFET3aにはダイオード2a、抵抗4a、及びコンデンサ5aからなるブートストラップ式の駆動回路が接続されている。NチャネルのFET3aをON状態へ遷移するときには、電圧VBよりも高い電圧をゲートへ印加する必要がある。電源1の電圧VBは、ダイオード2aを介してコンデンサ5aに印加され、当該コンデンサ5aに電圧エネルギが蓄積される。FET3aをON状態とするため、トランジスタ20aがOFF状態に制御されると、電源1の電圧VBが印加されているダイオード2aから抵抗4aを介してトランジスタ20aへ流れていた電流が遮断され、電源1からダイオード2a及び抵抗4aを介してFET3aのゲートに電圧が印加される。このとき、コンデンサ5aに蓄積されている電圧エネルギが抵抗4aを介してFET3aのゲートへ移動し、FET3aのゲート電圧をさらに上昇させ、当該FET3aは正常なON状態になる。
通電電流=(コイル7aに印加される電圧−LED9a,10aの順方向電圧)
×ON時間/コイル7aのインダクタンス …(1)
上記式(1)の「LED9a,10aの順方向電圧」は、直列接続されたLDE9aとLED10aとの両端電圧、即ちLED9aのアノードとLED10aのカソードの間の電圧である。このようにLED9a,10aに流れる電流は、FET3aがON状態となっている経過時間に伴って上昇し、ON時間が長くなるほど大きくなる。
コンパレータ15aの反転入力端子には、前述のように抵抗16aと抵抗18aにより電圧VBを分圧させて生成した基準電圧が入力される。コンパレータ15aは正入力端子へ入力されている電圧と基準電圧との比較により出力信号を決定する。
コンパレータ15aは、正入力端子へLED9a,10aに流れた電流量を示す電圧を入力していることから、正帰還によって基準電圧より上に引き上げられ、また基準電圧より下に引き下げられて当該基準電圧と比較される。この比較動作は、コンパレータ15aのヒステリシス特性によって生じる高電位と低電位の二つの基準電圧を交互に用いて、LED9a,10aに流れた電流を示す電圧と比較する動作と同様な作用効果が得られる。
このように、コイル7aに流れる電流とコンパレータ15aのヒステリシス特性とを用いた動作により、LED回路aはFET3aのスイッチング動作を繰り返し、自励の発振動作を行う。
このとき、FET3aがOFF状態となっており、接続点Bの電流が減少している場合には、コンパレータ15aへ入力されている基準電圧がこれまでよりも引き下げられたことによって、コンパレータ15aはスレッシュホールド電圧L1において出力信号を反転させるようになり、接続点Bの電流が長い時間下降することになる。また、コンパレータ15aが出力信号を反転するタイミングが遅くなり、FET3aがOFF状態からON状態へ遷移するタイミングが遅くなる。
また、FET3aがON状態となっており、接続点Bの電流が増大している場合には、コンパレータ15aへ入力されている基準電圧がこれまでよりも引き下げられたことによって、コンパレータ15aはスレッシュホールド電圧H1において出力信号を反転させるようになり、接続点Bの電流が上昇する時間が短くなる。また、コンパレータ15aが出力信号を反転するタイミングが早くなり、FET3aがON状態からOFF状態へ遷移するタイミングが早くなる。
このとき、FET3aがOFF状態となっており、接続点Bの電流が減少している場合には、コンパレータ15aへ入力されている基準電圧がこれまでよりも引き上げられたことによって、コンパレータ15aはスレッシュホールド電圧L2において出力信号を反転するようになり、接続点Bの電流が下降する時間が短くなる。また、コンパレータ15aが出力信号を反転するタイミングが早くなり、FET3aがOFF状態からON状態へ遷移するタイミングが早くなる。
また、FET3aがON状態となっており、接続点Bの電流が増大している場合には、コンパレータ15aへ入力されている基準電圧がこれまでよりも引き上げられたことによって、コンパレータ15aはスレッシュホールド電圧H2において出力信号を反転するようになり、接続点Bの電流が上昇する時間が長くなる。また、コンパレータ15aが出力信号を反転するタイミングが遅くなり、FET3aがON状態からOFF状態へ遷移するタイミングが遅くなる。
なお、コンパレータ15aのスレッシュホールド電圧H1はスレッシュホールド電圧H2よりも低く、またスレッシュホールド電圧L1はスレッシュホールド電圧L2よりも低い。
