本発明に係る第1、第2の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する第1、第2の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<第1の実施形態> 初めに、本発明の第1の実施形態に係る弾球遊技機1の構成について図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾球遊技機1の遊技盤2の正面(前面)側盤面を示す正面図である。この弾球遊技機1の遊技盤2の中央やや上付近には、図柄や遊技演出等の識別情報を可変表示する可変表示装置の一例として図柄表示装置4が配設されている。この図柄表示装置4は、主に液晶ディスプレイが使用されるが、画面上に画像等の識別情報を表示可能であれば、例えば、CRT、ドットマトリックス等の表示装置であっても良い。
図柄表示装置4の左下端部には後述する第1の始動入賞部14に入賞後保留された遊技球の個数を表示する第1の保留表示部17が配設され、右下端部には後述する第2の始動入賞部24に入賞後保留された遊技球の個数を表示する第2の保留表示部27が配設されている。この、第1、第2の保留表示部はそれぞれ4個のランプ(例えば、LEDランプ)より構成され、弾球遊技機1では最大4個までの遊技球がそれぞれ保留され得る。
また、図柄表示装置4の上下両方向には、複数の釘が略直線状に配置され遊技盤2の遊技領域を左右に分ける仕切り釘列3が形成されている。この仕切り釘列3より左側(正面左側、以下同様)の領域が第1の遊技領域10となり、右側の領域が第2の遊技領域20となっている。第1の遊技領域10の左端には、図示しない遊技球発射装置(発射手段)から遊技盤2の左上方に打ち出された遊技球を案内する第1のガイドレール11が配設されている。同様に、第2の遊技領域20の右端には、遊技球発射装置から遊技盤2の右上方に打ち出された遊技球を案内する第2のガイドレール21が配設されている。すなわち、本実施形態に係る弾球遊技機1の遊技球発射装置(発射手段)は、左右両側のガイドレールへの遊技球の打ち出しが可能な構成となっている。
図柄表示装置4の下方向には、遊技球が通過可能で、水平方向に細長く延びた矩形上のゲートが二つ階状に配設されている。上のゲートは、ラウンド数ゲートであって、第1の遊技領域10に配設された第1のラウンド数ゲート12(第1のラウンド数決定手段)と第2の遊技領域20に配設された第2のラウンド数ゲート22(第2のラウンド数決定手段)とからなる。また、下のゲートは、カウント数ゲートであって、第1の遊技領域10に配設された第1のカウント数ゲート13(第1のカウント数決定手段)と第2の遊技領域20に配設された第2のカウント数ゲート23(第2のカウント数決定手段)とからなる。この、第1、第2のラウンド数ゲート12、22(以下、「ラウンド数ゲート(12、22)」という)と第1、第2のカウント数ゲート(以下、「カウント数ゲート(13、23)」という)は、遊技球がそれぞれ通過可能な複数の小ゲート(通過ゲート)より構成され、各小ゲートは遊技球の通過を検出するセンサとランプとを備える。なお、本実施形態においては、第1のラウンド数ゲート12は、後述するように、遊技球が通過することにより普通図柄抽選を開始させる機能も有する。
ラウンド数ゲート(12、22)の各小ゲートには、所定のラウンド数が割り当てられており、例えば、図1に示す第1のラウンド数ゲート12には左端の小ゲートから「3ラウンド」、「1ラウンド」、「4ラウンド」、「2ラウンド」、「5ラウンド」がそれぞれの小ゲートに割り当てられている。また、図1に示す第2のラウンド数ゲート22には右端の小ゲートから「7ラウンド」、「10ラウンド」、「15ラウンド」、「10ラウンド」、「6ラウンド」がそれぞれ割り当てられている。すなわち、第2のラウンド数ゲート22の各小ゲートには、第1のラウンド数ゲート12に割り当てられた各ラウンド数より大きなラウンド数が割り当てられている。
