JP2006033730A - 通信信号判別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 組込み用マイコンのロジックを開発するマイコンロジック開発装置等において、必要とされる通信信号の通信プロトコルを自動的に判別する通信信号判別装置に関し、多数のハードウェア回路を用意することなく電気的特性が異なる各種の通信信号または不明な1種類の通信信号を受信可能にし、装置の小型化と使い勝手の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】 入力される通信信号の利得やオフセットレベル等のダイナミックレンジを調整するダイナミックレンジ調整手段1と、通信信号の信号レベルの閾値を調整する信号閾値調整手段2と、通信信号の通信速度を決定する通信速度決定手段3と、既知の通信プロトコルを選択して通信信号に合致する通信プロトコルを判別する通信プロトコル判別手段4とを備えるように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)により制御される電子制御機器に組み込まれて使用される組込み用マイコンのロジックを開発するマイコンロジック開発装置等において、必要とされる複数種の通信信号または不明な1種類の通信信号の通信プロトコルを自動的に判別するための通信信号判別装置に関する。
ECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)等によって制御される電子制御機器の制御(例えば、電子制御式エンジンの制御)は、排気ガス規制等の法規要求、およびマイクロコンピュータ(以後マイコンと記す)の性能向上に応じた性能向上を図るため、年々改良を加える必要があり、現状のECUの性能に先行して組込み用マイコンの新しいロジックが開発されているのが現状である。ここで、現状の組込み用マイコンは、現状のシステムに最適な仕様でCPU(Central Processing Unit :中央処理装置)機能および周辺機能が選択されており、かつ、CPUやマイコン周辺リソースが一つのパッケージ(チップ)に組み込まれている。
上記のような先行ロジックに必要とされる性能に基づいて、性能がさらに向上した次期マイコンの選定が行われる。ただし、この次期マイコンを組み込んだECUは実在しないので、前述の先行ロジックは、現状のECUに組み込まれた組込み用マイコンに置き換えて使用されるマイコンロジック開発装置(すなわち、先行ロジック開発用の汎用ECU)等により実現させるようにしている。
このようなマイコンロジック開発装置(汎用ECU)等の通信装置において、外部の通信機器との通信を行う際に必要とされる複数種の通信信号は、電気的特性が互いに異なっており、それぞれ使用されるインタフェースは、CAN(Controller Area Network :車内LANの規格の一つ)、LIN(Local Interconnect Network:車内LANの規格の一つ)、RS(Recommended Standard)−232C(シリアル・インタフェースの一つ)、SCI(Scalable Coherent Interface :シリアル・インタフェースの一つ)、UART(Universal Asynchronous Receiver-Transceiver :非同期シリアル通信用送受信回路)等、多数存在する。
上記のマイコンロジック開発装置等において、通信信号を使用して外部の通信機器との通信を確立させるために、従来は、使用されるインタフェースの通信仕様に合わせて受信回路等のハードウェア回路を実装し、マイコンロジック開発装置内のCPUの立ち上げを実行してから、通信信号のダイナミックレンジや通信速度等を決めるようにしていた。しかしながら、一般に、通信信号の通信プロトコル(物理層やデータリンク層等からなる複数の層の通信に使用される通信規約)は、当該通信信号に使用されるインタフェースにより異なっている。このため、一つのハードウェア回路にて受信することが可能な通信信号の通信プロトコルは、一つまたは類似する少数のものに限られる。
それゆえに、制御対象である電子制御機器を特に限定しないマイコンロジック開発装置等では、使用される可能性がある全ての通信信号の通信仕様に合わせて多数のハードウェア回路を実装する必要がある。それゆえに、このような多数のハードウェア回路が実装された回路基板(ボード)の枚数が増大し、全体としてのハードウェア回路の規模が顕著に大きくなる。この結果、汎用ECUであるマイコンロジック開発装置の小型化を図ることが難しくなると共に、マイコンロジック開発装置の使い勝手の向上が妨げられるという問題が生じてきた。
ここで、参考のため、従来のハードウェア回路の実装方法に関連した技術内容が記載された特許文献1(特開2003−167756号公報)および特許文献2(特開平10−42000号公報)を呈示する。
特許文献1においては、第1のCPU、第1のメモリ、および、外部との通信を行う第1のインタフェースを第1の内部バスで接続したマザーボードと、第2のCPU、第2のメモリ、マイコンの周辺リソースを擬似的にソフトウェアで実現する疑似マイコン周辺リソース、および、外部との通信を行う第2のインタフェースを第2の内部バスで接続したコアボードとが実装されたマイコンロジック開発装置(汎用ECU)であって、現状の組込み用マイコンに置き換えて先行ロジックを動作させるようにしたマイコンロジック開発装置の構成が開示されている。
また一方で、特許文献2においては、異なるインタフェースに対して共通のコネクタを設け、データ端末固有のインタフェースに合致するように通信条件の設定を自動的に切り換えるようにしたデータ通信装置の構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2のいずれにおいても、電気的特性が異なる各種の通信信号を受信することができるような装置構成は開示されていないので、使用される可能性がある全ての通信信号の通信仕様に合わせて多数のハードウェア回路を用意しなければならない。したがって、上記のいずれの特許文献でも、前述のような問題点が生ずる。
特開2003−167756号公報 特開平10−42000号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、汎用ECUであるマイコンロジック開発装置等の通信装置において、多数のハードウェア回路を用意することなく電気的特性が異なる各種の通信信号(または不明な1種類の通信信号)を受信することを可能にし、これによって、装置の小型化および使い勝手の向上を図ることを可能にするような通信信号判別装置を提供することを目的とするものである。
