本発明は、車載LANに接続された車載LAN側コンピュータと、当該車載LAN側コンピュータと無線通信により接続された外部のコンピュータとにより構成されるグリッド・コンピューティング環境でグリッド・コンピューティングを実行するグリッド・コンピューティング・システム等に関する。
近年、種々の規格策定または推進団体の下で、様々な通信プロトコルを有する車載LAN(Local Area Network)の開発が行なわれている。車載LANには色々なコンピュータ(Electronic Control
Unit : ECU)等が接続され、種々の処理が行われている。例えば、カーナビゲーション用のECUは出発地から目的地までの経路計算を行なっている(非特許文献1参照)。
新居宏壬、鷲野翔一編著、「ナビゲーションシステム」、90頁、2001年7月31日初版発行、山海堂。
上述の車載LANに接続されているECUを用いて、自動車が目的地に到着するまでに何らかの処理結果を得る必要がある場合でも、当該ECUの性能上、処理結果を得ることができないことがある。あるいは、自動車のドライバがカーナビゲーション用のECUにより表示された経路を誤ってしまった場合、当該ECUは経路を再計算し直す必要がある。しかし、経路計算は時間を要するため、自動車の走行中にリアルタイムに経路を表示できないことがある。このように、車載LANに接続されたECUのみでは所望の時刻までに、またはリアルタイムに処理結果を得られない場合があるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、車載LANに接続されたECUのみでは所望の時刻までに、またはリアルタイムに処理結果を得られない場合であっても、所望の時刻までに、またはリアルタイムに処理結果を得ることができるシステム等を提供することにある。
この発明のグリッド・コンピューティング・システムは、車載LANに接続された車載LAN側コンピュータと、該車載LAN側コンピュータと無線通信により接続された外部のコンピュータとにより構成されるグリッド・コンピューティング環境でグリッド・コンピューティングを実行するグリッド・コンピューティング・システムであって、該車載LAN側コンピュータは、グリッド・コンピューティング環境を管理するグリッド管理ユニットと、該外部のコンピュータへ投入するジョブを有するクライアント・ユニットと、カーナビゲーションを行なうカーナビゲーション・ユニットとを有しており、前記グリッド管理ユニットは、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータの位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録する外部コンピュータ位置情報取得手段と、前記外部コンピュータ位置情報取得手段により前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、1台以上の外部のコンピュータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択した1台以上の外部のコンピュータの各々からリソース情報を取得してリソース情報記録部に記録するリソース情報取得手段と、前記クライアント・ユニットから送信された検索条件に基づいて、前記リソース情報取得手段により前記リソース情報記録部に記録されたリソース情報を検索し、該クライアント・ユニットへ検索結果を送信する検索結果送信手段とを備え、前記クライアント・ユニットは、前記グリッド管理ユニットへ検索条件を送信し、前記リソース情報記録部に記録されたリソース情報について該検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう検索要求手段と、前記検索結果送信手段により送信された検索結果に基づき、ジョブを処理する1台以上の外部のコンピュータを決定する決定手段と、前記決定手段により決定された1台以上の外部のコンピュータへジョブを投入するジョブ投入手段と、前記ジョブ投入手段によりジョブが投入された1台以上の外部のコンピュータから該ジョブの処理結果を受信する処理結果受信手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング・システムにおいて、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両の目的地までの進行経路の付近に存在するコンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得手段は、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記進行経路の付近に存在するコンピュータの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータが無線により接続されているアクセスポイントの位置情報及び前記進行経路の付近に存在するコンピュータのプロバイダに関するプロバイダ情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択手段は、前記外部コンピュータ情報取得手段により前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地までの進行経路の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の前記進行経路の付近に存在するコンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング・システムにおいて、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両とは異なる他の車両に設置された他の車載LAN側コンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得手段は、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記車両の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータの位置情報、該他の車載LAN側コンピュータが搭載された他の車両の目的地及び進行経路に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択手段は、前記外部コンピュータ情報取得手段により前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地までの進行経路上において所定の並走距離を有する1台以上の他の車両に設置された1台以上の他の車載LAN側コンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング・システムにおいて、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両の目的地までの進行経路の付近に存在するコンピュータ及び該車両とは異なる他の車両に設置された他の車載LAN側コンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得手段は、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記進行経路の付近に存在するコンピュータの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータが無線により接続されているアクセスポイントの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータのプロバイダに関するプロバイダ情報、前記車両の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータの位置情報、該他の車載LAN側コンピュータが搭載された他の車両の目的地及び進行経路に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択手段は、前記外部コンピュータ情報取得手段により前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、前記車両の目的地までの進行経路の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の前記進行経路の付近に存在するコンピュータ及び/又は前記車両の目的地までの進行経路上において所定の並走距離を有する1台以上の他の車両に設置された1台以上の他の車載LAN側コンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング・システムにおいて、前記ジョブは前記カーナビゲーション・ユニットから前記クライアント・ユニットへ投入された前記カーナビゲーション・ユニットの処理(好適には進行経路計算の一部又は全部)とすることができる。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング・システムにおいて、前記ジョブは前記車載LANが設置された車両の機器(好適にはオーディオ機器等のAV(Audio-Visual)系の機器またはその他の機器等)から前記クライアント・ユニットへ投入された処理とすることができる。
この発明のプログラムは、車載LANに接続された車載LAN側コンピュータと、該車載LAN側コンピュータと無線通信により接続された外部のコンピュータとにより構成されるグリッド・コンピューティング環境でグリッド・コンピューティング環境を管理するためのプログラムであって、該車載LAN側コンピュータは、グリッド・コンピューティング環境を管理するグリッド管理ユニットと、該外部のコンピュータへ投入するジョブを有するクライアント・ユニットと、カーナビゲーションを行なうカーナビゲーション・ユニットとを有しており、該グリッド管理ユニットを、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータの位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録する外部コンピュータ位置情報取得手段、前記外部コンピュータ位置情報取得手段により前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、1台以上の外部のコンピュータを選択する選択手段、前記選択手段により選択した1台以上の外部のコンピュータの各々からリソース情報を取得してリソース情報記録部に記録するリソース情報取得手段、前記クライアント・ユニットから送信された検索条件に基づいて、前記リソース情報取得手段により前記リソース情報記録部に記録されたリソース情報を検索し、該クライアント・ユニットへ検索結果を送信する検索結果送信手段として機能させるためのプログラムである。
この発明のプログラムは、車載LANに接続された車載LAN側コンピュータと、該車載LAN側コンピュータと無線通信により接続された外部のコンピュータとにより構成されるグリッド・コンピューティング環境で該外部のコンピュータにジョブを処理させるためのプログラムであって、該車載LAN側コンピュータは、グリッド・コンピューティング環境を管理するグリッド管理ユニットと、該外部のコンピュータへ投入するジョブを有するクライアント・ユニットと、カーナビゲーションを行なうカーナビゲーション・ユニットとを有しており、該クライアント・ユニットを、前記グリッド管理ユニットへ検索条件を送信し、リソース情報記録部に記録されたリソース情報について該検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう検索要求手段であって、該リソース情報は、該グリッド管理ユニットが、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータの位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、該外部コンピュータ情報記録部に記録した外部コンピュータ情報に基づき、1台以上の外部のコンピュータを選択し、該選択した1台以上の外部のコンピュータの各々から取得してリソース情報記録部に記録したものであり、前記検索要求手段による要求に応じて前記グリッド管理ユニットから送信された検索結果に基づき、ジョブを処理する1台以上の外部のコンピュータを決定する決定手段、前記決定手段により決定された1台以上の外部のコンピュータへジョブを投入するジョブ投入手段、前記ジョブ投入手段によりジョブが投入された1台以上の外部のコンピュータから該ジョブの処理結果を受信する処理結果受信手段として機能させるためのプログラムである。
