JP2006047063A - 照射試験炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】原子炉容器の容器蓋の着脱作業を容易化できる照射試験炉を提供すること。
【解決手段】この照射試験炉1は、原子炉容器2と、原子炉容器2内に収容されると共に炉心32が構成される炉心槽3と、炉心32に雰囲気媒体を導くインパイルループ4とを含み、炉心32に配置された被照射体Tに対して照射を行い得る。そして、原子炉容器2が容器蓋21を有すると共に、容器蓋21が照射試験炉1の他の構成要素41、42、5から独立して構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】この照射試験炉1は、原子炉容器2と、原子炉容器2内に収容されると共に炉心32が構成される炉心槽3と、炉心32に雰囲気媒体を導くインパイルループ4とを含み、炉心32に配置された被照射体Tに対して照射を行い得る。そして、原子炉容器2が容器蓋21を有すると共に、容器蓋21が照射試験炉1の他の構成要素41、42、5から独立して構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、照射試験炉に関し、さらに詳しくは、原子炉容器の容器蓋の着脱作業を容易化できる照射試験炉に関する。
原子炉をはじめとする原子力設備では、その建造にあたり原子炉を構成する構造材や原子炉の燃料について照射試験が行われる。かかる照射試験は、所定の照射場を形成可能な照射試験炉にて実施される。従来の照射試験炉としては、日本原子力研究所のJMTR(Japan Materials Testing Reactor)が知られている(非特許文献1参照)。
ここで、従来の照射試験炉では、インパイルループやループ用配管などが原子炉容器の容器蓋を挿通して設置されている。これらのインパイルループ等は、容器蓋に対して固定具等によりしっかりと固定されている。また、例えば、燃料集合体の交換作業では、インパイルループ等と容器蓋との固定が解除され、容器蓋が原子炉容器から取り外されて、燃料集合体の出し入れが行われる。しかしながら、従来の照射試験炉では、上記の構成上、容器蓋の着脱が煩雑であるため、燃料交換作業などに時間がかかるという課題があった。
日本原子力研究所大洗研究所 JMTRパンフレット
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、原子炉容器の容器蓋の着脱作業を容易化できる照射試験炉を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる照射試験炉は、原子炉容器と、前記原子炉容器内に収容されると共に炉心が構成される炉心槽と、前記炉心に雰囲気媒体を導くインパイルループとを含み、前記炉心に配置された被照射体に対して照射を行い得る照射試験炉において、前記原子炉容器が容器蓋を有すると共に、前記容器蓋が照射試験炉の他の構成要素から独立して構成されていることを特徴とする。
この照射試験炉では、原子炉容器の容器蓋が照射試験炉の他の構成要素に対して独立して構成されているので、容器蓋が原子炉容器に対して独立して着脱される。したがって、他の構成要素が容器蓋に干渉している従来の照射試験装置と比較して、容器蓋の着脱にあたり他の構成要素を容器蓋から取り外す作業が省略される。これにより、従来の照射試験炉と比較して、例えば、燃料交換作業や炉内構造物のメンテナンス作業などが容易となるので、その作業工程が簡略化されると共に作業時間が短縮化される利点がある。なお、照射試験炉の他の構成要素には、例えば、インパイルループ、ループ配管、制御棒駆動機構等が含まれるが、容器蓋を原子炉容器に固定するための固定手段(例えば、ボルト)等は含まれない。
また、この発明にかかる照射試験炉は、原子炉容器と、前記原子炉容器内に収容されると共に炉心が構成される炉心槽と、前記炉心に雰囲気媒体を導くインパイルループとを含み、前記炉心に配置された被照射体に対して照射を行い得る照射試験炉において、前記原子炉容器が容器蓋を有すると共に、前記容器蓋が少なくとも前記インパイルループに対して独立して構成されていることを特徴とする。
この照射試験炉では、原子炉容器の容器蓋が少なくともインパイルループに対して独立して構成されているので、インパイルループと独立して容器蓋が原子炉容器に対して着脱される。したがって、インパイルループが容器蓋を貫通している従来の照射試験装置と比較して、容器蓋の着脱にあたりインパイルループを容器蓋から取り外す作業が省略される。これにより、従来の照射試験炉と比較して、例えば、燃料交換作業や炉内構造物のメンテナンス作業などが容易となるので、その作業工程が簡略化されると共に作業時間が短縮化される利点がある。
