JP2006018161A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄く形成でき、ドライバIC等を無駄に消費することが無く、異物の付着の可能性を低減でき、さらに製造コストを低くできる電気光学装置を提供する。
【解決手段】 液晶層9と、液晶層9に電圧を印加する電極13a,13bと、液晶層9及び電極13a,13bを支持する基材6a,7aとを有する液晶表示装置1である。液晶表示装置は電気光学装置の1種類である。基材7aは偏光ガラスによって形成される。そのため、偏光板を基材7aに貼り付ける必要がない。位相差膜16は塗布又は噴霧によって基材7aの表面に設けられることが望ましい。また、位相差膜16を保護膜17によって保護することが、さらに望ましい。
【選択図】 図1


Description

本発明は、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマディスプレイ装置等といった電気光学装置及びその製造方法に関する。また、本発明はその電気光学装置を用いた電子機器に関する。
近年、携帯電話機、携帯情報端末機、パーソナルコンピュータ等といった電子機器に液晶表示装置、EL表示装置等といった電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種の表示を行うために電気光学装置が用いられる。
電気光学装置は、電界の変化に応じて光学的特性が変化する電気光学物質を用いて表示を行う装置である。例えば、電気光学装置として液晶表示装置を考えれば、電気光学物質としての液晶に印加される電圧を画素ごとに制御し、この電圧制御により液晶分子の配向を画素ごとに制御し、この液晶の配向制御により当該液晶を通過する光を変調し、そして、この変調された光を偏光板に照射することにより、その偏光板の光照射面の反対面に像を表示する。
このような偏光板を用いた液晶表示装置として、従来、液晶を挟持する一対の基板の外側表面に偏光板を貼り付けた構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。一般に、光とは、電磁波の振動が横波として伝播する現象である。この光のうち、振動方向が特定の方向に偏っている状態のものが偏光である。この偏光には直線偏光、円偏光、楕円偏光がある。直線偏光は振動面が1方向であるような偏光である。円偏光や楕円偏光は振動面が螺旋状になっているような偏光である。上記の偏光板は、特定の偏光だけを透過させ、その他の偏光は吸収、分散等によって透過させないような光学要素である。電気光学装置は、このような偏光板の特性を利用して光を用いて表示を行うものである。
特開平6−18927号公報(第3頁、図1)
しかしながら、偏光板を用いた従来の電気光学装置に関しては、以下のような問題があった。
(1)偏光板の厚み分だけ電気光学装置の厚さが厚かった。
(2)一般に、電気光学装置はドライバIC(Integrated Circuit)、FPC(Flexible Printed Circuit)等といった付加部品を有する。この付加部品を液晶パネルに装着する工程は、製造工程の都合上、基板に偏光板を装着する前に行われる。一方、電気光学装置の品質の良否を判別する作業は、基板に偏光板を装着することによって点灯・非点灯の認識ができるようになってからでないと行うことができない。つまり、電気光学装置の良否判別は、ドライバIC等といった付加部品を基板に装着し、さらに偏光板を装着した後に行われていた。このような従来の判定方法を用いた場合には、最終的な点灯検査の結果、電気光学装置が不良であると判定されると、ドライバIC等といった付加部品が無駄に廃棄されることになって、不経済であった。
(3)基板に偏光板を装着する際に異物が基板に付着するおそれがあった。
(4)偏光板を装着する工程が必要なので製造コストが高かった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、薄く形成でき、ドライバIC等といった付加部品を無駄に消費することが無く、異物の付着の可能性を低減でき、さらに製造コストを低くできる電気光学装置、電気光学装置の製造方法及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る電気光学装置は、電気光学物質と、該電気光学物質に電圧を印加する電極と、前記電気光学物質及び前記電極を支持する基材とを有し、該基材は偏光ガラスによって形成されることを特徴とする。この構成において、「電気光学物質」としては、液晶表示装置で用いられる液晶、EL装置で用いられる有機EL又は無機EL、プラズマディスプレイ装置で用いられる放電用ガス等が考えられる。
また、「偏光ガラス」は、ガラスそれ自体に従来の偏光板と同じ機能、すなわち、特定の偏光だけを透過させ、その他の偏光は透過させないという機能を持たせたガラスである。このような偏光ガラスは、例えば、(1)従来用いられていた偏光板を一対のガラスによって挟んで一体化することや、(2)銀、銅等の金属微粒子を含んだガラスを引き伸ばして異方性を持たせること等によって形成できる。偏光ガラスによって選択する偏光の種類は、電気光学装置の構成に応じて適宜に選定される。
上記構成の電気光学装置によれば、基材それ自体が偏光特性を有するので、その基材に偏光板を装着する必要がない。それ故、この電気光学装置によれば、偏光板を用いない分だけ電気光学装置の外観形状を薄く形成できる。また、ドライバIC等といった付加部品を基材に装着する前に点灯・非点灯の検査ができるので、ドライバIC等といった付加部品を無駄に消費することが無くなる。また、偏光板を基材に装着する工程が無くなるので、異物の付着の可能性を低減でき、さらに製造コストを低くできる。
次に、上記構成の電気光学装置においては、前記基材の前記電気光学物質側の表面又は前記基材の前記電気光学物質と反対側の表面に位相差膜を設けることが望ましい。ここで、「位相差膜」とは、液晶等といった電気光学物質が屈折率異方性を持っていてその電気光学物質から出る光がその屈折率異方性に応じて変調された状態となるときに、屈折率異方性が無くなるように補償したり、屈折率異方性に応じて発生する複屈折の波長分散を無くしたり、するように機能する光学要素である。
この位相差膜は、例えば、(1)スメクチック液晶、コレステリック液晶、ネマチック液晶等といった液晶組成物によって形成できる。また、(2)ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエーテルアミド、ポリエチレン等といったプラスチックを1軸延伸又は2軸延伸させることによって形成できる。また、(3)ポリペプチド−ポリメタクリレート混合フィルム等といった液晶性高分子材料によって形成できる。また、(4)PCH系、CCH系、ビフェニル等といった低分子液晶にカイラルドーパントを混合して螺旋構造を持たせた液晶組成物を、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド等といった高分子材料に混合させてなる材料によって形成できる。
この位相差膜は、フィルム状の位相差膜を接着剤によって基材に貼り付けたものであっても良いし、上述した位相差膜用材料を液状に形成した後にその液状材料を基板に塗布又は噴霧することによって形成しても良い。上記のように基材上に位相差膜を設ければ、電気光学装置を用いて行われる表示において、コントラスト、視野角、表示の均一性等といった特性を改善できる。また特に、位相差膜を塗布又は噴霧によって基材上に形成するようにすれば、基材として用いる偏光ガラスの表面に予め塗布、噴霧によって位相差膜を形成しておくことにより、それ以降に位相差膜の貼り付け処理を行うという煩雑な処理が不要となる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、基材上に電極を形成する工程と、前記基材上に電気光学物質を層状に形成する工程とを有し、前記基材は偏光ガラスによって形成されることを特徴とする。
この製造方法によれば、基材それ自体が偏光特性を有するので、その基材に偏光板を装着する工程を設ける必要がない。それ故、この製造方法を用いて製造された電気光学装置は、偏光板を用いない分だけ外観形状を薄くできる。また、ドライバIC等といった付加部品を基材に装着する前に点灯・非点灯の検査ができるので、ドライバIC等といった付加部品を無駄に消費することが無くなる。また、偏光板を基材に装着する工程が無くなるので、異物の付着の可能性を低減でき、さらに製造コストを低くできる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、前記基材の表面に塗布又は噴霧によって位相差膜を形成する工程を有することが望ましい。特に、この位相差膜の形成工程は、基材上に各種の光学要素、例えば、スイッチング素子、カラーフィルタ、電極、配向膜等を形成するのに先立って偏光ガラスに対して前もって行われていることが望ましい。
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の電気光学装置を有することを特徴とする。本発明に係る電気光学装置は、(1)偏光板を用いない分だけその外観形状を薄く形成できたり、(2)ドライバIC等といった付加部品を基材に装着する前に点灯・非点灯の検査ができるのでドライバIC等といった付加部品を無駄に消費することが無くなったり、(3)偏光板を基材に装着する工程が無くなるので異物の付着の可能性を低減できたり、さらに、(4)偏光板を基板に装着する工程が無くなるので製造コストを低くできたりする、等といった効果を有するので、この電気光学装置を用いた電子機器も同様の効果を奏することができる。
(電気光学装置及びその製造方法の第1実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置及びその製造方法を、電気光学装置の一例である液晶表示装置であってSTN(Super Twisted Nematic)液晶を用いた反射型で単純マトリクス方式の液晶表示装置を例示して説明する。
図1は、単純マトリクス方式でカラーSTN反射型の液晶表示装置1を示している。また、図2は、図1に示す液晶表示装置1の1画素付近の断面構造を示している。これらの図に示された構造は、その構造に含まれる複数の構成要素を分かり易く示すために、それらの構成要素を実際の寸法比とは異なる寸法比で描いてある。
