JP2006114293A - 冷陰極蛍光ランプの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セシウム化合物が電極に被着されてなる冷陰極蛍光ランプの製造方法において、前記電極近傍の蛍光体膜部分が淡黄色に変色する発生率を低減すること。
【解決手段】 セシウム化合物からなる被膜24が被着された電極22を、後工程に使用する前に、不活性ガスが充満した保管容器40内に所定時間維持する。
【選択図】 図3

Description

本発明は冷陰極蛍光ランプの製造方法に関し、特に、暗黒始動性の改善のため、電子放射物質が被着された電極を有する冷陰極蛍光ランプの製造方法に関する。
蛍光ランプの中でも、管状をしたガラスバルブの内面に蛍光体が塗布され、両端部に内部電極として冷陰極が設けられてなる冷陰極蛍光ランプは細径化に適している。そのため、薄型化(小型化)が要求される液晶ディスプレイ装置のバックライトユニットの光源として好適に用いられている。一般的なバックライトユニットでは、その構造上の理由から、冷陰極蛍光ランプは外来光の乏しい環境下で使用される。このため、バックライトユニットに用いられる冷陰極蛍光ランプには、特に暗黒始動性の改善が要求される。
暗黒始動性を改善するため、特許文献1には、電極にセシウム化合物を被着した冷陰極蛍光ランプが開示されている。セシウムは電子放射物質の中でも特に仕事関数が低く、これを用いることにより暗黒始動性が改善される。
特開2001−15065号公報
しかしながら、上記のように構成する冷陰極蛍光ランプでは、特に製造段階において、電極近傍の蛍光体形成領域が淡黄色に着色されてしまうといった問題が発生している。冷陰極蛍光ランプは、種々の工程を経て製造されるのであるが、その中には、電極近傍でガラス管を加熱して封止する封止工程等、電極およびこれに被着されたセシウム化合物が数百度に熱せられることとなる工程が存在する。そのような工程において、セシウム化合物の一部が蒸散して蛍光体に付着し、当該付着部分が淡黄色に見えるようになるのである(淡黄色に見える領域を「変色領域」と称することとする。)。
変色領域が発生すると、この部分での輝度が低下し、管軸方向における輝度むらが激しくなる。このことは、特に輝度の均一性が要求されるバックライトユニットにおいては大きな問題となる。
変色領域の変色の程度を低減するためには、電極へのセシウム化合物の被着量を減らせばよいのであるが、そうすると、今度は暗黒始動性が悪化してしまう。
本発明は、上記した課題に鑑み、前記変色領域の発生を可能な限り抑制することが可能な、冷陰極蛍光ランプの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る冷陰極蛍光ランプの製造方法は、ガラス管内周側に蛍光体膜が形成された蛍光体膜付ガラス管を準備するガラス管準備工程と、前記蛍光体膜付ガラス管に、セシウム化合物が付着された電極を挿入する挿入工程とを有する冷陰極蛍光ランプの製造方法において、前記挿入工程の前に、前記セシウム化合物が付着された電極を不活性ガス中に維持する維持工程を有することを特徴とする。
また、前記維持工程において、前記電極を少なくとも3時間、不活性ガス中に維持することを特徴とする。
あるいは、前記維持工程において、前記電極を少なくとも6時間、不活性ガス中に維持することを特徴とする。
本発明に係る冷陰極蛍光ランプの製造方法によれば、セシウム化合物が付着された電極を不活性ガス中に維持することで、当該セシウム化合物が原因で、蛍光体膜に変色領域が発生するのを低減できることが実験により確認された。
以下、本発明に係る冷陰極蛍光ランプの製造方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、製造対象である冷陰極蛍光ランプ10を表した縦断面図である。なお、本図を含めた全ての図において、各構成部材間の縮尺は統一していない。
図1(a)に示すように、冷陰極蛍光ランプ10は、円形断面を有するガラス管の両端部が第1リード線12および第2リード線14で気密封止されてなるガラスバルブ16を有する。ガラスバルブ16は、硬質のホウケイ酸ガラスからなり、その全長は450mm、外径は4.0mm、内径は3.0mmである。
ガラスバルブ16内面には、厚み約20μmの蛍光体膜18が形成されている。蛍光体膜18は、赤色発光のY2O3:Eu、緑色発光のLaPO4:Ce3,Tb3および青色発光のBaMg2Al16O27:Eu2といった3種類の希土類蛍光体を含む。
