JP2006097808A - ラジアル玉軸受用外輪及びその製造方法 - Google Patents

ラジアル玉軸受用外輪及びその製造方法 Download PDF

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一登 小林
Seiji Otsuka
清司 大塚
Yutaka Yasuda
裕 安田
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Abstract

【課題】 ラジアル玉軸受を構成する外輪2aを、実用上十分な精度を確保しつつ低コストで得られる製造方法を実現する。
【解決手段】 (A)に示した高精度素材8を、(B)に示した予備中間素材9、(C)に示した第一中間素材10、(D)に示した第二中間素材11、(E)に示した第三中間素材12を経て、(F)に示した外輪2aとする。各工程を、材料の除去を伴わない冷間加工により行なう事で、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、電気掃除機、換気扇等、各種家庭用電気製品に組み込む電動モータ、或いは各種自動車用補機等の回転支持部に組み込むラジアル玉軸受の様に、あまり高度の回転精度を要求されないラジアル玉軸受を構成する外輪とその製造方法の改良に関する。
各種回転機器の回転支持部に、図7に示す様なラジアル玉軸受1が組み込まれている。このラジアル玉軸受1は、深溝型であって、互いに同心に配置された外輪2と内輪3との間に複数個の玉4、4を設置して成る。このうちの外輪2の内周面の軸方向中間部に深溝型の外輪軌道5を、内輪3の外周面の軸方向中間部に深溝型の内輪軌道6を、それぞれ全周に亙って形成している。上記各玉4、4は、保持器7により保持された状態で、上記外輪軌道5と上記内輪軌道6との間に転動自在に配置している。そして、この構成により、上記外輪2と上記内輪3との相対回転を自在としている。尚、図7に示した例では、上記保持器7として、金属製の波形保持器を使用しているが、合成樹脂製の冠型保持器を使用する場合も多い。又、上記外輪2の両端部内周面に形成した係止溝に、それぞれ密封板(接触型のシール板及び非接触型のシールド板を含む。本明細書全体で同じ。)の外周縁を係止する構造を採用する場合も多い。この場合に上記両密封板の内周縁は、上記内輪3の両端部外周面に、全周に亙って摺接若しくは近接対向させる。
上述の様なラジアル玉軸受1を構成する、上記外輪2や上記内輪3等の軌道輪を造るのに従来一般的には、先ず、鍛造加工と切削加工とにより完成品に近い形状及び寸法を有する中間素材を得ていた。そして、この中間素材に、表面を硬化させる為の熱処理を施してから、上記外輪軌道5や上記内輪軌道6等の軌道面を含む表面に、寸法及び表面粗さを所定のものにする為の研磨を施して、上記軌道輪としていた。この様な軌道輪の製造方法は、材料の歩留が悪くなる他、面倒で、コストが嵩む。
又、特許文献1、2には、ラジアル玉軸受の軌道輪を、鍛造加工を中心として造る方法が記載されている。
先ず、特許文献1に記載された発明の場合には、外輪を造る為の中間素材と内輪を造る為の中間素材とを一体とした複合中間素材を鍛造により造った後、この複合中間素材を外輪を造る為の外輪用中間素材と内輪を造る為の内輪用中間素材とに分割する発明が記載されている。
次に、特許文献2には、熱間押し出しにより造った鋼管を切断して成る素材を、縦型プレスにより冷間で軸方向に圧縮(据え込み加工)して、内周面に深溝型の外輪軌道を有する外輪を造る方法に関する発明が記載されている。
