JP2006121530A - 色変換装置、画像形成装置、色変換方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

色変換装置、画像形成装置、色変換方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 テーブル参照法により色補正処理を行う色変換装置、画像形成装置、色変換方法、及びコンピュータプログラムの提供。
【解決手段】 入力画像信号を上位ビットと下位ビットに分離するビット数分離部(351C等)、分離した上位ビットの値に基づいて色補正の対象となる点が属する入力色空間上の格子を選択し、その格子に含まれる一の四面体を下位ビットの値に基づいて選択した上で、選択した四面体の頂点に対応付けられている色補正値を3次元LUTから読出すテーブルアクセス部(352C等)、読出した色補正値及び分離した下位ビットの値に基づいて補間演算を行う3次元補間演算部(354C等)を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、テーブル参照法により色補正処理を行う色変換装置、該色変換装置を備えた画像形成装置、前記色変換装置を実現するための色変換方法及びコンピュータプログラムに関する。
近年、OA機器のデジタル化が急速に進展し、またカラー画像出力の需要が増してきたことにより、電子写真方式のデジタルカラー複写機、又はインクジェット方式、熱転写方式のカラープリンタ等が広く一般に普及してきている。例えば、デジタルカメラ又はスキャナ装置等の入力装置より入力された画像情報、又はコンピュータ上で作成された画像情報がこれらの出力装置を用いて出力されている。これらの入出力装置においては、入力された画像情報に対して、常に色再現の安定した画像を出力することが必要であり、デジタル画像処理技術における色変換(色補正)処理が重要な役割を果たしている。
色変換処理の方法としては、入力画像データを均等色空間データに変換するための色座標変換方法を含めて従来から数多くの提案がなされている。このような方法の1つとして、ルックアップテーブル(以下、LUTと称する)を利用したテーブル参照法が非特許文献1、2に記載されている。以下では、そのままでは出力として不適切な信号になってしまう色信号の補正を行う処理、色自体を変化させるために色信号を変換する処理、および色自体が変化しなくても色信号の座標系を変換する処理を全て色変換と呼ぶことにする。
LUT法である3次元補間法は、入力画像データを上位ビットと下位ビットとに分離し、選択された一部の入力画像データ(入力画像データの上位ビット)についての組合せに対するテーブル値を予め計算して色変換テーブルに格納し、色変換テーブルにテーブル値が格納されている入力画像データの近傍の入力画像データについては、色変換テーブルに格納されているテーブル値および入力画像データの下位ビットを用いて線形補間演算により算出するものである。この3次元補間法は、予めテーブル値を算出しておくべき入力画像データ数を限定した場合でも全ての入力画像データの組合せに対して色変換値を求めることができ、色変換テーブルのサイズを直接変換法の場合よりも小さくすることができる。
しかし、色変換テーブルのサイズを小さくすることにより、参照されるテーブル値の数が少なくなるため、入出力特性が非線形性を有している場合には線形補間演算によって求められたデータと本来求めたいデータとの間に誤差が生じてしまう。そこで、このような誤差を縮小するための技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
色彩科学ハンドブック新編、第1137〜1149頁(日本色彩学会編・東京大学出版会刊行) 日本画像学会誌、第37巻、第4号(1998)、第555 〜559頁 特開2000−115558号公報
特許文献1に記載された技術では、入力画像データを出力画像データに変換する際に参照するLUTを、デジタルカメラなどの入力装置の特性により求められる特徴点のみを用いて構成することにより、LUTの容量を増大させることなく高精度な色特性データを得ることができる。この場合、特徴点だけのLUTを多次元LUTに展開したときには(特徴点を用いた入出力の関係を、入力側の軸を均等に分割して入出力の対応付けを行う)、特徴点の情報が欠落する場合がある。そこで、特徴点の近くでは細かく分割し、特徴点がないところでは大きく分割して格子点を構成することにより、LUTの容量の増大を抑制しつつ、情報の欠落を防止するようにしている。
しかしながら、従来技術では、細かく入力空間を分割するほど、すなわち、格子点間の距離を小さくするほど補間精度は高くなるが、反対に、格子点が増加してしまう。そのため、格子点に設定する色補正値を格納するメモリ容量が大きくなり、その計算のための処理時間も増加する。よって、メモリ容量は入出力装置間における特徴点の量に大きく依存するという問題点を有している。
更に、特徴点の情報により分割数が可変になるため、出力画像データを求める際に補間処理において必要な色特性データを読み出すための制御が、均等分割での制御よりハード的に複雑になる。例えば、補間演算する際、小数点を用いた除算を扱わなければならず、例えば、ハードウェアにより演算を行う場合には、除算を行うときにビットシフトだけで処理することができなくなり、ハードウェアが複雑になるという問題点を有している。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、テーブル参照法にて色補正を行う際に利用する色補正テーブル(例えば、3次元LUT)の容量の増大を抑えつつ、色補正の演算精度を高めることができる色変換装置、該色変換装置を備えた画像形成装置、前記色変換装置を実現するための色変換方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る色変換装置は、第1の色空間に属する複数の点について定めた色補正値を記憶するルックアップテーブルを備え、前記第1の色空間に属する点の色値を、前記ルックアップテーブルが記憶する色補正値に基づいて第2の色空間に属する点の色値に変換する色変換装置において、前記第1の色空間を複数の格子に分割してあり、前記ルックアップテーブルは、前記格子の格子点及び重心、並びに前記格子の格子面の重心について前記色補正値を定めてあることを特徴とする。
