JP2006066300A - 燃料電池システムの燃焼温度制御装置およびその設計方法 - Google Patents

燃料電池システムの燃焼温度制御装置およびその設計方法 Download PDF

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浩明 加藤
和政 ▲高▼田
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Abstract

【課題】 改質部内温度および改質部出ガス温度をフィードバックして燃焼用燃料の供給を制御することにより、改質部出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に応答性よく、かつ高い安定性にて簡単に制御する燃料電池システムの燃焼温度制御装置およびその設計方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池システムの燃焼温度制御装置は、改質部内温度に対してPD制御を施すことにより第1操作変化量を導出する第1制御器31と、改質部出ガス目標温度と改質部出ガス温度との差に対してPID制御を施すことにより第2操作変化量を導出する第2制御器32と、第2操作変化量から第1操作変化量を減算して燃焼用燃料ポンプの操作量であるデューティ比を導出するデューティ比導出器33を備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料電池システムの燃焼温度制御装置およびその設計方法に関する。
従来から、燃料電池システムは、検出した負荷電力(消費電力)に基づいて、予め用意した燃料供給指示値マップ(負荷電力とその電力を出力するのに必要な燃料供給指示値との相関関係を示すマップ)から改質用燃料の供給量を決定し、その供給量に応じた改質水、酸化用空気およびカソード用空気の供給量をそれぞれ決定し、それぞれを供給する供給手段(燃料ポンプ、水ポンプ、空気ポンプ)を制御することにより、先に決定した供給量を改質部、一酸化炭素低減部および燃料電池に供給して、燃料電池を所定の出力にて(検出した負荷電力に追従するように)発電するようになっている。改質部は、改質用燃料が供給されその供給された改質用燃料を内部に充填された改質触媒によって改質することにより水素を含む改質ガスを生成しているが、水素を安定的に生成するためには改質部から導出される改質部出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に維持する必要がある。このときの温度制御は、改質部内の温度を検出し、その検出結果をフィードバックして間接的に改質部出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に維持している。
このような温度制御の一例として、特許文献1「燃料改質装置の温度制御」に示されているものが知られている。特許文献1に示されているように、燃料改質装置への要求負荷に応じて、改質部220内の複数の部位における目標温度triを設定する。また、これらの複数の部位における現状温度twiを測定または推定によって取得する。そして、これらの複数部位における目標温度と現状温度との偏差Δtwiに対して均等でない重みfiを適用して積和演算することによって、改質部220に供給される改質原料の少なくとも一部を構成する特定の原料の流量(部分酸化用空気の流量ua、燃焼原料の流量など)を決定するようになっている。これにより、負荷変動(負荷電力の変動)があったときにも良好な改質ガス品質を達成することができる。
また、改質部から導出される改質ガスの温度(改質部出ガス温度)を検出し、その検出結果のみに基づいて改質部出ガス温度を制御するものも知られている(特許文献2参照)。特許文献2に示されている改質装置の温度制御方法は、改質ガスの増減要求に伴ってその増減傾向を動特性判定回路25Aで判定する工程と、改質ガスの目標温度に一定の幅を持たせて設定された目標温度域から実測温度が逸脱した時に実測温度の目標温度からの偏差量に基づいて原料ガスの供給量を改質ガス温度制御手段23で補正する工程と、判定結果に基づいて原料ガスの増減要求時からの改質器11内の温度変化の遅れ時間をむだ時間量演算回路25Cで予測し、原料ガスの増減要求のあった時には遅れ時間だけ改質ガスの取出量を改質ガス制限手段24を介して制限する工程とを有するものである。これにより、製品ガスの要求量の増加減時に、余裕を持って原料ガスの供給量を増減して過渡的な改質ガス温度の変動を抑制することができ、製品ガスの要求量の増減要求に対して柔軟に対応することができる。
さらに、改質部内の温度を検出したり改質部出ガス温度を検出したりして、それら検出結果に基づいて改質部出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に維持するものではないが、特許文献3「改質器の制御装置」に示されているものが知られている。特許文献3に示されているように、燃焼部6で生じさせた熱によって改質燃料を加熱するとともにその改質燃料を改質反応によってガス化し、得られた改質ガスを他の形態のエネルギーに変換するエネルギー変換器(燃料電池1)に供給する改質器2の制御装置(電子制御装置36)において、燃焼部6の温度を検出する燃焼部温度検出手段(温度センサ32)と、検出された燃焼部6の温度に基づいて燃焼部6に供給する燃焼原料の量を減少するように補正する燃焼原料補正手段(S13,S14)とを備えている。これにより、燃焼部6の温度が所定値以上に高くなった場合、燃焼部6で燃焼する原料の量が少なくなるので、燃焼部6での発熱量が低下する。そのため、燃焼部6の異常な温度上昇やそれに伴う損傷が未然に防止される。
特開2003−221205号公報(第3−12頁、第1−13図) 特開2001−35517号公報(第3−6頁、第1図) 特開2000−178001号公報(第2−12頁、第1−17図)
上述した特許文献1においては、改質部220内の温度(改質部内温度)を検出し、その検出結果をフィードバックして間接的に改質部出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に維持しているが、改質部内温度の変化情報を使用して間接的に改質部出ガス温度を制御するので、改質装置の製品特性、負荷、劣化、外気温などを考慮して改質部内温度と改質部出ガス温度との相関を取り、改質部内温度が変化するごとに目標値を算出してその目標値となるように改質部出ガス温度を制御する必要があり、制御が複雑になり、かつそれに起因して制御結果が不安定となるおそれがあるという問題があった。
また、上述した特許文献2においては、改質部出ガス温度を検出し、その検出結果のみに基づいて改質部出ガス温度を制御しているが、燃料の供給量の変化に対して改質部出ガス温度の変化が遅れることを考慮していないため、制御応答性は必ずしもよくなかった。
本発明は、上述した各問題を解消するためになされたもので、改質部内温度および改質部出ガス温度をフィードバックして燃焼用燃料の供給を制御することにより、改質部出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に応答性よく、かつ高い安定性にて簡単に制御する燃料電池システムの燃焼温度制御装置およびその設計方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、改質用燃料が供給されその供給された改質用燃料を内部に充填された改質触媒によって改質することにより水素を含む改質ガスを生成して燃料電池に導出する改質部と、燃焼用燃料が燃焼用燃料供給手段によって供給され燃焼用酸化剤ガスによって燃焼されてその燃焼熱によって改質部を加熱する燃焼部と、を備えた燃料電池システムの燃焼温度制御装置において、改質部内の所定場所の温度を検出する改質部内温度検出手段と、改質部から導出される改質ガスの温度を検出する改質部出ガス温度検出手段と、両温度検出手段によってそれぞれ検出された改質部内温度および改質部出ガス温度をフィードバックして燃焼用燃料供給手段の操作量を導出する操作量導出手段と、この操作量導出手段によって導出された操作量となるように燃焼用燃料供給手段を制御する燃焼用燃料供給手段制御手段とを備えたことである。
また、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、操作量導出手段は、改質部出ガス目標温度と、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差、および改質部内温度検出手段によって検出された改質部内温度に基づいて燃焼用燃料供給手段の操作量を導出することである。
