JP2006049775A - 電界効果型有機トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果型有機トランジスタ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 オンオフ比が改善され、閾値電圧が低く、有機半導体の高度な精製法を必要としない為に低コストの電界効果型有機トランジスタを提供する。
【解決手段】 ソース電極14、ドレイン電極15、ゲート電極12、ゲート絶縁層13及び有機半導体層16を有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層16にチャネルを形成する領域から不純物を排除する不純物排除部材18が配置される電界効果型有機トランジスタ。不純物排除部材が有機半導体層の中に又は有機半導体層に接して配置されている。不純物排除部材は導電性を有する部材で、ソース電極あるいはドレイン電極と同じ部材であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は電界効果型有機トランジスタ及びその製造方法に関して、特に表示デバイス、情報タグ、IC等のエレクトロ分野に有用な有機半導体層を有する電界効果型有機トランジスタ及びその製造方法に関するものである。
有機半導体を利用した有機トランジスタは、シリコントランジスタでは困難とされるプラスチック基板上への製造や大画面化が可能である。特に可溶性有機半導体を利用したものは真空プロセスを必要としない為に低コスト化が可能であり、フレキシブルな電子ペーパー、情報タグ等の新しいデバイスへの適用が期待されている。
しかしながら、有機トランジスタは未だ実用レベルの特性が得られていない。例えば移動度が低い、オンオフ比が低い、閾値電圧が高い、経時的に劣化し易い等の多くの課題が未解決である。この様な特性を悪化させる原因の1つとして有機半導体の純度が低いことが指摘されている。その解決法として、特許文献1及び2では何れも有機半導体を精製することで不純物を取り除き、特性を改善できることが開示されている。
特開2004−63978号公報 特開2004−83650号公報
しかしながら、有機物はその合成工程において、原料、溶媒、触媒、副生成物、ガラス容器、環境等から混入する不純物を一般的手法により完全に取り除くことは不可能である。特に共役高分子化合物は低分子化合物で有効な精製法である昇華精製が適用できない為に高純度化が極めて困難である。また、精製工程を増やしたり、特殊な精製を行うことはコストの増加にもつながる。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、オンオフ比が改善され、閾値電圧が低い、電界効果型有機トランジスタ及びその製造方法を提供するものである。
また、本発明は、有機半導体の高度な精製法を必要としない為に低コストの電界効果型有機トランジスタの製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明の第1は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁層及び有機半導体層を有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層にチャネルを形成する領域から不純物を排除する不純物排除部材が配置されることを特徴とする電界効果型有機トランジスタである。
前記不純物排除部材が有機半導体層の中に又は有機半導体層に接して配置されていることが好ましい。前記不純物排除部材はチャネルを形成する領域から離れて配置されることが好ましい。また、前記不純物排除部材は導電性を有する部材であることが好ましく、更にはソース電極あるいはドレイン電極と同じ部材であることが好ましい。
本発明の第2は、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁層及び有機半導体層を有する電界効果型有機トランジスタの製造方法であって、該有機半導体層にチャネルを形成する領域から不純物を排除する不純物排除部材を配置する工程、該不純物排除部材に電界を印加して不純物を排除する工程を含むことを特徴とする電界効果型有機トランジスタの製造方法である。
前記電界を印加する工程においては有機半導体層が溶媒を含んでいることが好ましく、更には有機半導体層の加熱を伴うことが好ましい。また、前記電界を印加する工程において前記有機半導体層を形成する有機半導体のバンドギャップよりも小さい電界を印加することが好ましい。
本発明によれば、オンオフ比が改善され、閾値電圧が低い、電界効果型有機トランジスタ及びその製造方法を提供することができる。また、本発明は、有機半導体の高度な精製法を必要としない為に低コストの電界効果型有機トランジスタを提供することができる。更に、長時間使用後、これらオンオフ比、閾値電圧の特性が悪化したときに回復機能を有する電界効果型有機トランジスタを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電界効果型有機トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の3つの電極と、ゲート絶縁層及び有機半導体層とで構成された電界効果型有機トランジスタであって、チャネルを形成する領域から不純物を排除する為の不純物排除部材が該有機半導体層に接して配置されることを特徴とする電界効果型有機トランジスタである。
