JP2006034207A - シロアリの探知器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シロアリ侵入用の孔1を有した筒形ハウジング2と、該ハウジングに収納されたシロアリ誘引用材3と、紙軸でできた心棒4と、コイルバネ5と、シロアリの存在を知らせる検知棒6と、固定具7から構成され、心棒と検知棒はあらかじめ物理的に固定具で連結されており、この連結された心棒と検知棒からなる構成物をコイルバネであらかじめ引っ張ってあるいは押し付けて、固定具でハウジング内に固定しておき、シロアリの食害によって心棒が切断されることにより、コイルバネの力で切断された心棒と検知棒からなる構成物の上部が揚がり、地上に検知棒が突出することによってシロアリの存在を探知するシロアリ探知器。
【選択図】図1
Description
[1]地中に埋設するシロアリ探知器であって、シロアリ侵入用の孔を有した筒形ハウジングと、該ハウジングに収納されたシロアリ誘引用材と、紙軸でできた心棒と、コイルバネと、シロアリの存在を知らせる検知棒と、固定具から構成され、心棒と検知棒はあらかじめ物理的に固定具で連結されており、この連結された心棒と検知棒からなる構成物をコイルバネであらかじめ引っ張ってあるいは押し付けて、固定具でハウジング内に固定しておき、シロアリの食害によって心棒が切断されることにより、コイルバネの力で切断された心棒と検知棒からなる構成物の上部が揚がり、地上に検知棒が突出することによってシロアリの存在を探知するシロアリ探知器。
[2]接着剤を用い紙を巻きつけて作られた紙軸でできた心棒を用いる前記[1]に記載のシロアリ探知器。
[3]紙軸でできた心棒の材質が、アート紙、コート紙、上質紙、中質紙、再生紙、更紙、グラビア紙、ケント紙、合成紙、和紙、板紙、吸い取り紙、グランシーペーパー、インディアンペーパー、模造紙、未晒しクラフト紙、晒しクラフト紙から選ばれる前記[1]に記載のシロアリ探知器。
[4]紙軸でできた心棒の材質が、未晒しクラフト紙である前記[1]に記載のシロアリ探知器。
[5]紙軸でできた心棒の太さが0.5〜20mmである前記[1]に記載のシロアリ探知器。
[6]紙軸でできた心棒の太さが1〜5mmである前記[1]に記載のシロアリ探知器。
クラフト紙とは、クラフトパルプから製造される紙のことを言い、クラフトパルプとは、苛性ソーダと硫化ソーダの混合液で木材を蒸解して得られるパルプであり、強い紙を作ることができることが特徴である。このクラフトパルプの繊維は、茶褐色で、そのまま使った場合、未晒しクラフトパルプ、漂白して白くしたものが、晒しクラフトパルプであり、晒すことによって繊維は弱くなる傾向がある。シロアリ探知器に使用する心棒としては、工業製品として保存時及び輸送時の振動に耐えうる強度を有すること、さらに地中埋設後の水分吸収時に寸法の変化が無いこと、また化学成分の残留により、シロアリに対して忌避作用を持たないことが重要である。このようなことから、未晒しクラフトパルプから製造された未晒しクラフト紙がより好適に使用される。
紙の厚さは、シロアリの食害性に影響を与える。厚すぎても薄すぎても探知感度が低下する。従って、紙の厚さは10〜200g/m2の範囲で使用可能であるが、好適には50〜100g/m2が使用可能である。紙の厚さが10g/m2以下もしくは200g/m2以上では、探知感度が極端に低く実用に適さない。また、10〜50g/m2もしくは100〜200g/m2では、実用には耐えうるものの、探知感度が低い。