また、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、操作量導出手段は、改質部内温度検出手段によって検出された改質部内温度に基づいて燃焼用燃料供給手段の第1の操作変化量を導出する第1操作変化量導出手段と、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度に基づいて燃焼用燃料供給手段の第2の操作変化量を導出する第2操作変化量導出手段と、から構成され、第1および第2操作変化量導出手段によってそれぞれ導出された各操作変化量に基づいて燃焼用燃料供給手段の操作量を導出することである。
また、請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、第1操作変化量導出手段は、改質部内温度に対してPD制御を施すことにより第1操作変化量を導出することである。
また、請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、第2操作変化量導出手段は、改質部出ガス目標温度と、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差に対してPID制御を施すことにより第2操作変化量を導出することである。
また、請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、第2操作変化量導出手段は、改質部出ガス目標温度と、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差に対してI制御を施し、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度に対してPD制御を施し、I制御を施した値からPD制御を施した値を減算することにより、第2操作変化量を導出することである。
また、請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至請求項6の何れか一項において、改質部出ガス目標温度が変化したか否かを判定する判定手段をさらに備え、判定手段が改質部出ガス目標温度が変化したと判定した場合には、その判定時点に検出した改質部内温度を初期値とすることである。
また、請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項7において、改質部内温度を所定のフィルタ処理を施して導出するフィルタ処理手段をさらに備え、判定手段が目標出ガス温度が変化したと判定した時点にフィルタ処理手段によってフィルタ処理した改質部内温度を初期値とすることである。
また、請求項9に係る発明の構成上の特徴は、改質用燃料が供給されその供給された改質用燃料を内部に充填された改質触媒によって改質することにより水素を含む改質ガスを生成して燃料電池に導出する改質部と、燃焼用燃料が燃焼用燃料供給手段によって供給され燃焼用酸化剤ガスによって燃焼されてその燃焼熱によって改質部を加熱する燃焼部と、を備えた燃料電池システムの燃焼温度制御装置の設計方法において、燃焼用燃料供給手段の操作量、改質部内の所定場所の温度である改質部内温度、および改質部から導出される改質ガスの温度である改質部出ガス温度に基づいて、燃焼用燃料供給手段の操作量から改質部内温度および改質部出ガス温度までの各動特性を表す数式モデルを導出し、改質部出ガス温度の理想的な目標応答を表す規範モデルを作成し、改質部内温度にPD制御を施すときに改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するようにPD制御の各パラメータを決定し、改質部出ガス温度にPID制御を施すときに改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するようにPID制御の各パラメータを決定することである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、操作量導出手段が、改質部内温度検出手段および改質部出ガス温度検出手段によってそれぞれ検出された改質部内温度および改質部出ガス温度をフィードバックして燃焼用燃料供給手段の操作量を導出し、燃焼用燃料供給手段制御手段が、操作量導出手段によって導出された操作量となるように燃焼用燃料供給手段を制御する。これにより、燃焼部には、改質部内温度および改質部出ガス温度に基づいて導出された操作量となるように燃焼用燃料が供給されるので、改質部出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に簡単に制御することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、操作量導出手段は、改質部出ガス目標温度と、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差、および改質部内温度検出手段によって検出された改質部内温度に基づいて燃焼用燃料供給手段の操作量を導出するので、適切な操作量を導出することによりひいては適切な燃焼温度に制御することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1に係る発明において、第1操作変化量導出手段が、燃料の操作量の変化に対する改質部出ガス温度の変化の遅れを考慮して制御応答性を重視して重み付けされた第1操作変化量を導出し、第2操作変化量導出手段が、改質部出ガス目標温度に一致するように改質部出ガス温度を制御する制御一致性を重視して重み付けされた第2操作変化量を導出し、操作量導出手段が、第1および第2操作変化量導出手段によってそれぞれ導出された各操作変化量に基づいて燃焼用燃料供給手段の操作量を導出するので、制御応答性および制御一致性を加味した操作量を導出することによりひいては高応答性かつ高精度に燃焼温度を制御することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項3に係る発明において、第1操作変化量導出手段は、改質部内温度に対してPD制御を施すことにより第1操作変化量を導出するので、容易かつ確実に第1操作変化量を導出して容易かつ確実に燃焼温度を制御することができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項3に係る発明において、第2操作変化量導出手段は、改質部出ガス目標温度と、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差に対してPID制御を施すことにより第2操作変化量を導出するので、容易かつ確実に第2操作変化量を導出して容易かつ確実に燃焼温度を制御することができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項3に係る発明において、第2操作変化量導出手段は、改質部出ガス目標温度と、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差に対してI制御を施し、改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度に対してPD制御を施し、I制御を施した値からPD制御を施した値を減算することにより第2操作変化量を導出するので、容易かつ確実に第2操作変化量を導出して容易かつ確実に燃焼温度を制御することができる。
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、請求項2乃至請求項6の何れか一項に係る発明において、改質部出ガス目標温度が変化したか否かを判定する判定手段をさらに備え、判定手段が改質部出ガス目標温度が変化したと判定した場合には、その判定時点に検出した改質部内温度を初期値とするので、適切な初期値を設定して確実に燃焼用燃料供給手段の操作量を導出することにより、確実に燃焼温度を制御することができる。
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、請求項7に係る発明において、改質部内温度を所定のフィルタ処理を施して導出するフィルタ処理手段をさらに備え、判定手段が目標出ガス温度が変化したと判定した時点にフィルタ処理手段によってフィルタ処理した改質部内温度を初期値とするので、検出された改質部内温度からノイズを排除して適切な初期値を設定して、確実に燃焼用燃料供給手段の操作量を導出することにより、確実に燃焼温度を制御することができる。
