JP2006144033A - スラグの処理方法および処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
スラグの体積安定性を高めることができ,しかもスラグ中の遊離CaOを効果的に減少させることができるスラグの処理方法と処理装置を提供する。
【解決手段】
スラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3を加熱して処理する装置1であって,スラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3の上方に配置される保温カバー12と,この保温カバー12に上向きの力を加えることにより,スラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3の液面に保温カバー12を浮かせた状態を維持させるカウンターウェイト24と,保温カバー12に支持されて,保温カバー12内において溶融スラグ3を加熱するバーナ27を備えている。スラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3の液面に保温カバー12を浮かせ,この保温カバー12に支持したバーナ27により,保温カバー12内において溶融スラグ3を加熱する。
【選択図】 図1

Description

本発明は,製鋼工程などで発生するスラグを溶融状態で改質処理する方法と装置に関する。
脱りん,脱硫,脱炭精錬によって生成されるスラグ(製鋼スラグ)は,道路路盤材,コンクリート用骨材等に利用される。だが製鋼スラグに含まれる遊離CaOは,水和反応を起こして膨張するため体積安定性が低く,製鋼スラグは,土木工事用の仮設材,道路の地盤改良材,下層路盤材等の低級用途に専ら利用され,より高級用途である上層路盤材,コンクリート用骨材,石材原料等には用いがたい。
このため,自然養生や蒸気エージングによってスラグ中の遊離CaOの水和反応を促進させる方法が,一般に採用されている。しかしながら,このように自然養生や蒸気エージングを行うためには,膨張特性が無視できるようになるまで長期間の養生と広い敷地が必要となる。またこの方法では,遊離CaOを効果的に消滅させることができず,依然としてスラグの用途が限られてしまう。
そこで従来,転炉から排出された脱炭スラグを溶融状態のまま改質する方法が開示されている(非特許文献1参照)。これは,溶融スラグ中に酸素と珪石を浸漬ランスを通じて吹き込み,スラグ中のFeOを酸化して昇熱しながら改質材によってスラグの塩基度を低減し,未滓化石灰を体積安定性のある化合物に変化させる方法である。また溶融金属に関してであるが,容器内の鋼浴面高さをカメラで検知し,それに基いて浸漬装置の高さを制御することが開示されている(特許文献1参照)。また,真空槽内圧力に基いて鋼浴面レベルの変化を算出し,浸漬装置の高さを制御することも開示されている(特許文献2参照)。更に,真空槽を昇降させる装置にランスを支持させ,真空槽とランスを同時に昇降させることも開示されている(特許文献3参照)。
M.Kuehn,et al.,2nd European Steelmaking Congress,Taranto(1997)p445/453 特開2001−329310号公報 特開平11−323427号公報 特開平9−157730号公報
しかし非特許文献1の方法では,脱炭スラグのように1600℃以上の高温スラグでかつ流動性が確保されている場合には効果があるものの,スラグ温度やスラグ中のトータルFe(%T.Fe)が低位であったり,塩基度(%CaO/%SiO)が高位であった場合には,スラグの流動性が失われ,改質効果を十分に発揮できないといった課題がある。例えば脱りんスラグのように精錬温度が1300〜1400℃と低い場合には,冶金炉から排出された時点で既に固相率が高く,酸素の吹き込みが困難な状態になるか,または,吹き込んでも酸化反応が継続して起こりにくい状態になってしまう。スラグの温度が上昇しないと粘性も高くなり,改質材による均一な反応も期待できない。また特許文献1〜3の方法は,何れもスラグの改質処理自体を対象としたものではなく,特に特許文献1の方法は,浸漬装置を浸漬させた後は,湯面の変化に対応できない。また特許文献2,3の方法は,何れも減圧下での精錬に関するものである。
本発明の目的は,スラグの体積安定性を高めることができ,しかもスラグ中の遊離CaOを効果的に減少させることができるスラグの処理方法と処理装置を提供することにある。
