JP2006106608A - 画像表示装置 - Google Patents

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Yutaka Nishihara
裕 西原
Hideki Morishima
英樹 森島
Toshiyuki Sudo
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Abstract

【課題】黒縞模様を低減すること、さらに、黒縞模様とクロストークの発生をコントロールでき、良好なる運動視差の観察ができる画像表示装置を得ること。
【解決手段】鉛直方向(又は水平方向)に複数の画素が配列された画素行を、水平方向(又は鉛直方向)に複数配置して構成されている画像表示手段と、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素の画素像各々の前記観察面上における輝度分布の水平断面(又は鉛直断面)が略矩形であり、前記観察面上において水平方向(又は鉛直方向)に並んで投影される第1列中の複数の画素像のピッチと、前記観察面上において水平方向(又は鉛直方向)に並んで投影される、前記第1列とは異なる第2列中の複数の画素像のピッチが前記第1列中の複数の画素像のピッチとが等しくHeであるとき、前記同じ画素行内の第1画素と第2画素の画素像の中心間の水平方向(又は鉛直方向)におけるずれ量αが、0<α<Heであること。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置に関し、例えば多方向から連続的に撮影した画像(視差画像)を夫々観察可能な空間領域に分離して提示することにより、運動視差や立体画像を観察する際に好適なものである。
従来より、運動視差や立体画像を表現するのに好適な画像表示装置が知られている(特許文献1,2)。
図16は、公知のパララックス・パノラマグラム方式の多視点から撮影した視差画像を用いた画像表示装置の要部概略図である。
図17は、図16の運動視差を表現する為の合成画像200の作成方法を示す説明図である。図18は図16の水平断面図(X−Y断面図)である。
まず図17を用いて合成画像200の作成方法について説明する。図17に示すように4つの視差画像(視点画像)S1〜S4を各々垂直方向に長い微小画像としてのストライプ画像に分割する。
そして4つの視差画像S1〜S4からストライプ画像1−1,2−1,3−1,4−1,1−2,2−2,3−2,4−2,1−3,2−3,3−3,4−3のうちから順に1つずつストライプ画像を抽出し、各ストライプ画像を1つずつ水平方向に順に並べて合成画像200を得ている。
以下、各図及び各図の説明では簡単の為に各視差画像S1〜S4のストライプ画像1−1,2−1,3−1,4−1を単にストライプ画像(画像)1,2,3,4として示している。
図16の画像表示装置では、画像表示装置100から距離L離れた観察位置OSに4個の異なる画像(視差画像)S1〜S4を水平方向に分離して表示することが可能となっている。
図16において画像表示装置100は、合成画像200を表示するフラットパネルディスプレイ(以下、FPD)101とレンチキュラーレンズ(以下、レンチ)102から構成されている。
FPD101は、CRTや液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどから成り、そこに表示される合成画像200の水平方向に配列した複数の画像1〜4の画素ピッチはHdである。
FPD101には、図17に示すような4個の異なる位置から撮影した視差画像S1〜S4を縦長の短冊状に分解して複数の画像1〜4を得て、それらの画像1〜4を所定の順番で並べて合成した縦ストライプ合成画像200を表示している。
レンチ102は、FPD101の表示面側に設けられ、図16のように垂直方向に長いシリンドリカルレンズ102aを距離HLの等間隔で水平方向に複数個並べた構成よりなっている。
図18は図16の画像表示装置100の水平断面図である。FPD101の記号Aで示した画像1を表示する発光領域となる画像領域からの光は、レンチ102によって画像表示装置100から距離L離れた観察位置OSの領域(X1)A’に向かう光となる。
画像2〜4からの光も同様で領域X2〜X4に向かう光となる。そして距離Lの観察位置OSには、FPD101に表示した縦ストライプ合成画像200が、水平方向に4個の領域X1〜X4に分離して観察者Oに提示される。
このような画像表示装置100は、観察者Oの水平方向の視点(観察位置)の移動に応じて観察される画像が変化するので、連続的な運動視差を持った自然な立体画像を観察することができる。
一方、FPD101の記号Bは画像1と画像2との間の画像表示に関わりのないブラックストライプ(非画像領域)である。
ブラックストライプBも画像1〜4と同様に、距離Lの観察位置OSにおける領域B’に分離して観察者Oに提示される。
図19は図18の距離Lの観察位置OSにおける視差画像S1〜S4の観察される像I1〜I4の輝度分布である。図19に示すように、FPD101の観察像I1〜I4は領域A’で高輝度、領域B’で低輝度となる矩形波の分布となって観察される。特許文献1では以上の構成により運動視差を観察している。
一方、特許文献1のカラー3次元映像表示装置では、千鳥または傾斜配列したレンチを用いることにより、視覚上解像度を向上する構成が提案されている。
又、特許文献2の自動立体ディスプレー装置では行列状合成画像(ディスプレー画素)と傾斜配列したレンチ(レンチキュラー素子)を用いて、観察される画像の暗部に近傍の光を混入することにより、観察画像に極端な明暗の差を無くし全体として一様な輝度分布の画像として、黒縞模様を低減するものが提案されている。
特開昭57−27546号公報 特開平9−236777号公報
従来の画像表示装置において、レンチや千鳥配列したレンチを用いる系では、観察される画像が図19のような輝度分布を持つため、観察者Oの観察位置が水平方向に動いた場合、観察者Oには明暗の差により黒縞模様が観察される。このため、水平方向の視点(観察位置)の移動に応じて、連続的な運動視差を持った自然な立体画像を観察するときに、黒縞模様がわずらわしくなってくる。
特許文献1に開示されているカラー3次元映像表示装置や特許文献2に開示されている自動立体ディスプレイ装置では、黒縞模様は低減されるが、本来分離して提示すべき光が混ざり合うため、クロストークが発生する。
特に特許文献1では、レンチキュラーレンズの母線がディスプレイ上の画素に対して大きく傾いているため、各視差画像の観察領域が重なりあってクロストークが大きくなり不自然な表示となってしまう。
特に、特許文献2では、異なる3枚以上の視差画像の観察領域が相互に重なり、視差画像間のクロストークにより良好な立体観察が困難になる。
クロストークを少なくし黒縞模様を低減するのが理想であるが、黒縞模様とクロストークの発生はトレードオフの関係にあるので、双方を適量にコントロールする必要がある。
しかし、LCD等のサブ画素を基準とした傾きのレンチを用いることになるので、トレードオフの関係にある黒縞模様とクロストークの発生をコントロールが難しい。
さらに、特許文献1,2に示した立体画像表示装置では、観察位置において同じ視点の視差画像がレンチキュラーレンズの母線の方向だけ傾いて分布するため、観察者が表示画面の上下方向に移動した場合、不自然な運動視差が観察される。
本発明は、観察領域の間の暗部を目立たなくすると共に、視差画像間のクロストークを抑制し、さらに観察者が表示画面の上下方向に移動した場合において不自然な運動視差が発生しない、良好な立体観察が可能である画像表示装置の提供を目的とすることを課題とする。
本発明の画像表示装置は、鉛直方向(又は水平方向)に複数の画素が配列された画素行を、水平方向(又は鉛直方向)に複数配置して構成されている画像表示手段と、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素の画素像各々の前記観察面上における輝度分布の水平断面(又は鉛直断面)が略矩形であり、前記観察面上において水平方向(又は鉛直方向)に並んで投影される第1列中の複数の画素像のピッチと、前記観察面上において水平方向(又は鉛直方向)に並んで投影される、前記第1列とは異なる第2列中の複数の画素像のピッチが前記第1列中の複数の画素像のピッチとが等しくHeであるとき、前記同じ画素行内の第1画素と第2画素の画素像の中心間の水平方向(又は鉛直方向)におけるずれ量αが、
0<α<He
であることを特徴としている。
本発明によれば、黒縞模様を低減すること、さらに、黒縞模様とクロストークの発生をコントロールでき、良好なる運動視差や立体画像の観察ができる画像表示装置が得られる。
まず、本実施例について簡単に述べる。
