JP2006000917A - 歯車の転造方法および転造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイクルタイムを短縮でき且つ工具寿命を長期化可能な歯車の転造方法および転造装置を提供する。
【解決手段】 転造を行う複数の加工歯3A〜3Cを外周部に備えたローラダイス2を円板状のワークWに対して同期回転させつつ所定の押込速度でワークW外周部に押込むことにより、ローラダイス2の加工歯3A〜3Cで前記円板状のワークWの外周部に対して転造を行ない歯車状部材を転造する歯車の転造方法において、先ず、完成歯形の所望の圧力角よりも大きい圧力角の加工歯3Aを備えたローラダイス2Aにより中間段階の転造歯W2を創成する第1工程と、次いで、前記第1工程で創成した転造歯W2に、完成歯形の所望の圧力角の加工歯3B、3Cを備えたローラダイス2B、2Cにより転造歯3B、3Cを創成する第2工程と、を備えるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、歯車の転造方法および転造装置に関し、特に、ローラダイスと円板状ワークとを噛み合わせて同期回転させることにより歯形を創成するようにした歯車の転造方法および転造装置に関するものである。
従来からローラダイスと円板状ワークとを噛み合わせて同期回転させることにより歯形を創成するようにした歯車の転造方法および転造装置は提案されている(特許文献1参照)。
これは、円板状のワークを挟んでローラダイスと対向配置されるバックアップローラに歯形拘束溝と逃げ溝とを並設し、それらをローラ自体のシフト動作によって選択切換可能とし、歯形転造中はワーク側の歯形の側面を歯形拘束溝にて加圧拘束する。そして、転造末期に至ったならばバックアップローラのシフト動作により歯形拘束溝から逃げ溝に切り換え、歯形の側面を拘束することなく切断ローラにて余肉部を切断することにより、歯形転造の末期に、創成された歯形の歯底面側に余肉部を打ち込んでしまうのを未然に防ぐようにしている。
特開2002−331331号公報
しかしながら、上記従来例では、ローラダイスの歯形形状を一工程で成形しようとする歯車の仕上形状を得る創成形状に形成されているため、ローラダイスのワークへの加工度が過大となり、ローラダイスの加工歯が欠けやすく工具寿命が短い、サイクルタイムが長い等の不具合があった。また、圧力角が小さい歯車を創成する場合には、創成歯先の先端に欠肉を生ずる不具合がある。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、サイクルタイムを短縮でき且つ工具寿命を長期化可能な歯車の転造方法および転造装置を提供することを目的とする。
本発明は、転造を行う複数の加工歯を外周部に備えたローラダイスを円板状のワークに対して同期回転させつつ所定の押込速度でワーク外周部に押込むことにより、ローラダイスの加工歯で前記円板状のワークの外周部に対して転造を行ない歯車状部材を転造する歯車の転造方法において、先ず、完成歯形の所望の圧力角よりも大きい圧力角の加工歯を備えたローラダイスにより中間段階の転造歯を創成する第1工程と、次いで、前記第1工程で創成した転造歯に、完成歯形の所望の圧力角の加工歯を備えたローラダイスにより転造歯を創成する第2工程と、を備えるようにした。
したがって、本発明では、完成歯形の所望の圧力角よりも大きい圧力角の加工歯を備えたローラダイスにより中間段階の転造歯を創成する第1工程と、次いで、前記第1工程で創成した転造歯に、完成歯形での所望の圧力角の加工歯を備えたローラダイスにより転造歯を創成する第2工程とにより歯車を転造するため、第1工程のローラダイスを高剛性とでき、高い加工度に対しても高い耐久性を保持でき工具寿命を長くでき、第2工程では第1工程で創成した転造歯を修正転造するものであり、高い加工度を必要とせず効率的に完成歯形を得ることができ、単一のローラダイスで転造する場合に比較してサイクルタイムを短縮することができる。