かかる課題を解決するために,本発明によれば,スラグ鍋に入れられた溶融スラグの液面に保温カバーを浮かせ,この保温カバーに支持したバーナにより,前記保温カバー内において溶融スラグを加熱することを特徴とする,スラグの処理方法が提供される。
スラグの塩基度を低下させる改質材を,前記バーナから溶融スラグに溶射しても良い。また,前記保温カバーに貫通させたランスの先端を溶融スラグ中に浸漬させ,溶融スラグ中にガスを吹き込むようにしても良い。
また本発明によれば,スラグ鍋に入れられた溶融スラグを加熱して処理する装置であって,スラグ鍋に入れられた溶融スラグの上方に配置される保温カバーと,この保温カバーに上向きの力を加えることにより,スラグ鍋に入れられた溶融スラグの液面に保温カバーを浮かせた状態を維持させるカウンターウェイトと,前記保温カバーに支持されて,前記保温カバー内において溶融スラグを加熱するバーナを備えることを特徴とする,スラグの処理装置が提供される。
前記保温カバーの上方に架構を配置し,この架構に取付けられたスプロケットに巻回させたチェーンの一端を前記保温カバーに接続し,前記チェーンの他端を前記カウンターウェイトに接続しても良い。また,前記保温カバーに,ランスを通す孔を設けても良い。また,前記保温カバーの内面,下端面及び外面の下部に耐火物を取付けても良い。更に,前記バーナは,スラグの塩基度を低下させる改質材を溶射できるものであっても良い。
本発明によれば,溶融スラグの液面に浮かせた保温カバーの内部において溶融スラグを加熱することにより,熱を外部へ漏らさずに効率良く溶融スラグを加熱できるようになる。また,溶融スラグの液面に浮かせた保温カバーにバーナが支持されているので,加熱処理中に溶融スラグの液面が変化しても,それに追従してバーナの高さが変化するため,バーナと溶融スラグの液面からのバーナの高さがほぼ一定に保たれ,バーナから発した火炎の温度が最も高い位置を常に溶融スラグの液面に当てることができ,溶融スラグを常に最適な条件で加熱することができる。また,保温カバーが溶融スラグの液面に浮いていることにより,加熱中に保温カバー下端が溶融スラグの液面から上方に持ち上がることがなく,保温カバー内から漏れ出た熱によってスラグ鍋を劣化させることも回避できる。そして,このように溶融スラグを効率良く加熱することにより,溶融スラグの流動性が好適に保たれ,溶融スラグ中の気泡を円滑に上昇させて排出させることができ,また,溶融スラグ中に含まれるSiOやバーナから溶融スラグに溶射した改質材によってスラグ中の遊離CaOを体積安定性のある化合物に速やかに変化させることが可能となる。
以下,本発明の好ましい実施の形態を図面を参照にして説明する。図1は,本発明の実施の形態にかかる処理装置1の概略的な構成を示す説明図である。図2は,保温カバー12の縦断面図である。
図1に示すように,スラグ鍋2には,例えば転炉から排出された溶融スラグ(脱炭スラグ)3が溶融状態のまま入れられている。スラグ鍋2の周りには,架構10が置かれている。架構10は,床4の上を移動自在であり,図1は,架構10をスラグ鍋2の位置まで移動させた状態を示している。また架構10には,複数本のチェーン11を介して保温カバー12が吊下げられている。後述するように,保温カバー12は昇降自在に構成されており,図1では,保温カバー12が下降し,スラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3の液面に保温カバー12が浮かんだ状態を示している。
図2に示すように,保温カバー12は,下面が開口し,上面が閉じられた円筒形状のカバー本体15と,このカバー本体15の内面,カバー本体15の下端面及びカバー本体15の外面の下部に取付けられた耐火物16とで構成されている。カバー本体15は例えば鋼製である。保温カバー12の上面には,中央に配置されたバーナ挿通孔17と,このバーナ挿通孔17の周りに配置されたランス挿通孔18が設けられている。
図1に示すように,架構10の上部フレーム20には,チェーン11を巻回させて吊下げるためのスプロケット21がブラケット22を介して取付けられている。スプロケット21は,複数本のチェーン11のそれぞれに対応するように適当箇所に配置されている。図1に示す例では,各チェーン11を,保温カバー12の上方に配置したスプロケット21と,保温カバー12の上方から側方に配置したスプロケット21とに跨って巻回させて吊下げている。そして,このようにそれぞれ2つのスプロケット21に巻回されて吊下げられた各チェーン11の一端は,保温カバー12の上面に金具23を介してそれぞれ接続されている。また各チェーン11の他端には,カウンターウェイト24がそれぞれ吊下げられている。こうして上方に配置された2つのスプロケット21を跨いで吊下げるように配置した各チェーン11の一端に保温カバー12を接続し,他端にカウンターウェイト24を接続することにより,保温カバー12を上に持上げる方向にカウンターウェイト24の自重が作用している。
