JP2006027195A - 液体収容容器、液体収容容器の液体供給機構、及び液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単体のときにはインクの流路を閉塞し、記録装置本体に装着するときにはインクの流路を開放することができる簡単な構造で、薄型のインクカートリッジとインク供給機構、及びこれらを搭載する記録装置を提供する。
【解決手段】 インクカートリッジ1Kは、インク供給部材80を有するインクカートリッジ装着部30に着脱可能なインクを収容するインクカートリッジ1Kであって、インクが収容されるインク室2Kと、該インク室の内外を連通する連通孔44が設けられた弾性を有する筒状シール部材40と、インク供給部材80によって、連通孔44の軸方向の内外を移動され、連通孔44を開閉するボール70と、ボール70を連通孔44のインク流入口48に圧接して連通孔44を閉塞するばね75と、を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 インクカートリッジ1Kは、インク供給部材80を有するインクカートリッジ装着部30に着脱可能なインクを収容するインクカートリッジ1Kであって、インクが収容されるインク室2Kと、該インク室の内外を連通する連通孔44が設けられた弾性を有する筒状シール部材40と、インク供給部材80によって、連通孔44の軸方向の内外を移動され、連通孔44を開閉するボール70と、ボール70を連通孔44のインク流入口48に圧接して連通孔44を閉塞するばね75と、を備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、液体収容容器、液体収容容器の液体供給機構、及びこれら液体収容容器と液体収容容器の液体供給機構を搭載する液体噴射装置に関する。
従来、インクカートリッジにおいて、インク収容部の底部にボスを突設し、インク流出孔に続くインク排出孔を開閉しうるボールをこのインク流通孔内に移動可能に配設し、底部に固着したインク流出孔を開設した押え板とボールの間にばねを縮接し、ボール弁状とし、印刷ヘッドに突設された中実針によって、ボールを押し上げてインク排出孔を開放してインクを供給し、インクカートリッジを交換する際には、中実針が退避してボールによってインク排出孔を閉塞するインクカートリッジが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、インクカートリッジのインク供給部が、第1の圧縮ばねの弾性によってOリングに押しつけられてインクの供給を抑止するボールと、このボールを支持するボール支持部材とインク流路を閉鎖するシールフィルムを有し、記録装置本体のインク吸入部は、先端が閉塞されて側面がインクを吸入する孔を有する筒状部材を有し、インクカートリッジを記録装置本体に装着したときに、筒状部材がシールフィルムを突き破り、ボールを移動してインクの供給を行ない、インクカートリッジを分離したとき、ボールによってインク供給を抑止するインクカートリッジの接続装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような特許文献1や特許文献2では、ともにインクカートリッジのインク流通孔をボールで開閉する構造であるが、インクカートリッジが単体の記録装置に装着前の状態の際に、インク収容部あるいはインク袋の内外の圧力差が生じたときにはボールが移動してインクが漏洩することが考えられた。
特許文献2では、記録装置本体側にもボールを移動させるための筒状部材の他に、ストッパ部材、シール用ゴム部材、第2の圧縮ばねを備えており、部品数が多く、構造が複雑になるという課題がある。
また、インクカートリッジ側においては、ボール支持部材開口部のシール性を高めるためにシールフィルムをさらに備えており、インクカートリッジを記録装置本体に装着するとき、このシールフィルムを筒状部材で破るため、インクカートリッジを分離したときには、シール性が不充分となり、インクの漏洩が考えられる。
また、インクカートリッジ側においては、ボール支持部材開口部のシール性を高めるためにシールフィルムをさらに備えており、インクカートリッジを記録装置本体に装着するとき、このシールフィルムを筒状部材で破るため、インクカートリッジを分離したときには、シール性が不充分となり、インクの漏洩が考えられる。
本発明の目的は、液体収容容器単体のときには確実に液体流路を閉塞し、記録装置本体に装着するときには液体流路を開放する、簡単な構造で薄型の液体収容容器と液体収容容器の液体供給機構、及びこれらを搭載する液体噴射装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の液体収容容器は、液体供給部材を有する受容部に着脱可能な液体を収容する液体収容容器であって、液体が収容される液体室と、該液体室の内外を連通する連通孔が設けられた弾性を有する筒状シール部材と、前記連通孔の軸方向の内外を移動し、前記連通孔を開閉するボールと、前記ボールを前記連通孔の液体流入口に圧接して前記連通孔を閉塞する弾性部材と、を備えることを特徴とする。
ここで、筒状シール部材としては、例えば、弾性と気密性を有するゴム系材料から成る筒状パッキンが採用される。
ここで、筒状シール部材としては、例えば、弾性と気密性を有するゴム系材料から成る筒状パッキンが採用される。
この発明によれば、ボールが、筒状シール部材に開設される連通孔内にあっては、筒状シール部材の弾性力で圧接されて連通孔が閉塞され、また、連通孔外にあっては、弾性部材によって液体流入口に圧接されて連通孔が閉塞されるので、少ない部品数、且つ簡単な構造で、確実に連通孔を閉塞し、液体の漏洩を防止することができる。
また、前記ボールが、前記連通孔の途中を閉塞する第1の状態と、前記連通孔の液体流入口を閉塞する第2の状態と、前記液体室と前記液体供給部材とを連通する第3の状態と、に規制されることが好ましい。
ここで、例えば、第1の状態としては液体収容容器を使用する前の状態、第2の状態としては受容部から液体収容容器を分離したときの状態、第3の状態としては受容部に液体収容容器を装着した状態を示す。
ここで、例えば、第1の状態としては液体収容容器を使用する前の状態、第2の状態としては受容部から液体収容容器を分離したときの状態、第3の状態としては受容部に液体収容容器を装着した状態を示す。
このようにすれば、前述の3状態が、ボールの移動位置によって形成されるため、簡単な構造で、連通孔の閉塞及び開放を行ない、液体室からの液体の流出を停止、または受容部に備えられる液体供給部材への液体供給を行なうことができる。
また、前記筒状シール部材には、前記第1の状態のとき、前記連通孔の途中に前記ボールが圧入される凹部と、前記第2の状態のとき、前記連通孔の液体流入口に前記ボールが圧接される斜面と、が形成されていることが好ましい。