上述の様な特許文献1、2に記載されている発明のうち、特許文献1に記載されている発明の場合には、加工の初期段階で容積の大きな複合中間素材を鍛造により造る。この為、この複合中間素材を造る際の加工荷重及び鍛造装置のパンチや受型等を含む金型に加わる応力が高くなり、この金型を含む鍛造装置各部の弾性変形量が大きくなる。この結果、得られた複合中間素材並びにこの複合中間素材から造られる外輪及び内輪を造る為の中間素材、更にはこれら外輪及び内輪の、寸法精度及び形状精度を十分に良好にする事が難しい。特に、容積の大きな上記複合中間素材を造る加工を冷間鍛造により行なうと、上記金型等に加わる負荷が過大になり、この金型等の耐久性を確保する事が難しくなる。従って、上記複合中間素材の加工は、熱間鍛造或は温間鍛造で造る事になるが、熱間鍛造或は温間鍛造の場合には、温度膨張量の差に拘らず金型同士の嵌合を確実に行なわせるべく、嵌合部の隙間を冷間鍛造の場合に比べて大きめに設定しなければならない。この為、得られた複合中間素材の内外径の寸法並びに内外両周面同士の、同心度を中心とする形状・寸法精度を十分に確保する事が難しくなる。この結果、得られた外輪及び内輪の内外径の寸法精度及び振れ精度を、前述した様な、あまり高度の回転精度を要求しない用途に使用するにしても、十分に確保する事が難しくなる。
又、特許文献2に記載された発明の場合には、リング状の素材を、熱間押し出しにより造った鋼管を切断する事により得ている為、この素材の内外径の寸法並びに内外両周面同士の同心度を中心とする形状・寸法精度を高度に確保する事が難しい。この結果、得られた外輪の内外径の寸法精度及び振れ精度を高度に確保する事が難しくなる。又、鋼管を切断して素材とする作業は面倒で、生産性が悪く、コスト上昇の原因となる。更には、上記素材に、脱炭による切削を施す必要もあり、この面からもコストが高くなる。
特開平5−277615号公報 特開2001−150082号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、例えば、前述した様な用途に使用される、あまり高度の回転精度を要求されないラジアル玉軸受を構成する外輪を、実用上十分な精度を確保しつつ低コストで得られる、ラジアル玉軸受用外輪及びその製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の対象となるラジアル玉軸受用外輪は、内周面の軸方向中間部に断面円弧形の外輪軌道を全周に亙って形成している。
特に、請求項1に記載したラジアル玉軸受用外輪は、完成品の容積と実質的に同じ容積を有する、軸受鋼、炭素鋼等の鋼製で円筒状の(高精度)素材を冷間鍛造で塑性変形させる事により、上記外輪軌道を含む表面形状を、実質的に完成品と同じ形状に加工されたものである。
尚、完成品の容積と実質的に同じ容積を有するとは、熱処理後に研磨等、材料の除去を伴う仕上加工を施す場合には、完成品の容積にこの仕上加工による取り代を加えた容積を言う。これに対して、上記材料の除去を伴う仕上加工を施さない場合には、不可避な製造誤差を除き、完成品の容積と同じ容積である事を言う。
又、上記(高精度)素材は、その容積が上記完成品の容積と実質的に同じであるだけでなく、断面形状の縦横比(軸方向に関する長さ寸法と径方向に関する厚さ寸法との比)も、上記完成品の断面形状を造り出す為に最適な値にする。
又、請求項2に記載したラジアル玉軸受用外輪の製造方法は、第一〜第三工程を有する。
このうちの第一工程では、造るべき外輪の容積と実質的に同じ容積を有する円筒状の(高精度)素材の軸方向の一部の直径を縮める。そして、この縮めた部分を上記外輪の外径と実質的に同じ外径を有する小径部とし、縮めない残りの部分を大径部とした、第一中間素材とする。
又、第二工程では、上記第一中間素材の軸方向中間部内周面のうちで上記小径部に対応する部分に、上記外輪軌道の少なくとも一部となる断面円弧形の軌道面用曲面を全周に亙り形成する。これと共に、軸方向に関してこの軌道面用曲面と上記大径部側に隣接する部分の径方向に関する厚さ寸法の軸方向に関する分布を、造るべき外輪の該当する部分の分布と(次の第三工程で直径を縮める事に伴う肉厚増加分を勘案した上で)一致させて、第二中間素材とする。
更に、第三工程では、上記第二中間素材の大径部の外径を上記小径部の外径と同じにまで縮める。
上述の様に構成する本発明のラジアル玉軸受用外輪及びその製造方法によれば、例えば、前述した様な用途に使用される、あまり高度の回転精度を要求されないラジアル玉軸受を構成する外輪を、実用上十分な精度を確保しつつ、低コストで得られる。
