JP2006102876A - ウェハ封止部材 - Google Patents

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宏徳 田中
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Abstract

【課題】 加熱・冷却が繰り返されてもクラックが発生しにくい。
【解決手段】 ウェハ封止部材10は、熱膨張係数がシリコンウェハ40と略同等の値を持つキャップ基板12と、キャップ基板12の外面と内面とを貫通する複数の貫通孔14と、プリント配線板30とシリコンウェハ40とを電気的に接続するように貫通孔14の内壁に形成された管状導体ビア16と、管状導体ビア16管内に低弾性率材料が充填されてなる応力緩和部18とを備えている。このウェハ封止部材10は、加熱・冷却によって管状導体ビア16がキャップ基板12に比べて大きく膨張・収縮したとしても、応力緩和部18がその膨張時・収縮時の変形を受けるため、管状導体ビア16とキャップ基板12との間に大きな応力が発生しない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェハ封止部材に関する。
近年、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)を利用することにより、超小型で高性能の半導体圧力センサ、加速度センサ、角速度センサなどが産業機器、自動車、計測器、医療機器等の分野で実用化されている。このようなMEMSにおいて、例えば特許文献1に開示されているパッケージ構造が知られている。このパッケージ構造は、図14に示すように、シリコンウェハ140上に所定の封止空間Sが形成されるようにウェハ封止部材110をシリコンウェハ140の周縁パッド116とガスケット118を介して接合したものである。ここで、ウェハ封止部材110は、熱膨張係数の不整合による問題を回避するためにシリコンウェハ140と同じ材料で作られている。また、ウェハ封止部材110は内面と外面とを貫通する貫通孔に金等を充填してなる導電性ビア114を有し、この導電性ビア114は封止空間Sに内蔵されたマイクロデバイス150に接続されたパッド152と図示しない外部部品に接続されたボンディングワイヤ154とを電気的に接続している。
特開2001−68616号公報(図1)
しかしながら、特許文献1では、ウェハ封止部材110の熱膨張係数はシリコンウェハ140と略同等の3〜4ppm/℃であるのに対して金が充填されてなる導電性ビア114の熱膨張係数は14〜16ppm/℃であり両者の差が大きいため、加熱・冷却が繰り返されるとウェハ封止部材110にクラックが発生するおそれがあった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、加熱・冷却が繰り返されてもクラックが発生しにくいウェハ封止部材を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
即ち、本発明のウェハ封止部材は、
シリコンウェハ上に所定の封止空間が形成されるように該シリコンウェハに固着され該シリコンウェハと略同等の熱膨張係数を持つキャップ基板と、
前記キャップ基板の内面と外面とを貫通する貫通孔と、
前記貫通孔の内壁に形成された軟質金属製の管状導体ビアと、
前記管状導体ビアの管内に低弾性率材料を充填してなる応力緩和部と、
を備えたものである。
このウェハ封止部材では、加熱によって管状導体ビアがキャップ基板に比べて大きく膨張したとしても、応力緩和部がその膨張時の変形を受けて縮むため、管状導体ビアとキャップ基板との間に大きな応力が発生しない。また、加熱後の冷却によって管状導体ビアがキャップ基板に比べて大きく収縮したとしても、応力緩和部がその収縮時の変形に追従するように復元するため、管状導体ビアとキャップ基板との間に大きな応力が発生しない。したがって、このウェハ封止部材によれば、加熱・冷却が繰り返されてもクラックが発生しにくい。
ここで、キャップ基板としては、熱膨張係数がシリコンウェハと略同等のものであれば特に限定されるものではないが、例えばガラス(ホウケイ酸ガラスなど)、セラミック、シリコンなどが挙げられる。また、軟質金属としては、例えば、金、銀、銅、鉛、錫、亜鉛、はんだなどが挙げられる。
