JP2006084003A - 油井管継手の製造方法 - Google Patents

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Takafumi Yasuda
尚文 安田
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Abstract

【課題】 油井管継手のねじ部に安定的に投射めっき被膜を形成させ優れた耐ゴーリング性を有する油井管継手を提供する。
【解決手段】ねじ部およびメタルシール部を有する油井管継手のねじ部に対して、ねじ高さをh、ねじ幅をW、投射角度をθとしたとき、
h/W<tan θ<2h/W
を満足する条件で、硬度Hv250〜Hv350で粒径0.7mm〜0.3mmの鉄−亜鉛被覆粒子を投射する。
さらに、上述のようにして得られた投射面にさらに潤滑処理を施してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、油井管継手のねじ部に投射めっき皮膜を形成する油井管継手の製造方法に関する。
油井管ねじ継手、つまり油井管継手では、一度締め込んだ継手を緩め、再度締め直すことがある。API (米国石油協会) 規格では、チュービング継手においては10回の、ケーシング継手においては3回の締付け (メイクアップ) 、緩め (ブレークアウト) を行っても、ゴーリングと呼ばれる焼付きの発生が無く、気密性が保持されることを要求している。
従来このような焼き付き対策としては、ステンレス鋼製の継手の場合Cuめっきが用いられているが、十分な耐焼き付き性を有しているとはいえない。
特に、ねじ継手部では、降伏点を超えるような高面圧が作用するため、焼付きが発生しやすい。従来から、かかる部位における耐焼付き性を改善した種々のねじ継手が提案されている。
例えば、特許文献1には、鉄または鉄合金の核の周囲に亜鉛または亜鉛合金層を被着させた粒子を投射することにより形成した、亜鉛または亜鉛合金からなる多孔質の投射めっき被膜を少なくともメタルシール部の表面に設けた油井管継手が開示されている。このめっき被膜は水素脆化による遅れ破壊がなく、多孔質であるため潤滑剤の保持特性がよいので、高強度の高合金鋼の油井管材料でも気密性と耐焼付き性を確保できるという利点があると記載されている。しかし、投射めっき皮膜をねじ部の山、谷および側面に安定的に形成することは極めて難しく、実生産上は困難とされてきた。
従来、API規格のバットレスねじは、荷重面角が正で設計されており、ブラストめっきおよび投射めっきを行っても比較的均一にねじ底面、ねじ山面、およびねじ側面にめっき皮膜を形成することができる。しかし、近年、油井環境の過酷化に伴って、シ−ル性のより高い特殊継手が広く使われだしている。これらの特殊ねじは、荷重面角が負角に設計されているため、ねじ底面および側面には投射めっき被膜が均一に形成されず、メイクアップ・ブレ−クアウト時に焼き付きが発生し十分な耐ゴーリング性能を示さない。したがって、このようなねじ部への投射方法に関しては何ら示されることはない。
特開昭62−258283 号公報
本発明の目的は、油井管継手のねじ部に安定的に投射めっき被膜を形成させ優れた耐ゴーリング性を有する油井管継手を提供することにある。
本発明者らは、ねじ部への投射現象および成膜方法について種々検討した結果 、次の点を見出した。
ねじ部の山面、谷面および側面への投射状況は、鉄−亜鉛被覆粒子の噴射角度とねじ山の高さ、谷の深さ、底面の長さにより大きく異なる。すなわち、ねじ部およびメタルシール部を有する油井管継手に対して、ねじ高さをh、ねじ底幅をW、投射角度θとしたとき
h/W<tanθ<2h/W
の関係を満足する投射条件を選定すると投射粒子はねじ部に均一に投射される。
h/W>tanθ領域では、ねじ部の底面に投射粒子が均一にあたらない、一方、tanθ>2h/Wでは、ねじ山側面に投射粒子が均一にあたらない。
さらに、ねじ部に均一に成膜するためには、上記投射領域を満足させるとともに、鉄−亜鉛被覆粒子の物性を制御する必要を見いだした。すなわち、硬度Hv250〜Hv350で粒径0.7mm〜0.3mmの鉄−亜鉛被覆粒子を用いることにより、均一に成膜できることを見いだした。
