JP2006112292A - 水素添加内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水素添加内燃機関の制御装置に関し、水素の消費とガソリンの消費をバランスさせることで燃料の補給回数を低減できるようにする。
【解決手段】 水素貯蔵器内の水素残量を検出し、水素残量と所定の基準値とを比較する。水素残量が基準値以上のときには、ガソリンに水素が添加される全ての水素添加領域において水素の添加を行う。やがて、前記水素添加領域での水素の使用により水素貯蔵器内の水素残量が基準値を下回ったときには、複数の水素添加領域のうち少なくとも1つの領域において水素の添加を停止し、ガソリンのみによる運転に切り替える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ガソリンと水素を燃料として運転可能な水素添加内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されるように、ガソリンとともに水素を燃料として使用する内燃機関(水素添加内燃機関)が知られている。水素はガソリンに比較して燃焼性に優れている特性を有している。このため、低負荷時には、ガソリンに水素を添加することで内燃機関のリーンバーン領域を拡大することができ、燃費の向上やNOx排出量の低減といった顕著な効果を得られるようになる。一方、高負荷時には、ガソリンに水素を添加することでノッキングを抑制することができ、出力を向上させて車両の加速性能を維持することができる。
特開2004−116398号公報
上記のようにガソリンに水素を添加することによって内燃機関の運転性能を向上させることができるものの、気体燃料である水素は液体燃料であるガソリンに比較して車両への搭載量が限られる。このため、理想的な運転性能が得られるように水素を使用し続けると、ガソリンよりも先に水素が無くなってしまい、ガソリンの残量にかかわらず燃料補給を行わざるを得なくなってしまう可能性がある。頻繁な燃料補給はドライバに煩わしさを感じさせることになるため、水素とガソリンが略同じタイミングで無くなるように、水素の消費をガソリンの消費にバランスさせるようにしたい。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、水素の消費とガソリンの消費をバランスさせることで燃料の補給回数を低減できるようにした水素添加内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ガソリンを貯蔵したガソリン貯蔵器と、水素を貯蔵した水素貯蔵器とを有し、ガソリンに水素を添加して運転可能な水素添加内燃機関において、複数に区分された前記内燃機関の運転領域のうち少なくとも2以上の運転領域でガソリンに水素を添加して運転する前記内燃機関の制御装置であって、
前記水素貯蔵器内の水素残量が所定の基準値を下回ったとき、或いは、前記ガソリン貯蔵器内のガソリン残量に対する前記水素貯蔵器内の水素残量の割合が所定の基準値を下回ったときには、ガソリンに水素が添加される前記2以上の運転領域のうち少なくとも1つの運転領域において水素の添加を停止してガソリンのみによる運転に切り替える運転切替手段を備えることを特徴としている。
第2の発明は、上記第1の発明において、ガソリンに水素が添加される前記2以上の運転領域には、ノッキングが発生するノッキング発生領域と、ストイキよりもリーンな空燃比で運転が行われるリーンバーン運転領域とが含まれることを特徴としている。
第3の発明は、上記第2の発明において、水素の添加以外の方法でノッキングを回避するノッキング回避手段を備え、
前記ノッキング発生領域において水素の添加が停止される場合には、前記ノッキング回避手段によってノッキングの回避が行われることを特徴としている。
第4の発明は、上記第2の発明において、前記リーンバーン運転領域において水素の添加が停止される場合には、前記運転切替手段はガソリンによるストイキ運転に切り替えることを特徴としている。
第5の発明は、上記第1の発明において、ガソリンに水素が添加される前記2以上の運転領域の中での各運転領域の重要度を認識する認識手段を備え、
前記運転切替手段は、前記認識手段により重要度が低いと認識される運転領域において水素の添加を停止してガソリンのみによる運転に切り替えることを特徴としている。
第6の発明は、上記第5の発明において、前記運転切替手段は、前記認識手段により認識される重要度が低い順に各運転領域における水素の添加を停止してガソリンのみによる運転に切り替えていくことを特徴としている。
第7の発明は、上記第5又は第6の発明において、前記認識手段は、前記内燃機関の運転状態の履歴に基づいて各運転領域の重要度を認識することを特徴としている。