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両の目的地までの進行経路の付近に存在するコンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得手段は、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記進行経路の付近に存在するコンピュータの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータが無線により接続されているアクセスポイントの位置情報及び前記進行経路の付近に存在するコンピュータのプロバイダに関するプロバイダ情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択手段は、前記外部コンピュータ情報取得手段により前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地までの進行経路の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の前記進行経路の付近に存在するコンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両とは異なる他の車両に設置された他の車載LAN側コンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得手段は、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記車両の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータの位置情報、該他の車載LAN側コンピュータが搭載された他の車両の目的地及び進行経路に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択手段は、前記外部コンピュータ情報取得手段により前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地までの進行経路上において所定の並走距離を有する1台以上の他の車両に設置された1台以上の他の車載LAN側コンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両の目的地までの進行経路の付近に存在するコンピュータ及び該車両とは異なる他の車両に設置された他の車載LAN側コンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得手段は、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記進行経路の付近に存在するコンピュータの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータが無線により接続されているアクセスポイントの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータのプロバイダに関するプロバイダ情報、前記車両の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータの位置情報、該他の車載LAN側コンピュータが搭載された他の車両の目的地及び進行経路に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択手段は、前記外部コンピュータ情報取得手段により前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、前記車両の目的地までの進行経路の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の前記進行経路の付近に存在するコンピュータ及び/又は前記車両の目的地までの進行経路上において所定の並走距離を有する1台以上の他の車両に設置された1台以上の他の車載LAN側コンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記ジョブは前記カーナビゲーション・ユニットから前記クライアント・ユニットへ投入された前記カーナビゲーション・ユニットの処理(好適には進行経路計算の一部又は全部)とすることができる。
ここで、この発明のプログラムにおいて、前記ジョブは前記車載LANが設置された車両の機器(好適にはオーディオ機器等のAV(Audio-Visual)系の機器またはその他の機器等)から前記クライアント・ユニットへ投入された処理とすることができる。
この発明の記録媒体は、本発明のいずれかのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
車載LANに接続された車載LAN側コンピュータと、該車載LAN側コンピュータと無線通信により接続された外部のコンピュータとにより構成されるグリッド・コンピューティング環境でグリッド・コンピューティングを実行するグリッド・コンピューティング方法であって、該車載LAN側コンピュータは、グリッド・コンピューティング環境を管理するグリッド管理ユニットと、該外部のコンピュータへ投入するジョブを有するクライアント・ユニットと、カーナビゲーションを行なうカーナビゲーション・ユニットとを有しており、前記グリッド管理ユニットが、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータの位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録する外部コンピュータ位置情報取得ステップと、前記外部コンピュータ位置情報取得ステップで前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、1台以上の外部のコンピュータを選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択した1台以上の外部のコンピュータの各々からリソース情報を取得してリソース情報記録部に記録するリソース情報取得ステップとを備え、前記クライアント・ユニットが、前記グリッド管理ユニットへ検索条件を送信し、前記リソース情報記録部に記録されたリソース情報について該検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう検索要求ステップと、前記グリッド管理ユニットが、前記検索要求ステップで送信された検索条件に基づいて、前記リソース情報取得ステップで前記リソース情報記録部に記録されたリソース情報を検索し、該クライアント・ユニットへ検索結果を送信する検索結果送信ステップと、前記クライアント・ユニットが、前記検索結果送信ステップで送信された検索結果に基づき、ジョブを処理する1台以上の外部のコンピュータを決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定された1台以上の外部のコンピュータへジョブを投入するジョブ投入ステップと、前記ジョブ投入ステップでジョブが投入された1台以上の外部のコンピュータから該ジョブの処理結果を受信する処理結果受信ステップとを備えたことを特徴とする。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング方法において、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両の目的地までの進行経路の付近に存在するコンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得ステップは、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記進行経路の付近に存在するコンピュータの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータが無線により接続されているアクセスポイントの位置情報及び前記進行経路の付近に存在するコンピュータのプロバイダに関するプロバイダ情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択ステップは、前記外部コンピュータ情報取得ステップで前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地までの進行経路の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の前記進行経路の付近に存在するコンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング方法において、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両とは異なる他の車両に設置された他の車載LAN側コンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得ステップは、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記車両の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータの位置情報、該他の車載LAN側コンピュータが搭載された他の車両の目的地及び進行経路に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択ステップは、前記外部コンピュータ情報取得ステップで前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地までの進行経路上において所定の並走距離を有する1台以上の他の車両に設置された1台以上の他の車載LAN側コンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング方法において、前記車載LANが設置された車両の外部のコンピュータは、該車両の目的地までの進行経路の付近に存在するコンピュータ及び該車両とは異なる他の車両に設置された他の車載LAN側コンピュータであり、前記外部コンピュータ位置情報取得ステップは、前記カーナビゲーション・ユニットから、前記進行経路の付近に存在するコンピュータの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータが無線により接続されているアクセスポイントの位置情報、前記進行経路の付近に存在するコンピュータのプロバイダに関するプロバイダ情報、前記車両の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータの位置情報、該他の車載LAN側コンピュータが搭載された他の車両の目的地及び進行経路に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部に記録し、前記選択ステップは、前記外部コンピュータ情報取得ステップで前記外部コンピュータ情報記録部に記録された外部コンピュータ情報に基づき、前記車両の目的地までの進行経路の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の前記進行経路の付近に存在するコンピュータ及び/又は前記車両の目的地までの進行経路上において所定の並走距離を有する1台以上の他の車両に設置された1台以上の他の車載LAN側コンピュータを選択することができる。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング方法において、前記ジョブは前記カーナビゲーション・ユニットから前記クライアント・ユニットへ投入された前記カーナビゲーション・ユニットの処理(好適には進行経路計算の一部又は全部)とすることができる。
ここで、この発明のグリッド・コンピューティング方法において、前記ジョブは前記車載LANが設置された車両の機器(好適にはオーディオ機器等のAV(Audio-Visual)系の機器またはその他の機器等)から前記クライアント・ユニットへ投入された処理とすることができる。
