JP2006122978A - 金属板圧延用ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】サーマルクラウンの発生を抑制して、板クラウンや形状の品質不良を低減し、圧延中の被圧延材の板波などの通板不良の発生を抑制して、高速で能率良く圧延することのできる金属板圧延用ロールを提供する。
【解決手段】鉄系材料からなる外層1と超硬合金からなる内層2とを持つ金属板圧延用ロールとすることで、内部に伝わった熱が、熱伝導率の大きい超硬合金層によって軸方向に拡散して熱膨張の軸方向分布が均一に近づきかつその大きさも小さくなる。その結果、サーマルクラウンの軸方向分布が均一に近づきかつその大きさも小さくなって、板クラウンや形状の品質不良を低減し、圧延中の被圧延材の板波などの通板不良の発生を抑制して高速で能率良く圧延できるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属板圧延用ロールに関し、特に、金属板製品の板クラウンや形状の品質を良好なものに維持しつつ、金属板を能率良く圧延することができる金属板圧延用ロールに関する。
金属板、例えば、冷延鋼板を圧延する場合には、通常、鉄系材料の金属板圧延用ロールが用いられる。近年、高速で圧延することで高い生産能率を確保することが求められるにつれ、高速で圧延を行っても、金属板圧延用ロールと、圧延される金属板(以下、被圧延材)との間に焼き付きの発生しにくい技術が求められるようになり、例えば、金属板圧延用ロールの合金成分範囲を規定することにより、耐焼き付き性に優れた鉄系ロールが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
なお、[発明を実施するための最良の形態]において、以下に示す非特許文献1、非特許文献2を引用するので、ここに記載しておく。
特開平10−317102号公報 「日立金属技報 Vol.11(1995)」p.91−94(特に、p.93の表1) 「川崎製鉄技報 Vol.19(1987)No.2」p.47−53(特に、p.49のTable 1)
金属板を圧延する場合、被圧延材の加工による発熱、及び、圧延用ロールと被圧延材間の摩擦による発熱により、圧延用ロール(以下、ロール)が熱膨張して、ロール半径がその分大きくなる。しかし、ロールの中心軸方向に見た場合、熱膨張によるロール半径の増加は一様ではない。ロールの中心軸方向(以下、軸方向)に見た場合、ロールには、被圧延材と接触する個所とそうでない個所ができるからである。この熱膨張によるロール半径の増加を軸方向に見た分布のことを、一般的にサーマルクラウンと呼ぶが、このサーマルクラウンに起因して、金属板製品の幅方向の板厚分布(板プロフィルとか板クラウンと称するが、以下、板クラウンで統一)や形状の品質不良や、圧延中の被圧延材の板波などの通板不良が発生することがある。前記特許文献1に記載されたような耐焼き付き性に優れた鉄系ロールも、熱伝導率、熱膨張係数などの熱特性は、その他の鉄系ロールと同じであるので、サーマルクラウンは同じように発生する。高速圧延になると、その影響はさらに顕著になり、板クラウンや形状の品質不良や、圧延中の被圧延材の板波などの通板不良が一層発生しやすくなることから、前記特許文献1に記載のロールによって耐焼き付き性を向上させても、それらに律速されて、思うように圧延速度を高速化できないという問題があった。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、サーマルクラウンの発生を抑制することで、板クラウンや形状の品質不良を低減し、圧延中の被圧延材の板波などの通板不良の発生を抑制して、高速で能率良く圧延することのできる金属板圧延用ロールを提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
[1]鉄系材料からなる外層と超硬合金からなる内層とを持つことを特徴とする金属板圧延用ロール。