上記問題点を解決するために、本発明の通信信号判別装置は、外部から入力される通信信号の利得およびオフセットレベルを含むダイナミックレンジを調整するダイナミックレンジ調整手段と、上記通信信号の信号レベルの閾値(スレッショールドレベル)を調整する信号閾値調整手段と、上記通信信号の通信速度を算出して決定する通信速度決定手段と、予め規定されている複数の通信プロトコルを選択して上記通信信号に合致する通信プロトコルを判別する通信プロトコル判別手段とを備えるように構成される。
好ましくは、本発明の通信信号判別装置は、上記通信信号を上記ダイナミックレンジ調整手段に入力する前に、上記通信信号をアナログ形式からディジタル形式に変換するアナログ/ディジタル変換手段を設けている。
さらに、好ましくは、本発明の通信信号判別装置において、上記ダイナミックレンジ調整手段は、上記通信信号の電圧を所定の期間内で計測し、上記通信信号の電圧の計測値と当該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づいて上記通信信号の利得およびオフセットレベルを含むダイナミックレンジを調整するようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の通信信号判別装置において、上記信号閾値調整手段は、上記通信信号の電圧を所定の期間内で計測し、上記通信信号の電圧の計測値と当該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づいて上記通信信号に対し最適となるように上記通信信号の信号レベルの閾値を調整するようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の通信信号判別装置において、上記通信速度決定手段は、上記通信信号の隣接するパルス間のパルス間隔を所定の期間内で計測し、上記通信信号の上記パルス間隔の計測値と当該パルス間隔の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づいて得られる上記通信信号の基本周期に対応するように上記通信信号の通信速度を決定するようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の通信信号判別装置において、上記通信プロトコル判別手段は、上記複数の通信プロトコルから選択された任意の通信プロトコルに設定して上記通信信号(入力された通信信号)を伝送した場合に上記通信信号が出力されるか否かを検知し、上記通信信号が出力されたときに上記通信信号(出力された通信信号)に合致する通信プロトコルを判別したと判断するようになっている。
さらに、好ましくは、本発明の通信信号判別装置において、上記通信プロトコル判別手段は、上記複数の通信プロトコルから選択された任意の通信プロトコルに設定して上記通信信号(入力された通信信号)を伝送した場合に上記通信信号が出力されるか否かを検知し、上記通信信号が出力されたときに上記通信信号(出力された通信信号)に合致する通信プロトコルを判別したと判断し、また一方で、上記通信信号が出力されなかったときに、他の任意の通信プロトコルに設定して上記通信信号を伝送した場合に上記通信信号が出力されるか否かを検知し、上記通信信号が出力されたときに上記通信信号に合致する通信プロトコルを判別したと判断するようになっている。
要約すれば、本発明では、汎用ECUであるマイコンロジック開発装置等の通信装置において、電気的特性が異なる任意の通信信号が入力されたときに、当該通信信号の通信プロトコルを自動的に判別して外部との通信を確立させるようにしているので、使用され得る全ての通信信号の通信仕様に合わせて多数のハードウェア回路を実装しなくても任意の通信信号を受信することができるようになる。それゆえに、ハードウェア回路の規模が小さくて済み、マイコンロジック開発装置等の小型化および使い勝手の向上を図ることが可能になる。
ここで、本発明では、任意の通信信号として、複数種の通信信号が入力されたときのみ通信信号判別装置が動作するのではなく、不明な1種類の通信信号が入力されたときも通信信号判別装置が動作する点に注意すべきである。
さらに、本発明では、実際に入力される通信信号のデータに基づいて通信信号の利得やオフセットレベル等を調整しているので、当該通信信号のオーバーシュートおよびアンダーシュートの影響を受けにくくすることが可能になる。
さらに、本発明では、実際に入力される通信信号のデータに基づいて信号レベルの閾値を調整しているので、当該通信信号の通信プロトコルにより規定されている閾値よりも信号検出に関する安全度が高くなり、ノイズによる影響を受けにくくすることが可能になる。
さらに、本発明では、実際に入力される通信信号のデータに基づいて通信信号の通信速度を決定しているので、当該通信速度の許容誤差範囲が、通信プロトコルにより規定されている通信速度よりもはるかに広くなる。
以下、添付図面(図1〜図10)を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る通信信号判別装置の構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、組込み用マイコンの先行ロジックを開発するマイコンロジック開発装置(汎用ECU)等の通信装置に適用した場合の上記実施例に係る通信信号判別装置10と、関連する他の構成要素とを簡略化して示す。なお、これ以降、前述した構成要素と同様のものについては、同一の参照番号を付して表すこととする。
図1に示すように、マイコンロジック開発装置(汎用ECU)等の通信装置においては、外部の通信機器から入力される各種の通信信号(または不明な1種類の通信信号)Sciの通信プロコトルを自動的に判別する通信信号判別装置10と、外部の通信機器から入力される各種の通信信号Sciに関連したデータの演算処理を行うCPU11と、組み込み用マイコンの先行ロジック開発用のプログラム(ソフトウェア)を含む各種のデータを格納する記憶部(メモリ)12と、ハードウェアのFPGA(Field Programmable Gate Array )等により構成されるハードウェアロジック回路14とが、数枚の通信用ボード(例えば、マザーボードまたはコアボード)15に実装されている。
