JP2006145432A - 磁力支持装置の制御定数自動調整方法 - Google Patents

磁力支持装置の制御定数自動調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006145432A
JP2006145432A JP2004337757A JP2004337757A JP2006145432A JP 2006145432 A JP2006145432 A JP 2006145432A JP 2004337757 A JP2004337757 A JP 2004337757A JP 2004337757 A JP2004337757 A JP 2004337757A JP 2006145432 A JP2006145432 A JP 2006145432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
constant
control constant
constants
constraint condition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004337757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4395556B2 (ja
Inventor
Shinichi Suda
信一 須田
Hideo Sawada
秀夫 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Original Assignee
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Aerospace Exploration Agency JAXA filed Critical Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority to JP2004337757A priority Critical patent/JP4395556B2/ja
Priority to GB0501595A priority patent/GB2420424B/en
Priority to US11/042,164 priority patent/US7328075B2/en
Priority to DE102005006099A priority patent/DE102005006099B4/de
Publication of JP2006145432A publication Critical patent/JP2006145432A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4395556B2 publication Critical patent/JP4395556B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M9/00Aerodynamic testing; Arrangements in or on wind tunnels
    • G01M9/06Measuring arrangements specially adapted for aerodynamic testing
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B13/00Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
    • G05B13/04Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators
    • G05B13/042Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators in which a parameter or coefficient is automatically adjusted to optimise the performance

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

【課題】 本発明の課題は磁力支持装置の制御定数の調整において、反復調整法を適用することにより、プログラムの複雑化や計算量の増大、システムが大がかりにならず、しかも安定余有(ゲイン余有、位相余有)計算のため計算量を軽減した自動的に最適値へと調整する手法を提供することにある。
【解決手段】 本発明の制御定数自動調整方法は、磁力支持装置のフィードバック制御システムに対して、反復調整法を適用するに当たり、制御定数のうち装置の制御性能へ大きな影響を与えるものだけを取捨選択することにより、制御対象の入出力データから直接的に、設計者が意図した応答波形が得られるべく制御定数を最適な値へと導くようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁力支持天秤装置に備えられたフィードバック制御システムの制御定数を、与えられた安定な探索範囲内で自動的に最適な値へと調整する手法に関する。
風洞用磁力支持天秤装置は支柱などの支持機構を必要とせず磁気力により風洞模型を所定位置に支持するための装置であり、気流と支持機構との干渉がないため、物体の抵抗係数を求めたり後流の状態を測定するのに理想的な環境を提供するものとして注目され、また風洞内で模型に所望の動きをさせることが可能なものとして新たな期待がなされている。この風洞用磁力支持天秤装置には風洞内状態に変化があっても、その変化に対応して模型を所望位置に支持させるための制御機構が備えられている。その磁気力系を駆動するフィードバック制御機構の制御定数は模型支持の安定性を決定する重要な要素である。その制御定数は磁力支持装置の運動方程式と経験則により一応の算出が可能であるが、運動方程式中のパラメータの誤差など不確かさを含むものであるため、実際の模型に対して算出値をそのまま採用することは出来ず調整が必要となる。現時点では制御定数の調整は現場で模型の応答を観察しながら手動で調整する以外に方法がなく、この調整には多くの時間を要するだけでなく最適性が保証されるものではなかった。
一方、制御定数の自動調整については、近年 Iterative Feedback Tuning(反復調整法)と呼ばれる手法が開発され、さまざまなシステムヘ適用した研究が行われてきている。しかし磁力支持装置に対してこの手法を適用した例はなく、そのため安定性の保証についての研究は数えるほどしかない。また磁力支持天秤装置の場合は、実際に反復調整法を単純に4つの制御定数に適用しても最適な制御定数が得られないという問題があった。
非特許文献1には東芝、日立、富士電機、三菱重工、横河、山武ハネウエル各社が採用しているPID制御の自動調整方式について、一覧表(p.108,表5.1)の形で比較提示されている。三菱重工以外は制御対象の同定(入出力関係を表現できる数学モデルを求めること)を行っておりプログラムの複雑化や計算量の増大が予想される。また三菱重工は一つの制御定数に対して一つの評価関数を設定する手法をとっており、制御器が複数必要な場合は評価関数をさらに制御器の個数倍だけ設定しなければならないため、システムが大がかりになるという問題を持っている。
また、反復調整法においてシステムの安定性を保証する方式についての一例が非特許文献2に報告されている。これは通常の反復調整法の中で同時にシステムの安定余有(ゲイン余有、位相余有)を評価する方法である。しかしこの場合安定余有計算のため計算量の増加について問題があると考えられる。
「PID制御」須田信英,システム制御情報学会編,朝倉書店,1993年 Iterative Feedback Tuning with Guaranteed Stability, Franky De Bmyneand. Leonarde C. Kammer, Proceedings of the American Control Conference, pp.3317-3321, 1999.