第8の発明は、上記第5又は第6の発明において、前記内燃機関の制御モードをドライバが任意に選択可能な制御モード選択手段を備え、
前記認識手段は、前記制御モード選択手段により選択された制御モードに基づいて各運転領域の重要度を認識することを特徴としている。
第1の発明によれば、水素残量が少なくなった場合、或いは、ガソリン残量に対する水素残量の割合が少なくなった場合には、ガソリンに水素が添加される複数の運転領域のうち少なくとも1つの運転領域において水素の添加が停止され、ガソリンのみによる運転に切り替えられる。これにより、水素の消費を抑えて水素貯蔵器内の水素が無くなる時期をガソリン貯蔵器内のガソリンが無くなる時期に近づけることができ、燃料補給回数を低減することができる。
第2の発明によれば、ノッキング発生領域とリーンバーン運転領域が水素の添加領域に含まれるので、ノッキング発生領域で水素が添加される場合には、高負荷時の燃焼を安定させてノッキングの発生を防止することができ、リーンバーン運転領域で水素が添加される場合には、失火を防止してよりリーンな空燃比で運転することが可能になる。
第3の発明によれば、水素の添加以外の方法でノッキングの回避を行うことができるので、ノッキングを発生させることなくノッキング発生領域での水素の添加を停止して水素の消費を抑えることができる。
また、第4の発明によれば、リーンバーン運転領域での水素の添加の停止後は、ガソリンによるストイキ運転に切り替えられるので、水素の添加の停止に伴うNOxの発生を防止することができる。
第5の発明によれば、重要度が低い運転領域において水素の添加が停止されるので、水素の添加の停止が内燃機関の性能へ及ぼす影響を低減することができる。
第6の発明によれば、重要度が低い運転領域から順に水素の添加が停止されていくので、水素の添加の停止が内燃機関の性能へ及ぼす影響をより低減することができる。
第7の発明によれば、各運転領域の重要度の設定に運転状態の履歴が反映されるので、水素の添加の停止が内燃機関の性能へ及ぼす影響をより低減することができる。
第8の発明によれば、各運転領域の重要度の設定にドライバの嗜好が反映されるので、水素の添加の停止が内燃機関の性能へ及ぼす影響をより低減することができる。
実施の形態1.
以下、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は本発明の実施の形態1としての制御装置が適用された内燃機関の概略構成を示す図である。内燃機関2は内部にピストン8が配置されたシリンダブロック6と、シリンダブロック6に組み付けられたシリンダヘッド4を備えている。ピストン8の上面からシリンダヘッド4までの空間は燃焼室10を形成しており、この燃焼室10に連通するように吸気ポート18と排気ポート20がシリンダヘッド4に形成されている。吸気ポート18と燃焼室10との接続部には、吸気ポート18と燃焼室10との連通状態を制御する吸気バルブ12が設けられ、排気ポート20と燃焼室10との接続部には、排気ポート20と燃焼室10との連通状態を制御する排気バルブ14が設けられている。また、シリンダヘッド4には、燃焼室10の頂部から燃焼室10内に突出するように点火プラグ16が取り付けられている。
シリンダヘッド4の吸気ポート18には、新気を燃焼室10内に導入するための吸気通路30が接続されている。吸気通路30の上流端にはエアクリーナ32が設けられ、新気はエアクリーナ32を介して吸気通路30内に取り込まれる。吸気通路30の下流部は気筒毎(吸気ポート18毎)に分岐しており、その分岐部にはサージタンク34が設けられている。吸気通路30のサージタンク34の上流には電子制御式のスロットルバルブ36が配置されている。
一方、シリンダヘッド4の排気ポート20には、燃焼室10内での燃焼により生成された燃焼ガスを排気ガスとして排出するための排気通路40が接続されている。排気通路40には、排気ガスを浄化するための三元触媒42が設けられている。三元触媒42の上流には三元触媒42に流入する排気ガスの空燃比(排気空燃比)を検出するためのO2センサ(酸素センサ)72が配置されている。
吸気通路30の吸気ポート18の近傍には燃料を噴射するための2つのインジェクタ50,60が気筒毎に設けられている。一方のインジェクタ60はガソリンインジェクタであり、通電制御により開閉駆動されてガソリンを噴射する電磁弁である。ガソリンインジェクタ60は、ガソリン通路64を介してガソリンタンク62に接続されている。ガソリン通路64にはガソリンポンプ66が配置され、ガソリンタンク62内のガソリンはガソリンポンプ66によって圧縮されてガソリンインジェクタ60に供給される。また、ガソリンタンク62には、内部のガソリン残量を検出するガソリン残量センサ76が取り付けられている。ガソリン残量センサ76は、例えば、ガソリンタンク62内の液面レベルを検出する液面レベルセンサとして構成することができる。