以下、本発明の歯車の転造方法および転造装置を一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1は本実施形態の歯車の転造方法を含む歯車製作の各工程を説明する工程図、図2は本実施形態の歯車の転造装置の概略図、図3〜図5は各ローラダイスの加工歯の形状を示す正面図、図6〜図19は歯車の転造過程を示す説明図である。
図1において、本実施形態の歯車の製造方法は、工程(A)に示すように、先ず、厚肉の鋼板を円形に打ち抜き加工することによりブランク材Wを製作する。次いで、工程(B)に示すように、ブランク材Wの外周部および図示しない取付ボス部等を除いてその他の部分の板厚をプレスよりなる段差成形機によりコイニング加工を施して薄肉化させる。さらに、工程(C)に示すように、スピニング加工機よりなる増肉成形機により外周部を押し潰して外周部に歯形転造可能に増肉してリム部W1を形成し、歯車転造が可能な歯車素材を得る。そして、工程(D)において、ローラダイスを工程(C)で得た歯車素材のリム部W1の外周に押し当て両者を同期回転させることにより歯車素材のリム部W1外周に転造歯形を創成する。さらに、工程(E)により、歯車のチャンファ面等の機械加工が実施されて歯車として完成させるようにしている。このチャンファ面の加工は、転造歯車が常時噛合状態で使用されるのでなく、必要時にのみスライドされて他の歯車と噛合う場合、例えば、エンジンのスタータ歯車等に使用される場合に付加される。
前記工程(D)での歯車の転造装置は、図2に示すように、ワークWを挟圧保持して回転させる主軸として機能する一対のマンドレル1A、1Bと、マンドレル1A、1Bにより回転される歯車素材としてのワークWと同期回転しつつワークW外周に加工歯3A〜3Cを押付けてワークW外周に転造歯W2を創成するローラダイス2と、ローラダイス2と対向した位置においてマンドレル1A、1B外周に接触して連れ回り回転しつつワークW外周に創成される転造歯W2の幅方向のはみ出しを規制する側面拘束ローラ4とを備える。
前記マンドレル1A、1Bは、加工対象となる円板状のワークWを、そのリム部W1が一方のマンドレル1A先端に嵌合させた状態で挟圧保持するよう互いに同一軸線上に位置するよう配置されて一対の主軸1を備える。前記一対の主軸1は、軸方向に進退可能に配置され、互いに先端同士を離間させて開くことでワークWを着脱可能とし、互いに接近させることによりワークWを挟圧保持可能であり、保持状態で回転駆動することでワークWを回転駆動する。
前記ローラダイス2は、前記マンドレル1A、1Bの主軸1と平行な軸5上に軸5と共に回転するよう保持され、外周部には加工歯3A〜3Cを備える。前記軸5は、マンドレル1A、1Bの主軸1と同期して回転し且つ主軸1に対して接近離脱方向に移動可能に構成され、主軸1への接近移動によりローラダイス2の加工歯3A〜3CをワークW外周に押し当ててワークW外周を塑性変形させてワークW外周に転造歯W2を創成するよう機能する。前記ローラダイス2は、粗ダイス2A、中間ダイス2Bおよび仕上ダイス2Cの順に軸上に固定して配置され、創成工程毎に横(軸方向)に移動させることにより粗ダイス2Aから中間ダイス2Bおよび仕上ダイス2Cと切換えて使用する。各ダイス2A〜2CはワークWのリム部W1の幅より充分大きな幅を備えている。
前記粗ダイス2Aは、ワークW外周に歯形の基本形状を創成する比較的加工度の高い加工を施すものであり、加工歯3Aに加わる転造負荷の最も高い加工を行うことなる。このため、その加工歯3Aは、図3に示すように、圧力角(歯直角圧力角、くさび角度ともいう)が比較的大きく、円弧状の歯先を備え、しかも、比較的狭い歯底により歯元厚さの大きい山形の歯形を備えるよう形成している。このように歯元厚さが大きく圧力角の比較的大きい山形の加工歯3Aは、加工されるワークWとローラダイス2との歯形位相合せの機能を備え、創成時のワークW外周への押込み時に生ずる曲げ負荷に対して高い強度を備えるものとでき、高い耐久性を発揮する。また、円弧状の歯先はワークWに形成する転造歯W2とのなじみを良好として転造歯W2にまくれ込み等を生じさせないようにしている。前記圧力角は創成されたワークWの転造歯W2の内部にまくれ傷等の内部欠陥が発生しない適正な角度を試行実験などにより予め導き出して設定する。