上記のように構成した請求項9に係る発明においては、燃焼用燃料供給手段の操作量、改質部内の所定場所の温度である改質部内温度、および改質部から導出される改質ガスの温度である改質部出ガス温度に基づいて、燃焼用燃料供給手段の操作量から改質部内温度および改質部出ガス温度までの各動特性を表す数式モデルを導出し、改質部出ガス温度の理想的な目標応答を表す規範モデルを作成し、改質部内温度にPD制御を施すときに改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するようにPD制御の各パラメータを決定し、改質部出ガス温度にPID制御を施すときに改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するようにPID制御の各パラメータを決定するので、燃焼温度を制御する制御ロジックを確実、容易かつ短時間に作成することができる。
以下、本発明による燃料電池システムの燃焼温度制御装置を適用した燃料電池システムの一実施の形態について説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池システムは、図1に示すように、燃料電池10と燃料電池10に必要な水素を生成する水蒸気改質方式の改質装置20を備えている。燃料電池10は、燃料極11と空気極12を備えており、燃料極11に供給された改質ガス中の水素および空気極12に供給された空気(カソードエア)を用いて発電するものである。燃料電池10には変換機(インバータ)88が接続されており、変換機88は燃料電池10から出力された直流電流を交流電流に変換して負荷装置(家電製品など)に出力するようになっている。変換機88は燃料電池10から入力した直流電流値を測定する機能も有しており(燃料電池10の出力電流を検出する出力電流検出手段である。)、測定信号を燃焼温度制御装置である燃焼温度制御装置30に出力するようになっている。
改質装置20は、燃料を改質する改質部21と、改質部21から導出された改質ガスに含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)23と、COシフト部23から導出された改質ガスに含まれる一酸化炭素をさらに除去する一酸化炭素選択酸化部(以下、CO選択酸化部という)24から構成されている。燃料としては天然ガス、LPG、灯油、ガソリン、メタノールなどがあり、本実施の形態においては天然ガスにて説明する。
改質部21は、有底筒状に形成されて下方に開放するように配置され、かつ内部に改質触媒21aが充填された反応室21bを備えている。改質部21には燃焼部22が設けられている。燃焼部22は、反応室21bに密接して設けられて反応室21bを加熱する加熱室22aと、加熱室22aに高温の燃焼ガスを供給するバーナ22bとから構成されている。
反応室21bには燃料供給源Sf(例えば都市ガス管)に接続された燃料供給管41が接続されており、燃料供給源Sfから改質用燃料が供給されている。燃料供給管41には、上流から順番に第1燃料バルブ42、燃料ポンプ43、改質用燃料流量計85、脱硫器44、第2燃料バルブ45および熱交換部46が設けられている。第1および第2燃料バルブ42,45は燃焼温度制御装置30の指令によって燃料供給管41を開閉するものである。燃料ポンプ43は燃料供給源Sfから供給される改質用燃料を吸い込み改質部21の反応室21bに吐出するものであり、燃焼温度制御装置30の指令に応じて改質用燃料供給量を調整するものである。改質用燃料流量計85は改質部21に供給される改質用燃料の供給量を検出するものであり、その検出信号が燃焼温度制御装置30に出力されるようになっている。脱硫器44は改質用燃料中の硫黄分(例えば、硫黄化合物)を除去するものである。熱交換部46は改質部21からCOシフト部23へ供給される高温の改質ガスとの間で熱交換が行われて予熱された改質用燃料を改質部21の反応室21bに供給するものである。これにより、改質用燃料は硫黄分が除去され予熱されて反応室21bに供給される。
また、燃料供給管41の第2燃料バルブ45と熱交換部46との間には蒸発器55に接続された水蒸気供給管52が接続され、蒸発器55から供給された水蒸気が改質用燃料に混合されて改質部21の反応室21bに供給されている。蒸発器55には改質水供給源である水タンクSwに接続された給水管51が接続されている。給水管51には、上流から順番に水ポンプ53および水バルブ54が設けられている。水ポンプ53は水タンクSwから供給される改質水を吸い込み蒸発器55に吐出するものであり、燃焼温度制御装置30の指令に応じて改質水供給量を調整するものである。水バルブ54は燃焼温度制御装置30の指令によって給水管51を開閉するものである。給水管51は加熱室22aの外周に巻きつけられており、給水管51内の流水が加熱室22aの高熱によって予熱される。蒸発器55には一端が加熱室22aに接続され他端が外部に開放されている排気管81が貫設されており、蒸発器55は供給される予熱された改質水を排気管81を流れる加熱室22aから外部へ排出される燃焼ガス(排気ガス)によって加熱して水蒸気にし、反応室21bに供給するものである。これにより、改質水は予熱されて蒸発器55に供給され、水蒸気となって反応室21bに供給される。なお、本実施の形態においては、給水管51であって加熱室22aに巻きつけられた部分と蒸発器55とから蒸発部56が構成されている。また、蒸発器55には内部温度を検出する温度センサ55aが設けられている。
反応室21bは、後述するようにバーナ22bの燃焼ガスによって加熱されており、反応室21b内に供給された改質用燃料と水蒸気は、下記化1に示すように、改質触媒21a(例えば、Ru、Ni系の触媒)により反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素ガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に反応室21b内では、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素が、下記化2に示すように、水蒸気と反応して水素ガスと二酸化炭素とに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は熱交換部46を通って降温されてCOシフト部23に導出される。なお、改質ガスには、改質部21にて水素に転化されなかったメタンである未転化メタンも含まれている。
(化1)
CH+HO→3H+CO−Q1
(化2)
CO+HO→H+CO+Q2
水蒸気改質反応は吸熱反応であり、上記化1から明らかなように右側に反応が進む際に熱量Q1が吸熱され、逆に左側に反応が進む際に熱量Q1が発熱される。また、一酸化炭素シフト反応は発熱反応であり、上記化2から明らかなように右側に反応が進む際に熱量Q2が発熱され、逆に左側に反応が進む際に熱量Q2が吸熱される。
なお、反応室21b内には改質部21内の所定場所の温度を検出する改質部内温度検出手段である温度センサ(改質部内温度センサ)21a1が設けられている。具体的には、所定場所は反応室21b内であって改質触媒21aが充填されている部位であればよく、例えば触媒内、または反応室21bの内壁面の所定部位がある。反応室21b内の経路上であればどこでもよいが、できるだけ燃焼部22のバーナ22bの炎があたる部分の近くの部位すなわち燃焼ガスの出ガス温度による影響が最も大きい部位が好ましい。これにより、改質触媒21aが受け取る燃焼ガスからの熱量(熱エネルギー)をより直接的に測定することができ、その測定結果を利用して確実に燃焼温度を制御することができる。なお、温度センサ21a1をバーナ22bの炎があたる部分の近くの部位以外に設ける場合には、両部位の温度の相関関係に基づいて補正することが好ましい。
また、改質部21(反応室21b)のガス導出口と熱交換部46との間の管路21cには改質部21から導出される改質ガスの温度(改質部出ガス温度)を検出する改質部出ガス温度検出手段である温度センサ(改質部出ガス温度センサ)86が設けられている。温度センサ86の設置場所は、前述した温度センサ21a1の設置場所である反応室21b内であって改質触媒21aが充填されている部位の導出端から熱交換部46の熱交換が実質的に行われる実行部の導入端までの間であることが好ましい。温度センサ21a1,86の各検出信号は燃焼温度制御装置30に出力されるようになっている。