このような構造にすれば、ボールは、前記第1の状態のとき、筒状シール部材の弾性力で圧接されることで連通孔が閉塞し、前記第2の状態のときには、液体流入口に設けられた斜面に弾性部材で圧接されて連通孔を閉塞するので、それぞれの部品形状が簡単で、しかも狭いスペースで連通孔の閉塞を行なうことができる。
斜面にボールが圧接された場合、斜面の楔効果によって、弾性部材の弾性力が小さくても圧接力を高めることができる。
また、前記凹部にボールが圧入されているので、液体室の内部と外部との圧力差が生じた際、どちらが負圧になっても、ボールが筒状シール部材の凹部との間において、筒状シール部材の弾性力の他に、凹内において圧力差分の圧力が加えられるため、連通孔の閉塞をより一層確実に行なうことができる。
斜面にボールが圧接された場合、斜面の楔効果によって、弾性部材の弾性力が小さくても圧接力を高めることができる。
また、前記凹部にボールが圧入されているので、液体室の内部と外部との圧力差が生じた際、どちらが負圧になっても、ボールが筒状シール部材の凹部との間において、筒状シール部材の弾性力の他に、凹内において圧力差分の圧力が加えられるため、連通孔の閉塞をより一層確実に行なうことができる。
また、前記筒状シール部材の連通孔を形成する筒部の内径が、前記ボールの直径よりも小さく形成され、前記ボールを圧入したときに、前記筒部が前記ボールの形状に沿って変形し、前記ボールを圧接することが好ましい。
このようにすれば、筒状シール部材の液体流路にボールを挿入したときに筒部がボール形状に沿って変形し、前述したような凹部を形成しなくても同じ機能を簡単な形状で得ることができる。
さらに、前述の液体収容容器の構造では、前記筒状シール部材と前記ボールと前記弾性部材とが一体にユニット化されて、前記液体収容容器に設けられた液体供給部に装着されることが好ましい。
筒状シール部材とボールと弾性部材とを一体にユニット化すれば、液体収容容器にこのユニットを装着すればよいので、微細なそれぞれの構成部品を液体収容容器外で組み立て、ユニット化された状態で液体収容容器に装着するので、組み立て作業性があがり、製造効率を高めることができる。
また、このような構造は、薄型、小型の液体収容容器に好適な構造である。
また、このような構造は、薄型、小型の液体収容容器に好適な構造である。
また、前述した筒状シール部材が、前記弾性部材と一体で成形されていることをが望ましい。
ここで、筒状シール部材は、例えば、射出成形等で成形される。
ここで、筒状シール部材は、例えば、射出成形等で成形される。
このようにすれば、前述したように、筒状シール部材は弾性を有する材料から成るので、前述の弾性部材と一体化することが可能である。従って、ボールを連通孔途中で圧接することも、液体流入口に圧接することも筒状シール部材1部品で行なうことができ、一層構造を簡単にでき、製造コストの低減に寄与する。
さらに、本発明の液体収容容器の液体供給機構は、液体が収容される液体室と、該液体室の内外を連通する連通孔が設けられた弾性を有する筒状シール部材と、前記連通孔の軸方向の内外を移動し、前記連通孔を開閉するボールと、前記ボールを前記連通孔の液体流入口に圧接して閉塞する弾性部材と、を備える液体収容容器と、前記筒状シール部材に挿通する液体供給部材を有する受容部と、を備え、前記液体収容容器と前記受容部とが着脱可能であり、前記液体収容容器を前記受容部に装着したとき、前記液体供給部材によって前記ボールを前記連通孔の液体流入口の外部に移動して前記液体供給部材に液体を流通し、前記液体収容容器を前記受容部から分離したとき、前記ボールによって前記連通孔の液体流入口が閉塞されることを特徴とする。
本発明によれば、液体収容容器を受容部に装着するときに、受容部に備えられた液体供給部材が、前記ボールを連通孔の外部に移動して連通孔を開放し液体供給部材に液体を流通し、液体収容容器を受容部から分離したとき、ボールによって連通孔の液体流入口が閉塞されるので、容易に液体室の液体の供給と閉塞をすることができる。また、受容部には、液体供給機構として、液体供給部材のみが備えられて構成されるので、受容部側の構造も簡単にでき、このことにより小型化もできる。
また、本発明の液体噴射装置は、前述した液体収容容器及び液体収容容器の液体供給機構が搭載されていることを特徴とする。
このような液体噴射装置は、液体収容容器の着脱が簡単に行なえ、且つ、液体収容容器を受容部から分離するときに、液体収容容器からの液体の漏洩を防止し、液体噴射装置を液体の漏洩により汚したり、このことににより液体噴射装置が故障することを防止することができる。
また、前述したように、液体収容容器及び液体供給機構が簡単な構造であるため、液体噴射装置を含めて製造コストが低減できる。
さらには、前述の液体収容容器および、液体供給機構は、薄型化に適した構造であり、このことによって、液体噴射装置を小型化することができるという効果がある。
また、前述したように、液体収容容器及び液体供給機構が簡単な構造であるため、液体噴射装置を含めて製造コストが低減できる。
さらには、前述の液体収容容器および、液体供給機構は、薄型化に適した構造であり、このことによって、液体噴射装置を小型化することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図7は本発明に係る実施形態1が示され、図8には実施形態2が示され、図9には実施形態3が示され、図10には実施形態3の変形例が示され、図11には、実施形態4が示されている。
なお、以下に説明する各実施形態では、液体としてはインクを、液体収容容器としては、インクを収容するインクカートリッジ、また、液体噴射装置としては、インクジェット記録装置を例示して説明する。
(実施形態1)
図1〜図7は本発明に係る実施形態1が示され、図8には実施形態2が示され、図9には実施形態3が示され、図10には実施形態3の変形例が示され、図11には、実施形態4が示されている。
なお、以下に説明する各実施形態では、液体としてはインクを、液体収容容器としては、インクを収容するインクカートリッジ、また、液体噴射装置としては、インクジェット記録装置を例示して説明する。
(実施形態1)
図1〜図7は本発明に係る実施形態1のインクカートリッジ、インクカートリッジのインク供給機構、及びインクジェット式記録装置(以降、単に記録装置または記録装置本体と表すことがある)が示されている。
図1は、本実施形態1の記録装置を示す斜視図である。図1において、記録装置100は、スキャナSCなどとともにコンピュータPCに対して接続された状態で使用される。コンピュータPCに、オペレーティングシステムや所定のプログラムがロードされ、実行されることにより、これらの装置全体が一体で記録装置として機能する。コンピュータPCでは、所定のオペレーティングシステム上でアプリケーションプログラムが動作し、スキャナSCから読み込んだ画像などに対して所定の処理を行いつつCRTディスプレイMTに画像を表示する。使用者は、ディスプレイMT上の画像をレタッチするといった処理を行なったのち、印刷を指示すると、オペレーティングシステムに組み込まれたプリンタドライバが起動し、画像データを記録装置100に転送する。