また、この発明にかかる照射試験炉は、前記容器蓋が、前記インパイルループに雰囲気媒体を供給するループ配管に対しても独立して構成されている。
この照射試験炉では、インパイルループに雰囲気媒体を供給するループ配管に対しても容器蓋が独立して構成されているので、燃料交換作業や炉内構造物のメンテナンス作業などがさらに容易となり、その作業工程がさらに簡略化されると共に作業時間がさらに短縮化される利点がある。
また、この発明にかかる照射試験炉は、前記ループ配管が、前記原子炉容器の側面から前記原子炉容器の外部に引き出されている。
この照射試験炉では、ループ配管が原子炉容器の側面から外部に引き出されているので、ループ配管と容器蓋とが干渉しない構成を簡素に実現できる。これにより、照射試験炉の構成を簡素化できる利点がある。
また、この発明にかかる照射試験炉は、前記ループ配管が前記原子炉容器内にて屈折ないしは湾曲して前記原子炉容器の外部に引き出されており、且つ、前記炉心槽における燃料集合体群の配列位置の上端と、前記ループ配管の屈折位置ないしは湾曲位置との鉛直距離が、少なくとも燃料集合体の長さ寸法よりも大きい。
この照射試験炉では、炉心槽における燃料集合体群の配列位置の上端と、ループ配管の屈折位置ないしは湾曲位置との鉛直距離が、少なくとも燃料集合体の長さ寸法よりも大きい。かかる構成では、燃料交換作業にて、燃料集合体を原子炉容器内にてスムーズに水平移動させ得るので、燃料交換作業を効率化できる利点がある。
また、この発明にかかる照射試験炉は、前記炉心槽には、断面六角形状を有する燃料集合体が配列可能であると共に、水平方向の断面視にて、6体の燃料集合体がその六角形の辺を相互に隣接させることにより環状に配列可能であり、且つ、これらの燃料集合体から成る環に前記インパイルループ4が挿入されて前記炉心が構成される。
この照射試験炉では、断面六角形状を有する6体の燃料集合体が、その六角形の辺を相互に隣接させることにより環状に配列可能であり、且つ、これらの燃料集合体から成る環にインパイルループが挿入されて炉心が構成される。かかる構成では、小径の燃料集合体を多数用いてインパイルループを囲む構成と比較して、インパイルループを囲む燃料集合体の体数が少ない。これにより、燃料集合体の交換作業がより簡易となるので、その作業工程をより簡素化できると共に作業時間をより短縮化できる利点がある。
また、この発明にかかる照射試験炉は、前記炉心槽には、6体の燃料集合体から成る環が、その一部を構成する燃料集合体を隣接する環との間で共有しつつ連続的に複数配列可能であり、且つ、これらの環に対してそれぞれ前記インパイルループが配置される。
この照射試験炉では、6体の燃料集合体から成る環が、その一部を構成する燃料集合体を隣接する環との間で共有しつつ連続的に複数配列可能であり、且つ、これらの環に対してそれぞれインパイルループが配置される。かかる構成では、燃料集合体から成る環が別個独立に複数配列される構成と比較して、より少ない体数の燃料集合体により複数のインパイルループが囲まれる。これにより、燃料集合体の交換作業がより簡易となるので、その作業工程をより簡素化できると共に作業時間をより短縮化できる利点がある。
この発明にかかる照射試験炉によれば、原子炉容器の容器蓋が照射試験炉の他の構成要素に対して独立して構成されているので、容器蓋が原子炉容器に対して独立して着脱され、容器蓋の着脱にあたり他の構成要素を容器蓋から取り外す作業が省略される。これにより、従来の照射試験炉と比較して、例えば、燃料交換作業や炉内構造物のメンテナンス作業などが容易となるので、その作業工程が簡略化されると共に作業時間が短縮化される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。
[構成]
図1は、この発明の実施例1にかかる照射試験炉を示す縦断面図である。図2〜図4は、図1に記載した照射試験炉を示すA視断面図(図2)、B視断面図(図3)およびC視断面図(図4)である。図5は、図1に記載した照射試験炉のインパイルループの構成を示す説明図である。図6は、図1に記載した照射試験炉に用いられる燃料集合体を示す斜視図である。図7は、図1に記載した照射試験炉の炉心構成を示す説明図である。図8は、燃料交換作業に用いられる治具を示す説明図である。図9は、図1に記載した照射試験炉の高さ寸法を示す説明図である。