即ち、造るべき外輪の容積に(材料の除去を伴う仕上加工を施す場合にはその取り代を勘案した状態で)一致させた容積を有する高精度素材を冷間加工により塑性変形させて上記外輪とする為、この外輪の形状精度並びに寸法精度を高度に確保できる。
尚、加工精度を向上させる事で、前述した様な用途に比べて高精度を要求される玉軸受用の外輪に対する本発明の適用が可能である事は当然である。
請求項2に記載した発明を実施する場合に、例えば、請求項3に記載した様に、外輪軌道が深溝型であって、第三工程で軸方向中間部内周面に、軌道面用曲面と対称形の軌道面用第二曲面を、この軌道面用曲面と連続させて形成する事により、内周面の軸方向中間部に上記深溝型の外輪軌道を形成する。
この様に構成すれば、汎用性が高く、前述した様な用途に使用される汎用のラジアル玉軸受として一般的な、単列深溝型の玉軸受を構成する為の外輪を、冷間加工により効率良く造れる。
又、上述の様な請求項3に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、外輪を、内周面の軸方向両端部に密封板の外周縁部を係止する為の係止溝部を設けたものとする。そして、素材の軸方向両端部に、内径が軸方向中間部よりも大きくなった段差部を形成する予備工程を第一工程の前に、この段差部を塑性加工して上記両係止溝部とする後工程を第三工程の後に、それぞれ備える。
この様な構成を採用すれば、上記両係止溝部に就いても、旋削加工等の材料の除去を伴う加工を行なう事なく、容易に且つ精度良く加工できる。
更に、上述の様な請求項4に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、後工程の後、外輪軌道と両係止溝部とをローリング加工により同時に仕上げる仕上工程を備える。
この様な構成を採用すれば、コスト上昇を抑えつつ、上記外輪軌道及び上記両係止溝部の性状を良好にできる。即ち、上記ローリング加工は、これら外輪軌道及び両係止溝部の性状を良好にする為に一般的に行なわれている、砥石を使用した研磨に比べて短時間で行なう事ができ、しかも、研磨粉が混入した廃液が生じる事もない。この為、仕上工程を実施した場合でも、上記外輪の仕上作業の効率化を確保し、しかも廃液処理のコストを省いて、高精度の軌道面を有する外輪を低コストで得られる。
図1〜6は、本発明の実施例を示している。本発明の特徴は、予め外輪2a{図1の(F)参照}の容積と実質的に同じ容積を有する円筒状の高精度素材8{図1の(A)参照}を造った後、冷間加工によりこの高精度素材8を塑性変形させて、上記外輪2aとする点にある。この高精度素材8を造る方法に就いては、特に限定しないが、材料の歩留を良好にしてコスト低減を図る面から、長尺な線材(コイル)を所定長さに切断してこれに冷間で塑性加工を施して造る事が好ましい。或は、板材を円輪状に打ち抜いてこの断面形状を90度捩る事で、上記高精度素材8とする事もできる。高精度素材8を何れの方法により造った場合でも、この高精度素材8を次の様な工程で冷間加工により塑性変形させ、上記外輪2aとする。
本実施例の場合には、図1の(A)に示した上記高精度素材8を、(B)に示した予備中間素材9、(C)に示した第一中間素材10、(D)に示した第二中間素材11、(E)に示した第三中間素材12を経て、(F)に示した外輪2aとする。以下、それぞれの工程に就いて、順番に説明する。
上記高精度素材8を上記予備中間素材9とするには、この高精度素材8の外周面を図示しない抑え型の内周面に内嵌し、同じく内周面を中子に外嵌した状態で、この高精度素材8の軸方向(図1の上下方向)両端面の内径側半部に、やはり図示しないパンチの先端面を、全周に亙って押し付ける。この結果、上記高精度素材8の軸方向両端面の内径側半部が軸方向に凹んで、当該部分に段部13、13を有する、上記予備中間素材9を得られる。この際、これら両段部13、13を形成する事に伴って径方向(図1の左右方向)外方に流動した肉は、上記軸方向両端部の外径側半部が軸方向に突出する事で吸収される。尚、この様にして造られる、上記予備中間素材9の外径は、造るべき外輪2aの外径よりも大きい。
そこで、この予備中間素材9の一部{軸方向一端部(図1の上端部)を除く部分}の径を、上記外輪2aの外径にまで縮める、縮管加工を、上記予備中間素材9に施す。この縮管加工は、図2に示す様にして行なう。