本実施例の画像表示装置は、観察者に3次元の像を見せることが可能な画像表示装置であって、鉛直方向(又は水平方向)に複数の画素が配列された画素行を、水平方向(又は鉛直方向)に複数配置して構成されている画像表示手段と、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素の画素像各々の前記観察面上における輝度分布の水平断面(又は鉛直断面)が略矩形であり、前記観察面上において水平方向(又は鉛直方向)に並んで投影される第1列中の複数の画素像のピッチと、前記観察面上において水平方向(又は鉛直方向)に並んで投影される、前記第1列とは異なる第2列中の複数の画素像のピッチが前記第1列中の複数の画素像のピッチとが等しくHeであるとき、前記同じ画素行内の第1画素と第2画素の画素像の中心間の水平方向(又は鉛直方向)におけるずれ量αが、
0<α<He
であることを特徴としている。
ここで、第1視差画像と該第1視差画像とは異なる第2視差画像とを観察者の左右の眼それぞれに導く画像表示装置であって、前記第1画素と前記第2画素は、共に前記第1視差画像を構成する画像を表示する画素である。さらに、前記光学系が、水平方向(又は鉛直方向)に屈折力を有するシリンドリカルレンズアレイを有しており、該シリンドリカルレンズアレイの母線の方向が、前記画素行の配列方向と実質的に平行である。
また、本実施例の別の側面の画像表示装置は、複数の画素を含む画像表示手段と、シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素のうち水平方向(又は鉛直方向)に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と実質的に平行(第1、2画素間を仕切る境界線のブラックマトリックス、すなわち事実上画像を表示できない部分の幅をレンズの高さで割ったものが、tan3°以下、より好ましくはtan1°以下であることが望ましい、すなわち境界線と母線とのなす角度が3度以内、好ましくは1度以内)であり、前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向(又は鉛直方向)に関して略等ピッチで配列された複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、水平方向(又は鉛直方向)に関して略等ピッチで配列された複数の第2微小レンズを含む第2レンズアレイとを有しており、前記複数の第1微小レンズの母線と前記複数の第2微小レンズの母線とが不連続であることを特徴としている。
また、本実施例の別の側面の画像表示装置は、複数の画素を含む画像表示手段と、シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素のうち水平方向(又は鉛直方向)に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と実質的に平行(3度以内、好ましくは1度以内)であり、前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向(又は鉛直方向)に関して略等しい幅を持つ複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、水平方向(又は鉛直方向)に関して略等しい幅を持つ複数の第2微小レンズを含む第2レンズアレイとを有しており、前記複数の第1微小レンズ間の境界と前記複数の第2微小レンズ間の境界とが不連続である。
また、本実施例の別の側面の画像表示装置は、複数の画素を含む画像表示手段と、シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素のうち水平方向(又は鉛直方向)に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と実質的に平行(3度以内、好ましくは1度以内)であり、前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向(又は鉛直方向)に関して屈折力を有する複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイを有しており、該複数の第1微小レンズ各々の母線が不等ピッチになるように(隣接する第1微小レンズの母線の間隔の最大値は最小値の110%以上であることが望ましい)配列されている。
また、本実施例の別の側面の画像表示装置は、複数の画素を含む画像表示手段と、シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素のうち水平方向(又は鉛直方向)に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と非平行(3度以上、好ましくは5度以上の角度をなす)であり、前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向(又は鉛直方向)に関して略等ピッチで配列された複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、水平方向(又は鉛直方向)に関して略等ピッチで配列された複数の第2微小レンズを含む第2レンズアレイとを有しており、前記複数の第1微小レンズの母線と前記複数の第2微小レンズの母線とが不連続である。
また、本実施例の別の側面の画像表示装置は、複数の画素を含む画像表示手段と、シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素のうち水平方向(又は鉛直方向)に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と非平行(3度以上、好ましくは5度以上の角度をなす)であり、前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向(又は鉛直方向)に関して略等しい幅を持つ複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、水平方向(又は鉛直方向)に関して略等しい幅を持つ複数の第2微小レンズを含む第2レンズアレイとを有しており、前記複数の第1微小レンズ間の境界と前記複数の第2微小レンズ間の境界とが不連続である。
また、本実施例の別の側面の画像表示装置は、複数の画素を含む画像表示手段と、シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素のうち水平方向(又は鉛直方向)に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と非平行(3度以上、好ましくは5度以上の角度をなす)であり、前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向(又は鉛直方向)に関して屈折力を有する複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイを有しており、該複数の第1微小レンズ各々の母線が不等ピッチになるように(隣接する第1微小レンズの母線の間隔の最大値は最小値の110%以上である)配列されている。
ここで、前記複数の画素が、鉛直方向(又は鉛直方向)に複数の画素が配列された画素行を、水平方向(又は水平方向)に複数配置して構成されており、前記同じ画素行内の第3画素と第4画素の画素像の中心間の水平方向(又は鉛直方向)におけるずれ量αが、
0<α<He
である。
また、本実施例の別側面の画像表示装置は、観察者に3次元の像を見せることが可能な画像表示装置であって、鉛直方向(又は水平方向)に複数の画素が配列された画素行を、水平方向(又は鉛直方向)に複数配置して構成されている画像表示手段と、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、前記複数の画素の画素像各々の前記観察面上における輝度分布の水平断面(又は鉛直断面)が略矩形であることを特徴としている。
また、上記のような構成において、前述のシリンドリカルレンズアレイ(単に、レンズアレイ、すなわち水平方向及び鉛直方向の両方に関して屈折力を有するレンズアレイであっても良い)を構成する1つ微小シリンドリカルレンズ(同様に単にレンズとしても良い)は、画像表示手段上の1つ又は複数の画素に対応している、言い換えると1つ又は複数の画素から出射し観察者の左右のいずれかの眼に到達する光束は、必ずある1つの微小シリンドリカルレンズを経て観察者の眼に到達するような構成となっていることが望ましい。しかしながら、水平方向及び鉛直方向のいずれかのうち、前述のシリンドリカルレンズの母線に対して平行に近い方向に関しては、1つの画素(1つの信号により入射光に対する変調状態が変わる一単位)からの光束が複数のシリンドリカルレンズを経て、観察者の眼に到達するような構成としても構わない。
以下に、具体的な実施例について記載するが、以下に記載した実施例は、本発明で考えられる実施形態の一部に過ぎない。