COシフト部23においては、供給された改質ガスに含まれる一酸化炭素が、上記化2に示すように、COシフト部23内に充填された触媒23a(例えば、Cu−Zn系の触媒)により水蒸気と反応して水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これにより、改質ガスは前述した一酸化炭素シフト反応によって一酸化炭素濃度が低減されて導出される。
COシフト部23から導出された一酸化炭素濃度が低減された改質ガスは、CO選択酸化部24に供給される。一方、CO選択酸化部24には、空気供給源Saに接続された酸化用空気供給管61が接続されており、空気供給源Sa(例えば大気)から酸化用空気が供給されている。酸化用空気供給管61には、上流から順番にフィルタ62、空気ポンプ63および空気バルブ64が設けられている。フィルタ62は空気を濾過するものである。空気ポンプ63は空気供給源Saから供給される空気を吸い込みCO選択酸化部24に吐出するものであり、燃焼温度制御装置30の指令に応じて空気供給量を調整するものである。空気バルブ64は燃焼温度制御装置30の指令によって酸化用空気供給管61を開閉するものである。これにより、酸化用空気がCO選択酸化部24に供給される。
CO選択酸化部24に供給された改質ガスに残留している一酸化炭素は、下記化3に示すように、CO選択酸化部24に充填された触媒24a(例えば、Ru系またはPt系の触媒)により上述のように供給された空気中の酸素と反応して二酸化炭素になる。これにより、改質ガスは酸化反応によって一酸化炭素濃度がさらに低減されて(10ppm以下)導出されて、燃料電池10の燃料極11に供給されるようになっている。なお、改質ガス中の水素も酸化されて水となる。また、CO選択酸化部24内には触媒24aの温度を検出する温度センサ24a1が設けられている。
(化3)
CO+1/2O→CO+Q3
この反応は発熱反応であり、上記化3から明らかなように右側に反応が進む際に熱量Q3が発熱され、逆に左側に反応が進む際に熱量Q3が吸熱される。
燃料電池10の燃料極11の導入口には改質ガス供給管71を介してCO選択酸化部24が接続されており、燃料極11に改質ガスが供給されるようになっている。燃料極11の導出口にはオフガス供給管72を介してバーナ22bが接続されており、燃料電池10から排出されるアノードオフガス(燃料極11にて未使用な水素を含んだ改質ガス)をバーナ22bに供給するようになっている。バイパス管73は燃料電池10をバイパスして改質ガス供給管71およびオフガス供給管72を直結するものである。改質ガス供給管71にはバイパス管73との分岐点と燃料電池10との間に第1改質ガスバルブ74が設けられている。オフガス供給管72にはバイパス管73との合流点と燃料電池10との間にオフガスバルブ75が設けられている。バイパス管73には第2改質ガスバルブ76が設けられている。第1および第2改質ガスバルブ74,76およびオフガスバルブ75はそれぞれの管を開閉するものであり、燃焼温度制御装置30により制御されている。
また、燃料電池10の空気極12の導入口には、空気ポンプ63の上流にて酸化用空気供給管61から分岐したカソード用空気供給管67の先端が接続されており、空気極12内に空気が供給されるようになっている。カソード用空気供給管67には上流から順にカソード用空気ポンプ68およびカソード用空気バルブ69が設けられている。カソード用空気ポンプ68は空気供給源Saから供給される空気を吸い込み燃料電池の空気極12に吐出するものであり、燃焼温度制御装置30の指令に応じてカソード用空気供給量を調整するものである。カソード用空気バルブ69は燃焼温度制御装置30の指令によってカソード用空気供給管67を開閉するものである。さらに、燃料電池10の空気極12の導出口には、他端が外部に開放されている排気管82の一端が接続されている。
また、バーナ22bには、燃料ポンプ43の上流にて燃料供給管41から分岐した燃焼用燃料供給管47が接続されており、燃焼用燃料が供給されるようになっている。燃焼用燃料供給管47には上流から順番に燃焼用燃料ポンプ48および燃焼用燃料流量計87が設けられている。燃焼用燃料ポンプ48は燃料供給源Sfから供給される燃焼用燃料を吸い込みバーナ22bに吐出するものであり、燃焼温度制御装置30の指令に応じて燃焼用燃料供給量を調整するものである。燃焼用燃料流量計87は燃焼部22のバーナ22bに供給される燃焼用燃料の供給量を検出するものであり、その検出信号が燃焼温度制御装置30に出力されるようになっている。
さらにバーナ22bには空気ポンプ63の上流にて酸化用空気供給管61から分岐した燃焼用空気供給管65が接続されており、燃焼用燃料、改質ガスまたはアノードオフガスを燃焼させるための燃焼用酸化剤ガスである燃焼用空気が供給されるようになっている。燃焼用空気供給管65には燃焼用空気ポンプ66が設けられており、燃焼用空気ポンプ66は空気供給源Saから供給される燃焼用空気を吸い込みバーナ22bに吐出するものであり、燃焼温度制御装置30の指令に応じて燃焼用空気供給量を調整するものである。バーナ22bが燃焼温度制御装置30の指令によって着火されると、バーナ22bに供給された燃焼用燃料、改質ガスまたはアノードオフガスは燃焼されて高温の燃焼ガスが発生し、この燃焼ガスが加熱室22aに供給されて反応室21bが加熱されることにより改質触媒21aが加熱される。加熱室22aを通過した燃焼ガスは排気管81および蒸発器55を通って排気ガスとして外部に排気される。
また、改質ガス供給管71、オフガス供給管72および排気管82の途中には、それぞれ改質ガス用凝縮器77、アノードオフガス用凝縮器78およびカソードオフガス用凝縮器79が設けられている。改質ガス用凝縮器77は改質ガス供給管71中を流れる燃料電池10の燃料極11に供給される改質ガス中の水蒸気を凝縮する。アノードオフガス用凝縮器78はオフガス供給管72中を流れる燃料電池10の燃料極11から排出されるアノードオフガス中の水蒸気を凝縮する。カソードオフガス用凝縮器79は排気管82中を流れる燃料電池10の空気極12から排出されるカソードオフガス中の水蒸気を凝縮する。なお、各凝縮器77〜79には、図示しない貯湯槽の低温液体またはラジエータおよび冷却ファンによって冷却された液体が供給される冷媒管が貫設されており、この液体との熱交換によって各ガス中の水蒸気を凝縮している。
これら凝縮器77,78,79は配管84を介して純水器95に連通しており、各凝縮器77,78,79にて凝縮された凝縮水は、純水器95に導出され回収されるようになっている。純水器95は、各凝縮器77,78,79から供給された凝縮水すなわち回収水を内蔵のイオン交換樹脂によって純水にするものであり、純水化した回収水を水タンクSwに導出するものである。なお、純水器95には水道水供給源(例えば水道管)から供給される補給水(水道水)を導入する配管が接続されており、純水器95内の貯水量が下限水位を下回ると水道水が供給されるようになっている。
また、燃料電池システムは燃焼温度制御装置30を備えており、この燃焼温度制御装置30には、上述した各温度センサ21a1,24a1,55a,86、各流量計85,87、変換機88、各ポンプ43,48,53,63,66,68、各バルブ42,45,54,64,69,74,75,76、およびバーナ22bが接続されている(図2参照)。燃焼温度制御装置30はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、各温度センサ21a1,24a1,55a,86からの各温度、各流量計85,87からの各供給量、および変換機88からの出力電流を入力して、各ポンプ43,48,53,63,66,68、各バルブ42,45,54,64,69,74,75,76、およびバーナ22bを制御することにより、所望の出力電流(負荷装置で消費される電流・電力)となるように改質用燃料、燃焼用燃料、燃焼用空気および改質水の各供給量を制御することにより燃焼温度を制御している。RAMは後述するプログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは同プログラムを記憶するものである。
図3に示すように、燃焼温度制御装置30は、改質部出ガス温度目標値ref_tref(k)を入力して、燃焼用燃料ポンプ48の供給量を規定するポンプを駆動するモータのオン・オフ比を示すデューティ比を導出するように構成されている。図3は燃焼温度制御システムの構造を示すブロック図である。この燃焼温度制御システムは第1および第2制御器31,32から構成されている。第1制御器31は、改質部内温度センサ21a1が検出した改質部内温度twall(k)を入力して制御信号である第1操作変化量dmv1(k)を生成してデューティ比導出器33へ出力するものである。具体的には、第1制御器31は、改質部内温度twall(k)に対してPD制御を施して第1操作変化量dmv1(k)を導出する。このとき、PD制御は、下記数1に示す伝達関数で表される。