ここで、FPGAは大規模なPLD(Programmable Logic Device )ともよばれており、CPU11等の指示によりハードウェアロジック回路のプログラミングを実行してFPGA内の多数のゲート素子の一部を切り換えることができるようになっている。このゲート素子の一部を切り換えることによって、外部の通信機器から入力される通信信号Sciの通信プロトコルに適合するように当該通信信号のダイナミックレンジ、閾値および通信速度等が決定される。このようにしてダイナミックレンジや通信速度等が決定された通信信号は、最終的に通信信号Scoとして通信用ボード15から出力され、制御対象である電子制御機器に転送される。
上記の通信信号判別装置10、CPU11、記憶部12、およびハードウェアロジック回路14は、内部バス13により接続されており、相互にデータの遣り取りができるようになっている。
さらに、図1のマイコンロジック開発装置等の通信装置においては、外部の通信機器から入力される通信信号Sciをアナログ形式からディジタル形式に変換するアナログ/ディジタル変換器(以下、A/D変換器と略記する)5が設けられている。このA/D変換器5は、本発明のアナログ/ディジタル変換手段に対応するものである。このA/D変換器5によりアナログ形式の通信信号Sciをディジタル形式の通信信号Scdに変換してから通信信号判別装置10に送出することによって、CPU11等による当該通信信号Scdに関連したデータの演算処理を容易に行うことができる。一般的にいって、上記のA/D変換器5は、前述の通信信号判別装置10、CPU11、記憶部12、およびハードウェアロジック回路14と共に、一つのパッケージに組み込まれる。なお、ここでは、A/D変換器5が前述の通信用ボード15とは別個のボードに実装される構成を例示しているが、A/D変換器5を通信用ボード15そのものに実装することも可能である。
さらに詳しく説明すると、本発明の一実施例に係る通信信号判別装置10は、図1に示すように、A/D変換器5から送出されるディジタル形式の通信信号Scdの利得およびオフセットレベルを含むダイナミックレンジを調整するダイナミックレンジ調整手段1と、このダイナミックレンジ調整手段1から出力される通信信号Scgの信号レベルの閾値(スレッショールドレベル)を調整する信号閾値調整手段2とを備えている。
ここで、ダイナミックレンジ調整手段1は、A/D変換器5から実際に出力される通信信号Scdの電圧を予め定められた期間内で計測し、この通信信号Scdの電圧の計測値と当該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づいて上記通信信号の利得およびオフセットレベル等のダイナミックレンジを自動的に調整する機能を有している。
また一方で、信号閾値調整手段2は、ダイナミックレンジ調整手段1から実際に出力される通信信号Scgの電圧を予め定められた期間内で計測し、この通信信号Scgの電圧の計測値と当該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムに現れるような通信信号Scgに含まれるノイズレベルを考慮に入れて当該通信信号Scgの信号レベルの閾値を自動的に調整する機能(すなわち、通信信号に対し最適となるように信号レベルの閾値を調整する機能)を有している。
好ましくは、このようなダイナミックレンジ調整手段1および信号閾値調整手段2の機能を実行するためのプログラムが、記憶部12内に予め格納されている。上記のダイナミックレンジ調整手段1および信号閾値調整手段2は、CPU11により記憶部12内のプログラム(ソフトウェア)を読み出して動作させることによって実現され得る。
さらに、上記実施例に係る通信信号判別装置10は、図1に示すように、信号閾値調整手段2から実際に出力される通信信号Sctの通信速度を算出して決定する通信速度決定手段3と、予め規定されている複数の通信プロトコルを選択することによって、通信速度決定手段3から送出される通信信号Scrに合致する通信プロトコルを判別する通信プロトコル判別手段4とを備えている。
この場合、外部の通信機器との通信を行うために使用可能な通信信号の通信プロトコルは、CAN、LIN、RS(Recommended Standard)−232C、SCI、またはUART等のシリアル・インタフェースに代表されるような多数のインタフェースを使用している。
ここで、通信速度決定手段3は、通信速度決定手段3から実際に出力される通信信号Scrの複数のパルスの中で、隣接するパルス間のパルス間隔を予め定められた期間内で計測し、この通信信号Sctの当該パルス間隔の計測値と当該パルス間隔の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、このヒストグラムに基づいて得られる通信信号Sctの基本周期(すなわち、最低の周期)に対応するように通信信号Sctの通信速度を自動的に決定する機能を有している。
一般に、外部の通信機器から入力される通信信号は、予め定められた周期を有しており、基本周期に相当するパルス間隔のピークがヒストグラム上で最も大きく現れる。したがって、この最大のピークを検出することにより、通信信号の基本周期に対応する最大周波数に基づいて通信信号の通信速度を一義的に決定することができる。
好ましくは、このような通信速度決定手段3の機能を実行するためのプログラムが、記憶部12内に予め格納されている。上記の通信速度決定手段3は、CPU11により記憶部12内のプログラム(ソフトウェア)を読み出して動作させることによって実現され得る。
また一方で、通信プロトコル判別手段4は、予め規定されている複数の通信プロトコルから選択された任意の一つの通信プロトコル(例えば、CANのインタフェースに基づく通信プロトコル)に設定して通信信号Scrを伝送した場合に通信信号Scp(すなわち、通信信号Sco)が出力されるか否かを検知し、通信信号Scpが出力されたときに当該通信信号Scpに合致する通信プロトコルを判別したと判断する機能を有している。
さらに、上記の通信プロトコル判別手段4は、複数の通信プロトコルから検索された任意の一つの通信プロトコルに設定して通信信号Scrを伝送した場合に通信信号Scpが出力されるか否かを検知し、通信信号Scpが出力されなかったときに、他の通信プロトコルに設定して通信信号Scrを伝送した場合に通信信号Scrが出力されるか否かを検知し、通信信号Scp(すなわち、通信信号Sco)が出力されたときに当該通信信号Scpに合致する通信プロトコルを判別したと判断する機能も有している。
好ましくは、このような通信プロトコル判別手段4の機能を実行するためのプログラムが、記憶部12内に予め格納されている。上記の通信プロトコル判別手段4は、CPU11により記憶部12内のプログラム(ソフトウェア)を読み出して動作させることによって実現され得る。
