JP2006129654A - 電力系統解析方法とその方法を実現するためのプログラム - Google Patents
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【課題】 3巻線変圧器の模擬モデルを変えることにより、電力系統解析時間を短縮するばかりか、より一層計算精度を向上させて現実に合わせるようにした。電力系統解析方法とその方法を実現するためのプログラムを得たい。
【解決手段】 潮流計算による電力系統解析方法において、電力系統内に接続された変圧器の模擬は、3相3巻線変圧器を構成する部分の各巻線のインピーダンスデータ(1次インピーダンス,2次インピーダンス,3次インピーダンス)をもとに、Y−Δ変換して変圧器を模擬するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 潮流計算による電力系統解析方法において、電力系統内に接続された変圧器の模擬は、3相3巻線変圧器を構成する部分の各巻線のインピーダンスデータ(1次インピーダンス,2次インピーダンス,3次インピーダンス)をもとに、Y−Δ変換して変圧器を模擬するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、潮流計算や安定度計算等で電力系統解析を行なう、解析方法とその方法を実現するためのプログラムに関するもので、特に電力系統内に接続されている変圧器の模擬方法を特徴としたものである。
潮流計算や安定度解析、短絡・地絡計算などの電力系統解析を行なう際、電力系統を構成する発電機・送電線・負荷等の機器は、ノード・ブランチにて表現することにより模擬している。
以下では電力系統に使用される3相3巻変圧器について述べる。
以下では電力系統に使用される3相3巻変圧器について述べる。
一般的に変圧器の結線方法としては、各種の3相結線が知られているが、現在特別高圧の電力系統で採用されている変圧器では、その多くの場合が「Y−Y−Δ」結線である。その理由の第1は電圧の高い1次側及び2次側がY結線になっているため、絶縁設計が合理化できること。第2は1次側と2次側とに中性点が確保できるため、接地ができること、及びそのため事故の検出が他の結線方法よりも容易であること。第3は3次巻線をΔ結線とすることにより、高調波第3次の抑制ができること等である。
又、変圧器による電圧制御を直接実施するために、変圧比を一定範囲で切替える負荷時タップ切替変圧器を一般的に採用している。
以下では電力系統に接続された変圧器の従来の模擬方法を説明する。図18はY−Y−Δ結線変圧器をノード・ブランチで表現した図である。図18での模擬表現は変圧器内での無効電力消費を考慮して示したものであり、ここでは仮想的なノード「N」を追加して、4ノードと3ブランチにて表している。
因みに図18は3巻線変圧器の模擬図であり、Pは1次側、Sは2次側、Tは3次側の各ノード、Nは変圧器内部のダミーノードである。同様にXpは1次インピーダンス、Xsは2次インピーダンス、Xtは3次インピーダンスの各ブランチを示している。なお、図18では変圧器の3次側に調相設備としてコンデンサCを設置したものを表している。
図18では簡単のために、変圧器のインピーダンスは全てリアクタンス分のみとして表し、調相設備も(負値の)リアクタンス分として、又、抵抗と浮遊容量は無視している。更に単位法で計算する場合は、理想的には変圧比は意識しなくとも構わないため、ここでは省略している。
上記説明からわかるように、電力系統解析に使用する3巻線変圧器の模擬回路は、図18に示すように4ノード・3ブランチとしている。
即ちP,S,Tの各ノードに対して実際には存在しないノードNを加えた4ノードと、1次インピーダンスXp,2次インピーダンスXs,コンデンサを含む3次インピーダンスXtからなる3ブランチからなる模擬回路(いわゆるY回路)としている。
即ちP,S,Tの各ノードに対して実際には存在しないノードNを加えた4ノードと、1次インピーダンスXp,2次インピーダンスXs,コンデンサを含む3次インピーダンスXtからなる3ブランチからなる模擬回路(いわゆるY回路)としている。
(イ) 変圧器の各種3相結線の特徴については、「電気機器2」P38、高田勇次郎著、オーム社、昭和53年11月30日発行。(ロ) 負荷時タップ切替変圧器については、同上書P101。(ハ) Nノードを付加して4ノード・3ブランチとして模擬することについては、「電力系統技術計算の基礎」P60、新田目倖造著、株式会社電気書院、1989年2月1日発行。