本発明のウェハ封止部材において、前記貫通孔はクビレを持つ形状に形成されていてもよい。こうすれば、貫通孔の内壁に形成される管状導体ビアもクビレを持つ形状となるため、略ストレート形状の場合に比べて応力が分散しやすいことから、加熱・冷却が繰り返されてもクラックが一層発生しにくい。
本発明のウェハ封止部材において、前記貫通孔の直径Dに対する前記管状導体ビアの厚さtの比t/Dが1/40≦t/D≦1/3であることが好ましい。この範囲内であると、加熱・冷却が繰り返されたときの管状導体ビアの導通抵抗が安定する。この比t/Dが1/3を超えると、管状導体ビアの収縮・膨張による応力に対してその応力を緩和する低弾性率材料の容積が不足して、脆いキャップ基板にクラックが入るおそれがある。そして、そのクラックによって管状導体ビアの導通抵抗が安定しないおそれがある。一方、比t/Dが1/40未満になると、貫通孔の径に対して管状導体ビアの厚さが小さすぎて管状導体ビアの収縮・膨張によって自らが疲労してクラックが入るおそれがある。
本発明のウェハ封止部材において、前記貫通孔の直径Dは、50μm≦D≦200μmを満たすことが好ましい。直径Dが50μm未満では、応力緩和部の低弾性率材料を充填する容積が少なくなるので応力を十分緩和できないおそれがある。一方、直径Dが200μmを超えると、キャップ基板の容積が減るので、基板自身の強度が不十分になって反りやクラックが生じるおそれがある。なお、貫通孔の直径Dは、50μm≦D≦150μmを満たすことがより好ましい。この場合、キャップ基板と低弾性率材料の体積比が適当となって加熱・冷却を繰り返しても管状導体ビアの導通抵抗が安定になる。
本発明のウェハ封止部材において、前記キャップ基板の厚さTcに対する前記応力緩和部の直径dの比d/Tcが1/10≦d/Tc≦1を満たすことが好ましい。こうすれば、加熱・冷却を繰り返したときの管状導体ビアの導通抵抗が安定する。この比d/Tcが1/10未満だと、キャップ基板の収縮・膨張による応力に対し、その応力を緩和する低弾性率材料の容積が不足してキャップ基板にクラックが入るおそれがある。一方、比d/Tcが1を超えると、キャップ基板の体積が不足するためウェハ封止部材の強度が低下し、キャップ基板の収縮・膨張によりクラックが入るおそれがある。
本発明のウェハ封止部材において、前記応力緩和部は30℃におけるヤング率が10MPa〜1GPaの低弾性率材料からなることが好ましい。こうすれば、応力緩和部は熱膨張係数差に起因する応力を確実に緩和することができる。また、この応力緩和部は、30℃におけるヤング率が10MPa〜500MPaであることがより好ましく、10MPa〜100MPaであることが最も好ましい。また、前記応力緩和部は、導電性の良好な粒状体を含んでいてもよく、例えば金、銀、銅、はんだ、アルミニウム等の金属粉や導電性を有するカーボン粉などを含んでいてもよい。こうすれば、応力緩和部が導電性を有するため電気接続の信頼性が一層向上する。
本発明のウェハ封止部材は、−55℃×30分のあと125℃×30分を1サイクルとするヒートサイクル試験を1000サイクル繰り返したあとにクラックが未発生であることが好ましい。こうすれば、長期にわたって電気接続の信頼性が高くなる。
本発明のウェハ封止部材は、キャップ基板の内面側に配置された電子部品とキャップ基板の外面側に配置された電子部品とを鉛フリーはんだを介してリフローにより管状導体ビアに接続したときにクラックが未発生であることが好ましい。こうすれば、鉛フリーはんだを用いる場合でも、リフロー工程で電気接続の信頼性が損なわれることがない。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるウェハ封止部材の使用状態を表す断面図である。
ウェハ封止部材10は、熱膨張係数がシリコンウェハ40と同等の値を持つドーム状のキャップ基板12と、キャップ基板12の内面と外面とを貫通する複数の貫通孔14と、この貫通孔14の内壁に形成された管状導体ビア16と、この管状導体ビア16の管内に低弾性率材料が充填されてなる応力緩和部18と、キャップ基板12の外面に設けられ管状導体ビア16と電気的に接続されるパッド20と、キャップ基板12の内面に設けられ管状導体ビア16と電気的に接続されるパッド22とを備えている。
