JP2006058616A - 防眩フィルム、防眩性偏光板、画像表示装置及び防眩フィルムの選択方法 - Google Patents

防眩フィルム、防眩性偏光板、画像表示装置及び防眩フィルムの選択方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 透過鮮明度が高く、表示素子に実装した際にコントラスト比が低下しない、映り込みが少ない、ギラつきがないなどの特徴を兼ね備えた防眩フィルムを提供する。
【解決手段】 透光性樹脂11中に透光性微粒子12が分散している防眩層15を、透明基材フィルム18の上に積層して防眩フィルム10とする。この際、樹脂内部の透光性微粒子12の分散状態(密度分布)を均一にすることで、同じヘイズ値においても、不均一なものに比べて透過鮮明度が高く、表示素子に実装した際にコントラスト比が低下しない防眩フィルムとすることができる。また、上記防眩フィルム10は、偏光子21に配置して防眩性偏光板20とし、さらには、液晶表示素子等の表示素子の視認側に配置して防眩性の表示装置とすることができる。

【選択図】 図2

Description

本発明は、陰極線管(CRT)、液晶表示素子(LCD)などの画像表示素子の視認側表面に設ける防眩フィルム、この防眩フィルムを用いた防眩性偏光板、及び画像表示装置に関するものである。本発明はまた、画像表示装置に適用したときに高いコントラスト比を与える防眩フィルムを有効に選択する方法にも関係している。
上記のような画像表示素子において、透過光や反射光がディスプレイの表面で拡散されない場合には、正面から見たときに非常に眩しく見える問題や、蛍光灯などの周囲環境からの光がそのまま反射することによって像が映り込んでしまう問題などがある。そこで、市販の画像表示装置では、上記のような問題を防ぐことを目的に、光をある程度拡散させるための防眩フィルムが、ディスプレイ表面に設けられている。
防眩フィルムは、例えば、特開平 6-18706号公報(特許文献1)、特開平 10-20103 号公報(特許文献2)、特開平 11-326608号公報(特許文献3)、特開 2002-207108号公報(特許文献4)などに開示されるように、透明基材フィルムの表面に、二酸化ケイ素(シリカ)や有機微粒子などのフィラーを含む樹脂を塗工して防眩層を形成したものが一般的である。これらの防眩フィルムは、凝集性シリカ等の粒子の凝集によって防眩層の表面に凹凸形状を形成するタイプ、塗膜の膜厚以上の粒径を有する有機フィラーを樹脂中に添加して層表面に凹凸形状を形成するタイプ、層表面に凹凸をもったフィルムをラミネートして凹凸形状を転写するタイプなどがある。
上記のような従来の防眩フィルムは、いずれのタイプでも、防眩層の表面形状により防眩効果を得るようにしており、防眩性を高めるためには、前記凹凸の深さを大きくする必要がある。しかしながら、凹凸が深くなると、塗膜のヘイズ値が上昇し、これに伴って透過鮮明度が低下するという問題点がある。
ここでいう透過鮮明度とは、表示素子に実装したときにどれだけ表示がぼけにくいかを表す指標であって、 JIS K 7105 に規定されており、透過鮮明度が高いほど表示が鮮明であることを意味する。透過鮮明度は通常、写像性測定器で測定されるが、その際に用いる光学くしとしてこの JISには、暗部と明部の幅の比が1:1で、その幅が 0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mm である4種類が規定されている。これら4種類の光学くしを用いて測定される透過鮮明度の合計値は、最高で400%となる。本明細書の実施例では、スガ試験機(株)製の写像性測定器“ICM-IDP ”を用いて、透過鮮明度を測定した。
また、上記の如き防眩フィルムに類似したものとして、前記特許文献3の段落0006や前記特許文献4の段落0006に従来技術として記載されるような、微粒子を層内部に分散させて光分散効果を得るようにした光拡散フィルムが、例えば、反射型液晶表示装置に用いられている。