前記中間ダイス2Bは、粗ダイス2AによりワークW外周に創成された転造歯W2に対して、修正を加えて転造歯W2の基本プロフィールを決定するものである。このため、その加工歯3Bは、図4に示すように、比較的小さい圧力角を備え且つ歯先および歯底の幅を拡大した円弧状として備え、ワークW外周に創成される転造歯W2の歯先幅および歯元幅を製品形状に一層近似させるようにしている。ワークW外周の粗ダイス2Aにより創成された転造歯形は、中間ダイス2Bにより歯底部が拡幅され、その余肉が歯先に押し戻して歯先を拡幅させるよう修正される。
前記仕上ダイス2Cは、中間ダイス2Bにより創成された転造歯W2に対して、最終修正を加えて製品形状と同一形状にするものである。このため、その加工歯3Cは、図5に示すように、製品形状とは歯先と歯底とが入れ替わっているが、製品形状と同一形状を備えるよう構成している。図示例では、転造歯W2の歯先をより平坦にするよう、加工歯3Cの歯底面の形状を顕著に変更している。
前記側面拘束ローラ4は、前記ローラダイス2と対向した位置においてマンドレル1A、1B外周に接触してマンドレル1A、1Bにより連れ回り回転されるよう配置され、ローラダイス2からワークWに加えられる転造荷重を主軸1と共に受止める。側面拘束ローラ4の外周には、転造歯車のリム部W1と同一幅に形成した円周溝4Aを備え、円周溝4AをワークW外周のリム部W1に係合させることによりワークWのリム部W1にローラダイス2により転造歯形が創成される際に転造歯形の幅方向へはみ出した余肉をリム部W1側へ戻してワークWのリム形状を整えるように機能する。
以上の構成の歯車の転造方法および転造装置の動作について以下に説明する。
転造装置の離反している左右のマンドレル1A、1B間に工程(C)で成形した歯車素材のリム部W1をいずれか一方のマンドレル1A先端に嵌合させ、左右のマンドレル1A、1Bを前進させ、リム部W1の内周側をマンドレル1A、1Bの先端同士により挟圧してワークWを保持させる。次いで、側面拘束ローラ4の円周溝4Aとマンドレル1A、1Bに保持されたワークWのリム部W1との軸方向位置を合せて、側面拘束ローラ4の外周をマンドレル1A、1B外周に押し当て、側面拘束ローラ4の円周溝4A内にワークWのリム部W1を嵌合させる。
次いで、マンドレル1A、1Bを回転駆動させる。マンドレル1A、1Bの回転により保持されたワークWが回転されると共にマンドレル1A、1Bに接している側面拘束ローラ4も回転される。ワークWのリム部W1は側面拘束ローラ4の円周溝4Aにその一部を入り込ませつつ回転する。
次いで、粗ダイス2Aの加工歯3AがワークWのリム部W1と重なるようローラダイス2を軸方向に位置合せし、図2に示すように、粗ダイス2AをワークWのリム部W1外周に押し当てて押込んでゆく。リム部W1外周は粗ダイス2Aの加工歯3Aとの噛合いにより、図6に示すように、外周が加工歯3Aと係合する部分で窪まされ、その余肉が残余の部分で盛上げられて創成されてゆく。押込み初期においては、加工歯3AとワークWとの接触が断続的に行われるため、転造荷重の発生が間歇的となり、振動が発生しやすいため、押込み速度を高めて、早めに連続的な接触へ移行することが望ましい。また、加工歯3Aによるリム部W1外周への転造加工は、リム部W1の側方(軸方向)への余肉のはみ出しを伴い、はみ出した余肉はリム部W1が側面拘束ローラ4の円周溝4Aと係合する際に円周溝4Aによりリム部W1内方に押し戻される。粗ダイス2Aの押込み量が規定された位置に達した段階(加工歯3Aのピッチ円PAとワークWに創成された転造歯車のピッチ円Pとが互いに接触して回転している段階)で押込みを停止させ、次いで、ローラダイス2をワークWから離反させると、粗ダイス2Aにより創成されたリム部W1外周には、図7に示すように、粗ダイス2Aの加工歯3Aと同様の輪郭を備えた転造歯W2が形成(転写)される。