電力自由化に伴い、系統の透明性確保のため、従来以上に大量のケースの系統計算が求められる傾向にあり、系統解析の計算時間の削減が求められている。この種の計算において、計算時間に直接的に効くのはノード・ブランチ数である。
一方、現状における変圧器の模擬は上記した通り、1変圧器あたりに必要とするノード・ブランチ数は4ノード・3ブランチであり、この方法では実際には存在しないノード「N」まで追加しているために、その分解析時間が余分にかかっている。
更に、実際の変圧器では負荷時タップ切替のタップ位置によってインピーダンスが変化するにも拘らず、これが変圧器模擬には反映されておらず、計算精度の面で十分ではない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、3巻線変圧器の模擬モデルを変えることにより、電力系統解析時間を短縮するばかりか、より一層計算精度を向上させて現実に合わせるようにした、電力系統解析方法とその方法を実現するためのプログラムを提供することを目的としている。
本発明の請求項1に係る電力系統解析方法は、潮流計算による電力系統解析方法において、電力系統内に接続された変圧器の模擬は、3相3巻線変圧器を構成する部分の各巻線のインピーダンスデータ(1次インピーダンス,2次インピーダンス,3次インピーダンス)をもとに、Y−Δ変換して変圧器を模擬するようにした。このようにすればY−Δ変換によりNノードとTノードの2つが減り、それにより解析時間が格段に短縮されるようになる。
本発明の請求項2に係る電力系統解析方法は、請求項1において、前記3次巻線は調相設備を含むインピーダンスとしてY−Δ変換するようにした。
本発明の請求項3に係る電力系統解析方法は、請求項1において、前記変圧器に設けたタップ位置の補正は、当該タップ位置とそれに対応するインピーダンスとのテーブルデータを用いて行なうようにした。
本発明の請求項4に係る電力系統解析方法は、請求項3において、前記テーブルデータは予め補完して求めておくようにした。
本発明の請求項5に係る電力系統解析方法は、請求項4において、前記テーブルデータは、予め求めた代表値から求めるようにした。
本発明の請求項6に係るプログラムは、コンピュータを用いて、請求項1ないし、請求項5の記載内容を実現させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば系統規模76GW程度の系統に適用した場合の比較例を示せば下記表の通りとなる。この例では本発明を適用することで、ノード数が40%減って60%となる。なお、潮流計算は、ヤコビ行列等による解法の解析時間は、大雑把に言えば行列次数の2乗に比例するため、本発明による計算時間は0.6の2乗となって、約36%程度に削減できる。
図1は本発明の基本的な考え方を説明するための3相3巻線変圧器の模擬回路図である。図1において、図18と同一機能部分については同一符号を付して説明を省略する。本発明は図1に示されるように図18に示す回路(Y形回路)からNノードを省略した形状のπ形(いわゆるΔ形)に変換することにより、3相3巻線変圧器を模擬しようとするものである。
なお、上記したように、このY形からπ形への変換をここではY−Δ変換と称している。なお、図1におけるYpは1次側のアドミッタンス,Ysは2次側のアドミッタンスであり、このようにY−Δ変換することにより、変圧器の1台当たりのノード数が減って、潮流計算するときの微分方程式のマトリックスの次数が減ることとなる。
ここで3相3巻線変圧器の3次側に接続されている機器(一般的には調相設備)を含めて、Y−Δ変換する場合は、「N」ノードと「T」ノードの2つが減り、一変圧器当たりのノードが2つ減る。したがって系統を構成するすべての変圧器に本発明方式を適用すれば、マトリックスの次数は変圧器数に応じて減ることになり、結局その減少分した分だけ計算速度は速くなる。
次に負荷時タップ切替えのタップ位置によってインピーダンスがどのように変化するかを説明し、併せて変圧器模擬について説明する。
図2はタップ電圧[KV]とインピーダンス[%](1000MVA基準)との関係を示す図であり、左列には切替段数が7段、および各段数に対応してタップ電圧が、夫々各1次,2次,3次について示されると共に、同様にして各インピーダンスが各1次(Xp),2次(Xs),3次(XT)について示されている。
図2はタップ電圧[KV]とインピーダンス[%](1000MVA基準)との関係を示す図であり、左列には切替段数が7段、および各段数に対応してタップ電圧が、夫々各1次,2次,3次について示されると共に、同様にして各インピーダンスが各1次(Xp),2次(Xs),3次(XT)について示されている。