これまで磁力支持天秤装置では、あらかじめ線形化された運動方程式および経験則から、おおよその制御定数を与え、実際の浮上試験時に実際の応答を観察しながら微調整を行っていた。しかし、これでは調整に多くの時間を要し、また調整した値の最適性も保証されなかった。
本発明の課題は磁力支持装置の制御定数の調整において、反復調整法を適用することにより、プログラムの複雑化や計算量の増大、システムが大がかりにならず、しかも安定余有(ゲイン余有、位相余有)計算のため計算量を軽減した自動的に最適値へと調整する手法を提供することにある。
本発明の制御定数自動調整方法は、磁力支持装置のフィードバック制御システムに対して、反復調整法を適用するに当たり、制御定数のうち装置の制御性能へ大きな影響を与えるものだけを取捨選択することにより、制御対象の入出力データから直接的に、設計者が意図した応答波形が得られるべく制御定数を最適な値へと導くようにした。
また、本発明の制御定数自動調整方法は、磁力支持装置のフィードバック制御システムに対して、装置を安定に制御できる保証のために制御定数に拘束条件を加えるようにした。
また、本発明の制御定数自動調整方法は、磁力支持天秤装置の比例積分制御と二重位相進み制御を併用したフィードバック制御システムに対して、1つの軸について4つある制御定数の内装置の制御性能へ大きな影響を与えるものとして比例積分制御の比例ゲイン(k)および位相進み要素の分子と分母の時定数の比(n)を採用するようにした。
更に、ある目標設定位置の時系列データr(t=1,2,…,N)に対する模型位置のサンプリングデータy(t=1,2,…,N)とそのときの制御電流のサンプリングデータu(t=1,2,…,N)が得られたとき、目標設定位置に対する追従性の善し悪しを判断する評価関数を次式と設定し、この評価関数を最適化する制御定数ρを求めるものとした。
Figure 2006145432
ここで、λ>0は重み係数、△=1−q−1は差分オペレータ(△u=u−ut−1)、またTは所望の応答波形を生成するためのフィルターとする。
また、本発明の制御定数自動調整方法は、装置を安定に制御できる保証のために制御定数につける拘束条件として、比例積分制御の比例ゲイン(k)および位相進み要素の分子と分母の時定数の比(n)に上下限および両者の積の上限の不等式拘束条件を設定するものとした。
本発明の制御定数自動調整方法は、磁力支持装置のフィードバック制御システムに対して、反復調整法を適用するに当たり、制御定数のうち装置の制御性能へ大きな影響を与えるものだけを取捨選択することにより、制御対象の入出力データから直接的に、設計者が意図した応答波形が得られるべく制御定数を最適な値へと導くようにしたものであるから、計算負担を必要最少限に抑えることができた。
また、本発明の制御定数自動調整方法は、磁力支持装置のフィードバック制御システムに対して、制御定数に拘束条件を加えるようにしたものであるから、装置を安定的に制御することができるものである。
また、本発明の制御定数自動調整方法は、磁力支持天秤装置の比例積分制御と二重位相進み制御を併用したフィードバック制御システムに対して、4つある制御定数の内装置の制御性能へ大きな影響を与える制御定数として比例積分制御の比例ゲイン(k)および位相進み要素の分子と分母の時定数の比(n)を採用するようにしたので、計算負担が軽く制御時間の短縮が出来た。
更に、ある目標設定位置の時系列データr(t=1,2,…,N)に対する模型位置のサンプリングデータy(t=1,2,…,N)とそのときの制御電流のサンプリングデータu(t=1,2,…,N)が得られたとき、目標設定位置に対する追従性の善し悪しを判断する評価関数を上記式と設定し、この評価関数を最適化する制御定数ρを求めるものとしたことにより、何回かの繰り返し計算で上記評価関数が最小となる制御定数を求めることが出来る。
また、本発明の制御定数自動調整方法は、装置を安定に制御できる保証のために制御定数につける拘束条件として、比例積分制御の比例ゲイン(k)および位相進み要素の分子と分母の時定数の比(n)に上下限および両者の積の上限の不等式拘束条件を設定するものとしたことにより、計算量が抑えられ、支持物体の制御が安定して且つリアルタイムの制御を可能とする。
要すれば、本発明により、以下の効果が達成できる。
1)自動化により制御定数調整に要する時間が大幅に短縮される。
2)1つの軸について調整する制御定数を2つだけに限定しても充分満足できる調整結果が得られ、計算量と試験時間の効率化が図れる。
3)調整された制御定数の最適性が保証される。
4)異なる模型に対しても同等の制御能力が得られる制御定数が求められ、異なる模型の間での試験結果の比較が容易になる。
5)制御理論に関する専門的な知識を必要としない。
6)安定性の確保が少ない計算量で済む。