次に、ローラダイス2の中間ダイス2Bの加工歯3BがワークWのリム部W1と重なるようローラダイス2を軸方向に位置合せし、図8に示すように、中間ダイス2BをワークWのリム部W1外周に押し当てて押込んでゆく。中間ダイス2Bの加工歯3Bの歯先はリム部W1外周の転造歯W2の歯底と、また、加工歯3Bの歯底はリムW1外周の転造歯W2の歯先と、夫々噛合う。鎖線は中間ダイス2Bの加工歯3Bのピッチ円PBとリム部W1外周の転造歯W2のピッチ円Pを夫々示している。
さらに、中間ダイス2Bを押込むと、図9に示すように、加工歯3Bの歯先によりリム部W1外周の転造歯W2の歯底部分に食い込み、歯底を拡大させると共にその余肉が矢印に示すようにリムW1外周の転造歯W2の歯先側にせり上げられ、歯先を太らせてゆく。また、加工歯3Bによる転造加工によりリム部W1の側方(軸方向)へはみ出した余肉はリム部W1が側面拘束ローラ4の円周溝4Aと係合する際に円周溝4Aによりリム部W1内方に押し戻される。そして、加工歯2Bのピッチ円PBとワークWに創成された転造歯W2のピッチ円Pとが互いに接触して回転する状態となる中間ダイス2Bの押込み量が規定された位置に達した段階では、図10に示すように、リム部W1外周の転造歯W2の歯底が予め規定された量まで窪ませられ、その窪みによりはみ出した余肉が歯先を予め設定した太さに太らされている。また、粗ダイス2Aにより形成された歯先の先端も中間ダイス2Bの加工歯3Bの歯底により押し潰されて押し戻され、前記余肉と共に新たな歯先を形成する。この段階で、押込みを停止させ、次いで、ローラダイス2をワークWから離反させると、中間ダイス2Bにより創成されたリム部W1外周には、図11に示すように、中間ダイス2Bの加工歯3Bと同様の輪郭を備えた転造歯W2が形成(転写)される。
この創成工程において、粗ダイス2Aの加工歯3Aの圧力角は創成されたワークWの転造歯W2の内部にまくれ傷等の内部欠陥が発生しない適正な角度を試行実験などにより予め導き出して設定するものであるが、粗ダイス2Aの加工歯3Aの圧力角が適正な圧力角から小さい側にずれた場合や大きい側にずれた場合には、中間ダイス2Bの加工歯3Bによる転造歯W2の創成時に下記のような現象を生じる。
即ち、粗ダイス2Aの加工歯3Aの圧力角を適正角度より小さく設定する場合には、図12に示すように、中間ダイス2Bの加工歯3Bの歯先により押上げる余肉量aが増大して中間ダイス2Bの加工歯3Bの歯底を充満させる量bより大きくなるため、中間ダイス2Bの加工歯3Bに加わる転造負荷が上昇して中間ダイス2Bの寿命が低下する。そして、粗ダイス2Aの加工歯3Aの圧力角を更に小さくして中間ダイス2Bの圧力角に近接させると、中間ダイス2Bの加工歯を押込む際に、図13(A)に示すように、粗ダイス2Aの加工歯3Aで形成した転造歯W2の歯面を中間ダイス2Bの加工歯3Bの歯面により転造歯W2の歯底側へ掻き下ろすよう押込む現象cが生じ、図13(B)に示すように、まくれ傷dとなり、内部欠陥となって歯車としての使用時に歯面剥離の原因となる。
また、逆に粗ダイス2Aの加工歯3Aの圧力角を適正角度より大きく設定する場合には、図14に示すように、中間ダイス2Bの加工歯3Bの歯先により押上げる余肉量aが減少して中間ダイス2Bの加工歯3Bの歯底を充満させる量bより少なくなるため、得られる転造歯W2の歯先部分に欠肉を発生させる。また、図15に示すように、中間ダイス2Bの加工歯3Bの歯先が粗ダイス2Aにより創成された転造歯W2の歯面に嵌りあった際に、嵌りあった転造歯W2の歯先側においては歯面の肉を歯先側にまくれ上げ(e参照)、嵌りあった転造歯W2の歯底側においては歯面の肉を歯底側に掻き下ろし(f参照)、いずれの部分においても、図16に示すように、まくれ傷gを生じさせる。また、図14に示すように、粗ダイス2Aによる転造歯W2の歯丈が低くなるため、中間ダイス2Bの加工歯3Bで成形する際の肉の移動量が増加し、中間ダイス2Bの寿命が低下する。