より詳細にいえば、通信プロトコル判別手段4により通信信号の通信プロトコルを判別する動作は、次の(1)〜(6)のように実行される。
(1)ダイナミックレンジ調整手段1および信号閾値調整手段2において、通信信号判別装置10に入力された通信信号の電圧が既に計測されているので、この通信信号の電圧の計測値(例えば、0〜5V(ボルト))に基づいて複数の通信プロトコルの候補を絞り込むことができる。
(2)通信プロトコル判別手段4では、CPU11の指示によりハードウェアロジック回路14のFPGA内の多数のゲート素子の一部を切り換えることによって、複数の通信プロトコルの候補から一つの通信プロトコル(例えば、CANのインタフェースに基づく通信プロトコル)を選択し、選択された一つの通信プロトコルに合わせてハードウェアロジック回路14のFPGA内のゲート素子の接続状態を設定するようにしている。
(3)この状態で、通信プロトコル判別手段4を通して通信信号を伝送した場合、ハードウェアロジック回路14から通信信号Scoが出力されることを通信プロトコル判別手段4にて検知したときに、この通信プロトコル判別手段4は、外部の通信機器との通信が成立したものとみなし、選択された一つの通信プロトコル(例えば、CANのインタフェースに基づく通信プロトコル)の規定による通信信号が入力されたものと判断する。
(4)また一方で、ハードウェアロジック回路14から通信信号Scoが出力されないことを通信プロトコル判別手段4にて確認したときには、この通信プロトコル判別手段4は、外部の通信機器との通信が成立しなかったものとみなし、CPU11の指示によりハードウェアロジック回路14のFPGA内の多数のゲート素子の一部を再度切り換えることによって、複数の通信プロトコルの候補から他の一つの通信プロトコル(例えば、LINのインタフェースに基づく通信プロトコル)を選択し、選択された他の一つの通信プロトコルに合わせてハードウェアロジック回路14のFPGA内のゲート素子の接続状態を再設定するようにしている。
(5)この状態で、通信プロトコル判別手段4を通して通信信号を伝送した場合、ハードウェアロジック回路14から通信信号Scoが出力されることを通信プロトコル判別手段4にて検知したときには、この通信プロトコル判別手段4は、外部の通信機器との通信が成立したものとみなし、選択された通信プロトコル(例えば、LINのインタフェースに基づく通信プロトコル)の規定による通信信号が入力されたものと判断する。
(6)また一方で、ハードウェアロジック回路14から通信信号Scoが出力されないことを通信プロトコル判別手段4にて確認したときには、この通信プロトコル判別手段4は、外部の通信機器との通信が成立しなかったものとみなし、ハードウェアロジック回路14のFPGA内の多数のゲート素子の一部を再度切り換えることによって、複数の通信プロトコルの候補から残りの通信プロトコルを選択し、前述の(4)および(5)と同様の動作を実行する。以下、ハードウェアロジック回路14から通信信号Scoが出力されるようになるまで、複数の通信プロトコルの候補から残りの通信プロトコルを選択し、前述の(4)および(5)と同様の動作を繰り返し実行する。
図1の実施例に係る通信信号判別装置によれば、マイコンロジック開発装置等の通信装置において、電気的特性が異なる任意の通信信号が入力されたときに、ハードウェアロジック回路のFPGA内の多数のゲート素子を切り換えることにより任意の通信信号の通信プロトコルを自動的に判別しているので、使用され得る全ての通信信号の通信仕様に合わせて多数のハードウェア回路(例えば、ハードウェアロジック回路)を用意しなくても任意の通信信号を受信することができるようになる。それゆえに、全体としてのハードウェア回路の規模が小さくて済み、通信装置の小型化が図れると共に使い勝手が良くなる。
図2は、図1の通信信号判別装置に入力される通信信号の電圧波形の一例を示す図である。ここでは、A/D変換器5によりディジタル形式の通信信号に変換された後に、通信信号判別装置10のダイナミックレンジ調整手段1に入力される通信信号Scdの電圧波形の一例が図示されている。
図2においては、通信信号の電圧(V)が変化する範囲が0〜5Vである場合、5Vのピークを有する複数のパルス(例えば、パルスP1、P2…)が、予め定められた周期で入力される。換言すれば、図2では、0Vおよび5Vの二値化された信号レベルを有する通信信号の電圧(実際は、電圧の計測値)が時間(t)の経過に従って変化する様子が図示されている。
図2から明らかなように、実際に入力される通信信号の電圧に関しては、各々のパルスが0Vから5Vに変化するタイミングにてオーバーシュートが発生し、5Vから0Vに変化するタイミングにてアンダーシュートが発生する。なお、ここでは、通信信号の電圧(V)が変化する範囲が0〜5Vである場合を例示しているが、その範囲が−5V〜+5Vである場合にも、同様にして、−5Vのピークを有するパルスまたは+5Vのピークを有するパルスの電圧が変化するタイミングにてオーバーシュートやアンダーシュートが発生する。
図3は、図1のダイナミックレンジ調整手段の機能を説明するためのヒストグラムである。ここでは、通信信号判別装置10に入力される通信信号の電圧の計測値と当該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを参照しながら、ダイナミックレンジ調整手段1の機能をより具体的に説明する。
図3に示すように、ダイナミックレンジ調整手段1(図1参照)は、実際に入力される通信信号の電圧を予め定められた期間内で計測し、この通信信号の電圧の計測値と当該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成する。このヒストグラムから明らかなように、実際に入力される通信信号の電圧は、0Vおよび5Vの近傍をピークとしてある程度の広がりを持っており、かつ、0Vの近傍のピークの出現頻度と5Vの近傍のピークの出現頻度とが異なっている。ここで、0Vの近傍のピークと5Vの近傍のピークのいずれに関しても、図2に示したようなオーバーシュートまたはアンダーシュートの発生によって、ピークの位置(オフセットレベル)が0Vまたは5Vから多少ずれることがあり得る点に注意すべきである。さらに、0Vの近傍のピークと5Vの近傍のピークとの間には、ある程度の電圧レベルを有するノイズが発生する。