Figure 2006066300
なお、pbおよびTdはそれぞれ比例帯および微分時間を表しており、sはラプラス演算子を表している。
第2制御器32は、改質部出ガス温度センサ86が検出した改質部出ガス温度tref(k)を入力して改質部出ガス温度目標値(改質部出ガス目標温度)ref_tref(k)に基づいて偏差dv2(k)を導出する加算器34からその偏差dv2(k)を入力し制御信号である第2操作変化量dmv2(k)を生成してデューティ比導出器33へ出力するものである。具体的には、第2制御器32は、改質部出ガス温度tref(k)に対してPID制御を施して第2操作変化量dmv2(k)を導出する。このとき、PID制御は、下記数2に示す伝達関数で表される。
Figure 2006066300
なお、pb、TiおよびTdはそれぞれ比例帯、積分時間および微分時間を表しており、sはラプラス演算子を表している。
デューティ比導出器33は、第1および第2操作変化量dmv1(k),dmv2(k)に基づいてデューティ比duty(k)を導出するものである。具体的には、第2操作変化量dmv2(k)から第1操作変化量dmv1(k)を減算した値に基づいてデューティ比duty(k)を導出する。加算器34は、改質部出ガス温度目標値ref_tref(k)から改質部出ガス温度tref(k)を減算して偏差dv2(k)を導出するものである。
また、燃焼温度制御システムは、第1および第2制御対象(プラント、プロセス)35,36を備えている。第1制御対象35は、燃焼用燃料ポンプ48の例えばデューティ比で表される操作量に対する改質部内温度の動特性を表すものであり、例えば2次系の伝達関数P(s)で表されるものである。第2制御対象36は、改質部内温度に対する改質部出ガス温度の動特性を表すものであり、例えば1次系の伝達関数P(s)で表されるものである。
このような燃焼温度制御システムが構成された燃焼温度制御装置30を図4を参照してさらに詳述する。第1制御器31は、メモリ31a、加算器31b、メモリ31c、加算器31d、乗算器31e、加算器31fおよび乗算器31gから構成されている。メモリ31aは、前回の改質部内温度twall(k−1)を更新記憶するものである。加算器31bは、今回の改質部内温度twall(k)からメモリ31aに記憶されている前回の改質部内温度twall(k−1)を減算して改質部内温度偏差dtwall(k)を演算し、メモリ31c、加算器31dおよび31fに出力するものである。メモリ31cは、前回の改質部内温度偏差dtwall(k−1)を更新記憶するものである。加算器31dは、今回の改質部内温度偏差dtwall(k)からメモリ31cに記憶されている前回の改質部内温度偏差dtwall(k−1)を減算して改質部内温度偏差の偏差ddtwall(k)を演算し、乗算器31eに出力するものである。乗算器31eは、入力した改質部内温度偏差の偏差ddtwall(k)にTd/Tsを乗算して加算器31fに出力するものである。加算器31fは、加算器31bおよび乗算器31eからそれぞれ入力した改質部内温度偏差dtwall(k)および改質部内温度偏差の偏差ddtwall(k)にTd/Tsを乗算した値を加算してその加算値を乗算器31gに出力するものである。そして、乗算器31gはその加算値に1/pbを乗算した値を第1操作変化量dmv1(k)として導出してデューティ比導出器33の加算器33aに出力するものである。
なお、メモリ31aに記憶される演算開始時の初期値は次のように設定される。すなわち、改質部出ガス目標温度ref_tref(k)が変化したか否かを判定する判定手段である目標値変化判定器31hが改質部出ガス目標温度ref_tref(k)が変化したと判定した場合には、その判定時点に検出した改質部内温度twall(k)を初期値とする。目標値変化判定器31hはメモリ31h1および加算器31h2から構成されている。メモリ31h1は、前回の改質部出ガス目標温度ref_tref(k−1)を更新記憶するものである。加算器31h2は、今回の改質部出ガス目標温度ref_tref(k)からメモリ31h1に記憶されている前回の改質部出ガス目標温度ref_tref(k−1)を減算して改質部出ガス目標温度変化量dv1(k)を演算し、その演算結果をスイッチ31jに出力するものである。スイッチ31jは、改質部出ガス目標温度変化量dv1(k)が0でないかまたはその絶対値が所定値以上である場合すなわち改質部出ガス目標温度が変化した場合に、フィルタ処理器31iにて所定のフィルタ処理を施された改質部内温度filt_twall(k)をメモリ31aに出力し、そうでない場合すなわち改質部出ガス目標温度が変化しない場合に、改質部内温度filt_twall(k)をメモリ31aに出力しないようにするものである。これにより、改質部出ガス目標温度が変化したと判定した場合には、その判定時点に検出した改質部内温度を初期値とすることができる。したがって、適切な初期値を設定して確実に燃焼用燃料ポンプ48の操作量を導出することにより、確実に燃焼温度を制御することができる。
さらに、フィルタ処理器31iは、改質部内温度twall(k)を入力して所定のフィルタ処理(例えばローパスフィルタ)を施して導出するものである。これにより、目標出ガス温度が変化したと判定した時点にフィルタ処理器31iによってフィルタ処理した改質部内温度を初期値とすることができる。したがって、検出された改質部内温度からノイズを排除して適切な初期値を設定して、確実に燃焼用燃料ポンプ48の操作量を導出することにより、確実に燃焼温度を制御することができる。
第2制御器32は、メモリ32a、加算器32b、乗算器32c、加算器32dおよび乗算器32eから構成されている。メモリ32aは、加算器34から出力された偏差dv2(k)を入力して前回の偏差dv2(k−1)を更新記憶するものである。加算器32bは、加算器34から入力した今回の偏差dv2(k)からメモリ32aに記憶されている前回の偏差dv2(k−1)を減算して偏差の偏差ddv2(k)を演算し、加算器32dに出力するものである。乗算器32cは、加算器34から入力した今回の偏差dv2(k)にTs/Tiを乗算して加算器32dに出力するものである。加算器32dは、加算器32bおよび乗算器32cからそれぞれ入力した偏差の偏差ddv2(k)および今回の偏差dv2(k)にTs/Tiを乗算した値を加算してその加算値を乗算器32eに出力するものである。そして、乗算器32eはその加算値に1/pbを乗算した値を第2操作変化量dmv2(k)として導出してデューティ比導出器33の加算器33aに出力するものである。
デューティ比導出器33は、加算器33a,33bおよびメモリ33cから構成されている。加算器33aは、上述のようにそれぞれ入力した第2操作変化量dmv2(k)から第1操作変化量dmv1(k)を減算して操作量dmv(k)を導出して加算器33bに出力する。加算器33bは、操作量dmv(k)にメモリ33cから入力した前回のデューティ比duty(k−1)を加算して今回のデューティ比duty(k)を導出して出力する。メモリ33cは、加算器33bからデューティ比duty(k)を入力して前回のデューティ比duty(k−1)を更新記憶するものである。なお、上述した各メモリ31c,32a,33cの初期値は0℃とするのが望ましい。
次に、上述した燃料電池システムの作動について説明する。燃焼温度制御装置30は、時刻t0にて図示しない起動スイッチがオンされると、燃料電池システムの起動運転を開始する。燃焼温度制御装置30は、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75を閉じ第2改質ガスバルブ76を開いてCO選択酸化部24をバーナ22bに接続し、第1燃料バルブ42を開き第2燃料バルブ45を閉じて燃焼用燃料ポンプ48および燃焼用空気ポンプ66を駆動して燃焼用燃料および燃焼用空気をバーナ22bに供給してバーナ22bを着火する。これにより、燃焼用燃料が燃焼され、燃焼ガスにより改質部21内の改質触媒21aおよび蒸発器55が加熱される。
燃焼温度制御装置30は、温度センサ55aにより蒸発器55の温度を検出し、この検出した温度が第1の所定温度Th1以上となれば(時刻t1)、水バルブ54を開き、水ポンプ53を駆動させ水タンクSwの水を所定流量(所定供給量)だけ蒸発器55を介して改質部21に供給する。