本発明にあっては、入力色空間である第1の色空間を複数の格子に分割してあり、その格子の格子点及び重心、並びに格子面の重心について色補正値を定めたルックアップテーブルを用いて色変換を行うため、例えば、3次元空間を立方格子により均等に分割した場合と比較して、内部の格子点を増やすことができ、色補正の精度が高まる。また、格子点を増やすために立方格子を更に各軸において2等分した場合と比較して、遙かに格子点数を少なくすることができ、LUTサイズの増加が抑えられる。
本発明に係る色変換装置は、前記第1の色空間に属する点の色値を複数ビットのデータにより規定しており、前記点を含んだ格子を前記データの上位ビットに基づいて選択する手段と、前記格子上の隣合う2つの格子点、該格子点を含んだ格子面の重心、及び前記格子の重心を頂点とする複数の四面体のうち、前記点を含んだ四面体を前記データの下位ビットに基づいて選択する手段と、選択した四面体の頂点の夫々について定めた色補正値を前記ルックアップテーブルから読出す手段とを備え、読出した色補正値に基づいて前記色値を前記第2の色空間に属する点の色値に変換するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、分割された格子のうち、変換対象となるデータの上位ビットに基づいて1つの格子を選択し、その格子上の隣合う2つの格子点、格子点を含んだ格子面の重心、及び格子の重心を頂点とする複数の四面体のうち、一の四面体を下位ビットに基づいて選択し、選択した四面体の頂点について定めた色補正値を用いて色変換を行うようにしているため、四面体補間演算により色変換が実行される。
本発明に係る色変換装置は、前記格子は立方格子であることを特徴とする。
本発明にあっては、分割した格子が立方格子であるため、色補正値を格納している点(すなわち、格子点及び重心点)が均等に配置されることとなり、一の補間演算方法を用いて補正する色値を求めることが可能となる。
本発明に係る画像形成装置は、前述した発明の何れか1つに記載した色変換装置と、第1の色空間に属する色値を持つ入力画像の各画素に対し、前記色変換装置を用いて色変換を行う手段と、該手段により色変換された画素からなる画像に基づき、シート上に画像形成を行う手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、色変換された画素からなる画像に基づき、シート上に画像形成を行う手段を備えるため、デジタル複写機、プリンタ装置、デジタル複合機等への適用が可能となる。
本発明に係る色変換方法は、第1の色空間に属する複数の点について定めた色補正値を記憶するルックアップテーブルに基づき、前記色空間に属する点の色値を第2の色空間に属する点の色値に変換する色変換方法において、前記ルックアップテーブルは、前記第1の色空間を分割した各格子の格子点及び重心、並びに前記格子の格子面の重心について前記色補正値を定めてあり、変換対象となる点を含んだ格子を、前記点の色値を表す複数ビットのデータのうち、上位ビットのデータに基づいて選択するステップと、前記格子上の隣合う2つの格子点、該格子点を含んだ格子面の重心、及び前記格子の重心を頂点とする複数の四面体のうち、前記点を含んだ四面体を前記データの下位ビットに基づいて選択するステップとを有することを特徴とする。
本発明にあっては、入力色空間である第1の色空間を複数の格子に分割してあり、その格子の格子点及び重心、並びに格子面の重心について色補正値を定めたルックアップテーブルを用いて色変換を行うため、例えば、3次元空間を立方格子により均等に分割した場合と比較して、内部の格子点を増やすことができ、色補正の精度が高まる。また、格子点を増やすために立方格子を更に各軸において2等分した場合と比較して、遙かに格子点数を少なくすることができ、LUTサイズの増加が抑えられる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、第1の色空間に属する複数の点について定めた色補正値を記憶するルックアップテーブルに基づき、前記色空間に属する点の色値を第2の色空間に属する点の色値に変換させるステップを有するコンピュータプログラムにおいて、前記ルックアップテーブルは、前記第1の色空間を分割した各格子の格子点及び重心、並びに前記格子の格子面の重心について前記色補正値を定めてあり、コンピュータに、変換対象となる点を含んだ格子を、前記点の色値を表す複数ビットのデータのうち、上位ビットのデータに基づいて選択させるステップと、コンピュータに、前記格子上の隣合う2つの格子点、該格子点を含んだ格子面の重心、及び前記格子の重心を頂点とする複数の四面体のうち、前記点を含んだ四面体を前記データの下位ビットに基づいて選択させるステップとを有することを特徴とする。
本発明にあっては、入力色空間である第1の色空間を複数の格子に分割してあり、その格子の格子点及び重心、並びに格子面の重心について色補正値を定めたルックアップテーブルを用いて色変換を行うため、例えば、3次元空間を立方格子により均等に分割した場合と比較して、内部の格子点を増やすことができ、色補正の精度が高まる。また、格子点を増やすために立方格子を更に各軸において2等分した場合と比較して、遙かに格子点数を少なくすることができ、LUTサイズの増加が抑えられる。
本発明による場合は、入力色空間である第1の色空間を複数の格子に分割してあり、その格子の格子点及び重心、並びに格子面の重心について色補正値を定めたルックアップテーブルを用いて色変換を行うようにしている。したがって、例えば、3次元空間を立方格子により均等に分割した場合と比較して、内部の格子点を増やすことができるため、色補正の精度を高めることができる。また、格子点を増やすために立方格子を更に各軸において2等分した場合と比較して遙かに格子点数を少なくすることができるため、LUTサイズの増加を抑えることができ、使用するメモリの容量を小さくすることができる。
本発明による場合は、分割された格子のうち、変換対象となるデータの上位ビットに基づいて1つの格子を選択し、その格子上の隣合う2つの格子点、格子点を含んだ格子面の重心、及び格子の重心を頂点とする複数の四面体のうち、一の四面体を下位ビットに基づいて選択し、選択した四面体の頂点について定めた色補正値を用いて色変換を行うようにしている。したがって、色補正値の精度を高めつつ、ハードウェアの簡略化、メモリ容量の小型化を図ることができる。