本発明を説明する前に、まず本発明を適用する磁力支持天秤装置とその制御系について説明しておく。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の高亜音速風洞用磁力支持天秤装置は図7に示すような構成が採られている。断面が10cm×10cmの大きさの風洞測定部の外側に2つの空芯コイル0,9と8つの電磁石1乃至8を配置している。風洞模型Gmは通常円柱状のアルニコ磁石を用いている。x,y,zの座標軸は図7に示すように風洞軸方向にx、水平方向にy、鉛直方向にzとし、それぞれの軸周りをロール(φ)、ピッチ(θ)、ヨー(ψ)とする。そしてこれらの軸方向に磁気力・モーメントを作用させるために、この磁力支持天秤装置(以下10cmMSBSと略称する。)では表1に示すようにコイルを組み合わせている。なお、表1のコイル番号は図7のコイル番号に対応している。
Figure 2006145432
模型Gmが保持する磁気モーメントベクトルをM、模型周りの磁場強さベクトルをHとすると、模型に作用する磁気力FとモーメントNは次のように表される。
F=(M・▽)H ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (1)
N=M×H ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (2)
10cmMSBSの制御系設計では以下を仮定している。仮定1:ロール軸(φ)方向の運動は考慮しない。仮定2:ピッチ角(θ)とヨー角(ψ)は充分小さい。以上2つの仮定のもとで式(1),(2)を各軸方向の電流について線形化し、電流入力に対する模型位置・姿勢角出力の伝達関数Gmを求めると次のようになる。
Gm(s) =bc/s ,b=Mh/m ,c=10又は180/π‥‥‥‥ (3)
ここでMは磁石のx軸方向の磁気モーメント、mは模型全体の質量または慣性モーメント、そしてhは単位電流あたりの磁場勾配である。
またコイルのダイナミックスを1次遅れ
(s) =1/(τs+1) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (4)
で近似する。
10cmMSBSにおいて模型の制御は図1に示すように行っている。模型Gmの位置および姿勢角yは模型位置センサーHsにより検出される。そのセンサー出力からノイズvを除去するためにノイズカットフィルターHnを使用する。風洞模型Gmの位置と姿勢角はサンプリング周波数T=478.3Hzの光学センサーにより検出され、カットオフ周波数60Hzのバターワース型のノイズカットフィルタにかけられる。しかしセンサーには出力までにおよそ3msecのむだ時間がある。またノイズカットフィルタの位相遅れもあり、検出された位置・姿勢角は実際の位置・姿勢角に対し遅れがある。そのため、二重位相進め器Hpにより位相を進める。
(q)=n ・{(p−q−1)/(p−q−1)} ‥‥‥‥‥‥ (5)
=(n+T)/n,p=(T+T)/T ‥‥‥‥ (6)
ここでqはシフトオペレータであり、実際の制御プログラムでは位相進み要素の分子と分母の時定数の比(n)、時定数(T)を与えている。この位相が進められた位置・姿勢角情報と目標設定位置との差をとりPI制御器Kに入力して
K(q)=k{1+T/T(1−q−1)} ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (7)
により制御する。そして制御電流値uがコイル系Gc(電磁石・コイル)ヘと印加される。これにより磁場が形成され、磁気力が模型磁石に作用する。
JAXA10cmMSBSではx軸とθ軸との間に干渉が存在していることが知られていた。そのため、本研究においてはこの干渉を除去するために非干渉制御系を導入しており、これによりx,θとも一入出力(SISO)システムであると見なせるようになる。
通風試験の場合には模型に外力dとして空気力が作用する。またuは制御電流とは別個に任意に与えられる加振電流である。簡単のために、センサー,模型,コイル系を含む制御対象をまとめてP(図中の破線部分)、またフィードバックパスにあるノイズフィルターと二重位相進み要素をまとめてH(図中の破線部分)とする。
制御する模型の自由度は6であるがロール軸の制御を行わない場合は5自由度であり、模型の制御は5軸ないし6軸独立に行っている。1つの軸について制御定数は二重位相進みのn,TとPI制御器の比例ゲイン(k),PI制御器の積分時間(T)である。このうちTは制御周波数に近い値に選び、またTは模型位置・姿勢角の定常偏差がなくなる大きさに選べば充分で、これらの変化による模型応答の変化は非常に小さい。そのため調整する制御定数はnとkに限定できる。以下ではある1つの軸について調整すべき制御定数をまとめて
ρ=[k ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (8)
と表す。ここでTはベクトルの転置を表す。
図1より、位置yと制御入力uの開ループ伝達関数は
y(ρ)=Pu(ρ) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (9)