この際、変圧器のタップ位置によるインピーダンスの変化を別データとして予め用意しておき、当該タップ位置のデータをもとに各対応するインピーダンスを選び、ブランチのインピーダンスの値として採用してもよい。
図3はタップ値に対するインピーダンス値の選定についての、他の実施の形態を説明する図である。一般に、変圧器のすべてのタップ値に対するインピーダンスが予め用意されていることは希である。このような時は、インピーダンスが判っているタップ値が数点であれば、他のタップ値に対するインピーダンスを推定できる。本実施の形態では代表的な例としてタップ上限値、中間値及び下限値が夫々判っていれば、その間の値は前記判っている値をもとに補完して求めるようにするものである。
図3について言えば、同一定格電圧275[KV]に対してタップ電圧の上限値303,中間値275,下限値248の各値[KV]が判っていれば、その間のインピーダンス[%]は、補完して求めることが可能である、と言うことである。
図4は上記補完方法についての実施の形態を説明する図である。本実施の形態では線形の補完方法としたものであり、より具体的には3点のデータが入るようにしたものを利用する。
図4において、縦軸はインピーダンス[%]のXp,Xs,Xtを示し、横軸はタップ電圧[KV]の下限値Vl,中間値Vc,上限値Vuを示す。そして各下限値,中間値及び上限値との間が直線関係を有して接続されているとすると、例えば求めたいタップ位置電圧がV1とVcとの間であれば、該当するインピーダンス[%]は縦軸に沿って設けた直線との交点(X印の点)によって即座に求めることが可能である。なお、上記した変圧器のインピーダンスは、いずれもリアクトル分だけで構成され、抵抗分については無視したものを例としている。
次にY−Δ変換について説明する。3巻線変圧器は図18で既に説明したように、4ノード・3ブランチで模擬される。ここでの各ノードは、前記したようにPが1次側、Sが2次側,Tが3次側,Nがダミーノードであり、各ブランチは、Xpが1次インピーダンス,Xsが2次インピーダンス,Xtが3次インピーダンスである。
先ず、原理的に言えば、潮流計算を実施する前に計算機内にて前記した4ノード・3ブランチで模擬された3巻線変圧器を、Y−Δ変換を実施してダミーノードNを削除する。そして、この時、3次側に調相設備が接続されている場合は、これを含めて変換し、下記X,1/Yp,1/Ysを得る。
C;調相設備容量[MVA]
Po;解析する系統の単位法における基準容量[MVA]
Yp,Ys;変換後のアドミタンス
C;調相設備容量[MVA]
Po;解析する系統の単位法における基準容量[MVA]
Yp,Ys;変換後のアドミタンス
ここでYpとYsの値が異なるため、すぐには変圧器を1ブランチで表現することができない。これには次のA,Bで示す2つの場合が考えられる。
A. 先ず、図5は電力系統を単位法で表した場合を示す。なお、変換後の電力系統は、片端で接地されていることに注目して、アドミタンスYp,YsはノードP及びノードSの負荷として取り扱う。この場合、本例のように、抵抗分を無視している場合は、無効電力負荷、あるいは無効電力発生源となる。
A. 先ず、図5は電力系統を単位法で表した場合を示す。なお、変換後の電力系統は、片端で接地されていることに注目して、アドミタンスYp,YsはノードP及びノードSの負荷として取り扱う。この場合、本例のように、抵抗分を無視している場合は、無効電力負荷、あるいは無効電力発生源となる。
負荷としての電力は、
P,Qのそれぞれのノードには、下記(3)式に示すYp,Ysを定インピーダンス負荷として、追加すればよい。
このようにすれば、Yp,Ysはノード、ブランチではなく、P,Sの各ノードの負荷として扱えることとなる。
このステップを踏まえた、全体のノード数を削減した上で、潮流計算を実施する。
P,Qのそれぞれのノードには、下記(3)式に示すYp,Ysを定インピーダンス負荷として、追加すればよい。
このようにすれば、Yp,Ysはノード、ブランチではなく、P,Sの各ノードの負荷として扱えることとなる。
このステップを踏まえた、全体のノード数を削減した上で、潮流計算を実施する。
図6は片端で接地されている場合(A)の具体的数値例を説明する図であり、(a)でのXp=10.0%,Xs=−2.0%,XT=30.0%,Xc=80MVAをY−Δ変換して、(b)とした場合を示す。
ここでの値は1000MVAベース、数字は単位法を適用した%である。