本発明による場合は、分割した格子が立方格子であるため、色補正値を格納している点(すなわち、格子点及び重心点)が均等に配置される。したがって、一の補間演算方法を用いて補正した色値を求めることが可能となり、ハードウェアの簡略化、及び処理の高速化を図ることができる。
本発明による場合は、色変換された画素からなる画像に基づき、シート上に画像形成を行う手段を備えるため、デジタル複写機、プリンタ装置、デジタル複合機等への適用が可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本発明に係る色変換装置の内部構成を説明するブロック図である。本発明に係る色変換装置は、制御部1、画像入力部2、画像処理部3、画像出力部4、記憶部5、及び操作部6を備えている。制御部1は、前記ハードウェア各部を制御するCPUと、制御の際に必要なデータ等を一時的に保持するRAMとにより構成されている。記憶部5は、例えば、不揮発性の半導体メモリであり、ハードウェア各部を制御するための制御プログラム、色変換処理に必要な各種テーブル等を記憶している。制御部1は電源投入時等に記憶部5から制御プログラム、各種テーブルをロードし、ロードした制御プログラムを実行することにより、全体として本発明に係る色変換装置として動作させる。また、操作部6は、利用者からの操作指示を受付けるための各種ハードウェアキーを備えている。
画像入力部2は、原稿の画像を光学的に読取る手段であり、読取用の原稿に光を照射する光源、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ等を備えている。画像入力部2では、所定の読取り位置にセットされた原稿からの反射光像を当該イメージセンサに結像させ、RGB(R:Red, G:Green, B:Blue)のアナログ電気信号を出力する。画像入力部2が出力したアナログ電気信号は画像処理部3へ入力される。
画像処理部3は、画像入力部2から出力されるアナログ電気信号をデジタル信号に変換した後、画像に応じた各種の色調整処理を行って出力用の画像信号を生成する。生成した画像信号は画像出力部4に出力される。本実施の形態では、出力用の画像信号としてCMYK信号(C:Cyan, M:Magenta, Y:Yellow, K:Black)を生成するようにしている。なお、画像処理部3の内部構成、動作等については後に詳述することとする。
画像出力部4は、画像処理部3が出力する画像信号に基づいて用紙、OHPフィルム等のシート上に画像形成を行う手段である。そのため、画像出力部4は、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像を用紙上に形成する。なお、レーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う他、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等により画像形成を行う構成であってもよい。
なお、本実施の形態では、画像入力部2を画像の読取手段として構成し、画像出力部4を画像形成手段として構成したが、外部から画像データを受信する手段、外部に画像データを送信する手段として構成するようにしてもよく、それらを適宜に組み合わせた構成であってもよい。例えば、画像入力部2が画像の読取手段、画像出力部4が画像データの送信手段である場合には、本発明はスキャナ装置(画像読取装置)として動作することとなり、画像入力部2が画像データの受信手段、画像出力部4が画像形成手段である場合には、本発明はプリンタ装置(画像形成装置)として動作することとなる。また、画像の読取手段、画像形成手段、画像データの送受信手段を備えるデジタル複合機にも適用できることは勿論のことである。
図2は画像処理部3の構成を説明するブロック図である。画像処理部3は、AD変換部31、シェーディング補正部32、入力階調補正部33、領域分離処理部34、色補正部35、黒生成・下色除去部36、空間フィルタ処理部37、出力階調補正部38、階調再現処理部39を備えている。
AD変換部31は、画像入力部2から入力されたアナログRGB信号をデジタルRGB信号に変換する。シェーディング補正部32は、AD変換部31から出力されたデジタル形式のRGB信号に対して、画像入力部2の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施す。なお、本実施の形態では、AD変換、シェーディング補正を画像処理部3の内部で行う構成としたが、AD変換及びシェーディング補正を施して得られたデジタルRGB信号を外部から受付ける構成であってもよく、また、その場合にはAD変換部31及びシェーディング補正部32を搭載している必要はない。
入力階調補正部33は、RGBの反射率信号を濃度信号に変換すると共に、下地濃度の補正やコントラストなどの画質調整処理を実行する。入力階調補正部33では、前述した処理に加えてカラーバランスを整える処理を行っても良い。
領域分離処理部34は、RGB信号に基づいて入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真領域の何れかに分離するものである。領域分離処理部34は、分離結果に基づき、各画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を黒生成・下色除去部36、空間フィルタ処理部37、及び階調再現処理部39に出力すると共に、入力階調補正部33より出力されたRGB信号をそのまま後段の色補正部35に出力する。領域分離の手法としては、公知の手法を用いることができる。例えば、「画像電子学会予稿90−60−04」には、網点領域では画像信号の変動が大きいこと、及び背景に比べて濃度が高いことを利用して、網点領域と非網点領域とを分離できることが記載されている。また、文字領域では、最大信号レベルと最小信号レベルとの差が大きく、小領域内の濃度が高いことを利用して、文字領域と写真領域とを分離できることが記載されている。
色補正部35は、色再現の忠実化実現のために不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。本発明は、特にこの色補正部35に関するものであり、予め用意してある3次元LUT353(図4参照)に基づいて色補正を行う。なお、色補正部35の詳細については後述することとする。