もう一方のインジェクタ50は水素インジェクタであり、通電制御により開閉駆動されて水素を噴射する電磁弁である。水素インジェクタ50は、水素通路54を介して水素タンク52に接続されている。水素通路54には水素ポンプ56が配置され、水素タンク52内の水素は水素ポンプ56によって圧縮されて水素インジェクタ50に供給される。また、水素タンク52には、内部の水素残量を検出する水素残量センサ74が取り付けられている。水素残量センサ74は、例えば、水素タンク52内の圧力を検出する圧力センサとして構成することができる。
内燃機関2には、その制御装置としてECU(Electronic Control Unit)70が備えられている。ECU70の出力側には前述のガソリンインジェクタ60,水素インジェクタ50,スロットルバルブ36,点火プラグ16等の種々の機器が接続されている。ECU70の入力側には、O2センサ72、水素残量センサ74、ガソリン残量センサ76や図示しないクランク角センサ,スロットルセンサ,アクセルポジションセンサ,エアフローメータ等の種々のセンサ類が接続されている。ECU70は、各センサの出力に基づき、所定の制御プログラムに従って各機器を駆動するようになっている。
ECU70により実施される内燃機関2の制御の一つとして、ガソリンインジェクタ60からのガソリン供給量、及び水素インジェクタ50からの水素供給量を制御する燃料供給制御がある。ECU70による燃料供給制御では、内燃機関2の運転状態に応じた運転モード(運転方法)が選択され、選択された運転モードに応じてガソリン供給量及び水素供給量が制御される。本実施形態では、内燃機関2の運転モードとして、ストイキモード、水素添加リーンバーンモード、及び水素添加高負荷モードの三つのモードを選択可能である。ストイキモードは、水素を添加せずガソリンのみを燃料とし、O2センサ72の出力に基づく空燃比フィードバック制御によってストイキでの運転を実現する運転モードである。水素添加リーンバーンモードは、ガソリンに水素を添加することでストイキよりも大幅にリーンな空燃比での運転を実現する運転モードである。水素添加高負荷モードは、ガソリンに水素を添加することでノッキングの発生を防止して高負荷域での運転を可能とする運転モードである。
内燃機関2の運転状態は、その特徴に応じて複数の領域に区分される。図2は、内燃機関2の運転状態を負荷(軸トルク)と回転数によって表したときの各運転領域の区分について示す図である。内燃機関2の運転領域は、図2に示すように、高負荷域の「高負荷水素添加領域」と、それ以外の低中負荷域とに大きく区分され、さらに、低中負荷域は低負荷低回転域の「水素添加リーンバーン領域」と、それ以外の「水素添加無しストイキ領域」とに区分されている。ECU70は、以下に説明する運転モード制御ルーチンに従い、現在の内燃機関2の運転状態がどの運転領域に属するか判定し、上記の三つの運転モードの中から現在の運転状態が属する運転領域に応じた運転モードを選択する。
図3は、ECU70により実行される運転モード制御ルーチンについて示すフローチャートである。本ルーチンは、一定のクランク角毎に周期的に実行される。本ルーチンの最初のステップ100では、現在の内燃機関2の負荷と回転数が読み込まれ、これら負荷と回転数によって代表される内燃機関2の運転状態が低中負荷域にあるか否か判定される。
内燃機関2の運転状態が低中負荷域にないとき、つまり、内燃機関2の運転状態が高負荷水素添加領域にあるときには、ステップ110において水素添加高負荷モードが選択される。水素添加高負荷モードが選択されることで、主燃料であるガソリンに水素が燃焼促進剤として添加され、高負荷域におけるノッキングの発生が抑制される。
ステップ100の判定において内燃機関2の運転状態が低中負荷域にあるときには、さらに、ステップ102において内燃機関2の運転状態が水素添加リーンバーン領域にあるか否か判定される。水素添加リーンバーン領域にないとき、つまり、内燃機関2の運転状態が水素添加無しストイキ領域にあるときには、ステップ108においてストイキモードが選択される。ストイキモードが選択されることで、ガソリンのみを燃料とするストイキ運転が行われる。