図1は、この発明の実施例1にかかる照射試験炉を示す縦断面図である。図2〜図4は、図1に記載した照射試験炉を示すA視断面図(図2)、B視断面図(図3)およびC視断面図(図4)である。図5は、図1に記載した照射試験炉のインパイルループの構成を示す説明図である。図6は、図1に記載した照射試験炉に用いられる燃料集合体を示す斜視図である。図7は、図1に記載した照射試験炉の炉心構成を示す説明図である。図8は、燃料交換作業に用いられる治具を示す説明図である。図9は、図1に記載した照射試験炉の高さ寸法を示す説明図である。
この照射試験炉1は、材料や燃料を対象とした照射試験を実施できる試験炉である。例えば、この照射試験炉1は、原子炉の構造材や燃料の被照射体Tに高密度の中性子束で中性子を照射することにより、原子力プラントの開発に必要な照射試験データを取得できる。また、この照射試験炉1は、かかる用途のみならず、製造業あるいは医療等に用いられる放射性同位元素の製造、中性子やガンマ線の利用による学術研究支援などの複数の利用分野を有する。
この照射試験炉1は、原子炉容器2と、炉心槽3、インパイルループ(in-pile loop)4とを含み構成される(図1参照)。かかるインパイルループ4を有する照射試験炉1では、インパイルループ4内を高温高圧の雰囲気媒体(水やガス等の冷却材)が流通することにより、このインパイルループ4を介して雰囲気媒体が炉心32内に導かれ、高密度中性子束の中性子照射場が炉心32内に部分的に形成される。これにより、簡易かつ安価な構成にて実際の原子炉に近い照射環境が模擬される。
原子炉容器2は、容器本体21および容器蓋22から成る(図1参照)。容器本体21は、ドーム型の底部23を有する略円筒形状の容器であり、その長手方向を鉛直に立てつつ支持脚26により側面を支持されて設置されている。また、容器本体21の側部には、冷却水を流通させるための容器配管24、25が接続されている。容器本体21内では、一方の容器配管24から冷却水が供給されると共に他方の容器配管25から冷却水が排出されることにより、稼働時にて常に冷却水が流通している。容器蓋22は、略ドーム形状を有し、容器本体21の開口部に着脱可能に設置される。この容器蓋22が取付られることにより、原子炉容器2が密閉状態に保持される。また、この容器蓋22は、照射試験炉1を構成する他の構成要素(例えば、インパイルループ4、ループ配管41,42など)に対して無干渉かつ独立して構成されている。したがって、この容器蓋22は、他の構成要素を取り外すことなく、それ単体のみで容器本体21に対して着脱できる。なお、容器蓋22は、例えば、ボルト結合により容器本体21に対して固定される。
炉心槽3は、その底部を下部炉心板31に支持されて、原子炉容器2内に収容して設置されている(図1参照)。炉心槽3内には、複数の燃料集合体10が長手方向を鉛直に立てて収容され、所定の配列構造によって配列されている。そして、これらの燃料集合体10群にインパイルループ4が挿通されて炉心32が構成されている(図2、図3および図7参照)。なお、この照射試験炉1では、六角格子構造を有する棒状の燃料集合体10が用いられる(図6参照)。また、炉心槽3は、その外周を原子炉容器2内の冷却水が流通するように構成されており、この冷却水により照射試験炉1の稼働時にて周囲の冷却が行われる。
インパイルループ4は、長尺の筒状部材から成り、その長手方向を鉛直に立てて原子炉容器2内に設置される(図1〜図4参照)。このインパイルループ4は、炉心槽3内に挿入されて炉心32を挿通しており、その底部にて下部炉心板31に固定されている。これにより、インパイルループ4は、水平方向の断面視にて、燃料集合体10により周囲を囲まれるように配置されている(図2および図3参照)。また、この照射試験炉1では、3本のインパイルループ4が相互に独立して設置されている。そして、これらの3本のインパイルループ4が水平方向の断面視にて三角形の各頂点を構成するように、原子炉容器2内に点対称(120度対称もしくは3分の1対称)に配列されている(図2〜図4参照)。また、これらのインパイルループ4は、原子炉容器2内に完全に収容されており、その上方開口部が原子炉容器2内に位置している。したがって、インパイルループ4は、原子炉容器2の容器蓋22を貫通しておらず、容器蓋22に対して無干渉となるように配置されている。また、インパイルループ4の上方開口部には、ループ蓋44が着脱可能に取り付けられており、このループ蓋44によってインパイルループ4内が密閉されている。