キャップ基板12は、厚さTcが0.1〜1mmで熱膨張係数が3〜4ppm/℃の耐熱性ホウケイ酸ガラス(例えばコーニング社のパイレックスガラス)からなり、外周縁に沿って突堤12aが形成されている。このキャップ基板12は、突堤12aの端面がシリコンウェハ40と陽極接合され、シリコンウェハ40との間に封止空間Sを形成している。
貫通孔14は直径50〜200μmのストレート形状の孔である。また、管状導体ビア16やパッド20,22は銅を主成分として構成されている。このウェハ封止部材10は、貫通孔14の直径Dに対する管状導体ビア16の厚さtの比t/Dが1/40≦t/D≦1/3を満たすように、また、キャップ基板12の厚さTcに対する応力緩和部18の直径dの比d/Tcは1/10≦d/Tc≦1を満たすように形成されている。
応力緩和部18をなす低弾性率材料は、30℃におけるヤング率が10〜1000MPa(好ましくは10〜300MPa、より好ましくは10〜100MPa)である。低弾性率材料のヤング率がこの範囲だと、加熱によって管状導体ビア16がキャップ基板12に比べて大きく膨張したとしても、応力緩和部18がその膨張時の変形を受けて縮むため、管状導体ビア16とキャップ基板12との間に大きな応力が発生しない。また、加熱後の冷却によって管状導体ビア16がキャップ基板12に比べて大きく収縮したとしても、応力緩和部18がその収縮時の変形に追従するように復元するため、管状導体ビア16とキャップ基板12との間に大きな応力が発生しない。このような低弾性率材料としては、例えばエポキシ樹脂、イミド系樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂やポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂等の熱可塑性樹脂に、ポリブタジエン、シリコーンゴム、ウレタン、SBR、NBR等のゴム系成分やシリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機成分を分散させた樹脂などのうち上述したヤング率に合致したものが挙げられる。なお、樹脂に分散させる成分は、1種でも2種以上でもよく、ゴム成分と無機成分の両方を分散させてもよい。
次に、このように構成されたウェハ封止部材10の使用例について説明する。ここでは、シリコンウェハ40を封止すると共にシリコンウェハ40に作り込まれた半導体素子をウェハ封止部材10を介してプリント配線板30に接続する場合を例に挙げて説明する。シリコンウェハ40は、上面に複数の電極パッド44が設けられ、これらの電極パッド44は、シリコンウェハ40に作り込まれた図示しない半導体素子と電気的に接続されている。また、電極パッド44には鉛フリーのはんだバンプ46が形成されている。一方、プリント配線板30は、シリコンウェハ40を搭載する位置に鉛フリーのはんだバンプ32が複数形成されている。
まず、ウェハ封止部材10のパッド22とシリコンウェハ40のはんだバンプ46とが一致するようにウェハ封止部材10をシリコンウェハ40上に載せる。続いて、シリコンウェハ40を介してウェハ封止部材10のキャップ基板12を加熱しつつシリコンウェハ40側を陽極としキャップ基板12を陰極として両者間に高電圧を印加することにより、両者を陽極接合する。これにより、キャップ基板12とシリコンウェハ40とによって封止空間Sが形成される。これと同時に、はんだバンプ46をリフローしてこのはんだバンプ46を介してシリコンウェハ40上の電極パッド44とウェハ封止部材10のパッド22とを接合する。なお、陽極接合とリフローとは別工程で行ってもよい。続いて、ウェハ封止部材10のパッド20とプリント配線板30の下面に形成されたはんだバンプ32とが一致するようにウェハ封止部材10とプリント配線板30とを位置決めし、リフローによりはんだバンプ32を介してプリント配線板30とウェハ封止部材10とを接合する。これにより、シリコンウェハ40に作り込まれた半導体素子はウェハ封止部材10を介してプリント配線板30に電気的に接続されるため、電源の供給を受けたり他の電子部品と信号のやり取りを行ったりする。