図1は、本実施形態1の記録装置を示す斜視図である。図1において、記録装置100は、スキャナSCなどとともにコンピュータPCに対して接続された状態で使用される。コンピュータPCに、オペレーティングシステムや所定のプログラムがロードされ、実行されることにより、これらの装置全体が一体で記録装置として機能する。コンピュータPCでは、所定のオペレーティングシステム上でアプリケーションプログラムが動作し、スキャナSCから読み込んだ画像などに対して所定の処理を行いつつCRTディスプレイMTに画像を表示する。使用者は、ディスプレイMT上の画像をレタッチするといった処理を行なったのち、印刷を指示すると、オペレーティングシステムに組み込まれたプリンタドライバが起動し、画像データを記録装置100に転送する。
プリンタドライバは、スキャナSCから入力され、処理された原カラー画像データを記録装置100が使用する各色のデータに変換し、記録装置100に出力する。詳細には、原カラー画像データは赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色成分からなり、これを色変換して、記録装置100に出力する色データであるブラック(K)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンダ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロー(Y)の各色に変換する処理や、さらにこれをインクドットの有無に置き換えるいわゆる二値化の処理などを行なう。これらの画像処理は、周知のものなので、詳細な説明は省略する。なお、こうした処理は後述する記録装置100側のプリントコントローラ50で行う構成とすることもできる。
キャリッジ51は、タイミングベルト52を介してキャリッジ機構53のキャリッジモータ54に接続されており、ガイド部材55に案内されて印刷用紙56の紙幅方向に往復動する。記録装置100は、紙送りローラ57を用いた紙送り機構58も有している。キャリッジ51には印刷用紙56と対向する面、図1に示す例では下面に液体吐出ヘッドとしてのインクジェット式の印刷ヘッド60が取り付けられている。印刷ヘッド60は、キャリッジ51の上に搭載されているインクカートリッジ1K,1Fからインクの補給を受け、キャリッジ51の移動に合わせて印刷用紙56にインク滴を吐出してドットを形成し、印刷用紙56に文字や画像を印刷する。
インクカートリッジ1Kは、黒(K)インク用の独立したカートリッジである。インクカートリッジ1Fは、複数のインクカートリッジ1C,1LC,1M,1LM,1Yを一体化したインクカートリッジである。インクカートリッジ1Fを構成する複数のインクカートリッジ1C,1LC,1M,1LM,1Yは、それぞれが、独立したインクカートリッジとしての構成を有している。インクカートリッジ1Fを構成する複数のインクカートリッジ1C,1LC,1M,1LM,1Yの内部には、それぞれインクを収容する液体室としてのインク室2C,2LC,2M,2LM,2Y(いずれも図示せず)が備えられている。これらのインク室2C,2LC,2M,2LM,2Yには、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンダ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロー(Y)のインクがそれぞれ充填されている。従って、印刷ヘッド60には、各色のインクがインク室2C,2LC,2M,2LM,2Yからそれぞれ供給される。これらの各インクはそれぞれ印刷ヘッド60から各色のインク滴として吐出されてカラー印刷が実現される。
記録装置100の非印刷領域(非記録領域)には、キャッピング装置61が配置され、印刷処理の休止中に印刷ヘッド60のノズル開口部を封止する。このキャッピング装置61によって、印刷処理の休止中における、インクの溶媒成分が揮発することに起因するインク粘度の増大、あるいは、インク膜の形成を抑制することができる。従って、印刷処理の休止中におけるノズルの目詰まりを防止することができる。また、キャッピング装置61は、印刷処理実行中に行われるフラッシング動作による印刷ヘッド60からのインク滴を受ける。キャッピング装置61の近傍にはワイピング装置62が配置され、このワイピング装置62は、印刷ヘッド60の表面をブレードなどでワイピングすることにより、印刷ヘッド60の表面に付着したインク滴や紙粉を拭き取る。
プリントコントローラ50は、コンピュータからの多値階調情報を含む印刷データなど
を受信するインターフェース部と、多値階調情報を含む印刷データなどの各種データの記憶を行うRAMと、各種データ処理を行うためのルーチンなどを記憶したROMと、CPUなどからなる制御部と、発振回路と、印刷ヘッドへの駆動信号COMを発生させる駆動信号発生回路と、ドットパターンデータに展開された印刷データおよび駆動信号をプリントエンジンに送信するなどの機能を果たすパラレル入出力インターフェース等(いずれも図示せず)を備え、記録装置100の制御を司っている。
を受信するインターフェース部と、多値階調情報を含む印刷データなどの各種データの記憶を行うRAMと、各種データ処理を行うためのルーチンなどを記憶したROMと、CPUなどからなる制御部と、発振回路と、印刷ヘッドへの駆動信号COMを発生させる駆動信号発生回路と、ドットパターンデータに展開された印刷データおよび駆動信号をプリントエンジンに送信するなどの機能を果たすパラレル入出力インターフェース等(いずれも図示せず)を備え、記録装置100の制御を司っている。
記録装置100において、インクカートリッジ1Fは、インクカートリッジ1Kを複数個並べて一体化した構成を有している。よって、インクカートリッジとしての基本的な構造は共通する。
次に、インクカートリッジ、及び受容部としてのインクカートリッジ装着部の構造について説明する。図2は、インクカートリッジおよび記録装置100のインクカートリッジ装着部の概略構造を示す斜視図である。
図2(a)は、インクカートリッジ1Kを示す斜視図である。図2(b)は、キャリッジ51のインクカートリッジ装着部30を示す斜視図である。ここで、図1および図2(a),(b)を参照して、黒用のインクカートリッジ1Kを例にしてインクカートリッジの構造、及びこのインクカートリッジ1Kを記録装置100に装着するための概略構造を説明する。