燃焼温度制御装置30は、蒸発器55の温度が所定温度Th1以上となった時点(時刻t1)からタイマのカウントを開始する。タイマが第1所定時間T1(例えば1分)以上となれば、第2燃料バルブ45を開いて燃料ポンプ43を駆動させ燃料供給源Sfの燃料を所定流量(所定供給量)だけ改質部21に供給するとともに、空気バルブ64を開いて空気ポンプ63を駆動させ空気供給源Saの空気を所定流量(所定供給量)だけCO選択酸化部24に供給する。これにより、改質部21に改質用燃料と水蒸気の混合ガスが供給され、改質部21では上述した水蒸気改質反応および一酸化炭素シフト反応が生じて改質ガスが生成される。そして、改質部21から導出された改質ガスはCOシフト部23およびCO選択酸化部24により一酸化炭素ガスを低減されてCO選択酸化部24から導出され、燃焼部22のバーナ22bに供給され燃焼される。
このように改質ガスの生成中において、燃焼温度制御装置30は、温度センサ24a1によりCO選択酸化部24の触媒24aの温度を検出し、この検出した温度が第2の所定温度Th2以上となれば(時刻t4)、第1改質ガスバルブ74およびオフガスバルブ75を開き第2改質ガスバルブ76を閉じてCO選択酸化部24を燃料電池10の燃料極11の導入口に接続するとともに燃料極11の導出口をバーナ22bに接続する。これにより、燃料電池システムを暖機する起動運転が終了して続いて定常運転が開始される。
燃焼温度制御装置30は、定常運転(燃料電池10を発電させる運転モード)を開始する。このとき、所望の出力電流(負荷装置で消費される電流・電力)となるように改質用燃料、燃焼用燃料、燃焼用空気、酸化用空気、カソード用空気および改質水を供給するようになっている。燃焼温度制御装置30は、所望の出力電流となるように改質用燃料の供給量を演算しその供給量となるように燃料ポンプ43を駆動させ、演算した改質用燃料供給量およびS/C(スチームカーボン比)に基づいて改質水の供給量を演算しその供給量となるように水ポンプ53を駆動させ、アノードオフガスの燃焼熱だけでは燃焼部22にて必要な熱エネルギーが不足する場合、起動運転時である場合などに、後述するように燃焼部22に供給する燃焼用燃料の供給量(燃焼用燃料ポンプ48の操作量)を演算しその供給量となるように燃焼用燃料ポンプ48を駆動させ、改質用燃料供給量などに基づいて燃焼用空気の供給量を演算しその供給量となるように燃焼用空気ポンプ66を駆動させ、一酸化炭素を所定量以下とするように酸化用空気の供給量を演算しその供給量となるように空気ポンプ63を駆動させ、そして改質装置20から供給された改質ガスと反応するに十分なカソード用空気の供給量を演算しその供給量となるようにカソード用空気ポンプ68を駆動させている。そして、停止スイッチが押されると、燃料電池システムは停止する。
さらに、燃焼用燃料ポンプ48の操作量すなわち燃焼用燃料の供給量の演算および供給について図5に示したフローチャートを参照しながら説明する。燃焼温度制御装置30は、図示しないスタートスイッチがオンされると、所定の短時間毎に、上記フローチャートに対応したプログラムを繰り返し実行する。燃焼温度制御装置30は、図5のステップ100にてプログラムの実行を開始する毎に、改質部内温度(改質部壁面温度)twall(k)を検出する(ステップ102)。そして、検出した改質部壁面温度twall(k)にローパスフィルタ処理を施して改質部壁面温度filt_twall(k)を導出する(ステップ104)。このフィルタ処理を施した改質部壁面温度filt_twall(k)は下記数3により導出される。
(数3)
filt_twall(k)=F(z、fc)・twall(k)
zは前回サンプリング値であり、fcはカットオフ周波数である。
燃焼温度制御装置30は、改質部出ガス目標温度ref_tref(k)を受信(入力)し(ステップ106)、記憶しておいた前回サンプリング値ref_tref(k−1)と比較して改質部出ガス目標温度変化量dv1(k)を演算し(ステップ108)、演算結果に基づいて改質部出ガス目標温度ref_tref(k)が変化したか否かを判定する(ステップ110)。ステップ108においては、例えば、改質部出ガス目標温度変化量dv1(k)は、今回の改質部出ガス目標温度ref_tref(k)から前回の改質部出ガス目標温度ref_tref(k−1)を減算して演算すればよい。ステップ110においては、改質部出ガス目標温度変化量dv1(k)が0でないかまたはその絶対値が所定値以上である場合に改質部出ガス目標温度が変化したと判定し、そうでない場合に改質部出ガス目標温度が変化していないと判定する。
燃焼温度制御装置30は、燃料電池システムの運転開始時、負荷変動時などの改質部出ガス目標温度が変化する際には、ステップ110にて「Yes」と判定し、プログラムをステップ112に進めて各メモリを適切に初期化し、それ以外の場合には、ステップ110にて「No」と判定し、プログラムをステップ114以降に進める。これにより、目標温度が変化した場合、ステップ112にて所定のメモリすなわちメモリ31aに初期値として「0」でなくステップ104にて導出したフィルタ処理を施した改質部壁面温度filt_twall(k)(例えば720℃)を設定する。その他のメモリすなわちメモリ31c,32a,33cに初期値として「0」を設定する。
燃焼温度制御装置30は、ステップ114にて、上述した第1操作変化量dmv1(k)を下記数4から演算する。具体的には、上述した第1制御器31の説明のとおりに第1操作変化量dmv1(k)を導出する。
(数4)
dmv1(k)=C1(z、pb、Td)・twall(k)
zは前回サンプリング値であり、上述したようにpbは比例帯であり、Tdは微分時間であり、twall(k)は先にステップ102にて検出された改質部壁面温度である。
燃焼温度制御装置30は、改質部出ガス温度tref(k)を検出し(ステップ116)、改質部出ガス温度目標値ref_tref(k)からその検出値である改質部出ガス温度tref(k)を減算して偏差dv2(k)を演算し(ステップ118)、上述した第2操作変化量dmv2(k)を下記数5から演算する(ステップ120)。具体的には、上述した第2制御器32の説明のとおりに第2操作変化量dmv2(k)を導出する。
(数5)
dmv2(k)=C2(z、pb、Ti、Td)・dv2(k)
zは前回サンプリング値であり、上述したようにpbは比例帯であり、Tiは積分時間であり、Tdは微分時間である。
そして、燃焼温度制御装置30は、第2操作変化量dmv2(k)から第1操作変化量dmv1(k)を減算して操作変化量dmv(k)を導出し(ステップ122)、今回導出した操作変化量dmv(k)に前回の操作量duty(k−1)を加算して今回の操作量duty(k)を導出する(ステップ124)。そして、燃焼温度制御装置30は、燃焼用燃料ポンプ48を駆動するドライバ回路へ操作量duty(k)を送信し(ステップ126)、その後プログラムをステップ128に進めて一旦終了する。
次に、上述した燃焼温度制御装置30で実行される燃焼部22の燃焼制御を目的とする燃焼制御ロジックの設計方法について説明する。この設計方法は、燃焼用燃料供給手段の操作量、改質部内の所定場所の温度である改質部内温度、および改質部から導出される改質ガスの温度である改質部出ガス温度に基づいて、燃焼用燃料供給手段の操作量から改質部内温度および改質部出ガス温度までの各動特性を表す数式モデルを導出し(ステップ202)、改質部出ガス温度の理想的な目標応答を表す規範モデルを作成し(ステップ204)、改質部内温度にPD制御を施すときに改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するようにPD制御の各パラメータを決定し(ステップ206,208)、改質部出ガス温度にPID制御を施すときに改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するようにPID制御の各パラメータを決定する(ステップ210)。以下、この設計手法の詳細を図6のフローチャートに沿って説明する。
ステップ202においては、実際に測定した実験データを用いた時間応答、周波数応答による波形フィッティングをすることによる同定実験を行う。これにより、制御対象である燃焼用燃料ポンプ48(燃焼用燃料供給手段)の操作量(デューティ比)、改質部内温度(改質部壁面温度)、および改質部出ガス温度に基づいて、燃焼用燃料ポンプ48の操作量から改質部内温度および改質部出ガス温度までの各動特性を表す数式モデルを導出する。図3に示すように、燃焼用燃料ポンプ48の操作量から改質部内温度までの動特性を表す数式モデルは、例えば2次系の伝達関数P(s)で表され、改質部内温度から改質部出ガス温度までの動特性を表す数式モデルは、例えば1次系の伝達関数P(s)で表される。