本発明のグリッド・コンピューティング・システム等によれば、グリッド管理ECUが、カーナビゲーションECUから目的地までの進行経路の付近に存在する外部のコンピュータの位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部に記録しておく。当該外部コンピュータ情報に基づき1台以上の外部のコンピュータを選択する。例えば自車の位置から所定の距離内にある1台以上の外部のコンピュータを選択してもよい。あるいは、目的地までの進行経路の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の外部のコンピュータを選択することができる。当該1台以上の外部のコンピュータの各々からリソース情報を取得して、リソース情報記録部に記録しておく。クライアントECUは、グリッド管理ECUへ検索条件を送信し、リソース情報記録部に記録されたリソース情報について上記検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう。グリッド管理ECUは、送信された検索条件に基づいて、リソース情報記録部に記録されたリソース情報を検索し、クライアントECUへ検索結果を送信する。クライアントECUは、送信された検索結果に基づき、ジョブを処理する1台以上の外部のコンピュータを決定し、当該1台以上の外部のコンピュータへジョブを投入し、ジョブが投入された1台以上の外部のコンピュータからジョブの処理結果を受信する。
以上により、車載LANに接続されたクライアントECUのみでは所望の時刻、例えば目的地に到着する予定の時刻等までにジョブの処理結果を得られない場合であっても、グリッド管理ECUを介してグリッド・コンピューティング環境にある1台以上の外部のコンピュータにジョブを処理させることにより、所望の時刻までに処理結果を得ることができるという効果がある。
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1におけるグリッド・コンピューティング・システム1を示す。図1において、符号10は自動車(車両)、12は自動車10に搭載された車載LAN(Local Area Network)である。車載LAN12には、アンテナ11を介して外部のコンピュータ(後述)との通信を行う通信ECU13と、グリッド・コンピューティング環境を管理するグリッド管理ECU(グリッド管理ユニット)14と、外部のコンピュータへ投入するジョブを有するクライアントECU(クライアント・ユニット)15と、カーナビゲーションを行なうカーナビゲーションECU(カーナビゲーション・ユニット)16とが接続されている。通信ECU13、グリッド管理ECU14、クライアントECU15およびカーナビゲーションECU16を総称して車載LAN12側コンピュータと呼ぶ。グリッド管理ECU14とクライアントECU15とカーナビゲーションECU16とは、各々ハードウェア的に独立した別個のコンピュータを有するユニットとして構成することができる。この場合、グリッド管理ECU14等はグリッド管理ECU14等の機能を実行するコンピュータと考えればよい。クライアントECU15は通常のパーソナル・コンピュータとすることもできる。あるいは、例えばグリッド管理ECU14とクライアントECU15とカーナビゲーションECU16とは、ハードウェア的には1台または2台のコンピュータ上で実行される別個のソフトウェアとして構成することもできる。この場合、車載LAN12側コンピュータがグリッド管理ECU14等の機能を実行するものと考えればよい。
次に、外部のコンピュータについて説明する。図1では外部のコンピュータとして、2.4GHzまたは5.2GHz等の周波数帯域を使用する無線LAN−Aのプロバイダ40を利用するグループAおよび無線LAN−Bのプロバイダ60を利用するグループBと、専用狭域通信(Dedicated Short Range Communication : DSRC)を利用するグループCとが例示されている。図1では3つのグループのみ示されているが、これは図面の都合上のものであり、上述の無線LANまたはDSRCを利用する3つのグループに限定されるものではない。例えば、UWB(Ultra Wide Band)無線方式を利用するグループがあってもよい。図1において、符号41は無線LAN−Aのプロバイダ40側と接続された幹線ネットワーク、42aは幹線ネットワーク41上に設けられたノード、43aはノード42aに接続されたアクセスポイント、44aはアクセスポイント43aのアンテナ、42nは幹線ネットワーク41上に設けられたノード、43nはノード42nに接続されたアクセスポイント、44nはアクセスポイント43nのアンテナである。符号50はグループAの外部のコンピュータの1つであり、無線によりアクセスポイント43aを介して無線LAN−Aのプロバイダ40を利用し、インターネット(不図示)上の他のコンピュータへアクセスすることができる。符号51、52および53はLAN54を構成するグループAの外部のコンピュータの1つであり、無線によりアクセスポイント43nを介して無線LAN−Aのプロバイダ40を利用し、インターネット上の他のコンピュータへアクセスすることができる。
図1において、符号61は無線LAN−Bのプロバイダ60側と接続された幹線ネットワーク、62aは幹線ネットワーク61上に設けられたノード、63aはノード62aに接続されたアクセスポイント、64aはアクセスポイント63aのアンテナ、62nは幹線ネットワーク61上に設けられたノード、63nはノード62nに接続されたアクセスポイント、64nはアクセスポイント63nのアンテナである。符号70はグループBの外部のコンピュータの1つであり、無線によりアクセスポイント63aを介して無線LAN−Bのプロバイダ60を利用し、インターネット上の他のコンピュータへアクセスすることができる。符号71、72および73はLAN74を構成するグループBの外部のコンピュータの1つであり、無線によりアクセスポイント63nを介して無線LAN−Bのプロバイダ60を利用し、インターネット上の他のコンピュータへアクセスすることができる。
図1において、符号81はDSRCを利用するグループCのサーバ80側と接続された幹線ネットワーク、82aは幹線ネットワーク81上に設けられたノード、83aはノード82aに接続されたアクセスポイント、84aはアクセスポイント83aのアンテナ、82nは幹線ネットワーク81上に設けられたノード、83nはノード82nに接続されたアクセスポイント、84nはアクセスポイント83nのアンテナである。符号90はグループCの外部のコンピュータの1つであり、無線によりアクセスポイント83aを介してサーバ80を利用することができる。符号91、92および93はLAN94を構成するグループCの外部のコンピュータの1つであり、無線によりアクセスポイント83nを介してサーバ80を利用することができる。サーバ80は、例えば自動料金収受システム(Electronic Toll Collection system : ETC)における料金所事務所、金融関係会社または認証センタ等のコンピュータとすることができる。あるいはサーバ80は、駐車場等においてDSRCを経由して入出場管理を行なうコンピュータとしてもよい。サーバ80は車載LAN12側コンピュータからDSRCを経由してインターネットを利用する場合におけるコンピュータとすることもできる。この場合、サーバ80は車載LAN12側コンピュータに対して動的にネットワーク・アドレスの付与/解放を行なえばよい。図1に示されるように、車載LAN12側コンピュータと無線通信により接続された外部のコンピュータ50等とによりグリッド・コンピューティング環境が構成されており、グリッド・コンピューティング・システム1では当該グリッド・コンピューティング環境においてグリッド・コンピューティングが実行される。
図2は、本発明の実施例1におけるグリッド管理ECU14の機能およびデータベースを示すブロック図である。図2において、外部コンピュータ位置情報取得部(外部コンピュータ位置情報取得手段)21、選択部(選択手段)22、リソース情報取得部(リソース情報取得手段)23および検索結果送信部(検索結果送信手段)24はグリッド管理ECU14が実行する機能を示し、外部コンピュータ情報記録部25およびリソース情報記録部26はディスク27等に記録されたデータベースを示す。両データベースのデータ構成の具体例については後述する。外部コンピュータ位置情報取得部21は、カーナビゲーションECU16から、車載LAN12が設置された自動車10の外部のコンピュータ50等の位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25に記録する。選択部22は、外部コンピュータ位置情報取得部21により外部コンピュータ情報記録部25に記録された外部コンピュータ情報に基づき、1台以上の外部のコンピュータ50等を選択する。リソース情報取得部23は、選択部22により選択した1台以上の外部のコンピュータ50等の各々からリソース情報を取得してリソース情報記録部26に記録する。検索結果送信部24は、クライアントECU15から送信された検索条件に基づいて、リソース情報取得部23によりリソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索し、クライアントECU15へ検索結果を送信する。
図3は、外部コンピュータ情報記録部25の一構成例である外部コンピュータ情報記録部25aを示す。図3に示されるように、外部コンピュータ情報記録部25aは外部のコンピュータ50等の位置情報を含む外部コンピュータ情報を表形式で保持することができる。符号25a−1は外部のコンピュータ50等の識別に用いる識別子欄であり、例えばIP(Internet Protocol)アドレスを用いることができる。符号25a−2は外部のコンピュータ50等の位置を示す位置情報欄であり、例えば(緯度、経度)の組を用いることができる。このように、外部コンピュータ情報は外部のコンピュータ50等の識別子と位置情報とにより構成することができる。例えば外部コンピュータ50の外部コンピュータ情報は、識別子欄25a−1のIPアドレス「13.20.30.26」と位置情報欄25a―2の緯度「35°45′30.00″」および経度「139°45′50.00″」とにより構成することができる。同様にして、外部コンピュータ71の外部コンピュータ情報は、識別子欄25a−1のIPアドレス「172.30.223.20」と位置情報欄25a―2の緯度「35°46′32.00″」および経度「140°5′20.00″」とにより構成することができる。外部コンピュータ位置情報取得部21は、カーナビゲーションECU16から、自動車10の外部のコンピュータ50等について上述のような外部コンピュータ情報を取得し、図3に示されるように外部コンピュータ情報記録部25aに記録しておく。選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25aに記録された外部コンピュータ情報に基づき、例えば自車の位置から所定の距離内にある1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。
図4は、リソース情報記録部26の一例を示す。図4に示されるように、リソース情報は外部のコンピュータ50等の静的なリソース情報であるホスト名、IPアドレス、OS(Operating System)名およびそのバージョン等と、動的なリソース情報であるCPU情報(タイプ、クロック数、過去1分間の平均CPU使用可能率等)、メモリ情報(RAMの空き容量等)およびファイルシステム情報(ディスクの空き容量等)とを有している。図4に示されるリソース情報以外にも、例えば特定のアプリケーション・プログラムが存在するか否かを示す情報等があってもよいことは勿論である。図4に示されるように、例えば外部コンピュータ50のリソース情報は、静的なリソース情報のホスト名は「host1.grid.com」、IPアドレスは「13.20.30.26」、OS名は「ABCOS−XX」、そのバージョンは「2002」と示されており、動的なリソース情報のCPU情報は、タイプが「muitnep」、クロック数が「1.8GHz」、過去1分間の平均CPU使用可能率が「80%」であり、メモリ情報はRAMの空き容量が200MBであり、ファイルシステム情報はディスクの空き容量が50GBと示されている。同様に外部コンピュータ71のリソース情報は、静的なリソース情報のホスト名は「host2.grid.com」、IPアドレスは「172.30.223.20」、OS名は「NIW−XX」、そのバージョンは「2004」と示されており、動的なリソース情報のCPU情報は、タイプが「muitnep」、クロック数が「3.06GHz」、過去1分間の平均CPU使用可能率が「87%」であり、メモリ情報はRAMの空き容量が400MBであり、ファイルシステム情報はディスクの空き容量が20GBと示されている。リソース情報取得部23は、選択部22により選択した1台以上の外部のコンピュータ50等の各々から図4に示されるようなリソース情報を取得して、リソース情報記録部26に記録しておく。
