JP2006028585A - 耐応力腐食割れ性に優れた黄銅棒材 - Google Patents

耐応力腐食割れ性に優れた黄銅棒材 Download PDF

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Miharu Kamisaka
美治 上坂
Hiroshi Anada
博 穴田
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Abstract

【課題】強度が高く、耐応力腐食割れ性に優れた黄銅棒の提供を目的とする。
【解決手段】黄銅棒材にねじり加工、ねじり戻し加工を施し、棒材の内部応力を引っ張り応力ではなく、内部応力をほぼゼロにするか、あるいは、少なくとも圧縮応力側にすることで、応力腐食割れに対する感受性を低くした。
【選択図】 図1

Description

強度が高く、耐応力腐食割れ性に優れた黄銅棒に関する。
黄銅棒材は、鋳造ビレットを熱間押出しただけでは、寸法精度が出にくく、その後に、冷間引き抜き加工を施す場合が多い。
しかし、冷間引き抜き加工を施すと寸法精度は高くなり、加工硬化により高強度材となるものの、金型で外形を絞るので、棒材に引っ張り応力が生じてしまう。
この引っ張り応力が残留したまま、製品化されると、腐食環境化では応力腐食割れが発生する恐れが高い。
そこで、耐応力腐食割れ性を必要とする部品用には、これに焼鈍を行って内部応力を除去することが一般的に行われている。
あるいは、熱間鍛造を行って内部応力を除去することも行われている。
いずれの方法も、内部応力を除去することで、強度を低下させてしまっている問題があった。
特に、内部応力の方向性が、引っ張り方向となっていると、フレアナット等の中ぐり加工品では、腐食環境下で応力腐食割れを引き起こしやすい。
例えば、特開平11−269582号公報には、黄銅材からなる弁、栓類に関して耐応腐食割れ性を改善する方法が記載されているが、この技術も加熱後に炉冷、空冷等の焼鈍をするものである。
特開平11−269582
本発明は、強度が高く、耐応力腐食割れ性に優れた黄銅棒の提供を目的とする。
本発明に係る黄銅棒材は、黄銅合金からなる熱間押出棒材にねじり加工を施したことを特徴とする。
本発明においては、ねじり加工後に、それとは逆にねじる、ねじり戻し加工をすると外観形状が元の形状に復帰し、結晶粒の形状もほぼ原形を回復することも明らかになった。
鋳造ビレットを熱間押出しただけでは、外形寸法精度が不充分の場合には、冷間引き抜き加工をし、この棒材に焼鈍処理し、その後にねじり加工、さらには必要に応じてねじり戻し加工を施すのがよい。
本発明のねらいは、黄銅棒材の内部応力を引っ張り応力ではなく、内部応力をほぼゼロにするか、あるいは、少なくとも圧縮応力側にすることで、応力腐食割れに対する感受性を低くした点にある。
なお、冷間引き抜き後、焼鈍をしなくても、ねじり加工を加えれば内部応力はなくなる。
本発明において、黄銅合金とはZnとCuとの合金をベースとする趣旨である。
従って、例えば、Pb添加系合金、Bi系等のPbレス合金、のみならず、Sn、Al等の各種添加合金を含む。
また、棒材には丸棒のみならず、異形棒材、パイプ棒材が含まれる。
本発明においては、ねじり加工をすることで、内部応力は圧縮応力の形で残留するので、高強度材(特に径方向の外側部分)なのに耐応力腐食割れ性の優れた材料になる。
これにより、従来材に比べ、耐応力腐食割れ対応部品は、より薄肉に設計することができ、部品の軽量化を図れる。
焼鈍材をねじり加工及びねじり戻し加工すると、高強度材になるも、内部応力のない材料ができる。
これも、上記と同様に耐応力腐食割れ性に優れた材料になる。
また、表面粗度は引き抜き加工後と変わらない状態にできるので、表面切削をしない部品(引き抜き加工面をそのまま使用する部品)にも適用できる。
本発明は、各種黄銅合金に適用できるが、以下、代表的な黄銅合金を用いて実施した、ねじり加工、ねじり戻し加工と硬度の関係、及び耐応力腐食割れ試験結果について説明する。
(ねじり加工と断面硬度分布)