先ず、(A)に示す様に、この予備中間素材9を、ダイ14に設けた加工孔15の大径部16に内嵌(セット)する。次いで、(B)に示す様に、パンチ17により上記予備中間素材9を、上記加工孔15の奥にまで押し込む。この加工孔15は、上記大径部16とこの大径部16よりも奥側に設けた小径部18とを滑らかな曲面部19により連続させて成る。又、この小径部18の内径は、上記外輪2aの外径と一致させている。従って、上記パンチ17により上記加工孔15の奥部に存在する上記小径部18に押し込まれた、上記予備中間素材9の一部の外径は、上記外輪2aの外径と一致する状態に縮められて、前記第一中間素材10となる。
尚、図示の例では、上記パンチ17の先端面の一部に凸曲面部20を形成する事により、上記第一中間素材10の内周面の一部に断面円弧状の凹曲面部21を、全周に亙って形成する様にしている。上記パンチ17がこの凹曲面部21を形成するのは、上記予備中間素材9を上記第一中間素材10とする加工の初期段階で行なわれる。従って、上述の様に予備中間素材9の一部の外径を縮めて第一中間素材10とすべく、上記外径を縮める作業の進行の過程で、加工応力は、上記初期段階を除き、上記曲面部19と上記予備中間素材9の外周面との当接部にのみ加わる。従って、上記加工孔15の曲面部19による、上記第一中間素材10の外周面の塑性加工は、精度良く行なえる。この部分の加工を精度良く行なう事は、得られる外輪軌道5{図1の(F)或いは図7参照}の精度を確保する面から重要である。この点に関しては、後で詳しく述べる。この様にして造られた、この第一中間素材10は、ノックアウトリング22により上記加工孔15から押し出して、次の工程に送る。
この次の工程では、上記第一中間素材10の内周面に、外輪軌道5の軸方向片半部(図1の下半部)を形成する為の、内径押出加工を施す。この内径押出加工は、図3に示す様にして行なう。
先ず、(A)に示す様に、上記第一中間素材10を、ダイ23に設けた加工孔24に内嵌すると共に、この第一中間素材10の軸方向一端面(図3の下端面)を、この加工孔24内に挿入したカウンターリング25の先端面(図3の上端面)に突き当てる(セットする)。この状態で、上記第一中間素材10の外周面は上記加工孔24の内周面に、同じく軸方向一端面は上記カウンターリング25の先端面に、それぞれ隙間なく当接する。又、このカウンターリング25と上記ダイ23との軸方向(図3の上下方向)に関する位置関係は、厳密に規制されている。
上記第一中間素材10を上述の様にセットしたならば、次いで、(B)に示す様に、パンチ26により上記第一中間素材10の内周面を扱く。このパンチ26の先端部は、上記カウンターリング25内に隙間なく挿入した状態で(同心度を厳密に規制した状態で)このカウンターリング25に対する軸方向の変位を可能となる、小径部27としている。そして、この小径部27と、基端寄り(図3の上寄り)部分に設けた、この小径部27と同心の大径部28とを、凸曲面部29により連続させている。この凸曲面部29の断面形状は、上記加工すべき上記外輪軌道5の軸方向片半部の断面形状と一致する、円弧状である。上記内径押出加工では、上記パンチ26の凸曲面部29を上記第一中間素材10の内周面に存在する前記凹曲面部21に突き当て、この凹曲面部21の形状を矯正しつつ、この凹曲面部21を上記第一中間素材10の軸方向一端部に向けて、所定位置にまで移動させる(内径寄り部分を扱く)。
この結果、内周面の軸方向一端寄り部分に、上記外輪軌道5の軸方向片半部となる凹曲面部21aを備えた、前記第二中間素材11を得られる。この様にしてこの第二中間素材11を造る際、上述の様に凹曲面部21の形状を矯正しつつ所定位置にまで移動させて上記外輪軌道5の軸方向片半部となる凹曲面部21aとする、扱き作業の進行の過程で、加工応力は、上記凸曲面部29と上記凹曲面部21との当接部にのみ加わる。従って、この凸曲面部29による、上記外輪軌道5の軸方向片半部となる凹曲面部21aの塑性加工は、精度良く行なえる。