図1において、液晶表示装置1は、液晶パネル2に半導体素子である液晶駆動用IC3を実装し、さらに照明装置4を装着することによって形成される。本実施形態の液晶表示装置1は反射型の液晶表示装置であるので、基本的には照明装置4は不要であるが、より一層の表示の明るさを確保するためにこの照明装置4が設けられている。液晶パネル2は、反射基板6とカラーフィルタ基板7とをシール材8によって貼り合わせることによって形成されている。反射基板6及びカラーフィルタ基板7は、観察側から見た方向である矢印B方向から見て長方形状又は正方形状、すなわち矩形状であり、シール材8は矢印B方向から見て矩形の環状に形成されている。
反射基板6、カラーフィルタ基板7及びシール材8によって囲まれる間隙、いわゆるセルギャップ内には、電気光学物質としての液晶、本実施形態ではSTN液晶が封入されて液晶層9を形成している。セルギャップ内に分散された複数の球状のスペーサ11は、セルギャップの厚さを均一に保持している。
反射基板6は、矢印B方向から見て矩形状の基材6aを有する。この基材6aは、石英ガラス、低膨張ガラス、ソーダライムガラス等から成る透光性のガラス、すなわち従来から液晶パネル用の基材の材料として用いられている材料によって形成されている。この基材6aの液晶側の表面には、図2に示すように、反射膜12、帯状電極13a、そして配向膜14aが積層されている。反射膜12は、図1において、紙面垂直方向に平面的に設けられている。この反射膜12は、図1の照明装置4からの光を通すことを可能とするため、光反射性に加えて光透過性も併せて有している。
帯状電極13aについては、その1本が図1の左右方向に延び、その複数本が図1の紙面垂直方向に一定の間隔を持って互いに平行に並べられている。つまり、複数の帯状電極13aは、矢印B方向から見てストライプ状に設けられている。また、配向膜14aは、図1の紙面垂直方向に平面的に設けられている。この配向膜14aには配向処理、例えばラビング処理が施され、このラビング処理により反射基板6に近い部分の液晶分子の配向が決められる。
カラーフィルタ基板7は、矢印B方向から見て矩形状の基材7aを有する。この基材7aは、偏光ガラスによって形成されている。偏光ガラスは、周知の通り、サングラスやその他の光学ガラスに用いられているガラスであり、ガラスそれ自体に従来の偏光板と同じ機能、すなわち、特定の偏光だけを透過させ、その他の偏光は透過させないという機能を持たせたガラスである。このような偏光ガラスは、従来から種々の方法によって製造されているが、例えば、(1)従来から用いられているシート状の偏光板を一対のガラスによって挟んで一体化することや、(2)分散や析出等によってガラス内に銀、銅等の金属微粒子を含ませた上でそのガラスを引き伸ばして異方性を持たせること、等によって製造できる。
カラーフィルタ基板7の基材7aの液晶側表面には、位相差膜16がその全面に設けられ、さらにその上に保護膜17がその全面に設けられる。位相差膜16は、液晶層9が持っている屈折率異方性を制御することにより、矢印Bで示される観察側に表示される像のコントラスト、視野角、及び表示の均一性等といった特性を改善する光学要素である。この位相差膜16は、液晶組成物それ自体や、高分子プラスチックを延伸させることや、液晶組成物と高分子材料との混合物等によって形成できる。また、位相差膜16は、それを予めフィルム状に形成した上でそのフィルム状位相差膜16を基材7aに貼着したり、あるいは、液状の位相差膜材料を基材7aの表面に均一に塗布又は噴霧したりすることによって形成できる。保護膜17は、位相差膜16の形成後に基材7aに対して各種の処理が行われる際に、位相差膜16が損傷することを防止するものである。
位相差膜16及び保護膜17が形成された基材7aの液晶側の表面には、図2に示すように、遮光部材18が矢印B方向から見て格子状に形成され、その遮光部材18によって形成される複数の空間の個々に着色要素19が設けられる。複数の着色要素19の個々は矢印B方向から見て矩形状であり、3原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)のいずれか1色を通過させることのできる材料によって形成されている。なお、R,G,Bに代えて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色を用いることもできる。
着色要素19及び遮光部材18の上にはオーバーコート層21が設けられ、その上に帯状電極13bが設けられ、さらにその上に配向膜14bが設けられる。オーバーコート層21は、図1において、紙面垂直方向に平面的に設けられている。また、帯状電極13bについては、その1本が反射基板6側の帯状電極13aに対して直角の方向、すなわち図1の紙面垂直方向に延び、その複数本が図1の左右方向に一定の間隔を持って互いに平行に並べられている。つまり、複数の帯状電極13bは、反射基板6側の帯状電極13aと直角に交わる状態で矢印B方向から見てストライプ状に設けられている。また、配向膜14bは、図1の紙面垂直方向に平面的に設けられている。
図2において、互いに直交して対向する帯状電極13aと帯状電極13bは、矢印B方向から見て複数の交点を形成する。これらの交点はマトリクス状、すなわち行方向及び列方向の両方向に並んでいる。そして、それらの交点で規定される領域が表示の最小単位である表示ドット領域Dを構成している。R,G,Bの個々に着色された複数の着色要素19は、個々の表示ドット領域Dに対応するように、矢印B方向から見て所定の配列、例えば、ストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列等で配列されている。そして、R,G,Bの個々に対応する3つの表示ドット領域Dの集まりによって1つの画素が形成される。なお、仮に、R,G,Bの3色を用いることなく、白、黒又はその他の任意の1色を表示ドット領域Dに対応させてモノカラーによる表示を行う場合には、1つの表示ドット領域Dがそのまま1つの画素を構成することになる。
本実施形態において図1のカラーフィルタ基板7の基材7aを偏光ガラスを用いて構成することは既述した。ここで用いる偏光ガラスの偏光特性は、次のように選定される。太陽光、室内光等といった外部光L0はカラーフィルタ基板7を通して液晶パネル2の内部へ導入される。この外部光L0は、さらに、液晶層9を通過して反射膜12で反射して、再び、液晶層9へ供給される。液晶層9を構成するSTN液晶は表示ドット領域Dごとに電圧制御されてその配向が制御され、この配向制御に応じて当該液晶を通過する光が変調される。基材7aを構成する偏光ガラスは、そのように変調された光を選択的に透過させることができるような偏光特性を持つように設定される。
次に、図1において、反射基板6はカラーフィルタ基板7の外側へ張り出す張出し部26を有する。この張出し部26上には、複数の配線27及び複数の外部接続端子28がフォトエッチング処理等によって形成されている。一対の基板6,7を接合しているシール材8の内部には多数の導通材29が分散状態で含まれている。図では、シール材8の断面内に大きな導通材29が1つ含まれているように描かれているが、実際は、導通材29はシール材8の断面面積に比べて非常に小さいものであり、それ故、シール材8の断面内には複数の導通材29が含まれるようになっている。上記複数の配線27の一部は、反射基板6側の帯状電極13aに直接につながっている。そして、複数の配線27の残りの部分は、シール材8の内部にある導通材29を介してカラーフィルタ基板7側の帯状電極13bにつながっている。
反射基板6の張出し部26には液晶駆動用IC3がACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)31によって直接に、すなわちCOG(Chip On Glass)方式で実装されている。具体的には、液晶駆動用IC3の全体がACF31の樹脂部分によって張出し部26に固着され、液晶駆動用IC3の入力用バンプがACF31内の導電粒子を介して外部接続端子28に導電接続され、さらに、液晶駆動用IC3の出力用バンプがACF31内の導電粒子を介して配線27に導電接続されている。
張出し部26に関する以上の構成により、図示しない外部回路から外部接続端子28を介して液晶駆動用IC3へ信号が供給される。そして、液晶駆動用IC3から液晶駆動用の信号、すなわち走査信号及びデータ信号が、反射基板6側の電極13a及びカラーフィルタ基板7側の電極13bに供給される。走査信号を電極13a及び電極13bのどちらへ供給し、データ信号を電極13a及び電極13bのどちらへ供給するか、については必要に応じて適宜に設定する。
次に、照明装置4は、光源としてのLED(Light Emitting Diode)32と、LED32から出射する点状の光を面状に変換する導光体33とを有する。LED32は図1の紙面垂直方向に関して複数個、例えば4個程度、設けられる。各LED32から出射した光は、導光体33の光入射面33aから導光体33の内部へ導かれ、導光体33の内部を伝播した後、光出射面33bから面状の光となって液晶パネル2へ向けて出射する。
本実施形態に係る液晶表示装置1は以上のように構成されているので、外部光L0はカラーフィルタ基板7を通して液晶パネル2の内部へ導入され、反射膜12で反射して液晶層9へ供給される。液晶層9は表示ドット領域Dごとに電圧制御され、これにより、液晶分子の配向がSTN構造と垂直配向との間で表示ドット領域Dごとに制御される。この配向制御により光が変調され、この変調された光が偏光ガラスによって形成されたガラス基材7aに与えられることにより、その基材7aの観察側に文字、数字、図形等といった像が表示される。本実施形態では、カラーフィルタ基板7に着色要素19を設けたので、表示はカラーによって行われる。また、偏光ガラス基材7aには位相差膜16を設けたので、STNの液晶層9で変調された光の偏光特性を補償、再変調等することにより、無彩色化や視野角特性の改善が行われる。
以上に説明したように、本実施形態では、電気光学物質である液晶9を支持する一方の基材であるカラーフィルタ基板7側の基材7aを偏光ガラスによって形成した。このため、従来のようにフィルム状の偏光板をガラス基材に貼着等によって装着する必要がなくなった。それ故、本液晶表示装置1によれば、フィルム状の偏光板を用いない分だけ液晶表示装置1の厚さを薄くできる。