次に、ウェハ封止部材10の製造方法を図2〜図11を参照して説明する。ここでは、厚さ(Tc)0.4mmの絶縁性のキャップ基板12を出発原料とした(図2参照)。このキャップ基板12はコーニング社のパイレックスガラス製であり、ヤング率は3点曲げ法にて測定したところ、62GPaであった。このキャップ基板12の両面に感光性のレジスト60を形成し、通常の写真法により貫通孔14となる位置に開口60a(ここではφ100μm)を形成した(図3参照)。次いで、新東ブレーター社製のサンドブラスト装置で開口60aからキャップ基板12にサンドブラスト処理を行うことにより、開口60aと略同径でストレート状の貫通孔14を形成した(図4参照)。その後、レジスト60を剥離し(図5参照)、複数の貫通孔14が形成されたキャップ基板12に、金属皮膜62を形成した(図6参照)。この金属皮膜62は、キャップ基板12の表面と貫通孔14の内壁に、まずスパッタにより0.1μmのクロム皮膜を形成し、続いてそのクロム皮膜上に0.14μmのニッケル被膜を蒸着し、更にこのキャップ基板12を無電解銅めっき水溶液中に浸漬して基板表面と貫通孔14の内壁に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜を形成することにより、形成した。続いて、金属皮膜62上に電解銅めっき層64を形成した(図7参照)。
その後、スキージを用いて貫通孔14に低弾性率材料を充填し応力緩和部18とした(図8参照)。ここでは、低弾性率材料として、ナフタレン型のエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:NC−7000L)100重量部、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂(三井化学製、商品名:XLC−LL)20重量部、架橋ゴム粒子としてガラス転移点Tgが−50℃のカルボン酸変性NBR(JSR(株)製、商品名:XER−91)90重量部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール4重量部を乳酸エチル300重量部に溶解した樹脂組成物からなる材料を使用した。この低弾性率材料は、30℃におけるヤング率が500MPaである。続いて、上下両面をキャップ基板12の表面が露出するまで研磨し(図9参照)、露出した上下両面に無電解銅めっきを施して無電解銅めっき膜66を形成したあと電解銅めっきを施すことにより電解銅めっき層68を形成した(図10参照)。続いて、上下両面に感光性のレジストを貼り付けたあと、通常の写真法により無電解銅めっき膜66及び電解銅めっき層68が応力緩和部18の上下両面を覆うようにパターン形成した(図11参照)。この結果、外面側の電解銅めっき膜66及び電解銅めっき層68がパッド20となり、内面側の電解銅めっき膜66及び電解銅めっき層68がパッド22となり、ウェハ封止部材10が完成した。なお、このあと上下両面にソルダーレジスト層を形成してもよい。
以上詳述した本実施形態のウェハ封止部材10では、加熱によって管状導体ビア16がキャップ基板12に比べて大きく膨張したとしても、応力緩和部18がその膨張時の変形を受けて縮むため、管状導体ビア16とキャップ基板12との間に大きな応力が発生しない。また、加熱後の冷却によって管状導体ビア16がキャップ基板12に比べて大きく収縮するとしても、応力緩和部18がその収縮時の変形に追従するように復元するため、管状導体ビア16とキャップ基板12との間に大きな応力が発生しない。したがって、このウェハ封止部材10によれば、加熱・冷却が繰り返されてもクラックが発生しにくい。特にシリコンウェハ40に作り込まれた半導体素子が3GHZ以上のクロック周波数で高速に動作するような場合には発熱量が大きく熱応力が大きいため、このウェハ封止部材10を使用する意義が高い。
また、貫通孔14の直径Dに対する管状導体ビア16の厚さtの比t/Dが1/40≦t/D≦1/3を満たし、しかもキャップ基板12の厚さTcに対する応力緩和部18の直径dの比d/Tcが1/10≦d/Tc≦1を満たすため、加熱・冷却が繰り返されたときの管状導体ビア16の導通抵抗が安定する。また、貫通孔14の直径Dが50≦D≦200μmのため、応力緩和部18は応力を十分緩和することができるし、ウェハ封止部材10の強度が弱くなることもない。
更に、応力緩和部18は30℃におけるヤング率が10〜1000MPaの低弾性率材料からなるため、熱膨張係数差に起因する応力を確実に緩和することができる。