[2]超硬合金からなる内層に接するようにして、鉄系材料からなる中間層を持つことを特徴とする前記[1]に記載の金属板圧延用ロール。
発明者らは、金属板圧延用ロール最表層の材質は耐焼き付き性確保のため鉄系材料からの変更が難しいことから、内部にサーマルクラウンが小さくなるような熱的特性に優れた材質の層を形成すれば良いのではないかと考え、本発明を想起した。特に、WC-Co系、または、Ti-Cr-Mo系などの超硬合金は、鉄系材料に比べて、熱伝導率が高いので、局所的なサーマルクラウンの成長を抑制できることから、結果的に、ロール全体のサーマルクラウンも小さくできる。このため、鉄系材料を外層とし、内部に超硬合金層を形成することとしたのである。
本発明によれば、内部に鉄系材料より熱伝導率の大きい超硬合金層を形成したので、内部に伝わった熱が軸方向(ロール胴部の胴長方向と一致)に拡散して熱膨張の軸方向分布が均一に近づく。その上、鉄系材料の外層に比べて、内部の超硬合金層の熱膨張係数は小さいので、内部まで鉄系材料の場合に比べ、熱膨張自体が小さくなる。その結果、サーマルクラウンの軸方向分布が均一に近づきかつその大きさも小さくなる。また、さらに、その時間的変化も少なくなるので、金属板製品の板クラウンや形状の品質が良好になるとともに、圧延中の被圧延材の板波などの通板不良の発生も抑制できるようになる。
加えて、超硬合金層のヤング率は鉄系材料に比べて高いので、ロール偏平が抑制され、圧延中、ロールと被圧延材との間の接触弧長が短くなる。これにより、圧延中のロールの回転に伴うロールと被圧延材との接触時間も短くなって、ロールへの入熱が減少し、さらにサーマルクラウンが小さくなる作用もある。
その結果、板クラウンや形状の品質不良を低減し、圧延中の被圧延材の板波などの通板不良の発生を抑制して、高速で能率良く圧延することができるようになる。
本発明の実施形態に係る金属板圧延用ロールを図1〜図5に示す。それぞれの図において、(a)は半径方向断面図であり、(b)は軸方向断面図である。それらの金属板圧延用ロール(以下、ロール)の基本的な構造上の特徴は、鉄系材料からなる外層1と、その内側に超硬合金からなる内層2を形成したことにある。
図1に示したロールは、内部を全て超硬合金からなる内層2とした場合である。なお、図中の5は、ネック部である。
図2に示したロールは、鉄系材料よりなる軸芯4の周りに、超硬合金からなる内層2を設け、その外側に鉄系材料よりなる外層1を設けたものである。
図3〜図5に示したロールは、図2に示したロールにおいて、超硬合金よりなる内層2に接するようにして、それぞれ、内層2の内側、外側、両側に、鉄系材料または上記と異なる組成の超硬合金よりなる中間層3を設けたものである。これは、後述するスリーブ状の超硬合金層を形成する場合に発生する残留応力や、圧延時に発生する熱応力により、ロールに内部応力が発生する影響を緩和する目的で設けている。
外層1をなす鉄系材料は、鉄系という言葉の通り、鉄を質量%にして50%以上含有するものであればいかなるものでも良いが、前述の通り、耐焼き付き性に優れることが重要であるという観点に立てば、前記特許文献1などに開示の材料のように、圧延対象とする被圧延材の材質や熱間圧延・冷間圧延などの用途の違いに応じて適宜調整するのが好ましい。
例えば、冷間圧延の場合には、以下のような合金成分を有するようにするのが好ましい。
質量%にして、C:1.1〜1.5%、Si:0.15〜1.0%、Mn:0.15〜1.5%、Ni:1.0%以下、Cr:9.0〜15.0%、Mo:1.0%未満、V:0.8%未満、Ti:0.3%以下を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鉄系合金。
また、熱間圧延の場合には、非特許文献1や、非特許文献2などに記載されている、熱間圧延用に設計された成分とすると良い。
