JP2006132263A - 挟み込み検知機能付きパワーウインド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウインドの駆動系に表れるガタの大きさに応じて起動キャンセル期間を最適化できる挟み込み検知機能付きパワーウインド装置を提供する。
【解決手段】MCU8は、モータ回転数のピーク検出を行い、ピークが検出された場合には、モータ起動時からモータ回転数が前記モータ入力比率の基準値Aに相当するモータ回転数に達するまでの時間Taとモータ起動時からモータ回転数がピーク値より低下して基準値Aに相当するモータ回転数に達するまでの時間Tbとを計測し、(Tb+Ta)時を起動キャンセル期間の終了時とする。また、モータ回転数のピークが検出されなかった場合には、モータ入力比率の変化率又はモータ回転数の変化率が所定値に達したときを起動キャンセル期間の終了時とする。
【選択図】図4
【解決手段】MCU8は、モータ回転数のピーク検出を行い、ピークが検出された場合には、モータ起動時からモータ回転数が前記モータ入力比率の基準値Aに相当するモータ回転数に達するまでの時間Taとモータ起動時からモータ回転数がピーク値より低下して基準値Aに相当するモータ回転数に達するまでの時間Tbとを計測し、(Tb+Ta)時を起動キャンセル期間の終了時とする。また、モータ回転数のピークが検出されなかった場合には、モータ入力比率の変化率又はモータ回転数の変化率が所定値に達したときを起動キャンセル期間の終了時とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、挟み込み検知機能付きパワーウインド装置に係り、特に、ウインドを昇降するモータ及びウインドとモータとを接続するウインド駆動機構のガタの有無に応じて挟み込み検知を行わない起動キャンセル期間の設定を行い、異物の挟み込み検知をより信頼性の高いものにする手段に関する。
従来より、モータの駆動力によるウインドの昇降動作中に異物の挟み込みがあった場合に、モータの駆動を停止又は反転させる挟み込み回避処理を行うようにモータの駆動を制御する挟み込み検知機能付きパワーウインド装置であって、駆動装置のガタ(遊び)の対策を講じた装置として、モータの回転に応じてパルス信号を発生するパルスエンコーダと、ウインド上昇中の前記パルスエンコーダからの出力パルスに基づいてモータ回転数を監視する監視手段と、ウインドの上昇中にモータ回転数の相対的な低下量が予め定められた判定基準値を超えた場合に挟み込みを認識する挟み込み認識手段と、前記ウインドの下降後の上昇開始時から所定回転数の期間は前記判定基準量を大きくする判定基準変更手段とを有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この挟み込み検知機能付きパワーウインド装置によれば、判定基準変更手段によりウインドの下降後の上昇開始から所定回転数の期間における挟み込みの判定基準値を大きくするので、ウインドを下降から上昇へ反転する際の上昇の初期においてモータからウインドに至る駆動系のガタによりモータが無負荷に近い状態になって高速で回転し、その後モータ回転数が低下して安定する動作を挟み込みが発生したと誤認識しにくくなる。また、この挟み込み検知機能付きパワーウインド装置は、判定基準値を大きくする期間中においても挟み込みの判定を禁止しないので、挟み込み防止動作としての機能を働かせることができる。
なお、特許文献1に記載の技術は、ウインドを下降から上昇へ反転する際の上昇の初期においても挟み込みの判定を禁止せず、挟み込み防止動作としての機能を働かせる構成になっているが、モータの起動開始からモータ回転数が安定点に至るまでの所定期間を起動キャンセル期間とし、その期間は挟み込みの判定を行わないタイプの挟み込み検知機能付きパワーウインド装置も従来より提案されている。
特開平07−113375号公報
ところで、駆動系に表れるガタの大きさは、モータ及びウインド駆動機構の製造時の精度及び車両への組立時の精度によって車両ごとに異なる。また、ガタの大きさは、経時的に変化する。さらに、ウインドが下降から上昇に転じるときにガタは大きく、上昇後に再度上昇するときにはガタが小さくなる。
しかるに、前記特許文献1に記載の技術は、モータの起動開始から一定時間にわたって挟み込みの判定基準量を大きくしているが、「所定回転数の期間」はパワーウインド装置ごとに定めた一定の期間であり、「判定基準」は通常の判定基準の1.5〜4倍の範囲から選ばれた固定値である。前述のように、個々の車両に表れる駆動系のガタの大きさにはばらつきがあるので、前記「所定回転数の期間」及び「判定基準」はガタの分布の上限に対応できるようにしなければならず、したがって前記「所定回転数の期間」は相当長い期間となり、前記「判定基準」は相当大きな値にならざるを得ないと考えられる。その結果、ドアガラスの反転直後にも挟み込みの判断ができるとは言え、その信頼性は低く、なおかつ期間が長いという不都合がある。また、上記従来技術は、ドアガラスの下降から上昇への反転時に限ってかつ一律に対策がなされるものであるが、下降から上昇への反転時においてもガタの小さい場合もあり、また、一旦上昇後に更に上昇する場合でもガタが大きくなる場合もある。