u(ρ)=u+K(ρ){r−H(ρ)y(ρ)} ‥‥‥‥‥‥‥‥ (10)
と表される。よって位置yと制御入力uの閉ループ伝達関数は
y(ρ)=PK(ρ)r/(1+L(ρ))+P・u/(1+L(ρ)) ‥‥‥‥‥ (11)
u(ρ)=K(ρ)r/(1+L(ρ))−u/(1+L(ρ)) ‥‥‥‥‥‥‥‥ (12)
となる。ここでL(ρ)=PH(ρ)K(ρ)である。
ある目標設定位置(または姿勢角)の時系列データr(t=1,2,…,N)に対する模型位置(または姿勢角)のサンプリングデータy(t=1,2,…,N)とそのときの制御電流のサンプリングデータu(t=1,2,…,N)が得られたとき、目標設定位置(または姿勢角)に対する追従性の善し悪しを判断する評価関数を
Figure 2006145432
と設定し、この評価関数を最適化する制御定数ρをGauss-Newton法によって求める。ここでλ>0は重み係数、△=1−q−1は差分オペレータ(△u=u−ut−1)、またTは所望の応答波形を生成するためのフィルターとする。例えばTを、ある固有振動数と減衰率を持った2次振動系を表すフィルターに設定すれば、模型の応答がその固有振動数と減衰率の応答波形に近づいたときに評価関数が最小となる。以下簡単のため、添え字tは省略する。
あるk回目の試行時の制御定数がρであり、次の(k+1)回目の試行時には制御定数ρk+1により評価関数Jがk回目の試行時の評価関数の大きさよりも小さくなる必要がある。ここでρk+1を得るために次の手順に従う。
[実験1] r=r,u=0として、模型位置・姿勢角yおよび制御電流uを取得する。以下、上付きの1,2はそれぞれ実験1,実験2で得られたデータを意味する。
[計算] 加振電流u
(ρ)=K'r−(KH)'y ‥‥‥‥‥‥‥‥ (14)
を計算する。ここで( )’は制御定数ρ(i=1,2)での微分を表す。すなわち、加振電流uはρに関するものとρに関するものの2つが得られる。
[実験2] r=0,u=u(i=1,2)として加振電流を印加し、そのときの模型位置・姿勢角y および制御電流u を取得する。
以上の実験を通して得られたy,u,y ,u から、制御定数の更新量が求められる。
Figure 2006145432
ここでγは制御定数更新のステップ幅を調整するための値であるが、多くの場合1として差し支えない。このような制御定数の更新を何回か反復して行うことで評価関数が最小となる制御定数が得られる。
ところで、磁力支持天秤装置は制御定数の与え方によっては模型の制御が不安定になってしまう場合がある。そこで模型の制御が不安定にならないような機能が必要となるが、一方でリアルタイムでフィードバック制御しているため計算量はできるだけ抑える必要もある。そこで、安定化の保証のために制御定数に拘束条件を加える。調整する制御定数kとnはともにゲインに関係する制御定数であるため、おのおのの上下限と両者の積の上限の計5つの拘束条件を考える。それらの拘束条件を
Figure 2006145432
と表す。そして(k+1)回目に更新される制御定数k k+1とn k+1が式(18)の拘束条件の少なくとも1つを満足しない場合、その拘束条件を満足するように更新量dを変更する必要がある。このとき新たな更新量をδと表すと、拘束条件gにかかる場合、
Figure 2006145432
のように更新量をdからδに変更すればよい。このような手法により、計算量を抑えながらも模型制御の安定性が保証されることになる。
図7に示したJAXA10cmMSBSにおいて、模型として直径8mm,長さ100mmの円柱模型をx軸方向に配置し、本発明の制御定数自動調整法を数値シミュレーションによって検証した。自動調整を行わないT,Tについては従来使用している値T=2.0,T=2.0×10−3を用いた。理想的な応答として固有振動数5.OHz,減衰率0.8の2次振動系のステップ応答を、重み係数はλ=0.01,ステップ幅はγ=1.0と選んだ。
はじめに拘束条件を考慮しない場合について検討する。図2は理想的な応答(破線)、初期値として与えた制御定数による応答(細線)と最適化後の応答(太線)を模型位置および制御電流について比較した図である。反復回数は5回とした。TとTは一定値に固定しているが、kとnを変化させるだけでも充分2次の振動系と同等の応答が得られており、調整する制御定数をkとnに限定することは計算量の軽減という意味からも効率的である。このときの各反復における制御定数および評価関数の履歴を表2に示す。
Figure 2006145432
3回の反復までに急激に評価関数が小さくなっており、速やかに極小値へ降下していることが分かる。なお、制御定数は他の初期値から出発してもほぼ同じ値に収束することも確認した。
次に、拘束条件に到達した際の更新則の有効性を検証するために、極小値に到達する前に拘束条件に到達するように設定し、数値シミュレーションを行う。例として、次の拘束条件のみを考える。
=n+2.5k−24.5≦0 ‥‥‥‥‥‥‥‥ (18)