また、各インパイルループ4の上方側部および底部には、ループ配管41、42が接続されている(図5参照)。インパイルループ4内には、これらのループ配管41、42を介して高温高圧の雰囲気媒体が供給されて流通する。ここで、上方側部のループ配管41は、インパイルループ4との接続位置から水平方向に延出しており、原子炉容器2の側面から外部に引き出されて切換弁43を介して雰囲気媒体の供給源(図示省略)に接続されている。一方、底部のループ配管42は、下部炉心板31を貫通して原子炉容器2内の底部でUターンし、炉心槽3の側面と原子炉容器2の内壁面との隙間を通って上方に延出している。そして、底部のループ配管42は、上方側部のループ配管41の近傍にて水平方向に屈折し、原子炉容器2の側面から外部に引き出されて切換弁43および雰囲気媒体の供給源に接続されている。したがって、これらのループ配管41,42は、原子炉容器2の容器蓋22を貫通しておらず、容器蓋22に対して無干渉となるように配置されている。
また、このインパイルループ4では、その内部での雰囲気媒体の流れ方向が外部の切換弁43により切り替えられる。具体的には、切換弁43を用いて雰囲気媒体の流れ方向を変更することにより、(1)雰囲気媒体がインパイルループ4内を上方から下方に流れる構成、あるいは、(2)下方から上方に流れる構成とすることができる。前者では、(1)雰囲気媒体が上方側部のループ配管41からインパイルループ4内に入って底部のループ配管42から出る構成となり、後者では、(2)雰囲気媒体が底部のループ配管42からインパイルループ4内に入って上方側部のループ配管41から出る構成となる。なお、切換弁43には、当業者自明の範囲内にて公知のものが採用される。
ここで、この照射試験炉1では、炉心32が以下のように構成されている。すなわち、この照射試験炉1では、水平方向の断面視にて、6体の燃料集合体10が六角形の辺(六角格子の側面)を接合させて成る環を構成するように(中心に燃料集合体10の1体分の隙間が空くように)配列されている(図7参照)。そして、合計15体の燃料集合体10が連続的に配列されることにより、6体の燃料集合体10から成る3つの環が三角形を成すように点対称に形成される。また、これらの3つの環は、その一部の燃料集合体10を隣接する環との間で共有している。そして、これらの3つの環にそれぞれインパイルループ4が挿通されて配置される。これにより、水平方向の断面視にて、3つのインパイルループ4が正三角形の頂点を構成するように点対称に配置されると共に、各インパイルループ4の周囲が各6体の燃料集合体によって隙間なく囲まれるように構成される。
この照射試験炉1では、まず、被照射体Tがインパイルループ4内に配置される。以下、インパイルループ4内に配置される被照射体Tをループ用被照射体TRと呼ぶ。ループ用被照射体TRは、ループ蓋44を取り外してインパイルループ4内に上方から挿入される。照射試験炉1の稼働時(照射試験時)には、高温高圧の雰囲気媒体が外部の供給源からループ配管41、42を介してインパイルループ4内に供給されて流通する。インパイルループ4周辺の燃料集合体10にて核分裂反応が生じており、高密度の中性子照射場が炉心32内に部分的に形成される。これにより、ループ用被照射体TRに対して照射が行われる。なお、稼働時には、容器配管24を介して原子炉容器2内供給された冷却水により、炉心32が冷却される。
[効果]
この照射試験炉1では、上記のように原子炉容器2を構成する他の構成要素(少なくともインパイルループ4およびループ配管41、42)に対して容器蓋22が無干渉かつ独立して構成されているので、他の構成要素とは無関係に独立して容器蓋22が原子炉容器2に対して着脱される。すなわち、他の構成要素が容器蓋22を貫通している従来の照射試験装置と比較して、容器蓋22の着脱にあたり他の構成要素(インパイルループ4等)を容器蓋22から取り外す作業が省略される。これにより、従来の照射試験炉と比較して、例えば、燃料交換作業や炉内構造物のメンテナンス作業などが容易となるので、その作業工程が簡略化されると共に作業時間が短縮化され、作業員の被爆量を低減させうる利点がある。特に、照射試験炉1では、燃料交換作業が最も手間が掛かり時間を要する作業である。この点において、この照射試験炉1は、特に有益である。
この照射試験炉1では、上記のように原子炉容器2を構成する他の構成要素(少なくともインパイルループ4およびループ配管41、42)に対して容器蓋22が無干渉かつ独立して構成されているので、他の構成要素とは無関係に独立して容器蓋22が原子炉容器2に対して着脱される。すなわち、他の構成要素が容器蓋22を貫通している従来の照射試験装置と比較して、容器蓋22の着脱にあたり他の構成要素(インパイルループ4等)を容器蓋22から取り外す作業が省略される。これにより、従来の照射試験炉と比較して、例えば、燃料交換作業や炉内構造物のメンテナンス作業などが容易となるので、その作業工程が簡略化されると共に作業時間が短縮化され、作業員の被爆量を低減させうる利点がある。特に、照射試験炉1では、燃料交換作業が最も手間が掛かり時間を要する作業である。この点において、この照射試験炉1は、特に有益である。