本発明におけるチャネルとは、有機半導体層とゲート絶縁層の界面であって、ゲート電圧によってキャリア密度が高められた部分を示し、チャネルを形成する領域とは通常、界面から数ナノ〜数十ナノの領域を示す。
本発明は、有機半導体に含まれる不純物を取り除くのではなく、不純物を残したまま、チャネルを形成する領域から不純物を排除することで、不純物を取り除いた時と同様にオンオフ比が改善できること、それだけではなく、閾値電圧を低下させることができることを見出したものである。また、本発明の利点は初期の製造時に特性の優れた電界効果型有機トランジスタを得ることができるだけでなく、長時間使用後、不純物の拡散等により劣化した特性を再度回復させることができることにある。
本発明の電界効果型有機トランジスタの構造は、プレーナー型、スタガー型または逆スタガー型の何れにおいても有効である。
本発明を図1に従って詳細に説明する。図1は本発明の電界効果型有機トランジスタの一例を示す断面模式図である。同図において、本発明の電界効果型有機トランジスタは、絶縁性基板11上にゲート電極12を配置し、その上にゲート絶縁層13を配置する。その上にソース電極14とドレイン電極15を配置し、更にチャネルを形成する領域から不純物を排除する為の不純物排除部材18を配置する。その上に有機半導体層16を配置し、そして最上部に保護膜17を配置してなるものである。チャネルを形成する領域は、ソース電極14とドレイン電極15に挟まれ、有機半導体層16とゲート絶縁層13の界面から数ナノ〜数十ナノの領域の部分からなる。
前記不純物排除部材は、本発明の効果をより有効にする為に、チャネルを形成する領域から離れて配置されることが好ましい。また、前記不純物排除部材としてはその不純物排除部材そのものが不純物を捕獲できるものでもよいが、電界、磁界、光、振動、応力等の外部からの刺激により不純物を排除することができるものでも良い。特には電界が好ましく、その場合、前記不純物排除部材は電極部材として配置される。従って、導電性を有する部材であることが好ましい。例えばAl、Cu、Ti、Au、Pt、Ag、Cr等の金属材料、ポリシリコン、シリサイド、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2 等の無機材料も好適であるが、ハイドープされたポリピリジン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンに代表される導電性高分子および炭素粒子、銀粒子等を分散した導電性インク等が挙げられる。
更には、前記不純物排除部材は製造の工程を簡略化できることより、ソース電極あるいはドレイン電極と同じ成分の部材であることが好ましい。また、前記不純物排除部材の形成方法は特に限定はされないが有機材料の場合、電解重合法、キャスティング法、スピンコート法、浸漬コート法、スクリーン印刷法、マイクロモールド法、マイクロコンタクト法、ロール塗布法、インクジェット法、LB法等で形成することができる。また、用いる材料により真空蒸着法、CVD法、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法等も有効な形成方法である。また、これらはフォトリソグラフおよびエッチング処理により所望の形状にパターニングすることができる。その他、ソフトリソグラフ、インクジェット法も有効なパターニング方法である。
その他、本発明の電界効果型有機トランジスタの好ましい構造として、図2〜6に示すが本発明はこれらに限定されるものではない。図2は、2つの不純物排除部材18が、ゲート絶縁層13上に設けられた有機半導体層16の表面に接して配置されている。図3は、1つの不純物排除部材18が、ゲート絶縁層13上に設けられた有機半導体層16の表面に接して配置されている。図4は、不純物排除部材18が、ソース電極14とドレイン電極15と共に、ゲート絶縁層13上に設けられた有機半導体層16の表面に接して配置されている。図5は、不純物排除部材18が、絶縁性基板11上に設けられた有機半導体層16の中に配置されている。図6は、不純物排除部材18が、絶縁性基板11上に設けられた有機半導体層16の表面に接して配置されている。
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記不純物排除部材に電界を印加する工程を含む電界効果型有機トランジスタの製造方法である。本発明を図7に従って詳細に説明する。図7(A)は有機半導体層を塗布した後の断面模式図である。19は有機半導体層中に含まれる不純物イオンを示す。図7(B)は有機半導体層を塗布した後、前記不純物排除部材17及び18に電界を印加した後の断面模式図である。前記不純物排除部材17及び18に電界を印加することで有機半導体層に含まれる不純物イオンが前記不純物排除部材17及び18の周辺に集まり、チャネルを形成する領域から不純物イオンが排除される。