黒生成・下色除去部36は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行うものであり、CMYの3色信号をCMYKの4色信号に変換する。黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法が知られている。この方法では、スケルトンカーブの入力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y、出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、下色除去率をα(0<α<1)とすると、黒生成・下色除去処理は、K’=f{min(C,M,Y)}、C’=C−αK’、M’=M−αK’、Y’=Y−αK’のように表すことができる。
空間フィルタ処理部37は、黒生成・下色除去部36より入力されるCMYK信号の画像データに対し、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけ、粒状性劣化等を防ぐ処理を行うものである。例えば、領域分離処理部34により文字として分離された領域は、特に黒文字又は色文字の再現性を高めるために鮮鋭強調処理を行い、高周波数成分を強調する。領域分離処理部34により網点領域として分離された領域に関しては、入力網点成分を除去するためのローパスフィルタ処理を施す。
出力階調補正部38では、濃度信号などの信号を出力先の特性に応じた網点面積率に変換する出力階調補正処理を行う。
階調再現処理部39では、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理を行う。例えば、領域分離処理部34にて写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化又は多値化処理を行い、領域分離処理部34にて文字に分離された領域に関しては、高周波数の再現性に適した高解像度のスクリーンでの二値化又は多値化処理を行う。
以下、色補正部35の動作について説明する。
図3は色補正部35の内部構成を示すブロック図である。前述したように、色補正部35には領域分離処理部34から出力されるRGB信号が入力される。色補正部35は入力されたRGB信号に対して後述する色補正処理を施し、CMY信号を生成する。そのため色補正部35は、シアン信号生成部350C、マゼンタ信号生成部350M、及びイエロ信号生成部350Yを備えており、入力されたRGB信号から各信号生成部350C,350M,350Yがそれぞれシアン信号(C)、マゼンタ信号(M)、イエロ信号(Y)を生成する。
シアン信号生成部350Cは、シアンビット数分離部351C、シアンテーブルアクセス部352C、シアン3次元補間演算部354Cを備えている。シアンビット数分離部351Cには、領域分離処理部34からのRGB信号が入力される。入力されるRGB信号は、それぞれが2以上のビット長を有する色成分信号で構成された信号であり、シアンビット数分離部351Cではこれらの色成分信号を上位ビットと下位ビットとに分離する。図3に示した例では、R,G,Bの各色成分信号からそれぞれ上位ビットを抽出したR1,G1,B1信号と、下位ビットを抽出したR2,G2,B2信号とに分離している。ここで、上位ビットを抽出したR1,G1,B1信号の大きさをそれぞれN00,N01,N02ビット(N00,N01,N02は1以上の整数)、下位ビットを抽出したR2,G2,B2信号の大きさをそれぞれM00,M01,M02ビット(M00,M01,M02は1以上の整数)とした場合、N00=M00,N01=M01,N02=M02である必要はなく、入力されるRGB信号のビット数、要求される色補正の精度等に応じて任意に設定してよい。
分離した信号のうち、上位ビットを抽出したR1,G1,B1信号はシアンテーブルアクセス部352Cに送出され、下位ビットを抽出したR2,G2,B2信号はシアンテーブルアクセス部352C及びシアン3次元補間演算部354Cに送出される。
色変換装置は色補正時に参照するテーブルとして3次元LUT353を備えており、電源投入時にはその3次元LUT353が制御部1内のRAMにロードされた状態にある。この3次元LUT353では、第1の色空間である入力色空間(本実施の形態の場合、RGB色空間)上の予め定めた点について色補正値を規定しており、色補正部35は、3次元LUT353に格納されている色補正値を読出して補間演算を行うことにより色補正を実行する。より具体的には、入力色空間を複数の格子に分割しており、分割した格子の格子点、格子の重心、及び格子面の重心により定まる四面体の頂点の色補正値を利用して四面体補間を行う。図4は3次元LUT353の一例を示す概念図である。この3次元LUT353は、シアン成分、マゼンタ成分、イエロ成分の各色補正値を定めたシアンLUT部353C、マゼンタLUT部353M、及びイエロLUT部353Yにより構成されており、各LUT部353C,353M,353Yには、前述した格子点における色補正値、立方格子の重心点における色補正値、格子面の重心点における色補正値が格納されている。
シアンテーブルアクセス部352Cは、入力された上位ビットのR1,G1,B1信号に基づいて入力画像信号に対応する点が入力色空間上の何れの格子に属するかを判定し、下位ビットのR2,G2,B2信号に基づいてその格子に含まれる何れの四面体に属するかを判定する。そして、判定結果に基づき、入力画像信号に対応した点が含まれる四面体を選択し、選択した四面体の頂点について規定されている色補正値を3次元LUT353から読出す。このとき、シアンテーブルアクセス部352Cは、制御部1内にロードされた3次元LUT353のうち、シアン成分の色補正値を定めたシアンLUT部353Cにアクセスし、シアン成分の色補正値を取得する。取得した色補正値はシアン3次元補間演算部354Cへ送出される。
シアン3次元補間演算部354Cは、シアンテーブルアクセス部352Cから入力された色補正値と、シアンビット数分離部351Cから入力された下位ビットのR2,G2,B2信号とに基づいて線形補間演算を行い、CMY色空間(第2の色空間)上の点のシアン成分を求める。シアン3次元補間演算部354Cは、シアン信号を演算結果として後段の黒生成・下色除去部36に出力する。