次に、ローラダイス2の仕上ダイス2Cの加工歯3CがワークWのリム部W1と重なるようローラダイス2を軸方向に位置合せし、図17に示すように、仕上ダイス2CをワークWのリム部W1外周に押し当てて押込んでゆく。さらに、仕上ダイス2Cを押込むと、加工歯3Cの歯底によりリム部W1外周の転造歯W2の歯先部分の形状が修正され、歯先を太らせてゆく。また、加工歯3Cによる転造加工によりリム部W1の側方(軸方向)へはみ出した余肉はリム部W1が側面拘束ローラ4の円周溝4Aと係合する際に円周溝4Aによりリム部W1内方に押し戻される。そして、加工歯3Cのピッチ円とワークWに創成された転造歯W2のピッチ円とが互いに接触して回転する状態となる仕上ダイス2Cの押込み量が規定された位置に達した段階では、図18に示すように、リム部W1外周の転造歯W2の歯先が予め規定された幅まで膨らまされ予め設定した歯先幅となる。この段階で、押込みを停止させ、次いで、ローラダイス2をワークWから離反させると、仕上ダイス2Cにより創成されたリム部W1外周には、図19に示すように、仕上ダイス2Cの加工歯3Cと同様の輪郭を備えた転造歯W2が形成(転写)される。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)転造を行う複数の加工歯3A〜3Cを外周部に備えたローラダイス2を円板状のワークWに対して同期回転させつつ所定の押込速度でワークW外周部に押込むことにより、ローラダイス2の加工歯3A〜3Cで前記円板状のワークWの外周部に対して転造を行ない歯車状部材を転造する歯車の転造方法において、先ず、完成歯形の所望の圧力角よりも大きい圧力角の加工歯3Aを備えたローラダイス2Aにより中間段階の転造歯W2を創成する第1工程と、次いで、前記第1工程で創成した転造歯W2に、完成歯形の所望の圧力角の加工歯3B、3Cを備えたローラダイス2B、2Cにより転造歯3B、3Cを創成する第2工程と、を備えるようにした。このため、第1工程のローラダイス2Aを高剛性とでき、高い加工度に対しても高い耐久性を保持でき工具寿命を長くでき、第2工程では第1工程で創成した転造歯W2を修正転造するものであり、高い加工度を必要とせず効率的に完成歯形を得ることができ、単一のローラダイスで転造する場合に比較してサイクルタイムを短縮することができる。
(イ)第2工程は、前記第1工程で創成した転造歯W2に完成歯形の基本形状を付与する加工歯3Bを備えたローラダイス2Bにより転造歯W2を創成する基本工程と、前記基本工程で創成した転造歯W2に完成歯形と同じ歯形を付与する加工歯3Cを備えたローラダイス2Cにより転造歯W2を創成する完成工程とからなるため、第1工程で得られる転造歯W2を一度に完成歯に修正する場合に比較して各ローラダイス2A〜2Cによる加工度を低くでき、まくれ込みや欠肉等の不具合の発生を抑制できる。
(ウ)第1工程のローラダイス2Aの加工歯3Aは、円弧状の歯先と比較的狭い歯底により歯元厚さの大きい山形の歯形を備えるため、加工されるワークWとローラダイス2との歯形位相合せの機能を備え、創成時のワークW外周への押込み時に生ずる曲げ負荷に対して高い強度を備えるものとでき、高い耐久性を発揮する。また、円弧状の歯先はワークWに形成する転造歯W2とのなじみを良好として転造歯W2にまくれ込み等を生じさせないようにできる。
(エ)第1工程に続く第2工程のローラダイス2B、2Cの加工歯3B、3Cは、第1工程のローラダイス2Aの加工歯3Aに対して歯先および歯底の幅を拡大して円弧状とした歯形を備え、前記第1工程に続く第2工程では、第1工程での転造歯W2の歯底を押し広げてその余肉を歯先へ押し戻すものであるため、圧力角の小さい完成歯であっても、歯先先端に欠肉を生じさせることなく創成することができる。
(オ)円板状のワークWの転造歯W2の創成時に転造歯W2の軸方向に生ずる余肉は、ローラダイス2と対向する位置においてワークW若しくはワークWを回転保持しているマンドレル1A、1Bに接して回転している側面拘束ローラ4に設けた円周溝4Aの側壁にワークW外周の側面を係合させることにより加圧拘束するため、側面拘束ローラ4の円周溝4Aを創成される転造歯W2に合致させて、転造荷重をバックアップしながら積極的に転造歯形の歯側面を加圧拘束でき、転造歯形の形状精度を高めることができる。