ところで、フィルム状の偏光板を液晶パネルに装着する構造の従来の液晶表示装置の製造工程を考えると、一般には、図1の液晶駆動用IC3や図示しないFPC等といった付加部品を液晶パネル2に組み付けた後に偏光板が装着されていた。そして、偏光板を装着した後に点灯検査を行って液晶表示装置の品質の良否を判定していた。偏光板を装着する前には点灯検査を行うことができなかった。このような点灯検査の結果が良品であれば特に問題はないが、点灯検査の結果が不良であった場合には、液晶駆動用ICやFPC等が無駄に廃棄されるという問題があった。
このことに関し、本実施形態では、液晶9を支持する基材7aのそのものが偏光ガラスであるので、液晶駆動用IC3やFPC等を液晶パネル2に装着する前でも点灯検査を行うことができる。このため、仮に点灯検査の結果が不良であって液晶パネル2を廃棄しなければならない場合でも、その液晶パネル2には液晶駆動用IC3やFPC等が装着されていないので、それらの付加部品が無駄に廃棄されることが無くなる。
さらに、フィルム状の偏光板を液晶パネルに装着する構造の従来の液晶表示装置を製造する際には、従来から、偏光板を液晶パネルに貼着するときに意に反して異物が液晶パネルに付着してしまうという問題があった。このことに関し、本実施形態の液晶表示装置では基材それ自体が偏光ガラスで出来ていて、フィルム状の偏光板をガラス基材に貼着する工程が不要となったので、異物の付着の可能性を低減できる。そしてさらに、偏光板の貼着工程が不要となった分だけ製造コストを低くできる。
次に、図3を用いて、図1の液晶表示装置1を製造するための製造方法について説明する。図3の工程P1〜工程P6に至る工程は図1の反射基板6を形成する工程である。また、工程P11〜工程P18に至る工程は図1のカラーフィルタ基板7を形成する工程である。また、工程P21〜工程P28に至る工程はそれらの基板を貼り合わせて製品である液晶表示装置を形成する工程である。
なお、本実施形態では、図1に示す反射基板6及びカラーフィルタ基板7を1つずつ形成するのではなく、反射基板6に関しては、複数の反射基板6を形成できる大きさの面積を有する反射基板用マザー基材を用いて複数の反射基板6を同時に形成する。また、カラーフィルタ基板7に関しては、複数のカラーフィルタ基板7を形成できる大きさの面積を有するカラーフィルタ基板用マザー基材を用いて複数のカラーフィルタ基板7を同時に形成する。これ以降の説明では、反射基板6用のマザー基材を符号6a’で示すことにし、さらに、カラーフィルタ基板7用のマザー基材を符号7a’で示すことにする。
まず、図3の工程P1において、大面積である図1の反射基板用マザー基材6a’を用意する。このマザー基材6a’は、石英ガラス、低膨張ガラス、ソーダライムガラス等から成る透光性のガラス、すなわち従来から液晶パネル用の基材の材料として用いられている材料によって形成されている。このマザー基材6a’の表面に反射膜12を、Al(アルミニウム)やAl合金等を材料としてフォトリソグラフィー処理及びエッチング処理、すなわちフォトエッチング処理によって形成する。
次に、工程P2において、図1の帯状電極13aをITO(Indium Tin Oxide)を材料としてフォトリソグラフィー処理及びエッチング処理によって形成する。次に、工程P3において、図1の配向膜14aをポリイミド等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成する。次に、工程P4において、図1の配向膜14aにラビング処理を施して配向性を付与する。次に、工程P5において、図1のシール材8をエポキシ系樹脂を材料として印刷等によって形成し、さらに、工程P6において図1の配向膜14aの上に球状のスペーサ11を分散する。以上により、大面積の反射基板用マザー基材6a’の上に複数個分の反射基板6の膜要素が形成されて、反射基板6側の大面積のマザー基板が形成される。
他方、図3の工程P11において、大面積である図1のカラーフィルタ基板用マザー基材7a’を用意する。このマザー基材7a’は、透光性を有する偏光ガラスによって形成されている。この偏光ガラスの構造及び機能は上述の説明と同じである。このマザー基材7a’の表面に位相差膜16を一様な厚さで全面に形成する。位相差膜16は、フィルム状の位相差膜16を貼着によって偏光ガラスの表面に装着したものであっても良いし、あるいは、液状の位相差膜材料を偏光ガラスの表面に塗布又は噴霧することによって形成されたものであっても良い。次に、工程P12において、図1の保護膜17を一様な厚さで全面に形成する。
次に、工程P13において、カラーフィルタ基板用マザー基材7a’の位相差膜16が設けられた面に遮光部材18を、Cr(クロム)を材料としてフォトエッチング処理によって所定のパターン、本実施形態の場合は表示用ドット領域Dの周りを埋めるような格子状パターン、に形成する。次に、工程P14において、図1の着色要素19をR,G,Bの各色ごとに順々に形成する。例えば、各色の顔料や染料を感光性樹脂に分散させて成る着色材料をフォトリソグラフィー処理によって所定のドット配列に形成する。
次に、工程P15において、図1のオーバーコート層21をアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成する。次に、工程P16において、図1の帯状電極13bをITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成する。次に、工程P17において、配向膜14bをポリイミド等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成し、さらに、工程P18において配向処理としてのラビング処理を行う。以上により、大面積のカラーフィルタ基板用マザー基材7a’の上に複数個分のカラーフィルタ基板7の膜要素が形成されて、カラーフィルタ基板7側の大面積のマザー基板が形成される。
以上のようにして2つのマザー基板、すなわち、反射基板6側のマザー基板とカラーフィルタ基板7側のマザー基板とが形成されると、その後、図3の工程P21において、それら両方の基板をアライメント、すなわち位置合わせして、さらに両者を貼り合わせる。次に、工程P22において、図1のシール材8を加熱、紫外線照射等によって硬化させて、両マザー基板を接着する。これにより、図1の液晶パネル2であって未だ液晶9が封止されていない状態の液晶パネル2を複数個含む状態の大面積のパネル構造体が形成される。
次に、上記の大面積のパネル構造体を、工程P23において、1次切断、すなわち1次ブレイクして、図1の液晶パネル2の複数個が1列に並んだ状態で含まれる中面積のパネル構造体、いわゆる短冊状のパネル構造体を複数、形成する。シール材8には、予め、その適所に開口が形成されており、上記の1次ブレイクによって短冊状のパネル構造体が形成されると、そのシール材8の開口が外部へ露出する。次に、工程P24において、上記のシール材の開口を通して各液晶パネル部分の内部へ液晶、本実施形態の場合はSTN液晶を注入する。その注入の完了後、シール材の開口を樹脂によって封止する。
次に、工程P25において、2回目の切断、すなわち2次ブレイクを行い、短冊状のパネル構造体から図1に示す個々の液晶パネル2を切り出す。次に、工程P26において、必要に応じて、点灯検査を行い、製造した液晶パネル2の品質の良否をチェックする。この検査で不良品と判断された液晶パネル2は製造工程から廃棄される。次に、工程P27において、図1の液晶駆動用IC3を反射基板6の張出し部26に実装する。次に、工程P28において、照明装置4を液晶パネル2に取り付ける。これにより、液晶表示装置1が完成する。
以上のように、本実施形態の電気光学装置の製造方法によれば、カラーフィルタ基板用基材7aそれ自体が偏光ガラスによって形成されるので、その基材にフィルム状の偏光板を装着する必要がない。それ故、この電気光学装置によれば、偏光板を用いない分だけ液晶表示装置の外観形状を薄く形成できる。
ところで、従来の液晶表示装置の製造方法では、図1の基材7aは反射基板6側の基材6aと同様に普通の透明ガラスによって形成されていた。この従来の場合には、図3のIC実装工程P27の後に、フィルム状の偏光板をカラーフィルタ基板用基材7aの外側の表面に貼着していた。つまり、液晶駆動用IC3は偏光板を装着する前に実装されていた。また、FPC等といった液晶駆動用IC3以外の付加部品を液晶パネルに付設する場合には、それらの付加部品も、液晶駆動用IC3と同様に、偏光板を装着する前に液晶パネルに取り付けられていた。
一般に、液晶パネルの品質の良否を検査する際には、その液晶パネルを実際に点灯させ、このときに得られる表示の良否に基づいて液晶パネルの良否を判定している。透明ガラスによって形成した基材の表面にフィルム状の偏光板を貼着する構造の従来の液晶パネルに関しては、偏光板を貼着する前には点灯検査が出来ないので、偏光板を液晶パネルに貼着した後にその点灯検査を行っていた。しかしながら、液晶パネルに偏光板を貼着するということは、そのときには既に液晶駆動用IC3やFPC等も液晶パネルに取り付けられているということである。従って、点灯検査の結果、液晶パネルが良品であると判定されたときには問題はないが、液晶パネルが不良品であると判定されたときには、既に液晶パネルに取り付けられている液晶駆動用ICやFPCやその他の付加部品も不良の液晶パネルと共に廃棄されることになり、非常に不経済であった。
このことに関し、本実施形態のようにカラーフィルタ基板用基材7aのそれ自体を偏光ガラスによって形成すれば、その後の工程では偏光板を装着する必要はなく、点灯検査は必要に応じていつでも出来る。本実施形態では、図3に示すように、2次ブレイク工程P25が終了して個々の液晶パネルが切り出された後であって、IC実装工程P27を行う前に、個々の液晶パネルに対して点灯検査を実施する。こうすれば、点灯検査の結果、液晶パネルが不良であると判定された場合には、その液晶パネルだけを廃棄すれば済み、液晶駆動用IC等といった付加部品を一緒に廃棄しなくて済む。このため、部品コストを低減できる。
さらに、従来の液晶表示装置の製造方法では、フィルム状の偏光板を基材へ装着する際に異物が付着するおそれがあった。これに対し、本実施形態の液晶表示装置では、偏光ガラスによって形成した基材に関しては偏光板をその基材に装着する工程が無くなるので、そのような異物の付着の可能性を低減でき、さらに製造コストを低くできる。