同様に、マゼンタ信号生成部350Mは、マゼンタビット数分離部351M、マゼンタテーブルアクセス部352M、マゼンタ3次元補間演算部354Mを備えている。マゼンタビット数分離部351Mには領域分離処理部34からのRGB信号が入力され、各色成分毎に上位ビットを抽出したR1,G1,B1信号(それぞれN10,N11,N12ビット)と、下位ビットを抽出したR2,G2,B2信号(それぞれM10,M11,M12ビット)とに分離される。
マゼンタテーブルアクセス部352Mは、マゼンタビット数分離部351Mによって分離されたR1,G1,B1信号、及びR2,G2,B2信号に基づき、制御部1内にロードされた3次元LUT353のうち、マゼンタ成分の色補正値を定めたマゼンタLUT部353Mにアクセスし、マゼンタ成分の色補正値を取得する。取得した色補正値はマゼンタ3次元補間演算部354Mへ送出される。
マゼンタ3次元補間演算部354Mは、マゼンタテーブルアクセス部352Mから入力された色補正値と、マゼンタビット数分離部351Mから入力された下位ビットのR2,G2,B2信号とに基づいて線形補間演算を行い、線形補間演算により得られたマゼンタ信号を後段の黒生成・下色除去部36に出力する。
また、イエロ信号生成部350Yは、イエロビット数分離部351Y、イエロテーブルアクセス部352Y、イエロ3次元補間演算部354Yを備えている。イエロビット数分離部351Yには領域分離処理部34からのRGB信号が入力され、各色成分毎に上位ビットを抽出したR1,G1,B1信号(それぞれN20,N21,N22ビット)と、下位ビットを抽出したR2,G2,B2信号(それぞれM20,M21,M22ビット)とに分離される。
イエロテーブルアクセス部352Yは、イエロビット数分離部351Yによって分離されたR1,G1,B1信号、及びR2,G2,B2信号に基づき、制御部1内にロードされた3次元LUT353のうち、イエロ成分の色補正値を定めたイエロLUT部353Yにアクセスし、イエロ成分の色補正値を取得する。取得した色補正値はイエロ3次元補間演算部354Yへ送出される。
イエロ3次元補間演算部354Yは、イエロテーブルアクセス部352Yから入力された色補正値と、イエロビット数分離部351Yから入力された下位ビットのR2,G2,B2信号とに基づいて線形補間演算を行い、線形補間演算により得られたイエロ信号を後段の黒生成・下色除去部36に出力する。
なお、本実施の形態では、出力画像信号の色数を考慮して3つのビット数分離部351C,351M,351Yを備える構成としたが、分離するビット数をビット数分離部351C,351M,351Y毎に変化させる必要がない場合には、ビット数分離部を1つだけ搭載し、このビット数分離部によって分離されたR1,G1,B1信号及びR2,G2,B2信号を各テーブルアクセス部352C,352M,352Yに送出する構成であってもよい。
以下、具体例として、入力画像信号(RGB信号)及び出力画像信号(CMY信号)の各色成分信号を8ビットとし、入力色空間(RGB色空間)を16×16×16個の立方格子に分割し、各立方格子を24個に分割して色補正を行う場合について説明する。
図5は入力色空間を示す模式図である。この例では、入力色空間の各軸を16等分に分割して、16×16×16個の格子(立方格子)からなる入力色空間を構成している。本実施の形態では各色成分が0〜255の階調値をとり、各軸を16等分して立方格子を形成しているため各立方格子の軸方向の階調数は16となる。すなわち、立方格子の格子間隔を16と定義することができる。
16×16×16個の立方格子から1つの立方格子を特定するために、入力された各色成分信号の全てのビットデータを必要とせず、例えば、上位4ビットを用いるだけで特定することができる。図6は色成分信号(R)の階調値とその階調値に対応するビット値とを併記した図表である。この図表から分かるように、例えば、階調値が0,1,2,…,15である場合には、上位4ビットが何れも”0000”となる。また、階調値が16,17,18,…,31である場合には、上位4ビットは何れも”0001”となる。このように、N〜N+15(N=0,16,32,…,240)の範囲にある階調値の上位4ビットの値は全てN/16となる。そこで、各テーブルアクセス部352C,352M,352Yは、各ビット数分離部351C,351M,351Yが出力するR1,G1,B1信号を参照することにより、色補正の対象となる点が属する格子を選択することが可能となる。
入力色空間の分割数(格子間隔)は色補正の精度、及び色補正値を格納する3次元LUT353のテーブルサイズに密接に関係している。図7は格子間隔と色補正の精度との関係を説明するグラフである。図7(a)は格子間隔が16である場合の入力画像信号と出力画像信号との関係を示している。横軸には入力画像信号の画素値をとり、縦軸には出力画像信号の画素値をとっている。入力画像信号空間上の格子点X1,X2について定めた色補正値Y1,Y2に基づいて線形補間を行う場合、[X1,X2]の区間に含まれる任意の点Xaに対する補間値Yaは、
Ya=(下位ビットの値)/格子間隔×Y2+(1−(下位ビットの値)/格子間隔)×Y1
となる。例えば、X1=16、X2=32、Y1=50、Y2=150とした場合、この区間に含まれるXa(=22)に対する補間値Yaは、
Ya=6/16×150+(1−6/16)×50=87.5
となる。一方、図7(b)は格子間隔が8である場合の入力画像信号と出力画像信号との関係を示している。図7(a)と同じく横軸には入力画像信号の画素値をとり、縦軸には出力画像信号の画素値をとっている。この例において、[X1,X2]の区間に含まれる点Xb(=22)に対する補間値Ybは、前述と同様にして以下のように求めることができる。
Yb=6/8×80+(1−6/8)×50=72.5
ところで、入力画像信号と出力画像信号との間の関係が非線形である場合、例えば、その変換曲線が図7の各図に示した曲線のようになる場合、格子間隔を16としたときの補間値を用いて線形補間を行うと理想的な変換曲線との誤差が大きくなるのに対して、格子間隔を8としたときの補間値を用いた場合には誤差が小さくなり、補間精度が高くなることが分かる。しかしながら、従来技術のように特徴点に応じて中間点が任意に移動する場合には、格子間隔もそれに依存して変化することとなるため、その間を線形補間するときには小数部を含んだ実数による除算が生じ、演算回路の構成が複雑化すると共に処理時間が増大することとなる。また、格子点を増加させることはLUTサイズが増加することと等価である。図5に示した入力色空間は17×17×17(=4913)個の格子点が含まれるが、単純に各格子を4等分(各軸の格子点数を2倍)にして格子点を増やした場合には、格子点数が33×33×33(=35937)となり、元のLUTサイズの約7.3倍となってしまう。