一方、内層2をなす超硬合金は、WC、TaC、TiCなどの超硬材料粉末に、Co、Ni、Cr、 Ti等の金属粉末のうちから選ばれる1種あるいは2種以上を総質量に対し5〜50mass%の割合で添加した超硬材料混合粉末を焼結したものであり、特に、WCに総質量に対し5〜50mass%の割合でCo粉末を添加した超硬材料混合粉末を焼結したものとするのが、使用時の高熱伝導率、低熱膨張係数などの熱特性、製造時の割損抑制などの耐事故性が良好であるので好ましい。
また、図3〜図5に示したロールにおいて、中間層3をなす鉄系材料は、外層1をなす鉄系材料と同一の材質としても良いし、それとは異なる異種の鉄系材料としても良い。異種の鉄系材料としては、例えば、鋳鋼、鍛鋼、黒鉛鋳鉄、炭素鋼及び合金炭素鋼のいずれにするのも好ましく、以下のような合金成分を有するようにするのも好ましい。
質量%にして、C:1.3%以下、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Ni:1.0%以下、Cr:10%以下、Mo:1.0%未満、V:0.8%未満、Ti:0.3%未満を含有し、残部鉄および不可避的不純物からなる鉄系合金。
また、超硬合金を中間層3として用いる場合も、その超硬合金は、WC、TaC、TiCなどの超硬材料粉末に、Co、Ni、Cr、 Ti等の金属粉末のうちから選ばれる1種あるいは2種以上を総質量に対し5〜50mass%の割合で添加した超硬材料混合粉末を焼結したものであり、特に、WCに総質量に対し5〜50mass%の割合でCo粉末を添加した超硬材料混合粉末を焼結したものとするのが、先述のような使用時の熱特性、製造時の耐事故性が良好であるので好ましい。
なお、上記のような異種の鉄系材料は、溶製材とするのが好ましいので、以下、溶製材の鉄系材料の場合を例に説明するが、本発明の金属板圧延用ロールの鉄系材料部分は溶製材に限定されるものではない。
また、図2〜図5に示したロールの軸芯4は、例えば、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、高速度鋼を調質することで製造することもできる。
以上述べた金属板圧延用ロールの構造に基づいて、詳細な構造は、ロール寸法、使用条件、製造コストの許容範囲などにより適宜決定すれば良いが、ロール寸法のうち、各部のものに関しては、以下に述べるようにすることが好ましい。
すなわち、鉄系材料からなる外層1の厚みは薄ければ薄いほどサーマルクラウンの抑制に効果があるが、製造上、薄い層になればなるほど形成が困難になるという制約、圧延中の剛性の問題から5mm以上とするのが好ましい。上限はサーマルクラウンの抑制効果を確保する観点から、30mm以下とするのが好ましい。
また、超硬合金からなる内層2の厚みは、薄い方がロール幅方向のサーマルクラウンの分布を小さくするのに好ましいが、サーマルクラウンの大きさを小さくし、ロール偏平を抑制することでさらにその作用を助長する観点からは、厚い方が好ましい。好適な範囲は、外層1の0.5〜20倍、かつ、5mm〜200mmである。
また、鉄系材料または超硬合金からなる中間層3の厚みは、厚いほど超硬合金層を安定化させることができるので、超硬合金層の20倍以下とするのが好ましい。製造上、薄い層になればなるほど形成が困難になることから、3mm以上とするのが好ましい。
そして、図2〜図5に示したロールの軸芯4の太さは、ロールの構造上、ネック部5の代表寸法(円柱部分の直径)と同一とするのが好ましく、ロール胴部の直径の2分の1ないし4分の1とするのが好ましい。軸芯4の太さを調整することで、結果的に、超硬合金からなる内層2や鉄系材料からなる中間層3の厚みも調整できる。
ロールの最終的な寸法は、胴部(ネック部を除くという意味)の円柱部分の直径にして50〜2000mm、胴部の軸方向の長さ(胴長)にして100〜6000mmと幅広い。
次に、図3に示したロールの場合を例に、本発明の金属板圧延用ロールの製造方法について、以下に説明する。