更にまた、後述するように、ウェハ封止部材10は−55℃×30分のあと125℃×30分を1サイクルとするヒートサイクル試験を1000サイクル繰り返したあとにクラックが発生しないため、長期にわたって電気接続の信頼性が高くなる。同じく後述するように、ウェハ封止部材10をプリント配線板30とシリコンウェハ40にはんだバンプ32,46を介して接続し高温(200℃、260℃、320℃)でリフローしたときにもクラックが発生しないため、リフロー工程で電気接続の信頼性が損なわれることがない。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、貫通孔14を略ストレート状としたが、クビレを有する形状としてもよい。その一例を図12に示す。上述した実施形態と同様のキャップ基板12を出発原料とし(図12(a)参照)、このキャップ基板12の両面に感光性のレジスト60,60を形成し、通常の写真法により、貫通孔15となる位置に開口60a,60aを形成し(図12(b)参照)、新東ブレーター社製のサンドブラスト装置で両面にサンドブラスト処理を行うことにより、上下両面からそれぞれ円錐台形の空洞を形成し、この2つの空洞が基板内部で繋がってクビレを持つ形状の貫通孔15とした(図12(c)参照)。そして、レジスト60,60を剥離したあと(図12(d)参照)、図6〜図11の工程を踏襲することにより、図12(e)に示すように、貫通孔15の内壁にクビレ形状の管状導体ビア17とその管状導体ビア17の管内に低弾性率材料を充填してなるクビレ形状の応力緩和部19を備えたウェハ封止部材70を得た。このウェハ封止部材70を用いれば、管状導体ビア17もクビレを持つ形状となるため、略ストレート形状の場合に比べて軸方向(上下方向)にも応力が分散しやすいことから、加熱・冷却が繰り返されてもクラックが一層発生しにくい。
また、上述した実施形態では、管状導体ビア16の管内に低弾性率材料を充填して応力緩和部18としたが、この低弾性率材料に金属粉やカーボン粉などの導体粉を混入して導電性を持つようにしてもよい。こうすれば、応力緩和部18が導電性を有するため電気接続の信頼性が一層向上する。
更に、上述した実施形態では、周縁に突堤12aが形成されたドーム状のキャップ基板12とシリコンウェハ40とを陽極接合したが、図13に示すように、キャップ基板12を突堤12aを有さない平板状のものとし、このキャップ基板12の周縁全周にわたってダミーパッド24を形成すると共にシリコンウェハ40にも周縁全周にわたってダミーパッド48を形成し、両ダミーパッド24,48をはんだ等からなるガスケット49により接合してもよい。
以下に、本発明のウェハ封止部材の効果を実証するための実験例について説明する。まず、上述した実施形態の製法に準じて表1に示す寸法となるように作成したウェハ封止部材10(実験例1〜14)及び貫通孔14内をすべて銅で充填した以外は実験例1と同じ構成であるウェハ封止部材(実験例15)を作製した。続いて、はんだバンプとしてSn/Ag(95:5)を用いて260℃でリフローして、プリント配線板30とウェハ封止部材10とシリコンウェハ40とを接合し、−55℃×30分、125℃×30分を1サイクルとしこれを1500サイクル繰り返すヒートサイクル試験を行った。このヒートサイクル試験において、500サイクル目、1000サイクル目、1500サイクル目で一旦接合したプリント配線板30を取り除き、ウェハ封止部材10の外面を倍率20倍の顕微鏡により観察し、パッド20の周辺にクラックが発生したか否かを調べた。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、実験例15では500サイクル目で既にクラックが発生したのに対して、実験例1〜14では少なくとも500サイクル目まではクラックが発生しなかった。また、実験例1〜12では少なくとも1000サイクル目までクラックが発生せず、特に実験例1〜7では1500サイクル目までクラックが発生しなかった。
Figure 2006102876
次に、実験例1のウェハ封止部材10と実験例15のウェハ封止部材につき、はんだバンプとしてSn/Pb(60:40)、Sn/Ag(95:5)及びAu/Sn(20:80)を用いてそれぞれ200℃、260℃、320℃でリフローしてプリント配線板30とウェハ封止部材10とシリコンウェハ40とを接合した。そして、一旦接合したプリント配線板30を取り除き、その後ウェハ封止部材10の外面を倍率20倍の顕微鏡により観察し、パッド20の周辺にクラックが発生したか否かを調べた。その結果を表2に示す。表2から明らかなように、実験例1ではすべてクラックが未発生だったのに対し、実験例15ではSn/Pbのみクラックが未発生で鉛フリーはんだであるSn/AgやAu/Snではクラックが発生した。