図2(a)は、インクカートリッジ1Kを示す斜視図である。図2(b)は、キャリッジ51のインクカートリッジ装着部30を示す斜視図である。ここで、図1および図2(a),(b)を参照して、黒用のインクカートリッジ1Kを例にしてインクカートリッジの構造、及びこのインクカートリッジ1Kを記録装置100に装着するための概略構造を説明する。
インクカートリッジ1Kは、内部にインクを収容する合成樹脂製のインクカートリッジ本体3と、このインクカートリッジ本体3の表面に蛇腹状に設けられた複数の溝(図示せず)の上に貼り付けることにより、インク流路や空気流路を構成するフィルム4と、インクを記録装置100に供給するインク供給部5と、キャリッジ51上に装着する際に篏合させる突起部6、フック7、及びインクカートリッジの諸情報を記憶した記憶素子8等から構成されている。フィルム4にはインクカートリッジの品番や、インク色等についての情報が印刷されており、前述のインクカートリッジ本体3に設けられた表面の溝との間で、空気孔9を構成している。また、記憶素子8に記憶されているインクカートリッジの諸情報は、インクカートリッジの品番や、インク色、インク容量及び残量等についての情報である。
インクカートリッジ1Kが、インクカートリッジ装着部30に装着される前、即ち、単体のときには、後述するボール70が筒状シール部材40の液体流路としての連通孔44を閉塞し、インクの流出を防止している(図6、参照)。
図2(b)は、記録装置本体のキャリッジにおけるインクカートリッジ装着部30の斜視図である。インクカートリッジ装着部30には、インクカートリッジ1Kを装着する空間の底部31に液体供給部材としてのインク供給部材80が上向きに植立されている。インク供給部材80は、後述するインクカートリッジ1Kのインク供給部5の内部に備えられたボール70を移動して、インク室2Kとインク供給部材80のインク導入口82を連通する(図3、参照)。このインク供給部材80の周りは、インクカートリッジ1Kに形成されているインク供給部5を受け入れる凹部33になっている。
また、この凹部33の内壁には、インクカートリッジをガイドする溝(図示せず)が複数ヶ所に形成されている。インクカートリッジ装着部30の側面方向の一方の壁34には、コネクタ35が配置されている。コネクタ35は、インクカートリッジ装着部30にインクカートリッジ1Kが装着されたときに、インクカートリッジ1Kの記憶素子8の端子と電気的に接合して、記録装置100との間でインクカートリッジの諸情報を含む各種のデータを授受する。
次に、インクカートリッジ装着部30に対してインクカートリッジ1Kを装着する手順を説明する。まず、インクカートリッジ装着部30の近傍にインクカートリッジ1Kを配置する。インクカートリッジ装着部30の壁34の嵌合孔36に、インクカートリッジ1Kの突起部6を嵌合させる。続いて、インクカートリッジ本体3をインクカートリッジ装着部30の底部31側へ押し下げると、フック7がそのバネ性によりたわみ、フック7部に設けられた爪部10が、インクカートリッジ装着部30の側面方向の他方の壁37に設けられた嵌合孔38部と嵌合する(図3、参照)。このとき、筒状シール部材40の連通孔44を閉塞していたボール70がインク供給部材80によって連通孔44から押し出され、インク供給部材80のインク導入口82がインク室側に開放され、印刷ヘッド60にインクの供給が可能になる。
また、詳細な説明は省略するが、同時にインクカートリッジ1K内部の空気バルブ12(図3、参照)が開き、空気孔9を通じて外気と通じた状態になる。なお、カラー用のインクカートリッジ1Fの構造も、黒用のインクカートリッジ1Kと同様であるので説明は省略する。
図3は、インクカートリッジ1Kが、カートリッジ装着部30に装着されているときの断面図である。図3において、インクカートリッジ装着部30に突設されたピン39は、インクカートリッジ1Kのバルブ支柱11を押し上げることにより、インクカートリッジ1Kに備えられた空気バルブ12を開いた状態にしている。これにより、空気孔9(図2、参照)を通じて外気と通じた状態となり、後述するインク吐出ヘッドにより消費されたインクと同じ容積の空気が空気孔9を通じて取り込めるようになるので、インクの差圧によりインクを供給できるようになる。
続いて、図3に基づきインク供給機構について説明する。図3は、インクカートリッジ1Kがインクカートリッジ装着部30に装着され、インクが印刷ヘッド60に供給可能な状態を示している。この状態を第3の状態と称する。インクカートリッジ1Kのインク供給部5は、インクカートリッジ本体3から円筒状に突出され、周囲を壁で閉塞された空間を有し、インク室2Kの反対側端部から筒状シール部材40が筒状シール部材装着孔14に圧入されている。筒状シール部材40は、弾性と気密性を有するゴム系材料から成形された略円筒形状をしている。筒状シール部材40の形状については、図4において詳しく説明する。
図4は、筒状シール部材40の形状を示す断面図である。図3も参照して説明する。図4において、筒状シール部材40には、中央にインク供給部材80の管部84が挿入される連通孔44が開設されている。この連通孔44の途中には、ボール70が圧入される凹部45が形成されている。連通孔44は凹部45で44A,44Bに分割されている。連通孔44A,44Bのそれぞれ軸方向外側には斜面が形成され、インク室2K側の斜面46は、ボール70がこの斜面内で平面方向に移動しても後述する弾性部材としてのばね75によって連通孔44Bのインク流入口48を閉塞する位置に戻るような角度に設定されている。
筒状シール部材40の外周部には、インク室2K側から順次、ばね75を掛止するためのばね掛止部42、溝43、インク供給部5へ筒状シールを挿着する固定部49、鍔部41の段部が形成されている。ばね掛止部42の端部には、斜面47が形成されている。この斜面47は、後述するばね75を筒状シール部材40に装着し易くするために設けられている。筒状シール部材40には、ばね75が掛止されている。ばね75の形状については、図5を参照して詳しく説明する。
図5は、弾性部材としてのばね75を示す斜視図である。図5において、ばね75は、高弾性材から成る金属製で、円筒形状をしており、一方の端部には、ボール70を押圧するアーム状の弾性部77が等間隔で3本形成されている。各弾性部77の間の空間は、インク流路78である。また、他方の端部には鍔状の掛止部76が径方向内側に突設されている。この掛止部76が前述の筒状シール部材40の溝43内に装着され、ばね掛止部42の壁でばね75が分離されないようにしている(図3、参照)。
なお、アーム状の弾性部77は、図5では3本形成されているが、弾性部は3本に限らず、2本でも、3本以上でも構わない。
なお、アーム状の弾性部77は、図5では3本形成されているが、弾性部は3本に限らず、2本でも、3本以上でも構わない。