前記電界を印加する工程は、不純物イオンを効果的に移動させる為に有機半導体層を塗布した直後、乾燥前の溶媒を含んでいる状態の時に施すことが好ましい。更には有機半導体層の加熱を伴うことが好ましい。また、有機半導体層を成膜乾燥後、有機半導体層のTgより高温の状態で電界の印加を施すことも有効である。また、前記電界を印加する工程において、前記有機半導体層が電界による酸化、還元および分解をするのを低減する為に有機半導体のバンドギャップよりも小さい電界を印加することが好ましい。バンドギャップとは禁止帯の幅であり、電子の存在し得ないエネルギー領域の幅である。
本発明の有機半導体層に用いる有機半導体は、例えば以下に示す化合物が好適である。(1)ポリアセチレン誘導体、チオフェン環を有するポリチオフェン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリチエニレンビニレン誘導体、ベンゼン環を有するポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、窒素原子を有するポリピリジン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリキノリン誘導体等の共役高分子化合物、(2)ジメチルセクシチオフェン、クオータチオフェンに代表されるオリゴマー、(3)ペリレン、テトラセン、ペンタセンに代表されるアセン類、銅フタロシアニン誘導体に代表される堆積有機分子、(4)トリフェニレン誘導体に代表されるディスコチック液晶、フェニルナフタレン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体に代表されるスメクチック液晶、(5)ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン−ビチオフェン)共重合体に代表される液晶ポリマー等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、好ましくは共役高分子化合物であり、ポリチオフェン誘導体が特に好ましい。例えば以下に示す構造の化合物が挙げられる。
Figure 2006049775
Figure 2006049775
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 はH、Fまたは炭素原子数が1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、パールルオロアルキル基を示す。nは正の整数を示す。)
これらの共役高分子化合物の分子量は特に限定はされないが、溶媒に対する可溶性、成膜性等を考慮すると重量平均分子量が5,000から100,000が好ましい。また、共役高分子化合物は配向していることが好ましい。配向方法としてはラビング法、温度勾配法、摩擦転写法、磁場あるいは電界印加による配向法等が挙げられる。
本発明で用いるゲート絶縁層は特に限定はされないがSiO2 、SiN、Al23 、Ta25 等の無機材料、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン等の有機材料および有機無機ハイブリッド材料を用いることができる。好ましくは、低コストにつながる液相プロセスを利用できるという観点から有機化合物が好ましい。
絶縁性基板としては特に限定されないが、例えばガラス、石英等の無機材料のほかアクリル系、ビニル系、エステル系、イミド系、ウレタン系、ジアゾ系、シンナモイル系等の感光性高分子化合物、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等の有機材料、有機無機ハイブリッド材料を用いることができる。また、これらの材料を2層以上積層させて用いることもでき、絶縁耐圧を上げる目的で効果がある。
さらに本発明で用いるゲート電極、ソース電極およびドレイン電極は導電体であれば特に限定はされないが、例えばAl、Cu、Ti、Au、Pt、Ag、Cr等の金属材料、ポリシリコン、シリサイド、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2 等の無機材料も好適であるが、ハイドープされたポリピリジン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンに代表される導電性高分子および炭素粒子、銀粒子等を分散した導電性インク等を用いることができる。特にフレキシブル電子ペーパー等に用いる場合、各電極は導電性高分子および炭素粒子、銀粒子等を分散した導電性インク等であるものが基板との熱膨張をそろえ易く好ましい。
これら各電極、ゲート絶縁層の形成方法は特に限定はされないが有機材料の場合、電解重合法、キャスティング法、スピンコート法、浸漬コート法、スクリーン印刷法、マイクロモールド法、マイクロコンタクト法、ロール塗布法、インクジェット法、LB法等で形成することができる。
また、用いる材料により真空蒸着法、CVD法、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法等も有効な形成方法である。また、これらはフォトリソグラフおよびエッチング処理により所望の形状にパターニングすることができる。その他、ソフトリソグラフ、インクジェット法も有効なパターニング方法である。また、必要に応じて各電極からの引出し電極や保護膜等を形成することができる。
以下、実施例により本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