図1に示したようなダイナミックレンジ調整手段1では、図3のヒストグラムに現れているように、実際に入力される通信信号のデータ(例えば、電圧波形)に基づいて、通信信号の利得およびオフセットレベル等のダイナミックレンジを調整するようにしている。それゆえに、通信信号のオーバーシュートまたはアンダーシュートの影響およびノイズの影響を受けるおそれがなくなり、0Vまたは5Vの信号レベルを誤りなく検出することが可能になる。
図4は、図1の信号閾値調整手段の機能を説明するためのヒストグラムである。ここでは、通信信号判別装置10に入力される通信信号の電圧の計測値と当該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを参照しながら、信号閾値調整手段2の機能をより具体的に説明する。
図4に示すように、信号閾値調整手段1(図1参照)は、実際に入力される通信信号の電圧を予め定められた期間内で計測し、この通信信号の電圧の計測値と当該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成する。この図4のヒストグラムでは、前述の図3のヒストグラムと同様に、実際に入力される通信信号の電圧は、0Vおよび5Vの近傍をピークとしてある程度の広がりを持っており、かつ、0Vの近傍のピークの出現頻度と5Vの近傍のピークの出現頻度とが異なっている。さらに、0Vの近傍のピークと5Vの近傍のピークとの間には、ある程度の電圧レベルを有するノイズが発生する。
一般に、CANやLIN等のインタフェースに基づく通信プロトコルでは、通信信号の閾値(スレッショールドレベル)が一定の値に固定されている。このため、0Vまたは5Vの信号レベルを検出する際にノイズの影響を受け易くなり、電圧波形によっては通信信号の信号レベルを誤りなく検出することが難しくなる場合がある。
これに対し、図1に示したような信号閾値調整手段1では、図4のヒストグラムに現れているように、実際に入力される通信信号のデータ(例えば、電圧波形)に基づいて、ノイズによる影響が最小限に抑えられるように信号レベルの閾値を調整するようにしている。例えば、図4の一例では、最もノイズを拾いにくい最適のポイントとして、最大のピーク(図3では、5Vの近傍のピークの出現頻度の値)の約30%の出願頻度を有する電圧範囲の中間の位置を指定し、この位置で信号レベルの閾値(例えば、2.5V)を設定するようにしている。それゆえに、通信信号に含まれるノイズの影響を受けるおそれがなくなり、0Vまたは5Vの信号レベルを誤りなく検出することが可能になる。
なお、図3および図4においては、通信信号の電圧(V)が変化する範囲が0〜5Vである場合を例示しているが、その範囲が−5V〜+5Vである場合にも、−5Vのピークを有するパルスと+5Vのピークを有するパルスの各々に関して、通信信号の利得およびオフセットレベル等のダイナミックレンジや−5Vまたは+5Vの信号レベルの閾値を調整することが可能である。
図5は、図1の通信速度決定手段の機能を説明するためのヒストグラムである。ここでは、通信信号判別装置10に入力される通信信号の隣接するパルス間のパルス間隔と当該パルス間隔の出現頻度との関係を示すヒストグラムを参照しながら、通信速度決定手段3の機能をより具体的に説明する。
前述の図2に示したように、通信信号の電圧(V)が変化する範囲が0〜5Vである場合、5Vのピークを有する複数のパルス(例えば、パルスP1、P2…)が、予め定められた周期で入力される。
図5に示すように、通信速度決定手段3(図1参照)は、実際に入力される通信信号の複数のパルスの中で、隣接するパルス間(例えば、図2のパルスP1とパルスP2との間)のパルス間隔を予め定められた期間内で計測し、この通信信号の当該パルス間隔の計測値と当該パルス間隔の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成する。このヒストグラムでは、最低の周期である基本周期に相当するパルス間隔を×1のように表し、基本周期のn倍(nは2以上の正の整数)の周期に相当するパルス間隔を×2、×3、×4、×5…のように表している。
図5のヒストグラムから明らかなように、一般に、外部の通信機器から入力される通信信号は、予め定められた周期を有しており、基本周期に相当するパルス間隔のピークがヒストグラム上で最も大きく現れ、基本周期のn倍の周期に相当するパルス間隔のピークは漸次減少していく。したがって、ヒストグラム上で最大のピークを検出することによって、通信信号の基本周期を容易に見つけることができる。この通信信号の基本周期に対応する最大周波数に基づいて通信信号の通信速度を一義的に決定することができる。
ここで、基本周期の2倍の周期に相当するパルス間隔のピーク(すなわち、2番目の周期のピーク)が、ヒストグラム上で最も大きく現れる場合を想定する。この場合、2番目の周期のピークを検出した後に当該ピークの検出レベルを徐々に下げていき、2番目の周期よりも低い周期に相当するパルス間隔のピークが存在するか否かを検知する。もし、2番目の周期のピークの数十%(例えば、30%)以内の部分で、2番目の周期よりも低い周期(例えば、2番目の周期の1/2の周期)に相当するパルス間隔のピークが検出されたならば、このピークを、通信信号の基本周期に相当するパルス間隔のピークであると判断する。この場合も、同様にして、通信信号の基本周期に対応する最大周波数に基づいて通信信号の通信速度を一義的に決定することができる。
図1に示したような通信速度決定手段3では、図5のヒストグラムに現れているように、実際に入力される通信信号のパルス間隔等のデータに基づいて通信信号の通信速度を決定しているので、当該通信速度の許容誤差範囲が、通信プロトコルにより規定されている通信速度よりもはるかに広くなる。
なお、前述の図2〜図5においては、通信信号判別装置に入力される通信信号のダイナミックレンジや信号レベルの閾値や通信信号の基本周期等が一度決定された後であっても、新たに作成されたヒストグラムに基づいて上記のダイナミックレンジや信号レベルの閾値や通信信号の通信速度等を更新することが可能である。
図6は、図1のハードウェアロジック回路の構成例を示す模式図である。一般に、ハードウェアロジック回路14(図1参照)は、切り換え可能な多数のゲート素子(すなわち、半導体等により構成されるスイッチ素子)の組み合わせにより構成されるハードウェアのFPGAによって実現される。図6では、この多数のゲート素子の一部(例えば、複数のゲート素子G1〜G6)が例示されている。