また、モータの起動開始からモータ回転数が安定点に至るまでの所定期間を起動キャンセル期間として挟み込みの判定を行わないタイプの挟み込み検知機能付きパワーウインド装置についても、起動キャンセル期間が長い時間となるという問題がある。
ところで、ウインドを昇降する駆動系に所定値以上のガタがある場合において、ウインドを下降操作した後に上昇操作すると、モータ起動時にモータが無負荷に近い状態で高速回転し、その後、駆動系の動作開始に伴ってモータ回転数が安定するので、図6(a)に示すように、モータ起動時からのモータ回転数の変化にピークが現れる。モータ起動時からピーク検出時までの時間T1はガタの大きさによって変化するが、モータ回転数がピークに達してから安定点Pに達するまでの時間T2は駆動系に表れるガタの大きさに関係なくほぼ一定であり、かつ実験やシミュレーションなどによって予め求めることができる。したがって、モータ回転数のピーク値を検出し、モータ起動時からピーク検出時までの時間T1に実験やシミュレーションなどによって求められた時間T2を加算して起動キャンセル期間の終了時を設定すれば、駆動系に含まれるガタの大きさに関係なく起動キャンセル期間を最適化することができるので、上記の不都合を解消することができる。
ところが、低温時においては、モータ回転数のピークが図6(a)に示すようなきれいな弧状にならず、図6(b)に示すような平坦部を有する形状になる。このようにモータ回転数のピークが平坦部を有する形状になると、モータ回転数のピーク検出を正確に行えなくなるため、単に時間T1に時間T2を加算しただけでは、起動キャンセル期間の終了時を最適化することができない。本願発明者等は、研究の結果、これらの事実を知得した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、その目的は、低温時においてもパワーウインドの駆動系に表れるガタの大きさに応じて起動キャンセル期間を最適化することができ、異物の挟み込み判定をより正確に行うことができる挟み込み検知機能付きパワーウインド装置を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するため、駆動時にウインド駆動機構を介してウインドを開閉するモータと、前記モータの回転に対応したパルス信号を出力するパルス発生器と、スイッチ信号を出力して前記ウインドの開閉を手動操作するスイッチ装置と、前記パルス信号及び前記スイッチ信号に応じた前記モータの制御信号を生成する制御部とを備え、前記スイッチ装置により前記ウインドが閉操作されたとき、前記制御部により、前記ウインドに挟み込みが発生したか否かの判定と挟み込みが発生したと判定された場合における挟み込み回避処理とを行う挟み込み検知機能付きパワーウインド装置であって、前記モータの起動時からモータ回転数が安定点に達するまでの期間を起動キャンセル期間として前記制御部による前記挟み込みの判定を行わないものにおいて、前記制御部は、モータ起動時からのモータ回転数の変化を監視してモータ回転数のピーク検出を行い、モータ回転数のピークが検出されたときには、モータ起動時から前記モータ回転数がピーク値以下の所定値に至るまでの時間Taと、モータ起動時から前記モータ回転数が前記ピーク値より低下して前記所定値に至るまでの時間Tbとを計測し、前記時間Tbに前記時間Taを加算して前記起動キャンセル期間の終了時を設定し、前記モータ回転数のピークが検出されなかったときには、前記モータ回転数の変化率が所定値に達したとき又は前記モータの入力比率が所定値に達したときを前記起動キャンセル期間の終了時とするという構成にした。
また、本発明は、前記構成の挟み込み検知機能付きパワーウインド装置において、前記所定値を、モータ入力比率の変化率を基準にして決定するという構成にした。