図1は本発明の実施例1の画像表示装置の要部概略図である。図2は図1の一部分の説明図である。本実施例は、画像表示装置100を構成する視差画像分離手段としてのレンチキュラーレンズアレイ(以下「レンチ」という)103から距離L離れた観察位置OSに4個の異なる視点から得られる視差画像S1〜S4を水平方向に分離して表示、即ち観察することが可能となっている。
尚、視差画像の数は4でなく複数であれば、いくつであっても良い。合成画像200は視差画像S1〜S4を図17で説明したようにして構成した多数の微小画像1〜4の合成として示している。
図16〜図18において付した番号と同じ番号を付した部材は同じ機能を有するものである。
図1に示すように、画像表示装置100は、合成画像200を表示する画像表示手段としてのFPD(フラットパネルディスプレイ)101とレンズアレイとしてのレンチ(レンチキュラーレンズ)103を有している。FPD101には図17で説明したような、異なる位置から撮影した複数(4個)の視差画像(多視点画像)S1〜S4を各々、複数の微小画像(1−1,1−2,1−3,1−4,2−1,2−2,2−3,2−4,3−1,3−2,3−3,3−4‥‥‥図1では、FPD101上の左側から順に、1−1、1−2・・・と配列されている)に分割し、分割した複数の微小画像を視差画像S1〜S4に対応して所定のピッチで繰り返して配列した縦ストライプ合成画像200を表示している。ここで、各微小画像1−1、1−2等は、図1上ではFPDを上下に貫く縦に長い画像として記載されているが、その限りではない。例えば、この1−1は、鉛直方向に仕切られた複数の画素(例えば1−1−1、1−1−2、1−1−3・・・)を鉛直方向に積み重ねることにより構成されており、その1つ1つの画素はレンチキュラーレンズ1031つ又は複数に対応している。ただし、鉛直方向に関して複数の画素がレンチキュラーレンズに対応するような構成(具体的には、レンチキュラーレンズ103aの鉛直方向の高さよりも、画素の鉛直方向の高さの方が高いような構成)としても構わない。
図1に示すようにレンチ103は、FPD101の表示面側に設けられている。レンチ103の図1において上から1行目のレンズ群(レンズアレイ)103aは、第1方向である水平方向(X方向)に作用(屈折)するシリンドリカルレンズ(微小レンズ)を水平方向に複数個,等ピッチで並べたものである。レンチ103は、レンズ群103aを単位レンズ群として、複数のレンズ群103aを水平方向に微小距離Δp(p=1,2・・・n−1)ずらして垂直方向(Y方向)にn個並べたものである。単位レンズ群103aによる光学作用は、図18に示したレンチキュラーレンズ102と同様である。
レンズ群103aを構成する微小レンズとレンズ群103bを構成する微小レンズ、そしてレンズ群103cを構成する微小レンズ等は画素1〜4に対して母線が平行でx方向にずれており、かつ外形の境界がz方向で不連続となっている。
HdはFPD101の合成画像200を構成する画像1〜4の画素ピッチ,Bはブラックストライプ,Aは画像を表示する画素である。B’はブラックストライプBの観察像(領域),A’は画素Aの観察像(領域)である。Heは画像1〜4の観察面(観察位置)OS上の観察像の画素ピッチである。
FPD101の水平方向の開口率をkとすると、画素Aの水平幅はk・Hd、レンチ103から距離Lにおける観察面OS上の領域A’の水平幅はk・Heとなる。
以下の各実施例においては、図20(A)に示すようにレンチ103を構成するレンチキュラーレンズ(微小レンズ)RLの光軸RLaとは、レンチキュラーレンズRLが最も屈折力が大きくなる平面(断面)、またその光軸を含み前記平面(紙面に垂直な面)である。
尚、光軸とは、屈折面に入射した光線のうち、実質的に屈折せずに直線的にレンズ等の光学素子を通り抜けることができる光線の光路のことである。
そしてレンチキュラーレンズの光軸とレンチキュラーレンズの光軸との間隔とは図20(B)に示すようにレンチキュラーレンズRLAが紙面内において、距離DLずれて(ずれ量DL)いるときの距離DLをいう。
図2に示すように単位レンズ群103aが水平方向にΔpずれた時、FPD101の画素AおよびブラックストライプBは、レンチ103から距離Lの観察位置OSにおいて、水平方向に距離Δp’=(L+Ld)・Δp/Ldだけずれて観察される。
図3は、レンチ103の各段の単位レンズ群103aによる観察位置OSでの視点画像S1〜S4の像SS1〜SS4の輝度分布I1〜I4を示すものである。
1行目(n=1)の単位レンズ群103aを基準として、p=1では基準の輝度分布に対して、距離Δ1’水平方向にずれた輝度分布となる。
p=2,3,4についても同様に基準の輝度分布に対して、それぞれ距離Δ2’,Δ3’,Δ4’水平方向にずれた輝度分布となる。
ここでブラックマトリックスBが観察できる領域がずれたときのずれ量ΔP’を規定する範囲の値をαとする(以下、このときのαをずれ量という。)。
ここでずれ量αを、−α<Δp’<αとし、この範囲で距離Δp’は特定の値に偏ることなく一様の確立で分布するものとすれば、図3で説明した輝度分布に関して、X座標を揃えて全てのレンズ群103aによる輝度を足し合わせると視差画像S1〜S4の像SS1〜SS4の輝度分布I1〜I4は図4のようになる。
図4の輝度分布I1〜I4における階段状の分布は、図3に示した視点画像S1〜S4の像SS1〜SS4の輝度分布I1の和である。nが十分に大きい値であるとすれば、この階段状の分布は実線で示す台形状の分布パターンに近似することができる。
隣接する台形の重なり部は、異なる視点画像S1〜S4が混合するクロストークとなる。また、重なり部の輝度は図中破線で示すように、交点の2倍となる。
以上のように、各単位レンズ群103aをΔpずらすことで、FPD101上の画素が観察位置OS上に作る表示領域の輝度分布を台形型の分布とすることで、図19に示した従来の立体画像表示装置で見られた矩形の輝度分布の場合と比較して、画像の提示されない暗部の幅を減少させることができる。一方、さらに各単位レンズ群103aのずれ量Δpを大きくして隣接する台形が重なった場合には暗部が解消して一定の輝度を有するようになる一方で、その重なり部は異なる画像が混合するクロストークとなるため、輝度分布間の過剰な重複は望ましくない。
以上から、観察位置上に作る表示領域間の輝度とクロストークを生じる幅はトレードオフの関係にあって、各単位レンズ群103aのずれ量Δpの値を変化させることにより、表示装置の用途などに応じて所望の特性にコントロールすることができる。
また、観察位置において同じ視点の視差画像が表示画面の上下方向に分布するため、観察者が表示画面の上下方向に移動した場合においても不自然な運動視差が発生しない。
図5は、それぞれ各単位レンズ群103aのずれ量Δpを所定の値にした場合の各観察領域の輝度分布を示す図である。図5においては、FPD101の水平方向の画素ピッチをHd、水平方向の開口率をk(0<k<1)、垂直方向の画素ピッチをVdとしている。また、これにより各画素の水平幅はk・Hd、水平方向のブラックストライプ(非表示部)の幅は(1−k)・Hdと示される。
図5(1)に示すように、各単位レンズ群103aのずれ量Δpとした時、観察位置OSにおける輝度分布のずれ量αが(1)式を満たす場合には、FPD101の各画素を射出した光線がレンチ103により観察位置OSに作る輝度分布の位置が、観察位置OSでの非表示領域の幅と同じ量だけ相互にずれることとなる。このため、各画素の作る輝度分布は台形となり、水平方向に隣接する画素の輝度分布が接するため、輝度が完全に無くなる観察位置OSを無くすることができる。また、この場合には水平方向に隣接する画素の輝度分布が重畳していないことからクロストークが観察されない一方で、輝度の低い観察位置OSが発生してしまうこととなる。
α=(1−k)・He/2 (1)式
これに対し、5(2)に示すように、観察位置OSにおける輝度分布のずれ量αが(2)式を満たす場合には、FPD101の各画素を射出した光線がレンチ103により観察位置OSに作る輝度分布の位置が、観察位置OSでの当該輝度分布の幅と同じ量だけ相互にずれることとなる。このため、各画素の作る輝度分布は三角形となり、水平方向に隣接する画素の輝度分布が重畳してクロストークが生じるが、各観察位置OSでの輝度のばらつきが概ね一様となる。
α=k・He/2 (2)式
また、図5(3)に示すように、観察位置OSにおける輝度分布のずれ量αが(3)式を満たす場合には、FPD101の各画素を射出した光線がレンチ103により観察位置OSに作る輝度分布の位置が、観察位置OSでの当該輝度分布の1ピッチと同じ量だけ相互にずれることとなる。このため、各画素の作る輝度分布は台形となり、水平方向に隣接する画素の輝度分布が重畳してクロストークが生じるが、各観察位置OSでの輝度が一定となる。
α=He/2 (3)式
更に、図5(4)に示すように、観察位置OSにおける輝度分布のずれ量αが(4)式を満たす場合には、FPD101の各画素の作る輝度分布は台形となり水平方向に隣接する画素とのクロストークが生じるが、更にその隣の画素とのクロストークが生じることはない。
α=(2−k)・He/2 (4)式