(電気光学装置及びその製造方法の第2実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置及びその製造方法を、スイッチング素子としてTFD(Thin Film Diode)素子を用いるアクティブマトリクス方式であって、半透過反射型であって、さらにカラー表示が可能である液晶表示装置に適用した場合を例に挙げて説明する。なお、本発明がその実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。また、図1に示した液晶表示装置1で用いられる要素と同じ要素については、説明の重複を避けるために詳しい説明を省略する。
図4において、本実施形態の液晶表示装置51は、液晶パネル52に液晶駆動用IC53を実装し、さらに液晶パネル52に照明装置54を組み付けることによって形成される。観察者は矢印B方向から表示を視認する。なお、液晶パネル52には必要に応じてその他の部品要素、例えばFPCが装着される。
液晶パネル52は、素子基板56とカラーフィルタ基板57とをシール材58で貼り合わせることによって形成される。シール材58は、矢印B方向から見て正方形又は長方形、すなわち方形の環状に形成されている。素子基板56とカラーフィルタ基板57との間には隙間、いわゆるセルギャップが形成され、そのセルギャップ内に電気光学物質としての液晶、例えばTN(Twisted Nematic)液晶が封入されて液晶層59が形成されている。セルギャップは、球状のスペーサ61によって一定の間隔に保持される。
素子基板56は矢印B方向から見て方形状の基材56aを有する。この基材56aは偏光ガラスによって形成されている。この基材56aの液晶側の表面には、位相差膜66aがその全面に設けられ、さらにその上に、保護膜67aが設けられる。さらに、保護膜67aの上に、図5に示すように、線状のライン配線72、アクティブ素子又はスイッチング素子又は非線形抵抗素子としてのTFD素子73及びドット電極63aが形成される。さらに、それらの要素の上に配向膜64aが形成され、その配向膜64aに配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、その配向膜64aの近傍の液晶分子の配向が決められる。配向膜64aは、例えば、ポリイミド溶液を塗布及び焼成して形成したり、オフセット印刷によって形成したりする。
ライン配線72については、その1本1本が図4及び図5の左右方向に延びており、その複数本が図4及び図5の紙面垂直方向に互いに間隔をおいて平行に並べられている。つまり、複数本のライン配線72は図4の矢印B方向から見て、いわゆるストライプ状に形成されている。そして、それらのライン配線72の間に複数のドット電極63aが形成され、それらのドット電極63aがTFD素子73によってライン配線72に接続されている。複数のドット電極63aは図4の矢印B方向から見てドットマトリクス状に形成される。これらのドット電極63aは、例えば、ITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成される。ライン配線72は、図6に示すように、第1層91、第2層92及び第3層93の3層構造によって形成されている。
個々のTFD素子73は、図6に示すように、第1TFD要素73aと第2TFD要素73bとによって構成されている。これらのTFD要素73a及び73bは、第1金属86、絶縁層87及び第2金属88を積層することによって形成されている。第1TFD要素73aの第2金属88はライン配線72の第3層93から延びている。また、第2TFD要素73bの第2金属88はドット電極63aにつながっている。ライン配線72からドット電極63aへ向けて電気信号が流れることを考えれば、その電流方向に従って、第1TFD要素73aでは第2電極88→絶縁膜87→第1金属86の順に電気信号が流れ、一方、第2TFD要素73bでは第1金属86→絶縁膜87→第2金属88の順に電気信号が流れる。
つまり、第1TFD要素73aと第2TFD要素73bとの間では電気的に逆向きの一対のTFD要素が互いに直列に接続されている。このような構造は、一般に、バック・ツー・バック(Back-to-Back)構造と呼ばれており、この構造のTFD素子は、TFD素子を1個のTFD要素だけによって構成する場合に比べて、安定した特性を得られることが知られている。なお、TFD素子の安定化がそれ程に必要でない場合には、1つのTFD要素のみでTFD素子を構成しても良い。
図4に戻って、素子基板56に対向するカラーフィルタ基板57は、矢印B方向から見て方形状の基材57aを有する。この基材57aは、素子基板56側の基材56aと同様に偏光ガラスによって形成されている。この基材57aの液晶側の表面には、位相差膜66bがその全面に設けられ、さらにその上に、保護膜67bが設けられる。保護膜67bの上には、図5に示すように、反射膜62が設けられる。この反射膜62は、太陽光、室内光等といった外部光L0であって、素子基板56及び液晶層59を透過した光を反射する要素である。この反射光を拡散光にしたい場合は、反射膜62の表面に凹凸形状を設けることが望ましい。このような凹凸形状は、例えば、反射膜62の下に樹脂層を形成し、その樹脂層の表面に凹凸パターンを形成し、その樹脂層の上に反射膜62を積層することによって形成できる。
反射膜62の上には矢印B方向から見て格子状に遮光部材68が設けられる。そして、この遮光部材68によって囲まれる複数の空間内に着色要素69が設けられる。複数の着色要素69はR,G,B又はC,M,Yのいずれかに着色され、それらの着色要素69は矢印B方向から見て所定の配列、例えばストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列に配列されている。遮光部材68及び着色要素69の上にはオーバーコート層71が設けられ、その上に複数の帯状電極63bが設けられ、さらにその上に配向膜64bが設けられる。この配向膜64bに配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、その配向膜64bの近傍の液晶分子の配向が決められる。
オーバーコート層71は、例えば、エポキシ系又はアクリル系の樹脂材料を塗布及び焼成して形成したり、あるいは、必要に応じて、エポキシ系又はアクリル系の樹脂材料にフォトリソグラフィー処理を施すことによって形成される。また、配向膜64bは、例えば、ポリイミド溶液を塗布及び焼成して形成したり、オフセット印刷によって形成したりする。
帯状電極63bは、例えば、ITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成される。これらの帯状電極63bに関しては、それらの個々が図4の紙面垂直方向に延び、それらの複数本が左右方向に所定間隔をおいて互いに平行に並べられている。つまり、これらの帯状電極63bは、素子基板56上のライン配線78に対して直角の方向に全体としてストライプ状に形成されている。そして、図4の紙面垂直方向に列状に並ぶ複数のドット電極63aと帯状電極63bとが重なる領域は表示のための最小領域である表示用ドット領域Dを構成する。
図5において、反射膜62は、例えば、光反射性の金属材料、例えばAl又はAl合金を材料としてフォトエッチング処理によって形成される。このとき、反射膜62には、個々の表示用ドット領域Dに対応して光通過用の貫通穴、すなわち開口84が設けられる。これらの開口84は、反射膜62に光を透過させる機能を持たせるための構成であるが、この開口84を設ける代わりに反射膜62の厚さを薄くして、光を反射する機能と光を透過させる機能の両方を持たせるようにすることもできる。表示用ドット領域Dのうち、反射膜62が存在する領域Rは反射部を構成し、開口84に対応する領域Tは透過部を構成する。
個々の着色要素69は表示用ドット領域Dに対応して設けられている。着色要素69を用いない白黒表示の場合は1つの表示用ドット領域Dによって1つの画素が形成されるが、本実施形態のように3色の着色要素69を用いてカラー表示を行う構造の場合には、R,G,Bの3色の着色要素69の集まりによって1つの画素が形成される。
図4において、素子基板56はカラーフィルタ基板57の外側へ張り出して、張出し部76を構成している。液晶駆動用IC53はこの張出し部76の表面に実装されている。この実装は、例えば、ACF81を用いたCOG技術を用いて行うことができる。張出し部76の表面には、複数の配線77及び複数の外部接続端子78がフォトエッチング処理によって形成される。複数の配線77の一部は、素子基板56上のライン配線72に直接につながっている。また、複数の配線77の残りの一部は、シール材58の内部に分散されている導通材79を介してカラーフィルタ基板57側の帯状電極63bにつながっている。
図4において、照明装置54は、例えば、透明なプラスチックによって形成された方形状で板状の導光体83と、点状光源としてのLED82とを有する。導光体83のうち液晶パネル52と反対側の面には必要に応じて光反射膜を装着することができる。また、導光体83のうち液晶パネル2に対向する面には必要に応じて光拡散膜を装着することができる。また、光拡散膜の上に、さらに、プリズムシートを装着することもできる。LED82は、図4の紙面垂直方向に複数個、例えば4個程度設けることが望ましい。このように構成された照明装置54は、液晶パネル52を背面から照明するバックライトとして機能する。
図7は、図4の液晶表示装置51の電気的な等価回路を示している。図7において、複数本の走査線63b’が行方向Xに延びるように形成され、さらに、複数本のデータ線72’が列方向Yに延びるように形成されている。走査線63b’は図4の帯状電極63bによって実現され、データ線72’は図4のライン配線72によって実現される。表示用ドット領域Dは走査線63b’とデータ線72’との各交差部分に形成される。各表示用ドット領域Dにおいては、液晶層59と、TFD素子73とが直列に接続されている。本実施形態では、液晶層59が走査線63b’の側に接続され、TFD素子73がデータ線72’の側に接続されている。各走査線63b’は、走査線駆動回路53aによって駆動される。一方、各データ線72’は、データ線駆動回路53bによって駆動される。走査線駆動回路53a及びデータ線駆動回路53bは図4の液晶駆動用IC3によって構成される。液晶駆動用IC3は、共通のICによって両駆動回路53a及び53bを賄うものであっても良いし、あるいは、両駆動回路53a及び53bを個別のICに割り当てても良い。
以上のように構成された液晶表示装置51によれば、図4において、液晶表示装置51が明るい室外や明るい室内に置かれる場合は、太陽光や室内光等といった外部光を用いて反射型の表示が行われる。一方、液晶表示装置51が暗い室外や暗い室内に置かれる場合は、照明装置54をバックライトとして用いて透過型の表示が行われる。