図3に評価関数の大きさの等高線と更新される制御定数の様子を示す。図中の破線が拘束条件の境界線である。ここで初期値は異なる点から出発しているが、制御定数が拘束条件に到達すると拘束条件を満たす領域内での極小値へ向かっている様子が分かる。そしてk=3.0,n=12.0から出発した点は5回の反復後にk=3.82,n=14.96へ、k=4.0,n=10.0から出発した点はk=3.82,n=14.95へと、ほとんど同じ点に到達した。これにより拘束条件に到達した場合の更新則の有効性が示された。ここでは強制的に拘束条件に到達する状況を設定したが、実際には拘束条件は極小値を取り囲むように設定するのが望ましい。そのとき、もし制御定数がある反復で拘束条件に到達してしまった場合でも、一旦拘束条件上にとどまり、その次の反復で再度極小値を探索する。そのため、こうした手法によりMSBSの安定性が保証されたと言える。
図4〜図6に実際に模型をセットして試験を行った結果について示す。試験は図7に示したJAXA10cmMSBSを用いた。使用した模型は直径8mm,長さ100mmアルニコ磁石であり、その先端部には直径8mm,長さ20mm鉄製の円錐を取り付けた。制御定数の自動調整は鉛直方向のz軸について行った。
図4は、模型の応答が指定した応答へと近づく様子を示した図である。理想的な応答として固有振動数5Hz、減衰率0.8の2次振動系の応答を選んだ。制御定数k=1.2,n=8.0を初期状態とした場合に、本発明による手法に従い制御定数の自動調整を行い、4回目の試行後に得られた応答と比較した図である。また自動調整のパラメータとしてλ=0.01,γ=1.0を選んだ。ここにλは重み係数、γは制御定数更新のステップ幅を調整する値である。本来制御定数は4つあるが、これを2つだけに限定しても充分満足できる調整結果が得られる。
図5は、初期値として与える制御定数が異なる場合でも同様の制御定数に収束していく様子を示した図である。△印の破線で示した初期値がk=1.2,n=8.0の場合と、丸印の実線で示した初期値がk=1.5,n=10.0の場合の両者ともに、4,5回の試行後にk=1.02,n=14.3へと収束していった。
図6は、拘束条件にかかる場合の制御定数の推移を示した図である。拘束条件は本来ならば最適な制御定数を取り囲むように模型制御が安定な範囲でできるだけ広く設定されるべきであるが、ここでは拘束条件にかかる場合の自動調整の有効性を検証するために、図6中の細い破線のように強制的に拘束条件にかかるようにした。これにより拘束条件にかかる場合、制御定数はその拘束条件の境界線上を推移していることが示された。
磁力支持天秤装置フィードバック制御系のブロック線図である。 初期パラメータと最終パラメータのステップ応答を示すグラフである。 評価関数の大きさの等高線と更新される制御定数の様子を示す図である。 理想的な応答と初期パラメータと最終パラメータのステップ応答を示すグラフである。 制御定数kとnの更新推移をプロットして示した図である。 拘束条件にかかる場合の制御定数kとnの更新推移をプロットして示した図である。 宇宙航空研究開発機構の高亜音速風洞用磁力支持天秤装置の基本構成を示す図である。
符号の説明
K PI制御器 Gc コイル系
Gm 模型 Hs センサ
Hn ノイズ除去フィルタ Hp 二重位相進め器
P 制御対象 H 二重位相進み要素
y 模型の位置(姿勢角) u 制御電流
加振電流 d 空気力
v ノイズ

Claims (5)

  1. 磁力支持装置のフィードバック制御システムに対して、反復調整法を適用するに当たり、制御定数のうち装置の制御性能へ大きな影響を与えるものだけを取捨選択することにより、制御対象の入出力データから直接的に、設計者が意図した応答波形が得られるべく制御定数を最適な値へと導くことを特徴とする制御定数自動調整方法。
  2. 磁力支持装置のフィードバック制御システムに対して、装置を安定に制御できる保証のために制御定数に拘束条件を加えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の制御定数自動調整方法。
  3. 磁力支持天秤装置の比例積分制御と二重位相進み制御を併用したフィードバック制御システムに対して、装置の制御性能へ大きな影響を与える制御定数として比例積分制御の比例ゲイン(k)および位相進み要素の分子と分母の時定数の比(n)を採用したものである請求項1又は2に記載の制御定数自動調整方法。
  4. ある目標設定位置の時系列データr(t=1,2,…,N)に対する模型位置のサンプリングデータy(t=1,2,…,N)とそのときの制御電流のサンプリングデータu(t=1,2,…,N)が得られたとき、目標設定位置に対する追従性の善し悪しを判断する評価関数を次式と設定し、この評価関数を最適化する制御定数ρを求めるものである請求項3に記載の制御定数自動調整方法。
    Figure 2006145432
    ここで、λ>0は重み係数、△=1−q−1は差分オペレータ(△u=u−ut−1)、またTは所望の応答波形を生成するためのフィルターとする。