図5に示すように、ウインドの駆動系に所定値以上のガタがある場合には、ウインドを下降操作した後に上昇操作したとき、モータ起動時からのモータ回転数の変化にピークが表れる。そして、モータ起動時からモータ回転数がピーク値以下の所定値に至るまでの時間Ta及びモータ起動時からモータ回転数がピーク値より低下して前記所定値に至るまでの時間Tbについては、内部に備えたタイマーにより制御部によって容易に計測することができる。また、前記所定値を適正に設定すれば、モータ起動時からモータ回転数がピーク値以下の所定値に至るまでの時間Taと、モータ回転数がピーク値より低下して前記所定値に至ってから安定点に至るまでの時間とをほぼ等しいものにすることができる。よって、前記時間Tbから前記起動キャンセル期間の終了時を求めることにより、モータ回転数のピークの形状に関係なく起動キャンセル期間Tの設定を最適化することができるので、挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の信頼性をより高めることができる。
一方、ウインドの駆動系に所定値以上のガタがない場合、モータ回転数は、図7及び図8に示すように、モータ起動時から漸増するが、その増加率は時間の経過と共に低下し、モータ起動後の所定時間経過後に所定の安定値になる。また、モータ入力比率〔入力電圧Vinに対する入力電圧Vinの1次遅れ値(補正電圧)Vout1の比Rin=Vout1/Vin〕は、ウインドの駆動系に所定値以上のガタがあるか否かに関係なく、図7及び図8に示すように、モータ起動時から漸増し、その増加率が時間の経過と共に低下して、モータ起動後の所定時間経過後に所定の安定値になる。したがって、ウインド駆動機構に所定値以上のガタがない場合には、モータ回転数の変化率(安定点Pにおけるモータ回転数に対する測定時のモータ回転数の比)又はモータ入力比率が所要の値(例えば、97%)に達したときをもって、モータ回転数又はモータ入力比率が安定点Pに達したとみなすことができるので、モータ回転数の変化率が所定値に達したとき又はモータ入力比率が所定値に達したときを起動キャンセル期間の終了時とすることにより、モータ起動時における不適切な起動キャンセル期間の設定を防止することができて、ウインドへの挟み込みの発生及び不発生をより確実に検出することができ、挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の信頼性をより高めることができる。
前記のように、モータ入力比率は、ウインドを昇降する駆動系に所定値以上のガタがあるか否か、ウインドに挟み込みが発生したか否か、あるいは低温時か否かなどにほとんど影響されず、モータ起動時からの変化の状態がほぼ同一の傾向を示すので、時間Taの計測の基礎となる前記モータ回転数の所定値をモータ入力比率を基準にして決定することにより時間Taの計測ひいては起動キャンセル期間Tの設定を最適化することができるので、前記と同様に挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の信頼性をより高めることができる。
本発明の挟み込み検知機能付きパワーウインド装置は、制御部によってモータ起動時からのモータ回転数の変化を監視し、モータ起動時からモータ回転数がピーク値以下の所定値に至るまでの時間Taと、モータ起動時からモータ回転数がピーク値に至り、次いでピーク値より低下して所定値に至るまでの時間Tbとを計測し、時間Tbに時間Taを加算して起動キャンセル期間の終了時を算出するので、モータ回転数の変化の状態に関係なく起動キャンセル期間Tの設定を最適化することができ、モータ起動時における不適切な起動キャンセル期間の設定を防止することができる。よって、挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の信頼性をより高めることができる。
以下、本発明に係る挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の実施形態例を図1乃至図5に基づいて説明する。図1は実施形態例に係る挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の構成図、図2はパルス発生器の構成及びパルス発生器から出力されるパルス信号の波形を示す説明図、図3及び図4は実施形態例に係る挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の基本的な動作手順を示すフロー図、図5は実施形態例に係る挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の効果を示すグラフ図である。
図1に示すように、実施形態例に係る挟み込み検知機能付きパワーウインド装置は、ウインド1と、ウインド1を昇降するためのモータ2と、ウインド1とモータ2とを接続するウインド駆動機構3と、モータ2の駆動方向及び駆動方式を切り換えるスイッチ装置4と、プルアップ抵抗4aと、モータ2の回転状態を検出するパルス発生器5と、パルス伝送路5aと、モータ2に所要の駆動電圧を付与するモータ駆動部6と、分圧抵抗器6aと、スイッチ装置4から出力されるスイッチ信号及びパルス発生器5から出力されるパルス信号に基づいてモータ2の制御信号を生成しモータ駆動部6を介してモータ2の回転を制御すると共に、前記パルス信号及び前記モータ2の入力比率に基づいて挟み込み検出の起動キャンセル期間を設定するマイクロ制御ユニット(MCU、制御部)8とから主に構成されている。なお、本明細書においては、モータ2とウインド駆動機構3とからなる系を「ウインドの駆動系」又は「駆動系」と呼称する。