Cu:60.45mass%(以下同じ)、Pb:3.1%、Fe:0.19%、Sn:0.3%、Zn:bal.の黄銅合金を成分調整し、ビレットを鋳造して押出棒材を成形し、さらに、冷間引き抜き加工をして直径20mmの丸棒材を製作して試供材とした。
試験サンプルとしては、冷間引き抜き材(CM材)、この引き抜き材を580℃で4時間加熱後炉冷した焼鈍材(極軟材)、及びこの焼鈍材を評点間距離200mm、回転速度25rpmの下で、2回転ねじり加工したものと、1回転ねじり加工及び1回転ねじり戻し加工したものを用いた。
硬度は、断面をバフ研磨による鏡面仕上げ後にビッカース硬度(荷重0.98N、20s保持)を測定した。
丸棒断面の中心から表面に向けての硬度分布を図1(グラフ)に示す。
グラフ中、極軟材は焼鈍材、+2は2回転ねじり加工材、±1は1回転ねじり、ねじり戻し加工材、CM材は引き抜き材であることを示す。
その結果、極軟材は断面全体が軟化していることが確認でき、この極軟材(焼鈍材)をねじり加工、あるいは、さらにねじり戻し加工すると加工度のほとんど及ばない断面中心から加工度の高い表面に向けて硬度が高くなっていることが確認できる。
最も加工度の高い表面では、引き抜き材相当の硬さまで硬化している。
従って、ねじり加工(ねじり戻し加工)により加工硬化による高強度材が得られる。
(ねじり加工と耐応力腐食割れ性)
上記、硬度分布調査に用いたものと同じ試供材にて耐応力腐食割れ試験を実施した。
試験方法としては、供試材に雌ねじ(3/8インチのテーパねじ)を切り、相手材(JIS B 0203 管用テーパ雄ねじ3/8インチ)を所定の締め付けトルクで締め付けて応力を負荷した状態で腐食促進試験液に浸漬した。
その条件を下記に示す。
・締付トルク 14.7N・m、19.6N・m、29.4N・m、44.1N・m (4水準、一部2水準)
・試薬 JIS試薬(14%アンモニア水)1L
・試験温度 常温
・保持時間 24hr、48hr、72hr
・デジケーター内容積 12.6L(本体:10.8L+蓋:1.8L)
・試薬液面から中板上面までの高さ 50mm
その試験結果を図2の表に示し、外観写真を図3に示す。
図2の表中、例えば、4/4とは、所定の保持時間経過後、試験サンプル全4個中4個に割れが認められたことを意味する。
引き抜き材では、締め付けトルク14.7N・m、24時間で、4個中4個全てに腐食割れが発生したのに対して、+2の2回ねじり材では2個中1個、±1の1回ねじり・1回戻しねじり材では3個中0個となっている。
特に、ねじり加工・ねじり戻し加工材においては、締め付けトルク44.1N・mで保持時間48時間経過しても割れが生じないものがあった。
なお、図3に示す写真は、締め付けトルク14.7N・m、19.6N・mで、24時間保持後の試験サンプルを示し、ねじり加工材、ねじり戻し加工材共に、引き抜き材に比較して耐応力腐食割れ性が改善されていることが分かる。
図4に、丸棒にマーキング線を入れ、ねじり加工及びねじり戻し加工後の外観写真を示す。
ねじり加工にて、マーキング線が、均一な螺旋状になり、同じ回転だけねじり戻し加工すると、外観が復元することが確認できた。
また、金属組織においてもねじり戻し加工により原形が復元することも確認できた。
本発明は、ねじり加工、あるいは、さらにねじり戻し加工による黄銅棒材の高強度化と耐応力腐食割れ向上に特徴があり、中実丸棒材においては中心部を中ぐり加工して使用するフレアナット等の部品、パイプ材においては強度、高耐応力腐食割れが要求される管材等に展開できる。
ねじり加工(ねじり戻し加工)等における断面硬度分布を示す。 耐応力腐食割れ試験結果を示す。 耐応力腐食割れ試験後の外観写真を示す。 ねじり加工(ねじり戻し加工)による外観変化を示す。

Claims (3)

  1. 黄銅合金からなる熱間押出棒材にねじり加工又は、さらに、ねじり戻し加工を施したことを特徴とする黄銅棒材。
  2. 黄銅合金からなる引き抜き棒材にねじり加工又は、さらに、ねじり戻し加工を施したことを特徴とする黄銅棒材。
  3. 黄銅合金からなる棒材に焼鈍処理し、その後にねじり加工、又はさらに、ねじり戻し加工を施したことを特徴とする黄銅棒材。
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