次に、クライアントECU15について説明する。図5は、本発明の実施例1におけるクライアントECU15の機能等を示すブロック図である。図5において、検索要求部(検索要求手段)31、決定部(決定手段)32、ジョブ投入部(ジョブ投入手段)33および処理結果受信部(処理結果受信手段)34はクライアントECU15が実行する機能を示し、ジョブ35はディスク36に記録されたジョブを示す。検索要求部31は、グリッド管理ECU14へ検索条件を送信し、グリッド管理ECU14にリソース情報記録部26に記録されたリソース情報について当該検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう。決定部32は、グリッド管理ECU14の検索結果送信部24により送信された検索結果に基づき、ジョブ35を処理する1台以上の外部のコンピュータ50等を決定する。ジョブ投入部33は、決定部32により決定された1台以上の外部のコンピュータ50等へジョブ35を投入する。処理結果受信部34は、ジョブ投入部33によりジョブ35が投入された1台以上の外部のコンピュータ50等から当該ジョブ35の処理結果を受信する。
図6(A)は、検索要求部31がグリッド管理ECU14へ送信する検索条件を含む要求(検索要求)を例示する。図6(A)に示されるように、検索要求は検索要求を示す検索コマンドと検索条件とから構成されており、検索条件は例えばCPU情報についてクロック数が3GHz以上であり、過去1分間の平均CPU使用可能率が80%以上であることを示している。図6(A)では説明の便宜のため日本語等を用いて検索要求が示されているが、実際はグリッド管理ECU14の検索結果送信部24が解析できるような当該検索要求に対応する所望のフォーマットで構成されていればよい。
図6(B)は、グリッド管理ECU14の検索結果送信部24がクライアントECU15へ送信する検索結果を例示する。検索結果送信部24は、クライアントECU15から送信された上記検索条件を解析し、リソース情報取得部23によりリソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索して、クライアントECU15へ検索結果を送信する。リソース情報記録部26に記録されたリソース情報を例えば図4に示されるような内容であると想定すると、検索結果送信部24は、CPU情報についてクロック数が3GHz以上であり、過去1分間の平均CPU使用可能率が80%以上であるという検索条件に基づきリソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索して、外部のコンピュータ71等が該当するという検索結果を得ることができる。図6(B)に示されるように、他の外部のコンピュータ2台も該当する場合、「結果=3」のように検索条件を満たす外部のコンピュータの数も示すことができる。検索結果送信部24は以上の検索結果をクライアントECU15へ送信する。図6(B)では説明の便宜のため日本語等を用いて検索結果が示されているが、実際はクライアントECU15の決定部32が解析できるような当該検索結果に対応する所望のフォーマットで構成されていればよい。
上述したように、選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25aに記録された外部コンピュータ情報に基づき、例えば自車の位置から所定の距離内にある1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。あるいは、車載LAN12が設置された自動車10の外部のコンピュータ50等として、自動車10の目的地までの進行経路の付近に存在するコンピュータを取り上げることができる。すなわち、外部コンピュータ位置情報取得部21は、カーナビゲーションECU16から、進行経路の付近に存在するコンピュータの位置情報等を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部25に記録しておくことができる。図7は、外部コンピュータ情報記録部25の一構成例である外部コンピュータ情報記録部25bを示す。図7で図3と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図7において、符号25b−1は自動車10の進行経路の付近に存在する外部のコンピュータ50等が無線により接続されているアクセスポイントの位置を示す位置情報欄であり、例えば(緯度、経度)の組を用いることができる。符号25b−2は自動車10の進行経路の付近に存在する外部のコンピュータ50等が利用するインターネット・サービス・プロバイダ(Internet Service Provider : ISP)に関するプロバイダ情報欄であり、例えばプロバイダのドメイン名を用いることができる。このように、外部コンピュータ位置情報取得部21がカーナビゲーションECU16から取得する外部コンピュータ情報は、自動車10の進行経路の付近に存在する外部のコンピュータ50等の識別子および位置情報と、自動車10の進行経路の付近に存在する外部のコンピュータ50等が無線により接続されているアクセスポイントの位置情報と、自動車10の進行経路の付近に存在する外部のコンピュータ50等が利用するISPに関するプロバイダ情報とを含むものとすることができる。例えば外部コンピュータ50の外部コンピュータ情報は、識別子欄25a−1のIPアドレス「13.20.30.26」と位置情報欄25a―2の緯度「35°45′30.00″」および経度「139°45′50.00″」に加えて、位置情報欄25b−1の内容、すなわちアクセスポイント43aの位置情報である緯度「35°45′30.15″」および経度「139°45′50.25″」と、プロバイダ情報欄25b−2の内容、すなわち無線LAN−Aのプロバイダ40のドメイン名「provider−a.ne.jp」とにより構成することができる。同様に、外部コンピュータ71の外部コンピュータ情報は、識別子欄25a−1のIPアドレス「172.30.223.20」と位置情報欄25a―2の緯度「35°46′32.00″」および経度「140°5′20.00″」に加えて、位置情報欄25b−1の内容、すなわちアクセスポイント63nの位置情報である緯度「35°46′32.10″」および経度「140°5′20.12″」と、プロバイダ情報欄25b−2の内容、すなわち無線LAN−Bのプロバイダ60のドメイン名「provider−b.ne.jp」とにより構成することができる。
図8は、外部コンピュータ情報記録部25bを用いた場合の選択部22の機能について説明するための道路および自動車10の進行経路等を示す。図8で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図8において、符号Sは道路、Pは自動車10の位置、Rは自動車10の進行経路、Tは自動車10の目的地である。符号43a、43b、...、43kは無線LAN−Aのプロバイダ40の幹線ネットワーク41に接続されたグループAのアクセスポイント、44a、44b、...、44kは各々アクセスポイント43a、43b、...、43kのアンテナである。幹線ネットワーク41およびノード42a等は図面が煩雑となるため省略するが、図1と同様に設けられている。符号63a、63b、...、63eは無線LAN−Bのプロバイダ60の幹線ネットワーク61に接続されたグループBのアクセスポイント、64a、64b、...、64eは各々アクセスポイント63a、63b、...、63eのアンテナである。幹線ネットワーク61およびノード62a等は図面が煩雑となるため省略するが、図1と同様に設けられている。符号83a、83bはDSRCのサーバ80の幹線ネットワーク81に接続されたグループCのアクセスポイント、84a、84bは各々アクセスポイント83a、83bのアンテナである。幹線ネットワーク81およびノード82a等は図面が煩雑となるため省略するが、図1と同様に設けられている。図8では3つのグループのみ示され、各グループ内のアクセスポイントの数も限定されているが、これは図面の都合上のものであり、図1の場合と同様に3つのグループに限定されるものではなく、各グループ内のアクセスポイントの数も限定されているものではない。
図8に示されるように、自動車10の進行経路Rは位置Pから点線の円で示される各交差点Pa、Pb、Pcを経由して目的地Tへと進む経路である。以下、進行経路Rを(P、Pa、Pb、Pc、T)と表し、途中の経路を(P、Pa)等のように表す。図8に示されるように、途中の経路(P、Pa)の付近では、無線LAN−Aのプロバイダ40のアクセスポイントは43a、43bおよび43cの3個であり、無線LAN−Bのプロバイダ60のアクセスポイントは63aおよび63bの2個であり、DSRCのサーバ80側のアクセスポイントはない。同様にして、途中の経路(Pa、Pb)の付近では、無線LAN−Aのプロバイダ40のアクセスポイントは43d、43eおよび43fの3個であり、無線LAN−Bのプロバイダ60のアクセスポイントは63dの1個であり、DSRCのサーバ80側のアクセスポイントはない。途中の経路(Pb、Pc)の付近では、無線LAN−Aのプロバイダ40のアクセスポイントは43g、43h、43iおよび43jの4個であり、無線LAN−Bのプロバイダ60のアクセスポイントはなく(アクセスポイント63dは途中の経路(Pa、Pb)と重複するため数には入れない。)、DSRCのサーバ80側のアクセスポイントは83bの1個である。途中の経路(Pc、T)の付近では、無線LAN−Aのプロバイダ40のアクセスポイントは43kの1個であり(アクセスポイント43jは途中の経路(Pb、Pc)と重複するため数には入れない。)、無線LAN−Bのプロバイダ60のアクセスポイントはなく、DSRCのサーバ80側のアクセスポイントもない。
以上より、進行経路R=(P、Pa、Pb、Pc、T)の付近では、無線LAN−Aのプロバイダ40のアクセスポイントは総計11個であり、無線LAN−Bのプロバイダ60のアクセスポイントは総計3個であり、DSRCのサーバ80側のアクセスポイントは総計1個である。選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25bに記録された外部コンピュータ情報に基づき、まず進行経路R=(P、Pa、Pb、Pc、T)の付近にあるアクセスポイントをアクセスポイントの位置情報欄25b−1から検索する。ここで「付近」は所望の距離範囲に設定すればよい。次に、検索されたアクセスポイントのプロバイダをプロバイダ情報欄25b−2から取得する。続いて、取得したプロバイダ別にその数を総計する。この結果、位置Pから目的地Tまでの進行経路R=(P、Pa、Pb、Pc、T)の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダを得ることができる。上述の例ではアクセスポイントの数が11個である無線LAN−Aのプロバイダ40となる。そこで、選択部22は無線LAN−Aのプロバイダ40の幹線ネットワーク41に接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。すなわち選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25bに記録された外部コンピュータ情報に基づき、位置Pから目的地Tまでの進行経路(P、Pa、Pb、Pc、T)の付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダの幹線ネットワーク41等に接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。上述の説明では、他の途中の経路と重複するアクセスポイントは数に入れなかったが、当該重複するアクセスポイントを数に入れてもよい。