  5. 装置を安定に制御できる保証のために制御定数につける拘束条件として、比例積分制御の比例ゲイン(k)および位相進み要素の分子と分母の時定数の比(n)に上下限および両者の積の上限の不等式拘束条件を設定したものである請求項3に記載の制御定数自動調整方法。
JP2004337757A 2004-11-22 2004-11-22 磁力支持装置の制御定数自動調整方法 Expired - Fee Related JP4395556B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004337757A JP4395556B2 (ja) 2004-11-22 2004-11-22 磁力支持装置の制御定数自動調整方法
GB0501595A GB2420424B (en) 2004-11-22 2005-01-25 Method of automatic adjustment of the control parameters of a magnetic suspension system
US11/042,164 US7328075B2 (en) 2004-11-22 2005-01-26 Method of automatic adjustment of the control parameters of a magnetic suspension system
DE102005006099A DE102005006099B4 (de) 2004-11-22 2005-02-10 Verfahren zur automatischen Einstellung der Regelparameter eines magnetischen Aufhängungssystems

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004337757A JP4395556B2 (ja) 2004-11-22 2004-11-22 磁力支持装置の制御定数自動調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006145432A true JP2006145432A (ja) 2006-06-08
JP4395556B2 JP4395556B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=34270474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004337757A Expired - Fee Related JP4395556B2 (ja) 2004-11-22 2004-11-22 磁力支持装置の制御定数自動調整方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US7328075B2 (ja)
JP (1) JP4395556B2 (ja)
DE (1) DE102005006099B4 (ja)
GB (1) GB2420424B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505556A (ja) * 2007-11-30 2011-02-24 ナノファクトリー インストゥルメンツ エービー 走査型プローブ顕微鏡における反復的フィードバック調整
CN114185265A (zh) * 2022-02-15 2022-03-15 中国空气动力研究与发展中心高速空气动力研究所 大型开口射流风洞超声速定总压连续变马赫数控制方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7444191B2 (en) * 2005-10-04 2008-10-28 Fisher-Rosemount Systems, Inc. Process model identification in a process control system
CN102393643B (zh) * 2011-10-25 2013-04-17 中国人民解放军国防科学技术大学 磁悬浮系统的电流环自适应控制方法
US10641507B2 (en) * 2015-09-16 2020-05-05 Siemens Industry, Inc. Tuning building control systems
CN106200380B (zh) * 2016-07-15 2019-01-08 浙江工业大学 基于非线性观测的磁悬浮系统跟踪控制方法
US10533923B2 (en) * 2016-11-18 2020-01-14 Brian Jeffrey Birch Wind tunnel with an effective variable nozzle for testing various aerospace specific sensors and probes