ここでカウンターウェイト24の総質量Wは,保温カバー12の質量wよりも数十kg程度軽く設定されている(w−W=数十kg)。また,各カウンターウェイト24それぞれの質量バランスによって,保温カバー12の上下面が常に水平を保つように設定されている。これにより,保温カバー12は,チェーン11で吊下げられて水平な姿勢を保ったまま,下向きに数十kg程度の力で付勢された状態になっている。各スプロケット21を回転させる際には摩擦抵抗が発生するが,このように数十kg程度の力で付勢されることにより,各スプロケット21が摩擦抵抗に抗って回転し,保温カバー12がスムーズに下降できるようになっている。
こうして下降した保温カバー12は,下端面をスラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3の液面から僅かに下方に浸漬させて,溶融スラグ3の液面に浮かんだ状態を維持するようになっている。即ち,前述のように保温カバー12にはカウンターウェイト24の自重が上向きに加わっているので,保温カバー12の下端面が溶融スラグ3の液面から僅かに下方に浸漬した位置で,保温カバー12が下向きに付勢されている数十kg程度の力と保温カバー12に加わる浮力が釣り合い,保温カバー12は溶融スラグ3中に沈むことなく,溶融スラグ3の液面に浮かんだ状態を維持することができる。
保温カバー12の上面には支柱25が立設してあり,この支柱25に固定されたプレート26に加熱用のバーナ27が支持されている。バーナ27の燃料としては,LPG,重油,微粉炭,排プラスチックなどを用いることができる。バーナ27は,保温カバー12の上面中央に形成されたバーナ挿通孔17から保温カバー12内に挿入されるように支持されている。また,こうしてバーナ27を保温カバー12に対して固定することにより,バーナ27の下端に形成された火炎aの噴出口28は,保温カバー12の内部において,溶融スラグ3の液面から所定の高さhに配置されている。この場合,所定の高さhは,バーナ27下端の噴出口28から火炎aを噴出した際に,火炎aの温度が最も高くなる位置が,溶融スラグ3の液面付近となるように設定されている。また,バーナ27は,このように火炎aを噴出して溶融スラグ3を加熱すると共に,スラグの塩基度を低下させる改質材を,必要に応じて溶融スラグ3の液面に向って溶射できるようになっている。
上述した保温カバー12の上面に形成されたランス挿通孔18には,溶融スラグ3中に攪拌用のガスを噴き込むためのランス30が挿入されている。このランス30は,図示しない昇降機構の稼動により,保温カバー12に対して昇降するようになっている。
図1に示す例では,各チェーン11を巻回させている2つのスプロケット21のうち,保温カバー12の上方に配置されたスプロケット21には,ブレーキ付きモータ31がそれぞれ装着してある。各ブレーキ付きモータ31を同期させて稼動させることにより,チェーン11で吊下げられている保温カバー12を,水平な姿勢を保ったまま,上方に移動させることができる。一方,各ブレーキ付きモータ31の稼動を同期させてOFFにすると,上述のように,保温カバー12は,水平な姿勢を保ったまま下向きに数十kg程度の力で付勢されて下降するようになっている。また,このように保温カバー12が下降する際には,各ブレーキ付きモータ31によってチェーン11に制動力が加わることにより,保温カバー12がゆっくりと下降するようになっている。
さて,以上のように構成された処理装置1において,溶融スラグ3を入れたスラグ鍋2が床4の上に置かれると,架構10がスラグ鍋2の位置まで移動してくる。なお,このように架構10を移動させる場合は,ブレーキ付きモータ31の稼動により保温カバー12をスラグ鍋2にぶつからない高さまで予め上昇させておく。そして,スラグ鍋2の上方に架構10の上部フレーム20を位置させた後,ブレーキ付きモータ31の稼動をOFFにして,保温カバー12を水平な姿勢を保ったまま制動を加えつつゆっくりと下降させる。この場合,保温カバー12は下向きに数十kg程度の力で付勢されて下降するので,スプロケット21に加わる摩擦抵抗などによって保温カバー12が途中で停止してしまうことはない。