この様にして造られた上記第二中間素材11のうち、この凹曲面部21aを設けた軸方向一端寄り部分{図3の(B)の下半部}の形状は、造るべき外輪2aの該当部分の形状に、ほぼ一致している。又、前記図2に示した縮管加工の際、加工孔15の中間部に設けた曲面部19により段付形状に加工された部分に関しては、上記図3に示した内径押出加工を終了した時点で、径方向に関する肉厚の軸方向に関する分布が、造るべき外輪2aの該当部分の分布に(次述する外輪軌道形成加工時に直径が縮まる事に伴う肉厚の変化分を勘案した上で)一致している。この為に、上記図2に示した縮管加工の際、上記曲面部19の形状、並びに、前記ダイ14に対する前記パンチ17の挿入量(更には、次述する図4に示したダイ30の加工孔31の曲面部35の形状)を厳密に規制している。この様にして造られた、上記第二中間素材11は、前記カウンターリング25により前記加工孔24から押し出して、次の工程に送る。
この次の工程では、上記第二中間素材11の軸方向他端寄り(図3〜4の上端寄り)部分の外径を縮めて、外径を(両端縁部の面取り部を除いて)軸方向全長に亙って均一にすると共に、内周面に上記外輪軌道5を形成する、外輪軌道形成加工を行なう。この外輪軌道形成加工は、図4に示す様にして行なう。
先ず、(A)に示す様に、上記第二中間素材11を、ダイ30に設けた加工孔31に内嵌(セット)する。この際、この第二中間素材11のうちで外径が既に縮められている部分を上記加工孔31の小径部32に、未だ縮められていない部分を同じく大径部33に、それぞれ隙間なく内嵌する。次いで、(B)に示す様に、パンチ34により上記第二中間素材11全体を、上記加工孔31の奥側の小径部32内に押し込む。
この押し込み作業の結果、上記未だ縮められていない部分が、上記大径部33と上記小径部32とを連続させる曲面部35により扱かれて、この部分の外径も、上記外輪2aの外径と一致する状態に縮められる。同時に、この部分の内径側に、上記外輪軌道5の軸方向他半部となる凹曲面部36が形成される。即ち、上述した様に、上記未だ縮められていない部分の径方向に関する肉厚の軸方向に関する分布は、造るべき外輪2aの該当部分の分布に(直径を縮める事に伴う肉厚増加分を勘案した上で)一致させている。この為、上記部分の外径を上記外輪2aの外径と一致する状態に縮めると、内周面側の断面形状が上記外輪軌道5の軸方向他半部と一致する様になり、上記凹曲面部36となる。この様な凹曲面部36は、前記凹曲面部21aと連続して、深溝型の上記外輪軌道5を構成し、前記第三中間素材12となる。
この様にして得られた、この第三中間素材12には、仕上加工を施して、内周面の軸方向両端部に、密封板の外周縁部を係止する為の係止溝を形成する。この係止溝の加工作業は、図5或いは図6に示す様にして行なう。
このうちの図5に示した第1例の方法は、上記第三中間素材12の内径側を1対の中子37a、37bにより抑えた状態で、この第三中間素材12の軸方向両端面の外径寄り部分を1対のリング状パンチ41a、41bにより軸方向に押圧する、プレス加工である。このプレス加工により、上記第三中間素材12の軸方向両端部外径寄り部分が、軸方向内方並びに径方向内方に倒れ込む様に塑性変形し、前記両段部13、13部分に密封板の外周縁部を係止する為の係止溝38、38を形成して、外輪2aとする。
又、図6に示した第2例の方法は、互いに偏心した状態で配置されて同方向に回転するアウタローラ39の内周面とインナローラ40の外周面との間で上記第三中間素材12を径方向両側から押圧する、ローリング加工である。上記アウタローラ39の内周面は単なる円筒面として、上記第三中間素材12の外周面を支えられる様にしている。これに対して、上記インナローラ40の外周面の軸方向中間部の断面形状は、上記造るべき外輪2aの内周面の断面形状と一致させている。本例の場合には、この様なインナローラ40の外周面と上記アウタローラ39の内周面との間に上記第三中間素材12を挟持し、このインナローラ40を、このアウタローラ39に向け押し付けつつ回転させる事で、このインナローラ40の中間部外周面の形状を上記第三中間素材12の内周面に転写し、上記外輪軌道5の性状を整える(仕上げる)と共に、この内周面と軸方向両端部に、密封板の外周縁部を係止する為の係止溝38、38を形成する様にしている。