ステップ102の判定において内燃機関2の運転状態が水素添加リーンバーン領域にあるときには、さらに、ステップ104において水素残量についての判定が行われる。ステップ104では、水素残量センサ74で検出される水素残量が所定の基準値と比較され、水素残量が基準値以上の場合には、ステップ106において水素添加リーンバーンモードが選択される。水素添加リーンバーンモードが選択されることで、主燃料であるガソリンに水素が燃焼促進剤として添加され、失火を防止してリーンバーン領域を拡大することができる。
一方、ステップ104で水素残量が基準値よりも少なくなっていると判定された場合には、水素添加リーンバーンモードは選択されない。この場合は、ステップ108においてストイキモードが選択され、水素を使用しないガソリンのみによるストイキ運転が行われる。
以上説明した運転モード制御ルーチンによれば、基準値以上の水素残量があるときには、高負荷水素添加領域と水素添加リーンバーン領域の両領域で水素の添加が行われる。燃焼促進剤として水素が添加されることで、高負荷水素添加領域では燃焼を安定させてノッキングの発生を防止することができ、水素添加リーンバーン領域では失火を防止してよりリーンな空燃比で運転することが可能になる。しかし、水素の添加によって内燃機関2の性能を向上させることができるものの、水素タンク52に貯蔵可能な水素量はガソリンタンク62に貯蔵可能なガソリン量に比較して極めて少ない。したがって、高負荷水素添加領域や水素添加リーンバーン領域での運転時間が長い場合には、水素はガソリンよりも早く無くなってしまう。
この点に関し、上記の運転モード制御ルーチンによれば、水素の使用により水素残量が減少して基準値を下回ったときには、高負荷水素添加領域での水素の使用は継続される一方、水素添加リーンバーン領域での水素の使用は停止される。このように、水素が使用される2つの運転領域のうち一方の運転領域で水素の添加が停止され、ガソリンのみによる運転に切り替えられることで、それ以降における水素の消費が抑えられて水素の消費とガソリンの消費がバランスするようになる。その結果、水素タンク52内の水素が無くなる時期をガソリンタンク62内のガソリンが無くなる時期に近づけることができ、燃料補給回数を低減することができるようになる。
なお、水素の消費を抑制するための方法としては、高負荷水素添加領域と水素添加リーンバーン領域の両領域での水素の添加を継続しつつ、各運転領域で水素の添加割合を減少させる方法も考えられる。しかし、水素添加リーンバーン領域では、NOxの発生量は空燃比をリーンにするほど少なくなる傾向がある。このため、水素の添加割合を減少させてリーンバーン運転を継続させようとすると、NOxの排出量が増大してエミッション性能が悪化してしまうという問題が生じる。
上記の運転モード制御ルーチンによれば、水素添加リーンバーン領域において水素の添加が停止された後は、リーンバーン運転ではなくストイキモードによるストイキ運転に切り替えられる。これにより、三元触媒40を有効に機能させることができ、水素の添加の停止に伴ってNOxの排出量が増大してしまうことを防止することができる。なお、高負荷水素添加領域での水素の添加は継続されるので、高負荷域でのノッキングの発生は抑制され、車両の加速性能や牽引性能はそのまま維持される。
上記実施の形態では、ECU70により図3の運転モード制御ルーチンが実行されることで、第1の発明の「運転切替手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本発明の実施の形態2としての制御装置は、実施の形態1において、ECU70に、図3の運転モード制御ルーチンに代えて図4の運転モード制御ルーチンを実行させることにより実現することができる。
図4は、ECU70により実行される運転モード制御ルーチンについて示すフローチャートである。本ルーチンは、一定のクランク角毎に周期的に実行される。本ルーチンの最初のステップ200では、現在の内燃機関2の負荷と回転数が読み込まれ、これら負荷と回転数によって代表される内燃機関2の運転状態が低中負荷域にあるか否か判定される。
内燃機関2の運転状態が低中負荷域にあるときには、さらに、ステップ202において内燃機関2の運転状態が水素添加リーンバーン領域にあるか否か判定される。水素添加リーンバーン領域にあるときには、ステップ204において水素添加リーンバーンモードが選択され、水素添加リーンバーン領域でなく水素添加無しストイキ領域にあるときには、ステップ206においてストイキモードが選択される。
ステップ200の判定において内燃機関2の運転状態が低中負荷域になく、「高負荷水素添加領域」にあるときには、さらに、ステップ208において水素残量についての判定が行われる。ステップ208では、水素残量センサ74で検出される水素残量が所定の基準値と比較され、水素残量が基準値以上の場合には、ステップ210において水素添加高負荷モードが選択される。