心棒に使用する紙軸は、紙で構成されるものであればどのような形態ものでも使用可能であるが、好適には、綿棒や飴軸に使用される、紙を巻いて製造した紙軸(一般にペーパースティックとも呼ばれる)が使用可能である。紙軸の製造方法としては、紙を巻きながら、接着剤を用いて接着する製造方法が好適に使用可能である。接着剤としては、にかわ、カゼイン、大豆グルー、アルブミン、デンプン、デキストリン、松脂、セラック、アスファルト、ギルソナイト、タール等の天然系、酢酸ビニル、塩化ビニル、ユリア、メラミン、フェノール、エポキシ、ポリウレタン、ポリエステル、シリコーン、シアノアクリレート等の樹脂系、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、SBR、ポリサルファイド、シリコーンゴム等のゴム系のあらゆる接着剤が使用可能であるが、好適には、にかわ、カゼイン、大豆グルー、アルブミン、デンプン、デキストリン、松脂、セラック、アスファルト、ギルソナイト、タール等の天然系接着剤が使用可能である。
心棒の太さは、シロアリの探知感度に影響を与え、太い場合は、探知感度が低下し、細い場合は、探知感度が向上する一方心棒の強度が低下し、製品の安定性等の問題が発生する。従って、心棒のサイズとしては、太さ0.5〜20mmの範囲で使用可能であるが、好適には1〜5mmが使用可能である。太さ0.5mm以下では、心棒の引っ張り強度が弱く、製品として実用性が無かった。太さ0.5〜1mmの範囲では、心棒の引っ張り強度がやや弱く、製品として実用性がやや無かった。太さ20mm以上では、探知感度が低く、実用的ではなかった。太さ5〜20mmの範囲では、探知感度がやや低く、やや実用的ではなかった。長さはハウジング2の大きさに合わせて変更することが可能である。
心棒には、シロアリによる食害性を高める目的で、グルコース、アスパラギン酸、ドデカトリエノール等のシロアリ誘引剤をあらかじめ塗布しておくことも有用である。また心棒には腐朽(腐れ)による誤作動を防止するため、3−ヨードプロパギルブチルカーバメート(IPBC)、4−クロルフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール(IF−1000)等の有機ヨード系、シプロコナゾール、テブコナゾール、アザコナゾール等のトリアゾール系、クロロイソフタロニトリル、フルオロクロロイソフタロニトリル等のニトリル系、チアゾリルベンズイミダゾール、カルベンダジム等のイミダゾール系、ベンゾイソチアゾリン,オクチルイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン等のイソチアゾリン系化合物等の防腐剤、防カビ剤をあらかじめ塗布しておくことも有用である。
シロアリの大きさは数mm程度のため、シロアリ侵入用の孔のサイズは、直径0.5〜100mmの範囲で使用可能であるが、好適には、1〜5mmの範囲で使用可能である。
シロアリ侵入用の孔のサイズは、直径0.5〜100mmの範囲で実用に耐えうる製品を製造することができるが、ダンゴムシ、モグラ等のシロアリ以外の生物による誤動作を避けるためシロアリ侵入用の孔のサイズは1〜5mmの範囲が望ましい。ハウジングは、あらかじめ、内部にいくつかリブを設け、ハウジングの強度を高くすることは有用である。また地面に埋設し易くするために、ハウジングの下端を尖らせることも有用である。またシロアリは光の強い場所を嫌う傾向があるため、ハウジング素材に遮光材料を用いること、ハウジングの上端にハウジング内への光の侵入を防止するツバを設けることも有用である。
図−1に沿って、シロアリ探知器のハウジング(太さ3.5cm、長さ20cm)をAES樹脂によって作成し、エラストマープラスチックを用いて検知棒を作成した。次に未晒しクラフト紙(60g/m2)を用いて紙軸(太さ3.2mm、長さ146mm、接着剤としてデンプンを使用した)を作成した。次に上質紙(60g/m2)を用いて紙軸(太さ3.2mm、長さ146mm、接着剤としてデンプンを使用した)を作成した。次にアカマツ辺材及びスギ辺材を用いて心棒(太さ3.2mm、長さ146mm)を作成した。固定具にはアルミ製圧着端子を使用した。シロアリ誘引用材としては、未晒しクラフト紙からなるダンボール紙(5×12cm、上部及び下部に計2枚使用)を使用した。