尚、図5に示す方法を実施した後、図6に示した方法を実施する(両方法を組み合わせる)事もできる。
何れの方法により係止溝38、38を形成した場合でも、得られた外輪2aには、転がり疲れ寿命を確保する為に上記外輪軌道5部分を硬化させるべく、熱処理(焼き入れ)を施す。熱処理を施した外輪2aは、そのまま内輪3及び玉4、4と組み合わせて図7に示す様なラジアル玉軸受1とする事もできる。更に、回転精度、或いは回転時に振動及び騒音を低く抑える必要がある場合には、上記熱処理後、上記外輪軌道5部分に、表面粗さを向上させる為の研磨を施す事もできる。
外輪加工工程を示す断面図。 外輪加工工程のうちの縮管加工工程を示す断面図。 同じく内径押出加工工程を示す断面図。 同じく外輪軌道形成加工工程を示す断面図。 同じく密封板用の係止溝の加工工程の第1例を示す断面図。 同第2例を示す断面図。 本発明の対象となる外輪を組み込んだラジアル玉軸受の1例を示す部分切断斜視図。
符号の説明
1 ラジアル玉軸受
2、2a 外輪
3 内輪
4 玉
5 外輪軌道
6 内輪軌道
7 保持器
8 高精度素材
9 予備中間素材
10 第一中間素材
11 第二中間素材
12 第三中間素材
13 段部
14 ダイ
15 加工孔
16 大径部
17 パンチ
18 小径部
19 曲面部
20 凸曲面部
21、21a 凹曲面部
22 ノックアウトリング
23 ダイ
24 加工孔
25 カウンターリング
26 パンチ
27 小径部
28 大径部
29 凸曲面部
30 ダイ
31 加工孔
32 小径部
33 大径部
34 パンチ
35 曲面部
36 凹曲面部
37a、37b 中子
38 係止溝
39 アウタローラ
40 インナローラ
41a、41b リング状パンチ

Claims (5)

  1. 内周面の軸方向中間部に断面円弧形の外輪軌道を全周に亙って形成したラジアル玉軸受用外輪に於いて、完成品の容積と実質的に同じ容積を有する円筒状の素材を冷間鍛造で塑性変形させる事により、上記外輪軌道を含む表面形状を、実質的に完成品と同じ形状に加工されたものである事を特徴とするラジアル玉軸受用外輪。
  2. 内周面の軸方向中間部に断面円弧形の外輪軌道を全周に亙って形成したラジアル玉軸受用外輪の製造方法に於いて、
    造るべき外輪の容積と実質的に同じ容積を有する円筒状の素材の軸方向の一部の直径を縮める事により、この縮めた部分を上記外輪の外径と実質的に同じ外径を有する小径部とし、縮めない残りの部分を大径部とした第一中間素材とする第一工程と、
    この第一中間素材の軸方向中間部内周面のうちで上記小径部に対応する部分に、上記外輪軌道の少なくとも一部となる断面円弧形の軌道面用曲面を全周に亙り形成すると共に、軸方向に関してこの軌道面用曲面と上記大径部側に隣接する部分の径方向に関する厚さ寸法の軸方向に関する分布を、造るべき外輪の該当する部分の分布と一致させて、第二中間素材とする第二工程と、
    上記第二中間素材の大径部の外径を上記小径部の外径と同じにまで縮める第三工程とを有する、
    ラジアル玉軸受用外輪の製造方法。
  3. 外輪軌道が深溝型であって、第三工程で軸方向中間部内周面に、軌道面用曲面と対称形の軌道面用第二曲面を、この軌道面用曲面と連続させて形成する事により、内周面の軸方向中間部に上記深溝型の外輪軌道を形成する、請求項2に記載したラジアル玉軸受用外輪の製造方法。
  4. 外輪が、内周面の軸方向両端部に密封板の外周縁部を係止する為の係止溝部を設けたものであり、第一工程の前に、素材の軸方向両端部に、内径が軸方向中間部よりも大きくなった段差部を形成する予備工程を備え、第三工程の後に、この段差部を塑性加工して上記係止溝部とする後工程を備える、請求項3に記載したラジアル玉軸受用外輪の製造方法。
  5. 後工程の後、外輪軌道と両係止溝部とをローリング加工により同時に仕上げる仕上工程を備える、請求項4に記載したラジアル玉軸受用外輪の製造方法。
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