図9は、本発明の実施例1におけるグリッド・コンピューティング方法の流れと、グリッド・コンピューティング環境を管理し、グリッド・コンピューティング環境で外部のコンピュータ50等にジョブを処理させるためのプログラムの機能とをフローチャートで示す。図9で左側のフローチャートはグリッド管理ECU14側の機能等を示し、右側のフローチャートはクライアントECU15側の機能等を示し、グリッド管理ECU14側とクライアントECU15との間におけるデータの送受信は左右のフローチャート間を結ぶ点線で示す。図9に示されるように、グリッド管理ECU14が、カーナビゲーションECU16から、目的地Tまでの進行経路Rの付近に存在する外部のコンピュータ50等の位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25等に記録する(外部コンピュータ位置情報取得ステップ。ステップS10)。外部コンピュータ位置情報取得ステップ(ステップS10)で外部コンピュータ情報記録部25a等に記録された外部コンピュータ情報に基づき、1台以上の外部のコンピュータ50等を選択する(選択ステップ。ステップS12)。選択ステップ(ステップS12)で選択した1台以上の外部のコンピュータ50等の各々からリソース情報を取得して、リソース情報記録部26に記録する(リソース情報取得ステップ。ステップS14)。
クライアントECU15は、グリッド管理ECU14へ検索条件を送信し、リソース情報記録部26に記録されたリソース情報について上記検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう(検索要求ステップ。ステップS20)。
グリッド管理ECU14は、検索要求ステップ(ステップS20)で送信された検索条件に基づいて、リソース情報取得ステップ(ステップS14)でリソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索し、クライアントECU15へ検索結果を送信して(検索結果送信ステップ。ステップS16)、処理を終了する。
クライアントECU15は、検索結果送信ステップ(ステップS16)で送信された検索結果に基づき、ジョブ35を処理する1台以上の外部のコンピュータ50等を決定する(決定ステップ。ステップS22)。決定ステップ(ステップS22)で決定された1台以上の外部のコンピュータ50等へジョブ35を投入する(ジョブ投入ステップ。ステップS24)。ジョブ投入ステップ(ステップS24)でジョブ35が投入された1台以上の外部のコンピュータ50等からジョブ35の処理結果を受信して(処理結果受信ステップ。ステップS26)、処理を終了する。
上述のように、外部コンピュータ情報記録部25bを用いた場合、上記選択ステップ(ステップS12)は、外部コンピュータ情報取得ステップ(ステップS10)で外部コンピュータ情報記録部25bに記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイント43a等を有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。
以上より、本発明の実施例1によれば、グリッド管理ECU14の外部コンピュータ位置情報取得部21が、カーナビゲーションECU16から車載LAN12が設置された自動車10の外部のコンピュータ50等の位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25等に記録する。選択部22は外部コンピュータ情報記録部25a等に記録された外部コンピュータ情報に基づき1台以上の外部のコンピュータ50等を選択する。選択部22は、例えば自車の位置から所定の距離内にある1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。あるいは選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25bを用いた場合、外部コンピュータ情報記録部25bに記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイント43a等を有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。リソース情報取得部23は当該1台以上の外部のコンピュータ50等の各々からリソース情報を取得して、リソース情報記録部26に記録しておく。クライアントECU15の検索要求部31は、グリッド管理ECU14へ検索条件を送信し、リソース情報記録部26に記録されたリソース情報について上記検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう。グリッド管理ECU14の検索結果送信部24は、送信された検索条件に基づいて、リソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索し、クライアントECU15へ検索結果を送信する。クライアントECU15の決定部32は、送信された検索結果に基づき、ジョブ35を処理する1台以上の外部のコンピュータ50等を決定する。ジョブ投入部33は当該1台以上の外部のコンピュータ50等へジョブ35を投入する。処理結果受信部34はジョブ35が投入された1台以上の外部のコンピュータ50等からジョブ35の処理結果を受信する。この結果、車載LAN12に接続されたクライアントECU15のみでは所望の時刻、例えば目的地Tに到着する予定の時刻等までにジョブ35の処理結果を得られない場合であっても、グリッド管理ECU14を介してグリッド・コンピューティング環境にある1台以上の外部のコンピュータ50等にジョブ35を処理させることにより、所望の時刻までに処理結果を得ることができる。
本実施例2では、車載LAN12が設置された自動車10の外部のコンピュータが、車載LAN12が設置された自動車10とは異なる他の自動車10a等に設置された他の車載LAN12a側コンピュータである場合について説明する。すなわち、外部コンピュータ位置情報取得部21は、カーナビゲーションECU16から、自動車10の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータの位置情報等を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部25に記録しておくことができる。
図10は、本発明の実施例2におけるグリッド・コンピューティング・システム2を示す。図10で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図10において、符号10aは他の自動車、11aはアンテナ11と同様の自動車10aのアンテナ、12aは車載LAN12と同様の自動車10aに搭載された車載LANである。車載LAN12a内の通信ECU13a、グリッド管理ECU14a、クライアントECU15aおよびカーナビゲーションECU16aは、各々自動車10の車載LAN12内の通信ECU13、グリッド管理ECU14、クライアントECU15およびカーナビゲーションECU16と同様の機能を有するため、説明は省略する。グリッド管理ECU10aの機能等は、実施例1で説明した図2に示される機能と同様であり、以後、必要に応じて外部コンピュータ位置情報取得部21a等のように、添字「a」を付けて参照する。クライアントECU15aの機能等も、実施例1で説明した図5に示される機能と同様であり、以後、必要に応じて検索要求部31a等のように、添字「a」を付けて参照する。図10では他の自動車として自動車10aのみが示されているが、他の自動車の数は1台に限定されるものではない。
図11は、本発明の実施例2における外部コンピュータ情報記録部25cを示す。図11において、符号25c−1は他の自動車10a等の識別に用いる識別子欄であり、任意の識別子を用いることができる。符号25c−2は自動車10の付近に存在する他の自動車10a等に搭載された他の車載LAN12a等側コンピュータの位置を示す位置情報欄であり、例えば(緯度、経度)の組を用いることができる。符号25c−3は他の自動車10a等の目的地T1等を示す位置情報欄であり、例えば(緯度、経度)の組を用いることができる。符号25c−4は他の自動車10a等の目的地T1等までの進行経路R1等を示す経路情報欄である。このように、実施例2における外部コンピュータ情報は他の自動車10a等の識別子と、他の自動車10a等に搭載された他の車載LAN12a等の位置を示す位置情報と、他の自動車10a等の目的地T1等を示す位置情報と、他の自動車10a等の目的地T1等までの進行経路R1等を示す経路情報とにより構成することができる。例えば、他の自動車10aに搭載された車載LAN12a等側コンピュータの外部コンピュータ情報は、識別子欄25c−1の識別子「ID1234」と、位置情報欄25c―2の緯度「35°45′50.00″」および経度「140°15′50.00″」と、位置情報欄25c−3の緯度「35°43′50.15″」および経度「140°17′50.00″」と、経路情報欄25c−4の進行経路R1=(P1、Pa、Pb、Pd、T1)とにより構成することができる。同様に、他の自動車10bに搭載された車載LAN12b等側コンピュータの外部コンピュータ情報は、識別子欄25c−1の識別子「ID2345」と、位置情報欄25c―2の緯度「35°45′49.00″」および経度「140°17′45.00″」と、位置情報欄25c−3の緯度「35°44′42.10″」および経度「140°15′45.20″」と、経路情報欄25c−4の進行経路R2=(P2、Pa、T2)とにより構成することができる。
図12は、本発明の実施例2における外部コンピュータ情報記録部25cを用いた場合の選択部22の機能について説明するための道路および自動車10等の進行経路R等を示す。図12で図8と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図12において、符号P1は自動車10aの位置、R1は自動車10aの進行経路、T1は自動車10aの目的地、P2は自動車10bの位置、R2は自動車10bの進行経路、T2は自動車10bの目的地である。図12では3台の自動車10、10aおよび10bについてのみ示されているが、これは図面の都合上のものであり、自動車の数は限定されるものではない。
図12に示されるように、自動車10の進行経路Rは(P、Pa、Pb、Pc、T)であり、自動車10aの進行経路R1は(P、Pa、Pb、Pd、T1)であり、自動車10bの進行経路R2は(P2、Pa、T2)である。進行経路RとR1とを比較すると、自動車10と10aとは途中の経路(P、Pa、Pb)まで並走していることがわかる。一方、進行経路RとR2とを比較すると、自動車10と10bとは交差点Paで交差するが、並走する経路はないことがわかる。
そこで、自動車10のグリッド管理ECU14の外部コンピュータ位置情報取得部21は、カーナビゲーションECU16から、自動車10の付近に存在する他の車載LAN12a等側コンピュータの位置情報(P1等)と、他の車載LAN側コンピュータ12a等が搭載された他の自動車10a等の目的地T1等と進行経路R1等に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25cに記録しておく。自動車10のグリッド管理ECU14の選択部22は、外部コンピュータ情報取得部21により外部コンピュータ情報記録部25cに記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路R=(P、Pa、Pb、Pc、T)上において、所定の並走距離を有する1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a側コンピュータを選択することができる。すなわち選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25cに記録された外部コンピュータ情報に基づき、まず自車10の位置と所定の範囲内にある他の自動車10a等を位置情報欄25c−2により検索する。次に、検索された自動車10a等の中から目的地が所定の範囲内にある他の自動車10a等を位置情報欄25c−3により検索する。以上により検索された他の自動車10a等は、自車10と位置が近く且つ目的地も近いため、並走距離が長いものと想定できる。