一方、ステップ208で水素残量が基準値よりも少なくなっていると判定された場合には、水素添加高負荷モードは選択されない。この場合は、ステップ212において水素添加無し高負荷モードが選択される。水素添加無し高負荷モードは、本実施形態において新たに設けられた第4の運転モードである。この運転モードでは、水素の添加は停止されてガソリンのみによる高負荷運転が行われるとともに、併せて、水素の添加以外の方法によるノッキングの回避操作が実行される。
水素の添加以外の方法でノッキングを回避するためには、筒内圧を下げることと筒内温度を下げることが有効である。ステップ212において実行されるノック回避操作としては、例えば次のような操作が考えられる。
(1)内燃機関2がバルブタイミングの可変装置を備える場合において、吸気バルブ12の閉弁時期を遅角して実圧縮比を低下させる。
(2)内燃機関2が可変圧縮比機構を備える場合において、水素の添加時よりも圧縮比を低下させる。
(3)内燃機関2が可変ノズルターボを備える場合において、過給圧を減少させる。
(4)内燃機関2が電子サーモスタットや電動ウォータポンプを備える場合において、ラジエータへ還流する冷却水流量を増加させて冷却水温度を低下させる。
(5)ガソリンの噴射量を増量してリッチ化の度合いを強め、ガソリンの気化熱によって筒内温度を低下させる。
以上列挙したノック回避操作はあくまでも例示であり、水素の添加以外の方法であれば他の方法であってもよい。また、上記列挙した操作方法の複数を組み合わせて実行してもよい。
以上説明した運転モード制御ルーチンによれば、水素の使用により水素残量が減少して基準値を下回ったときには、水素添加リーンバーン領域での水素の使用は継続される一方、高負荷水素添加領域での水素の使用は停止される。これにより、実施の形態1と同様、水素の消費とガソリンの消費をバランスさせて水素タンク52内の水素が無くなる時期をガソリンタンク62内のガソリンが無くなる時期に近づけることができ、燃料補給回数を低減することができるようになる。
また、上記の運転モード制御ルーチンによれば、高負荷水素添加領域での水素の添加が停止された場合、水素の添加以外の方法によるノッキングの回避操作が実行されるので、水素の添加の停止に伴ってノッキングが発生してしまうことは防止される。なお、水素添加リーンバーン領域での水素の添加は継続されるので、超リーンバーン運転による燃費性能はそのまま維持される。
上記実施の形態では、ECU70により図4の運転モード制御ルーチンが実行されることで、第1の発明の「運転切替手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
本発明の実施の形態3としての制御装置は、実施の形態1において、ECU70に、図3の運転モード制御ルーチンに代えて図5の運転モード制御ルーチンを実行させることにより実現することができる。
水素残量の低下を受けて水素の添加を停止した場合、水素の添加が停止される以前の内燃機関2の性能と、水素の添加が停止された後の内燃機関2の性能との間には、多少なりとも差が生じる。したがって、水素の添加の停止が内燃機関2の性能に与える影響を考慮するならば、求められる内燃機関2の性能上、より重要度が低い運転領域において水素の添加を停止するのが望ましい。本実施形態では、以下に説明する運転モード制御ルーチンにおいて、内燃機関2の運転履歴から各運転領域の重要度を認識し、より重要度が少ない運転領域において水素の添加を停止するようにしている。
図5は、ECU70により実行される運転モード制御ルーチンについて示すフローチャートである。本ルーチンは、一定のクランク角毎に周期的に実行される。まず、本ルーチンの最初のステップ300では、以下の式によってアクセル開度の履歴が算出される。
Acch = {Acch * (N-1) + Acc} / N
上記の式において、Accは本ルーチンの実行時にアクセルポジションセンサ(図示略)により検出されたアクセル開度、Nはアクセル開度Accのサンプル数(本ルーチンの実行回数)、右辺のAcchは前回の本ルーチンの実行で算出されたアクセル開度履歴、左辺のAcchは今回の本ルーチンの実行により更新されたアクセル開度履歴である。
次のステップ302では、現在のアクセル開度履歴Acchと所定の基準値との比較が行われる。上記式によれば、例えば、加速時や登坂時のようにアクセルペダルが踏み込まれている状況が続く時、つまり、高負荷での運転が運転が続く場合には、アクセル開度履歴Acchは大きな値を示す。逆に、低速での定常走行時のようにアクセルペダルがあまり踏まれていない状況が続く時、つまり、低中負荷での運転が運転が続く場合には、アクセル開度履歴Acchは小さな値を示す。したがって、アクセル開度履歴Acchを基準値と比較することで、内燃機関2の運転履歴が高負荷側に偏ったものなのか、低中負荷側に偏ったものなのか判定することができる。