コンデンサ80MVAはXc=−1250%に相当し、これを考慮してY−Δ変換を実施する。結果、X=8.016%,Yp=−2.045%,Ys=10.225%となる。
ここでの値は1000MVAベース、数字は単位法を適用した%である。
コンデンサ80MVAはXc=−1250%に相当し、これを考慮してY−Δ変換を実施する。結果、X=8.016%,Yp=−2.045%,Ys=10.225%となる。
図7は図6での処理内容を説明するフローチャートである。
ここで計算機は、系統データを系統データが蓄積されたデータベースから読み取り、3相3巻変圧器を構成する部分に対して、Y−Δ変換を実施して、その結果発生した対地との間のブランチを(無効電力)負荷に変換して、系統データを補正し、潮流計算を実施する。
ここで計算機は、系統データを系統データが蓄積されたデータベースから読み取り、3相3巻変圧器を構成する部分に対して、Y−Δ変換を実施して、その結果発生した対地との間のブランチを(無効電力)負荷に変換して、系統データを補正し、潮流計算を実施する。
図7において、ステップS71で上記した系統データを読み込みし、ステップS72で3相3巻変圧器をY−Δ変換し、ステップS73で1次側・2次側ノードに(無効電力)負荷を追加し、ステップS74で潮流計算等の解析をして終了する。
B. 図8は変圧器をπ型のブランチとS(またはブランチPのどちらか一方)の(無効電力)負荷として、取り扱う場合の図である。
図8(a)は4ノード・3ブランチの模擬回路を(b)に示すπ型とするに際し、π型の容量がP側,S側共に同じ値でなくてはならず、図8(c)ではYpの値に合わせた。即ち、Ypの値をY/2として2分割することにより、点線で囲んだ部分を1ブランチで扱うようにした。その結果、図8(c)ではS側は、YsとYpとの差(Ys−Yp)をブランチSの負荷として扱うものである。
図8(a)は4ノード・3ブランチの模擬回路を(b)に示すπ型とするに際し、π型の容量がP側,S側共に同じ値でなくてはならず、図8(c)ではYpの値に合わせた。即ち、Ypの値をY/2として2分割することにより、点線で囲んだ部分を1ブランチで扱うようにした。その結果、図8(c)ではS側は、YsとYpとの差(Ys−Yp)をブランチSの負荷として扱うものである。
図9は変圧器のタップ値に対する補正を含んだ処理内容を説明するフローチャートであり、図7と同一処理部分は同一符号を付して説明を省略する。この場合はステップS91で、タップ値インピーダンスデータを読み込みし、スッテプS92にて変圧器インピーダンスの補正をする。その他は図7で説明した通りである。
なお、単位法を適用する場合、変圧比が一次側と二次側でそれぞれ基準電圧に等しい場合は変圧比を無視できるが、実際には変圧器の定格電圧が基準電圧と必ずしも一致しなかったり、またタップが動作したりするなどで、ある程度の精度が要求される系統解析ではタップ比を考慮して計算することがある。
今までは、変圧器や3次巻線に接続された機器が、すべて抵抗分を含まない形での模擬について述べてきた。現在の系統解析では、これで充分な精度の結果が得られる場合が多いが、さらに詳細な模擬が必要になり、抵抗と巻線比の模擬も必要になることが考えられる。この場合について、以下に述べる。
まず巻線比の模擬について述べる。理想的には巻線比1:1であるが、詳細模擬では変圧器の1次側と2次側の定格電圧が、単位法における系統の基準電圧と必ずしも一致しているとは限らないこと、またタップの動作により変圧比が変化すること等に起因すると考えられる。
まず巻線比の模擬について述べる。理想的には巻線比1:1であるが、詳細模擬では変圧器の1次側と2次側の定格電圧が、単位法における系統の基準電圧と必ずしも一致しているとは限らないこと、またタップの動作により変圧比が変化すること等に起因すると考えられる。
図10は変圧器モデルへの抵抗機能を追加した場合を説明する図である。
1. 巻線比の表現
図10(a)のように表された変圧器について、巻線比を等価回路で表わすために、図示のように各符号V1,V2,I1,I2,Z,Tを設定した。なおTは巻線比である。ここで電流についてと、電圧について、以下の式が成り立つ。
1. 巻線比の表現
図10(a)のように表された変圧器について、巻線比を等価回路で表わすために、図示のように各符号V1,V2,I1,I2,Z,Tを設定した。なおTは巻線比である。ここで電流についてと、電圧について、以下の式が成り立つ。
2. アドミタンス表現
図10bはインピーダンスの表現であるが、これをアドミタンス表現すると以下[数4],[数5]の計算式を経て図11を得る。
図10bはインピーダンスの表現であるが、これをアドミタンス表現すると以下[数4],[数5]の計算式を経て図11を得る。