反射型表示を行う場合、図5において、観察側Bの方向から素子基板56を通して液晶パネル52内へ入射した外部光L0は、液晶層59を通過してカラーフィルタ基板57内へ入った後、反射部Rにおいて反射膜62で反射して再び液晶層59へ供給される。他方、透過型表示を行う場合、図4の照明装置54のLED82が点灯し、それからの光が導光体83の光入射面83aから導光体83へ導かれ、さらに、光出射面83bから面状の光として出射する。この出射光は、図5の符号L1で示すように透過部Tにおいて開口84を通って液晶層59へ供給される。
以上のようにして液晶層59へ光が供給される間、素子基板56側のドット電極63aとカラーフィルタ基板57側の帯状電極63bとの間には、走査信号及びデータ信号によって特定される表示用ドット領域Dに所定の電圧が印加され、これにより、液晶層59内の液晶分子の配向がTN構造と垂直配向との間で表示用ドット領域Dごとに制御され、この結果、液晶層59に供給された光が表示用ドット領域Dごとに変調される。この変調された光が、偏光ガラスによって形成された素子基板用素材56aを通過するとき、偏光ガラスの偏光特性に従って表示用ドット領域Dごとに通過を許容又は通過を阻止され、これにより、素子基板56の表面に文字、数字、図形等といった像が表示され、これが、矢印B方向から視認される。このとき、遮光部材68は、表示ドット領域Dの間から光が漏れることを防止するためのブラックマスクとして機能する。
以上に説明したように、本実施形態では、電気光学物質である液晶59を支持する一対の基材である素子基板用基材56a及びカラーフィルタ基板用基材57aを偏光ガラスによって形成した。このため、従来のようにフィルム状の偏光板をガラス基材に貼着等によって装着する必要がなくなった。それ故、本液晶表示装置51によれば、フィルム状の偏光板を用いない分だけ液晶表示装置51の厚さを薄くできる。
また、本実施形態では、液晶59を支持する基材56a及び57aのそのものが偏光ガラスであるので、液晶駆動用IC53等といった付加部品を液晶パネル52に装着する前でも点灯検査を行うことができる。このため、仮に点灯検査の結果が不良であって液晶パネル52を廃棄しなければならない場合でも、その液晶パネル52には液晶駆動用IC3等といった付加部品が装着されていないので、それらの付加部品が無駄に廃棄されることが無くなる。
さらに、本実施形態の液晶表示装置51では基材56a及び57aそれ自体が偏光ガラスで出来ていて、フィルム状の偏光板をガラス基材に貼着する工程が不要となったので、異物の付着の可能性を低減できる。そしてさらに、偏光板の貼着工程が不要となった分だけ製造コストを低くできる。
次に、図8を用いて、図4の液晶表示装置51を製造するための製造方法について説明する。図8の工程P31〜工程P38に至る工程は図4の素子基板56を形成する工程である。また、工程P41〜工程P49に至る工程は図4のカラーフィルタ基板57を形成する工程である。また、工程P51〜工程P58に至る工程はそれらの基板を貼り合わせて製品である液晶表示装置を形成する工程である。
なお、本実施形態では、図4に示す素子基板56及びカラーフィルタ基板57を1つずつ形成するのではなく、素子基板56に関しては、複数の素子基板56を形成できる大きさの面積を有する素子基板用マザー基材を用いて複数の素子基板56を同時に形成する。また、カラーフィルタ基板57に関しては、複数のカラーフィルタ基板57を形成できる大きさの面積を有するカラーフィルタ基板用マザー基材を用いて複数のカラーフィルタ基板57を同時に形成する。これ以降の説明では、素子基板56用のマザー基材を符号56a’で示すことにし、さらに、カラーフィルタ基板57用のマザー基材を符号57a’で示すことにする。
まず、図8の工程P31において、大面積である図4の素子基板用マザー基材56a’を用意する。このマザー基材56a’は、透光性を有する偏光ガラスによって形成されている。この偏光ガラスの構造及び機能は上述の説明と同じである。このマザー基材56a’の表面に位相差膜66aを一様な厚さで全面に形成する。位相差膜66aは、フィルム状の位相差膜66aを貼着によって偏光ガラスの表面に装着したものであっても良いし、あるいは、液状の位相差膜材料を偏光ガラスの表面に塗布又は噴霧することによって形成されたものであっても良い。次に、工程P32において、図4の保護膜67aを一様な厚さで全面に形成する。
次に、工程P33においてTFD素子の形成工程を実行する。具体的には、図6において、ライン配線72の第1層91及びTFD素子73の第1金属86をTa(タンタル)を材料としてフォトエッチング処理によって所定の形状に形成する。次に、ライン配線72の第2層92及びTFD素子73の絶縁層87を陽極酸化処理によって、それぞれ、第1層91及び第1金属86を覆うように形成する。次に、ライン配線72の第3層93及びTFD素子73の第2金属88をCrを材料としてフォトエッチング処理によって、それぞれ、第2層92及び絶縁層87を覆うように形成する。
次に、工程P34において、図6のTFD素子73の第2TFD要素73bの第2金属88に重なるようにドット電極63aをITOを材料としてフォトエッチング処理によって所定の形状に形成する。次に、工程P35において、図4の配向膜64aをポリイミド等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成する。次に、工程P36において、図4の配向膜64aにラビング処理を施して配向性を付与する。次に、工程P37において、図4のシール材58をエポキシ系樹脂を材料として印刷等によって形成し、さらに、工程P38において図4の配向膜64aの上にスペーサ61を分散する。以上により、大面積の素子基板用マザー基材56a’の上に素子基板56の複数個分の膜要素が形成されて、素子基板56側の大面積のマザー基板が形成される。
他方、図8の工程P41において、大面積である図4のカラーフィルタ基板用マザー基材57a’を用意する。このマザー基材57a’も、透光性の偏光ガラスによって形成されている。このマザー基材57a’の表面に位相差膜66bを一様な厚さで全面に形成する。この位相差膜66bも、フィルム状のものを貼着して形成したり、液状のものを塗布又は噴霧することによって形成できる。次に、工程P42において、図4の保護膜67bを一様な厚さで全面に形成する。
次に、工程P43において、反射膜62をAlやAl合金等を材料としてフォトエッチング処理によって形成する。このとき、表示用ドット領域Dごとに開口84を形成する。次に、工程P44において、遮光部材68をCrを材料としてフォトエッチング処理によって所定のパターン、本実施形態の場合は表示用ドット領域Dの周りを埋めるような格子状パターン、に形成する。次に、工程P45において、図4の着色要素69をR,G,Bの各色ごとに順々に形成する。例えば、各色の顔料や染料を感光性樹脂に分散させて成る着色材料をフォトリソグラフィー処理によって所定のドット配列に形成する。
次に、工程P46において、遮光部材68及び着色要素69の上にオーバーコート層71をアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成する。次に、工程P47において、図4の帯状電極63bをITO(Indium Tin Oxide)を材料としてフォトエッチング処理によって形成する。次に、工程P48において、配向膜64bをポリイミド等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成し、さらに、工程P49において、配向膜64bに対して配向処理としてのラビング処理を行う。以上により、大面積のカラーフィルタ基板用マザー基材57a’の上にカラーフィルタ基板57の複数個分の膜要素が形成されて、カラーフィルタ基板57側の大面積のマザー基板が形成される。
以上のようにして2つのマザー基板、すなわち、素子基板56側のマザー基板とカラーフィルタ基板57側のマザー基板とが形成されると、その後、図8の工程P51において、それら両方の基板をアライメント、すなわち位置合わせして、さらに両者を貼り合わせる。次に、工程P52において、図4のシール材58を加熱、紫外線照射等によって硬化させて、両マザー基板を接着する。これにより、図4の液晶パネル52であって未だ液晶59が封止されていない状態の液晶パネル52を複数個含む状態の大面積のパネル構造体が形成される。
次に、上記の大面積のパネル構造体を、工程P53において、1次切断、すなわち1次ブレイクして、図4の液晶パネル52の複数個が1列に並んだ状態で含まれる中面積のパネル構造体、いわゆる短冊状のパネル構造体を複数、形成する。シール材58には、予め、その適所に開口が形成されており、上記の1次ブレイクによって短冊状のパネル構造体が形成されると、そのシール材58の開口が外部へ露出する。次に、工程P54において、上記のシール材の開口を通して各液晶パネル部分の内部へ液晶、本実施形態の場合はTN液晶を注入する。その注入の完了後、シール材の開口を樹脂によって封止する。
次に、工程P55において、2回目の切断、すなわち2次ブレイクを行い、短冊状のパネル構造体から図4に示す個々の液晶パネル52を切り出す。次に、工程P56において、必要に応じて、点灯検査を行い、製造した液晶パネル52の品質の良否をチェックする。この検査で不良品と判断された液晶パネル52は製造工程から廃棄される。次に、工程P57において、図4の液晶駆動用IC53を素子基板56の張出し部76に実装する。次に、工程P58において、照明装置54を液晶パネル52に取り付ける。これにより、液晶表示装置51が完成する。
以上のように、本実施形態の電気光学装置の製造方法によれば、素子基板用基材56a及びカラーフィルタ基板用基材57aのそれら自体が偏光ガラスによって形成されるので、それらの基材にフィルム状の偏光板を装着する必要がない。それ故、この電気光学装置によれば、偏光板を用いない分だけ液晶表示装置の外観形状を薄く形成できる。
ところで、従来の液晶表示装置の製造方法では、図4の素子基板用基材56a及びカラーフィルタ基板用基材57aは普通の透明ガラスによって形成されていた。この従来の場合には、図8のIC実装工程P57の後に、フィルム状の偏光板をそれらの基材56a及び57aの外側の表面に貼着していた。つまり、液晶駆動用IC53は偏光板を装着する前に実装されていた。また、FPC等といった液晶駆動用IC53以外の付加部品を液晶パネルに付設する場合には、それらの付加部品も、液晶駆動用IC53と同様に、偏光板を装着する前に液晶パネルに取り付けられていた。