ここでは、CPU11の指示により当該ハードウェアロジック回路14のプログラミングを実行してFPGA内の多数のゲート素子の一部を切り換えることができるようになっている。このゲート素子の一部を切り換えることによって、複数の通信プロトコルの候補から一つの通信プロトコル(例えば、CANのインタフェースに基づく通信プロトコル)を選択し、選択された一つの通信プロトコルに合わせてハードウェアロジック回路14のFPGA内のゲート素子の接続状態を設定することができる。
この状態で、通信プロトコル判別手段4(図1参照)を通して通信信号を伝送した場合に、ハードウェアロジック回路14から通信信号が出力されなかったときは、通信プロトコル判別手段4は、外部の通信機器との通信が成立しなかったものとみなし、CPU11の指示によりFPGA内の多数のゲート素子の一部を再度切り換えることによって、複数の通信プロトコルの候補から他の一つの通信プロトコル(例えば、LINのインタフェースに基づく通信プロトコル)を選択し、選択された他の一つの通信プロトコルに合わせてハードウェアロジック回路14のFPGA内のゲート素子の接続状態を再設定することができる。
この状態で、通信プロトコル判別手段4を通して通信信号を伝送した場合、ハードウェアロジック回路14から通信信号Scoが出力されなかったときは、CPU11等の指示によりFPGA内の多数のゲート素子の一部を再度切り換えることによって、複数の通信プロトコルの候補から残りの通信プロトコルを選択し、選択された通信プロトコルに合わせてFPGA内のゲート素子の接続状態を設定することができる。
ついで、添付図面(図7〜図10)を用いて、本発明の通信信号判別装置をマイコンロジック開発装置に適用した場合のECU7、組込み用マイコン6およびマイコンロジック開発装置60の詳細な構成を説明する。ただし、ここでは、ECUにより制御される電子制御機器として、電子制御式エンジンを説明する。
図7は、一般の電子制御式エンジンの制御システムにおけるECUの構成を示すブロック図である。電子制御式エンジンでは、エンジン回転数信号や車速信号等のパルス入力、水温センサや吸気温センサ等からのアナログ入力、およびスタータスイッチ、電気負荷スイッチ、シフト位置スイッチやエアコン信号等のディジタル入力がECU7に入力される。ECU7は、これらの入力信号を処理する組込み用マイコン6と、組込み用マイコン6で処理された信号を増幅して出力するECU入出力回路であるドライバ76とを備えて構成される。このECU7から出力されるのは、シフト制御ソレノイドやVVT(可変バルブタイミング)ソレノイドへのアナログ出力、点火信号や燃料の噴射信号等のパルス出力、ISC(アイドル速度制御)用のパルス出力、および、チェックエンジンランプ、メインリレーやエヤコンカット信号等のディジタル信号等である。
組込み用マイコン6は、演算処理を行うメモリ69とCPU70、および入出力(I/O)制御を行うマイコン周辺リソースが、一つのパッケージに収納されたものである。マイコン周辺リソースには、入力系のリソースと出力系のリソースとがある。図7には、入力系のリソースとして、ディジタル信号を扱う入力ポート63とラッチポート64、アナログ入力を扱うA/D変換器65、およびパルス入力を扱うキャプチャ66が示してあり、出力系のリソースとしては、ディジタル出力を出力する出力ポート72、パルス出力を出力するPWM(パルス幅変調器)73とコンペア74、およびアナログ出力を入出力するシリアル75が示してある。これらのマイコン周辺リソースは、内部バス71によってメモリ69およびCPU70に相互に接続されている。また一方で、組込み用マイコン6の内部には、これらのマイコン周辺リソースに加えて、内部タイマ67や割り込みコントローラ68が設けられている。
電子制御式エンジンの制御システムでは、車両の運転状態を表す各センサやスイッチ類からの信号がECU7に取り込まれる。ECU7の入力回路では入力信号が信号処理され、組込み用マイコン6に入力される。入力された信号は前述の入力系のマイコン周辺リソースでCPU値に変換され、演算部であるメモリ69とCPU70では入力信号から車両状態が検出され、車両状態に応じた出力要求信号が作られる。この出力要求信号は前述の出力系のマイコン周辺リソースで出力信号に変換され、組込み用マイコン6から出力される。ECU7の入出力回路であるドライバ76はこの出力信号に従って車両に装備された各アクチュエータを駆動し、この出力制御の結果が破線で示すように、車両からの入力信号に反映される。
図8は、図1のECUのロジックを開発する場合におけるマイコンロジック開発装置の全体構成を示す説明図である。図2では、図1で説明したECU7の自動車(車両)78への搭載位置が図示されている。
図8において、ECU7は車両78のエンジン79がマウントされるエンジンルームに搭載される。さらに、図8には、マイコンロジック開発装置60が示されている。図8に示すように、マイコンロジック開発装置60は、車両78に搭載されたECU7に接続するコネクタを外し、このコネクタに接続コード60Aによって直接接続して使用することができる。60Bはマイコンロジック開発装置60の状態をモニタするための表示器、60Cはマイコンロジック開発装置60の設定を変更するための入力装置であるキーボードである。
なお、図8のマイコンロジック開発装置60は、このように車両78に直接接続して使用することができる他に、パーソナルコンピュータ62の制御によって動作して、車両の色々な運転状況を疑似的に発生することができる車両の運転状況発生装置61に接続すれば、車両が無い状態でも、電子制御式エンジン用の組込み用マイコンのロジックを開発することができる。
図9は、本発明の通信信号判別装置を適用した場合のマイコンロジック開発装置の構成を示すブロック図である。
前述のように、ECU7(実ECU)には、組込み用マイコン6と、ドライバ76から構成されるECU入出力回路8とがあり、ECUコネクタ9で車両側の電子制御機器に接続されている。さらに、組込み用マイコン6の中には、メモリ69に格納されていてCPU70によって読み出されて使用されるソフトウェア(エンジン制御アプリケーション:図9にはENG制御アプリと記載)6Aと、マイコン周辺リソース6B(図9にはマイコン周辺と記載)とがあり、内部バス71で相互にデータの遣り取りができるようになっている。
また一方で、図8で説明したように、このECU7に置き換えて使用されるマイコンロジック開発装置60(先行ロジック開発用の汎用ECU)は、図9では、マザーボード600、コアボード700、およびインタフェースボード(以後IFボードと略記)800の3つのボード(図1の通信用ボード15に相当する)から構成されている。マザーボード600とコアボード700がECU7の組込み用マイコン6に対応するものであり、IFボード800がECU7のECU入出力回路8に対応するものである。そして、マザーボード600とコアボード700とは、高速のバスインタフェースであるPCIバス680で接続されている。