また、この照射試験炉1では、ループ用被照射体TRの配置にあたり、まず、容器蓋22が原子炉容器2から取り外され、ループ蓋44がインパイルループ4から取り外される。そして、ループ用被照射体TRが上方開口部からインパイルループ4内に挿入された後に、逆の手順により、ループ蓋44および容器蓋22が順次取り付けられる。この点において、この照射試験炉1では、上記のように容器蓋22の着脱作業が容易なので、かかるループ用被照射体TRの配置作業や入れ替え作業が容易化される利点がある。
また、この照射試験炉1では、ループ配管41、42が原子炉容器2の側面から外部に引き出されているので、これらの構成要素41、42と容器蓋21とが干渉しない構成を簡素に実現できる。これにより、照射試験炉1の構成を簡素化できる利点がある。
また、この照射試験炉1では、燃料交換作業にあたり、容器蓋22が原子炉容器2から取り外され、その後に炉心槽3内の燃料集合体10が1体ずつ引き上げられて交換される(図示省略)。このとき、原子炉容器2内にてインパイルループ4のループ配管41、42が水平方向に屈折しているため、炉心槽3内の燃料集合体10には、上方からの平面視にてループ配管41、42により遮蔽されているものがある(図2参照)。したがって、ループ配管41、42により遮蔽されていない燃料集合体10は、そのまま鉛直に引き上げられて交換されるが、遮蔽されている燃料集合体10は、後述する手順により引き上げられる。
また、これらの燃料集合体10の引き上げには、公知の治具20が使用される(図8参照)。治具20は、長尺棒状のロッド部201と、燃料集合体10を把持するための把持部202とにより構成される。把持部202は、ロッド部201の先端に取付られており、ロッド部201に対して折り畳み動作が可能である。したがって、治具20は、把持部202を折り畳むことにより、吊り下げられた燃料集合体10の位置を水平方向に移動させ得る。
ループ配管41、42によって遮蔽されている燃料集合体10は、まず、その下端が他の燃料集合体10群の上端よりも上方に位置するまで、炉心槽3内から鉛直に引き上げられる。このとき、治具20は、把持部202を広げた状態(折り畳んでいない状態)にて使用される。次に、燃料集合体10が把持されたまま把持部202が折り畳まれ、ループ配管41、42に交差しない位置まで燃料集合体10が水平方向に移動される。そして、この位置から燃料集合体10が鉛直に引き上げられて交換される。なお、交換された新しい燃料集合体10を炉心槽3内に配置する工程は、上記と逆の工程により行われる。
ここで、この照射試験炉1では、炉心槽3に配列された燃料集合体10群の上端(もしくは炉心32の上端)と、インパイルループ4のループ配管41、42の屈折位置との鉛直距離dが、少なくとも燃料集合体10の長さ寸法(高さ寸法)よりも長くなるように構成される(図9参照)。かかる構成では、燃料交換作業にて、燃料集合体10を他の燃料集合体10群(炉心32)から引き上げ、治具20を折り畳んで燃料集合体10を水平移動させるときに、この燃料集合体10の上端がループ配管41、42に接触しない。これにより、原子炉容器2内にて燃料集合体10をスムーズに水平移動させ得るので、燃料交換作業を効率化できる利点がある。
なお、燃料集合体10の交換作業は、上記のような治具20を用いずに、他の治具もしくは駆動装置を用いて行われても良い。例えば、交換作業用の駆動装置(図示省略)を原子炉容器2内に配置し、この駆動装置を用いて燃料棒を交換する構成としても良い。かかる駆動装置については、現在、当業者によって研究開発がなされている。
また、この照射試験炉1では、断面六角形状(六角格子形状)を有する燃料集合体10が採用されると共に、水平方向の断面視にて、6体の燃料集合体10がその六角形の辺を相互に隣接させることにより環状に配列されており、且つ、これらの燃料集合体10から成る環にインパイルループ4が挿入されて、炉心32が構成されている(図6および図7参照)。かかる構成では、小径の燃料集合体を多数用いてインパイルループを囲む構成と比較して、インパイルループ4を囲む燃料集合体10の体数が少ない。これにより、燃料集合体10の交換作業が簡易となるので、その作業工程を簡素化できると共に作業時間を短縮化できる利点がある。