そこで、本実施の形態では、格子間隔を小さくすることによって色補正値を格納する格子点を増やすのではなく、元の格子点に加えて各格子の重心及び各格子面の重心に色補正値を設定することにより、LUTサイズの増加を抑えつつ、色補正の精度を高めている。図8は分割した1つの立方格子を示す模式図である。図中P0〜P7は、入力色空間(RGB色空間)を16×16×16の立方格子に分割したときの一の格子の格子点を表している。また、P8はこの立方格子の重心であり、P9は格子点P0,P1,P2,P3により定まる格子面の重心である。同様に、P10,P11,P12,P13,P14は、それぞれ自身を含んだ格子面の重心となっている。3次元LUT353には、16×16×16個の全ての格子に対して、格子点P0〜P7及び重心点P8〜P14について定めた色補正値が格納されている。この場合のLUTサイズは22065となり、単純に各格子を4等分した場合(35937)と比較してLUTサイズを大幅に減らすことができる。
本実施の形態では、これらの点(格子点P0〜P7及び重心点P8〜P14)を用いて各立方格子を24個の四面体に分割する。図9〜図12は立方格子を四面体に分割した様子を示す模式図である。分割した四面体は、立方格子の重心点、何れか1つの格子面に属する重心点、及びこの格子面に属する4つの格子点のうち、隣り合う2つの格子点を頂点とした四面体である。例えば、図9(a)〜図9(d)に示した四面体T1〜T4は、立方格子の重心である重心点P8、格子点P0〜P3で定まる格子面の重心である重心点P9、格子点P0〜P3のうち、隣り合う2つの格子点(例えば、四面体T1では格子点P0及び格子点P1)を頂点とする四面体となっている。
他の四面体T5〜T24についても同様である。すなわち、図9(e)〜図10(b)に示した四面体T5〜T8は、重心点P8、重心点P14、及び重心点P14を含んだ格子面上の格子点P4〜P7から選択した2つの格子点(例えば、四面体T17では格子点P4及び格子点P5)を頂点とする四面体である。図10(c)〜図10(f)に示した四面体T9〜T12は、重心点P8、重心点P11、及び重心点P11を含んだ格子面上の格子点P0,P1,P4,P5から選択した2つの格子点(例えば、四面体T9では格子点P0及び格子点P1)を頂点とする四面体である。図11(a)〜図11(d)に示した四面体T13〜T16は、重心点P8、重心点P13、及び重心点P13を含んだ格子面上の格子点P2,P3,P6,P7から選択した2つの格子点(例えば、四面体T15では格子点P2及び格子点P3)を頂点とする四面体である。図11(e)〜図12(b)に示した四面体T17〜T20は、重心点P8、重心点P10、及び重心点P10を含んだ格子面上の格子点P0,P3,P4,P7から選択した2つの格子点(例えば、四面体T19では格子点P0及び格子点P3)を頂点とする四面体である。図12(c)〜図12(f)に示した四面体T21〜T24は、重心点P8、重心点P12、及び重心点P12を含んだ格子面上の格子点P1,P2,P5,P6から選択した2つの格子点(例えば、四面体T23では格子点P1及び格子点P2)を頂点とする四面体である。
本実施の形態では、入力色空間(RGB色空間)に属する任意の点について色補正を行う場合、その点を含んだ四面体の4つの頂点について定めた色補正値に基づいて3次元補間を行う。色補正の対象となる点が含まれる格子は、前述したようにRGB信号の上位4ビットに関する信号(R1,G1,B1信号)に基づいて決定することができる。一方、その格子の中で何れの四面体に属するかはRGB信号の下位4ビットに関する信号(R2,G2,B2信号)に基づいて決定する。図13は色補正の対象となる点を含んだ四面体を判定するための条件を定めた図表である。なお、図13では、図9〜図12におけるP0の値を0とし、軸P0P1上の点をR2(R成分の下位ビット)の値、軸P0P3上の点をG2(G成分の下位ビット)の値、軸P0P4上の点をB2(B成分の下位ビット)の値に対応させ、格子点間距離をDとして条件を定めている。条件1〜条件3の全ての条件を満した四面体を検索することにより、色補正の対象となる点が属する四面体を選択することができる。
なお、複数の四面体に属する点(例えば、四面体を構成する面上の点)については、優先順位を予め定めておくことにより対応することができる。
色補正の対象となる点を含んだ四面体が選択された場合、その四面体の4つの頂点に基づいて3次元補間(すなわち、四面体補間)を行う。この四面体補間は、従来のものとは形状が異なるため、その演算方法も異なる。図14は3次元補間を実行する際に用いるパラメータを説明する模式図である。例えば、色補正の対象となる点をQ(x,y,z)とし(ここで、x,y,zはそれぞれR,G,Bに対応する)、点Qの上位ビットを(x1 ,y1 ,z1 )、点Qの下位ビットを(x2,y2 ,z2 )とした場合、上位ビット(x1 ,y1 ,z1)に基づいて点Qが属する立方格子を選択し、その立方格子を24分割した四面体のうち、点Qが属する四面体を下位ビット(x2 ,y2,z2 )に基づいて選択する。選択された四面体の頂点を点Q0〜点Q3とする。例えば、図9(a)に示した四面体T1が選択された場合、四面体T1の頂点P0,P1,P9,P8は、それぞれ点Q0,Q1,Q2,Q3に対応する。また、図10(f)に示した四面体T12が選択された場合、四面体T12の頂点P4,P0,P11,P8は、それぞれ点Q0,Q1,Q2,Q3に対応する。他の四面体T2〜T11、T13〜T24が選択された場合も同様である。
そして、点Qに対する補間値f(Q)は、選択された四面体の4つの頂点Q0〜Q3におけるテーブル値f(Q0)〜f(Q3)と、下位ビットの値(x2 ,y2 ,z2 )とを用いて、次式のように算出することができる。
f(Q)=(2z2 f(Q3)+2(y2 −z2)f(Q2)+(x2 −y2 )f(Q1)+(D−x2 −y2 )f(Q0))/D