硬度がHv250未満では、粒子の衝突後の反発が少なく均一に成膜できない。一方、Hv350超では衝突時に粒子が破損し粉破し均一に成膜できない。
また、粒径が0.7mm超では衝突後均一に成膜できない。0.3mm未満では衝突後の流速が極端に低下し、成膜できない。
ここに、本発明において使用する投射粒子は、鉄または鉄合金の粒子の表面に厚さ 0.1 〜0.5 mmの亜鉛または亜鉛合金めっき皮膜を設けたもので、便宜上本明細書では「鉄−亜鉛被覆粒子」と称しているが、具体的には前述の特許文献1に開示されているものであり、これは同和鉱業(株) により、商品名「Zアイアン」として市販されている。
本発明によるねじ部への鉄−亜鉛合金の投射被膜の形成には、特に荷重面角度が負となるねじ形状の場合、ねじ側面およびねじ底面への安定被膜形成が実現され有利であるが、本発明は従来の荷重面角度が正であるねじ部へ適用してもめっき皮膜の形成が安定することから、有利である。
本発明において上述のように投射条件と投射される鉄−亜鉛被覆粒子の硬度と粒径を規定することにより、ねじ部の凹み部に鉄−亜鉛被覆粒子が投射された場合、粒子が反射し、ねじ底、ねじ側面に均一に衝突し、被膜が均一に生成する。
ここに、「投射角度」は、投射粒子の投射ノズルの中心線方向とねじ継ぎ手の軸方向との交差角度をいう。
本発明によれば、特殊ねじを備えた油井管継手ばかりでなく、従来のAPI規格のバットレスねじを備えた油井管継手においても、ねじ部に安定的に投射めっき被膜を形成させることができ、優れた耐ゴーリング性を有する油井管ねじ継手を製造できる。
次に、添付図面を参照して本発明をさらに具体的に説明する。
図1は、本発明にかかる油井管継手のねじ部分拡大略式断面図である。図示例では、油井管継手が特殊継手(プレミアムジョイン)の場合を示し、荷重面角度(α)が負となっている。もちろん、本発明にあっても、荷重面角度(α)が正の値をもつバットレスねじであってもよい。
図中、ねじ部10を構成する各ねじ山12は、高さh、ねじ幅W、である。投射ノズル16の投射角度θは、ねじ山面に対する角度であり、挿入面18の側から荷重面20の側に向かって時計回りの方向を正とする。
投射ノズル16の構造は、本発明にあっても特に制限されず、例えば、通常の ブラスト処理に用いられるものであればよい。
ここに、本発明によれば、投射粒子は、鉄または鉄合金の球の回りにZnまたはZn合金めっきを所定厚さで設けた鉄−亜鉛被覆粒子であり、粒径などはすでに説明した通りである。
本発明によれば、まず、所定形状、寸法のメタルシール部およびねじ部を備えた継手を製作する。これは従来技術により作製すればよく、本発明においても特に制限はない。
次に、本発明により投射めっきを行うに当たっては、予備処理として、脱脂を行うのが好ましい。本発明により投射めっき皮膜を設けるのはねじ部であるから、場合によりメタルシール部などは必要によりマスキングしておくことも考えられる。しかし、耐ゴーリング性を改善するめっき皮膜を設けるという目的からはメタルシール部にも同様にめっき皮膜を設けることが好ましい。
本発明における投射めっきの一般的条件は次の通りである。
投射粒子: 粒径0.3〜0.7mm
投射圧力: 5 kg/cm2 以上
投射粒子の投射量: 5 〜10 kg/min
ノズル角度: 35 〜 75°
ねじ継手回転数: 30 〜 60 rpm
ノズル距離: 50 mm以上
雰囲気: 大気
温度: 常温
ここに、本発明によれば、ねじ高さをh、ねじ幅をW、投射角度をθとしたとき、
h/W < tan θ < 2h/W
を満足する条件で、投射を行う。h/Wは、ネジ形状を意味し、tan θは、投射角度を意味するから、かかる式の技術上の意味は、技術的には、ネジ形状に合わせて投射角度を変えるときに鉄−亜鉛被覆粒子の直接の衝突ばかりでなく、はじき返えされて反対面に衝突することから、全体が被覆され、その角度に臨界性がみられるということを意味する。