また、各LED回路a〜nがスイッチングタイミングをずらして動作することにより、電源電流や回路電流に重畳するリップルが低減して電源ノイズが小さくなることから、図1に図示を省略した電源ノイズ等を除去するために備えられる電源フィルタは、容量の小さなものを使用することができる。
また、例えばFET3bがON状態のとき、FET3aのON状態からOFF状態へ遷移するタイミングを早め、FET3bがOFF状態のときFET3aのON状態からOFF状態へ遷移するタイミングを遅らせるようにしたので、FET3aとFET3bが同時にON/OFFする確率を低減させることができるという効果がある。
図3は、この発明の実施の形態2によるLED点灯装置の構成を示す回路図である。図1に示したものと同様あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。図3は、実施の形態2によるLED点灯装置のLED回路aを示し、当該LED回路aと同様に構成されるLED回路b〜nの図示を省略している。ここではLED回路aの構成を例示して説明し、他のLED回路b〜nの構成の説明を省略する。また、図1に示したものと同様に構成される部分の説明を省略し、実施の形態2によるLED点灯装置の特徴となる部分の構成を説明する。
また、抵抗30a〜32aは、電圧VBをコンパレータ34aが入力できる電圧範囲に降下させるもので、電圧VBが通常電圧の時に、抵抗30aと抵抗31aによって分圧した電圧は、同じ電圧VBを入力した抵抗32aを介したツェナーダイオード33aのツェナー電圧よりも高くなるように、それぞれの抵抗値を有する。この他の部分は、図1に示したLED回路aと同様に構成される。
図1に示したLED点灯装置と同様な動作について説明を省略し、実施の形態2によるLED点灯装置の特徴となる動作を説明する。電源1の電圧VBが低下すると、LED9a,10aに流れる電流が減少する。この電流を表すシャント抵抗11aの両端電圧は、コンパレータ15aの出力信号が反転する電圧まで上昇することができず、コンパレータ15aの比較結果が一定になって出力信号が反転されなくなり、トランジスタ20aのベースには低電位の出力信号が入力された状態が続くことになる。FET3aのゲートは、常に接地接続がオープンされた状態となる。このような状態になると、抵抗4aやコンデンサ5a等から成るブートストラップ式の駆動回路も正常に動作することができなくなってFET3aが不完全なON状態になり、発熱や消費電力増大などの障害が発生する。
また、ここで説明したLED回路aと同様に他のLED回路b〜nを構成することにより、そのLED回路も同様に動作し、また同様な作用効果が得られる。
図4は、この発明の実施の形態3によるLED装置の構成を示す回路図である。図1に示したものと同様あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。この図はLED回路aと同様に構成されるLED回路b〜nの図示を省略している。ここではLED回路aの構成を例示して説明し、他のLED回路b〜nの構成の説明を省略する。また、図1に示したLED回路aと同様に構成される部分の説明を省略し、実施の形態3によるLED点灯装置の特徴となる部分の構成を説明する。
図4のLED点灯装置は、図1に示したコイル7aに代えてFET3aのドレインに複数のコイル7a1〜7am(mは0及び1以外の自然数)を並列接続し、図1に示したLED9aに相当するLED9a1〜9am、またLED10aに相当するLED10a1〜10amを備えたもので、その他は図1に示したものと同様に構成される。
また、LED10a1〜10amのカソードは全て接続点Bに接続され、シャント抵抗11a及び抵抗12aに接続される。LED9a1,10a1とLED9a2,10a2は並列接続されたことになり、同様に図示を省略した各LEDを含め、LED9am,10amまで全ての直列接続されている二つのLEDが並列接続された構成になる。なお、直列接続されているLEDの個数は二つに限定されない。
図1に示したLED装置と同様な動作について説明を省略し、実施の形態3によるLED装置の特徴となる動作を説明する。