また、この照射試験炉1では、さらに、上記の6体の燃料集合体10から成る環が、その一部を構成する燃料集合体10を隣接する環との間で共有しつつ連続的に複数配列され、且つ、これらの環に対してそれぞれインパイルループ4が配置されている(図6および図7参照)。かかる構成では、燃料集合体10から成る環が別個独立に複数配列される構成と比較して、より少ない体数の燃料集合体10により複数のインパイルループ4が囲まれる。これにより、燃料集合体10の交換作業がより簡易となるので、その作業工程をより簡素化できると共に作業時間をより短縮化できる利点がある。なお、これに限らず、燃料集合体10は断面六角形(六角格子構造)でなくとも良く、また、その配列構造は特に限定されない。
[付加事項]
また、この照射試験炉1では、従来の照射試験炉(非特許文献1参照)と比較して、インパイルループ4が長尺構造を有するので、より長尺のループ用被照射体TRに対して照射試験を行い得る利点がある。また、かかる長尺のインパイルループ4によって、均一な中性子束を広範囲にて取得できる炉心32が構成される。これにより、照射試験を効率的に行えると共に良質な試験結果を得られる利点がある。
また、この照射試験炉1では、従来の照射試験炉(非特許文献1参照)と比較して、インパイルループ4が長尺構造を有するので、より長尺のループ用被照射体TRに対して照射試験を行い得る利点がある。また、かかる長尺のインパイルループ4によって、均一な中性子束を広範囲にて取得できる炉心32が構成される。これにより、照射試験を効率的に行えると共に良質な試験結果を得られる利点がある。
また、この照射試験炉1では、従来の照射試験炉(非特許文献1参照)と比較して、インパイルループ4が大口径を有するので、より大型のループ用被照射体TRに対して照射試験を行い得る利点がある。また、かかる大口径のインパイルループ4では、多様な形状のループ用被照射体TRに対して照射試験を行い得る利点がある。
また、この照射試験炉1では、複数(3本)のインパイルループ4が相互に独立して設置されているので、各インパイルループ4にそれぞれループ用被照射体TRを配置できる。これにより、同時かつ個別条件下にて、インパイルループ4毎に独立した照射試験を実施できる利点がある。また、同一の照射環境下にて、複数の被照射体に対して照射試験を実施できる利点がある。
また、JMTR(非特許文献1参照)では、照射場の最高温度および最高圧力が沸騰水型原子炉向けに構成されているため、加圧水型発電用原子炉向けの照射試験を実施できないという課題がある。この点において、この照射試験炉1では、インパイルループ4の採用により高温高圧条件下での照射試験を実施できるので、沸騰水型原子炉および加圧水型発電用原子炉の双方を対象とした照射試験を実施できる利点がある。なお、沸騰水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材および原子炉減速材として使用し、この軽水を炉心で沸騰させて直接蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機に導いて発電を行う原子炉をいう。また、加圧水型発電用原子炉は、軽水を原子炉冷却材および原子炉減速材として使用し、この軽水を炉心全体に渡って沸騰しない高温高圧水とし(原子炉系:一次冷却系)、この高温高圧水を蒸気発生器(一次系)に送って熱交換させて蒸気を発生させ(蒸気系:二次冷却系)、この蒸気をタービン発電機に送って発電を行う原子炉をいう。
また、この照射試験炉1では、インパイルループ4のループ配管41、42と、雰囲気媒体の供給源との間に切換弁43が設置されており、この切換弁43によってインパイルループ4内における雰囲気媒体の流れ方向が切り替え可能である(図5参照)。これにより、用途に応じた好適な照射環境を実現できるので、試験データを高品質化できる利点がある。具体的には、液体冷却型原子炉を対象とした照射試験では、実原子炉の冷却条件を模擬するには雰囲気媒体がインパイルループ4内を下方から上方に流れる構成が好ましく、気体冷却型原子炉を対象とした照射試験では、高速で流れる冷却気体による浮き上がりあるいは振動等を簡単な構成で抑制できるようにするために、雰囲気媒体がインパイルループ4内を上方から下方に流れる構成が好ましい。
以上のように、本発明にかかる照射試験炉は、原子炉容器の容器蓋の着脱作業を容易化できる点で有用である。
1 照射試験炉
2 原子炉容器
21 容器本体
22 容器蓋
23 底部
24、25 容器配管
26 支持脚
3 炉心槽
31 下部炉心板
32 炉心
4 インパイルループ
41,42 ループ配管
43 切換弁
44 ループ蓋
10 燃料集合体
20 治具