同様に、カウント数ゲート(13、23)の各小ゲートには、所定のカウント数が割り当てられており、例えば、図1に示す第1のカウント数ゲート13には左端の小ゲートから「5カウント」、「10カウント」、「7カウント」、「5カウント」、「7カウント」、「5カウント」、「9カウント」が割り当てられ、図1に示す第2のカウント数ゲート23には右端の小ゲートから「10カウント」、「9カウント」、「10カウント」、「9カウント」、「10カウント」、「9カウント」、「10カウント」が割り当てられている。ここで、第2のカウント数ゲート23の各小ゲートには、第1のカウント数ゲート13に割り当てられた各カウント数の平均(6.857)より大きなカウント数が割り当てられている。すなわち、第1のカウント数ゲート13にも、第2のカウント数ゲート23に割り当てられた「9カウント」、「10カウント」が割り当てられているが、第1のカウント数ゲート13に割り当てられたカウント数の平均(6.857)は、第2のカウント数ゲート23に割り当てられたカウント数の平均(9.571)より低くなっている。
第1のカウント数ゲート13の下方(第1の遊技領域10)には、第1の始動入賞部14が配設されている。この第1の始動入賞部14の上部には、開口幅を拡大させる拡大片15、15(拡大手段)が配設されている。この拡大片15、15は、通常は遊技球を1個通過可能とするが2個同時通過不可能な幅を保つことにより、第1の始動入賞部14への遊技球の入球を困難なものとしているが、拡大作動時は広い範囲で遊技球を拾うことが可能となり、第1の始動入賞部14への遊技球の入球を容易なものとする。
本実施形態の弾球遊技機1では、第1の遊技領域10に打ち出された遊技球が第1のラウンド数ゲート12を通過すると、第1のカウント数ゲート13の左上方向に設けられた普通図柄表示部16における普通図柄の変動表示(普通図柄抽選)が開始される。普通図柄は普通図柄表示部16に用いられたランプ(例えば、LEDランプ)の表示によって示され、当該ランプが所定の状態に点灯すると当選となり、始動入賞部14の拡大片15、15が所定時間だけ作動される。なお、普通図柄抽選の開始は、第1のラウンド数ゲート12の特定の小ゲートを遊技球が通過した場合としてもよく、また、第1のカウント数ゲート13やその特定の小ゲートとしてもよく、更に、他のゲートを追加で設けてもよい。
これに対し、第2のカウント数ゲート23の下方(第2の遊技領域20)には、第2の始動入賞部24が配設されている。この第2の始動入賞部24は、その上部に開口部(入球部)が形成されたコップ状の役物であり、該開口部は遊技球を1個通過可能とする大きさである。このように、第2の始動入賞部24は、遊技球の入球が第1の始動入賞部14より困難となる構成をとっている。
遊技盤2の下部中央には、可変入賞部としてのアタッカーユニット30が配設されている。このアタッカーユニット30の正面略中央には、特別遊技が実行される際(大当たり)に開放される大入賞口31が形成され、この大入賞口31の内部には、図示しないVゾーン(領域)が設けられている。特別遊技(大当たり)とは、図柄表示装置4に停止表示される図柄が所定の大当たり図柄の場合に遊技者に特別の利益が提供されるような遊技であって、特別遊技は所定のラウンド数(例えば、最大15ラウンド)の単位特別遊技より構成される。単位特別遊技とは、通常は閉鎖されている大入賞口31を、例えば、所定個数の遊技球の入球があるまで、又は、所定時間を経過するまで開放させ、この間に大入賞口31に入球した各遊技球に対して所定の個数の賞球を遊技者に与えるような遊技である。
本発明に係る弾球遊技機1では、第1の単位特別遊技を繰り返す第1の特別遊技と第2の単位特別遊技を繰り返す第2の特別遊技とが実行され得ることが特徴の一つである。また、大入賞口31が開放された間に遊技球が大入賞口31の内部に設けられたVゾーンを通過(V入賞)すると、大入賞口31は一旦閉鎖(第1又は第2の単位特別遊技の終了)された後に、新しいラウンドの第1又は第2の単位特別遊技が開始される(以下、同様)。なお、第1の特別遊技及び第2の特別遊技の詳細については後述する。
第1、第2の始動入賞部14、24の下方には、入賞口5、5が配設されており、遊技球が入賞口5、5に入球すると所定個数の賞球が遊技者に与えられる。また、遊技盤2の下端には、第1、第2の始動入賞部14、24、入賞口5、5、アタッカーユニット30の何れにも入球しなかった遊技球を排出するアウト口9が配設されている。また、遊技盤2には、遊技球の落下方向に変化を与える風車7、7や図示しない釘が配設され、遊技盤2の前面は、図示しないガラス板で覆われている。更に、遊技盤2の下方には、遊技球を遊技盤2の正面側下端から左上方又は右上方へ打ち出すための図示しない弾球ハンドルや、第1、第2の始動入賞部14、24、入賞口5、5、アタッカーユニット30に遊技球が入球したときに所定の個数の遊技球が払い出される図示しない賞球払出口、及び、それらの遊技球を受ける球受け皿がそれぞれ配設されている。
次に、以上のような構成の弾球遊技機1を用いた遊技の概要を説明する。遊技者が図示しない弾球ハンドルを操作すると、遊技球が発射され、第1、第2のガイドレール11、21に案内されて遊技盤2の第1又は第2の遊技領域10、20の各上方に放出される。前述したように、本実施形態における遊技球発射装置は遊技球を左右のいずれの方向にも打ち出し可能な発射手段であって、更に、遊技者が弾球ハンドルを時計方向に回転させると遊技球は第1の遊技領域10に打ち出され、弾球ハンドルを反時計方向に回転させると遊技球は第2の遊技領域20に打ち出されるようにしてもよい。このように、遊技者の選択により第1の遊技領域10又は第2の遊技領域20へ遊技球を打ち出すことを可能とすれば、遊技者の意思による第1の遊技領域10での遊技又は第2の遊技領域20での遊技の選択が可能となる。
次に、第1の遊技領域10に遊技球を打ち出す場合の遊技内容について説明する。第1の遊技領域10に遊技球が最初に打ち出されると、第1の遊技領域10におけるゲームが開始する。第1の遊技領域10に打ち出された遊技球は、風車7や図示しない釘等に接触して落下方向を変化させながら、ほとんどの遊技球は第1のラウンド数ゲート12と第1のカウント数ゲート13とを通過し、その一部の遊技球は入賞口5又は第1の始動入賞部14に入球する。遊技球が入賞口5に入球すると、賞球払出口から例えば5球の賞球が遊技者に払い出される。入賞口5又は第1の始動入賞部14のいずれにも入球しなかった遊技球は、アウト口9を経由して遊技盤2の裏面側に排出される。また、一部の遊技球は、第1のラウンド数ゲート12の左側の隙間や第1のカウント数ゲート13の左側の隙間を通過して第1の遊技領域10内を流下することもある。
第1の遊技領域10に打ち出された最初の遊技球(各ゲームにおいて、第1のラウンド数ゲート12を最初に通過する遊技球を意味する。以下同様)が第1のラウンド数ゲート12を通過すると、通過した小ゲートのランプが点灯する。例えば、図1に示す第1のラウンド数ゲート12の真ん中の小ゲート(4ラウンド)を最初の遊技球が通過すると、この小ゲート(4ラウンド)が点灯され、当該小ゲートに割り当てられたラウンド数(4ラウンド)が後述する第1の特別遊技における第1のラウンド数と決定される。なお、この決定された第1のラウンド数は、各ゲームが終了するまで保持されるので、最初の遊技球以降の遊技球が第1のラウンド数ゲート12の他の小ゲートを通過してもランプが点灯されることなく、また、決定された第1のラウンド数が変更されることもない。
第1の遊技領域10に打ち出された最初の遊技球(各ゲームにおいて、第1のカウント数ゲート13を最初に通過する遊技球を意味する。以下同様)が第1のカウント数ゲート13を通過すると、通過した小ゲートのランプが点灯する。例えば、図1に示す第1のカウント数ゲート13の真ん中の小ゲート(5カウント)を最初の遊技球が通過すると、この小ゲート(5カウント)が点灯され、当該小ゲートに割り当てられたカウント数(5カウント)が後述する第1の単位特別遊技における第1のカウント数(個数)と決定される。なお、この決定された第1のカウント数は、各ゲームが終了するまで保持されるので、最初の遊技球以降の遊技球が第1のカウント数ゲート13の他の小ゲートを通過してもランプが点灯されることなく、また、決定された第1のカウント数が変更されることもない。
また、遊技球が第1のラウンド数ゲート12を通過する毎に、第1のラウンド数ゲート12の各小ゲートに設けられたセンサが通過信号を発信し、この通過信号を契機に普通図柄表示部16において普通図柄の変動(普通図柄抽選)が開始される。そして、変動が開始してから例えば10秒が経過すると、抽選された結果の態様で普通図柄が停止する。このとき普通図柄の停止態様が予め定められた当たりの態様であれば、第1の始動入賞部14の拡大片15、15が作動され、例えば0.5秒間だけ保持される。この間、第1の始動入賞部14の開口幅が拡大されているので、第1の始動入賞部14への入球が容易となる。また、普通図柄の停止態様が予め定められた外れの態様であれば、第1の始動入賞部14の拡大片15、15は作動されないが、この場合でも、上述したように、第1の始動入賞部14への入球は可能である。なお、普通図柄表示部16において普通図柄の変動中に遊技球が第1のカウント数ゲート12を通過した場合には、その分の変動は本実施形態では無効とされるが、保留されて順次実行されるようにしてもよい。
次に、遊技球が第1の始動入賞部14に入球すると、図示しない始動入賞検出装置からの検出信号を契機に賞球払出口から例えば5球の賞球が遊技者に払い出されると共に、乱数抽選による大当たり抽選が開始される。この大当たり抽選による結果は、図柄表示装置4に図柄を変動表示した後停止図柄を表示する図柄変動演出と図示しない音声出力部からの音声出力により遊技者に報知される。この図柄変動演出は、単に大当たり抽選の結果を遊技者に報知するのみでなく、遊技者に大当たり当選を期待又は予感させる、例えば、リーチ、ダブルリーチ等の遊技演出を含み、遊技者に多くの興趣を与えるものである。
なお、図柄表示装置4に図柄が変動表示されている最中(図柄変動中)に遊技球が第1の始動入賞部14に入球した場合、最大4個までの入賞球に対して大当たり抽選の権利が保留され、保留された遊技球(以下、「保留球」という)の個数に対応した第1の保留表示部17のランプが点灯される。
図柄表示装置4に所定の大当たり図柄(例えば、「7」「7」「7」の特定のゾロ目の図柄)が停止表示されると大当たり当選であって、それ以外の図柄が停止表示されると外れである。ここで、図柄表示装置4に大当たり又は外れの図柄が停止表示されると、第1の遊技領域10に遊技球が打ち出されて開始したゲームが終了する。該ゲームが終了すると決定された第1のラウンド数及び第1のカウント数が解除(無効となる)され、次に、第1の遊技領域10に遊技球が打ち出されることにより、新たなゲームが開始する。但し、上述した保留球がある場合には、すべての保留球に対する大当たり又は外れの図柄が停止表示されるまで当該ゲームが継続されるものとする。
次に、図柄表示装置4に所定の大当たり図柄が停止表示され大当たり当選となると、続いて、第1の特別遊技が開始される。第1の特別遊技は、第1の単位特別遊技を所定の条件で繰り返し行う遊技である。ここで、第1の単位特別遊技とは、第1のカウント数ゲート13で決定された第1のカウント数(個数)の遊技球が大入賞口31に入球するまで又は所定の時間(例えば30秒)が経過するまでアタッカーユニット30を開放状態とさせ、当該開放状態中に入球した各遊技球に対して所定の個数(例えば10球)の賞球を遊技者に与える遊技である。そして、このような第1の単位特別遊技中に大入賞口31に入球した遊技球が大入賞口31内に設けられたVゾーンを通過(V入賞)することを条件として、この第1の単位特別遊技が第1のラウンド数ゲート12で決定された第1のラウンド数を限度に繰り返し実行される。但し、第1の単位特別遊技中に遊技球がV入賞しなかった場合には、ラウンドの更新はされずに第1の特別遊技は終了する。
次に、第2の遊技領域20に遊技球を打ち出す場合の遊技内容について説明する。但し、前述した第1の遊技領域10に遊技球を打ち出す場合の遊技内容と共通の部分についての説明は一部省略し、異なる部分についての説明を中心に行う。
第2の遊技領域20に遊技球が最初に打ち出されると、第2の遊技領域20におけるゲームが開始する。第2の遊技領域20に打ち出された遊技球は、第1の遊技領域10に打ち出された遊技球と同様に、風車7や釘等に接触して落下方向を変化させながら、ほとんどの遊技球は第2のラウンド数ゲート22と第2のカウント数ゲート23とを通過し、その一部の遊技球は入賞口5又は第2の始動入賞部24に入球する。第2の始動入賞部24は、前述したように、その上部に遊技球を1個通過可能とする開口部が形成されたコップ状の役物であって、その上部開口部には第1の始動入賞部14のような拡大片15、15は形成されていないので、遊技球の入球は第1の始動入賞部14より困難である。また、入賞口5又は第2の始動入賞部24のいずれにも入球しなかった遊技球は、第1の遊技領域10と同様に、アウト口9を経由して遊技盤2の裏面側に排出される。
第2の遊技領域20に打ち出された最初の遊技球が第2のラウンド数ゲート22を通過すると、通過した小ゲートのランプが、第1のラウンド数ゲート12と同様に点灯する。例えば、図1に示す第2のラウンド数ゲート22の真ん中の小ゲート(15ラウンド)を最初の遊技球が通過すると、この小ゲート(15ラウンド)が点灯し、当該小ゲートに割り当てられたラウンド数(15ラウンド)が後述する第2の特別遊技における第2のラウンド数と決定される。なお、前述したように、第2のラウンド数ゲート22の各小ゲートには、第1のラウンド数ゲート12に割り当てられた各ラウンド数より大きなラウンド数が割り当てられているので、決定された第2のラウンド数(例えば15ラウンド)は第1のラウンド数(例えば5ラウンド)より大きい。また、この決定された第2のラウンド数は、第1の遊技領域10での遊技と同様に、各ゲームが終了するまで保持される。
第2の遊技領域20に打ち出された最初の遊技球が第2のカウント数ゲート23を通過すると、通過した小ゲートのランプが、第1のカウント数ゲート13と同様に点灯する。例えば、図1に示す第2のカウント数ゲート23の真ん中の小ゲート(9カウント)を最初の遊技球が通過すると、この小ゲート(9カウント)が点灯し、当該小ゲートに割り当てられたカウント数(9カウント)が後述する第2の単位特別遊技における第2のカウント数と決定される。なお、前述したように、第2のカウント数ゲート23の各小ゲートには、第1のカウント数ゲート13に割り当てられた各カウント数の平均(6.857)より大きなカウント数(9カウント又は10カウント)が割り当てられている。また、この決定された第2のカウント数は、第1の遊技領域10での遊技と同様に、各ゲームが終了するまで保持される。
次に、遊技球が第2の始動入賞部24に入球すると、図示しない始動入賞検出装置からの検出信号を契機に、第1の始動入賞部14と同様に、5球の賞球が遊技者に払い出されると共に、乱数抽選による大当たり抽選が開始される。この大当たり抽選は、遊技球が第1の始動入賞部14に入球した場合と同じ乱数抽選であって、また、図柄表示装置4に図柄を変動表示中に最大4個までの入賞球が同様に保留され得る。
そして、図柄表示装置4に所定の大当たり図柄(第1の始動入賞部14に遊技球が入球した場合と同じ図柄でも異なる図柄でもよい)が停止表示されると大当たり当選であって、それ以外の図柄が停止表示されると外れである。なお、図柄表示装置4に大当たり又は外れの図柄が停止表示されると、第2の遊技領域20でのゲームが終了する。該ゲームが終了すると決定された第2のラウンド数及び第2のカウント数が解除(無効となる)され、次に、第2の遊技領域20に遊技球が打ち出されることにより、新たなゲームが開始する。但し、保留球がある場合には、すべての保留球に対する大当たり又は外れの図柄が停止表示されるまで当該ゲームが継続する。
次に、図柄表示装置4に所定の大当たり図柄が停止表示され大当たり当選となると、続いて、第2の特別遊技が開始される。第2の特別遊技は、第2の単位特別遊技を所定の条件で繰り返し行う遊技である。そして、第2の単位特別遊技とは、第2のカウント数ゲート23で決定された第2のカウント数(個数)の遊技球が大入賞口31に入球するまで又は所定の時間(例えば、第1の単位特別遊技と同じ30秒又はそれ以上の時間)が経過するまでアタッカーユニット30を開放状態とさせ、当該開放状態中に入球した各遊技球に対して所定の個数(例えば、第1の単位特別遊技と同じ10球又はそれ以上の個数)の賞球を遊技者に与える遊技である。すなわち、第2の単位特別遊技は、第2のカウント数ゲート23で決定された第2のカウント数(個数)の遊技球が大入賞口31に入球するまでアタッカーユニット30を開放状態とさせ得る点で、第1の単位特別遊技(第1のカウント数(個数)の遊技球が入球するまでアタッカーユニット30を開放状態とさせ得る)と異なる。ここで、第2のカウント数ゲート23の各小ゲートには9又は10カウントが割り当てられており、第1のカウント数ゲート13(5、7、9又は10カウントのいずれか)より有利なカウント数(個数)を期待することができる。
更に、第2の特別遊技では、このような第2の単位特別遊技中に大入賞口31に入球した遊技球が大入賞口31内に設けられたVゾーンを通過(V入賞)することを条件として、この第2の単位特別遊技が第2のラウンド数ゲート12で決定された第2のラウンド数を限度に繰り返し実行される。ここで、第2のラウンド数ゲート22の各小ゲートには6、7、10又は15ラウンドのいずれかが割り当てられており、第1のラウンド数ゲート12(1、2、3、4又は5ラウンドのいずれか)より有利なラウンド数を期待することができる。但し、第2の単位特別遊技中に遊技球がV入賞しなかった場合には、第1の特別遊技と同様に、ラウンドの更新はされずに第2の特別遊技は終了する。
このように、第2の特別遊技は、第2の単位特別遊技において大入賞口31に入球可能な遊技球の個数が第1の単位特別遊技より多く、更に、単位特別遊技が更新可能なラウンド数も第1の特別遊技より多いので、第1の特別遊技より多くの賞球を得ることが可能な遊技者にとってより有利な特別遊技である。その一方で、第2の始動入賞部24は、遊技球の入球が第1の始動入賞部14よりかなり困難な構成となっている。
これにより、第2の領域20での遊技の特徴は、第2の始動入賞部24への遊技球の入球(すなわち大当たり抽選を開始させること)が困難であるが、大当たり抽選に当選すると第1の特別遊技より遊技者にとって有利な第2の特別遊技が実行され得る。一方、第1の領域10での遊技の特徴は、第1の特別遊技が第2の特別遊技より遊技者にとって有利なものではないが、第1の始動入賞部14への遊技球の入球(すなわち大当たり抽選を開始させること)が第2の始動入賞部24より容易となっており、第1の特別遊技を得るチャンスが第2の特別遊技を得るチャンスより大きい。
このように、遊技球が打ち出された各遊技領域(第1の遊技領域10又は第2の遊技領域20)によって異なる遊技内容が実行されるので、遊技が単調となるのを防止でき、また、遊技者に従来の弾球遊技機にはない新たな興趣を提供することが可能である。
<第2の実施形態> 次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る弾球遊技機201の構成と遊技の概要について、第1の実施形態に係る弾球遊技機1と異なる点を中心に図2を参照して説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る弾球遊技機201の遊技盤202の正面(前面)側盤面を示す正面図である。第2の実施形態に係る弾球遊技機201は、各遊技領域に可変入賞部を有する点で第1の実施形態に係る弾球遊技機1と異なり、それ以外は基本的に同一である。すなわち、弾球遊技機201の第1の遊技領域210に第1の可変入賞部230aが配設され、第2の遊技領域220に第2の可変入賞部230bが配設されている。そして、弾球遊技機201の基本構成は弾球遊技機1の基本構成と同じであるので、弾球遊技機201の各構成には弾球遊技機1の各構成に対応する符号を割り当て、図2に示す。
弾球遊技機201の遊技盤202には、弾球遊技機1と同様に、その中央やや上付近に図柄表示装置204が配設され、図柄表示装置204の上下両方向は仕切り釘列203により第1の遊技領域210と第2の遊技領域220とが形成され、図示しない遊技球発射装置(発射手段)より第1の遊技領域210及び第2の遊技領域220へ遊技球が打ち出し可能な構成となっている。
遊技盤202の中央付近には、弾球遊技機1と同様に、ラウンド数ゲート(第1のラウンド数ゲート212、第2のラウンド数ゲート222)とカウント数ゲート(第1のカウント数ゲート213、第2のカウント数ゲート223)とが配設され、ラウンド数ゲート(212、222)及びカウント数ゲート(213、223)はセンサとランプを備えた各小ゲートより構成され、各小ゲートには所定のラウンド数又はカウント数が割り当てられている。
弾球遊技機1と同様に、第1のカウント数ゲート213の下方には開口幅を拡大する拡大片215、215を有する第1の始動入賞部214が配設され、遊技球が第1のラウンド数ゲート212を通過して開始される普通図柄抽選において当選すると、第1の始動入賞部214の拡大片215、215が所定時間だけ作動(開放)される。なお、普通図柄抽選の開始は、第1のラウンド数ゲート212の特定の小ゲートを遊技球が通過した場合としてもよく、また、第1のカウント数ゲート213やその特定の小ゲートとしてもよく、更に、他のゲートを追加で設けてもよい。
第2のカウント数ゲート223の下方には、弾球遊技機1と同様に、コップ状の第2の始動入賞部224が配設されている。
次に、第1の始動入賞部214(第1の遊技領域210)の下方には第1の可変入賞部としての第1のアタッカーユニット230aが配設され、第2の始動入賞部224(第2の遊技領域220)の下方には第2の可変入賞部としての第2のアタッカーユニット230bが配設されている。このように、第2の実施形態に係る弾球遊技機201は、第1の遊技領域210に配設された第1のアタッカーユニット230a(第1の可変入賞部)と第2の遊技領域220に配設された第2のアタッカーユニット230b(第2の可変入賞部)とを有する点で弾球遊技機1とは異なり、これが弾球遊技機201の特徴部分の一部を形成する。
第1のアタッカーユニット230aの正面略中央には特別遊技が実行される際に開放される第1の大入賞口231aが形成され、第2のアタッカーユニット230bの正面略中央には第2の大入賞口231bが形成されている。また、第1、第2の大入賞口231a、231bの内部には、図示しないVゾーン(領域)がそれぞれ設けられている。
その他、弾球遊技機201には、弾球遊技機1と同様に、入賞口205、205、遊技球を排出するアウト口209、遊技球の落下方向に変化を与える風車207、207や図示しない釘が配設され、遊技盤202の前面は、図示しないガラス板で覆われている。更に、遊技盤202の下方には、図示しない弾球ハンドル、賞球払出口、賞球を受ける球受け皿等が同様に配設されている。
次に、第2の実施形態に係る弾球遊技機201の遊技の概要について説明する。本実施形態に係る弾球遊技機201を用いても、第1の実施形態において説明した遊技内容と同等の遊技を実施することが可能である。すなわち、第1の遊技領域210に打ち出された遊技球が第1の始動入賞部214に入球して開始される大当たり抽選において大当たりに当選すると、実行される第1の単位特別遊技では第1のアタッカーユニット230aを開放させる。同様に、第2の遊技領域220に打ち出された遊技球が第2の始動入賞部214に入球して開始される大当たり抽選において大当たりに当選すると、実行される第2の単位特別遊技では第2のアタッカーユニット230bを開放させるものとする。
第1の実施形態に係る弾球遊技機1では、可変入賞部としてのアタッカーユニット30は一つであって、第1、第2の単位特別遊技においては、第1の遊技領域10と第2の遊技領域20とに打ち出された遊技球が大入賞口31に入球可能であった。これに対して、第2の実施形態に係る弾球遊技機201では、第1の単位特別遊技は第1のアタッカーユニット230aを開放させ、第2の単位特別遊技は第2のアタッカーユニット230bを開放させることができる。
これにより、第1の単位特別遊技では第1の遊技領域210に打ち出された遊技球のみが第1の大入賞口230aに入球可能となり、第2の単位特別遊技では第2の遊技領域220に打ち出された遊技球のみが第2の大入賞口230bに入球可能となる。この結果、第1の遊技領域210による遊技と、第2の遊技領域210による遊技とを完全に分離することが可能となる。更に、第1の遊技領域210による遊技と第2の遊技領域210による遊技とを同時に実施させることも可能となる。
また、その他の遊技内容として、上述した第1の単位特別遊技において第1のアタッカーユニット230aを開放させると共に第2のアタッカーユニット230bを開放させ、第2の単位特別遊技において第2のアタッカーユニット230bを開放させると共に第1のアタッカーユニット230aを開放させてもよい。但し、第1の単位特別遊技における第2のアタッカーユニット230bの開放又は第2の単位特別遊技における第1のアタッカーユニット230aの開放は、例えば、開放回数を1回に限定したり、遊技球の入球に対する賞球数を減少させる等、通常の第1の単位特別遊技(第1の大入賞口231aへの入球)や通常の第2の単位特別遊技(第2の大入賞口231bへの入球)より遊技者にとって有利でない条件とするのが好ましい。
このように、遊技球が打ち出された各遊技領域(第1の遊技領域210又は第2の遊技領域220)によって異なる遊技内容を実行させて遊技が単調となるのを防止し、更に、第1の遊技領域210に第1のアタッカーユニット230a(第1の可変入賞部)を配設し、第2の遊技領域220に第2のアタッカーユニット230b(第2の可変入賞部)を配設することにより、遊技内容の幅を更に広げることができ、遊技者に新たな興趣を提供することが可能となる。
以上、本発明の第1及び第2の実施形態について説明したが、本発明に係る弾球遊技機1、201では、第1の遊技領域10、210に打ち出された遊技球が第1の始動入賞部14、214へ入球して開始される大当たり抽選において大当たりに当選すると第1の特別遊技が実行され、第2の遊技領域20、220に打ち出された遊技球が第2の始動入賞部24、224へ入球して開始される大当たり抽選において大当たりに当選すると第2の特別遊技が実行され、更に、第2の特別遊技は遊技者にとって第1の特別遊技より有利な特別遊技であるが第2の特別遊技を得ることは第1の特別遊技を得ることより困難となっている。これにより、遊技球が打ち出された各遊技領域によってそれぞれ異なる遊技内容が実行されるので、遊技が単調となるのを防止でき、また、遊技者に従来の弾球遊技機にはない新たな興趣を提供することが可能である。
また、本発明に係る弾球遊技機201では、第1の遊技領域210は第1のアタッカーユニット230a(第1の可変入賞部)を含み、第2の遊技領域220は第2のアタッカーユニット230b(第2の可変入賞部)を含むので、第1の遊技領域210での遊技と第2の遊技領域220での遊技とに新たな遊戯性を追加することが可能である。
また、本発明に係る弾球遊技機1、201では、遊技球発射装置(発射手段)は、第1の遊技領域10、210と第2の遊技領域20、220とに打ち分けることができるので、遊技者に第1の遊技領域10での遊技か第2の遊技領域20での遊技かを任意に選択させることが可能である。
また、本発明に係る弾球遊技機1、201では、少なくとも第1のカウント数ゲート13、213(第1のカウント数決定手段)又は第2のカウント数ゲート23、223(第2のカウント数決定手段)は、所定のカウント数と対応した小ゲート(通過ゲート)を複数備え、遊技球が通過した小ゲートに対応したカウント数を第1又は第2のカウント数(個数)として決定する。これにより、第1の遊技領域10、210、第2の遊技領域20、220に打ち出された遊技球の小ゲートの通過により、単位特別遊技でのカウント数(個数)が決定されるので、遊技が単調となるのを効果的に防止でき、また、遊技者に従来の弾球遊技機にはない新たな興趣を提供することが可能である。
また、本発明に係る弾球遊技機1、201では、少なくとも第1のラウンド数ゲート12、212(第1のラウンド数決定手段)又は第2のラウンド数ゲート22、222(第2のラウンド数決定手段)は、所定のラウンド数と対応した小ゲート(通過ゲート)を複数備え、遊技球が通過した小ゲートに対応したラウンド数を第1又は第2のラウンド数として決定する。これにより、第1の遊技領域10、210、第2の遊技領域20、220に打ち出された遊技球の小ゲートの通過により、特別遊技での最大ラウンド数が決定されるので、遊技が単調となるのを効果的に防止でき、また、遊技者に従来の弾球遊技機にはない新たな興趣を提供することが可能である。
また、本発明に係る弾球遊技機1、201では、第1の始動入賞部14、214は、遊技球の入球を容易とさせる拡大片15、215(拡大手段)を備えるので、遊技球の第1の始動入賞部14、214への入球を容易とすることが可能である。
また、本発明に係る弾球遊技機1、201では、拡大片15、215は、第1のカウント数ゲート13、213(第1のカウント数決定手段)又は第1のラウンド数ゲート12、212(第1のラウンド数決定手段)の少なくとも一部の小ゲートを遊技球が通過したことに基づいて作動されるので、遊技球の第1の始動入賞部14、214への入球を、第2の始動入賞部24、224への入球より容易とすることが可能である。
また、本発明に係る弾球遊技機1、201では、第1の遊技領域10、210と第2の遊技領域20、220とは左右方向に並設されているので、第1の遊技領域10、210と第2の遊技領域20、220とを効率よく配設することができ、また、第1の遊技領域10、210、第2の遊技領域20、220に遊技球を打出すことも容易となる。
更に、本発明に係る弾球遊技機1、201では、第1の遊技領域10、210と第2の遊技領域20、220とは釘により仕切られているので、本発明に係る弾球遊技機1、201を容易に且つ低コストで作ることが可能である。
なお、本発明の範囲は上述した実施形態に限られず、特許請求の範囲の記載に反しない限り、他の様々な実施形態に適用可能である。例えば、第1、第2の実施形態では、第1の始動入賞部14、214への入球に基づく大当たり抽選と、第2の始動入賞部24、224への入球に基づく大当たり抽選とは同一の乱数抽選による場合を説明したが、大当たりの抽選の態様はこれに限定されることなく、また、第1の始動入賞部14、214への入球に基づく大当たり抽選と、第2の始動入賞部24、224への入球に基づく大当たり抽選とが異なる抽選態様であってもよい。