ウインド1は、車両のドアに昇降可能に取り付けられており、ウインド駆動機構3を介してモータ2により昇降される。ウインド駆動機構3は、リンク機構、ラック・ピニオン機構又はワイヤリールに巻回されたワイヤ機構若しくはこれらの組合せなど、ウインド1を安定に支持可能でかつモータ2の駆動力をウインド1に確実に伝達可能な動力伝達機構をもって構成される。モータ2は、ウインド駆動機構3の可動部分に連結される。
スイッチ装置4は、ドアの内面に設置され、図示しない少なくとも3個のスイッチ、即ち、ウインド1の上昇を指示するためのスイッチと、ウインド1の下降を指示するためのスイッチと、動作の自動継続を指示するためのスイッチとを備えている。ウインド1の上昇を指示するためのスイッチ又はウインド1の下降を指示するためのスイッチを単独で操作した場合には、当該スイッチが操作されている期間だけウインド1が上昇又は下降し、当該スイッチの操作を停止すると同時にウインド1の上昇又は下降も停止する。これに対して、ウインド1の上昇を指示するためのスイッチと動作の自動継続を指示するためのスイッチとを同時に操作すると、ウインド1の上昇を指示するためのスイッチの操作を停止した後もウインド1の上昇が継続され、ウインド1が窓枠の最上部に達した段階でウインド1が停止する。また、ウインド1の下降を指示するためのスイッチと動作の自動継続を指示するためのスイッチとを同時に操作した場合には、ウインド1の下降を指示するためのスイッチの操作を停止した後もウインド1の下降が継続され、ウインド1が窓枠の最下部に達した段階でウインド1が停止する。
パルス発生器5は、図2(a)に示すように、モータ2によって回転駆動される磁性を帯びた回転体5aと、当該回転体5aの周囲に90度の角度をもって配置された2つのホール素子5b,5cとから構成されており、図2(b)に示すように、各ホール素子5b,5cより位相が90度ずれた2相の方形波パルスを出力する。
モータ駆動部6は、制御信号反転用の2つのインバータ6b,6c及びモータ2の回転を正転、逆転又は停止のいずれかに切換設定する2つのリレー6d,6eなどをもって構成されており、MCU8から供給される制御信号の状態に応じたモータ2の回転駆動を行う。
MCU8は、図1に示すように、制御・演算部11と、メモリ12と、モータ駆動電圧検出部13と、パルスエッジカウンタ14と、タイマー15とを備えてなる。
メモリ12は、制御・演算部11において行われる挟み込み検出に必要な定数や演算式などが記憶された挟み込み検出データ記憶エリア12aと、制御・演算部11において行われる起動キャンセル期間の設定に必要な定数や演算式などが記憶された起動キャンセル期間設定データ記憶エリア12bと、制御・演算部11の動作手順が記憶されたタイムテーブル記憶エリア12cなどに分割されており、前記起動キャンセル期間設定データ記憶エリア12bには、ウインド1の駆動系にガタがある場合における時間計測の基準となるモータ入力比率の基準値と、ウインド1の駆動系にガタがない場合における起動キャンセル期間の終了時の設定に必要なモータ回転数の変化率又はモータ入力比率の基準値とが記憶されている。なお、前記モータ入力比率の基準値は、これに対応するモータ回転数がピーク値以下となるように、例えば70%に設定される。また、前記モータ回転数の変化率の基準値又はモータ入力比率の変化率の基準値は、実験又はシミュレーションによって予め求めておく。
モータ駆動電圧検出部13は、モータ駆動電圧を検出し、パルスエッジカウンタ14は、パルス発生器5から供給された2相方形波パルスのパルスエッジの検出を行う。また、タイマー15は、制御・演算部11に対して所要のデータ処理やデータ演算に必要なクロックを与える。
制御・演算部11は、スイッチ装置4から入力されるスイッチ信号a、パルスエッジカウンタ14を介してパルス発生器5から入力されるパルス信号b、モータ駆動電圧検出部13を介してモータ駆動部6から入力される駆動電圧信号c、メモリ12から入力されるデータ信号d及びタイマー15から入力されるタイマー信号eを取り込んで所要のデータ処理やデータ演算を行い、スイッチ装置4の操作状態や挟み込みの有無に応じた制御信号fをモータ駆動部6に供給し、モータ2の起動、停止及び反転等を制御する。また、この制御・演算部11は、前記の各信号a〜eに基づいて挟み込みの有無を判定すると共に、挟み込みの有無の判定を行わない起動キャンセル期間の設定を行う。モータ入力比率の算出に必要な入力電圧は、前記駆動電圧信号cから求められ、制御・演算部11が入力電圧及びモータ入力比率を算出する。