図8は本発明の実施例に用いる電界効果型有機トランジスタを示す断面模式図である。ゲート電極22としてn型に高ドープされたシリコン基板、ゲート絶縁層23としてSiO2 、ソース電極24およびドレイン電極25として金、有機半導体層26を形成する有機半導体化合物としてポリ(3−ヘキシルチオフェン)(重量平均分子量58,000)、電極部材としての不純物排除部材28として金を用いる。以下に製造手順を示す。
シリコン基板上に熱酸化膜SiO2 (厚さ300nm)を形成する。その上にリフトオフ法によりチャネル長50μm、チャネル幅50mmのクロム(5nm)/金(100nm)ソースドレイン両電極および電極幅50μmの電極部材28をソースドレイン両電極の外側に同時に作製する。ポリ(3−ヘキシルチオフェン)の1wt%クロロホルム溶液をスピンコート法により乾燥後の厚さが100nmになる様に塗布し、窒素雰囲気下、電極部材に2VのDC電圧を印加しながら120℃で2時間乾燥し、有機半導体層を形成する。ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極の各電極に0.1mmφの金線を銀ペーストで配線し、電界効果型有機トランジスタ素子を作製する。ポリ(3−ヘキシルチオフェン)のバンドギャップは2eVである。
次に、ゲート電圧を0V〜−50V、ソース−ドレイン電極間の電圧0V〜−50Vでのドレイン電流を測定し、良好なIV特性が得られることが確認される。
次にドレイン電流の平方根とゲート電圧の関係からドレイン電流Id=0に外挿することにより閾値電圧Vthを求め、更に式(1)から移動度μを算出する。
Figure 2006049775
(式中、μは移動度、Idはドレイン電流(A)、Wはチャネル幅(cm)、Lはチャネル長(cm)、Ciはゲート絶縁層の単位面積あたりの容量(F/cm2 )、Vgはゲート電圧(V)、Vthは閾値電圧(V))
また、ゲート電圧0V、ソース−ドレイン電極間−50Vのときのドレイン電流(オフ電流)とゲート電圧−50V、ソース−ドレイン電極間−50Vのときのドレイン電流(オン電流)の比からオンオフ比を算出する。
実施例2
実施例1で電極部材に2VのDC電圧を印加する代わりに、5VのDC電圧を印加する以外は実施例1と同様の方法で電界効果型有機トランジスタ素子を作製する。ゲート電圧を0V〜−50V、ソース−ドレイン電極間の電圧0V〜−50Vでのドレイン電流を測定し、良好なIV特性が得られることが確認される。実施例1と同様の方法で移動度、オンオフ比、閾値電圧を求めることができる。
実施例3
実施例1で電極部材に2VのDC電圧を印加する代わりに、10VのDC電圧を印加する以外は実施例1と同様の方法で電界効果型有機トランジスタ素子を作製する。ゲート電圧を0V〜−50V、ソース−ドレイン電極間の電圧0V〜−50Vでのドレイン電流を測定し、良好なIV特性が得られることが確認される。実施例1と同様の方法で移動度、オンオフ比、閾値電圧を求めることができる。
比較例1
次に比較実験として電極部材に電界を印加しないで有機半導体層を形成する以外は実施例1と同様の方法により電界効果型有機トランジスタを作製し、実施例1と同様の手法で移動度、オンオフ比、閾値電圧を求める。その結果、実施例1〜3で作製される電界効果型有機トランジスタは比較例1で作製されるものに比べ、移動度は変化しないものの、何れもオンオフ比が2〜3桁改善され、閾値電圧が小さくなることが確認される。
実施例4
図9は本発明の実施例に用いる電界効果型有機トランジスタを示す断面模式図である。ゲート電極32としてn型に高ドープされたシリコン基板、ゲート絶縁層33としてポリイミド、ソース電極34およびドレイン電極35として金、有機半導体層36を形成する有機半導体化合物としてポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ビチオフェン)(重量平均分子量32,000)、電極部材としての不純物排除部材38としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(アルドリッチ製)を用いる。以下に製造手順を示す。
シリコン基板上にポリアミック酸をスピンコート法で塗布し、200℃で焼成しポリイミド膜を形成する。その表面を布で擦りラビング処理を施す。ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ビチオフェン)の1wt&ジクロロベンゼン溶液をスピンコート法により塗布し、200℃で6時間乾燥し、有機半導体層を形成する。その上に金(50nm)を真空蒸着し、チャネル長50μm、チャネル幅10mmのソースドレイン両電極を作製する。この時、電流が流れる方向とラビング方向が平行になるようにソースドレイン両電極を配置する。更にソースドレイン両電極の外側にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(アルドリッチ製)水溶液をインクジェットにより塗布し、200℃で6時間乾燥する。窒素雰囲気下、有機半導体層を280℃に加熱しながら10分間、電極部材に2VのDC電圧を印加する。ゲート電極、ドレイン電極、ソース電極の各電極に0.1mmφの金線を銀ペーストで配線し、電界効果型有機トランジスタ素子を作製する。ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ビチオフェン)のバンドギャップは2.5eVである。