ここで、Dは格子間隔を表し、2のべき乗の値(本実施の形態では16)をとる。そのため、除算するためにはビットシフトだけで済むため、ハードウェアの構成が簡易となり、また、回路規模が小さくなる。また、増加した格子点(立方格子の重心点、及び格子面の重心点)は均等に配置されるため、補間演算方法は一通りで良く、ハードウェアの構成が簡易となり、演算処理の高速化に繋がる。
以下、2次元の擬似的なモデルを用いて本発明の有効性を説明する。図15は2次元格子空間の模式図である。図15(a)は格子間隔が4の2次元格子空間を示しており、前述した16×16×16の格子空間に対応する。以下ではLUT1と称する。図15(b)は格子間隔が4で各格子の中心に格子点を追加した2次元格子空間を示しており、本発明の入力色空間に対応する。以下ではLUT2と称する。図15(c)は格子空間が2の2次元格子間を示しており、各格子軸を2等分して格子点を増加させた例に対応する。以下ではLUT3と称する。
図16はLUTサイズの増加率と演算精度との関係を説明するグラフである。横軸はLUT1を基準としたときのLUTサイズの増加率を示しており、縦軸は演算精度を示している。演算精度は、それぞれLUT1〜LUT3において補間演算を行い、出力モデルとの平均二乗誤差を求めたものである。図16に示したように、LUTサイズの増加率と演算精度とは単なる比例関係ではなく、LUT2のところで下に折れ曲がっていることが分かる。すなわち、LUT2とLUT3との演算精度には大きな違いがないのにも関わらず、LUT2におけるLUTサイズが低く抑えられている。
このように、本発明では色補正テーブル(3次元LUT353)の容量の増大を抑えながら、色補正の演算精度を高めることが可能となる。
なお、本実施の形態では、入力画像信号としてRGB信号、出力画像信号としてCMY信号を採用し、両者の色変換を色補正部35にて行う構成としたが、入力画像信号及び出力画像信号をこれらの信号に限定する必要はない。例えば、出力画像信号として、CIE1976L* a* b* 信号(CIE : Commission International de l'Eclairage、 L* : 明度、a* ,b* : 色度)、反射による物体色の刺激値を表すXYZ信号等を用いてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、各処理をハードウェアにより実現する色変換装置として説明したが、ソフトウェアの処理により本発明の色変換処理を実現する構成であってもよい。
図17は本発明に係るコンピュータプログラムがインストールされた画像処理装置の内部構成を説明するブロック図である。図中10は、本実施の形態に係る画像処理装置であり、具体的にはパーソナルコンピュータ、ワークステーション等である。画像処理装置10はCPU11を備えており、このCPU11がバス12に接続されたROM13から各種の制御プログラムをRAM14にロードして実行し、操作部15、補助記憶部16、記憶部17、画像入力IF18、画像出力IF19等のハードウェアを制御する。
操作部15は、処理対象となる画像データの選択、画像処理に必要なパラメータの入力、画像処理の開始指示等を受付けるために、キーボード、マウス等を備える。補助記憶部16は、本発明のコンピュータプログラムを記録した記録媒体20からコンピュータプログラムを読取るための読取装置を備えている。記録媒体20としては、FD(Flexible Disk)、CD−ROM等を用いることができる。記憶部17は、ディスク状の磁気記録媒体を有するハードディスク装置を備えており、補助記憶部16を通じて読取られたコンピュータプログラム、画像入力IF18を通じて入力された画像データ等を記憶する。
画像入力IF18は、画像入力装置30を接続するためのインタフェースである。画像入力IF18としてSCSI、USBのようなインタフェースを利用することでき、この画像入力IF18に接続する画像入力装置30は、スキャナ装置、デジタルスチルカメラ等である。画像出力IF19は、画像出力装置40を接続するためのインタフェースである。画像出力IF19としてUSBのようなインタフェースを利用することができ、この画像出力IF19に接続する画像出力装置40は、プリンタ装置等である。
なお、本発明に係るコンピュータプログラムを記録する記録媒体20としては、前述したFD及びCD−ROMの他に、MO、MD、DVD等の光ディスク、ハードディスクのような磁気記録媒体、ICカード、メモリカード、光カード等のカード型記録媒体、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリの利用も可能である。
以下、本実施の形態に係る画像処理装置10による処理の手順を説明する。
図18は画像処理装置10が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。画像処理装置10のCPU11は、まず、画像入力IF18を通じて入力された入力画像データを上位ビット及び下位ビットに分離する(ステップS11)。例えば、入力画像データの各色成分が8ビットである場合には、各色成分データを上位4ビットと下位4ビットとに分離する。なお、上位ビットと下位ビットとの分離方法は任意であり、入力画像データのビット数、要求される色補正の精度に応じて予め設定しておく構成であってもよく、操作部15を通じて利用者が任意に設定する構成であってもよい。
次いで、CPU11は、上位ビットの値から何れの立方格子に属するかを判定し(ステップS12)、その判定結果に基づいて、色補正の対象となる画素が属する1つの立方格子を選択する。例えば、入力色空間が16×16×16個の立方格子に分割されている場合、実施の形態1で説明したように、各色成分の上位4ビットの値により1つの立方格子を選択することができる。
次いで、CPU11は、選択された立方格子において、下位ビットの値から何れの四面体に属するかを判定し(ステップS13)、その判定結果に基づいて、色補正の対象となる画素が属する1つの四面体を選択する。例えば、図9〜図12に示したように立方格子が24個の四面体T1〜T24に分割されている場合、各色成分データの下位ビットの値、及び立方格子の格子間隔に基づいて、色補正の対象となる画素が属する1つの四面体(例えば、四面体T1)を選択することができる。
次いで、CPU11は、選択した四面体の各頂点に基づき、色補正を読出すアドレスの生成し(ステップS14)、色補正テーブルより4つの色補正値の読出しを行う(ステップS15)。そして、読み出された色補正値と下位ビットの値とを用いた補間演算を実行することにより(ステップS16)、対象となった画素に対する色補正値を求める。