一般に、液晶パネルの品質の良否を検査する際には、その液晶パネルを実際に点灯させ、このときに得られる表示の良否に基づいて液晶パネルの良否を判定している。透明ガラスによって形成した基材の表面にフィルム状の偏光板を貼着する構造の従来の液晶パネルに関しては、偏光板を貼着する前には点灯検査が出来ないので、偏光板を液晶パネルに貼着した後にその点灯検査を行っていた。しかしながら、液晶パネルに偏光板を貼着するということは、そのときには既に液晶駆動用IC53やFPC等も液晶パネルに取り付けられているということである。従って、点灯検査の結果、液晶パネルが良品であると判定されたときには問題はないが、液晶パネルが不良品であると判定されたときには、既に液晶パネルに取り付けられている液晶駆動用ICやFPCやその他の付加部品も不良の液晶パネルと共に廃棄されることになり、非常に不経済であった。
このことに関し、本実施形態のように素子基板用基材56a及びカラーフィルタ基板用基材57aのそれら自体を偏光ガラスによって形成すれば、その後の工程では偏光板を装着する必要はなく、点灯検査は必要に応じていつでも出来る。本実施形態では、図8に示すように、2次ブレイク工程P55が終了して個々の液晶パネルが切り出された後であって、IC実装工程P57を行う前に、個々の液晶パネルに対して点灯検査を実施する。こうすれば、点灯検査の結果、液晶パネルが不良であると判定された場合には、その液晶パネルだけを廃棄すれば済み、液晶駆動用IC等といった付加部品を一緒に廃棄しなくて済む。このため、部品コストを低減できる。
さらに、従来の液晶表示装置の製造方法では、フィルム状の偏光板を基材へ装着する際に異物が付着するおそれがあった。これに対し、本実施形態の液晶表示装置では、偏光板を基材に装着する工程が無くなるので、そのような異物の付着の可能性を低減でき、さらに製造コストを低くできる。
(電気光学装置及びその製造方法の第3実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置及びその製造方法を、スイッチング素子としてアモルファスシリコンTFT(Thin Film Transistor)素子を用いるアクティブマトリクス方式であって、透過型であって、さらにカラー表示が可能である液晶表示装置に適用した場合を例に挙げて説明する。なお、本発明がその実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。また、図1に示した液晶表示装置1で用いられる要素と同じ要素については、説明の重複を避けるために詳しい説明を省略する。
図9において、本実施形態の液晶表示装置101は、液晶パネル102に液晶駆動用IC103を実装し、さらに液晶パネル102に照明装置104を組み付けることによって形成される。観察者は矢印B方向から表示を視認する。なお、液晶パネル102には必要に応じてその他の部品要素、例えばFPCが装着される。
液晶パネル102は、素子基板106とカラーフィルタ基板107とをシール材108で貼り合わせることによって形成される。シール材108は、矢印B方向から見て正方形又は長方形、すなわち方形の環状に形成されている。素子基板106とカラーフィルタ基板107との間に形成されたセルギャップ内には電気光学物質としての液晶、例えばTN液晶が封入されて液晶層109が形成されている。セルギャップは、球状のスペーサ111によって一定の間隔に保持される。
素子基板106は矢印B方向から見て方形状の基材106aを有する。この基材106aは透光性を有する偏光ガラスによって形成されている。この基材106aの液晶側の表面には、位相差膜116aがその全面に設けられ、さらにその上に、保護膜117aが設けられる。さらに、保護膜117aの上に、アクティブ素子又はスイッチング素子又は非線形抵抗素子としてのTFT素子123が複数個設けられ、さらに、個々のTFT素子123にドット電極113aが付設される。複数のドット電極113aは、例えばITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成され、矢印B方向から見てドットマトリクス状に並ぶ。
TFT素子123及びドット電極113aの上には配向膜114aが形成される。そして、この配向膜114aに配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、その配向膜114aの近傍の液晶分子の配向が決められる。配向膜114aは、例えば、ポリイミド溶液を塗布及び焼成して形成したり、オフセット印刷によって形成したりする。
本実施形態で用いるTFT素子123はアモルファスシリコンTFTであり、このTFT素子123は、図10に示すように、ゲート電極136、ゲート絶縁膜137、a−Si(アモルファスシリコン)等によって形成された半導体層138、ソース電極139、そしてドレイン電極141を有する。ドレイン電極141は、その一端が半導体層138に接続し、その他端がドット電極113aに接続する。ソース電極139は図10の紙面垂直方向に延びるソース電極線139’の一部として形成されている。また、ゲート電極136は、ソース電極線139’と直角の方向すなわち図10の左右方向に延びるゲート電極線136’から延びている。
図9に戻って、素子基板106に対向するカラーフィルタ基板107は、矢印B方向から見て方形状の基材107aを有する。この基材107aは、素子基板106側の基材106aと同様に透光性を有する偏光ガラスによって形成されている。この基材107aの液晶側の表面には、位相差膜116bがその全面に設けられ、さらにその上に、保護膜117bが設けられる。保護膜117bの上には、図10に示すように、遮光部材118が矢印B方向から見て格子状に設けられる。そして、この遮光部材118によって囲まれる複数の空間内に着色要素119が設けられる。複数の着色要素119はR,G,B又はC,M,Yのいずれかに着色され、それらの着色要素119は矢印B方向から見て所定の配列、例えばストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列に配列されている。
遮光部材118及び着色要素119の上にはオーバーコート層121が設けられ、その上に共通電極113bが設けられ、さらにその上に配向膜114bが設けられる。共通電極113bは、例えば、ITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成される。この共通電極113bは基材107a上に一様な厚さで形成された面状電極である。上記の配向膜114bには配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、その配向膜114bの近傍の液晶分子の配向が決められる。
オーバーコート層121は、例えば、エポキシ系又はアクリル系の樹脂材料を塗布及び焼成して形成したり、あるいは、必要に応じて、エポキシ系又はアクリル系の樹脂材料にフォトリソグラフィー処理を施すことによって形成される。また、配向膜114bは、例えば、ポリイミド溶液を塗布及び焼成して形成したり、オフセット印刷によって形成したりする。
次に、図9において、素子基板106上に形成された複数のドット電極113aは矢印B方向から見てドットマトリクス状に配列する。これらのドット電極113aは矢印B方向から見て共通電極113bと重なっている。このようにドット電極113aと共通電極113bとが重なる領域は表示のための最小領域である表示用ドット領域Dを構成する。カラーフィルタ基板107上の個々の着色要素119は表示用ドット領域Dに対応して設けられている。着色要素119を用いない白黒表示の場合は1つの表示用ドット領域Dによって1つの画素が形成されるが、本実施形態のように3色の着色要素69を用いてカラー表示を行う構造の場合には、R,G,Bの3色の着色要素119の集まりによって1つの画素が形成される。
図9において、素子基板106はカラーフィルタ基板107の外側へ張り出して、張出し部126を構成している。液晶駆動用IC103はこの張出し部126の表面に実装されている。この実装は、例えば、ACF131を用いたCOG技術を用いて行うことができる。張出し部126の表面には、複数の配線127及び複数の外部接続端子128がフォトエッチング処理によって形成される。複数の配線127の一部は、素子基板106上のソース電極線139’(図10参照)及びゲート電極線136’に直接につながっている。また、複数の配線127の残りの一部は、シール材108の内部に分散されている導通材129を介してカラーフィルタ基板107側の共通電極113bにつながっている。
図9において、照明装置104は、例えば、透明なプラスチックによって形成された方形状で板状の導光体133と、点状光源としてのLED132とを有する。導光体133のうち液晶パネル102と反対側の面には必要に応じて光反射膜を装着することができる。また、導光体133のうち液晶パネル102に対向する面には必要に応じて光拡散膜を装着することができる。また、光拡散膜の上に、さらに、プリズムシートを装着することもできる。LED132は、図9の紙面垂直方向に複数個、例えば4個程度設けることが望ましい。このように構成された照明装置104は、液晶パネル102を背面から照明するバックライトとして機能する。
図11は、図9の液晶表示装置101の電気的な等価回路を示している。図11において、複数本の走査線136’が行方向Xに延びるように形成される。また、複数本のデータ線139’が列方向Yに延びるように形成されている。走査線136’は図10のゲート電極線136’によって実現され、データ線139’は図4のソース電極線139’によって実現される。表示用ドット領域Dは走査線136’とデータ線139’との各交差部分に形成される。各表示用ドット領域Dにおいては、TFT素子123とドット電極113aとが直列に接続されている。各走査線136’は、走査線駆動回路103aによって駆動される。一方、各データ線139’は、データ線駆動回路103bによって駆動される。走査線駆動回路103a及びデータ線駆動回路103bは図9の液晶駆動用IC103によって構成される。液晶駆動用IC103は、共通のICによって両駆動回路103a及び103bを賄うものであっても良いし、あるいは、両駆動回路103a及び103bを個別のICに割り当てても良い。