また、ガラスバルブ16の内部には、約3mgの水銀(不図示)と、複数種の希ガス(例えば、ネオンとアルゴン)からなる混合ガス(不図示)が封入されている。
第1および第2リード線12、14は、タングステン線からなり、その線径は1mmである。
ガラスバルブ16の端部に支持された第1および第2リード線12、14のガラスバルブ16内部側端部には、それぞれ、第1電極20、第2電極22がレーザ溶接等によって接合されている。第1および第2電極20、22は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニオブ棒を加工したものである。第1および第2電極20、22として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯時の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効であるからである(詳細は、特開2002−289138号公報等を参照。)。第1および第2電極20、22は同じ形状をしており、電極長(ガラスバルブ16の管軸方向における長さ)が5.2mm、外径が2.7mm、肉厚が0.2mm、(内径が2.3mm)である。
図1(b)に、第2電極22およびその近傍の拡大図を示す。なお、図1(b)では、電極を切断しないで表している。図1(b)に示すように、第2電極22の外周には、セシウム化合物からなる被膜(以下、「第1被膜」と言う。)24が形成されている。第1被膜24を形成するセシウム化合物として、本例ではアルミン酸セシウム(AlCs23)を用いている。また、ガラスバルブ16の管軸方向、第1被膜24が位置するガラスバルブ24内面側に酸化セシウム(Cs2O)からなる被膜(以下、「第2被膜」と言う。)25が形成されている。
なお、図1において、符号26、28で示すのは、後述するように、ガラスバルブ16の両端部を封着するためのガラスビーズである。
次に、上記の構成からなる冷陰極蛍光ランプ10の製造方法について、図2〜図5を参照しながら説明する。
図2に示すように、先ず、リード線14(12)に電極22(20)が接合され、リード線14(12)にガラスビーズ28(26)が嵌め込まれて固着されたものを準備する[工程A]。ここで、工程Aで準備される、第1リード線12と第1電極20とガラスビーズ26とから成る組立て体を第1電極ユニット30と称し、第2リード線14と第2電極22とガラスビーズ28とから成る組立て体を第2電極ユニット32と称することとする。なお、実際には、この時点で、第1電極ユニット30と第2電極ユニット32の区別はない。
次に、第2電極ユニット32となる電極ユニットの第2電極22の外周に懸濁液34を塗布する[工程B]。懸濁液34は、純水中にアルミン酸セシウムが分散されてなるものである。また、懸濁液34におけるアルミン酸セシウムの濃度は約5%(重量%)である。塗布の方法は、刷毛を用いた作業者による手作業塗りでもよいし、あるいは、塗布装置を用いた機械塗りでも構わない。塗布装置を用いた方法としては、例えば、特開2004−87291号公報に開示された方法を用いることができる。
続いて、懸濁液34が塗布された第2電極ユニット32に対し上下に配置した吹き出し口36、38から温風を吹き付けて当該懸濁液34を乾燥させ、前記第1被膜24を形成する[工程C]。ここで、吹き出し口36、38と電極の距離Lが短すぎても、また、温風の風量[L/min]が多すぎても、最終的に電極外周に形成される第1被膜の膜厚が不均一になる。そして、被膜は、厚く形成された部分で脱落し易い。被膜が脱落して、そのかけらがガラスバルブ内に存在すると、かけら部分が影となって見え、輝度ムラが発生することとなる。本願発明者は、上記距離Lと風量とを色々と変化させて実験し、乾燥時間が長くなりすぎず、かつ、第1被膜の膜厚をほぼ均一にすることができる範囲を見出した。その範囲は、距離L=20〜50[mm]で、風量=10〜15[L/min]
である。上記最適範囲で懸濁液を乾燥させて冷陰極蛍光ランプを1万本製造した場合と、比較例として、距離L=70〜90[mm]、風量=30〜40[L/min]に設定して冷陰極蛍光ランプを1万本製造した場合の、第1被膜の脱落率を以下に示す。なお、各1万本は、2000〜3000本ずつの数ロットに分け、各ロット間で時期を異ならせて製造した。