このような内部散乱効果を利用した光拡散フィルムを表示装置の視認側に配置し、防眩フィルムとすることも考えられるが、かかる内部散乱効果により十分な光拡散効果を得るためには、用いる微粒子の粒径を大きくしなければならず、このため、ヘイズ値が高くなり、画像の鮮明性が低下してしまい、表示装置のコントラスト比が低くなってしまうという問題がある。また、ディスプレイ表面に前記光拡散フィルムのような内部散乱効果のみが発現するタイプのフィルムを防眩用として配置した場合には、その表面がほぼ平坦であるため、ディスプレイ表面への外光の映り込みを防止できず、いわゆる映り込み防止性が発現されないという問題もある。さらに、上記のような内部散乱のみのタイプの防眩フィルムは、フィルム表面に「ギラつき」と呼ばれる部分的な輝きが発生し、表示画面の視認性を低下させるという問題がある。
そこで近年では、上記した如き表面の凹凸形状による散乱効果と、層内部での散乱効果とを併せ持つ防眩フィルムが用いられており、二つの散乱効果のバランスをとることで、透過鮮明度を比較的高く保ちつつ、映り込みやギラつきが小さいものとしている。
特開平6−18706号公報 特開平10−20103号公報 特開平11−326608号公報 特開2002−207108号公報
しかしながら、上記のような、表面の凹凸形状による散乱効果と層内部での散乱効果を併せ持つ防眩フィルムにおいても、映り込みやギラつきを十分に抑えた場合の透過鮮明度は十分に高いとは言いがたく、表示装置に実装した場合に、コントラスト比が低くなってしまうことが問題となっている。
本発明者は、透過鮮明度を一層高く保ちながら、ギラつきや映り込みが小さい防眩フィルムを得るべく鋭意研究を行った結果、本発明に至った。
そこで本発明の目的は、前記のような従来からの問題点を改善する防眩フィルムを提供することにあり、特に、最良範囲内のヘイズ値において、映り込みやギラつきを十分に抑えたうえで、透過鮮明度を十分に高く保ち、表示装置に実装したときに高いコントラスト比が得られる防眩フィルムを提供することにある。本発明のもう一つの目的は、この防眩フィルムを偏光素子に積層して、映り込みやギラつきが十分に抑制され、コントラスト比も高い偏光板を提供することにある。さらに本発明のもう一つの目的は、上記の防眩フィルムを適用して、視認性に優れた画像表示装置とすることにある。さらにまた、本発明のもう一つ別の目的は、画像表示装置に適用したときに高いコントラスト比を与える防眩フィルムを有効に選択する方法を提供することにある。
すなわち本発明によれば、透明基材フィルムと、透光性樹脂中に少なくとも1種類の透光性微粒子が分散している防眩層とが積層された防眩フィルムであって、前記透光性微粒子と前記透光性樹脂とは、屈折率の差が0.03以上0.2以下であり、かつ、透光性樹脂中での透光性微粒子の分散状態を表す指標となる以下に定義される分散性指標Dが40以下である防眩フィルムが提供される。
ここで、透光性樹脂中での透光性微粒子の分散状態を表す指標となる分散性指標Dについて説明する。まず、上記の如き、透明基材フィルムと、透光性樹脂中に少なくとも1種類の透光性微粒子が分散している防眩層とが積層されている防眩フィルムを、Lμm ×Lμm を1単位とするピクセル(ここに、Lは透光性微粒子の平均直径の約3倍とする)に分割し、少なくとも100ピクセルについて、透光性微粒子の数密度xi を求める。こうして求められる個々のピクセルにおける透光性微粒子の数密度xi から、ピクセル数をnとして、数密度xi の平均値d(=Σxi/n )を求め、さらにその標準偏差σを下記式(1)により求める。
Figure 2006058616
なお、ここでは、母集団からサンプルの一部を取り出し、そのデータをもって母集団を表そうとしているため、(n−1)法による標準偏差を用いている。
上の式(1)による標準偏差σと、透光性微粒子の数密度の平均値dとを用いて、下記式(2)により分散性指標Dを表すと、この数字が大きいほど分散性が悪く、逆にこの数字が小さいほど均一に分散していることが見出されたのである。
Figure 2006058616
また本発明によれば、偏光素子と上記の防眩フィルムとが、その防眩フィルムの透明基材フィルム側で積層されている防眩性偏光板も提供される。