一方、目的地Tが比較的遠距離にある場合などは、他の自動車10a等の目的地T1等が目的地Tと所定の範囲内にない場合であっても、途中の並走距離が長いこともあり得る。そこで選択部22は、まず自車10の位置と所定の範囲内にある他の自動車10a等を位置情報欄25c−2により検索し、次に検索された自動車10a等の中から同じ途中の経路を有する他の自動車10a等を経路情報欄25c−4により検索する。具体的には、経路情報欄25c−4の内容である進行経路R1等と自車10の進行経路Rとを比較して、途中の経路が所定の交差点数以上一致する自動車10a等を選択すればよい。以上により検索された他の自動車10a等は、自車10と位置が近く且つ途中の経路も長いため、並走距離が長いものと想定できる。自車10との並走距離が長い自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a側コンピュータを選択することにより、当該コンピュータに長い時間、ジョブを投入することができるため、並走期間中リアルタイムにジョブの処理結果を得ることができる。上述の説明では、自動車10bに設置された車載LAN12b側コンピュータは用いなかった。しかし、例えば自動車10b側が交差点Paで赤信号により停車しているような場合、一時的に車載LAN12b側コンピュータを用いることもできる。
図13は、本発明の実施例2におけるグリッド・コンピューティング方法の流れと、グリッド・コンピューティング環境を管理し、グリッド・コンピューティング環境で他の車載LAN12a等側コンピュータにジョブを処理させるためのプログラムの機能とをフローチャートで示す。図13で図9と同じステップS番号を付した処理ブロックは同じ処理を行うため説明は省略する。図13も図9と同様にデータ左側のフローチャートはグリッド管理ECU14側の機能等を示し、右側のフローチャートはクライアントECU15側の機能等を示し、グリッド管理ECU14側とクライアントECU15との間におけるデータの送受信は左右のフローチャート間を結ぶ点線で示す。図13に示されるように、グリッド管理ECU14が、カーナビゲーションECU16から、車載LAN12が設置された自車10の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータ12a等の位置情報、他の車載LAN12a等側コンピュータが搭載された他の自動車10a等の目的地T1等および進行経路R1等に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25cに記録する(外部コンピュータ位置情報取得ステップ。ステップS10a)。外部コンピュータ位置情報取得ステップ(ステップS10a)で外部コンピュータ情報記録部25cに記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路R上において所定の並走距離を有する1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを選択する(選択ステップ。ステップS12a)。選択ステップ(ステップS12a)で選択した1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータの各々からリソース情報を取得して、リソース情報記録部26に記録する(リソース情報取得ステップ。ステップS14a)。
クライアントECU15は、グリッド管理ECU14へ検索条件を送信し、リソース情報記録部26に記録されたリソース情報について上記検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう(検索要求ステップ。ステップS20)。
グリッド管理ECU14は、検索要求ステップ(ステップS20)で送信された検索条件に基づいて、リソース情報取得ステップ(ステップS14a)でリソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索し、クライアントECU15へ検索結果を送信して(検索結果送信ステップ。ステップS16)、終了する。
クライアントECU15は、検索結果送信ステップ(ステップS16)で送信された検索結果に基づき、ジョブ35を処理する1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを決定する(決定ステップ。ステップS22a)。決定ステップ(ステップS22a)で決定された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータへジョブ35を投入する(ジョブ投入ステップ。ステップS24a)。ジョブ投入ステップ(ステップS24a)でジョブ35が投入された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータからジョブ35の処理結果を受信して(処理結果受信ステップ。ステップS26a)、終了する。
以上より、本発明の実施例2によれば、グリッド管理ECU14の外部コンピュータ位置情報取得部21が、カーナビゲーションECU16から、車載LAN12が設置された自車10の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータ12a等の位置情報、他の車載LAN12a等側コンピュータが搭載された他の自動車10a等の目的地T1等および進行経路R1等に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25cに記録しておく。選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25cに記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路R上において所定の並走距離を有する1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを選択する。リソース情報取得部23は、選択した1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータの各々からリソース情報を取得して、リソース情報記録部26に記録する。クライアントECU15の検索要求部31は、グリッド管理ECU14へ検索条件を送信し、リソース情報記録部26に記録されたリソース情報について上記検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう。グリッド管理ECU14の検索結果送信部24は、送信された検索条件に基づいてリソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索し、クライアントECU15へ検索結果を送信する。クライアントECU15は、送信された検索結果に基づき、ジョブ35を処理する1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを決定し、当該1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータへジョブ35を投入し、ジョブ35が投入された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータからジョブ35の処理結果を受信了する。この結果、車載LAN12に接続されたクライアントECU15のみではリアルタイムにジョブ35の処理結果を得られない場合であっても、グリッド管理ECU14を介してグリッド・コンピューティング環境にあり所定の距離以上並走する1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータにジョブ35を処理させることにより、リアルタイムに処理結果を得ることができる。
上述の実施例1または2のグリッド・コンピューティング・システム、方法またはプログラム等において、ジョブ35はカーナビゲーションECU16からクライアントECU15へ投入された進行経路Rの計算の一部又は全部とすることができる。例えば、進行経路Rの再計算を行なう必要が生じた場合、外部のコンピュータ50等または並走する他の自動車10a等に搭載された他の車載LAN12a等側コンピュータに、当該再計算のジョブの一部又は全部を投入することにより、リアルタイムにカーナビゲーション装置のディスプレイに再計算結果を表示することができる。
上述の実施例1および2では、車載LAN12等が設置された車両の外部のコンピュータとして、各々、自車10の目的地Tまでの進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等または他の自動車10a等に設置された他の車載LAN12a等側コンピュータを取り上げた。本実施例3では、自車10の目的地Tまでの進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等および他の自動車10a等に設置された他の車載LAN12a等側コンピュータを同時に利用する場合について説明する。
図14は、本発明の実施例3におけるグリッド・コンピューティング・システム3を示す。図14で図1および図10と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図14に示されるように、グリッド・コンピューティング・システム3では、外部のコンピュータとして、実施例1と同様に無線LAN−Aのプロバイダ40を利用するグループAと、無線LAN−Bのプロバイダ60を利用するグループBと、DSRCを利用するグループCと、実施例2と同様に自動車10とは異なる他の自動車10a等に設置された他の車載LAN12a側コンピュータとを同時に用いることができる。実施例3においても実施例1と同様に、上記グループは無線LANまたはDSRCを利用する3つのグループに限定されるものではなく、例えば、UWB無線方式を利用するグループがあってもよい。実施例3においても実施例2と同様に、他の自動車10a等の数は1台に限定されるものではない。グリッド・コンピューティング・システム3においても、グリッド管理ECU14は実施例1の図2に示される機能と同様の機能を有しており、クライアントECU15は実施例1の図5に示される機能と同様の機能を有しているため、説明は省略する。
グリッド・コンピューティング・システム3における外部コンピュータ位置情報取得部21は、実施例1と同様にカーナビゲーションECU16から、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等の位置情報、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等が無線により接続されているアクセスポイント43a等の位置情報、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等のプロバイダ40等に関するプロバイダ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部25d(後述)に記録することができる。同時に外部コンピュータ位置情報取得部21は、実施例2と同様にカーナビゲーションECU16から、自動車10の付近に存在する他の車載LAN12a等側コンピュータの位置情報、他の車載LAN12a等側コンピュータが搭載された他の自動車10aの目的地T1等および進行経路R1等に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して外部コンピュータ情報記録部25dに記録することができる。
図15は、本発明の実施例3における外部コンピュータ情報記録部25の一構成例である外部コンピュータ情報記録部25dを示す。図15で図3、図7および図11と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図15に示されるように、実施例3における外部コンピュータ情報記録部25dは、実施例1と同様の外部コンピュータ情報記録部25bと実施例2と同様の外部コンピュータ情報記録部25cとを同時に記録しておくことができる。