上記最適範囲で製造した場合における第1被膜の脱落率の1万本全体での平均は0.05%、ロット毎における脱落率の最高値は0.42%で最低値は0%であった。一方、上記比較例の場合における第1被膜の脱落率の1万本全体での平均は1.21%、ロット毎における脱落率の最高値は6.64%で最低値は0%であった。
乾燥工程(工程C)を終え、第1被膜24が形成された第2電極ユニット32は、図3に示すように、直方体をした保管容器40内で所定時間保管する。この所定時間については後述する。保管容器40の側壁40Aに取り付けられたパイプ42からは絶えず不活性ガスが送り込まれ、側壁40Bに取り付けられたパイプ44からは不活性ガスが排気されており、パイプ42、44部分以外は密閉された保管容器40内は、不活性ガスで充満している。不活性ガスとして、本例では、窒素(N)ガスを用いており、保管容器40内の温度は約25℃に維持されている。第1被膜24付き第2電極ユニット32は、このようにして不活性ガス中に所定時間維持された上で、後工程に用いられる。
第1電極ユニット30および第1被膜24付き第2電極ユニット32の上述した準備工程と平行して、図4に示すようにガラス管46の内側に蛍光体膜18が形成されたものを準備する[工程E]。
蛍光体膜18付きガラス管46に、第1被膜24付き第2電極ユニット32を挿入した後、仮止めを行う[工程F]。仮止めとは、ガラスビーズ28が位置するガラス管46の外周部分をバーナー48で加熱して、ガラスビーズ28の外周の一部をガラス管46内周面に固着することをいう。ガラスビーズ28の外周の一部しか固着しないので、ガラス管46の管軸方向の通気性は維持される。なお、この場合の加熱温度は、ガラス管46外周表面において約700℃である。
次に、第2電極ユニット32とは反対側から、ガラス管46に第1電極ユニット30を挿入した後、ガラスビーズ26が位置するガラス管46の外周部分をバーナー50で加熱し、ガラス管46を封着して気密封止(第1封止)する[工程G]。この場合の加熱温度は、ガラス管46の外周表面において約1100℃である。
続いて、ガラス管46の、第2電極ユニット32よりも端部寄りの一部をバーナー52で加熱して、くびれ部分46Aを形成した後、水銀ペレット54をガラス管46に投入する[工程H]。水銀ペレット54は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
続く工程Jでは、ガラス管46内の排気とガラス管46内への希ガスの充填を行う。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管46の水銀ペレット54側端部に装着し、先ず、ガラス管46内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管46全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管46の外周表面において約380℃である。これによって、蛍光体膜18に潜入している不純ガスを含めガラス管46内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
希ガスが充填されると、ガラス管46の水銀ペレット54側端部をバーナー56で加熱して封止する[工程K]。
続いて、図5に示す工程Mでは、水銀ペレット54をガラス管46周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管46を加熱炉57内で加熱して、追い出した水銀をガラス管46内第1電極30の方へ移動させる。
次に、第2電極ユニット22のガラスビーズ28が位置するガラス管46外周部分をバーナー58で加熱して、ガラス管46を封着して気密封止(第2封止)する[工程N]。この場合の加熱温度は、ガラス管46外周において約350℃である。
続いて、ガラス管46の、上記第2封止部分よりも水銀ペレット54側の端部部分を切離す[工程P]。