ステップ302の判定の結果、アクセル開度履歴Acchが基準値以上の場合には、ステップ306において高負荷域での運転性能を重視した運転モード制御が実行される。すなわち、実施の形態1で説明した運転モード制御(図3参照)が実行される。これにより、水素の使用により水素残量が減少して基準値を下回ったときには、水素添加リーンバーン領域での水素の使用は停止されるものの、高負荷水素添加領域での水素の使用は継続されるので、高負荷域でのノッキングの発生を抑制して車両の加速性能や牽引性能はそのまま維持することが可能になる。
一方、ステップ302の判定の結果、アクセル開度履歴Acchが基準値よりも小さい場合には、ステップ304において低中負荷域での運転性能を重視した運転モード制御が実行される。すなわち、実施の形態2で説明した運転モード制御(図4参照)が実行される。これにより、水素の使用により水素残量が減少して基準値を下回ったときには、高負荷水素添加領域での水素の使用は停止されるものの、水素添加リーンバーン領域での水素の使用は継続されるので、超リーンバーン運転による燃費性能をそのまま維持することが可能になる。
このように、上記の運転モード制御ルーチンによれば、加速性能が重視される車両と燃費性能が重視される車両の何れにおいても、重視される性能を維持しながら、水素の消費とガソリンの消費をバランスさせて水素タンク52内の水素が無くなる時期をガソリンタンク62内のガソリンが無くなる時期に近づけることができる。
なお、上記実施の形態では、ECU70によりステップ300及び302の処理が実行されることで、第5の発明の「認識手段」が実現されている。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上記実施の形態では、水素タンク52内の水素残量を基準値と比較することで水素残量が少なくなったことを判断しているが、ガソリンタンク62内のガソリン残量もガソリン残量センサ76で検出し、ガソリン残量に対する水素残量の割合を所定の基準値(基準割合)と比較するようにしてもよい。これによれば、より確実に水素タンク52内の水素が無くなる時期をガソリンタンク62内のガソリンが無くなる時期に近づけることができる。
また、上記実施の形態では、水素やガソリンの残量をセンサ74,76によって検出しているが、計算によって残量を求めてもよい。例えば、各インジェクタ50,60からの噴射量を積算して各燃料の消費量を求め、算出した各燃料の消費量と各タンク52,62の満タン時燃料量から各タンク52,62の燃料残量を算出するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、水素を添加する運転領域として高負荷水素添加領域と水素添加リーンバーン領域の2つの領域を設定しているが、さらに別の領域においても水素を添加してもよい。或いは、高負荷水素添加領域や水素添加リーンバーン領域をより細かい領域に区分してもよい。例えば、高負荷水素添加領域を、低中回転側の領域と高回転側の領域に分割してもよい。この場合、低中回転側領域において水素の添加を停止する場合には、実施の形態2で説明したようにノッキング回避操作を実行する。一方、高回転側領域において水素の添加を停止する場合には、ノッキング回避操作と併せて、三元触媒42の保護のために排気温度を低減するための操作を実行することが望ましい。
水素添加領域が3つ以上設定される場合には、水素残量の低下に合わせて水素の添加を停止する領域を増やしていくことができる。例えば、水素添加領域が3つ設定されている場合、水素残量が第1の基準値を下回ったら1つの領域で水素の添加を停止し、水素残量が第1の基準値よりも小さい第2の基準値を下回ったら、もう1つ別の領域で水素の添加を停止する。なお、このように水素の添加が停止される領域が複数ある場合には、求められる内燃機関2の性能上、より重要度が低い運転領域から順に水素の添加を停止するのが望ましい。
各運転領域の重要度を認識する方法は、実施の形態3で説明した方法に限定されない。例えば、サイクル毎に内燃機関2の負荷を算出し、負荷の履歴によって各運転領域の重要度を認識するようにしてもよい。また、スポーツモードやエコノミーモード等の内燃機関2の制御モードをドライバが選択するスイッチを備える場合には、スイッチにより選択された制御モードから各運転領域の重要度を認識するようにしてもよい。例えば、スポーツモードが選択される場合には、高負荷側の運転領域の重要度が高いと判断することができ、エコノミーモードが選択される場合には、低中負荷側の運転領域の重要度が高いと判断することができる。これによれば、ドライバの運転に関する嗜好を運転モードの制御に確実に反映することができる。