マザーボード600には、後述するメモリに格納されていてCPUによって読み出されて使用されるソフトウェア(ENG制御アプリ)610と、PCIバス680を通じて通信を行うためのPCI通信ソフトウェア(図9では、PCI通信ソフトと略記)620が設けられている。この場合、外部の通信機器との通信を確立するための各種の通信信号(Sci)は、ソフトウェア(ENG制御アプリ)610の入力部(後述の図10参照)に入力される。PCIバス680を用いたPCI通信処理は、疑似マイコン周辺リソース(図9では、疑似マイコン周辺と略記)720と遣り取りするデータを、PCIバス680に載せる通信処理である。このマザーボード600には、次期の先行ロジック開発用の汎用ECUを開発するに当たって、汎用ECUの先行ロジックの開発に耐え得るCPUの演算性能およびメモリ容量を備えさせることが重要である。
なお、現状のエンジン制御用のマイコンの性能は、CPUが64MHz、メモリが1Mバイト程度であるので、パーソナルコンピュータ等に用いられている汎用のものを用いれば、十分すぎる性能であるといえ、長期間にわたって何度でも使用することが可能となる。
また一方で、コアボード700には、CPUとメモリを含み、前述のPCIバス680と通信を行うためのPCI通信ソフトウェア(図9では、PCI通信ソフトと略記)710と、組込み用マイコン6のマイコン周辺リソース6Bに対応する疑似マイコン周辺リソース(図9では、疑似マイコン周辺と略記:例えば、FPGAにより構成される)720とがあり、内部バス730で相互にデータの遣り取りができるようになっている。この疑似マイコン周辺リソース720には、図7で述べたような出力系の各種リソースを取り出すための複数のポートが設けられている。
さらに、IFボード800には、ECU1のECU入出力回路8に対応するECU入出力回路810と、ECUコネクタ9とが設けられている。このIFボード800は、前述のコアボード700と、ECU7により制御される制御対象である電子制御機器(電子制御式エンジン)とのインタフェースを取る機能を有している。IFボード800内のECU入出力回路810は、標準回路ブロック単位で独立させ、その組み合わせで構成される複数の端子を有しており、入出力回路の変更に対して柔軟に対応できるようにする。
ここで、本発明の通信信号判別装置10は、コアボード700内のPCI通信ソフトウェア710に組み込まれる。この通信信号判別装置10は、図1〜図6に基づいて既述したように、電気的特性が異なる各種の通信信号(または不明な1種類の通信信号)Sciが入力されたときに、マザーボード600(またはコアボード700)内のCPUの指示により、ハードウェアロジック回路に相当する疑似マイコン周辺リソース(図1のハードウェアロジック回路に相当する)720のFPGA内の多数のゲート素子を切り換えることによって各々の通信信号(または不明な1種類の通信信号)の通信プロトコルを自動的に判別するように構成される。
通信信号判別装置10によって通信プロトコルが自動的に判別された通信信号(Sco)は、IFボード800内のECU入出力回路810およびECUコネクタ9を介して出力され、制御対象である電子制御機器に転送される。
この通信信号判別装置10を機能させることによって、図9のマイコン開発装置60では、使用され得る全ての通信信号の通信仕様にそれぞれ適合する疑似マイコン周辺リソースを搭載した多数枚のコアボードを用意しなくても各種の通信信号(または不明な1種類の通信信号)を受信することができるようになる。それゆえに、マザーボードやコアボード等のハードウェア回路の規模が小さくて済み、マイコンロジック開発装置の小型化が図れると共にマイコンロジック開発装置の取り扱いが簡単になる。
なお、図9のマイコンロジック開発装置60では、本発明の通信信号判別装置をコアボード内のPCI通信ソフトウェアに組み込んだ場合の構成および作用効果について説明しているが、本発明の通信信号判別装置をマザーボード内のPCI通信ソフトウェアに組み込んだ場合でも、同様の作用効果が得られることはいうまでもない。
図10は、図9のマザーボードおよびコアボードの内部構成の一例を示すブロック図である。マザーボード600は、図9で説明したソフトウェア(ENG制御アプリ)を含む各種のデータを記憶するための記憶容量が大きいメモリ640、汎用の高性能のCPU(例えば、動作周波数が850MHz)630、内部タイマ650、PCIバス680に接続されるPCIバスインタフェース660、および、これらを相互に接続する内部バス670を有している。ここで、CPU630は、メモリ640に格納されているソフトウェア(プログラム)を使用して、疑似マイコン周辺リソース720を構成するFPGA内の多数のゲート素子の一部を切り換える機能を有していている。外部の通信機器との通信を確立するための通信信号(Sci)は、入力ポート等の入力部690に入力される。この入力部690もまた、内部バス670に接続されている。
また一方で、コアボード700は、PCIバス680に接続されるPCIバスインタフェース740、マザーボード600に搭載されたCPU630よりも低グレードのCPU750、マイコン周辺の機能と同等の機能を実現する疑似マイコン周辺リソース(例えば、FPGA)720、内部バス730、PCIバス680に接続される共有メモリ760、および、内部バス730に接続される内部メモリ770を有している。
ここで、コアボード700に搭載されるCPU750は、PCI通信処理を行うことができる程度の処理能力(例えば、汎用32ビットCPUで動作周波数が16MHz程度)であればよい。コアボード700の機能は、ECU7におけるENG制御アプリ(ソフトウェア)6Aとマイコン周辺リソース6Bとが遣り取りするデータをPCIバス680を経由して受け取り、疑似マイコン周辺リソース(FPGA)720へ受け渡すことである。なお、CPU750も、前述のCPU630と同様に、共有メモリ760および内部メモリ770に格納されているソフトウェア(プログラム)を使用して、疑似マイコン周辺リソース720を構成するFPGA内の多数のゲート素子の一部を切り換える機能を有している。