図3において、インクカートリッジ装着部30には、インク供給部5が装着される凹部33が形成され、この凹部33内にインク供給部材80が植立されている。インク供給部材80は、凹部33に挿着する鍔部83と、鍔部83に垂直に突設された管部84と、が形成され、管部84にはインク流路81が設けられている。インク流路81は、鍔部83と管部先端部近傍に開設されたインク導入口82まで連通している。図3において示す第3の状態においては、インク供給部材80の管部84が、筒状シール部材40の連通孔44に挿入されており、先端部がボール70を押し上げている。このとき、インク導入口82が筒状シール部材40の連通孔44から突出しているので、インク室2Kとインク供給部材80のインク流路81が連通して、図示しない印刷ヘッドへのインク供給が可能な状態である。
なお、連通孔44とインク供給部材80の管部84との接触部は、気密性を有して挿着されているため、この接続部からのインクの漏洩はない。
続いて、インクカートリッジ1Kが使用前の単体の状態について図6を参照して説明する。この状態を第1の状態と称す。
図6は、インク供給機構の第1の状態を示す部分断面図である。図6において、ボール70は、筒状シール部材40の連通孔44に設けられた凹部45に圧入されており、連通孔44を閉塞している。従って、インク室2K内のインクは、この連通孔44を流通しない。ボール70は、凹部45内に圧入されているので、インク室2K内とインク室2K外の圧力差が生じても移動しないように圧接力が設定されている。例えば、インクカートリッジ1Kは、使用前の単体では、一般に、真空パックされているが、このときには、インク室内よりもインク室外の方が負圧関係になるが、このような状態では、インク室内外の圧力差の分だけボール70が凹部45に押し圧されるので、ボール70と筒状シール部材との押圧力が高まり、その結果としてインク室2Kの気密性は保持できる。また、インク室内が負圧の関係となっても気密性は同様にして保持される。
図6は、インク供給機構の第1の状態を示す部分断面図である。図6において、ボール70は、筒状シール部材40の連通孔44に設けられた凹部45に圧入されており、連通孔44を閉塞している。従って、インク室2K内のインクは、この連通孔44を流通しない。ボール70は、凹部45内に圧入されているので、インク室2K内とインク室2K外の圧力差が生じても移動しないように圧接力が設定されている。例えば、インクカートリッジ1Kは、使用前の単体では、一般に、真空パックされているが、このときには、インク室内よりもインク室外の方が負圧関係になるが、このような状態では、インク室内外の圧力差の分だけボール70が凹部45に押し圧されるので、ボール70と筒状シール部材との押圧力が高まり、その結果としてインク室2Kの気密性は保持できる。また、インク室内が負圧の関係となっても気密性は同様にして保持される。
また、ばね75は、ボール70と接触していないので、弾性部77は撓まず、筒状シール部材40に挿着した初期の状態である。
次に、インクカートリッジ1Kをインクカートリッジ装着部30から分離して交換等をするときの状態を図7を参照して説明する。この状態を第2の状態と称す。
図7は、インク供給機構の第2の状態を示す部分断面図である。図7において、インクカートリッジ1Kをインクカートリッジ装着部30から分離すると(図中、矢印方向)、インク供給部材80の管部84の先端部とボール70との接触が解除される。すると、ボール70は、ばね75の弾性部77の弾性力で筒状シール部材40の斜面46を押圧してインク流入口48を閉塞する。
さらに、前述した第1の状態(図6、参照)、第2の状態(図7、参照)、第3の状態(図3、参照)を順を追って説明すると、第1の状態では、ボール70が筒状シール部材40の連通孔44の途中に設けられた凹部45に圧入されているので、インク室2Kからインクを流出しない。次にインクカートリッジ1Kをインクカートリッジ装着部30に挿着する第3の状態では、インク供給部材80がボール70を連通孔44の外側に押し上げるために、インク導入口82が開放されて、インク室2Kからインクを印刷ヘッド(図示せず)に供給可能な状態となる。続いて、インクカートリッジ1Kを交換するときにおいて、インクカートリッジ装着部30から分離する第2の状態では、ボール70とインク供給部材80とが離れるため、ボールが70が、ばね75によってインク流入口48を閉塞する。
このようにして、ボール70が第1の状態〜第3の状態において移動し、インクの流路を閉塞し、または開放するのである。
このようにして、ボール70が第1の状態〜第3の状態において移動し、インクの流路を閉塞し、または開放するのである。
従って、前述した実施形態1によれば、ボールが70、筒状シール部材40に開設されている連通孔44内にあるときには、筒状シール部材40の弾性力で圧接されて連通孔44が閉塞され、また、連通孔44外にあっては、ばね75によって斜面46に圧接されてインク流入口48が閉塞されるので、少ない部品数、且つ簡単な構造で、確実に連通孔44を閉塞し、インクの漏洩を防止することができる。
また、筒状シール部材40とばね75とボール70とは一体にユニット化した後に、インクカートリッジ1Kのインク供給部5に挿着するので、微細部品でも扱い易く、インクカートリッジの組み立て性が向上し、生産性を高められるので、製造コストを低減することができる。
また、インクカートリッジ1Kが使用前の第1の状態では、ボール70が、筒状シール部材40の途中を閉塞し、インクカートリッジ1Kをインクカートリッジ装着部30に装着する第3の状態では、インク供給部材80がボール70を筒状シール部材40の外に押し上げてインク流路を開放し、さらに、インクカートリッジ1Kをインクカートリッジ装着部30から分離する第2の状態では、筒状シール部材40の外側の斜面46にボール70をばね75で押し圧してインクの流路を閉塞しているので、少ない構成部品で簡単な構造のインクカートリッジのインク供給機構を提供することができる。
さらに、部品数が少ないこと、構造が簡単なことから、インクカートリッジの小型化、薄型化を実現できる。
さらに、部品数が少ないこと、構造が簡単なことから、インクカートリッジの小型化、薄型化を実現できる。
さらに、ボール70が、弾性と気密性を有する筒状シール部材40の連通孔44内で圧接され、または、ばね75によって斜面46に圧接されてインク流入口48が閉塞されるため、確実に液体流路を閉塞し、液体の漏洩を防止することができる。
また、筒状シール部材40の凹部45にボールが圧入されているので、インク室2Kの内部と外部との圧力差が生じた際、どちらが負圧になっても、ボール70が、筒状シール部材の弾性力による押圧力と、凹部45とボール70とに圧力差分の圧力と、が加えられるため、連通孔44の閉塞をより一層確実に行なうことができる。