図12は抵抗を模擬した3巻線変圧器の一例図であり、抵抗分が一次側だけにあると模擬したものである。P側のインピーダンスZp=rp+jxpの部分(以下P側と称す)を変圧比と合わせてアドミタンスに変換すると[数6]の(7)式となる。
即ち、変圧器のN−P間は、図11と同様に図13のようなπ型等価回路で表現することができる。図13を用いて図12を書き換えると、図14のようになる。
即ち、変圧器のN−P間は、図11と同様に図13のようなπ型等価回路で表現することができる。図13を用いて図12を書き換えると、図14のようになる。
ここでYp´,Yp1, Yp2については、[数4]及び[数5]に示したのと同様に計算できる。
ここで図14において、S側のアドミタンスは[数7]の(8)式で示され、同様にT側のアドミタンスは同じく[数7]の(9)式となる。
図15で、Yp´,Ys,YT´についてY−Δ変換を行うと、図16のようになり、更に図14から図15への変換でT側に施したのと同様の方法で、Yp1をまとめると図17のような回路で表現できる。
ここで、Yt,Y1,Y2はそれぞれ以下の[数9]に示す通りである。
ここで、Yt,Y1,Y2はそれぞれ以下の[数9]に示す通りである。
図17にみると、図1の場合と類似した形になっており、系統解析の時のノードブランチ表現すると、2ノード1ブランチで表現できることになる。ここで、Y1とY2はそれぞれノードP及びSの負荷としている。
このように変圧器に変圧比や抵抗分を模擬した場合であっても、Y−Δ変換を中心とした変換を施すことで、ノード数を削減することができる。
このように変圧器に変圧比や抵抗分を模擬した場合であっても、Y−Δ変換を中心とした変換を施すことで、ノード数を削減することができる。
本発明による電力系統解析方法は、3巻線変圧器の模擬モデルを変えることにより、電力系統解析時間を短縮できるばかりか、計算精度を一層向上させて、より一層現実に合わせるようにしたので、大規模な電力系統解析技術分野に大きく寄与できる。
P 1次側
S 2次側
T 3次側
N 変圧器内部のダミーノード
Xp 1次インピーダンス
Xs 2次インピーダンス
Xt 3次インピーダンス
Yp 1次アドミタンス
Ys 2次アドミタンス
S 2次側
T 3次側
N 変圧器内部のダミーノード
Xp 1次インピーダンス
Xs 2次インピーダンス
Xt 3次インピーダンス
Yp 1次アドミタンス
Ys 2次アドミタンス
Claims (6)
- 潮流計算による電力系統解析方法において、電力系統内に接続された変圧器の模擬は、3相3巻線変圧器を構成する部分の各巻線のインピーダンスデータ(1次インピーダンス,2次インピーダンス,3次インピーダンス)をもとに、Y−Δ変換して変圧器を模擬することを特徴とする電力系統解析方法。
- 請求項1記載の電力系統解析方法において、前記3次巻線は調相設備を含むインピーダンスとしてY−Δ変換することを特徴とする電力系統解析方法。
- 請求項1記載の電力系統解析方法において、前記変圧器に設けたタップ位置の補正は、当該タップ位置とそれに対応するインピーダンスとのテーブルデータを用いて行なうことを特徴とする電力系統解析方法。
- 請求項3記載の電力系統解析方法において、前記テーブルデータは予め補完して求めておくことを特徴とする電力系統解析方法。
- 請求項4記載の電力系統解析方法において、前記テーブルデータは予め求めた代表値から求めることを特徴とする電力系統解析方法。
- コンピュータにおいて、請求項1ないし請求項5記載内容を実現するためのプログラム。
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CN102567603A (zh) * | 2010-12-16 | 2012-07-11 | 安徽省电力公司 | 基于实测拓扑和量测数据自动生成bpa计算文件的方法 |
CN103904648A (zh) * | 2014-03-28 | 2014-07-02 | 南方电网科学研究院有限责任公司 | 一种实现电力系统的n-1支路开断的模拟方法 |
CN107908906A (zh) * | 2017-12-12 | 2018-04-13 | 国网四川省电力公司电力科学研究院 | 一种风电场升压变压器励磁涌流现象仿真方法 |
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2004
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