続く工程Qでは、第1リード線12と第2リード線14に給電電極60、62を接続し、両給電電極60、62から、定常点灯の際に流す電流の2〜3倍程度のエージング電流を所定時間流して(例えば、20mAで7分)エージングを行う。エージングの目的の一つは、前記排気工程で不純ガスを排出しているものの、僅かにガラスバルブ16内空間(放電路)に残存する不純ガスを蛍光体に吸着させて第1および第2の両電極間の放電を安定させることにある。もう一つの目的は、第1被膜24を形成するアルミン酸セシウムをスパッタリングして、ガラスバルブ16の管軸方向、第1被膜24が位置するガラスバルブ24内面側に前記第2被膜25(図1(b)参照)を形成することにある。第2被膜25が形成された部分は僅かに黒化するのであるが、この部分は、第1および第2の電極20、22間外に在るので、輝度ムラの原因とはならない。上記第2被膜25を形成することで、暗黒の環境下であっても、第2被膜25と第2電極22の間、または第2被膜25と第1被膜24との間で微少放電が発生し、易電子放出率が高まるので、暗黒始動特性の良好な冷陰極蛍光ランプを実現することができる。なお、エージングの際に上記第2被膜25を形成する技術については、特許第3497153号公報に詳しく記載されているので、これ以上の詳細な説明は省略する。
そして、上記エージング[工程Q]の後、点灯検査等を経て冷陰極蛍光ランプとして完成する。
上述した一連の工程中、従来の製造方法は図3に示す工程Dを有していない。工程Dを経ずに、冷陰極蛍光ランプを製造すると、「発明が解決しようとする課題」の欄でも記載したように、第1被膜近傍の蛍光体部分に変色領域が発生する。変色領域は、両電極間(放電領域)に対応する位置まで及ぶ。変色領域は、一連の工程F〜Q中、第1被膜が結果的に相当に加熱されることとなる工程(工程F、J、N、Q)で発生することが本願発明者によって確認されている。
本願発明者は、セシウム化合物が付着された電極(第2電極ユニット32)を使用する前、すなわち、ガラス管46に挿入する前(工程Fの前)に、当該第2電極ユニット32を不活性ガス中に維持することで、上記変色領域の発生率を低減することができることを見出した。
また、本願発明者は、セシウム化合物が付着された第2電極ユニット32の保管容器40(図3)内での保管時間、すなわち、窒素ガス中に維持する維持時間(以下、単に「維持時間」と言う。)が、変色領域の発生率(以下、単に「変色率」と言う。)に及ぼす影響について実験を行った。
実験は、維持時間を0(すなわち、工程Dを省略)、1、3、6、20[時間]とし、各々の維持時間で各500本の冷陰極蛍光ランプを製造し、各維持時間で製造した冷陰極蛍光ランプ500本中の変色領域が発生した本数で評価した。変色領域の発生の有無は、目視によって行った。具体的には、透光性を有する白色板を有し、当該白色板の裏面に光源が配されてなる試験台の、前記白色板の表面に試料となる冷陰極蛍光ランプを置いて、当該冷陰極蛍光ランプの外側から、変色領域の発生の有無を目視で確認することとした。
実験結果を図6に示す。図6に示すグラフは、横軸に維持時間、縦軸に発生率をとり、各維持時間に対応する変色率をプロットしている。
図6から言えるのは、維持時間が1時間程度では、維持時間0の場合(工程Dを省略した場合)と変色率に変化はない。維持時間を3時間にすると、維持時間0の場合の変色率が9%であるのに対して、その半分以下の4%となる。さらに維持時間を増やして6時間とすると変色率は0%となる。維持時間20時間の場合も変色率は0%となる。
以上の結果から、セシウム化合物が塗布された第2電極ユニット32は、窒素ガス中に少なくとも3時間維持することが好ましく、さらには、すくなくとも6時間維持することが好ましい。
なお、変色領域の発生を抑制できる理由については、以下のように推察される。
従来は、電極に塗布した懸濁液の乾燥工程(工程C)が終了すると、アルミン酸セシウムが付着された電極は、大気中で保管(放置)した後、次工程に用いられていた。この大気中での保管中に、アルミン酸セシウムの一部が、空気中の水分(H2O)と二酸化炭素(CO2)とに反応して、炭酸水素セシウム(CsHCO3)に変化する。炭酸水素セシウムは、約180℃で分解し始め、炭酸セシウム、さらには酸化セシウムへと変化する物質であるので、上記工程F、J、N、Qにおいて、当該分解が進み、酸化セシウムが、広範囲に分散して蛍光体膜に付着し、これが原因で変色が発生するものと思われる。
これに対し、本製造方法においては、乾燥工程(工程C)が終了すると、アルミン酸セシウムが付着された電極は、不活性ガス中で保管(維持)した後、次工程に用いることとしている。乾燥工程においては、十分な乾燥がなされるものの、乾燥工程終了時においても、電極に付着しているアルミン酸セシウム膜には若干水分が残存しているものと思われる。また、温風空気によって乾燥させているため、アルミン酸セシウム膜には、二酸化炭素が潜在しているものと思われる。このような、水分と二酸化炭素とを含むアルミン酸セシウム膜を、常に新鮮な不活性ガスが流通する保管容器40内で保管(維持)することにより、徐々にではあるが、アルミン酸セシウム膜から水分と二酸化炭素が抜けていくものと思われる。そして、ほぼ完全に水分および/または二酸化炭素が抜けきった状態(例えば、6時間維持後)で次工程に供すると、変色領域の発生がなくなるのではないかと推察される。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態としても構わない。