走査信号はTFT素子123のゲートへ送られ、データ信号はTFT素子123のソースへ送られる。TFT素子123がON状態になると、対応するドット電極103aへの通電が成されて対応する表示用ドット領域D内の液晶への書き込みが行われる。また、引き続いてTFT素子123がOFF状態になると、書き込まれた状態が保持される。この一連の書き込み動作及び保持動作により、液晶分子がTN構造と垂直配向との間で制御される。
以上のように構成された液晶表示装置101によれば、図9において、照明装置104のLED132が点灯すると、それからの光が導光体133の光入射面133aから導光体133へ導かれ、さらに、光出射面133bから面状の光として出射する。そして、この出射光が素子基板106を透過して液晶層109へ供給される。
こうして液晶層109へ光が供給される間、素子基板106側のドット電極113aとカラーフィルタ基板107側の共通電極113bとの間には、走査信号及びデータ信号によって規定される所定の電圧が表示用ドット領域Dごとに印加され、これにより、液晶層109内の液晶分子の配向がTN構造と垂直配向との間で表示用ドット領域Dごとに制御され、この結果、液晶層109に供給された光が表示用ドット領域Dごとに変調される。この変調された光が、偏光ガラスによって形成されたカラーフィルタ基板用素材107aを通過するとき、偏光ガラスの偏光特性に従って表示用ドット領域Dごとに通過を許容又は通過を阻止され、これにより、カラーフィルタ基板107の表面に文字、数字、図形等といった像が表示され、これが、矢印B方向から視認される。このとき、遮光部材118は、表示ドット領域Dの間から光が漏れることを防止するためのブラックマスクとして機能する。
以上に説明したように、本実施形態では、電気光学物質である液晶109を支持する一対の基材である素子基板用基材106a及びカラーフィルタ基板用基材107aを偏光ガラスによって形成した。このため、従来のようにフィルム状の偏光板をガラス基材に貼着等によって装着する必要がなくなった。それ故、本液晶表示装置101によれば、フィルム状の偏光板を用いない分だけ液晶表示装置101の厚さを薄くできる。
また、本実施形態では、液晶109を支持する基材106a及び107aのそのものが偏光ガラスであるので、液晶駆動用IC103等といった付加部品を液晶パネル102に装着する前でも点灯検査を行うことができる。このため、仮に点灯検査の結果が不良であって液晶パネル102を廃棄しなければならない場合でも、その液晶パネル02には液晶駆動用IC103等といった付加部品が装着されていないので、それらの付加部品が無駄に廃棄されることが無くなる。
さらに、本実施形態の液晶表示装置101では基材106a及び107aそれ自体が偏光ガラスで出来ていて、フィルム状の偏光板をガラス基材に貼着する工程が不要となったので、異物の付着の可能性を低減できる。そしてさらに、偏光板の貼着工程が不要となった分だけ製造コストを低くできる。
次に、図12を用いて、図9の液晶表示装置101を製造するための製造方法について説明する。図12の工程P61〜工程P68に至る工程は図9の素子基板106を形成する工程である。また、工程P71〜工程P78に至る工程は図9のカラーフィルタ基板107を形成する工程である。また、工程P81〜工程P88に至る工程はそれらの基板を貼り合わせて製品である液晶表示装置を形成する工程である。
なお、本実施形態では、図9に示す素子基板106及びカラーフィルタ基板107を1つずつ形成するのではなく、素子基板106に関しては、複数の素子基板106を形成できる大きさの面積を有する素子基板用マザー基材を用いて複数の素子基板106を同時に形成する。また、カラーフィルタ基板107に関しては、複数のカラーフィルタ基板107を形成できる大きさの面積を有するカラーフィルタ基板用マザー基材を用いて複数のカラーフィルタ基板107を同時に形成する。これ以降の説明では、素子基板106用のマザー基材を符号106a’で示すことにし、さらに、カラーフィルタ基板107用のマザー基材を符号107a’で示すことにする。
まず、図12の工程P61において、大面積である図9の素子基板用マザー基材106a’を用意する。このマザー基材106a’は、透光性を有する偏光ガラスによって形成されている。この偏光ガラスの構造及び機能は上述の説明と同じである。このマザー基材106a’の表面に位相差膜116aを一様な厚さで全面に形成する。位相差膜116aは、フィルム状の位相差膜116aを貼着によって偏光ガラスの表面に装着したものであっても良いし、あるいは、液状の位相差膜材料を偏光ガラスの表面に塗布又は噴霧することによって形成されたものであっても良い。次に、工程P62において、図9の保護膜117aを一様な厚さで全面に形成する。
次に、工程P63において図10のTFT素子123をフォトエッチング処理等を用いて所定の積層構造に形成する。次に、工程P64において、図10のTFT素子123のドレイン電極141に重なるようにドット電極113aをITOを材料としてフォトエッチング処理によって所定の形状に形成する。次に、工程P65において、図10の配向膜114aをポリイミド等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成する。次に、工程P66において、図10の配向膜114aにラビング処理を施して配向性を付与する。次に、工程P67において、図9のシール材108をエポキシ系樹脂を料として印刷等によって形成し、さらに、工程P68において図9の配向膜114aの上にスペーサ111を分散する。以上により、大面積の素子基板用マザー基材106a’の上に素子基板106の複数個分の膜要素が形成されて、素子基板106側の大面積のマザー基板が形成される。
他方、図12の工程P71において、大面積である図9のカラーフィルタ基板用マザー基材107a’を用意する。このマザー基材107a’も、透光性を有する偏光ガラスによって形成されている。このマザー基材107a’の表面に位相差膜116bを一様な厚さで全面に形成する。この位相差膜116bも、フィルム状のものを貼着して形成したり、液状のものを塗布又は噴霧することによって形成できる。次に、工程P72において、図9の保護膜117bを一様な厚さで全面に形成する。
次に、工程P73において、図9の遮光部材118をCrを材料としてフォトエッチング処理によって所定のパターン、本実施形態の場合は表示用ドット領域Dの周りを埋めるような格子状パターン、に形成する。次に、工程P74において、図9の着色要素119をR,G,Bの各色ごとに順々に形成する。例えば、各色の顔料や染料を感光性樹脂に分散させて成る着色材料をフォトリソグラフィー処理によって所定のドット配列に形成する。
次に、工程P75において、遮光部材118及び着色要素119の上にオーバーコート層121をアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成する。次に、工程P76において、図9の共通電極113bをITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成する。次に、工程P77において、配向膜114bをポリイミド等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィー処理によって形成し、さらに、工程P78において配向処理としてのラビング処理を行う。以上により、大面積のカラーフィルタ基板用マザー基材107a’の上にカラーフィルタ基板107の複数個分の膜要素が形成されて、カラーフィルタ基板107側の大面積のマザー基板が形成される。
以上のようにして2つのマザー基板、すなわち、素子基板106側のマザー基板とカラーフィルタ基板107側のマザー基板とが形成されると、その後、図12の工程P81において、それら両方の基板をアライメント、すなわち位置合わせして、さらに両者を貼り合わせる。次に、工程P82において、図9のシール材108を加熱、紫外線照射等によって硬化させて、両マザー基板を接着する。これにより、図9の液晶パネル102であって未だ液晶109が封止されていない状態の液晶パネル102を複数個含む状態の大面積のパネル構造体が形成される。
次に、上記の大面積のパネル構造体を、工程P83において、1回目の切断、すなわち1次ブレイクして、図9の液晶パネル102の複数個が1列に並んだ状態で含まれる中面積のパネル構造体、いわゆる短冊状のパネル構造体を複数、形成する。シール材108には、予め、その適所に開口が形成されており、上記の1次ブレイクによって短冊状のパネル構造体が形成されると、そのシール材108の開口が外部へ露出する。次に、工程P84において、上記のシール材の開口を通して各液晶パネル部分の内部へ液晶、本実施形態の場合はTN液晶を注入する。その注入の完了後、シール材の開口を樹脂によって封止する。
次に、工程P85において、2回目の切断、すなわち2次ブレイクを行い、短冊状のパネル構造体から図9に示す個々の液晶パネル102を切り出す。次に、工程P86において、必要に応じて、点灯検査を行い、製造した液晶パネル102の品質の良否をチェックする。この検査で不良品と判断された液晶パネル102は製造工程から廃棄される。次に、工程P87において、図9の液晶駆動用IC103を素子基板106の張出し部126に実装する。次に、工程P88において、照明装置104を液晶パネル102に取り付ける。これにより、液晶表示装置101が完成する。
以上のように、本実施形態の電気光学装置の製造方法によれば、素子基板用基材106a及びカラーフィルタ基板用基材107aのそれら自体が偏光ガラスによって形成されるので、それらの基材にフィルム状の偏光板を装着する必要がない。それ故、この電気光学装置によれば、偏光板を用いない分だけ液晶表示装置の外観形状を薄く形成できる。
ところで、従来の液晶表示装置の製造方法では、図9の素子基板用基材106a及びカラーフィルタ基板用基材107aは普通の透明ガラスによって形成されていた。この従来の場合には、図12のIC実装工程P87の後に、フィルム状の偏光板をそれらの基材106a及び107aの外側の表面に貼着していた。つまり、液晶駆動用IC103は偏光板を装着する前に実装されていた。また、FPC等といった液晶駆動用IC103以外の付加部品を液晶パネルに付設する場合には、それらの付加部品も、液晶駆動用IC103と同様に、偏光板を装着する前に液晶パネルに取り付けられていた。