即ち、前記制御・演算部11は、システム全体を制御し、図3に示すように、スイッチ装置4が操作されたとき、前記各信号a〜eを読み込み(手順S−1)、ウインド1の上昇が指示されたか否かを判定する(手順S−2)。手順S−2においてウインド1の上昇が指示されたと判定された場合には、モータ回転数のピーク検出を行い(手順S−3)、ピークが検出されたときは、第1の起動キャンセル期間を採用する方式に移行する(手順S−4)。
モータ起動時から信号a〜eが継続的に読み込まれており、制御・演算部11は逐次モータ入力比率を計算すると共に、モータ入力比率とモータ回転数とをタイマー信号cから得られるモータ起動開始からの経時データと関連付けてメモリに記憶している。手順S−5においてモータ回転数のピークが検出されると、制御・演算部11は、メモリに記憶されたモータ入力比率の基準値を読み出し、次に経時データと関連つけられたモータ入力比率の経時データからモータ入力比率が基準値に達したときの経時データ、つまり時間Taを読み込み、次に時間Taでのモータ回転数データをモータ回転数の基準値Bとして読み込む(手順S−5)。次に、モータ回転数がピーク点を通過してモータ回転数が基準値Bとなったときの経時データを計測し、時間Tbとする(手順S−6)。時間Taと時間Tbとを加え、Ta+Tbを起動キャンセル期間の終了点P(B)として設定する(手順S−7)。制御・演算部11は、起動キャンセル期間の経過を待って(手順S−8)、ウインド1に挟み込みが発生したか否かの判定を行い(手順S−9)、手順S−9において挟み込みが発生したと判定された場合には、モータ2の停止又は下降などの所要の挟み込み回避処理を行い(手順S−10)、所要の挟み込み回避処理が終了した後にシステムを終了する。なお、手順S−9において行われる挟み込み判定の方法については、本願出願人が先に提案した特開平11−81793号公報に記載の方法をとることができる。
モータ起動時からモータ回転数が前記モータ入力比率の基準値Bに相当するモータ回転数に達するまでの時間Taに等しい時間Tbを求め、ピーク値に達したモータ回転数が再度前記基準値Bに相当するモータ回転数に低下してから時間Tbが経過した時点ではモータ回転数がほぼ安定していることが実験的に確かめられているので、上記の方法で起動キャンセル期間Tの終了時Bを設定することにより、本例の挟み込み検知機能付きパワーウインド装置は、図5に示すように、モータ回転数の変化の状態に関わりなくモータ回転数の安定点を設定することができ、モータ起動時における不適切な起動キャンセル期間の設定を防止することができる。よって、挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の信頼性をより高めることができる。
手順S−3においてモータ回転数のピーク検出を行った結果、モータ回転数のピークが検出されなかった場合、第2の起動キャンセル期間を採用する方式(手順S−11)に移行し、制御・演算部11は、メモリ12の起動キャンセル期間設定データ記憶エリア12bからモータ入力比率の基準値を読み出す(手順S−12)と共に、モータ駆動電圧検出部13を介してモータ駆動部6から入力される駆動電圧信号cの取り込んでモータ入力比率の算出を行う(手順S−13)。次いで、制御・演算部11は、算出されたモータ入力比率がメモリ12の起動キャンセル期間設定データ記憶エリア12bに記憶されたモータ入力比率の基準値Cに達したか否かの判定を行い、モータ入力比率の基準値Cに達したと判定されたときをもって起動キャンセル期間Tの終了時とする(手順S−14)。手順S−15から手順S−16に示される挟み込み検知については前述の手順S−8から手順S−9に示される手順と同じであるので、説明を省略する。
このように、本例の挟み込み検知機能付きパワーウインド装置は、モータ回転数のピークが検出されない場合(ウインド1の駆動系に所定値以上のガタがない場合)に、モータ入力比率が所要の値(例えば、97%)に達したときをもってモータの回転が安定点に達したとみなし、起動キャンセル期間Tの終了時とするので、モータ起動時における不適切な起動キャンセル期間の設定を防止することができ、挟み込み検知機能付きパワーウインド装置の信頼性をより高めることができる。
なお、前記実施形態例においては、ウインド1の駆動系に所定値以上のガタがない場合に、モータ入力比率が所要の値(例えば、97%)に達したときをもってモータの回転が安定点に達したとみなし、起動キャンセル期間Tの終了時としたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、かかる構成に代えて、ウインド1の駆動系に所定値以上のガタがない場合に、モータ回転数の変化率が所要の値(例えば、97%)に達したときをもってモータ回転数が安定点に達したとみなし、起動キャンセル期間Tの終了時とすることもできる。