以上から、観察位置OSにおける輝度分布のずれ量αは、(1−k)・He/2≦α≦(2−k)・He/2を満たす範囲にあることが望ましい。また、クロストークの発生の程度を抑制するためには、(1−k)・He/2≦α≦He/2を満たす範囲にあることが望ましい。但し、レンチ103の形状誤差や散乱作用がある場合には、基本的な輝度分布が図3に示すような矩形とならず台形になるため、使用するレンチ103に応じて各単位レンズ群103aのずれ量Δpを調節することが望ましい。
また、本実施例においては、観察側のブラックマトリックスBのずれ量Δp’は−α<Δp’<αの範囲で特定の値に偏ることなく、一様の確立で分布するものとしているので輝度分布は台形の分布パターンとなっているが、ずれ量Δp’を他の規則に基づいて分布させることにより、輝度分布パターンの形状を工夫することが可能である。
例えば、−α<Δp’<αの範囲でずれ量Δp’は0にピークを持つ正規分布とすることもできる。
以上のように本実施例によれば第1視差画像S1〜第n視差画像Sn(実施例ではn=4)各々を複数の第1微小画像、第n微小画像に分割し、前記第1〜第n微小画像に対応する画素を配列したFPD101としての画像表示手段と、
第1方向(X方向)に屈折力を有するレンズアレイ103を含み、第1微小画像からの光と第n微小画像からの光とに互いに異なる指向性を与える(互いに異なる観察領域に導く)レンチ103から成る視差画像分離手段とを利用することによって、
レンズアレイ103が、第1方向に所定のピッチHLで配列された第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、第1方向に所定のピッチで配列された第n微小レンズを含む第nレンズアレイとを有しており、
第1微小レンズの光軸と第n微小レンズの光軸とが互いにずれており、該ずれ量に基づく観察面上における視差画像のずれ量をα、画素ピッチをHe、視差画像の数をnとするとき
0<α<He/nであるようにしている。
これによって黒縞模様を低減すること、さらに、黒縞模様とクロストークの発生をコントロールでき、良好なる運動視差や立体画像の観察ができる画像表示装置を達成している。
図6は本発明の実施例2の画像表示装置の要部概略図である。図7は図6の一部分の説明図である。本実施例は、画像表示装置100から距離L離れた観察位置OSに4個の異なる視差画像S1〜S4を水平方向に分離して表示することが可能となっている。図1〜図5において付した番号と同じ番号を付した部材は同じ機能を有するものである。
図6に示すように、画像表示装置100は、FPD101とレンチ104を有し、FPD101には図17で説明したような、縦ストライプ合成画像200を表示している。
レンチ104は、FPD101の表示面側に設けられ、図のように垂直方向(Z方向)に長いシリンドリカルレンズ(104a〜104e)を複数(n個)水平方向(X方向)に並べたものである。
この時、隣接するシリンドリカルレンズ間の距離は、図18で説明したレンチ102の距離HLから、微小距離Δpずらした距離{HL+Δp(p=1,2・・・n−1)}の不等間隔で並んでいる。
実施例1と同様にFPD101の水平方向の開口率をkとすると、レンチ104のシリンドリカルレンズ104aが微小領域Δpずれたとき、図2で説明したものと同様の関係が成り立つ。
図7は図6の水平断面図(XY断面図)である。図7でレンチ104は、5種類のシリンドリカルレンズ(以下「レンズ」ともいう。)104a、104b、104c、104d、104eで構成されているが5種類に限らずいくつあっても良い。
レンズ104aとレンズ104bのレンズ間距離はHL+Δ1、レンズ104bと104cのレンズ間距離はHL+Δ2、レンズ104cと104dのレンズ間距離はHL+Δ3、レンズ104dと104eのレンズ間距離はHL+Δ4である。
図7で中央のレンズ104cを基準に考えると、FPD101の画像1を表示する画素Aの中心の光は、レンズ104cによってレンチ104から距離L離れた位置G1に、画像2〜4についても同様に、位置G2、G3、G4に形成される。画像2と画像3の間のブラックマトリックスBは図中の距離L離れた位置OSの中央部に形成される。
図8は、レンズ104a〜104eの各レンズによる観察位置での像の輝度分布を示すものである。レンズ104cを基準として、レンズ104aでは基準の輝度分布に対してΔ1’+Δ2’、レンズ104bではΔ2’、レンズ104dではΔ3’、レンズ104eではΔ3’+Δ4’水平方向にずれた輝度分布となる。
ここで、Σ|Δp’|<2αとし、この範囲でΔp’は特定の値に偏ることなく一様の確立で分布するものとすれば、図8で説明した輝度分布に関して、X座標を揃えて輝度を足し合わせると、実施例1と同様に図4のようになる。
以上から、実施例2についても、観察位置上に作る表示領域間の輝度とクロストークを生じる幅はトレードオフの関係にあって、各レンズ104のずれ量Δpの値を変化させることにより、表示装置の用途などに応じて所望の特性にコントロールすることができる。
また、観察位置において同じ視点の視差画像が表示画面の上下方向に分布するため、観察者が表示画面の上下方向に移動した場合においても不自然な運動視差が発生しない。
図9は本発明の実施例3の画像表示装置の要部概略図である。図9の画像表示装置100は画像表示装置から距離L離れた観察位置OSに4個の異なる視差画像S1〜S4を水平方向に分離して表示することが可能となっている。
画像表示装置100は、FPD105とレンチ106を有している。
FPD105は、図示の様に画像1〜4を水平および垂直方向に複数個並べて構成されるものであり、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどが代表的なものである。隣接する水平方向の画素ピッチはHdである。
FPD105には、図10に示すような4個の異なる位置から撮影した(形成した)視差画像S1〜S4を縦横に分解して所定の順番で行列状に並べて合成した行列状合成画像200を表示している。
図17で説明した縦ストライプ合成画像では、1つの視点で観察される視点画像の解像度が水平方向のみ低下しているのに対し、行列状合成画像では解像度の低下を水平垂直方向に分散している。このため行列状合成画像を用いるものでは、水平方向のみ解像度が低下するものに対して、解像度の低下を目立たなくすることができる。
レンチ106は、FPD105表示面側に設けられ、図9のように水平方向に作用するシリンドリカルレンズを水平方向にn個並べたレンズ群を単位レンズ群106aとして、単位レンズ群106aを水平方向に微小距離(シリンドリカルレンズのピッチ)HL/4+Δp(p=1,2・・・n−1)ずらして垂直方向にm(m=1,2・・・)個並べたものである。
この時、各段のレンズ群はFPD105の各行に対応している。単位レンズ群106aによる作用は、図18に示したものと同様である。
図11は単位レンズ群106aが水平方向にずれ量ΔpがHL/4だけずれた状態を示している。即ち、ずれ量Δpが
−HL/4 < Δp < HL/4
を満足するようにしている。
この時、レンチ106から距離Lの位置OSでの領域A’と領域B’は距離ΔHeずれる。距離ΔHeは次式より求めることができる。
ΔHe:HL/4=L+Ld:Ld
4×He:HL=L+Ld:Ld
以上から、
ΔHe=He
となる。
図12は、画像表示装置100の水平断面図である。単位レンズ群106aが水平方向にずれ量ΔpがHL/4だけずれた場合の水平方向の作用を説明するものである。
図中、基準とする状態を実線で示し、HL/4ずれた状態を破線で示す。単位レンズ群106aが図中右方へ距離HL/4ずれた時、FPD105の表示も右方へ距離Hdずれる位置関係になっている。この時、ΔHe=HeとなるのでFPD105の番号1の画素は、実線で示した基準とする状態と同じ位置に観察領域を形成する。
ここで、単位レンズ群106aが水平方向にさらに距離Δpずれた場合を考える。図13はこの場合を示すものである。図中、基準とする状態を実線で示し、HL/4+Δpずれた状態を二点差線で示している。図示の様に、レンチ106aから距離Lの位置OSでの領域A’と領域B’は距離Δp’ずれる。これは実施例1の図2において説明したのもと同様の関係であり、Δp’=(L+Ld)・Δp/Ldとなる。
図14は、n個の単位レンズ群106aによる観察位置での像の輝度分布である。図8で説明したものと類似したものとなる。
ここで、Σ|Δp’|<2αとし、この範囲でΔp’は特定の値に偏ることなく一様の確立で分布するものとすれば、図14の輝度分布に関して、X座標を揃えて輝度を足し合わせると、実施例1と同様に図4のようになる。
以上から、実施例3についても、観察位置上に作る表示領域間の輝度とクロストークを生じる幅はトレードオフの関係にあって、各単位レンズ群106aのずれ量Δpの値を変化させることにより、表示装置の用途などに応じて所望の特性にコントロールすることができる。
図15は本発明の実施例4の画像表示装置の要部概略図である。図15の画像表示装置100は画像表示装置100から距離L離れた観察位置OSに、4個の異なる視差画像S1〜S4を水平方向に分離して表示することが可能となっている。