ハウジングにシロアリ誘引用材を収納し、未晒しクラフト紙でできた紙軸心棒とシロアリの存在を知らせる検知棒をあらかじめ固定具で物理的に連結し、この連結された構成物でコイルバネをあらかじめ押し付けて固定具でハウジングに固定してシロアリ探知器を10個調製した。
(実施例2)
ハウジングにシロアリ誘引用材を収納し、上質紙でできた紙軸心棒とシロアリの存在を知らせる検知棒をあらかじめ固定具で物理的に連結し、この連結された構成物でコイルバネをあらかじめ押し付けて固定具でハウジングに固定してシロアリ探知器を10個調製した。
(比較例1)
ハウジングにシロアリ誘引用材を収納し、マツ辺材でできた心棒とシロアリの存在を知らせる検知棒をあらかじめ固定具で物理的に連結し、この連結された構成物でコイルバネをあらかじめ押し付けて固定具でハウジングに固定してシロアリ探知器を10個調製した。
(比較例2)
ハウジングにシロアリ誘引用材を収納し、スギ辺材でできた心棒とシロアリの存在を知らせる検知棒をあらかじめ固定具で物理的に連結し、この連結された構成物でコイルバネをあらかじめ押し付けて固定具でハウジングに固定してシロアリ探知器を10個調製した。
1m×1m×深さ50cmのタッパーにバーミキュライトを深さ30cmになるように入れ、水分含量150%になるように純水を添加した。そして、未晒しクラフト紙軸心棒を用いたシロアリ探知器10本(実施例1)、上質紙軸心棒を用いたシロアリ探知器10本(実施例2)、マツ辺材心棒を用いたシロアリ探知器10本(比較例1)、スギ辺材心棒を用いたシロアリ探知器10本(比較例2)を上記タッパーのバーミキュライト内にハウジングが完全に埋没するように設置した。その後、イエシロアリ約1万頭をタッパー内に投入し、25℃にて保温し、探知器の検知棒の挙がるまでの期間を観察した。
結果を表−1に示す。マツ辺材を用いた探知器では、試験開始後60日を過ぎても検知棒が挙がらないものがあり、スギ辺材を用いた探知器では、試験開始後28日間で10本目の探知器の検知棒が挙がったのに対し、上質紙を用いた探知器では、試験開始後12日目で全ての探知器の検知棒が挙がり、クラフト紙を用いた探知器では、試験開始後わずかに5日後で全ての探知器の検知棒が挙がった。これにより、本発明のシロアリ探知器のシロアリ検出感度の高さ、品質のばらつきの無さが示された。
2・・・筒型ハウジング
3・・・シロアリ誘引用材
4・・・紙軸でできた心棒
5・・・コイルバネ
6・・・検知棒
7・・・固定具
Claims (6)
- 地中に埋設するシロアリ探知器であって、シロアリ侵入用の孔を有した筒形ハウジングと、該ハウジングに収納されたシロアリ誘引用材と、紙軸でできた心棒と、コイルバネと、シロアリの存在を知らせる検知棒と、固定具から構成され、心棒と検知棒はあらかじめ物理的に固定具で連結されており、この連結された心棒と検知棒からなる構成物をコイルバネであらかじめ引っ張ってあるいは押し付けて、固定具でハウジング内に固定しておき、シロアリの食害によって心棒が切断されることにより、コイルバネの力で切断された心棒と検知棒からなる構成物の上部が揚がり、地上に検知棒が突出することによってシロアリの存在を探知するシロアリ探知器。
- 接着剤を用い紙を巻きつけて作られた紙軸でできた心棒を用いる請求項1のシロアリ探知器。
- 紙軸でできた心棒の材質が、アート紙、コート紙、上質紙、中質紙、再生紙、更紙、グラビア紙、ケント紙、合成紙、和紙、板紙、吸い取り紙、グランシーペーパー、インディアンペーパー、模造紙、未晒しクラフト紙、晒しクラフト紙から選ばれる請求項1のシロアリ探知器。
- 紙軸でできた心棒の材質が、未晒しクラフト紙である請求項1のシロアリ探知器。
- 紙軸でできた心棒の太さが0.5〜20mmである請求項1のシロアリ探知器。
- 紙軸でできた心棒の太さが1〜5mmである請求項1のシロアリ探知器。
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