Figure 2006102876
ウェハ封止部材の使用状態を表す断面図である。 ウェハ封止部材の作成手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材の作成手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材の作成手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材の作成手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材の作成手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材の作成手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材の作成手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材の作成手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材作製手順を表す断面図である。 ウェハ封止部材作製手順を表す断面図である。 他のウェハ封止部材作製手順を表す断面図である。 他のウェハ封止部材の使用状態を表す断面図である。 従来のウェハ封止部材の概略構成を表す断面図である。
符号の説明
10 ウェハ封止部材、12 キャップ基板、14 貫通孔、16 管状導体ビア、18 応力緩和部、20 パッド、22 パッド、24 ダミーパッド、30 プリント配線板、32 はんだバンプ、40 シリコンウェハ、44 パッド、46 はんだ、48 ダミーパッド、49 ガスケット、60 レジスト、60a 開口、62 金属皮膜、64 電解銅めっき層、66 無電解銅めっき膜、68 電解銅めっき層、70 ウェハ封止部材。

Claims (9)

  1. シリコンウェハ上に所定の封止空間が形成されるように該シリコンウェハに固着され該シリコンウェハと略同等の熱膨張係数を持つキャップ基板と、
    前記キャップ基板の内面と外面とを貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔の内壁に形成された管状導体ビアと、
    前記管状導体ビアの管内に低弾性率材料を充填してなる応力緩和部と、
    を備えたウェハ封止部材。
  2. 前記貫通孔はクビレを持つ形状に形成されている、請求項1に記載のウェハ封止部材。
  3. 前記貫通孔の直径Dに対する前記管状導体ビアの厚さtの比t/Dは1/40≦t/D≦1/3を満たす、請求項1又は2に記載のウェハ封止部材。
  4. 前記貫通孔の直径Dは50μm≦D≦200μmを満たす、請求項1〜3のいずれかに記載のウェハ封止部材。
  5. 前記キャップ基板の厚さTcに対する前記応力緩和部の直径dの比d/Tcは1/10≦d/Tc≦1を満たす、請求項1〜4のいずれかに記載のウェハ封止部材。
  6. 前記キャップ基板は、耐熱性ホウケイ酸ガラスを主成分とする基板であり、周縁部が前記シリコンウェハに陽極接合されている、請求項1〜5のいずれかに記載のウェハ封止部材。
  7. 前記応力緩和部は30℃におけるヤング率が10MPa〜1GPaの低弾性率材料からなる、請求項1〜6のいずれかに記載のウェハ封止部材。
  8. −55℃×30分のあと125℃×30分を1サイクルとするヒートサイクル試験を1000サイクル繰り返したあとにクラックが未発生である、請求項1〜7のいずれかに記載のウェハ封止部材。
  9. 前記キャップ基板の内面側に配置された電子部品と前記キャップ基板の外面側に配置された電子部品とを鉛フリーはんだを介してリフローにより前記管状導体ビアに接続したときにクラックが未発生である、請求項1〜8のいずれかに記載のウェハ封止部材。
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