ステップ204においては、ステップ入力した際に改質部出ガス温度の理想的な目標応答を表す規範モデルを作成する。このとき、ステップ入力に対する出力波形を作成するが、出力波形において改質部出ガス温度が改質部出ガス目標温度に到達するまでの到達時間、または到達までの振る舞い(言い換えれば燃焼用燃料の投入量の変化のさせ方)を考慮して作成されるのが好ましい。
ステップ206においては、実機を使用してPDゲインすなわちPD制御の各パラメータ(pb、Td)を変化させて、制御を行わない時の改質部出ガス温度の応答特性を観測し、改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するPD制御の各パラメータ(pb、Td)を決定する。なお、「応答特性が規範モデルと一致する」とは、完全一致だけでなく、所定範囲内のずれも含んでいる。具体的には、改質部出ガス温度の応答特性が振動的であれば、Dゲインを大きくして調整し、その後、PD制御を行った後の定常ゲインが1以下となるようにPゲインを決定する。すなわち、ステップ208において、制御後に改質部出ガス温度の応答特性が振動的でなく、かつ定常ゲインが1以下であるか否かを判定することにより、改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致しているか否かを判定しており、一致していない場合にはステップ206に戻ってPDゲインを再設定し、一致している場合にはステップ210に進む。
ステップ210においては、部分モデルマッチング法、またはH∞制御を活用し、改質部出ガス温度をフィードバックするときのPIDゲインすなわちPID制御の各パラメータ(pb、Ti、Td)を算出する。なお、部分モデルマッチング法は、制御対象に対してPID制御を用いて閉ループを構成したときに、閉ループの周波数特性が規範モデルと一致(完全一致だけでなく、所定範囲内のずれも含む)するようにP,I,Dの各ゲインを算出する設計方法である。H∞制御は、規範モデルと一致(完全一致だけでなく、所定範囲内のずれも含む)するように、かつ、想定される対象のバラツキ範囲においてシステムが安定となるように制御器が導出され、その後、PID制御の形に低次元化することでP,I,Dの各ゲインを算出する設計方法である。
ステップ212においては、性能評価条件を満足するか否かを判断する。性能評価条件を満足しないときはステップ206に戻って規範モデルを作り直し、以下、ステップ206〜212の処理を、ステップ212にて性能評価条件を満足すると判断されるまで繰り返し実行する。性能評価条件を満足すれば、ステップ214に進む。
ステップ214においては、上述したように設計されたPID制御器を離散化し、その離散化で得られたデータを組み込んだプログラムを燃焼温度制御装置30に実装する。
上述した説明から明らかなように、本実施の形態においては、操作量導出手段(図4に示す第1および第2制御器31,32、デューティ比導出器33、加算器34、図5に示すステップ114、118〜124)が、改質部内温度センサ21a1および改質部出ガス温度センサ86によってそれぞれ検出された改質部内温度twall(k)および改質部出ガス温度tref(k)をフィードバックして燃焼用燃料ポンプ48の操作量duty(k)を導出し、燃焼用燃料供給手段制御手段が、操作量導出手段によって導出された操作量duty(k)となるように燃焼用燃料ポンプ48を制御する。これにより、燃焼部22には、改質部内温度twall(k)および改質部出ガス温度tref(k)に基づいて導出された操作量duty(k)となるように燃焼用燃料が供給されるので、改質部出ガス温度を改質触媒の触媒温度活性域に簡単に制御することができる。
また、操作量導出手段は、改質部出ガス目標温度ref_tref(k)と、改質部出ガス温度センサ86によって検出された改質部出ガス温度tref(k)との差dv2(k)、および改質部内温度センサ21a1によって検出された改質部内温度twall(k)に基づいて燃焼用燃料ポンプ48の操作量duty(k)を導出するので、適切な操作量を導出することによりひいては適切な燃焼温度に制御することができる。
また、第1操作変化量導出手段(第1制御器31)が、燃料の操作量duty(k)の変化に対する改質部出ガス温度tref(k)の変化の遅れを考慮して制御応答性を重視して重み付けされた第1操作変化量dmv1(k)を導出し、第2操作変化量導出手段(第2制御器32)が、改質部出ガス目標温度ref_tref(k)に一致するように改質部出ガス温度tref(k)を制御する制御一致性を重視して重み付けされた第2操作変化量dmv2(k)を導出し、操作量導出手段(デューティ比導出器33)が、第1および第2操作変化量導出手段によってそれぞれ導出された各操作変化量dmv1(k),dmv2(k)に基づいて燃焼用燃料ポンプ48の操作量duty(k)を導出するので、制御応答性および制御一致性を加味した操作量を導出することによりひいては高応答性かつ高精度に燃焼温度を制御することができる。
また、第1操作変化量導出手段(第1制御器31)は、改質部内温度twall(k)に対してPD制御を施すことにより第1操作変化量dmv1(k)を導出するので、容易かつ確実に第1操作変化量dmv1(k)を導出して容易かつ確実に燃焼温度を制御することができる。
また、第2操作変化量導出手段(第2制御器32)は、改質部出ガス目標温度ref_tref(k)と、改質部出ガス温度センサ86によって検出された改質部出ガス温度tref(k)との差dv2(k)に対してPID制御を施すことにより第2操作変化量dmv2(k)を導出するので、容易かつ確実に第2操作変化量dmv2(k)を導出して容易かつ確実に燃焼温度を制御することができる。
また、上述した燃焼温度制御装置の設計方法においては、燃焼用燃料ポンプ48の操作量Duty(k)、改質部21内の所定場所の温度である改質部内温度twall(k)、および改質部21から導出される改質ガスの温度である改質部出ガス温度tref(k)に基づいて、燃焼用燃料ポンプ48の操作量duty(k)から改質部内温度twall(k)および改質部出ガス温度tref(k)までの各動特性を表す数式モデルを導出し、改質部出ガス温度の理想的な目標応答を表す規範モデルを作成し、改質部内温度twall(k)にPD制御を施すときに改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するようにPD制御の各パラメータを決定し、改質部出ガス温度tref(k)にPID制御を施すときに改質部出ガス温度の応答特性が規範モデルと一致するようにPID制御の各パラメータを決定するので、燃焼温度を制御する制御ロジックを確実、容易かつ短時間に作成することができる。
なお、上述した実施の形態においては、第2操作変化量導出手段は、検出した改質部出ガス温度tref(k)にPID制御を施すことにより第2操作変化量dmv2(k)を導出していたが、これに代えて、図7に示すように、検出した改質部出ガス温度tref(k)にI−PD制御を施すことにより第2操作変化量dmv2(k)を導出するようにしてもよい。すなわち、第2操作変化量導出手段は、改質部出ガス目標温度ref_tref(k)と、改質部出ガス温度センサ86によって検出された改質部出ガス温度tref(k)との差に対してI制御を施し、改質部出ガス温度センサ86によって検出された改質部出ガス温度tref(k)に対してPD制御を施し、I制御を施した値からPD制御を施した値を減算することにより第2操作変化量dmv2(k)を導出するようにすればよい。
以下図3と同一の部分については同一符号を付し、異なる部分について説明する。具体的には、第2制御器32に代えて第2aおよび第2b制御器32a,32bならびに加算器32cを備えている。第2a制御器32aは、改質部出ガス温度センサ86が検出した改質部出ガス温度tref(k)を入力して改質部出ガス温度目標値(改質部出ガス目標温度)ref_tref(k)に基づいて偏差dv2(k)を導出する加算器34からその偏差dv2(k)を入力しI制御を施してその値を加算器32cに出力する。このとき、I制御は、下記数6に示す伝達関数で表される。
Figure 2006066300