一般に、液晶パネルの品質の良否を検査する際には、その液晶パネルを実際に点灯させ、このときに得られる表示の良否に基づいて液晶パネルの良否を判定している。透明ガラスによって形成した基材の表面にフィルム状の偏光板を貼着する構造の従来の液晶パネルに関しては、偏光板を貼着する前には点灯検査が出来ないので、偏光板を液晶パネルに貼着した後にその点灯検査を行っていた。しかしながら、液晶パネルに偏光板を貼着するということは、そのときには既に液晶駆動用IC103やFPC等も液晶パネルに取り付けられているということである。従って、点灯検査の結果、液晶パネルが良品であると判定されたときには問題はないが、液晶パネルが不良品であると判定されたときには、既に液晶パネルに取り付けられている液晶駆動用ICやFPCやその他の付加部品も不良の液晶パネルと共に廃棄されることになり、非常に不経済であった。
このことに関し、本実施形態のように素子基板用基材106a及びカラーフィルタ基板用基材107aのそれら自体を偏光ガラスによって形成すれば、その後の工程では偏光板を装着する必要はなく、点灯検査は必要に応じていつでも出来る。本実施形態では、図12に示すように、2次ブレイク工程P85が終了して個々の液晶パネルが切り出された後であって、IC実装工程P87を行う前に、個々の液晶パネルに対して点灯検査を実施する。こうすれば、点灯検査の結果、液晶パネルが不良であると判定された場合には、その液晶パネルだけを廃棄すれば済み、液晶駆動用IC等といった付加部品を一緒に廃棄しなくて済む。このため、部品コストを低減できる。
さらに、従来の液晶表示装置の製造方法では、フィルム状の偏光板を基材へ装着する際に異物が付着するおそれがあった。これに対し、本実施形態の液晶表示装置では、偏光板を基材に装着する工程が無くなるので、そのような異物の付着の可能性を低減でき、さらに製造コストを低くできる。
(電気光学装置及びその製造方法に関するその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、上記実施形態では、TN型及びSTN型の液晶を用いたが、これに代えて、BTN(Bi-stable Twisted Nematic)型や強誘電型等といったメモリ性を有する双安定型の液晶や、高分子分散型の液晶を用いることもできる。また、分子の長軸方向と短軸方向とで可視光の吸収に異方性を有する染料(いわゆる、ゲスト)を一定の分子配列の液晶(いわゆる、ホスト)に溶解して、染料分子を液晶分子と平行に配列させたGH(ゲストホスト)型の液晶を用いることもできる。
また、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する、という垂直配向(いわゆる、ホメオトロピック配向)の液晶を用いることもできる。また、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する、という平行配向又は水平配向(いわゆる、ホモジニアス配向)の液晶を用いることもできる。
また、スイッチング素子としてのTFTもアモルファスシリコンに限らずポリシリコンを用いたTFTでも良い。
また、上記実施形態では電気光学装置として液晶表示装置を例示したが、本発明は、有機EL装置、無機EL装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールドエミッションディスプレイ装置(すなわち、電界放出表示装置)等といった各種の電気光学装置にも適用できる。
(電子機器の実施形態)
以下、本発明に係る電子機器を実施形態を挙げて説明する。なお、この実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図13は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、表示情報出力源151、表示情報処理回路152、電源回路153、タイミングジェネレータ154及び液晶表示装置155によって構成される。そして、液晶表示装置155は液晶パネル156及び駆動回路157を有する。
表示情報出力源151は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ154により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路152に供給する。
次に、表示情報処理回路152は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路157へ供給する。ここで、駆動回路157は、走査線駆動回路やデータ線駆動回路と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路153は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
液晶表示装置155は、例えば、図1に示した液晶表示装置1や、図4に示した液晶表示装置51や、図9に示した液晶表示装置101等を用いて構成できる。液晶表示装置1,51,101等においては、液晶を支持する基材を透光性の偏光ガラスによって形成することにより、液晶表示装置の厚さを薄くでき、駆動用IC等といった部品を節約でき、液晶パネルへの異物の付着を低減でき、さらに製造コストを低減できる等といった効果を得ることができた。従って、この液晶表示装置を用いた電子機器においては、電気光学装置回りのスペースを節約でき、電気光学装置に関する部品を節約でき、異物の付着を低減でき、さらに製造コストを低減できる等といった効果が得られる。
図14は、本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機160は、ヒンジ161を中心として折り畳み可能な第1ボディ162aと第2ボディ162bとを有する。そして、第1ボディ162aには、液晶表示装置163と、受話口164と、アンテナ166とが設けられる。また、第2ボディ162bには、複数の操作ボタン167と、送話口168とが設けられる。液晶表示装置163を、図1に示した液晶表示装置1や、図4に示した液晶表示装置51や、図9に示した液晶表示装置101等を用いて構成すれば、液晶を支持する基材を偏光ガラスによって形成することに起因して、電気光学装置回りのスペースを節約でき、電気光学装置に関する部品を節約でき、異物の付着を低減でき、さらに製造コストを低減できる等といった効果が得られる。
(変形例)
なお、電子機器としては、以上に説明した携帯電話機等の他にも、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末器等が挙げられる。
本発明に係る電気光学装置は、携帯電話機、携帯情報端末機、その他の電子機器で各種の表示を行う際に表示用の機器として好適に用いられる。また、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、偏光板を利用する電気光学装置を製造する際に好適に用いられる。また、本発明に係る電子機器は携帯電話機、携帯情報端末機等といった民生機器や、計測器その他の工業用機器等として用いられる。
本発明に係る電気光学装置の一実施形態を示す断面図である。 図1に示す電気光学装置の要部を示す断面図である。 図1に示す電気光学装置の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明に係る電気光学装置の他の実施形態を示す断面図である。 図4に示す電気光学装置の要部を示す断面図である。 図4に示す電気光学装置で用いるスイッチング素子を示す斜視図である。 図4に示す電気光学装置の等価回路を示す図である。 図4に示す電気光学装置の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。 図9に示す電気光学装置の要部を示す断面図である。 図9に示す電気光学装置の等価回路を示す図である。 図9に示す電気光学装置の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る電子機器の他の実施形態を示すブロック図である。
符号の説明
1,51,101.液晶表示装置(電気光学装置)、
2,52,102.液晶パネル(電気光学パネル)、
3,53,103.液晶駆動用IC、 4,54,104.照明装置、
6.反射基板、 56,106.素子基板、 6a,56a,106a.基材、
6a’、56a’106a’.マザー基材、
7,57,107.カラーフィルタ基板、 7a,57a,107a.基材、
7a’57a’,107a’.マザー基材、 8,58,108.シール材、
9,59,109.液晶層、 11,61,111.スペーサ、 12,62.反射膜、
13a,13b,63a,63b,113a,113b.電極、
14a,14b,64a,64b,114a,114b.配向膜、
16,66a,66b,116a,116b.位相差膜、
17,67a,67b,117a,117b.保護膜、
18,68,118.遮光部材、 19,69,119.着色要素、
21,71,121.オーバーコート層、 73.TFD素子、 123.TFT素子、
160.携帯電話機(電子機器)、 D.表示ドット領域、 L0.外部光、
L1.透過光、 R.反射部、 T.透過部

Claims (5)

  1. 電気光学物質と、該電気光学物質に電圧を印加する電極と、前記電気光学物質及び前記電極を支持する基材とを有し、該基材は偏光ガラスによって形成されることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1記載の電気光学装置において、前記基材の前記電気光学物質側の表面又は前記基材の前記電気光学物質と反対側の表面に位相差膜を設けたことを特徴とする電気光学装置。
  3. 基材上に電極を形成する工程と、前記基材上に電気光学物質を層状に形成する工程とを有し、前記基材は偏光ガラスによって形成されることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  4. 請求項3記載の電気光学装置の製造方法において、前記基材の表面に塗布又は噴霧によって位相差膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110346961A (zh) * 2019-07-04 2019-10-18 上海索倍信息科技有限公司 一种基于3d光学的反光偏振玻璃

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