CN106527144B (zh) * 2016-12-13 2019-02-01 浙江工业大学 磁悬浮系统的抗干扰轨迹跟踪降阶控制方法
CN108132599B (zh) * 2017-11-28 2021-06-01 东南大学 一种基于迭代反馈整定的ude控制系统设计方法
CN111176329B (zh) * 2020-02-12 2020-09-18 中国空气动力研究与发展中心高速空气动力研究所 一种基于风洞试验数据的编队飞行混合性能函数构建方法
CN115320398B (zh) * 2022-08-18 2024-06-14 中国人民解放军国防科技大学 基于广义内模控制算法的磁浮列车悬浮系统的控制方法
CN116430733B (zh) * 2023-05-12 2024-01-02 曲阜师范大学 含反演控制位置非对称约束的积分滑模机舱悬浮控制方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4523166A (en) * 1984-10-19 1985-06-11 General Electric Company Optimal field inhomogeneity correction coil operation for NMR magnets
US5159547A (en) * 1990-10-16 1992-10-27 Rockwell International Corporation Self-monitoring tuner for feedback controller
US5313399A (en) * 1992-01-21 1994-05-17 The Charles Stark Draper Laboratories, Inc. Adaptive synchronous vibration suppression apparatus
US5400256A (en) * 1992-01-21 1995-03-21 The Charles Stark Draper Laboratory, Inc. Frequency tracking adaptive synchronous vibration suppression apparatus
JP3350310B2 (ja) * 1995-08-22 2002-11-25 株式会社荏原製作所 ロボットアームのリニアアクチュエータ
JP3563167B2 (ja) * 1995-08-31 2004-09-08 セイコーインスツルメンツ株式会社 磁気軸受装置
US5889505A (en) * 1996-04-04 1999-03-30 Yale University Vision-based six-degree-of-freedom computer input device
US6163730A (en) * 1997-08-11 2000-12-19 Motorola, Inc. Method and control system for changing the state of a plant
JP3130890B2 (ja) * 1999-02-25 2001-01-31 セイコー精機株式会社 磁気軸受装置及び磁気軸受制御装置
JP4281935B2 (ja) * 1999-10-12 2009-06-17 富士通株式会社 二重アクチュエータ制御システムのキャリブレーション方法
US6681152B1 (en) * 2000-11-30 2004-01-20 Bbnt Solutions Llc Predictive active compensation systems
US20030097205A1 (en) * 2001-11-20 2003-05-22 Bausan Yuan Control scheme and system for active vibration isolation
JP3697484B2 (ja) * 2002-04-02 2005-09-21 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 磁力支持天秤装置における動的力評価システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505556A (ja) * 2007-11-30 2011-02-24 ナノファクトリー インストゥルメンツ エービー 走査型プローブ顕微鏡における反復的フィードバック調整
CN114185265A (zh) * 2022-02-15 2022-03-15 中国空气动力研究与发展中心高速空气动力研究所 大型开口射流风洞超声速定总压连续变马赫数控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
GB2420424A (en) 2006-05-24
US7328075B2 (en) 2008-02-05
GB0501595D0 (en) 2005-03-02