さらに本発明によれば、画像表示素子の視認側に、上記の防眩フィルム又は上記の防眩性偏光板を、その防眩層が最も外側となるように配置した画像表示装置も提供される。
さらにまた、本発明によれば、透明基材フィルムと、透光性樹脂中に少なくとも1種類の透光性微粒子が分散している防眩層とが積層されてなる防眩フィルムにつき、透光性微粒子の平均直径に対して約3倍の長さを一辺とする正方形のピクセルに分割し、少なくとも100ピクセルについて、透光性微粒子の数密度xi を求め、その平均値をd、標準偏差をσとしたときに、前記式(2)で表される分散性指標Dが40以下であるものを、画像表示装置に適用したときに高いコントラスト比を与える防眩フィルムとして選択する方法も提供される。
本発明においては、分散性指標Dが40以下であり、かつ、防眩フィルム全体でのヘイズ値が10%以上50%以下とすることで、高い透過鮮明度を示し、かつ、各種の表示装置に実装した場合に、コントラスト比の低下が小さく、映り込みが少なく、さらにギラつきの程度も小さい防眩フィルムを得ることができる。また、この防眩フィルムを偏光素子に積層することで、同様に優れた性能の防眩性偏光板とすることができる。さらに、この防眩フィルムを適用した画像表示装置は、コントラスト比が高く、映り込みが少なく、かつギラつきも少ないものとなる。
また本発明による防眩フィルムの選択方法を採用すれば、画像表示装置に適用したときに高いコントラスト比を与える防眩フィルムを確実に選ぶことができる。
以下、本発明の実施の形態を、適宜添付の図面も参照しながら詳細に説明する。
本発明の防眩フィルム10は、図1に断面模式図で示すように、透光性樹脂11中に透光性微粒子12を分散させ、表面の凹凸13が形成された防眩層15を、透明基材フィルム18の上に、当該防眩層の表面の凹凸13が外側になるように配置したものである。そして、透光性微粒子12と透光性樹脂11とは、屈折率の差が0.03以上0.2以下となるようにする。透光性微粒子12と透光性樹脂11との間にある程度の屈折率差を設けることで、光拡散効果を高めることができるが、屈折率差があまり大きくなると、光拡散性が高すぎて、フィルム全体が白っぽくなってしまう。
また、透光性樹脂11中での透光性微粒子12の分散状態を表す指標となる、先に定義した分散性指標Dが40以下となるようにする。分散性指標Dを表す前記式(2)において、5/√(d×135)の項は、粒子密度が低くなりすぎた場合に、1ピクセルに存在する粒子数が0に近くなって、ミクロな範囲の均一性しか評価できなくなることを防ぐために設けた項である。そして、式(2)により求められる分散性指標Dが40以下であり、透光性微粒子12の分散状態が良好な防眩フィルムは、画像表示装置に適用したとき、高いコントラスト比を与える。
防眩層15を構成する透光性樹脂11は、その材質において特に限定されるものではないが、例として、電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもの、熱硬化型樹脂などが挙げられる。透光性樹脂11は、それ自身の屈折率が1.49〜1.53の範囲にあるのが好ましい。
透光性樹脂11中に分散させる透光性微粒子12の粒径は特に限定されないが、1〜5μm の範囲にあることが好ましい。またその量は、防眩層15全体、すなわち、透光性樹脂11と透光性微粒子12の合計量を基準に、5〜30重量%程度とするのがよい。透光性微粒子12は、少なくとも1種類用いればよいが、2種類以上の透光性微粒子を用いる場合には、それぞれの粒径が異なっていてもよいし、数種類あるいは全ての粒径が同じであってもよい。
透光性微粒子12を2種類以上用いる場合は、それらのうち少なくとも2種類において屈折率が異なるものを用いるのも有効である。その場合、少なくとも2種類の透光性微粒子は、0.02以上0.10以下の屈折率差を有するようにして、細かい屈折率設定を可能としておくのが好ましい。2種類の透光性微粒子の屈折率差があまり小さいと、複数種類を組み合わせて屈折率を調整する意味がなくなり、一方で屈折率差があまり大きいと、屈折率の大きい微粒子により光拡散性が決定してしまい、やはり複数種類を組み合わせて屈折率を調整する意味がなくなる。また、このように透光性微粒子12を2種類以上用いる場合は、透光性樹脂11を、その屈折率が1.49〜1.53の範囲のものとし、透光性微粒子12の1種類は、その屈折率が1.53〜1.57の範囲のものとし、そしてもう1種類の透光性微粒子は、その屈折率が1.58〜1.62の範囲のものとするのが好ましい。