なお、胴部の外径1300mmφ×2000mmW内外の熱間粗圧延用ロール、同900mmφ×2000mmW内外の熱間仕上圧延用ロール、同600mmφ×1800mmW内外の冷間圧延用ロールなどの大径長尺のロールの場合には、超硬合金部分を一体で製造することは好ましくなく、図6に示すごとく、(a)予め焼結にて製造された軸方向長数百mmのものを、(b)複数継ぎ足して再度焼結するようにして製造するのが好ましい。
そこで、例えば、粉末充填(ロール1本あたりの胴長を整数で除した寸法に焼結・HIP(熱間等方加圧)での収縮分を加算した値に実質的に等しい胴長を持つ複数個の成形体を製造する)→CIP(冷間等方加圧)処理→機械加工→仮焼結→機械加工→本焼結・HIP(熱間等方加圧)処理(複数個の成形体を軸方向に継ぎ足して一体化し、熱間等方加圧して焼結し、超硬合金製スリーブ(円筒状部材)を製造する)→機械加工→拡散接合処理(超硬合金製スリーブの内面側に中間層として鉄系の円筒状内層部材を設ける場合)→嵌合・固定(スリーブを軸芯用部材に嵌合して固定する)という一連の製造プロセスを経て、軸芯用部材の周りに超硬合金層を有するロール部材を製造する。そして、外層の鉄系材料よりなる円筒状部材を鋳造により作成し、上記の超硬合金層を有するロール部材に焼き嵌めなどにより嵌合し一体化することで、最終的に本発明のロールを製造完了する。
しかる後、機械加工を施して、各部の寸法を最終的に調整したり、研磨してロール胴部の粗度や光沢度を調整することは、何らこれを妨げない。
以上述べた本発明の金属板圧延用ロールの製造方法の一部について補足して説明すると、超硬合金製スリーブには、必要に応じて、その内面に研削、研磨等の機械加工を行い、次いで、焼き嵌め、冷やし嵌めなどの方法で超硬合金製スリーブを軸芯に嵌合して固定する。CIP成形の条件は、例えば、100〜300 MPaで5〜60分保持するのが好ましい。仮焼結の条件は、例えば、550〜800℃で1〜3時間保持するのが好ましい。
本焼結・HIP処理は、例えば、Ar雰囲気下、100〜200MPa、1100〜1200℃で、0.5〜2時間保持後、さらに1300〜1350℃で1〜3時間保持するのが好ましい。なお、本焼結・HIP処理は、同時処理に限らず、焼結後に熱間等方加圧処理を行っても良い。例えば、超硬合金製スリーブの内面に肉厚50mmの円筒状SCM−440相当の鍛鋼を拡散接合する場合には、Ar雰囲気下、1200〜1300℃で、0.5 〜1時間保持するのが好ましい。
最後に、外層の鉄系材料よりなる円筒状部材を鋳造により製造し、上記の超硬合金層を有するロール部材に焼き嵌めなどにより嵌合・一体化するのが好ましいが、肉盛溶接、溶射など、その他の方法によっても良い。外層の鉄系材料よりなる円筒状部材は、必要に応じて、嵌合の前後に焼入れや浸炭により調質あるいは鍛造などを施して必要な強度と性質を与えるようにするのも好ましい。
以上説明した製造方法はあくまで一例であり、本発明の金属板圧延用ロールの製造方法は、これに限られるものではない。例えば、外層の鉄系材料よりなる部分は遠心鋳造などによって、ロール部材の外側に形成するなどしても良い。
なお、図1〜図5の図中には示していないが、外層1及び中間層3をなす鉄系材料の層と、内層2をなす超硬合金層との間には、超硬合金材料に適宜、鉄(Fe)や炭素(C)を添加して調整した緩衝層を設けるようにするのも好ましい。緩衝層の成分は、超硬合金の拡散接合条件に応じて調整されることが好ましい。緩衝層の厚みは、超硬合金によるサーマルクラウン抑制の効果を損なわないようにするためには10mm以下とするのが好ましく、2〜5mmとするのがさらに好ましい。