また、筒状シール部材40の凹部45にボールが圧入されているので、インク室2Kの内部と外部との圧力差が生じた際、どちらが負圧になっても、ボール70が、筒状シール部材の弾性力による押圧力と、凹部45とボール70とに圧力差分の圧力と、が加えられるため、連通孔44の閉塞をより一層確実に行なうことができる。
さらに、斜面46にボール70が圧接された場合、斜面46の楔効果によって、ばね75の弾性力が小さくても圧接力を高めることができ、連通孔44の閉塞を確実に行なうことができる。また、インク供給部材80によって、ボール70が押し上げられたときに、ボール70の位置が横方向にずれたとしても、ばね75の弾性力で斜面46に沿ってボール70がインク流入口48に移動し、インク流入口48を確実に閉塞することができる。
また、本実施形態1による液体噴射装置としての記録装置100は、前述したように、インクカートリッジ1Kの着脱が簡単に行なえ、且つ、インクカートリッジ1Kをインクカートリッジ装着部30から分離するときに、ボール70でインク流入口48を閉塞し、インクカートリッジ1Kからのインクの漏洩を防止し、記録装置をインクの漏洩により汚したり、このことにより記録装置が故障することを防止することができる。
また、前述したように、液体収容容器及び液体供給機構が簡単な構造であるため、記録装置を含めて製造コストを低減できる。
さらには、前述のインクカートリッジ1K、及びインク供給機構は、薄型化に適した構造であり、このことによって、記録装置を小型化できるという効果がある。
(実施形態2)
また、前述したように、液体収容容器及び液体供給機構が簡単な構造であるため、記録装置を含めて製造コストを低減できる。
さらには、前述のインクカートリッジ1K、及びインク供給機構は、薄型化に適した構造であり、このことによって、記録装置を小型化できるという効果がある。
(実施形態2)
続いて、本発明に係る実施形態2について図面を参照して説明する。実施形態2は、筒状シール部材のボール圧入部の形状に特徴を有しており、筒状シール部材140の形状について詳しく説明し、他の構造は前述した実施形態1と同じであるため説明を省略し、共通部分には同じ符号を附与している。
図8は、本発明の実施形態2に係る筒状シール部材140を示す断面図である。図8(a)には、筒状シール部材140の単体の形状が示され、図8(b)には、筒状シール部材140にボール70を圧入した状態が示されている。図8(a)において、筒状シール部材140は、図中、上方から、ばね掛止部142、溝143、固定部149、筒部145、鍔部141の段部が形成されている。また、中央に連通孔144が開設されている。固定部149は、固定部149A,149Bに分割されており、インクカートリッジ本体3のインク供給部5の筒状シール部材装着孔14、に圧入され固定される(図8(b)参照)。ばね掛止部142の端部には斜面147が形成され、実施形態1で説明したばね75が挿着し易くしている。
図8は、本発明の実施形態2に係る筒状シール部材140を示す断面図である。図8(a)には、筒状シール部材140の単体の形状が示され、図8(b)には、筒状シール部材140にボール70を圧入した状態が示されている。図8(a)において、筒状シール部材140は、図中、上方から、ばね掛止部142、溝143、固定部149、筒部145、鍔部141の段部が形成されている。また、中央に連通孔144が開設されている。固定部149は、固定部149A,149Bに分割されており、インクカートリッジ本体3のインク供給部5の筒状シール部材装着孔14、に圧入され固定される(図8(b)参照)。ばね掛止部142の端部には斜面147が形成され、実施形態1で説明したばね75が挿着し易くしている。
連通孔144の内径とボール70の直径は、図で示すようにボール70の方が大きく設定されている(図中、二点鎖線で表示)。それぞれの径差は、ボール70を連通孔144に圧入したときに、連通孔144内をインクが流通しない程度の気密性を有する。
図8(b)において、筒状シール部材140の連通孔144の断面方向の略中央部にはボール70が圧入されている。ボール70を筒状シール部材140に圧入することによって、固定部149A,149Bの間の筒部145がボール70の外形に沿って変形される。筒部145は、変形し易いように薄肉で形成され、固定部149A,149Bは厚肉であるので変形せず、あたかも、ボール70を圧入することで、実施形態1で示した凹部45(図6、参照)の状態と同様な状態がつくりだされている。筒状シール部材140には、ばねも挿着されるが、前述した実施形態1と同じであるため図示を省略している。
筒状シール部材140は、ボール70を圧入した状態でインクカートリッジ本体3(図中、二点鎖線で表示)のインク供給部5に開設されている筒状シール部材装着孔14に挿着されるが、固定部149Bは固定部149Aより僅かに外径が小さく設定されており、前述した第2の状態に移行する際に、インク供給部材80でボール70を押し上げるときに、外周方向に変形して、ボール70が移動しやすいように設定されることが好ましい。
従って、前述した実施形態2によれば、筒状シール部材140の連通孔144にボール70を圧入したときに筒部145がボール形状に沿って変形し、実施形態1で示したような凹部45を形成したときと同じ機能を得ることができる。また、連通孔144の途中に凹部を形成する必要がないため、連通孔144は直線的に形成すればよく、このことは、筒状シール部材140を射出成形等の製造手段を用いて製造する場合、型構造を簡素化することができる。
(実施形態3)
(実施形態3)
続いて、本発明に係る実施形態3について図面を参照して説明する。実施形態3は、筒状シール部材と弾性部材としてのばねを一体に成形しているところに特徴を有し、他の構成は、前述の実施形態1と同じであるため説明を省略し、共通部分には同じ符号を附与している。
図9は、実施形態3に係るインク供給機構の断面図を示し、図9(a)には、前述した第1の状態が示され、図9(b)には、第2の状態、図9(c)には、第3の状態が示されている。図9(a)において、筒状シール部材240は、弾性と気密性を有するゴム系材料からなり、射出成形等の製造手段で成形され、外周部には、鍔部241と、インクカートリッジ1Kのインク供給部5に開設された筒状シール部材装着孔14に挿着する固定部249とが形成され、インク室2K側の端部にばね部250が形成され構成されている。また、中央には、連通孔244と、連通孔244の入口に連続する斜面246が形成されている。
図9は、実施形態3に係るインク供給機構の断面図を示し、図9(a)には、前述した第1の状態が示され、図9(b)には、第2の状態、図9(c)には、第3の状態が示されている。図9(a)において、筒状シール部材240は、弾性と気密性を有するゴム系材料からなり、射出成形等の製造手段で成形され、外周部には、鍔部241と、インクカートリッジ1Kのインク供給部5に開設された筒状シール部材装着孔14に挿着する固定部249とが形成され、インク室2K側の端部にばね部250が形成され構成されている。また、中央には、連通孔244と、連通孔244の入口に連続する斜面246が形成されている。