さらに、コアボード700は、本発明の通信信号判別装置10を有している。本発明の通信信号判別装置10は、PCIバスインタフェース740および疑似マイコン周辺リソース720に接続されている。この通信信号判別装置10は、前述の図9の場合と同様に、PCIバスインタフェース740から各種の通信信号(または不明な1種類の通信信号)が送出されたときに、マザーボード600内のCPU630(またはコアボード700内のCPU750)の指示により、疑似マイコン周辺リソース720のFPGA内の多数のゲート素子を切り換えることによって各々の通信信号(または不明な1種類の通信信号)の通信プロトコルを自動的に判別するように構成される。
本発明は、ECUにより制御される車両の電子制御式エンジン等の電子制御機器に組み込まれて使用される組込み用マイコンのロジックを開発するマイコンロジック開発装置(汎用ECU)に適用することが可能である。
本発明の一実施例に係る通信信号判別装置の構成を示すブロック図である。 図1の通信信号判別装置に入力される通信信号の電圧波形の一例を示す図である。 図1のダイナミックレンジ調整手段の機能を説明するためのヒストグラムである。 図1の信号閾値調整手段の機能を説明するためのヒストグラムである。 図1の通信速度決定手段の機能を説明するためのヒストグラムである。 図1のハードウェアロジック回路の構成例を示す模式図である。 一般の電子制御式エンジンの制御システムにおけるECUの構成を示すブロック図である。 図7のECUのロジックを開発する場合におけるマイコンロジック開発装置の全体構成を示す説明図である。 本発明の通信信号判別装置を適用した場合のマイコンロジック開発装置の構成を示すブロック図である。 図9のマザーボードおよびコアボードの内部構成の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 ダイナミックレンジ調整手段
2 信号閾値調整手段
3 通信速度決定手段
4 通信プロトコル判別手段
5 A/D変換器
6 組込み用マイコン
6A ソフトウェア
6B マイコン周辺リソース
7 ECU(電子制御ユニット)
8 ECU入出力回路
9 ECUコネクタ
10 通信信号判別装置
11 CPU(中央処理装置)
12 記憶部
13 内部バス
14 ハードウェアロジック回路
15 通信用ボード
60 マイコンロジック開発装置
60A 接続コード
60B 表示器
60C キーボード
61 運転状況発生装置
62 パーソナルコンピュータ
63 入力ポート
64 ラッチポート
65 A/D変換器
67 内部タイマ
68 割り込みコントローラ
69 メモリ
70 CPU
71 内部バス
600 マザーボード
610 ソフトウェア
620 PCI通信ソフト
630 CPU
640 メモリ
650 内部タイマ
660 PCIバスインタフェース
670 内部バス
680 PCIバス
690 入力部
700 コアボード
710 PCI通信ソフト
720 疑似マイコン周辺リソース(FPGA)
730 内部バス
740 PCIバスインタフェース
750 CPU
760 共有メモリ
770 内部メモリ
800 IF(インタフェース)ボード
810 ECU入出力回路

Claims (7)

  1. 外部から入力される通信信号の利得およびオフセットレベルを含むダイナミックレンジを調整するダイナミックレンジ調整手段と、
    前記通信信号の信号レベルの閾値を調整する信号閾値調整手段と、
    前記通信信号の通信速度を算出して決定する通信速度決定手段と、
    予め規定されている複数の通信プロトコルを選択して前記通信信号に合致する通信プロトコルを判別する通信プロトコル判別手段とを備えることを特徴とする通信信号判別装置。
  2. 前記通信信号を前記ダイナミックレンジ調整手段に入力する前に、前記通信信号をアナログ形式からディジタル形式に変換するアナログ/ディジタル変換手段を設けることを特徴とする請求項1記載の通信信号判別装置。
  3. 前記ダイナミックレンジ調整手段は、前記通信信号の電圧を所定の期間内で計測し、前記通信信号の電圧の計測値と該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、該ヒストグラムに基づいて前記通信信号の利得およびオフセットレベルを含むダイナミックレンジを調整することを特徴とする請求項1記載の通信信号判別装置。
  4. 前記信号閾値調整手段は、前記通信信号の電圧を所定の期間内で計測し、前記通信信号の電圧の計測値と該電圧の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、該ヒストグラムに基づいて前記通信信号に対し最適となるように前記通信信号の信号レベルの閾値を調整することを特徴とする請求項1記載の通信信号判別装置。
  5. 前記通信速度決定手段は、前記通信信号の隣接するパルス間のパルス間隔を所定の期間内で計測し、前記通信信号の前記パルス間隔の計測値と該パルス間隔の出現頻度との関係を示すヒストグラムを作成し、該ヒストグラムに基づいて得られる前記通信信号の基本周期に対応するように前記通信信号の通信速度を決定することを特徴とする請求項1記載の通信信号判別装置。
  6. 前記通信プロトコル判別手段は、前記複数の通信プロトコルから選択された任意の通信プロトコルに設定して前記通信信号を伝送した場合に前記通信信号が出力されるか否かを検知し、前記通信信号が出力されたときに前記通信信号に合致する通信プロトコルを判別したと判断することを特徴とする請求項1記載の通信信号判別装置。
  7. 前記通信プロトコル判別手段は、前記複数の通信プロトコルから選択された任意の通信プロトコルに設定して前記通信信号を伝送した場合に前記通信信号が出力されるか否かを検知し、前記通信信号が出力されたときに前記通信信号に合致する通信プロトコルを判別したと判断し、
    また一方で、前記通信信号が出力されなかったときに、他の任意の通信プロトコルに設定して前記通信信号を伝送した場合に前記通信信号が出力されるか否かを検知し、前記通信信号が出力されたときに前記通信信号に合致する通信プロトコルを判別したと判断することを特徴とする請求項1記載の通信信号判別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016015562A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 西部電機株式会社 通信異常検出装置、通信異常検出方法及びプログラム

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