また、図1の構成では、水素インジェクタ50を吸気通路30に配置することとしているが、その配置はこれに限定されるものではない。すなわち、水素インジェクタ50は、燃焼室10内に直接、水素を噴射できるようにシリンダヘッド4に組み込んでもよい。ガソリンインジェクタ60に関しても同様であり、燃焼室10内に直接、ガソリンを噴射できるようにシリンダヘッド4にガソリンインジェクタ60を組み込んでもよい。
本発明の実施の形態1としての制御装置が適用された内燃機関の概略構成を示す図である。 内燃機関2の運転状態を負荷と回転数によって表したときの各運転領域の区分について示す図である 本発明の実施の形態1において実行される運転モード制御ルーチンについて示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行される運転モード制御ルーチンについて示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実行される運転モード制御ルーチンについて示すフローチャートである。
符号の説明
2 内燃機関
10 燃焼室
12 吸気弁
14 排気弁
16 点火プラグ
18 吸気ポート
20 排気ポート
30 吸気通路
40 排気通路
42 三元触媒
50 水素インジェクタ
52 水素タンク
60 ガソリンインジェクタ
62 ガソリンタンク
70 ECU
72 O2センサ
74 水素残量センサ
76 ガソリン残量センサ

Claims (8)

  1. ガソリンを貯蔵したガソリン貯蔵器と、水素を貯蔵した水素貯蔵器とを有し、ガソリンに水素を添加して運転可能な水素添加内燃機関において、複数に区分された前記内燃機関の運転領域のうち少なくとも2以上の運転領域でガソリンに水素を添加して運転する前記内燃機関の制御装置であって、
    前記水素貯蔵器内の水素残量が所定の基準値を下回ったとき、或いは、前記ガソリン貯蔵器内のガソリン残量に対する前記水素貯蔵器内の水素残量の割合が所定の基準値を下回ったときには、ガソリンに水素が添加される前記2以上の運転領域のうち少なくとも1つの運転領域において水素の添加を停止してガソリンのみによる運転に切り替える運転切替手段を備えることを特徴とする水素添加内燃機関の制御装置。
  2. ガソリンに水素が添加される前記2以上の運転領域には、ノッキングが発生するノッキング発生領域と、ストイキよりもリーンな空燃比で運転が行われるリーンバーン運転領域とが含まれることを特徴とする請求項1記載の水素添加内燃機関の制御装置。
  3. 水素の添加以外の方法でノッキングを回避するノッキング回避手段を備え、
    前記ノッキング発生領域において水素の添加が停止される場合には、前記ノッキング回避手段によってノッキングの回避が行われることを特徴とする請求項2記載の水素添加内燃機関の制御装置。
  4. 前記リーンバーン運転領域において水素の添加が停止される場合には、前記運転切替手段はガソリンによるストイキ運転に切り替えることを特徴とする請求項2記載の水素添加内燃機関の制御装置。
  5. ガソリンに水素が添加される前記2以上の運転領域の中での各運転領域の重要度を認識する認識手段を備え、
    前記運転切替手段は、前記認識手段により重要度が低いと認識される運転領域において水素の添加を停止してガソリンのみによる運転に切り替えることを特徴とする請求項1記載の水素添加内燃機関の制御装置。
  6. 前記運転切替手段は、前記認識手段により認識される重要度が低い順に各運転領域における水素の添加を停止してガソリンのみによる運転に切り替えていくことを特徴とする請求項5記載の水素添加内燃機関の制御装置。
  7. 前記認識手段は、前記内燃機関の運転状態の履歴に基づいて各運転領域の重要度を認識することを特徴とする請求項5又は6記載の水素添加内燃機関の制御装置。
  8. 前記内燃機関の制御モードをドライバが任意に選択可能な制御モード選択手段を備え、
    前記認識手段は、前記制御モード選択手段により選択された制御モードに基づいて各運転領域の重要度を認識することを特徴とする請求項5又は6記載の水素添加内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157149A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Toyota Motor Corp 多種燃料内燃機関の制御装置

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