ばね部250は、詳しくは図10を参照して後述するが、中央に開口部が設けられた薄肉のアームまたはスリットが設けられ、第3の状態のときにボール70を斜面246に押圧し、連通孔244を閉塞できる弾性力を有する。連通孔244の断面方向途中には、凹部245が設けられ、この凹部245にボールが圧入されている。そして、この状態でインク供給部5に挿着されている。従って、連通孔244がボール70によって閉塞されているので、インクは流出しない。
図9(b)は、インクカートリッジ1Kが、インクカートリッジ装着部30に装着された第3の状態を示す部分断面図である。図9(b)において、インクカートリッジ装着部30の底部に植立されたインク供給部材80が連通孔244に挿通され、先端部が、ボール70を連通孔244の外部に押し上げている。インク供給部材80の先端部近傍に開設されたインク導入口82は、連通孔244から突出して、インク室2Kと連通される。このようにして、インクは、図示しない印刷ヘッドに供給できる状態になる。ボール70は、インク供給部材80の先端部とばね部250の間で押圧されて位置が規制されている。
図9(c)は、インクカートリッジ1Kが、インクカートリッジ装着部30から分離される第2の状態を示す部分断面図である。図9(c)において、インク供給部材80の先端部が、筒状シール部材240の連通孔244の途中まで移動している。このとき、インク供給部材80の先端部が、ボール70の押上を解除するため、ボール70がばね部250によって、連通孔244の斜面246に押し圧されてインク流入口248が閉塞される。
次に、実施形態3に係る筒状シール部材240のばね部250の形状について詳しく説明する。
図10は、筒状シール部材240のばね部250の形状を示す平面図である。図10(a)には、その1実施例が示され、図10(b)には、変形例が示されている。図10(a)において、ばね部250は、筒状シール部材240の側面部251から略三角形に延出された3本のアームから構成されている。3本のアームの中央部には開口部252が開設されている。各アームの間の空間及び中央の開口部252は、インクの流路である。
図10は、筒状シール部材240のばね部250の形状を示す平面図である。図10(a)には、その1実施例が示され、図10(b)には、変形例が示されている。図10(a)において、ばね部250は、筒状シール部材240の側面部251から略三角形に延出された3本のアームから構成されている。3本のアームの中央部には開口部252が開設されている。各アームの間の空間及び中央の開口部252は、インクの流路である。
図10(b)による筒状シール部材240は、ばね部250にアームを形成せずにスリットを設けたところに特徴を有する。図10(b)において、筒状シール部材240のばね部250には、3本の等間隔のスリット253が設けられ、3本のスリット253が交差する中央には開口部252が開設されている。このスリット253は、筒状シール部材240が単体のとき、つまり前述した第1の状態のときには閉鎖されており、第2の状態、第3の状態のときには、スリット部分が開いて3分割されたばねとなり、ボール70を押し圧する。また、この開放されたスリット部分がインクの流路となる。
なお、図10(b)のにおいて示したばね部250の開口部252は、必ずしも設けなくてもよい。
また、ばね部250は、図10では3本としたが、数は限定されず、ボール70が移動可能で、ボール70でインク流入口248を閉塞できる弾性力があればよい。
なお、図10(b)のにおいて示したばね部250の開口部252は、必ずしも設けなくてもよい。
また、ばね部250は、図10では3本としたが、数は限定されず、ボール70が移動可能で、ボール70でインク流入口248を閉塞できる弾性力があればよい。
従って、前述の実施形態3によれば、筒状シール部材240は弾性を有するゴム系材料から成り、ばね部250と一体に射出成形によって成形されている。ばね部250は実施形態1及び実施形態2で説明したばね75と同じ機能を有する。ボール70を連通孔244途中で閉塞することも、インク流入口に圧接して閉塞することも筒状シール部材とボールとで行なうことができ、一層構造が簡単にでき、製造コストの低減に寄与する。
なお、筒状シール部材の形状は、実施形態2及び実施形態3の形状を組み合わせることができる。例えば、実施形態2で示した筒状シール部材140に、実施形態3で示したばね部250を設ける形状にすることもできる。
このようにすれば、ばね75は不用となり、凹部45(図4、参照)も不用となり、筒状シール部材の形状を、一層簡単にすることができる。
(実施形態4)
このようにすれば、ばね75は不用となり、凹部45(図4、参照)も不用となり、筒状シール部材の形状を、一層簡単にすることができる。
(実施形態4)
次に、本発明に係る実施形態4について図面を参照して説明する。実施形態4は、筒状シール部材340のインク供給部材側端部に薄肉のシール部を設けたことに特徴を有し、他の構成は前述の実施形態1と同じであるため説明を省略する。
図11は、実施形態4に係る筒状シール部材を示す断面図である。図11(a)には、断面図が示され、図11(b)には、シール部の平面図が示されている。図11において、筒状シール部材340は、シール部341が設けられた部分以外は、実施形態1で示した筒状シール部材40と同じであり、インク供給部材側の端部には、薄肉のシール部341が形成されている。
図11は、実施形態4に係る筒状シール部材を示す断面図である。図11(a)には、断面図が示され、図11(b)には、シール部の平面図が示されている。図11において、筒状シール部材340は、シール部341が設けられた部分以外は、実施形態1で示した筒状シール部材40と同じであり、インク供給部材側の端部には、薄肉のシール部341が形成されている。
このシール部341は、図11(b)に示すように、3本のスリット342が設けられている。このスリット342は、インク供給部材80を挿入しないときには、密接しておりインクの漏洩はない。また、インク供給部材80を挿入するときには、スリット342が開いて、インク供給部材80を挿入することができ、また、インク供給部材80を抜けば、再びスリット342が密接して、インクの漏洩を防止する。
なお、シール部341は、図11(b)で示したように筒状シール部材340と射出成形等で一体に成形することも、スリットを設けた円盤状のシール部材を筒状シール部材に溶着して形成することもできる。