こうして,保温カバー12の下端面がスラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3の液面から僅かに下方に浸漬された位置まで下降すると,溶融スラグ3から保温カバー12に加わる浮力によって,保温カバー12は溶融スラグ3の液面に浮かんだ状態を維持することになる。
そして,このように保温カバー12を溶融スラグ3の液面に浮かせた状態で,保温カバー12に支持したバーナ27から溶融スラグ3の液面に向って下向きに火炎aを噴出し,溶融スラグ3を加熱する。この場合,バーナ27下端の噴出口28が溶融スラグ3の液面から所定の高さhに配置されているので,火炎aの温度の最も高くなる位置が溶融スラグ3の液面付近となり,溶融スラグ3を効率良く加熱することができる。
こうしてスラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3を効率良く加熱して溶融スラグ3の流動性を好適に保つことにより,溶融スラグ3中から気泡を速やかに浮上排出させると共に,溶融スラグ3中に存在する遊離CaOを溶融スラグ3中に存在するSiOなどと反応させて,体積安定性のある化合物(2CaO・SiO等)に変化させることができる。また,溶融スラグ3中に残っているFe(粒鉄)を速やかにスラグ鍋2の底部に沈降させることが可能である。
この場合,バーナ27から溶融スラグ3に向けて,スラグの塩基度を低下させる改質材を溶射しても良い。改質材としては,溶融スラグ3よりも塩基度(CaO/SiO(質量比))が低いものであれば特に限定されないが,例えばSiOを含有する物質を溶射しても良い。SiOを含有する物質としては,フライアッシュ,珪砂等が例示できる。また,改質材の溶射量は,溶融スラグ3の成分や温度,目標とする改質スラグの成分等から,適宜設定すれば良い。
また,このようにスラグ鍋2に入れられた溶融スラグ3を火炎aで加熱し,もしくは,溶融スラグ3を火炎aで加熱すると共に改質材を溶射する一方で,保温カバー12上面のランス挿通孔18に挿入したランス30を適宜下降させ,溶融スラグ3中に浸漬させたランス30の先端からガス(空気,酸素,窒素等)を噴き込むことにより,溶融スラグ3を攪拌させても良い。こうして攪拌することにより,溶融スラグ3中からの気泡の浮上排出を促進させ,遊離CaOをSiO等と反応させて遊離CaOを低減させることができ,均一な改質が行われるようになる。なお,ランス30から溶融スラグ3中に酸素を吹込むことにより,溶融スラグ3中のFeOを酸化させ,その際に発生する酸化熱によって溶融スラグ3の流動性向上,溶融改質を更に促進させることができる。なお,バーナ27による加熱操作と,ランス30による攪拌操作を,もしくは,バーナ27による加熱操作と改質材の溶射操作と,ランス30による攪拌操作を,1回ずつもしくは複数回ずつ適宜交互に繰り返して行っても良い。
一方,このように溶融スラグ3中から気泡を浮上排出させ,遊離CaOをSiO等と反応させて遊離CaOを低減させることに伴って,溶融スラグ3の液面高さは処理の前後で大きく変化(特に低下)していく。しかるに,以上に説明した本願発明の実施の形態によれば,溶融スラグ3の液面に浮かせた保温カバー12にバーナ27が支持されているので,溶融スラグ3の液面高さが変化しても,それに追従して保温カバー12も上下していく。こうして,バーナ27下端の噴出口28は常に溶融スラグ3の液面から所定の高さhに位置することとなるので,バーナ27下端の噴出口28から発した火炎aの温度が最も高い位置を常に溶融スラグ3の液面付近に当てることができ,溶融スラグ3を最適な条件で加熱することができる。
また,このように溶融スラグ3の液面に浮かせた保温カバー12の内部においてバーナ27下端の噴出口28から発した火炎aで溶融スラグ3を加熱することにより,熱を外部へ漏らさずに保温カバー12の内部において効率良く溶融スラグ3を加熱することができる。この場合,保温カバー12が溶融スラグ3の液面に浮いていることにより,加熱中に保温カバー12下端が溶融スラグ3の液面から上方に持ち上がることがなく,保温カバー12の内部から熱が漏れ出ることがなく,そのため,熱によってスラグ鍋2を劣化させることも回避できる。
こうして改質処理されたスラグは,水浸膨張比が低減され,強度が向上したものとなる。このため,処理されたスラグは,上層路盤材,アスファルト混合道路用材,アスファルト舗装用骨材,コンクリート用骨材,コンクリート二次製品用原料,窯業・タイル用原料,人工石材原料等の各種有用な原料に適用することができ,再生資源として有効利用できるようになる。