透光性微粒子12の少なくとも一つが、実質的に単分散の有機微粒子であってもよい。有機微粒子の材質は特に限定されず、例えば、メチルメタクリレート−スチレン共重合体ビーズ(屈折率1.55)、メラミン樹脂ビーズ(屈折率1.57)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57 )、ポリスチレンビーズ(屈折率1.60 )、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60 )などが挙げられる。
また、透光性微粒子12の少なくとも一つが、無機微粒子であってもよい。無機微粒子としては、シリカビーズ、アルミナビーズなどがある。
透光性樹脂11中に透光性微粒子12が分散した状態の防眩層15は、その厚さが通常0.5〜50μm程度であり、好ましくは1μm 以上、さらには2μm 以上であり、また好ましくは20μm 以下、さらには10μm 以下である。
このような防眩層15を形成させるための透明基材フィルム18は、その材質において特に限定されるものではなく、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルムなどが使用できる。なかでもトリアセチルセルロース(TAC)フィルムは、光学的な透明性に優れ、偏光子と積層する際に有効な保護層ともなるので、好ましいフィルムの一つである。透明基材フィルム18の厚さは、通常25〜1,000μm程度とする。
本発明の防眩フィルムは、例えば、電離放射線硬化型樹脂、又は電離放射線硬化型樹脂に熱可塑性樹脂と溶剤を混合したもので構成される透光性樹脂11に、透光性微粒子12を分散させて塗工液を調製し、その塗工液を透明基材フィルム18の表面に塗工し、電離放射線を照射して樹脂を硬化させることにより、製造できる。その際、透光性樹脂11と透光性微粒子12の混合条件、塗工液の塗工条件、電離放射線の照射条件などを適宜選択して、先に説明した分散性指標Dが40以下となるようにすればよい。電離放射線は、紫外線や電子線であることができるが、取扱いの容易さなどから、紫外線が一般的である。
かくして構成される防眩フィルム10は、防眩性やギラつきの防止を考えると、そのヘイズ値が10%以上50%以下であるのが好ましい。ヘイズ値があまり低いと、十分な防眩性が発揮されず、またヘイズ値があまり高いと、画像全体が白っぽくなって、透過鮮明度が低下する。ヘイズ値は JIS K 7105 に規定されるとおり、(拡散透過率/全光線透過率)×100(%)で表される値である。ヘイズ値は、一般にヘイズメーターを用いて測定され、市販のヘイズメーターとしては例えば、(株)村上色彩技術研究所製の“HM-150”などがある。
この防眩フィルム10は、表面に反射防止層(anti-reflection を略してAR層とか、あるいは low-reflection を略してLR層とか呼ばれるもの)を設けることもできる。
以上のように構成される防眩フィルム10は、偏光素子に積層して、防眩性の偏光板とすることができる。かかる防眩性偏光板の構成例を、図2に断面模式図で示す。この例では、偏光子21の片側に透明樹脂層23が配置され、これとは反対側に上記の防眩フィルム10が、その透明基材フィルム18側で積層されて、防眩性偏光板20が構成されている。換言すれば、防眩フィルム10の防眩層(凹凸面)が外側となるように配置されている。偏光子21は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素であるヨウ素又は二色性有機染料が吸着配向している、通常の直線偏光子でよい。また、偏光子21の一方の面に配置される透明樹脂層23は、トリアセチルセルロースフィルムなど、ポリビニルアルコール系偏光子に対して通常の保護層として機能するフィルムであってもよいし、保護機能と同時に表示素子の光学補償機能を有する位相差フィルムであってもよい。