次にゲート電圧を0V〜−50V、ソース−ドレイン電極間の電圧0V〜−50Vでのドレイン電流を測定し、良好なIV特性が得られることが確認される。実施例1と同様の方法で移動度、オンオフ比、閾値電圧を求めることができる。
実施例5
実施例4で電極部材に2VのDC電圧を印加する代わりに、5VのDC電圧を印加する以外は実施例4と同様の方法で電界効果型有機トランジスタ素子を作製する。ゲート電圧を0V〜−50V、ソース−ドレイン電極間の電圧0V〜−50Vでのドレイン電流を測定し、良好なIV特性が得られることが確認される。実施例1と同様の方法で移動度、オンオフ比、閾値電圧を求めることができる。
実施例6
実施例4で電極部材に2VのDC電圧を印加する代わりに、10VのDC電圧を印加する以外は実施例4と同様の方法で電界効果型有機トランジスタ素子を作製する。ゲート電圧を0V〜−50V、ソース−ドレイン電極間の電圧0V〜−50Vでのドレイン電流を測定し、良好なIV特性が得られることが確認される。実施例1と同様の方法で移動度、オンオフ比、閾値電圧を求めることができる。
比較例2
次に比較実験として電極部材に電界を印加しないで有機半導体層を形成する以外は実施例4と同様の方法により電界効果型有機トランジスタを作製し、実施例4と同様の手法で移動度、オンオフ比、閾値電圧を求める。その結果、実施例4〜6で作製される電界効果型有機トランジスタは比較例2で作製されるものに比べ、移動度は変化しないものの、何れもオンオフ比が2〜3桁改善され、閾値電圧が小さくなることが確認される。
本発明の電界効果型有機トランジスタは、オンオフ比が改善され、閾値電圧が低く、有機半導体の高度な精製法を必要としない為に低コストなので、表示デバイス、情報タグ、IC等のエレクトロ分野に有用な有機半導体層を有する電界効果型有機トランジスタとして利用することができる。
本発明の電界効果型有機トランジスタの一例を示す断面模式図である。 本発明の電界効果型有機トランジスタの他の例を示す断面模式図である。 本発明の電界効果型有機トランジスタの他の例を示す断面模式図である。 本発明の電界効果型有機トランジスタの他の例を示す断面模式図である。 本発明の電界効果型有機トランジスタの他の例を示す断面模式図である。 本発明の電界効果型有機トランジスタの他の例を示す断面模式図である。 本発明を説明する為の電界効果型有機トランジスタの断面模式図である。 本発明の実施例で用いる電界効果型有機トランジスタの断面模式図である。 本発明の実施例で用いる電界効果型有機トランジスタの断面模式図である。
符号の説明
11 絶縁性基板
12、22、32 ゲート電極
13、23、33 ゲート絶縁層
14、24、34 ソース電極
15、25、35 ドレイン電極
16、26、36 有機半導体層
17 保護膜
18、28、38 不純物排除部材
19 不純物イオン

Claims (9)

  1. ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁層及び有機半導体層を有する電界効果型有機トランジスタであって、該有機半導体層にチャネルを形成する領域から不純物を排除する不純物排除部材が配置されることを特徴とする電界効果型有機トランジスタ。
  2. 前記不純物排除部材が有機半導体層の中に又は有機半導体層に接して配置されている請求項1記載の電界効果型有機トランジスタ。
  3. 前記不純物排除部材がチャネルを形成する領域から離れて配置される請求項1または2記載の電界効果型有機トランジスタ。
  4. 前記不純物排除部材が導電性を有する請求項1乃至3のいずれかの項に記載の電界効果型有機トランジスタ。
  5. 前記不純物排除部材がソース電極あるいはドレイン電極と同じ部材である請求項1乃至4のいずれかの項に記載の電界効果型有機トランジスタ。
  6. ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁層及び有機半導体層を有する電界効果型有機トランジスタの製造方法であって、該有機半導体層にチャネルを形成する領域から不純物を排除する不純物排除部材を配置する工程、該不純物排除部材に電界を印加して不純物を排除する工程を含むことを特徴とする電界効果型有機トランジスタの製造方法。
  7. 前記有機半導体層が溶媒を含んでいる状態で不純物排除部材に電界を印加する請求項6記載の電界効果型有機トランジスタの製造方法。
  8. 前記有機半導体層を加熱をしながら不純物排除部材に電界を印加する請求項6または7記載の電界効果型有機トランジスタの製造方法。
  9. 前記不純物排除部材に電界を印加する工程において、前記有機半導体層を形成する有機半導体のバンドギャップよりも小さい電界を印加する請求項6乃至8のいずれかの項に記載の電界効果型有機トランジスタの製造方法。
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JP2008072041A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Mitsubishi Chemicals Corp 有機半導体素子の製造方法

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