1 ウインド
2 モータ
3 機構部
4 スイッチ装置
5 パルス発生器
6 モータ駆動部
7 ガラス動作検出部
8 マイクロ制御ユニット(MPU)
11 制御・演算部
12 メモリ
13 モータ駆動電圧検出部
14 パルスエッジカウンタ
15 タイマー
2 モータ
3 機構部
4 スイッチ装置
5 パルス発生器
6 モータ駆動部
7 ガラス動作検出部
8 マイクロ制御ユニット(MPU)
11 制御・演算部
12 メモリ
13 モータ駆動電圧検出部
14 パルスエッジカウンタ
15 タイマー
Claims (2)
- 駆動時にウインド駆動機構を介してウインドを開閉するモータと、前記モータの回転に対応したパルス信号を出力するパルス発生器と、スイッチ信号を出力して前記ウインドの開閉を手動操作するスイッチ装置と、前記パルス信号及び前記スイッチ信号に応じた前記モータの制御信号を生成する制御部とを備え、前記スイッチ装置により前記ウインドが閉操作されたとき、前記制御部により、前記ウインドに挟み込みが発生したか否かの判定と挟み込みが発生したと判定された場合における挟み込み回避処理とを行う挟み込み検知機能付きパワーウインド装置であって、前記モータの起動時からモータ回転数が安定点に達するまでの期間を起動キャンセル期間として前記制御部による前記挟み込みの判定を行わないものにおいて、
前記制御部は、モータ起動時からのモータ回転数の変化を監視してモータ回転数のピーク検出を行い、モータ回転数のピークが検出されたときには、モータ起動時から前記モータ回転数がピーク値以下の所定値に至るまでの時間Taと、モータ起動時から前記モータ回転数が前記ピーク値より低下して前記所定値に至るまでの時間Tbとを計測し、前記時間Tbに前記時間Taを加算して前記起動キャンセル期間の終了時を設定し、
前記モータ回転数のピークが検出されなかったときには、前記モータ回転数の変化率が所定値に達したとき又は前記モータの入力比率が所定値に達したときを前記起動キャンセル期間の終了時とすることを特徴とする挟み込み検知機能付きパワーウインド装置。 - 前記所定値をモータ入力比率の変化率を基準にして決定することを特徴とする請求項1に記載の挟み込み検知機能付きパワーウインド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004325195A JP2006132263A (ja) | 2004-11-09 | 2004-11-09 | 挟み込み検知機能付きパワーウインド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004325195A JP2006132263A (ja) | 2004-11-09 | 2004-11-09 | 挟み込み検知機能付きパワーウインド装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006132263A true JP2006132263A (ja) | 2006-05-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004325195A Withdrawn JP2006132263A (ja) | 2004-11-09 | 2004-11-09 | 挟み込み検知機能付きパワーウインド装置 |
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JP (1) | JP2006132263A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010024646A (ja) * | 2008-07-16 | 2010-02-04 | Asmo Co Ltd | 開閉部材制御装置 |
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2004
- 2004-11-09 JP JP2004325195A patent/JP2006132263A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010024646A (ja) * | 2008-07-16 | 2010-02-04 | Asmo Co Ltd | 開閉部材制御装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080205 |