図1に示した防眩フィルム10や図2に示した防眩性偏光板20は、液晶表示装置や陰極線管(CRT)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの画像表示装置に用いることができる。すなわち、液晶表示素子(LCD)、陰極線管(CRT)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの画像表示素子の視認側に、上記の防眩フィルム又は防眩性偏光板を配置して、画像表示装置とすることができる。その際、表面の凹凸13を有する防眩層が最も外側となるように配置される。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例1
表1に示す如き様々な分散性指標(D)をもって透光性微粒子が透光性樹脂中に分散している防眩フィルムにつき、写像性測定器(スガ試験機(株)製の“ICM-IDP ”)を用いて透過鮮明度(Tc )を測定した。ここで透過鮮明度(Tc )は、暗部と明部の幅の比が1:1で、その幅が 0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mm である4種類の光学くしを用いて測定された値の合計値である。分散性指標(D)に対して透過鮮明度(Tc )をプロットした結果を図3に示す。サンプルの分散性指標(D)が小さくなって投光性微粒子の分散性がよくなるほど、透過鮮明度(Tc )が高くなっている。
[表1]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
分散性指標D 透過鮮明度Tc(%)
───────────────────────
サンプルA 35.4 169
サンプルB 38.1 131.8
サンプルC 39.8 100.3
サンプルD 42.1 74.2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実施例2
透光性樹脂中に透光性微粒子が分散性指標D=38.1 となるように分散している防眩フィルム(表1中のサンプルB)は、透過鮮明度(4種類の光学くしを用いて測定された値の合計)が 131.8%で、非常に高い鮮明度を与えるものであった。また、この防眩フィルムのヘイズ値をヘイズメーター((株)村上色彩技術研究所製の“HM-150”、D65光源)で測定したところ、34.0% であった。この防眩フィルムを、通常のポリビニルアルコール−ヨウ素系偏光板(住友化学工業(株)製の“スミカラン SR-W842A ”)に防眩層の反対側で積層して、防眩性偏光板とした。
シャープ(株)製の液晶表示装置“アクオス”(対角寸法30インチ)から視認側偏光板を剥がし、その替わりに、上の防眩性偏光板をオリジナルの偏光板と同じ軸方向で貼り付けた。また、背面側偏光板も剥がし、その替わりに、通常のポリビニルアルコール−ヨウ素系偏光板(住友化学工業(株)製の“スミカラン SR-W842A ”)をオリジナルの偏光板と同じ軸方向で貼り付けた。このときの液晶セルと各フィルムの配置は、図4に示すとおりである。そして、ディスプレイ正面から見たときのコントラスト比を輝度計((株)トプコン製の“BM-5A ”)により測定した。その結果、コントラスト比は600という十分に高い値が得られた。さらに、目視による評価では、ギラつきがなく、映り込み防止性も十分なものであった。
比較例1
透光性樹脂中に透光性微粒子が分散性指標D=42.1 となるように分散している防眩フィルム(表1中のサンプルD)は、透過鮮明度(4種類の光学くしを用いて測定された値の合計)が 74.2%という低い値であった。また、この防眩フィルムのヘイズ値を実施例2と同様に測定したところ、31.6% であった。この防眩フィルムを、実施例2で用いたのと同じ偏光板に防眩層の反対側で積層して、防眩性偏光板とした。この防眩性偏光板を、実施例2と同じ形態で液晶表示装置に配置し、ディスプレイ正面から見たときのコントラスト比を測定した。その結果、コントラスト比は539という低い値であった。ただし、目視による評価では、ギラつきがなく、映り込み防止性も十分なものであった。