以上述べたことから、この実施形態においては、本発明の金属板圧延用ロールの外層1は耐焼き付き性に優れた性質を持つ鉄系材料で構成されるので、ロールと、被圧延材との間に焼き付きが発生するのを抑制しつつ、冷間圧延の場合でいえば、最大で4000mpm内外の高速圧延が可能になる。さらに、内層2として熱伝導率の大きい超硬合金層を形成したので、内部に伝わった熱が軸方向に拡散して熱膨張の軸方向分布が均一に近づく。その上、鉄系材料の外層に比べ、内部の超硬合金層の熱膨張係数は小さいので、内部まで鉄系材料の場合と比べ、熱膨張自体も小さくなる。その結果、サーマルクラウンの軸方向分布が均一に近づきかつその大きさも小さくなる。また、さらに、その時間的変化も少なくなるので、金属板製品の板クラウンや形状の品質が良好になるとともに、圧延中の被圧延材の板波などの通板不良の発生を抑制して、高速で能率良く圧延することができるようになる。
加えて、超硬合金層2のヤング率は鉄系材料に比べて高いので、ロール偏平が抑制され、圧延中、ロールと被圧延材との間の接触弧長が短くなる。これにより、圧延中のロールの回転に伴うロールと被圧延材との接触時間も短くなって、ロールへの入熱が減少し、さらにサーマルクラウンが小さくなる作用もある。
本発明例として、図2に示した構造を有する、胴部の直径600mmφ×胴長2000mmWのロールを製造した。外層1は、前記特許文献1に記載の化学成分範囲の鉄系材料で、質量%にして、
C:1.4%,Si:0.5%,Mn:0.5%,Ni:0.5%,Cr:12%,Mo:0.8%,V:0.4%,Ti:0.1%で残部はFeと不可避的不純物である成分からなる鉄系材料とし、厚みを200mmとした。
超硬合金層2はWCに15mass%Coを添加したものとし、厚みを200mmとした。
軸芯4の成分も上記外層1と同じとし、内径300mmφ×長さ4000mmとした。
超硬合金層2は軸方向5個の仮焼結体から、前記のHIPにより製造し、外層1は遠心鋳造および機械研削により25mmの厚みも円筒を製造し、これを内超硬合金層2の外周に嵌合した。嵌合時は、円筒状の超硬合金層2は常温のまま、外層1は250℃に加熱して焼き嵌めた。これら2層の一体円筒を軸芯4に嵌合した。嵌合時、軸芯4は常温のまま、一体円筒を380℃に加熱して焼き嵌めた。最後に、外層1を鍛造および機械研削して、ロール外周を仕上げた。
一方、従来例として、前記特許文献1に記載の上記と同じ化学成分の鉄系材料で全体が構成され、本発明例と同一サイズのロールを用意した。
そして、ロールを10rpmで回転させながら、ロールの軸方向中央域に相当する1000mmにわたる部分を500℃の火炎を発するバーナーで10分加熱した後、各幅方向位置におけるロール径を測定し、加熱前のロール径(軸方向で一定)からの変化量を求め、その変化量を2で割った値を熱膨張量として求めた。その結果を図7に示す。
図7に示すように、従来例では、熱膨張量が全体的に大きく、かつ、そのロール軸方向分布も大きいのに対して、本発明例では、熱膨張量が全体的に小さく、かつ、そのロール軸方向分布も小さい。その結果、例えば、サーマルクラウンの値を板道に相当する加熱部分の熱膨張量の差、すなわち、ロール軸方向中央の熱膨張量とロール軸方向中央から500mm位置の熱膨張量の差で定義したとすると、従来例では、サーマルクラウンの値が60μmと大きいのに対して、本発明例では2μm程度と小さく、サーマルクラウンを著しく抑制できることがわかる。
本発明例として、図3に示した構造を有する、胴部の直径600mmφ×胴長2000mmWのロールを製造した。外層1は、前記特許文献1に記載の化学成分範囲の鉄系材料で、質量%にして、
C:1.4%,Si:0.5%,Mn:0.5%,Ni:0.5%,Cr:12%,Mo:0.8%,V:0.4%,Ti:0.1%で残部はFeと不可避的不純物である成分からなる合金とし、厚みを15mmとした。
超硬合金層2はWCに15mass%Coを添加したものとし、厚みを200mmとした。中間層3は、0.05%Cの炭素鋼とし、厚みを5mmとした。
軸芯4の成分も上記外層1と同じとし、内径300mmφ×長さ4000mmとした。