画像表示装置は、FPD105とレンチ107を有している。
FPD105は、実施例3と同様に視差画像S1〜S4を水平および垂直方向に複数個並べた構成されるものである。
FPD105には、実施例3と同様に図10に示すような行列状合成画像を表示している。
本実施例においても、1つの視点で観察される視点画像の解像度を水平垂直方向に分散して低下させるので、解像度の低下を目立たなくすることができる。
レンチ107は、FPD105表示面側に設けられている。
レンチ107は、実施例3と同様に、n個のシリンドリカルレンズを水平方向に並べた単位レンズ群107−1〜107−mを、垂直方向にm個並べて構成されている。この時、垂直方向に隣接するレンズ群は、水平方向にHL/4ずらして配置され、各段のレンズ群はFPD105の各行に対応している。
ここで、実施例3と同様に、図11および図12で説明した関係が成り立ち、垂直方向に隣接するレンズ群107−1〜107−mによるFPD105の領域Aと領域Bの像である領域A’と領域B’は観察位置において距離ΔHeずれる。
また、実施例2で説明したレンチ104と同様に、単位レンズ群107−1〜107−mは、水平方向に隣接するシリンドリカルレンズの中心管距離がHL+Δp{p=1,2・・・m(n−1)}の不等間隔で並んでいる。
このため各段のレンズ群107−1〜107−mにおいては、実施例2と同様に図7および図8で説明した関係を満たしている。
ここで、Σ|Δp’|<2αとし、この範囲でΔp’は特定の値に偏ることなく一様の確立で分布するものとすれば、実施例4における画像表示装置の輝度分布は、実施例1と同様に図4のようになる。
以上から、実施例4についても、観察位置上に作る表示領域間の輝度とクロストークを生じる幅はトレードオフの関係にあって、レンズ群1071〜107mのずれ量Δpの値を変化させることにより、表示装置の用途などに応じて所望の特性にコントロールすることができる。
レンズ群107−1を単位レンズ群として、実施例3と同様に、水平方向に微小距離HL/4+Δp(p=1,2・・・n−1)ずらして垂直方向に複数個並べてレンチ107を構成しても良い。
また、レンチ107のようなレンズアレイを単位レンズアレイとして、水平および垂直方向に複数個並べてレンチを構成しても良い。
さらに、実施例1〜4では、レンチを構成するシリンドリカルレンズの位置を変化させるものであるが、レンチとFPDの相対的な位置関係が実施例1〜4と同じになるように、FPDの画素配列を変化させるようにしても良い。
なお、実施例1〜4では、レンチキュラーレンズを用いているが、パラッラクスバリアを用いることもできる。
図21は本発明の実施例5に係る立体画像表示装置を示す概略図である。図21に示すように、立体画像表示装置はディスプレイ301とレンチキュラーレンズ(以下、レンチ)305から構成される。ディスプレイ301は縦横のブラック・ストライプによって区切られた画素を有しており、複数の視差画像を合成して得られる縦ストライプ状の合成視差画像を表示する。尚、ディスプレイ301等の外枠の内で上下の枠の部分が水平方向を向いているものとして説明する。
図示のようにレンチ305は、ディスプレイ101の表示面側に設けられている。レンチ305を構成する各シリンドリカルレンズは、横方向には合成視差画像内で各視差画像(1〜4)を表示する一組の画素群に対応した幅を有し、縦方向には各画素の上下幅に対応した高さを有している。各シリンドリカルレンズを介してディスプレイ301からの表示光がレンチ305から距離Lだけ離れた観察位置で各視差画像を水平方向に分離して表示するようにレンチ305が配置される。
図22は、レンチ305を構成する単位シリンドリカルレンズとディスプレイ301の画素との関係を示す図である。本実施例に係るレンチ305を構成する各シリンドリカルレンズは、横方向に隣接する各視差画像を表示する一組の画素群に対して水平方向に作用するものであって、その母線がディスプレイ301の垂直方向に長いブラック・ストライプに対して所定の角度θ傾いている。レンチ305は当該シリンドリカルレンズを縦方向についてはディスプレイ301の垂直方向に長いブラック・ストライプの方向に、水平方向については水平方向に長いブラック・ストライプの方向に二次元的に複数個並べたものである。この結果、レンチ305は横方向には各視差画像に対応する一組の画素群に含まれる画素数毎に、縦方向には一画素毎に光学的作用が不連続となるような構成を有している。
本実施例のレンチ305の光学的作用について、レンチ305を横切る任意の水平断面内(例えば図22のC3断面)における光学的作用は従来例として図16に示したものと基本的に同様であり、ディスプレイ301上の各視差画像に対応する画素から放射された表示光は、図18に示した輝度分布で観察位置上の所定の領域から観察される。
一方、本実施例においてはレンチ305の各シリンドリカルレンズの母線がディスプレイ301の垂直方向に長いブラック・ストライプに対して所定の角度θ傾いているため、単位シリンドリカルレンズの縦方向の位置により観察位置上に到達する光線の輝度分布が変化する。
ディスプレイ301に対して、レンチ305の単位シリンドリカルレンズが水平方向にずれた場合の光路の変化は図2に示すのと同じである。又、レンチ305のC1〜C5断面を通過した光線の観察位置における輝度分布は図3に示すのと同じである。
本実施例では単位シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きを持たせて、ディスプレイ301上の画素が観察位置上に作る表示領域の輝度分布を台形型の分布とすることで、図16に示した従来の立体画像表示装置で見られた矩形の輝度分布の場合と比較して、画像の提示されない暗部の幅を減少させることができる。一方、さらに単位シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きを大きくして隣接する台形が重なった場合には暗部が解消して一定の輝度を有するようになる一方で、その重なり部は異なる画像が混合するクロストークとなるため、輝度分布間の過剰な重複は望ましくない。
以上から、観察位置上に作る表示領域間の輝度とクロストークを生じる幅はトレードオフの関係にあって、単位シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きθの値を変化させることにより、表示装置の用途などに応じて所望の特性にコントロールすることができる。
また、観察位置において同じ視点の視差画像が表示画面の上下方向に分布するため、観察者が表示画面の上下方向に移動した場合においても不自然な運動視差が発生しない。
図23は、それぞれ単位シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きθを所定の値にした場合の各観察領域の輝度分布を示す図である。図23においては、ディスプレイ301の水平方向の画素ピッチをHd、水平方向の開口率をk(0<k<1)、垂直方向の画素ピッチをVdとしている。また、これにより各画素の水平幅はk・Hd、水平方向のブラックマトリクス(非表示部)の幅は(1−k)・Hdと示される。
図23(1)に示すように、単位シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きθが(1)式を満たす場合には、各画素の最上部と最下部を射出した光線が単位シリンドリカルレンズ305aにより観察位置に作る輝度分布の位置が、観察位置での非表示領域の幅と同じ量だけ相互にずれることとなる。このため、各画素の作る輝度分布は台形となり、水平方向に隣接する画素の輝度分布が接するため、輝度が完全に無くなる観察位置を無くすることができる。また、この場合には水平方向に隣接する画素の輝度分布が重畳していないことからクロストークが観察されない一方で、輝度の低い観察位置が発生してしまうこととなる。
tanθ=(1−k)・Hd/Vd (1a)
これに対し、図23(2)に示すように、シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きθが(2a)式を満たす場合には、各画素の最上部と最下部を射出した光線が単位シリンドリカルレンズ305aにより観察位置に作る輝度分布の位置が、観察位置での当該輝度分布の幅と同じ量だけ相互にずれることとなる。このため、各画素の作る輝度分布は三角形となり、水平方向に隣接する画素の輝度分布が重畳してクロストークが生じるが、各観察位置での輝度のばらつきが概ね一様となる。
tanθ=k・Hd/Vd (2a)
また、図23(3)に示すように、シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きθが(3a)式を満たす場合には、各画素の最上部と最下部を射出した光線が単位シリンドリカルレンズ305aにより観察位置に作る輝度分布の位置が、観察位置での当該輝度分布の1ピッチと同じ量だけ相互にずれることとなる。このため、各画素の作る輝度分布は台形となり、水平方向に隣接する画素の輝度分布が重畳してクロストークが生じるが、各観察位置での輝度が一定となる。