グリッド・コンピューティング・システム3における選択部22は、外部コンピュータ情報取得部21により外部コンピュータ情報記録部25dに記録された外部コンピュータ情報に基づき、実施例1と同様に自動車10の目的地Tまでの進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイント43a等を有するプロバイダ40等の幹線ネットワーク41等に接続された1台以上の進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等を選択することができる。さらに選択部22は、外部コンピュータ情報取得部21により外部コンピュータ情報記録部25dに記録された外部コンピュータ情報に基づき、実施例2と同様に自動車10の目的地Tまでの進行経路R上において所定の並走距離を有する1台以上の他の車両10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを選択することができる。選択部3は、上述の1台以上のコンピュータ50等および1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを同時に選択することができる。図15に示したように、実施例3の外部コンピュータ情報記録部25dには、実施例1と同様の外部コンピュータ情報記録部25bと実施例2と同様の外部コンピュータ情報記録部25cとが同時に記録されており同時に利用可能である。しかし、進行経路Rの付近に適切なコンピュータが存在しない場合、選択部22は進行経路R上において所定の並走距離を有する1台以上の他の車両10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータのみを選択してもよい。一方、進行経路R上において所定の並走距離を有する適切なコンピュータが存在しない場合、選択部22は進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイント43a等を有するプロバイダ40等の幹線ネットワーク41等に接続された1台以上の進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等のみを選択してもよい。
図16は、本発明の実施例3における外部コンピュータ情報記録部25dを用いた場合の選択部22の機能について説明するための道路および自動車10等の進行経路等を示す。図16で図8および図12と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。選択部22は、実施例1と同様に外部コンピュータ情報記録部25d(外部コンピュータ情報記録部25b側)に記録された外部コンピュータ情報に基づき、まず進行経路R=(P、Pa、Pb、Pc、T)の付近にあるアクセスポイントをアクセスポイントの位置情報欄25b−1から検索する。次に、検索されたアクセスポイントのプロバイダをプロバイダ情報欄25b−2から取得する。続いて、取得したプロバイダ別にその数を総計する。この結果、位置Pから目的地Tまでの進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダを得ることができる。図16に示される例ではアクセスポイントの数が11個である無線LAN−Aのプロバイダ40となる。そこで、選択部22は無線LAN−Aのプロバイダ40の幹線ネットワーク41に接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。すなわち選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25dに記録された外部コンピュータ情報に基づき、位置Pから目的地Tまでの進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダの幹線ネットワーク41等に接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。
同時に選択部22は、実施例2と同様に外部コンピュータ情報取得部21により外部コンピュータ情報記録部25d(外部コンピュータ情報記録部25c側)に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路R上において、所定の並走距離を有する1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a側コンピュータも選択することができる。すなわち選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25dに記録された外部コンピュータ情報に基づき、まず自車10の位置と所定の範囲内にある他の自動車10a等を位置情報欄25c−2により検索する。次に、検索された自動車10a等の中から目的地が所定の範囲内にある他の自動車10a等を位置情報欄25c−3により検索する。以上により検索された他の自動車10a等は、自車10と位置が近く且つ目的地も近いため、並走距離が長いものと想定できる。目的地Tが比較的遠距離にある場合、または自動車10b側が交差点Paで赤信号により停車しているような場合の選択部22の機能に関しては、実施例2と同様であるため説明は省略する。以上のように、実施例3における選択部22は、実施例1と同様に外部コンピュータ情報記録部25d(外部コンピュータ情報記録部25b側)に記録された外部コンピュータ情報に基づき、位置Pから目的地Tまでの進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイントを有するプロバイダの幹線ネットワーク41等に接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。同時に選択部22は、実施例2と同様に外部コンピュータ情報取得部21により外部コンピュータ情報記録部25d(外部コンピュータ情報記録部25c側)に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路R上において、所定の並走距離を有する1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a側コンピュータも選択することができる。
図17は、本発明の実施例3におけるグリッド・コンピューティング方法の流れと、グリッド・コンピューティング環境を管理し、グリッド・コンピューティング環境で外部のコンピュータ50等にジョブを処理させるためのプログラムの機能とをフローチャートで示す。図17で左側のフローチャートはグリッド管理ECU14側の機能等を示し、右側のフローチャートはクライアントECU15側の機能等を示し、グリッド管理ECU14側とクライアントECU15との間におけるデータの送受信は左右のフローチャート間を結ぶ点線で示す。図17で図9および図13に示されるフローチャートと同じステップS番号を付した処理ブロックは同様の処理を行うため詳細な説明は省略する。
図17に示されるように、グリッド管理ECU14が、カーナビゲーションECU16から、目的地Tまでの進行経路Rの付近に存在する外部のコンピュータ50等の位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25d(25b側)に記録する(外部コンピュータ位置情報取得ステップ。ステップS10)。当該外部コンピュータ情報としては、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等の位置情報、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等が無線により接続されているアクセスポイント43a等の位置情報、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等のプロバイダ40等に関するプロバイダ情報とすることができる。同時に、グリッド管理ECU14は、カーナビゲーションECU16から、車載LAN12が設置された自車10の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータ12a等の位置情報、他の車載LAN12a等側コンピュータが搭載された他の自動車10a等の目的地T1等および進行経路R1等に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25d(25c側)に記録する(外部コンピュータ位置情報取得ステップ。ステップS10a)。
グリッド管理ECU14は、外部コンピュータ位置情報取得ステップ(ステップS10)で外部コンピュータ情報記録部25d(25b側)に記録された外部コンピュータ情報に基づき、1台以上の外部のコンピュータ50等を選択する(選択ステップ。ステップS12)。例えば、目的地Tまでの進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイント43a等を有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。同時に、外部コンピュータ位置情報取得ステップ(ステップS10a)で外部コンピュータ情報記録部25d(25c側)に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路R上において所定の並走距離を有する1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを選択する(選択ステップ。ステップS12a)。
選択ステップ(ステップS12およびS12a)で選択した1台以上の外部のコンピュータ50等および1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータの各々からリソース情報を取得して、リソース情報記録部26に記録する(リソース情報取得ステップ。ステップS14b)。
クライアントECU15は、グリッド管理ECU14へ検索条件を送信し、リソース情報記録部26に記録されたリソース情報について上記検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう(検索要求ステップ。ステップS20)。
グリッド管理ECU14は、検索要求ステップ(ステップS20)で送信された検索条件に基づいて、リソース情報取得ステップ(ステップS14b)でリソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索し、クライアントECU15へ検索結果を送信して(検索結果送信ステップ。ステップS16)、処理を終了する。
クライアントECU15は、検索結果送信ステップ(ステップS16)で送信された検索結果に基づき、ジョブ35を処理する1台以上の外部のコンピュータ50等および1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを決定する(決定ステップ。ステップS22b)。決定ステップ(ステップS22b)で決定された1台以上の外部のコンピュータ50等および1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータへジョブ35を投入する(ジョブ投入ステップ。ステップS24b)。ジョブ投入ステップ(ステップS24b)でジョブ35が投入された1台以上の外部のコンピュータ50等および1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータからジョブ35の処理結果を受信して(処理結果受信ステップ。ステップS26b)、処理を終了する。