なお、シール部341は、図11(b)で示したように筒状シール部材340と射出成形等で一体に成形することも、スリットを設けた円盤状のシール部材を筒状シール部材に溶着して形成することもできる。
従って、前述の実施形態4によれば、筒状シール部材340には、インク供給部材側端部にシール部341を設けているために、インクカートリッジ1Kをインクカートリッジ装着部30から分離したときに、インクの漏洩をより一層確実に防止することができる。
特に、インクカートリッジ1Kを分離する途中において、インク流入口348の開放状態からボール70がインク流入口348を閉塞するまでの間に、連通孔344内に僅かにインクが漏洩することが考えられるが、このシール部341を設けることでインクカートリッジ1Kの外部にインクが漏洩することを防止できる。
特に、インクカートリッジ1Kを分離する途中において、インク流入口348の開放状態からボール70がインク流入口348を閉塞するまでの間に、連通孔344内に僅かにインクが漏洩することが考えられるが、このシール部341を設けることでインクカートリッジ1Kの外部にインクが漏洩することを防止できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態では、インクジェット式記録装置に採用されるインクカートリッジを例にあげ説明したが、本発明による液体収容容器は、インクカートリッジに限らず、水、薬液、油類等の他の液体を収容し、これらの液体を機器に供給する液体収容容器に応用することができる。
例えば、前述の実施形態では、インクジェット式記録装置に採用されるインクカートリッジを例にあげ説明したが、本発明による液体収容容器は、インクカートリッジに限らず、水、薬液、油類等の他の液体を収容し、これらの液体を機器に供給する液体収容容器に応用することができる。
また、前述した実施形態では、ボール70は、インク供給部材80の先端によって、上方に押し上げているが、ボール70は、インク供給部材80の先端横方向に移動させてもよい。この場合、図示しないが、弾性部材(ばね)の弾性力付勢方向を横方向と下方にすることで、筒状シール部材のインク流路を閉塞することができる。
さらに、前述した実施形態では、筒状シール部材40の連通孔44を開閉するボールを球体としたが、球体に限らず本発明の目的を達成できる形状であればよく、例えば、水滴状の形状とすることができる。つまり、一方は球形状で、他方が略円錐形状が連続した形状を示し、球形状側をインク室方向に向けて配置することで、前述した実施形態と同様な効果を得ることができる。
従って、前述の実施形態1〜実施形態4では、インクカートリッジ単体のときには確実にインクの流路を閉塞し、記録装置本体に装着するときにはインクの流路を開放する、簡単な構造で薄型のインクカートリッジとインクカートリッジのインク供給機構、及びこれらを搭載する記録装置を提供することができる。
1K…インクカートリッジ、2K…インク室、30…インクカートリッジ装着部、40…筒状シール部材、44…連通孔、48…液体流入口としてのインク流入口、70…ボール、75…ばね、80…インク供給部材。
Claims (8)
- 液体供給部材を有する受容部に着脱可能な液体を収容する液体収容容器であって、
液体が収容される液体室と、該液体室の内外を連通する連通孔が設けられた弾性を有する筒状シール部材と、
前記連通孔の軸方向の内外を移動し、前記連通孔を開閉するボールと、
前記ボールを前記連通孔の液体流入口に圧接して前記連通孔を閉塞する弾性部材と、
を備えることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1に記載の液体収容容器において、
前記ボールが、前記連通孔の途中を閉塞する第1の状態と、前記連通孔の液体流入口を閉塞する第2の状態と、前記液体室と前記液体供給部材とを連通する第3の状態と、に規制されることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1または請求項2に記載の液体収容容器において、
前記筒状シール部材には、前記第1の状態のとき、前記連通孔の途中に前記ボールが圧入される凹部と、前記第2の状態のとき、前記連通孔の液体流入口に前記ボールが圧接される斜面と、が形成されていることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1または請求項2に記載の液体収容容器において、
前記筒状シール部材の連通孔を形成する筒部の内径が、前記ボールの直径よりも小さく形成され、前記ボールを圧入したときに、前記筒部が前記ボールの形状に沿って変形し、前記ボールを圧接することを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の液体収容容器において、
前記筒状シール部材と前記ボールと前記弾性部材とが一体にユニット化されて、前記液体収容容器に設けられた液体供給部に装着されることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の液体収容容器において、
前記筒状シール部材が、前記弾性部材と一体で成形されていることを特徴とする液体収容容器。 - 液体が収容される液体室と、該液体室の内外を連通する連通孔が設けられた弾性を有する筒状シール部材と、前記連通孔の軸方向の内外を移動し、前記連通孔を開閉するボールと、前記ボールを前記連通孔の液体流入口に圧接して閉塞する弾性部材と、を備える液体収容容器と、
前記筒状シール部材に挿通する液体供給部材を有する受容部と、を備え、
前記液体収容容器と前記受容部とが着脱可能であり、
前記液体収容容器を前記受容部に装着したとき、前記液体供給部材によって前記ボールを前記連通孔の液体流入口の外部に移動して前記液体供給部材に液体を流通し、
前記液体収容容器を前記受容部から分離したとき、前記ボールによって前記連通孔の液体流入口が閉塞されることを特徴とする液体収容容器の液体供給機構。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の液体収容容器及び液体収容容器の液体供給機構が搭載されていることを特徴とする液体噴射装置。
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WO2013102379A1 (zh) * | 2012-01-05 | 2013-07-11 | 深圳市打印王耗材有限公司 | 组装式喷墨打印机墨盒 |
-
2004
- 2004-07-21 JP JP2004212609A patent/JP2006027195A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070403 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071002 |