tanθ=Hd/Vd (3a)
更に、図23(4)に示すように、シリンドリカルレンズ105aの母線10の傾きθが(4a)式を満たす場合には、各画素の作る輝度分布は台形となり水平方向に隣接する画素とのクロストークが生じるが、更にその隣の画素とのクロストークが生じることはない。
tanθ=(2−k)・Hd/Vd (4a)
以上から、単位シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きθは、(1−k)・Hd/Vd≦tanθ≦(2−k)・Hd/Vdを満たす範囲にあることが望ましい。また、クロストークの発生の程度を抑制するためには、(1−k)・Hd/Vd≦tanθ≦Hd/Vdを満たす範囲にあることが望ましい。但し、シリンドリカルレンズ305aの形状誤差や散乱作用がある場合には、基本的な輝度分布が図3に示すような矩形とならず台形になるため、使用するレンチ305に応じて単位シリンドリカルレンズ305aの母線の傾きθを調節することが望ましい。
また、図24は、図21で説明した実施例の変形例である立体画像表示装置である。図24においては、ディスプレイ301は、図示のように縦方向のブラック・ストライプが垂直方向に対して角度θだけ傾いた略平行四辺形の画素を水平および垂直方向に複数個並べたものであり、上下に隣接する画素の水平行間では、縦方向のブラック・ストライプが連続していない。このようなディスプレイ301を用いることにより、従来から用いられている縦方向に連続した母線を有するレンチ102を使用した場合においても、ディスプレイ301の各画素とレンチ102を構成するシリンドリカルレンズの相対的な位置関係が図21の場合と同じになる。このため、ディスプレイ301の画素の傾きθを適切にすることにより、黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
また、図25は、図21で説明した実施例の別の変形例である立体画像表示装置である。図25は、図21における光路分離手段であるレンチ305を、縦方向の辺が垂直方向に対して角度θだけ傾いた略平行四辺形の開口部を有したマスク407で置換したものである。マスク407を用いた場合にも、傾きθを適切にすることにより、黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
また、図24に示した構成の変形例として、縦方向に連続した母線を有するレンチ102を縦方向に連続した開口を持つ従来のパララックスバリアに変更してもよい。この場合にも、図24の場合と同様に左右に隣接する画素間のブラック・ストライプを角度θだけ傾けることによって、黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
図26は図24に示した構成の変形例であって、ディスプレイ301として図示のように画素の形状が「く」の字状のものを用いる例を示している。IPS方式の液晶パネルでは、図示のように画素の形状が「く」の字状になっているものが代表的である。
図26においては、画素の各水平列内で、各画素間の境界であるブラック・ストライプが垂直方向を向いていないため、レンチ102を構成するシリンドリカルレンズの母線とディスプレイ301のブラック・ストライプが相対的に傾きをもって配置され、台形状の輝度分布を観察位置に作ることができる。また、この傾きを調整することにより上記と同様に黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
図26では「く」の字状の画素を持つディスプレイの例を示したが、画素の形状はこれに限定されることは無く、画面を隙間無く埋められる形状であって、各水平画素行の対応する画素が垂直方向に直線状に配置可能な形状であればよい。例えば、図24に示した平行四辺形型や、交互に上下に反転した台形型の画素形状であっても良い。また、画素を構成する外周は直線である必要が無く、例えば円弧上であってもよい。
図27は本発明の実施例6に係る立体画像表示装置を示す図である。本実施例に係る立体画像表示装置は実施例5で説明した立体画像表示装置と同様に、ディスプレイ408とレンチ409から構成されるが、以下に説明するように細部の構成が異なっている。以下、実施例5で説明した立体画像表示装置と異なる点について説明する。
ディスプレイ408はディスプレイ301と同様に縦横のブラック・ストライプによって区切られた画素を有しているが、表示する合成視差画像の合成様式の点でディスプレイ301と異なっている。
図10は本実施例における合成視差画像の制作方法を示す図である。本実施例における合成視差画像は、合成する各視差画像を二次元的に分割したものを順次組合わせて製作される。本実施例においては4枚の視差画像から合成した合成視差画像を用いて説明するが、任意の枚数の視差画像からなる合成視差画像に対して本発明を適用することができる。
図10に示すように、ディスプレイ105には、4個の異なる観察位置に対応する視差画像を縦横に分解して所定の順番で行列状に並べて合成した行列状合成画像(=同一視点の画素を対角にずらした第1の行列状合成画像)を表示している。つまり、各横方向の画素行には各視差画像を表示する画素が同一の順序で配置されているが、上下に一段異なる画素行では、対応する各視差画像を表示する画素が横方向に所定の量(図27では一画素分)だけずらされている。この結果、各縦方向の画素列にも各視差画像を表示する画素が同一の順序で配置され、相互に所定のずれを有している。
図17で説明した縦ストライプ合成画像では、1つの視点で観察される画像の解像度が水平方向のみ低下しているのに対し、行列状合成画像では解像度の低下を水平垂直方向に分散している。このため行列状合成画像を用いるものでは、水平方向のみ解像度が低下するものに対して、解像度の低下を目立たなくすることができる。
レンチ409は、レンチ105と同様にディスプレイ408の表示面側に設けられている。また、レンチ409を構成する単位シリンドリカルレンズ409aは、ディスプレイ408上の画素との対応関係においてシリンドリカルレンズ409aと同様であり、また、母線がディスプレイ408の垂直方向に長いブラック・ストライプに対して所定の角度θ傾いている点でも同様である。
一方、ディスプレイ408に表示される合成視差画像内の画素配置がディスプレイ301と異なることに対応して、レンチ409は単位シリンドリカルレンズ409aの配置の仕方においてレンチ409と異なっている。つまり、上記で説明したように、ディスプレイ408では上下に一段異なる画素行間で、対応する各視差画像を表示する画素が横方向に所定の量だけずらされているため、これに対応して上下に隣接する単位シリンドリカルレンズ409a間でも母線の位置が所定の量だけずらされている。図27においては、母線間のピッチHLに対して、上下に隣接する単位シリンドリカルレンズ409a間でHL/4だけずらして垂直方向に並べられている。
図12は、図27に示した立体画像表示装置の水平断面内の光路を示す図である。図12に示すように、上下に隣接する単位シリンドリカルレンズ106aの水平行が水平方向にHL/4だけずれることで、画素配置が図27に示す場合にも、各視差画像がそれぞれ対応する観察位置に提示される。図中、基準とする状態(画素行105aに対応)を実線で示し、HL/4ずれた状態(画素行105aに対応)を破線で示す。単位シリンドリカルレンズ106aが図中右方へHL/4ずれた時、ディスプレイ105の表示も右方へHdずれる位置関係になっている。
ディスプレイ105では、上下に隣接する画素行間で一画素分だけ対応する画素がずらされた状態について示したが、それ以外のずらし量の場合もレンチ106内の単位シリンドリカルレンズ106aの配置を対応させることで、同様の表示を行うことができる。
以上の構成により、実施例5と同様に実施例6についても、単位シリンドリカルレンズ409aの母線の傾きθの値を変化させることにより、表示装置の用途などに応じて観察位置上に作る表示領域間の輝度(黒縞模様)とクロストークを生じる幅の関係を所望の特性にコントロールすることができる。
図28は、実施例6の変形例を示す。図28に示すように、実施例5と同様、光路分離手段であるレンチ109の替わりに縦方向の辺が垂直方向に対して角度θだけ傾いた略平行四辺形の開口部を有したマスク413を用いても良い。マスク413を用いた場合にも、傾きθを適切にすることにより、黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