なお、本発明のコンピュータプログラムは、単独のアプリケーションプログラム、ユーティリティプログラムとして提供される形態であってもよく、他のアプリケーションプログラム、ユーティリティプログラムに組み込んで(すなわち、サブルーチンプログラムとして)、一部の機能として提供する形態であってもよい。例えば、その一形態としてプリンタドライバ・ソフトウェア(以下、単にプリンタドライバとする)に組み込んで提供する形態が考えられる。この場合、任意のアプリケーションプログラムにより生成された画像データに対して、プリンタドライバに組み込まれた本発明のコンピュータプログラムが色補正を施し、それ以外のサブルーチンプログラムが黒生成・下色除去処理、中間調生成処理を施した後、プリンタ言語に翻訳して目的のプリンタ装置へ送信する処理が行われる。
本発明に係る色変換装置の内部構成を説明するブロック図である。 画像処理部の構成を説明するブロック図である。 色補正部の内部構成を示すブロック図である。 3次元LUTの一例を示す概念図である。 入力色空間を示す模式図である。 色成分信号(R)の階調値とその階調値に対応するビット値とを併記した図表である。 格子間隔と色補正の精度との関係を説明するグラフである。 分割した1つの立方格子を示す模式図である。 立方格子を四面体に分割した様子を示す模式図である。 立方格子を四面体に分割した様子を示す模式図である。 立方格子を四面体に分割した様子を示す模式図である。 立方格子を四面体に分割した様子を示す模式図である。 色補正の対象となる点を含んだ四面体を判定するための条件を定めた図表である。 3次元補間を実行する際に用いるパラメータを説明する模式図である。 2次元格子空間の模式図である。 LUTサイズの増加率と演算精度との関係を説明するグラフである。 本発明に係るコンピュータプログラムがインストールされた画像処理装置の内部構成を説明するブロック図である。 画像処理装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 制御部
2 画像入力部
3 画像処理部
4 画像出力部
5 記憶部
6 操作部
35 色補正部
351C シアンビット数分離部
352C シアンテーブルアクセス部
353C シアンLUT部
354C シアン3次元補間演算部
351M マゼンタビット数分離部
352M マゼンタテーブルアクセス部
353M マゼンタLUT部
354M マゼンタ3次元補間演算部
351Y イエロビット数分離部
352Y イエロテーブルアクセス部
353Y イエロLUT部
354Y イエロ3次元補間演算部

Claims (6)

  1. 第1の色空間に属する複数の点について定めた色補正値を記憶するルックアップテーブルを備え、前記第1の色空間に属する点の色値を、前記ルックアップテーブルが記憶する色補正値に基づいて第2の色空間に属する点の色値に変換する色変換装置において、
    前記第1の色空間を複数の格子に分割してあり、前記ルックアップテーブルは、前記格子の格子点及び重心、並びに前記格子の格子面の重心について前記色補正値を定めてあることを特徴とする色変換装置。
  2. 前記第1の色空間に属する点の色値を複数ビットのデータにより規定しており、前記点を含んだ格子を前記データの上位ビットに基づいて選択する手段と、前記格子上の隣合う2つの格子点、該格子点を含んだ格子面の重心、及び前記格子の重心を頂点とする複数の四面体のうち、前記点を含んだ四面体を前記データの下位ビットに基づいて選択する手段と、選択した四面体の頂点の夫々について定めた色補正値を前記ルックアップテーブルから読出す手段とを備え、読出した色補正値に基づいて前記色値を前記第2の色空間に属する点の色値に変換するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の色変換装置。
  3. 前記格子は立方格子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の色変換装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の色変換装置と、第1の色空間に属する色値を持つ入力画像の各画素に対し、前記色変換装置を用いて色変換を行う手段と、該手段により色変換された画素からなる画像に基づき、シート上に画像形成を行う手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 第1の色空間に属する複数の点について定めた色補正値を記憶するルックアップテーブルに基づき、前記色空間に属する点の色値を第2の色空間に属する点の色値に変換する色変換方法において、
    前記ルックアップテーブルは、前記第1の色空間を分割した各格子の格子点及び重心、並びに前記格子の格子面の重心について前記色補正値を定めてあり、変換対象となる点を含んだ格子を、前記点の色値を表す複数ビットのデータのうち、上位ビットのデータに基づいて選択するステップと、前記格子上の隣合う2つの格子点、該格子点を含んだ格子面の重心、及び前記格子の重心を頂点とする複数の四面体のうち、前記点を含んだ四面体を前記データの下位ビットに基づいて選択するステップとを有することを特徴とする色変換方法。
  6. コンピュータに、第1の色空間に属する複数の点について定めた色補正値を記憶するルックアップテーブルに基づき、前記色空間に属する点の色値を第2の色空間に属する点の色値に変換させるステップを有するコンピュータプログラムにおいて、
    前記ルックアップテーブルは、前記第1の色空間を分割した各格子の格子点及び重心、並びに前記格子の格子面の重心について前記色補正値を定めてあり、コンピュータに、変換対象となる点を含んだ格子を、前記点の色値を表す複数ビットのデータのうち、上位ビットのデータに基づいて選択させるステップと、コンピュータに、前記格子上の隣合う2つの格子点、該格子点を含んだ格子面の重心、及び前記格子の重心を頂点とする複数の四面体のうち、前記点を含んだ四面体を前記データの下位ビットに基づいて選択させるステップとを有することを特徴とするコンピュータプログラム。
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