LED9a1,10a1〜LED9am,10amに流れる電流は概ねシャント抵抗11aに流れ込み、全LED9a1,10a1〜LED9am,10amに流れる総電流量を表す電圧がシャント抵抗11aの両端に生じる。コンパレータ15aは、この電圧を抵抗12aを介して正入力端子へ入力する。その他の動作は実施の形態1によるLED点灯装置と同様に動作する。
また、図4のLED回路aと同様に図示を省略したLED回路b〜nを構成すると、これらのLED回路b〜nも同様に動作する。
なお、図4には図1に示したLED点灯装置のコイル7a、LED9a、及びLED10aに代えてコイル7a1〜7am、LED9a1〜9am、及びLED10a1〜10amを備えたものを示しているが、図3に示したLED点灯装置のコイル7a、LED9a、及びLED10aに代えてコイル7a1〜7am、LED9a1〜9am、及びLED10a1〜10amを備えて構成してもよく、動作も同様なものになる。
なお、実施の形態1〜3では、隣接するLED回路に流れる電流の状態よって自らの比較用基準値を変化させて、自らのLED回路におけるスイッチング素子の動作タイミングをずらすように構成しているが、例えば別途タイミング信号発生回路を設け、このタイミング信号発生回路で発生させた信号によって電源に対して並列に接続された複数のLED回路のスイッチング素子の動作タイミングを所定時間ずらせて順次にON/OFFさせるように構成することもできる。
図5は、光源を構成する多数のLEDの点灯制御に、実施形態1〜3によるこの発明のLED点灯装置を適用した天井照明、スタンド等の照明器具を示す説明図である。図1,3,4に示したものと同一あるいは相当する部分に同じ符号を使用し、その説明を省略する。照明装置40は、例えばLED9a,10a〜LED9n,10n等の複数のLEDを光源として備えた照明灯本体41と、実施の形態1ないし実施の形態3のいずれかで説明したLED点灯装置と同様な回路を有する制御部42とを備える。
この制御部42は、実施の形態1ないし実施の形態3のいずれかで説明したLED点灯装置と同様に動作し、多数のLED9a,10a〜LED9n,10n等を点灯制御する。
また、上記と同様に多数のLED9a,10a〜LED9n,10n等を光源として交通信号灯に用いてもよい。
また、一つのLEDが断線した場合でも、全てのLEDが同時に消灯することがなく、突発的に消灯が発生することによる危険を回避することができるという効果がある。
Claims (7)
- 一個または複数のLEDを直列接続したLED回路と、
電源に対し並列に接続した複数の前記LED回路の電源供給路に設けたスイッチング素子と、
前記各々のスイッチング素子のON/OFF動作タイミングが重なり同時にON/OFF動作しないように、前記ON/OFF動作タイミングをずらすように前記LED回路の各々に対応して設けたタイミング調整回路とを備えたLED点灯装置。 - タイミング調整回路は、隣接するLED回路に流れる電流の状態によって比較用基準値を変化させて、対応するLED回路におけるスイッチング素子の動作タイミングをずらすことを特徴とする請求項1記載のLED点灯装置。
- タイミング調整回路は、隣接するLED回路に流れる電流によってヒステリシス特性を変化させる比較回路からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のLED点灯装置。
- スイッチング素子はNチャネルの電界効果トランジスタを用い、この電界効果トランジスタを駆動するブートストラップ式の駆動回路を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のLED点灯装置。
- 電源電圧を検出し当該電圧が所定の値よりも低下するとスイッチング素子をOFF状態に制御する電源電圧検出手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のLED点灯装置。
- スイッチング素子に対し複数のLED回路を並列に接続したことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のLED点灯装置。
- 複数のLED回路からなるLEDの集合は、車両のヘッドライトの光源を構成していることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のLED点灯装置。
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