さらに本発明によれば、投射粒子としては、硬度Hv 250〜350で粒径0.7mm〜0.3mmの亜鉄−亜鉛被覆粒子を用いる。
投射粒子の硬度がHv 250未満では、粒子の衝突後の反発が少なく、ネジ表面全体に均一に成膜できない。また、粒径が0.7mm超では衝突後均一に成膜できない。0.3mm未満では衝突後の流速が極端に低下し、成膜できない。
上述の投射条件を示す式において、ねじ形状は、通常、別の設計因子によって予め決定されることから、また投射粒子は、市販品を使用することになるから、本発明にかかる投射めっきに際しては、投射角度だけがその場で調整可能な因子となる。もちろん、投射時間、投射量を変えることで、投射めっき膜厚を調整できるが、均一めっきを実現するという点からは、投射角度だけを調整すればよいということは、実際の操業を考えると、本発明の実用上の意義は大きい。
本発明のさらなる改良方法によれば、上述のようにして投射めっきを行うことで得られた投射成膜面にさらに潤滑処理を施してもよい。
この場合の処理としては、特に制限はなく、従来より公知の例えば固体潤滑剤(例:二流かモリブデン)を含む有機樹脂皮膜を設けることでもよい。その他、各種公知のコンパウンドを設けることでもよい。
本発明による鉄−亜鉛皮膜粒子の投射回数は、少なくとも1回行えばよいが、複数回行って、皮膜厚さを増大させる場合には、同じ方向からの投射を繰り返せばよいが、場合によっては、二回目は、反対方向から行ってもよい。その場合には、 ねじ山頂面とのなす角度は、(180−θ)とするのが好ましい。
次に、本発明の実施例によってその作用効果をより具体的に説明する。
表1の成分からなる鋼管の継手部分(外径7インチ、肉厚0.4インチ)であるボックスのねじ部(ねじ高さh:1.8mm、ねじ幅W:2.5mm)およびメタルシ−ル部に対して、投射圧力5kg/mm2、投射ノズルとねじ山部の距離50mm、投射量5kg/min、ボックス回転数34.2rpmで鉄−亜鉛皮膜粒子を投射した。本例では、ねじ形状は一定であるため、投射めっき角度を変えて、各種厚さのめっきを行った。また、ねじ形状は、図1に示す特殊形状ねじであった。
投射後ミクロ試験片を採取し、光学顕微鏡500倍でねじ山、ねじ側面、ねじ底の鉄―亜鉛被膜の膜厚を測定した。
同条件で作成したボックスの鉄−亜鉛被膜表面に潤滑処理を行い、表2に示す条件で締め付け、緩めのメイクアップ/ブレークダウンを実施し、ゴーリングが発生する回数を測定した。本試験では、ピン側は機械加工ままで使用した。
表3に投射条件および鉄−亜鉛被膜の膜厚およびメイクアップ/ブレークダウンの回数の結果をまとめて示す。
本発明範囲の処理条件で投射めっきを行って場合のボックスのねじ部には均一な鉄―亜鉛被膜が形成される、従って、耐ゴーリング性能が極めて良好である。一方、本発明の範囲を外れた条件で投射めっきを行った場合、投射めっきによる鉄―亜鉛被膜の形成が不均一のため、耐ゴーリング性能が低い。
Figure 2006084003
Figure 2006084003
Figure 2006084003
本発明にかかる投射めっきを行うねじ部の形状の模式的説明図である。

Claims (2)

  1. ねじ部およびメタルシール部を有する油井管継手において、当該油井管継手のねじ部に対して、ねじ高さをh、ねじ幅をW、投射角度をθとしたとき、
    h/W<tanθ<2h/W
    を満足する条件で、硬度Hv250〜Hv350で粒径0.7mm〜0.3mmの鉄−亜鉛被覆粒子を投射することを特徴とする潤滑性に優れた油井管継手の製造方法。
  2. ねじ部およびメタルシール部を有する油井管継手において、当該油井管継手のねじ部に対して、ねじ高さをh、ねじ幅をW、投射角度をθとしたとき、
    h/W<tan θ<2h/W
    を満足する条件で、硬度Hv250〜Hv350で粒径0.7mm〜0.3mmの鉄−亜鉛被覆粒子を投射し、その後得られた投射面にさらに潤滑処理を施すことを特徴とする潤滑性に優れた油井管継手の製造方法。
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