また、本実施例においても図24或いは図26に示すような、画素の各水平列内で、各画素間の境界であるブラック・ストライプが垂直方向を向いていないディスプレイを用いることができる。この場合、レンチ109を構成するシリンドリカルレンズの母線、或いは、マスク413の開口部の列における辺を、ディスプレイのブラック・ストライプと相対的に傾きをもって配置することにより、台形状の輝度分布を観察位置に作ることができる。また、この傾きを調整することにより上記と同様に黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
図29は本発明の実施例7に係る立体画像表示装置であり、図27を用いて説明した実施例6に係る立体画像表示装置を更に改良したものであって、以下に説明するように細部の構成が異なっている。以下、実施例6で説明した立体画像表示装置と異なる点について説明する。
本実施例で用いるレンチ414は、実施例6と同じ単位シリンドリカルレンズ409aから構成されるが、その配置の方法の点で実施例6のレンチ409と異なる。本実施例で用いるレンチ414においては、上下に隣接する単位シリンドリカルレンズ409aの水平行が水平方向にHL/4+Δvn(n=1,2,3・・・)だけずらして配置される。ここで、ΔvnはHL/4に比べて十分に小さな水平方向の微小距離であって、レンチ414全面ではΣΔvn=0なるようにされている。
図29に示すように、レンチ414を構成する単位シリンドリカルレンズ409aの母線は垂直方向に対して角度θだけ傾いているので、単位シリンドリカルレンズ409aの各水平行の作る輝度分布は、図23に示したように角度θに応じたパターンとなる。ここで、図23を用いて先に説明したように、角度θにより輝度分布を均一化して黒縞模様の発生を抑制することと、クロストークを抑制することはトレードオフの関係にある。このため、クロストークを一定以下にしようとする場合には、必ずしも単位シリンドリカルレンズ409aの各水平行の作る輝度分布は一様にならない。このため、実施例6で説明したような、上下に隣接する画素行間で画素をずらしたことに対応して上下に隣接する単位シリンドリカルレンズ409aの水平行を例えばHL/4づつずらした場合には、全ての単位シリンドリカルレンズ409aの作る輝度分布も一様にはならず、観察位置によって画面が明るく見える位置と暗くなる位置が発生してしまうこととなる。
これに対し、単位シリンドリカルレンズ409aの各水平行が水平方向にさらにΔvずれた場合を考える。
図30は、複数の単位シリンドリカルレンズ409aの水平行をそれぞれΔvずらして配置した場合に、各水平行による観察位置での輝度分布を示す図である。図30においては、単位シリンドリカルレンズ409aの水平行の作る輝度分布の谷部に輝度0の領域のある場合について、複数の輝度分布がそれぞれ規則的にずらされて設けられている場合を示す。
図30から分かるように、単位シリンドリカルレンズ409aの水平行を微小距離Δvづつずらして配置することにより、それぞれの水平行が観察位置に作る輝度分布が相互にずれる事となる。これにより、観察位置によらず、周囲に対して輝度の低い微小な部分が一定割合だけランダムに画面上に観察される一方で、画面全体の輝度が低くなる観察位置が無くなり、観察者は常に一定輝度の画面を観察することが可能となる。
各Δvの値は、例えば正規分布のような一定の分布を持ち、Δv全体の和がゼロになることが好ましい。また、隣接する単位シリンドリカルレンズ409aの水平行間ではΔvが一定の関係を持っていても、ランダムであっても良い。
以上説明したように、実施例7については、レンチ414を構成する単位シリンドリカルレンズ409aに母線の傾きθを持たせること、および、単位シリンドリカルレンズ409aの水平行間で水平方向に微小距離Δvずらすことにより、黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
図31は本発明の実施例8における立体画像表示装置を示す図である。図31に示す立体画像表示装置は、距離L離れた観察位置に、8個の異なる画像を水平および垂直方向に分離して表示することが可能なものである。
立体画像表示装置は、ディスプレイ415と第1のレンチ416と第2のレンチ417から構成される。第1のレンチ416はディスプレイ415の表示光を水平方向に分離する分離手段であり、第2のレンチ417は垂直方向に分離する分離手段である。
ディスプレイ415は、実施例6で説明した方法と同様の方法で水平および垂直方向に図31に示す所定の規則性をもって複数の視差画像を表示する画素を配置してある。
図31に示すとおり、ディスプレイ415には、8視点の画像から2行4列の単位行列画素を二次元的に複数個並べた行列状合成視差画像が表示される。
レンチ416とレンチ417は、ディスプレイ415の表示面側に設けられている。レンチ416は、実施例5と同様に、ディスプレイ415の表示光を水平方向に分離する分離手段であり、ディスプレイ415の垂直方向のブラック・ストライプに対して、母線が角度θだけ傾いた単位シリンドリカルレンズを水平方向と垂直方向にブラック・ストライプに対して平行に複数個並べたものである。この時、レンチ416を構成する単位シリンドリカルレンズは単位行列画素の幅(図31では4画素)に対応する幅を持つことが好ましい。また、単位シリンドリカルレンズの高さは単位行列画素の高さ(図31では2画素)に対応する高さであっても良いが、実施例5で説明したような角度θの調整の自由度を高めるためには、1画素の高さに対応するものとすることが好ましい。
第2のレンチ417は、ディスプレイ415の表示光を垂直方向に分離する分離手段であり、ディスプレイ415の水平方向のブラック・ストライプに対して、母線が角度φだけ傾いた単位シリンドリカルレンズを水平方向と垂直方向にブラック・ストライプに対して平行に複数個並べたものである。この時、レンチ417を構成する単位シリンドリカルレンズはディスプレイ415の単位行列画素の高さ(図31では2画素)に対応する幅を持つことが好ましい。また、単位シリンドリカルレンズの幅は単位行列画素の幅(図31では4画素)に対応する幅であっても良いが、実施例5で説明した角度θと同様に角度φの調整を行うための自由度を高めるためには、1画素の幅に対応するものとすることが好ましい。
レンチ416は、実施例5と同様に、レンチ416を構成するシリンドリカルレンズの母線の傾きθを変化させることにより、縦方向の黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
レンチ417ついては、レンチ416を90度回転したものと同様に考えることができる。すなわち、レンチ417を構成するシリンドリカルレンズの母線の傾きφを変化させることにより、横方向の黒縞模様とクロストークを所望の値にコントロールすることができる。
なお、本実施例では、2種類のレンチを用いているが、2方向に光学作用を有するトーリックレンズアレイ、或いは、縦方向と横方向の辺が傾きθおよびφを有するような平行四辺形の開口部を有するマスクを用いても良い。
この図31においては、レンズアレイ416とレンズアレイ417を構成する微小シリンドリカルレンズの母線は、いずれも画素415の境界に対して傾いているが、その限りではない。例えば、レンズアレイ416を構成する上下に重なった2つの微小シリンドリカルレンズの母線が画素415の境界に対して平行で、且つその2つの微小シリンドリカルレンズの母線が互いに不連続であるように、レンズアレイ416を構成しても構わない。勿論、レンズアレイ417に関しても同様のことが言える。
さらに、この図のレンズアレイ416とレンズアレイ417との少なくとも一方を、母線が不等間隔で並ぶようなシリンドリカルレンズアレイ(互いに隣り合う2つのシリンドリカルレンズの母線同士の間隔が、互いに隣り合う別の2つのシリンドリカルレンズの母線同士の間隔と異なるような構成を有するシリンドリカルレンズアレイ)としても構わない。その際も、鉛直方向に並ぶ2つのシリンドリカルレンズの母線は互いにずれていることが望ましいが、母線が不等間隔で並ぶ場合には、鉛直方向に並ぶ2つのシリンドリカルレンズのうち1組や2組のシリンドリカルレンズの母線が一致したとしても、それは本発明の範囲内である。
さらに、実施例5〜8では、レンチを構成するシリンドリカルレンズは水平或いは垂直方向に光学作用を有するものであるが、実施例中で説明した傾きθ或いはφに略直行する方向に作用するレンズを用いても同様の効果を得ることができる。
以上説明してきた実施例は、矛盾の無い範囲で任意に組合わせることが可能である。例えば、本実施例で記載しているシリンドリカルレンズアレイを、図1の記載と図15の記載とを組合わせて、鉛直方向に重なる2つのシリンドリカルレンズの母線(境界線)の位置を互いにずらしつつ(図1の記載)、水平方向に関して隣り合う2つのシリンドリカルレンズの母線間の距離と水平方向に関して隣り合う別の2つのシリンドリカルレンズの母線間の距離とが互いに異なる(図15の記載)ように構成しても構わない。
以上説明したように、本発明の画像表示装置によれば、縦ストライプ合成画像、或いは、行列状合成画像、そしてレンチを用いることによって、運動視差や立体画像を観察位置が変わっても黒縞模様が目立たなくして観察することができる。