(1)上記実施の形態では、保管容器40内に充満させる不活性ガスとして窒素(N)ガスを用いたが、アルゴン(Ar)ガスを用いても構わない。本願発明者は、アルゴンガスの場合も窒素ガスと同様の結果が得られることを確認している。また、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の他の不活性ガスを用いても同様の結果が得られるものと思われる。
(2)上記実施の形態ではセシウム化合物としてアルミン酸セシウム(AlCs23)を用いたが、他のセシウム化合物であっても構わない。例えば、タングステン酸セシウム(Cs2WO4)やニオブ酸セシウム(Cs2NbO4)でも構わない。
(3)上記実施の形態では、電極への懸濁液の塗布工程(図2、工程B)および塗布した懸濁液の乾燥工程(図2、工程C)と、不活性ガス中での維持工程(図3、工程D)とを別々に行った。
しかし、これに限らず、工程Cも不活性ガス中で行うこととしてもよい。すなわち、図3に示したような、不活性ガスが充満した容器内に電極ユニットを保持し、電極に塗布された懸濁液に対し、温められた不活性ガスを吹き付けることとしても構わない。
さらには、工程Bも不活性ガス中で行うこととしてもよい。
また、上記実施の形態では、不活性ガス中での維持工程は、不活性ガスが充満した保管容器内でセシウム化合物が付着された電極を保管することにより実現したが、当該維持工程は、保管容器を用いずとも実施可能である。たとえば、室内において、セシウム化合物が付着された電極の主に当該セシウム化合物に対し所定時間不活性ガスを吹き付けることとしても構わない。要は、電極に付着したセシウム化合物が絶えず不活性ガスにさらされ、空気と遮断された状態に置くことができればよいのである。
(5)上記実施の形態では、本発明を、直管型の冷陰極蛍光ランプの製造方法に適用した例について説明したが、本発明は、U字型などの屈曲管型の冷陰極蛍光ランプの製造方法に適用できる。
本発明に係る製造方法は、例えば、輝度むらの少ないことが要求される液晶ディスプレイ装置におけるバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプの製造に好適に利用可能である。
実施の形態に係る製造方法の製造対象である冷陰極蛍光ランプの概略構成を示す断面図である。 上記冷陰極蛍光ランプの製造工程の一部を示す図である。 上記冷陰極蛍光ランプの製造工程の一部を示す図である。 上記冷陰極蛍光ランプの製造工程の一部を示す図である。 上記冷陰極蛍光ランプの製造工程の一部を示す図である。 セシウム化合物が付着された第2電極ユニットの、窒素ガス中における維持時間と、変色領域の発生率との関係について調べた実験結果を示す図である。
符号の説明
18 蛍光体膜
22 第2電極
24 第1被膜
46 ガラス管

Claims (3)

  1. ガラス管内周側に蛍光体膜が形成された蛍光体膜付ガラス管を準備するガラス管準備工程と、
    前記蛍光体膜付ガラス管に、セシウム化合物が付着された電極を挿入する挿入工程とを有する冷陰極蛍光ランプの製造方法において、
    前記挿入工程の前に、前記セシウム化合物が付着された電極を不活性ガス中に維持する維持工程を有することを特徴とする冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  2. 前記維持工程において、前記電極を少なくとも3時間、不活性ガス中に維持することを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプの製造方法。
  3. 前記維持工程において、前記電極を少なくとも6時間、不活性ガス中に維持することを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプの製造方法。
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