超硬合金層2は軸方向5個の仮焼結体から、前記のHIPにより製造し、内側に中間層3を嵌合した。嵌合時は、超硬合金層2を350℃に加熱し、中間層3を−30℃に冷却して、焼き冷やし嵌めした。外層1は遠心鋳造および機械研削により25mmの厚みの円筒を製造し、これを超硬合金層1の外周に嵌合した。嵌合時、超硬合金層2と中間層3の一体円筒は常温のまま、外層1を250℃に加熱して焼き嵌めた。これら3層の一体円筒を軸芯4に嵌合した。嵌合時、軸芯4は常温のまま、一体円筒を380℃に加熱して焼き嵌めた。最後に、外層1を鍛造および機械研削して、ロール外周を仕上げた。
一方、従来例として、前記特許文献1に記載の上記と同じ化学成分の鉄系材料で全体が構成され、本発明例と同一サイズのロールを用意した。
そして、ロールを10rpmで回転させながら、ロールの軸方向中央域に相当する1000mmにわたる部分を500℃の火炎を発するバーナーで10分加熱した後、各幅方向位置におけるロール径を測定し、加熱前のロール径(軸方向で一定)からの変化量を求め、その変化量を2で割った値を熱膨張量として求めた。
実施例1の場合と同様、サーマルクラウンを大幅に改善する効果を得られることが分かった。
本発明例として、図5に示した構造を有する、胴部の直径800mmφ×胴長2000mmWのロールを製造した。外層1は、質量%にして、C:3.0%,Cr:5%,Mo:8%,V:3%,W:3%で残部はFeと不可避的不純物である成分からなる合金とし、厚みを20mmとした。
超硬合金層2はWCに5mass%Coを添加したものとし、厚みを100mmとした。内側中間層3は、0.1mass%Cの低炭素鋼とし、外側中間層3は、WCに50mass%Coを添加した超硬合金とし、厚みをともに8mmとした。
軸芯4の成分も上記外層1と同じとし、内径300mmφ×長さ4000mmとした。
超硬合金層2は軸方向6個の仮焼結体から、前記のHIPにより製造し、円筒状とした。外側中間層3の超硬合金も同様である。内側中間層3は、鋳造及び機械加工により作成した。
これらを、超硬合金層2を常温とし、内側中間層3を−30℃に冷却し、外側中間層3を400℃に加熱して、焼き冷やし嵌めし、一体円筒とした。その外周に、外層1を溶製により肉盛りした。これら4層の一体円筒を軸芯4に嵌合した。嵌合時、軸芯4は常温のまま、一体円筒を400℃に加熱して焼き嵌めた。最後に、外層1を機械研削して、ロール外周を仕上げた。
一方、従来例として、上記本発明例と同一の化学成分の鉄系材料で全体が構成され、本発明例と同一サイズのロールを用意した。
そして、ロールを20rpmで回転させながら、ロールの軸方向中央域に相当する1200mmにわたる部分を500℃の火炎を発するバーナーで10分加熱した後、各幅方向位置におけるロール径を測定し、加熱前のロール径(軸方向で一定)からの変化量を求め、その変化量を2で割った値を熱膨張量として求めた。
実施例1、2の場合と同様、サーマルクラウンを大幅に改善する効果を得られる事が分かった。
本発明のある実施形態に係る圧延用ロールの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧延用ロールの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧延用ロールの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧延用ロールの断面図である。 本発明の他の実施形態に係る圧延用ロールの断面図である。 本発明の圧延用ロールの製造方法について、一部を説明するための図である。 本発明の効果を示した図である。
符号の説明
1 鉄系材料からなる外層
2 超硬合金からなる内層
3 鉄系材料または異なる組成の超硬合金からなる中間層
4 軸芯
5 ネック部

Claims (2)

  1. 鉄系材料からなる外層と超硬合金からなる内層とを持つことを特徴とする金属板圧延用ロール。
  2. 超硬合金からなる内層に接するようにして、鉄系材料からなる中間層を持つことを特徴とする請求項1に記載の金属板圧延用ロール。
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