201 ロッド部
202 把持部
T 被照射体
TR ループ用被照射体
2 原子炉容器
21 容器本体
22 容器蓋
23 底部
24、25 容器配管
26 支持脚
3 炉心槽
31 下部炉心板
32 炉心
4 インパイルループ
41,42 ループ配管
43 切換弁
44 ループ蓋
10 燃料集合体
20 治具
201 ロッド部
202 把持部
T 被照射体
TR ループ用被照射体
Claims (7)
- 原子炉容器と、前記原子炉容器内に収容されると共に炉心が構成される炉心槽と、前記炉心に雰囲気媒体を導くインパイルループとを含み、前記炉心に配置された被照射体に対して照射を行い得る照射試験炉において、
前記原子炉容器が容器蓋を有すると共に、前記容器蓋が照射試験炉の他の構成要素から独立して構成されていることを特徴とする照射試験炉。 - 原子炉容器と、前記原子炉容器内に収容されると共に炉心が構成される炉心槽と、前記炉心に雰囲気媒体を導くインパイルループとを含み、前記炉心に配置された被照射体に対して照射を行い得る照射試験炉において、
前記原子炉容器が容器蓋を有すると共に、前記容器蓋が少なくとも前記インパイルループに対して独立して構成されていることを特徴とする照射試験炉。 - 前記容器蓋が、前記インパイルループに雰囲気媒体を供給するループ配管に対しても独立して構成されている請求項2に記載の照射試験炉。
- 前記ループ配管が、前記原子炉容器の側面から前記原子炉容器の外部に引き出されている請求項3に記載の照射試験炉。
- 前記ループ配管が前記原子炉容器内にて屈折ないしは湾曲して前記原子炉容器の外部に引き出されており、且つ、
前記炉心槽における燃料集合体群の配列位置の上端と、前記ループ配管の屈折位置ないしは湾曲位置との鉛直距離が、少なくとも燃料集合体の長さ寸法よりも大きい請求項4に記載の照射試験炉。 - 前記炉心槽には、断面六角形状を有する燃料集合体が配列可能であると共に、水平方向の断面視にて、6体の燃料集合体がその六角形の辺を相互に隣接させることにより環状に配列可能であり、且つ、これらの燃料集合体から成る環に前記インパイルループ4が挿入されて前記炉心が構成される請求項1〜5のいずれか一つに記載の照射試験炉。
- 前記炉心槽には、6体の燃料集合体から成る環が、その一部を構成する燃料集合体を隣接する環との間で共有しつつ連続的に複数配列可能であり、且つ、これらの環に対してそれぞれ前記インパイルループが配置される請求項6に記載の照射試験炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004227219A JP2006047063A (ja) | 2004-08-03 | 2004-08-03 | 照射試験炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004227219A JP2006047063A (ja) | 2004-08-03 | 2004-08-03 | 照射試験炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006047063A true JP2006047063A (ja) | 2006-02-16 |
Family
ID=36025785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004227219A Withdrawn JP2006047063A (ja) | 2004-08-03 | 2004-08-03 | 照射試験炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006047063A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109473184A (zh) * | 2018-11-13 | 2019-03-15 | 中国核动力研究设计院 | 一种用于燃料辐照试验的嵌入式铅铋合金回路 |
-
2004
- 2004-08-03 JP JP2004227219A patent/JP2006047063A/ja not_active Withdrawn
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CN109473184A (zh) * | 2018-11-13 | 2019-03-15 | 中国核动力研究设计院 | 一种用于燃料辐照试验的嵌入式铅铋合金回路 |
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