以上より、本発明の実施例3によれば、自車10の目的地Tまでの進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等および他の自動車10a等に設置された他の車載LAN12a等側コンピュータを同時に利用することができる。グリッド管理ECU14の外部コンピュータ位置情報取得部21は、カーナビゲーションECU16から、目的地Tまでの進行経路Rの付近に存在する外部のコンピュータ50等の位置情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25d(25b側)に記録する。当該外部コンピュータ情報としては、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等の位置情報、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等が無線により接続されているアクセスポイント43a等の位置情報、進行経路Rの付近に存在するコンピュータ50等のプロバイダ40等に関するプロバイダ情報とすることができる。同時に外部コンピュータ位置情報取得部21は、カーナビゲーションECU16から、車載LAN12が設置された自車10の付近に存在する他の車載LAN側コンピュータ12a等の位置情報、他の車載LAN12a等側コンピュータが搭載された他の自動車10a等の目的地T1等および進行経路R1等に関する他の車両情報を含む外部コンピュータ情報を取得して、外部コンピュータ情報記録部25d(25c側)に記録することができる。選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25d(25b側)に記録された外部コンピュータ情報に基づき、1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。例えば、目的地Tまでの進行経路Rの付近に最も多くのアクセスポイント43a等を有するプロバイダのネットワークに接続された1台以上の外部のコンピュータ50等を選択することができる。同時に選択部22は、外部コンピュータ情報記録部25d(25c側)に記録された外部コンピュータ情報に基づき、目的地Tまでの進行経路R上において所定の並走距離を有する1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを選択することができる。リソース情報取得部23は選択部22により選択された1台以上の外部のコンピュータ50等および1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータの各々からリソース情報を取得して、リソース情報記録部26に記録する。
クライアントECU15の検索要求部31は、グリッド管理ECU14へ検索条件を送信し、リソース情報記録部26に記録されたリソース情報について上記検索条件に基づく検索を行なわせ、検索結果を送信させる要求を行なう。グリッド管理ECU14の検索結果送信部24は、送信された検索条件に基づいてリソース情報記録部26に記録されたリソース情報を検索し、クライアントECU15へ検索結果を送信する。クライアントECU15の決定部32は、送信された検索結果に基づき、ジョブ35を処理する1台以上の外部のコンピュータ50等および1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータを決定する。ジョブ投入部33は、決定された1台以上の外部のコンピュータ50等および1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータへジョブ35を投入する。処理結果受信部34は、ジョブ35が投入された1台以上の外部のコンピュータ50等および1台以上の他の自動車10a等に設置された1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータからジョブ35の処理結果を受信することができる。
以上の結果、車載LAN12に接続されたクライアントECU15のみでは所望の時刻、例えば目的地Tに到着する予定の時刻等までにジョブ35の処理結果を得られない場合、またはリアルタイムにジョブ35の処理結果を得られない場合に、グリッド管理ECU14を介してグリッド・コンピューティング環境にある1台以上の外部のコンピュータ50等および所定の距離以上並走する1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータにジョブ35を処理させることにより、所望の時刻までにまたはリアルタイムに処理結果を得ることができる。
図18は、上述した各実施例を実現するための本発明のコンピュータ・プログラムを実行する車載LAN12等側コンピュータの内部回路100を示すブロック図である。図18に示されるように、CPU101、ROM102、RAM103、画像制御部106、コントローラ107、入力制御部109および外部インタフェース(I/F)部111はバス112に接続されている。図18において、上述の本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM102、ディスク108aまたはCD−ROM108n等の記録媒体(脱着可能な記録媒体を含む)に記録されている。車載LAN12等側コンピュータとしてグリッド管理ECU14を取り上げた場合、ディスク108aは上述したディスク27に相当し、外部コンピュータ情報記録部25等およびリソース情報記録部26が記録されている。車載LAN12等側コンピュータとしてクライアントECU15を取り上げた場合、ディスク108aは上述したディスク36に相当し、ジョブ35が記録されている。本発明のコンピュータ・プログラムは、ROM102からバス112を介し、またはディスク108a若しくはCD−ROM108n等の記録媒体からコントローラ107を経由してバス112を介しRAM103へロードされる。入力制御部109はテンキー等の入力操作部110と接続され入力制御等を行う。画像メモリであるVRAM105は車載LAN12等側コンピュータの表示部104の少なくとも一画面分のデータ容量に相当する容量を有しており、画像制御部106はVRAM105のデータを画像データへ変換して表示部104へ送出する機能を有している。外部I/F部111は、車載LAN12等に接続された他のコンピュータ、アンテナ11、外部のコンピュータ50等との間の入出力インタフェース機能を有する。
上述のようにCPU51が上述の本発明のコンピュータ・プログラムを実行することにより、本発明の目的を達成することができる。当該コンピュータ・プログラムは上述のようにCD−ROM108n等の記録媒体の形態でコンピュータCPU101に供給することができ、当該コンピュータ・プログラムを記録したCD−ROM108n等の記録媒体も同様に本発明を構成することになる。当該コンピュータ・プログラムを記録した記録媒体としては上述された記録媒体の他に、例えばメモリ・カード、メモリ・スティック、DVD、光ディスク、FD等を用いることができる。
上述した本発明のグリッド・コンピューティング・システム、方法およびプログラム等において、クライアントECU15等が1台以上の外部のコンピュータ50等または1台以上の他の車載LAN12a等側コンピュータへ投入するジョブ35は、カーナビゲーションECU15等側で通常行っている処理、例えば進行経路計算の一部または全部とすることができる。勿論、カーナビゲーションECU15等側で行っている任意の処理であってもよいことは当然である。あるいは、ジョブ35は車載LAN12等が設置された自動車10等の機器(好適にはオーディオ機器等のAV系の機器または他の機器等。上述のECU以外の他のECUまたはコンピュータ等)からクライアントECU15へ投入された処理とすることもできる。この場合、ジョブ35の投入は車載LAN12等を介してまたは当該機器等から直接的にクライアントECU15へ投入することができる。
本発明の活用例として、カーナビゲーション装置にカーナビゲーションECU16の機能だけではなく、クライアントECU15およびグリッド管理ECU14の機能を備えるように適用することができる。進行経路の再計算を行なう必要が生じた場合、外部のコンピュータ50等または他の車載LAN12a等側コンピュータに当該再計算のジョブを投入することにより、リアルタイムにカーナビゲーション装置のディスプレイに再計算結果を表示することができる。
本発明の実施例1におけるグリッド・コンピューティング・システム1を示す図である。
本発明の実施例1におけるグリッド管理ECU14の機能およびデータベースを示すブロック図である。
外部コンピュータ情報記録部25の一構成例である外部コンピュータ情報記録部25aを示す図である。
リソース情報記録部26の一例を示す図である。
本発明の実施例1におけるクライアントECU15の機能等を示すブロック図である。
検索要求部31がグリッド管理ECU14へ送信する検索条件を含む要求(検索要求)を例示する図である。
グリッド管理ECU14の検索結果送信部24がクライアントECU15へ送信する検索結果を例示する図である。
外部コンピュータ情報記録部25の一構成例である外部コンピュータ情報記録部25bを示す図である。
外部コンピュータ情報記録部25bを用いた場合の選択部22の機能について説明するための道路および自動車10の進行経路等を示す図である。
本発明の実施例1におけるグリッド・コンピューティング方法の流れと、グリッド・コンピューティング環境を管理し、グリッド・コンピューティング環境で外部のコンピュータ50等にジョブを処理させるためのプログラムの機能とを示すフローチャートである。
本発明の実施例2におけるグリッド・コンピューティング・システム2を示す図である。
本発明の実施例2における外部コンピュータ情報記録部25cを示す図である。
本発明の実施例2における外部コンピュータ情報記録部25cを用いた場合の選択部22の機能について説明するための道路および自動車10等の進行経路R等を示す図である。
本発明の実施例2におけるグリッド・コンピューティング方法の流れと、グリッド・コンピューティング環境を管理し、グリッド・コンピューティング環境で他の車載LAN12a等側コンピュータにジョブを処理させるためのプログラムの機能とを示すフローチャートである。
本発明の実施例3におけるグリッド・コンピューティング・システム3を示す図である。
本発明の実施例3における外部コンピュータ情報記録部25の一構成例である外部コンピュータ情報記録部25dを示す図である。
本発明の実施例3における外部コンピュータ情報記録部25dを用いた場合の選択部22の機能について説明するための道路および自動車10の進行経路等を示す図である。
本発明の実施例3におけるグリッド・コンピューティング方法の流れと、グリッド・コンピューティング環境を管理し、グリッド・コンピューティング環境で外部のコンピュータ50等にジョブを処理させるためのプログラムの機能とを示すフローチャートである。
本発明の各実施例を実現するための本発明のコンピュータ・プログラムを実行する車載情報処理装置22または携帯電話40のコンピュータの内部回路50を示すブロック図である。
符号の説明
1 グリッド・コンピューティング・システム、 10,10a,10b 自動車、 11,44a,44b,44c,44d,44e、44f、44g,44h,44i,44j,44k,44n,64a,64b,64c,64d,64e,64n,84a,84b,84n アンテナ、 12 車載LAN、 13 通信ECU、 14 グリッド管理ECU、 15 クライアントECU、 16 カーナビゲーションECU、 21 外部コンピュータ位置情報取得部、 22 選択部、 23 リソース情報取得部、 24 検索結果送信部、 25,25a 外部コンピュータ情報記録部、 25a−1,25c−1 識別子欄、 25a−2,25b−1,25c−2,25c−3 位置情報欄、 25b−2 プロバイダ情報欄、 25c−4 経路情報欄、 26 リソース情報記録部、 27,36,108a ディスク、 31 検索要求部、 32 決定部、 33 ジョブ投入部、 34 処理結果受信部、 35 ジョブ、 40 無線LAN−Aのプロバイダ、 41,61,81 幹線ネットワーク、 42a,42n,62a,62n,82a,82n ノード、 43a,43b,43c,43d,43e、43f、43g,43h,43i,43j,43k,43n,63a,63b,63c,63d,63e,63n,83a,83b,83n アクセスポイント、 50,51,52,53,70,71,72,73,90,91,93 外部のコンピュータ、 54,74,94 LAN、 60 無線LAN−Bのプロバイダ、 80 サーバ、 100 内部回路、 101 CPU、 102 ROM、 103 RAM、 105 VRAM、 106 画像制御部、 104 表示部、 107 コントローラ、 108n CD−ROM、 109 入力制御部、 110 入力操作部、 111 外部I/F部、 112 バス。