第2b制御器32bは、改質部内温度センサ21a1が検出した改質部内温度twall(k)を入力しPD制御を施してその値を加算器32cに出力する。このとき、PD制御は、下記数7に示す伝達関数で表される。
Figure 2006066300
なお、上記数6および数7において、pb、TiおよびTdはそれぞれ比例帯、積分時間および微分時間を表しており、sはラプラス演算子を表している。
そして、加算器32cは、第2a制御器32aから入力した偏差dv2(k)にI制御を施した値から、第2b制御器32bから入力した改質部内温度twall(k)にPD制御を施した値を減算して第2操作変化量dmv2(k)を導出する。これによっても、容易かつ確実に第2操作変化量dmv2(k)を導出して容易かつ確実に燃焼温度を制御することができる。
本発明による燃焼温度制御装置を適用した燃料電池システムの一実施の形態の概要を示す概要図である。 図1に示す燃料電池システムを示すブロック図である。 図2に示した燃焼温度制御装置の燃焼温度制御システムの構造を示すブロック図である。 図2に示した燃焼温度制御装置における操作量の演算を示す制御ロジック図である。 図2に示す燃焼温度制御装置にて実行される制御プログラムのフローチャートである。 図2に示す燃焼温度制御装置の設計手法の手順を示すフローチャートである。 図2に示した燃焼温度制御装置の燃焼温度制御システムの他の実施例の構造を示すブロック図である。
符号の説明
10…燃料電池、11…燃料極、12…空気極、20…改質装置、21…改質部、21a…改質触媒、21a1…温度センサ、21b…反応室、22…燃焼部、22b…バーナ、23…COシフト部、23a…触媒、24…CO選択酸化部、24a…触媒、24a1…温度センサ(改質部内温度センサ)、30…制御装置、31…第1制御器、32…第2制御器、33…デューティ比導出器、34…加算器、41…燃料供給管、42…第1燃料バルブ、43…燃料ポンプ、44…脱硫器、45…第2燃料バルブ、46…熱交換部、47…燃焼用燃料供給管、48…燃焼用燃料ポンプ、51…給水管、52…水蒸気供給管、53…水ポンプ、54…水バルブ、55…蒸発器、55a…温度センサ、61…酸化用空気供給管、62…フィルタ、63…空気ポンプ、64…空気バルブ、65…燃焼用空気供給管、66…燃焼用空気ポンプ、67…カソード用空気供給管、68…カソード用空気ポンプ、69…カソード用空気バルブ、71…改質ガス供給管、72…オフガス供給管、73…バイパス管、74…第1改質ガスバルブ、75…オフガスバルブ、76…第2改質ガスバルブ、77,78,79…凝縮器、81,82…排気管、84…回収水導出管、85…改質用燃料流量計、86…温度センサ(改質出ガス温度センサ)、87…燃焼用燃料流量計、88…変換機(インバータ)、Sa…空気供給源、Sf…燃料供給源、Sw…改質水供給源。

Claims (9)

  1. 改質用燃料が供給されその供給された改質用燃料を内部に充填された改質触媒によって改質することにより水素を含む改質ガスを生成して燃料電池に導出する改質部と、
    燃焼用燃料が燃焼用燃料供給手段によって供給され燃焼用酸化剤ガスによって燃焼されてその燃焼熱によって前記改質部を加熱する燃焼部と、
    を備えた燃料電池システムの燃焼温度制御装置において、
    前記改質部内の所定場所の温度を検出する改質部内温度検出手段と、
    前記改質部から導出される改質ガスの温度を検出する改質部出ガス温度検出手段と、
    前記両温度検出手段によってそれぞれ検出された改質部内温度および改質部出ガス温度をフィードバックして前記燃焼用燃料供給手段の操作量を導出する操作量導出手段と、
    該操作量導出手段によって導出された操作量となるように前記燃焼用燃料供給手段を制御する燃焼用燃料供給手段制御手段とを備えたことを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置。
  2. 請求項1において、前記操作量導出手段は、改質部出ガス目標温度と、前記改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差、および前記改質部内温度検出手段によって検出された改質部内温度に基づいて前記燃焼用燃料供給手段の操作量を導出することを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置。
  3. 請求項1において、前記操作量導出手段は、前記改質部内温度検出手段によって検出された改質部内温度に基づいて前記燃焼用燃料供給手段の第1の操作変化量を導出する第1操作変化量導出手段と、
    前記改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度に基づいて前記燃焼用燃料供給手段の第2の操作変化量を導出する第2操作変化量導出手段と、から構成され、
    前記第1および第2操作変化量導出手段によってそれぞれ導出された各操作変化量に基づいて前記燃焼用燃料供給手段の操作量を導出することを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置。
  4. 請求項3において、前記第1操作変化量導出手段は、前記改質部内温度に対してPD制御を施すことにより前記第1操作変化量を導出することを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置。
  5. 請求項3において、前記第2操作変化量導出手段は、前記改質部出ガス目標温度と、前記改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差に対してPID制御を施すことにより前記第2操作変化量を導出することを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置。
  6. 請求項3において、前記第2操作変化量導出手段は、前記改質部出ガス目標温度と、前記改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度との差に対してI制御を施し、前記改質部出ガス温度検出手段によって検出された改質部出ガス温度に対してPD制御を施し、前記I制御を施した値から前記PD制御を施した値を減算することにより、前記第2操作変化量を導出することを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置。
  7. 請求項2乃至請求項6の何れか一項において、前記改質部出ガス目標温度が変化したか否かを判定する判定手段をさらに備え、
    前記判定手段が改質部出ガス目標温度が変化したと判定した場合には、その判定時点に検出した改質部内温度を初期値とすることを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置。
  8. 請求項7において、前記改質部内温度を所定のフィルタ処理を施して導出するフィルタ処理手段をさらに備え、
    前記判定手段が目標出ガス温度が変化したと判定した時点に前記フィルタ処理手段によってフィルタ処理した改質部内温度を初期値とすることを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置。
  9. 改質用燃料が供給されその供給された改質用燃料を内部に充填された改質触媒によって改質することにより水素を含む改質ガスを生成して燃料電池に導出する改質部と、
    燃焼用燃料が燃焼用燃料供給手段によって供給され燃焼用酸化剤ガスによって燃焼されてその燃焼熱によって前記改質部を加熱する燃焼部と、
    を備えた燃料電池システムの燃焼温度制御装置の設計方法において、
    前記燃焼用燃料供給手段の操作量、前記改質部内の所定場所の温度である改質部内温度、および前記改質部から導出される改質ガスの温度である改質部出ガス温度に基づいて、前記燃焼用燃料供給手段の操作量から前記改質部内温度および改質部出ガス温度までの各動特性を表す数式モデルを導出し、
    前記改質部出ガス温度の理想的な目標応答を表す規範モデルを作成し、
    前記改質部内温度にPD制御を施すときに前記改質部出ガス温度の応答特性が前記規範モデルと一致するように前記PD制御の各パラメータを決定し、
    前記改質部出ガス温度にPID制御を施すときに前記改質部出ガス温度の応答特性が前記規範モデルと一致するように前記PID制御の各パラメータを決定することを特徴とする燃料電池システムの燃焼温度制御装置の設計方法。

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