さらに、黒縞模様とクロストークの程度をコントロールすることができるので、使用用途に応じて黒縞模様とクロストークの程度を任意に設定することができる。
本発明の実施例1の要部概略図 図1の一部分の説明図 本発明の実施例1の観察位置における像の輝度分布の説明図 本発明の実施例1の観察位置における像の輝度分布の説明図 本発明の実施例1の観察位置における像の輝度分布の説明図 本発明の実施例2の要部概略図 図6の一部分の説明図 発明の実施例2の観察位置における像の輝度分布の説明図 本発明の実施例3の要部概略図 本発明の実施例3のFPDの説明図 本発明の実施例3の図1の一部分の説明図 本発明の実施例3の図1の一部分の説明図 本発明の実施例3の図1の一部分の説明図 本発明の実施例3の観察位置における像の輝度分布の説明図 本発明の実施例4の要部概略図 従来の多視点画像表示装置の説明図 図16の一部分の説明図 図16の一部分の説明図 従来の多視点画像表示装置の観察位置における像の輝度分布の説明図 レンチキュラーレンズの光軸の説明図 本発明の実施例5の要部概略図 図21の一部分の説明図 本発明の実施例5の観察位置における像の輝度分布の説明図 本発明の実施例5の変形例の説明図 本発明の実施例5の変形例の説明図 本発明の実施例5の変形例の説明図 本発明の実施例6の要部概略図 本発明の実施例6の変形例の説明図 本発明の実施例7の要部概略図 本発明の実施例7における輝度分布の説明図 本発明の実施例8の要部概略図
符号の説明
100 画像表示装置
101 画像表示手段(フラットパネルディスプレイ)
102 レンチキュラーレンズ
103 画像分離手段(レンチキュラーレンズ)
200 合成画像
1〜4 微小レンズ
104 レンチ
105 ディスプレイ
106 レンチ
107 レンチ
301 ディスプレイ
305 レンチ
407 マスク
408 ディスプレイ
409 レンチ
413 マスク
414 レンチ
415 ディスプレイ
416 レンチ
417 レンチ

Claims (10)

  1. 鉛直方向(又は水平方向)に複数の画素が配列された画素行を、水平方向(又は鉛直方向)に複数配置して構成されている画像表示手段と、
    前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、
    前記複数の画素の画素像各々の前記観察面上における輝度分布の水平断面が略矩形であり、
    前記観察面上において水平方向に並んで投影される第1列中の複数の画素像のピッチと、前記観察面上において水平方向に並んで投影される、前記第1列とは異なる第2列中の複数の画素像のピッチが前記第1列中の複数の画素像のピッチとが等しくHeであるとき、
    前記同じ画素行内の第1画素と第2画素の画素像の中心間の水平方向(又は鉛直方向)におけるずれ量αが、
    0<α<He
    であることを特徴とする画像表示装置。
  2. 第1視差画像と該第1視差画像とは異なる第2視差画像とを観察者の左右の眼それぞれに導く画像表示装置であって、
    前記第1画素と前記第2画素は、共に前記第1視差画像を構成する画像を表示する画素であることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記光学系が、水平方向に屈折力を有するシリンドリカルレンズアレイを有しており、
    該シリンドリカルレンズアレイの母線の方向が、前記画素行の配列方向と実質的に平行であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示装置。
  4. 複数の画素を含む画像表示手段と、
    シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、
    前記複数の画素のうち水平方向に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と実質的に平行であり、
    前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向に関して略等ピッチで配列された複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、水平方向に関して略等ピッチで配列された複数の第2微小レンズを含む第2レンズアレイとを有しており、前記複数の第1微小レンズの母線と前記複数の第2微小レンズの母線とが不連続であることを特徴とする画像表示装置。
  5. 複数の画素を含む画像表示手段と、
    シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、
    前記複数の画素のうち水平方向に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と実質的に平行であり、
    前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向に関して略等しい幅を持つ複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、水平方向に関して略等しい幅を持つ複数の第2微小レンズを含む第2レンズアレイとを有しており、前記複数の第1微小レンズ間の境界と前記複数の第2微小レンズ間の境界とが不連続であることを特徴とする画像表示装置。
  6. 複数の画素を含む画像表示手段と、
    シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、
    前記複数の画素のうち水平方向に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と実質的に平行であり、
    前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向に関して屈折力を有する複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイを有しており、該複数の第1微小レンズ各々の母線が不等ピッチになるように配列されていることを特徴とする画像表示装置。
  7. 複数の画素を含む画像表示手段と、
    シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、
    前記複数の画素のうち水平方向に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と非平行であり、
    前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向に関して略等ピッチで配列された複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、水平方向に関して略等ピッチで配列された複数の第2微小レンズを含む第2レンズアレイとを有しており、前記複数の第1微小レンズの母線と前記複数の第2微小レンズの母線とが不連続であることを特徴とする画像表示装置。
  8. 複数の画素を含む画像表示手段と、
    シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、
    前記複数の画素のうち水平方向に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と非平行であり、
    前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向に関して略等しい幅を持つ複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイと、水平方向に関して略等しい幅を持つ複数の第2微小レンズを含む第2レンズアレイとを有しており、前記複数の第1微小レンズ間の境界と前記複数の第2微小レンズ間の境界とが不連続であることを特徴とする画像表示装置。
  9. 複数の画素を含む画像表示手段と、
    シリンドリカルレンズアレイを含み、前記複数の画素の画素像を観察面上に投影する光学系とを備えている画像表示装置であって、
    前記複数の画素のうち水平方向に互いに隣接する第1画素、第2画素とを仕切る境界線が、前記シリンドリカルレンズアレイの母線と非平行であり、
    前記シリンドリカルレンズアレイが、水平方向に関して屈折力を有する複数の第1微小レンズを含む第1レンズアレイを有しており、該複数の第1微小レンズ各々の母線が不等ピッチになるように配列されていることを特徴とする画像表示装置。
  10. 前記複数の画素が、鉛直方向(又は鉛直方向)に複数の画素が配列された画素行を、水平方向に複数配置して構成されており、
    前記同じ画素行内の第3画素と第4画素の画素像の中心間の水平方向におけるずれ量αが、
    0<α<He
    であることを特徴とする請求項4乃至9いずれかに記載の画像表示装置。
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