GB2420424B (en) 2007-09-05
JP4395556B2 (ja) 2010-01-13
DE102005006099A1 (de) 2006-05-24
US20060111863A1 (en) 2006-05-25
DE102005006099B4 (de) 2010-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7328075B2 (en) Method of automatic adjustment of the control parameters of a magnetic suspension system
JP4223894B2 (ja) Pidパラメータ調整装置
Levant et al. Aircraft pitch control via second-order sliding technique
US9058028B2 (en) Systems and methods for parameter dependent riccati equation approaches to adaptive control
KR101849464B1 (ko) Pid 게인 자동 튜닝 방법
Jiffri et al. Experimental nonlinear control for flutter suppression in a nonlinear aeroelastic system
Tang et al. Predictive functional control-based missile autopilot design
Lin et al. Nonlinear dynamics and control of supercavitating bodies
KR101918101B1 (ko) 궤도 추적 에러의 최대 진폭을 줄이기 위한 제어기 설계 방법 및 이를 이용한 제어기
KR102093744B1 (ko) 항공기 세로축 안정성 및 비행성 충족을 위한 파라미터 최적화 방법
Liu et al. Improved LQG method for active gust load alleviation
Farahmandi et al. Predictive cost adaptive control of a planar missile with unmodeled aerodynamics
Celani Global and robust attitude control of a launch vehicle in exoatmospheric flight
Mehrabian et al. Skid-to-turn missile autopilot design using scheduled eigenstructure assignment technique
Ali Robust PI-PD controller design for magnetic levitation system
Wache et al. Self-tuning control for nonlinear systems using a state-dependent Riccati equation approach
Clements et al. Time Domain Stability Margin Assessment of the NS Space Launch System GN&C Design for Exploration Mission One
JP4265771B2 (ja) 磁場のフィードバック制御を行う磁力支持装置
Matt et al. Evaluation and analysis of ardupilot automatic tuning algorithm for the roll tracking controller of a small uas
Kim et al. On the use of finite rotation angles for spacecraft attitude control
JP7207473B1 (ja) 情報処理装置
JP7207474B1 (ja) 情報処理装置
CN113325699B (zh) 一种适用于复合稳定控制系统的调参方法及系统
CN116125818B (zh) 一种含闭环信息反馈动态指定性能的有限时间机舱悬浮控制方法
US11409265B2 (en) Method of setting a controller with setpoint weighting

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090826

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090901

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees