しかしながら、MPEG規格に基づく圧縮技術等により圧縮処理されパケット化されて連続性情報が付加されたコンテンツのような情報フォーマットを扱う際に、時分割されたパケットの一部でも受信障害により欠けた場合には、復号時に受信し損ねたパケットに対し連続性の管理ができなくなるので、その欠けたパケットに続く以降のパケットの配列処理にもバグが生じるという問題が生じ得る。また、バグが生じなくても、例えば受信障害の期間が10分間あれば記録したコンテンツを再生する際にその10分間に対応する時間だけユーザは視聴を待たなければならないといった問題が生じ得る。
そして、上述のごとくユーザが視聴を待つといったことを行わせないような記録制御又は再生制御を何らかの手段により実行した場合であっても、実際の録画期間に対して、メモリに記録できた期間は受信障害期間が生じた分だけ省略して記録される結果となり、受信障害期間の分が記録できなかったために画像間のブレが生じる可能性が非常に高くなる。上述した例では、AとB、BとCの間に、受信障害期間J1,J2の分が記録できなかったために生じる画像間のブレがそれに相当する。
すなわち、その記録されたコンテンツを再生表示する際に、受信できないパケットが記録されていないので、記録されないパケットの前後画面の相関性が欠如する(例えば映像のブレ)ことによって、ユーザが視聴に耐えられないというケースも非常に多くなる。さらに、いずれかのパケットが受信できない場合には、このような画像間のブレによってそのパケットに相当する部分の後、再生装置において再生できないことも十分に考えられる。
そして、ユーザにとっては、このような品質上の問題点が、記録装置或いは記録再生装置自身に起因するのか、或いは、装置の受信環境に起因するのかについて明確に認識できるものではなかった。
また、特許文献1に記載の技術を適用した場合であっても、この技術においては、凡そ同期信号の有無を検出することにより実行中の録画処理を中断又は再開するかを判断していたが、その中断した期間が存在したことを示す情報もなかったために、録画した映像又は音声情報が途切れていても、その中断処理を認識する術がその映像又は音声情報自体以外に存在せず、再生したその記録情報を見ているユーザは違和感を抱かざるを得なかった。また、同時にそれを見たユーザは、その違和感が記録再生装置自身に欠陥などのトラブルがあるのではないかという誤認識をする可能性もあった。
上述のごとき問題は、記録装置が屋内に限らず屋外でも使用できるような携帯式の受信端末装置(例えばモバイル放送用受信端末装置)の場合に、特に深刻となる。すなわち、携帯式の受信端末においては、電波の届かない場所等で受信が不能になったりすることが多々生じ得るので、十分受信できずノイズが生じた状態で記録されることもあり、このような問題は不可避な場合さえある。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、圧縮処理されパケット化されたコンテンツを記録する際に、受信できなかったパケット情報があっても、受信できなかった情報間の不自然なブレをユーザに極力感じさせず、且つ、装置にトラブルがあるとの疑念を抱かせないようにすることが可能な、記録装置、その記録装置を備えた記録再生装置、それらの装置に組み込むための制御用のプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することをその目的とする。
また、本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、圧縮処理されパケット化されたコンテンツを記録して再生する際に、受信できなかったパケット情報があっても、受信できなかった情報間の不自然なブレをユーザに極力感じさせず、且つ、装置にトラブルがあるとの疑念を抱かせないようにすることが可能な、記録再生装置、その記録再生装置に組み込むための制御用のプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを他の目的とする。
本発明は、上述のごとき課題を解決するために、以下の各技術手段でそれぞれ構成される。
第1の技術手段は、圧縮処理されパケット化された画像情報及び/又は音声情報を含んでなる、コンテンツのストリームを入力する入力手段と、該入力手段で入力された画像情報及び/又は音声情報を復号する復号手段と、該復号手段で復号された画像情報及び/又は音声情報を記録する記録手段とを備えた記録装置であって、前記記録手段における記録処理中に、パケットが入力されなくなったときに前記記録処理を一時停止し、再びパケットの入力がなされたときに前記一時停止を解除して記録処理を再開するよう処理する記録制御手段をさらに備え、該記録制御手段は、前記一時停止の処理毎に、予め記憶された画像情報及び/又は音声情報を、前記一時停止の期間に拘わらず所定期間だけ前記記録手段に対して出力して記録させる制御を行うことを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記コンテンツのストリームは、画像情報及び/又は音声情報に各パケットの出力順序を示す連続性情報が付加されているものとし、前記記録制御手段は、前記一時停止の期間分に相当する連続性情報を、前記予め記憶された画像情報及び/又は音声情報に付与して、前記記録手段に対して出力して記録させる制御を行うことを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記コンテンツはデジタル放送コンテンツとし、前記入力手段は、前記デジタル放送コンテンツの放送信号を受信するためのチューナを有することを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第1乃至第3のいずれか1の技術手段において、前記入力手段で入力される画像情報及び/又は音声情報に対する、前記記録手段における記録処理を、ユーザに予約操作又は開始・終了操作させることで実行する記録操作手段をさらに備え、該記録操作手段における記録操作に基づき各パケットが入力されることを特徴としたものである。
第5の技術手段は、第1乃至第4のいずれか1に記載の記録装置と、該記録装置で記録されたコンテンツを再生表示する出力装置とを備えた記録再生装置であって、前記出力装置は、前記記録手段で記録されたコンテンツを再生表示する際に、前記一時停止の期間、前記予め記憶された画像情報及び/又は音声情報を、前記一時停止の期間に拘わらず所定期間だけ未入力のパケットの代わりに再生表示することを特徴としたものである。
第6の技術手段は、圧縮処理されパケット化された画像情報及び/又は音声情報を含んでなる、コンテンツのストリームを入力する入力手段と、該入力手段で入力された画像情報及び/又は音声情報を復号する復号手段と、該復号手段で復号された画像情報及び/又は音声情報を記録する記録手段と、該記録手段で記録されたコンテンツを再生表示する出力手段とを備えた記録再生装置であって、前記記録手段における記録処理中に、パケットが入力されなくなったときに前記記録処理を一時停止し、再びパケットの入力がなされたときに前記一時停止を解除して記録処理を再開するよう処理する制御手段をさらに備え、該制御手段は、前記一時停止の処理毎に、前記一時停止の前後の画像情報及び/又は音声情報から、所定時間の画像情報及び/又は音声情報を生成し記憶する情報生成手段を有し、前記出力手段における再生表示処理時に、前記情報生成手段で生成された画像情報及び/又は音声情報を、前記一時停止に対応する期間に挿入して、前記出力手段に再生表示させる制御を行うことを特徴としたものである。
第7の技術手段は、圧縮処理されパケット化された画像情報及び/又は音声情報を含んでなる、コンテンツのストリームを入力する入力手段と、該入力手段で入力された画像情報及び/又は音声情報を復号する復号手段と、該復号手段で復号された画像情報及び/又は音声情報を記録する記録手段とを備えた記録装置に組み込むためのプログラムであって、前記記録装置における各手段に対する制御を行う演算装置に、前記記録手段における記録処理中に、パケットが入力されなくなったときに前記記録処理を一時停止する処理と、再びパケットの入力がなされたときに前記一時停止を解除して記録処理を再開する処理と、前記一時停止の処理毎に、予め記憶された画像情報及び/又は音声情報を、前記一時停止の期間に拘わらず所定期間だけ前記記録手段に対して出力する処理とを実行させることを特徴としたものである。
第8の技術手段は、圧縮処理されパケット化された画像情報及び/又は音声情報を含んでなる、コンテンツのストリームを入力する入力手段と、該入力手段で入力された画像情報及び/又は音声情報を復号する復号手段と、該復号手段で復号された画像情報及び/又は音声情報を記録する記録手段と、該記録手段で記録されたコンテンツを再生表示する出力手段とを備えた記録再生装置に組み込むためのプログラムであって、前記記録再生装置における各手段に対する制御を行う演算装置に、前記記録手段における記録処理中に、パケットが入力されなくなったときに前記記録処理を一時停止する処理と、再びパケットの入力がなされたときに前記一時停止を解除して記録処理を再開する処理と、前記一時停止の処理毎に、前記一時停止の前後の画像情報及び/又は音声情報から、所定時間の画像情報及び/又は音声情報を生成し記憶する処理と、前記出力手段における再生表示処理時に、前記生成され記憶された画像情報及び/又は音声情報を、前記一時停止に対応する期間に挿入して、前記出力手段に再生表示させる処理とを実行させることを特徴としたものである。
第9の技術手段は、第7又は第8の技術手段において、前記コンテンツのストリームは、画像情報及び/又は音声情報に各パケットの出力順序を示す連続性情報が付加されているものとし、当該プログラムは、前記演算装置に、前記一時停止の期間分に相当する連続性情報を、前記予め記憶された画像情報及び/又は音声情報に付与して、前記記録手段に対して出力して記録させる処理を実行させることを特徴としたものである。
第10の技術手段は、第7乃至第9のいずれか1の技術手段において、前記コンテンツはデジタル放送コンテンツとし、前記入力手段は、前記デジタル放送コンテンツの放送信号を受信するためのチューナを有することを特徴としたものである。
第11の技術手段は、第7乃至第10のいずれか1の技術手段において、前記記録手段は、前記入力手段で入力される画像情報及び/又は音声情報に対する記録処理を、ユーザに予約操作又は開始・終了操作させることで実行する記録操作手段を有し、当該プログラムは、前記演算装置に、前記記録操作手段における記録操作に基づき記録用に各パケットを入力する処理を実行させることを特徴としたものである。
第12の技術手段は、第7乃至第11のいずれか1に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、圧縮処理されパケット化されたコンテンツを記録する際に、受信できなかったパケット情報があっても、受信できなかった情報間の不自然なブレをユーザに極力感じさせず、且つ、装置にトラブルがあるとの疑念を抱かせないようにすることが可能となる。
また、本発明によれば、圧縮処理されパケット化されたコンテンツを記録して再生する際に、受信できなかったパケット情報があっても、受信できなかった情報間の不自然なブレをユーザに極力感じさせず、且つ、装置にトラブルがあるとの疑念を抱かせないようにすることが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る記録装置の一構成例を示す図で、図2は、図1の記録装置における記録処理の流れを説明するためのフロー図である。図1において、1は入力手段、2は復号手段、3は記録手段、4は判定手段、5は記録操作手段、6は制御手段である。
本発明に係る記録装置は、入力手段1、復号手段2、記録手段3、及び制御手段6を備えるものとする。なお、本発明に係る記録装置は、記録したコンテンツを再生する再生装置と共に具備する記録再生装置にも当然適用可能である。
入力手段1は、圧縮処理されパケット化された画像情報及び/又は音声情報に各パケットの出力順序を示す連続性情報が付加されたコンテンツのストリームを入力する手段である。入力手段1は、コンテンツがデジタル放送コンテンツの場合に対応させるためには、圧縮処理されパケット化された画像情報及び/又は音声情報に各パケットの出力順序を示す連続性情報が付加された放送信号を受信するためのチューナを有することとなる。但し、本発明において、入力手段1は、連続性情報が付加されたコンテンツのストリーム(例えばMPEGのトランスポートストリーム)を入力する手段に限ったものではなく、圧縮処理されパケット化された画像情報及び/又は音声情報を含んでなる、コンテンツのストリームを入力する手段であればよい。
復号手段2は、入力手段1で入力された画像情報及び/又は音声情報を復号する復号手段であり、ハードウェア又はその一部がソフトウェアでなるデコーダが該当する。記録手段3は、復号手段2で復号された画像情報及び/又は音声情報を記録する手段であり、記録先である記録媒体を含む形態と含まない形態(記録媒体への記録処理を行う形態)のいずれも採用可能である。このように、本発明に係る記録装置(及び記録装置を備えた記録再生装置)においては、記録手段は装置内部に記録用のメモリを予め内蔵させる必要は無く、外部メモリに記録するための手段であれば例えば外部メモリを挿入するためのスロットのみであってもメモリ挿入によって情報の記録ができるので、記録手段がメモリ自身を構成することは必要とされない。むしろ、放送番組等のコンテンツを記録するための記録手段3がメモリを除くスロットで構成される方が、携帯用の映像表示装置の携帯性が考慮されて好適であるといえる。
本発明の特徴として、制御手段6は次の記録制御手段を有するものとする。この記録制御手段は、記録手段3における記録処理中に、パケットが入力されなくなったときに記録処理を一時停止し、再びパケットの入力がなされたときにその一時停止を解除して記録処理を再開するよう処理する。この記録制御手段は、さらに、その一時停止の処理毎に、予め記憶された画像情報及び/又は音声情報を、一時停止の期間に拘わらず所定期間だけ記録手段3に対して出力して、未入力のパケットの代わりに記録させる制御を行う。
そして、このような記録処理によって、圧縮処理されパケット化されたコンテンツ(番組データ等)を記録する際に、録画処理の中断操作がされたという一連の情報について画面上でユーザに容易に認識させることができる(同時に「受信障害期間」などと表示するとなお良い)ので、ブレ自体を感じてもその要因がすぐに分かるので、受信できなかった映像や音声のパケット情報があっても、受信できなかった情報間の不自然なブレをユーザに極力感じさせず、且つ、装置にトラブルがあるとの疑念を抱かせないようにすることが可能となる。また、特にバッテリなどを有した携帯式の受信端末に録画機能を搭載した使用においては、無駄な映像や音声(途切れ途切れに受信したパケットに対応する映像や音声など)をメモリに保存することなく、且つ、電池の余分な電力消費を費やすことがなくなるというメリットも有する。
また、図1で例示する構成例においては、ユーザによって記録操作が可能なよう記録操作手段5を備えている。記録操作手段5は、入力手段1で入力された画像情報及び/又は音声情報に対する、記録手段3における記録処理を、ユーザに予約操作又は開始・終了操作させることで実行する手段であり、このような記録装置では、記録操作手段5における記録操作に基づいて、記録用に各パケットが入力される。
さらに、図1で例示する構成例においては、入力手段1における入力の状態(受信状態)を判定するために判定手段4を備えている。判定手段4は、制御手段6に組み込むよう構成してもよく、また計数手段5におけるカウント及び受信レートと各パケットに情報として含まれる時刻などとを比較することによって構成してもよい。
また、本発明に係る記録装置の他の実施形態として、コンテンツのストリームは、画像情報及び/又は音声情報に各パケットの出力順序を示す連続性情報が付加されている場合に、記録制御手段が次のような制御も行うように構成してもよい。すなわち、この実施形態に係る記録制御手段は、一時停止の期間分に相当する連続性情報を、予め記憶された画像情報及び/又は音声情報に付与して、記録手段3に対して出力して記録させる制御を行う。
また、このような記録処理時に一部記録不能になった場合において、そのコンテンツを再生視聴しているユーザには、せめて何時、そしてどの程度記録できなくなったのかが認識できないと、いたずらにユーザを不快にさせる要因になりかねない。このような状況を打開するために、本発明の他の実施形態に係る記録装置は、時刻情報に基づいて一部のパケットが入力されなかった期間を、再生時に提示可能なように画像情報及び/又は音声情報と共に記録手段3で記録する手段をさらに備えるようにしてもよい。なお、コンテンツのストリームにおける各パケットが時刻情報を含む場合には、その時刻情報に従って記録すればよいし、そうでなければ記録装置における計時手段の時刻情報に従って記録すればよい。
図1で上述したごとき構成の記録装置における記録処理を、図2を参照して説明する。まず、記録操作手段5における記録開始操作により、或いは同じく予約操作により予約された時刻の到来によって、コンテンツの記録(録画)が開始される(ステップS1)。録画が開始されると、まず受信状態の判定が判定手段4によりなされる(ステップS2)。受信状態が良好であった場合にはステップS6へ進み、良好でなかった場合にはステップS3へと進む。なお、なお、連続性情報の付与を行う上述した実施形態にあっては、受信されたパケットをカウントしてそのカウント情報を利用するとよい。
ステップS3では、一時停止処理を行い、ステップS5で受信状態の復帰を待つ。受信状態が復帰した場合には、一時停止を解除して、予め記憶された画像及び/又は音声の情報を挿入して(ステップS4)、録画用の記録媒体(メモリ)にコンテンツを記録し(ステップS6)、録画終了判定を行う(ステップS7)。ステップS7で予約時間終了又はユーザの録画終了操作によって録画終了と判定された場合、録画停止処理を行い(ステップS8)、逆に録画継続と判定された場合にはステップS2へ戻り、引き続き録画処理を継続する。
また、上述した制御手段6は、記録装置に具備されたCPU等の演算装置と、その演算装置に各手段1〜4を制御させるプログラムと、このプログラムを記録しておくメモリや実行可能に読み出すメモリとによって構成することも可能である。このプログラムは、図2で例示した処理のごとき本発明に係る記録処理を演算装置に実行させるプログラムであればよく、各手段1〜4の一部、例えば、各手段1〜3を制御するためのプログラムであってもよい。
また、本発明に係る記録装置を、記録したコンテンツを再生する再生装置(再生表示する出力装置)と共に具備する記録再生装置に適用する場合には、出力装置は、記録手段3で記録されたコンテンツを単純に再生表示すればよく、この出力装置では、一時停止の期間、予め記憶された画像情報及び/又は音声情報を、その一時停止の期間に拘わらず所定期間だけ未入力のパケットの代わりに再生表示することとなる。
本発明の思想を記録再生装置に適用することは、一般的な再生装置での再生を考慮しないことでも可能である。次に、このような記録再生装置の一実施形態を説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る記録再生装置の一構成例を示す図で、図4は、図3の記録再生装置における記録再生処理の流れを説明するためのフロー図である。図3において、入力手段1,復号手段2,記録手段3,判定手段4,記録操作手段5は、図1のそれらと同様の処理を実行するものであり、制御手段6における制御が図1のそれと異なる。
本実施形態に係る記録再生装置は、入力手段1、復号手段2、記録手段3、及び制御手段6に加え、再生表示を行う表示手段7及び切替手段8を備えるものとする。表示手段7は、記録手段で記録されたコンテンツを再生表示する出力手段であり、音声情報の出力も実行できるものとする。
本実施形態に係る記録再生装置においては、制御手段6は、途切れたパケットの前後の画像等の情報から生成した画像情報及び/又は音声情報(中間データ)を、再生の際に付加する手段も備えるものとする。すなわち、本実施形態における制御手段6は、記録手段3における記録処理中に、パケットが入力されなくなったときに記録処理を一時停止し、再びパケットの入力がなされたときにその一時停止を解除して記録処理を再開するよう処理すると共に、一時停止の処理毎に、その一時停止の前後の画像情報及び/又は音声情報から、所定時間の画像情報及び/又は音声情報(中間データ)を生成し記憶する情報生成手段を有し、出力手段(表示手段7に相当)における再生表示処理時に、情報生成手段で生成された画像情報及び/又は音声情報を、一時停止に対応する期間に挿入して、出力手段(表示手段7に相当)に再生表示させる制御を行う。
そして、このような記録再生処理によって、圧縮処理されパケット化されたコンテンツ(番組データ等)を記録して再生する際に、録画処理の中断操作がされたという一連の情報について画面上でユーザに容易に認識させることができる(同時に「受信障害期間」などと表示するとなお良い)ので、ブレ自体を感じてもその要因がすぐに分かるので、受信できなかった映像や音声のパケット情報があっても、受信できなかった情報間の不自然なブレをユーザに極力感じさせず、且つ、装置にトラブルがあるとの疑念を抱かせないようにすることが可能となる。
図3で上述したごとき構成の記録装置における記録処理を、図4を参照して説明する。まず、記録操作手段5における記録開始操作により、或いは同じく予約操作により予約された時刻の到来によって、コンテンツの記録(録画)が開始される(ステップS11)。録画が開始されると、まず受信状態の判定が判定手段4によりなされる(ステップS12)。受信状態が良好であった場合にはステップS16へ進み、良好でなかった場合にはステップS13へと進む。なお、なお、連続性情報の付与を行う形態にあっては、受信されたパケットをカウントしてそのカウント情報を利用するとよい。
ステップS13では、一時停止処理を行い、ステップS15で受信状態の復帰を待つ。受信状態が復帰した場合には、一時停止を解除して、上述のごとき中間データを生成して(ステップS14)、録画用の記録媒体(メモリ)にコンテンツと共に記録し(ステップS16)、録画終了判定を行う(ステップS17)。ステップS17で予約時間終了又はユーザの録画終了操作によって録画終了と判定された場合、録画停止処理を行い(ステップS18)、逆に録画継続と判定された場合にはステップS12へ戻り、引き続き録画処理を継続する。
そして、このような録画処理によって録画されたコンテンツ及び中間データを、再生表示時に、対応する箇所に中間データを挿入して再生表示することで、受信できなかったパケット情報があっても、受信できなかった情報間の不自然なブレをユーザに極力感じさせず、且つ、装置にトラブルがあるとの疑念を抱かせないようにすることが可能となる。
また、上述した制御手段6は、記録再生装置に具備されたCPU等の演算装置と、その演算装置に各手段1〜4,7,8を制御させるプログラムと、このプログラムを記録しておくメモリや実行可能に読み出すメモリとによって構成することも可能である。このプログラムは、図4で例示した処理のごとき本発明に係る記録再生処理を演算装置に実行させるプログラムであればよく、各手段1〜4,7,8の一部、例えば、各手段1〜3,4を制御するためのプログラムであってもよい。
図5は、図1の記録装置を備えた記録再生装置の一構成例を示すブロック図で、図6は、図5の記録再生装置における録画処理時の流れを説明するためのフロー図で、図7は、放送された番組の一連のデータフォーマットと図5の記録再生装置において記録された番組の一連のデータフォーマットの一例を示す概略図である。
図5で例示する記録再生装置は、入力手段11,開始・終了操作手段12,予約設定手段13,復号手段14,判定手段15,制御手段16,表示手段17,切替手段18,カウンタ19,情報記憶手段20,画像生成手段21,記録手段22,計時手段23を備える。ここで、入力手段11,復号手段14,判定手段15,制御手段16,記録手段22は、それぞれ図1における入力手段1,復号手段2,判定手段4,制御手段6,記録手段3に該当し、開始・終了操作手段12及び予約設定手段13は図1における記録操作手段5に該当する。また、表示手段17は、再生表示を実行するために設けられた手段であり、図3における表示手段7に対応する手段ともいえる。また、切替手段18は、表示手段17を設けたために必要となる手段であり、図3における切替手段8に対応する手段ともいえる。
入力手段11は、アンテナで受信した同期信号と圧縮された映像音声情報とを含む各種放送信号のうちから適当なチャンネルを選局させるチューナ等である。復号手段14は、選局された放送信号のうち圧縮された映像又は音声情報をそれぞれデコードするため手段である。切替手段18は、ユーザからの操作に応じて復号した映像又は音声情報を記録媒体に記録させるか若しくは表示画面やスピーカに出力させるか出力を切り替えるための手段である。記録手段22は、復号された映像音声情報を記録媒体(メモリ)に記録するための手段である。
表示手段17は、復号された映像音声情報を画面上に表示再生するための手段で、LCD,PDP,有機EL,CRT等の各種ディスプレイがそれに相当する。情報記憶手段20は、その他、表示処理や録画処理に関する各種設定値を保存するための記憶手段であり、ここでは、メモリに所定映像を記録するためデータ(挿入するためのデータ)をも記憶している。開始・終了操作手段12では、録画処理の開始や終了の操作をユーザに実行させる手段であると共に、上述の設定値の変更保存のための操作を行うため手段としても機能する。また、制御手段16は、この開始・終了操作手段12や予約設定手段13において行われる表示や記録に対する操作に応じた各種制御を行うための手段となる。そして、制御手段16は、記録手段22における記録処理の途中で放送信号の受信が不可な状態になった場合には記録一時停止し、再び放送信号の受信が可能になった場合に記録一時停止解除しながら記録処理を行い、記録処理をした一連の放送信号を再生処理する途中で記録が中断された期間があった場合は、出力部に次の放送信号を出力する前に、予め記憶された映像情報及び/又は音声情報を一定期間出力するように制御する。
また、制御手段16において、入力手段11で入力され復号手段14で復号され記録手段22に出力される各パケットの出力順序を、連続性情報をもとに配列し、一部のパケットが入力されなかった場合は、そのパケット以降の連続性情報に対してカウンタ19で計数された序数をもとに連続性情報の書き換えを行う手段を備えることが好ましい。この書き換える手段によって、必要に応じて連続性情報の書き換えを行いながら、記録手段22における記録処理を行うことができる。ここで、カウンタ19は、入力手段1で入力された各パケットを計数する計数手段である。カウンタ19は、入力された各パケットに対し、その出力順序をカウントするともいえる。また、このカウンタ19は、上述の制御手段16(制御手段6)に含まれる形態も採用できる。
予約設定手段13は、予約録画処理を行うために録画開始時刻、終了時刻、チャンネルに関する情報を設定保存するための手段であり、EPG(電子プログラムガイド)の情報を受信してそれに基づいて予約設定を行う形態も採用できる。判定手段15は、入力手段11に具備されるアンテナの受信状態の良し悪しを判定するための手段であり、計時手段23は、一定間隔で現在時刻を計測し管理するための手段である。
そして、これらの機能を解説するために、図6の制御フロー図に従ってその制御の流れの一例を説明する。まず、予めEPG(電子番組表)等による予約設定操作によって予約するべき番組の開始時刻、チャンネル、終了時刻を予約設定手段13で設定する。こうして設定された番組に対して該当開始時刻になったら録画を開始するように制御手段16が制御処理を行う。このとき、ステップS21において録画処理が開始されると、同時に受信したMPEGビデオデータに多重化されたパケット内に構成される再生出力時間管理情報PTS(Present Time Stamp)若しくは復号の時刻管理情報DTS(Decording Time Stamp)のいずれかの時間情報に対して、計時手段23で管理されている現在時間情報を書き換える(ステップS22)。この現在時間情報の書き換えによって、記録処理の開始を契機として、自動的に記録再生装置内(或いは記録装置内)の時刻を修正することができ、放送信号等の入力信号が受信不可能になった場合においても、正確な時刻管理ができ、例えば記録できなかった時間帯を記録することやその時間帯を表示や音声出力するなどして提示することが可能となる。
ステップS22に次いで、記録中に記録処理に対する一時停止処理がなされたか否かの判定を行うための録画一時停止フラグを予め用意しておき、最初はこのフラグをクリアな状態に設定しておく(ステップS23)。この録画一時停止フラグは、受信した複数のパケット情報を時間配列し直す際に受信できなかったパケットが1つでもあった場合にそのパケット以降の連続性情報の書き換えを行うための設定値である。つまり、この設定値は、フラグがクリアの状態で維持されていれば連続性データの書き換えを行わず、フラグがONの状態であれば連続性データの書き換えを行うといった判断を、制御手段16が実行するための情報である。
そして、受信状態の良し悪しの判別を入力手段11或いは復号手段14での受信レベル情報等をもとに判定手段15で判定し、その結果をマイコン等でなる制御手段16に伝達する。その結果、受信状態が良くないと判断した場合は、記録一時停止フラグをON状態にし(ステップS26)、録画の一時停止処理と同時に中断した時刻を記録するために計時手段23から記録手段22へのタイムスタンプ記録処理(記録期間の情報を記録する処理)を行う(ステップS27)。そして、再度受信状態の復帰の是非を判定手段15で判定し(ステップS28)、復帰したと判定した際は録画一時停止処理の解除を行い(ステップS29)、映像等のブレを防止するために、予め記憶された所定の画像情報及び/又は音声情報でなるデータ(中間データ)を制御手段16が情報記憶手段20から読み出すか、或いは一時停止処理の前後のコンテンツの平均データなどによってデータ(中間データ)を生成し(ステップS30)、再度記録処理を継続するために、ステップS31に移行する。このとき同時に記録再開した時刻を記録するべく計時手段23から記録手段22へのタイムスタンプ記録処理を行っても良い。また、ステップS30の処理に関し、予め記憶された所定の画像情報及び/又は音声情報でなる中間データを読み出す処理を実行する場合には、ステップS26〜S31の間に実行すればよい。
そして、ステップS31では連続性情報の書き換えを行う。つまり、録画を一時停止する直前のパケットに割り当てられた連続性情報番号に続くように、常に計数手段19では受信したパケットの連続性情報をカウントしておき、一時停止後に最初に記録するべきパケットに対し記録するべき連続性情報番号を計数手段19で管理されている番号から読み出して、受信状態復帰後において各パケットの連続性情報の書き換えを逐次実行する。なお、この連続性情報は録画中にパケットが一つでも欠如すると、それ以降のパケットの番号管理に齟齬が生じてしまうので、受信状態復帰後の連続性情報は全て書き換える必要がある。また、前述した実施形態のように、連続性情報の書き換えを、中間データに対してのみ実行するようにしてもよく、その場合には、受信できなかったパケットに相当する連続性情報を中間データにまとめて付すればよい。
このためステップS25では、受信状態が良好であったとしても、録画一時停止フラグの設定がON状態であるか否かの判別を行い、過去に一回でも一時停止操作が行われた場合は、それ以降の連続性情報を書き換えるためにステップS31に移行するように制御している。
こうして、確実に受信した各パケット情報は連続性情報の書き換えの有無に拘わらず、録画用のメモリに対し記録処理を行う(ステップS32)。読出し或いは生成した中間データは、対応する箇所に挿入して記録するとよい。そして、最後に計時手段23で計測した現在時刻と予約設定手段13で設定された終了時刻とを比較して録画終了と判断された場合(ステップS33で録画終了)は、録画を停止し(ステップS34)、一連の予約録画処理を終了する。一方、録画終了と判定されなかった場合には、ステップS23に戻り処理を継続する。
こうしてメモリに得られた録画データのフォーマットについて図7を参照して説明する。上側のデータ31が一連の番組データを時間順に配列させたデータフォーマット全体を表し、また下側のデータ32がメモリに記録した番組データを時間順に配列させたデータフォーマットを表す。そして、上下のデータフォーマットにおいてメモリへの記録に成功した期間のデータをそれぞれA,B,Cとに区分けしており、上側のデータフォーマットにおいてメモリに記録できなかった期間のデータをX1,X2として表している。
そして、上述のごとき録画処理時において、本発明の特徴部分として、データAとデータBとの間には互いのデータの連続性が損なわれないようにするために、ダミーデータを挿入する。画像生成手段21では、データAの最後の連続性情報を有するパケットの映像とデータBの最初の連続性情報を有するパケットと映像との間に、データAの最後の映像とデータBの最初の映像とから生成した中間映像Z1と、データAの最後の連続性情報とデータBの最初の連続性情報との間の連続性情報Y1とで構成された中間映像用パケットを形成して、制御手段16によって挿入している。なお、制御手段16に画像生成手段21が含まれる形態であってもよい。また、中間映像Z1の代わりに、予め情報記憶手段20に記憶しておいた所定の映像を採用してもよい。また、データBとデータCとの間に挿入された中間映像用パケットも同様な構成(Y2及びZ2)で記録される。このようなデータ構成を有することによって、一連の放送番組に対して出来るだけ映像情報の連続性を維持しつつ、適切な連続性情報を元に映像を再生することが可能になる。
さらに、データAの最後の連続性情報を有するパケットの映像とデータBの最初の連続性情報を有するパケットと映像との間に、データAの最後の映像と予め情報記憶手段20に記憶されマイコン等の制御手段16から読み出される所定の映像情報(例えば黒画面)とデータBの最初の映像とによって生成された中間映像と、データAの最後の連続性情報とデータBの最初の連続性情報との間の連続性情報とで構成された中間映像用パケットZ1を形成する画像生成手段21を構成して、このパケットをデータAB間に挿入するようにしてもよい。このように、データAの最後の映像から黒画面に徐々にシーンチェンジをし、続いて黒画面からデータBの最初の映像画面へとシーンチェンジを行うようにデータ編集を行ったパケットをデータAB間に介在させることによって、一連の放送番組に対して出来るだけ映像情報の連続性を維持しつつ、適切な連続性情報を元に映像を再生することが可能になる。
また、これらを組み合わせ、連続して記録できなかったパケット数が一定以上である時には、黒又は白画面を挿入したシーンチェンジを伴う画像データを挿入し、一方で連続して記録できなかったパケットの数が一定未満であれば、中断した映像の前後の映像に連続性を与えるような画像処理を行うようにしても良い。
なお、ステップS22のように記録開始と同時に時刻修正がなされるので計時手段23で管理されている時刻に多少のズレが生じたときに、放送信号に多重化された時間情報をもとに修正を自動的に行ってくれるという利点も有する。さらには、計時手段23で管理された時間のズレを修正してから録画を行うので、録画終了時の時刻も番組終了時刻に併せて確実に終了させることが可能になる。
最後に、本発明による記録処理又は記録再生処理の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を補足する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、上述した本発明の記録処理又は記録再生処理の制御プログラムを、これら記録媒体に記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そして、汎用コンピュータ等の情報処理装置に上述のごとき記録媒体を装着して(携帯端末であれば汎用コンピュータやネットワークを介して読み込んでソフトウェアとして或いはファームウェアとして)記憶させて組み込ませておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に係わる記録処理又は記録再生処理の機能を実行することができる。
1,11…入力手段、2,14…復号手段、3,22…記録手段、4,15…判定手段、5…記録操作手段、6,16…制御手段、7,17…表示手段、8,18…切替手段、12…開始・終了操作手段、13…予約設定手段、19…カウンタ、20…情報記憶手段、21…画像生成手段、23…計時手段。