本発明の防眩フィルムは、外部の光の映り込みが少ない、表示のギラツキが少ない、透過鮮明度が高く表示がぼけにくい、コントラスト比が低下せず鮮明な画像を表示できる、などの特徴を兼ね備えていることから、液晶表示素子(LCD)、陰極線管(CRT)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの各種表示素子の表面に用いるのに好適である。また本発明により、先に定義した分散性指標Dを用いて防眩フィルムを選択すれば、画像表示装置に適用したときに高いコントラスト比を与える防眩フィルムが確実に選択できる。
本発明に係る防眩フィルムの層構成の例を示す断面模式図である。 本発明に係る防眩性偏光板の層構成の例を示す断面模式図である。 透光性微粒子の分散状態を示す分散性指標(D)と透過鮮明度(Tc )の関係をプロットしたグラフである。 実施例2及び比較例1で用いた液晶表示装置における液晶セルと各フィルムの配置を示す断面模式図である。
符号の説明
10……防眩フィルム、
11……透光性樹脂、
12……透光性微粒子、
13……防眩フィルムの表面の凹凸、
15……防眩層、
18……防眩フィルムの透明基材フィルム、
20……防眩性偏光板、
21……偏光子、
23……偏光板の透明樹脂層。

Claims (11)

  1. 透明基材フィルムと、透光性樹脂中に少なくとも1種類の透光性微粒子が分散している防眩層とが積層されてなる防眩フィルムであって、前記透光性微粒子と前記透光性樹脂とは、屈折率の差が0.03以上0.2以下であり、かつ、透光性樹脂中での透光性微粒子の分散状態を表す分散性指標Dが40以下であることを特徴とする防眩フィルム。
  2. 透光性微粒子は、その粒径が1〜5μm の範囲にあり、かつ前記防眩層における含有量が5〜30重量%である、請求項1に記載の防眩フィルム。
  3. 防眩層は、屈折率の異なる少なくとも2種類の透光性微粒子を含有する、請求項1又は2に記載の防眩フィルム。
  4. 少なくとも2種類の透光性微粒子は、0.02以上0.10以下の屈折率差を有する、請求項3に記載の防眩フィルム。
  5. 透光性樹脂はその屈折率が1.49〜1.53の範囲にあり、透光性微粒子の1種類はその屈折率が1.53〜1.57の範囲にあり、そしてもう1種類の透光性微粒子はその屈折率が1.58〜1.62の範囲にある、請求項3又は4に記載の防眩フィルム。
  6. 透光性微粒子の少なくとも1種類は、実質的に単分散の有機微粒子であるか、又は無機微粒子である、請求項1〜5のいずれかに記載の防眩フィルム。
  7. 透明基材フィルムは、トリアセチルセルロースフィルムである、請求項1〜6のいずれかに記載の防眩フィルム。
  8. ヘイズ値が10%以上50%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の防眩フィルム。
  9. 偏光素子と、請求項1〜8のいずれかに記載の防眩フィルムとが、該防眩フィルムの透明基材フィルム側で積層されていることを特徴とする防眩性偏光板。
  10. 画像表示素子の視認側に、請求項1〜9のいずれかに記載の防眩フィルム又は請求項9に記載の防眩性偏光板を、その防眩層が最も外側となるように配置してなることを特徴とする画像表示装置。
  11. 透明基材フィルムと、透光性樹脂中に少なくとも1種類の透光性微粒子が分散している防眩層とが積層されてなる防眩フィルムにつき、透光性微粒子の平均直径に対して約3倍の長さを一辺とする正方形のピクセルに分割し、少なくとも100ピクセルについて、透光性微粒子の数密度xi を求め、その平均値をd、標準偏差をσとしたときに、次式
    Figure 2006058616
    で表される分散性指標Dが40以下であるものを選択することを特徴とする、画像表示装置に適用したときに高いコントラスト比を与える防眩フィルムの選択方法。
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