図1で説明した処理装置において,溶融スラグを処理した。保温カバーをチェーンによって4点吊りし,カウンターウェイトでバランスをとることにより,保温カバーが20kgの質量で下向きに付勢されるようにした。転炉からの溶融スラグ20tonの入ったスラグ鍋をセットし,保温カバーを緩やかに降下させ,溶融スラグの液面に保温カバーの下端が接触した後,ブレーキ付きモータの制動を開放し,保温カバーを溶融スラグ液面に浮かせた状態でバランスさせた。
この状態で,1300℃の溶融スラグに対して保温カバーに支持したバーナによる加熱とフライアッシュの溶射を5分,ランスによるガス攪拌1分を交互に3回繰り返した。この操作中に溶融スラグの液面は約600mm低下したが,常に保温カバーは溶融スラグの液面に浮いた状態を維持し,保温カバー下端と溶融スラグの液面の間に隙間ができることがなく,また,溶融スラグの液面とバーナ下端の噴射口との間隔を10mm以内の誤差範囲内で一定に保てた。その結果,溶融スラグを1400℃まで加熱できた。
(比較例)
実施例と同様に,図1で説明した処理装置において,転炉からの溶融スラグ20tonの入ったスラグ鍋をセットした。但し比較例では,ブレーキ付きモータの代りにウインチを用いて保温カバーを下降させ,保温カバー下端が溶融スラグ液面に接触したことを目視で確認し,保温カバーの下降を停止させた。
この状態で,1300℃の溶融スラグに対して保温カバーに支持したバーナによる加熱とフライアッシュの溶射を5分,ランスによるガス攪拌1分を交互に3回繰り返した。この操作中に溶融スラグの液面が約600mm低下したので,保温カバーの外側において溶融スラグの液面を目視にて確認し,ウィンチによって保温カバーの高さを調整した。しかしながら,比較例では常に保温カバー下端を溶融スラグの液面に接触させた状態を維持できず,保温カバーと溶融スラグの液面との間に隙間ができ,バーナから噴射した火炎によりスラグ鍋に損傷を与えた。また,溶融スラグの液面とバーナ下端の間隔は100mm以上変動した。また,溶融スラグは1340℃までしか加熱できなかった。
本発明は,製鋼工程などで発生するスラグの処理などに利用される。
本発明の実施の形態にかかる処理装置の概略的な構成を示す説明図である。 保温カバーの縦断面図である。
符号の説明
1 処理装置
2 スラグ鍋
3 溶融スラグ
4 床
10 架構
11 チェーン
12 保温カバー
15 カバー本体
16 耐火物
17 バーナ挿通孔
18 ランス挿通孔
20 上部フレーム
21 スプロケット
22 ブラケット
23 金具
24 カウンターウェイト
25 支柱
26 プレート
27 バーナ
28 噴出口
30 ランス
31 ブレーキ付きモータ

Claims (8)

  1. スラグ鍋に入れられた溶融スラグの液面に保温カバーを浮かせ,この保温カバーに支持したバーナにより,前記保温カバー内において溶融スラグを加熱することを特徴とする,スラグの処理方法。
  2. スラグの塩基度を低下させる改質材を,前記バーナから溶融スラグに溶射することを特徴とする,請求項1に記載のスラグの処理方法。
  3. 前記保温カバーに貫通させたランスの先端を溶融スラグ中に浸漬させ,溶融スラグ中にガスを吹き込むことを特徴とする,請求項1または2に記載のスラグの処理方法。
  4. スラグ鍋に入れられた溶融スラグを加熱して処理する装置であって,
    スラグ鍋に入れられた溶融スラグの上方に配置される保温カバーと,この保温カバーに上向きの力を加えることにより,スラグ鍋に入れられた溶融スラグの液面に保温カバーを浮かせた状態を維持させるカウンターウェイトと,前記保温カバーに支持されて,前記保温カバー内において溶融スラグを加熱するバーナを備えることを特徴とする,スラグの処理装置。
  5. 前記保温カバーの上方に架構を配置し,この架構に取付けられたスプロケットに巻回させたチェーンの一端を前記保温カバーに接続し,前記チェーンの他端を前記カウンターウェイトに接続したことを特徴とする,請求項4に記載のスラグの処理装置。
  6. 前記保温カバーに,ランスを通す孔を設けたことを特徴とする,請求項4または5に記載のスラグの処理装置。
  7. 前記保温カバーの内面,下端面及び外面の下部に耐火物を取付けたことを特徴とする,請求項4〜6のいずれかに記載のスラグの処理装置。
  8. 前記バーナは,スラグの塩基度を低下させる改質材を溶射できることを特徴とする,請求項4〜7のいずれかに記載のスラグの処理装置。
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