本発明の一実施形態の歯車の転造方法を含む歯車製作の各工程を説明する工程図。 本実施形態の歯車の転造装置の概略図。 粗ダイスの加工歯の形状を示す正面図。 中間ダイスの加工歯の形状を示す正面図。 仕上ダイスの加工歯の形状を示す正面図。 粗ダイスによる創成状態を示す説明図。 粗ダイスにより創成された転造歯の断面図。 中間ダイスによる転造歯への押込み初期の状態を示す説明図。 中間ダイスによる転造歯への押込み中期の状態を示す説明図。 中間ダイスによる転造歯への押込み終期の状態を示す説明図。 中間ダイスにより創成された転造歯の断面図。 粗ダイスの圧力角が適正角度より小さい場合における中間ダイスの押込み時における状態を示す説明図。 図12より更に粗ダイスの圧力角を小さくした場合における中間ダイスの押込み時における状態を示す説明図(A)および転造歯の状態を示す断面図(B)。 粗ダイスの圧力角が適正角度より大きい場合における中間ダイスの押込み時における状態を示す説明図。 粗ダイスの圧力角が適正角度より大きい場合における中間ダイスの押込み時の転造歯の創成状態を示す説明図。 図15における転造歯の状態を示す断面図。 仕上ダイスによる転造歯への押込み初期の状態を示す説明図。 仕上ダイスによる転造歯への押込み終期の状態を示す説明図。 仕上ダイスにより創成された転造歯の断面図。
符号の説明
W ワーク
W1 リム部
W2 転造歯
1 主軸
1A、1B マンドレル
2 ローラダイス
2A 粗ダイス(第1工程のローラダイス)
2B 中間ダイス(第2工程のローラダイス、基本工程のローラダイス)
2C 仕上ダイス(第2工程のローラダイス、完成工程のローラダイス)
3A〜3C 加工歯
4 側面拘束ローラ
4A 円周溝

Claims (6)

  1. 転造を行う複数の加工歯を外周部に備えたローラダイスを円板状のワークに対して同期回転させつつ所定の押込速度でワーク外周部に押込むことにより、ローラダイスの加工歯で前記円板状のワークの外周部に対して転造を行ない歯車状部材を転造する歯車の転造方法において、
    先ず、完成歯形の所望の圧力角よりも大きい圧力角の加工歯を備えたローラダイスにより中間段階の転造歯を創成する第1工程と、
    次いで、前記第1工程で創成した転造歯に、完成歯形の所望の圧力角の加工歯を備えたローラダイスにより転造歯を創成する第2工程と、を備えることを特徴とする歯車の転造方法。
  2. 前記第2工程は、前記第1工程で創成した転造歯に完成歯形の基本形状を付与する加工歯を備えたローラダイスにより転造歯を創成する基本工程と、前記基本工程で創成した転造歯に完成歯形と同じ歯形を付与する加工歯を備えたローラダイスにより転造歯を創成する完成工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の歯車の転造方法。
  3. 前記第1工程のローラダイスの加工歯は、円弧状の歯先と比較的狭い歯底により歯元厚さの大きい山形の歯形を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歯車の転造方法。
  4. 前記第1工程に続く第2工程のローラダイスの加工歯は、第1工程のローラダイスの加工歯に対して歯先および歯底の幅を拡大して円弧状とした歯形を備え、
    前記第1工程に続く第2工程では、第1工程での転造歯の歯底を押し広げてその余肉を歯先へ押し戻すものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の歯車の転造方法。
  5. 前記円板状のワークへの転造歯の創成時に転造歯の軸方向に生ずる余肉は、ローラダイスと対向する位置においてワーク若しくはワークを回転保持しているマンドレルに接して回転している側面拘束ローラに設けた円周溝の側壁にワーク外周の側面を係合させることにより加圧拘束することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の歯車の転造方法。
  6. 転造を行う複数の加工歯を外周部に備えたローラダイスを一対のマンドレルにより挟持した円板状のワークに対して同期回転させつつ所定の押込速度でワーク外周部に押込むことにより、ローラダイスの加工歯で前記円板状のワークの外周部に対して転造を行ない歯車状部材とする歯車の転造装置であり、
    前記ワークを挟んでローラダイスと対向するように配置されて、ローラダイスとともにワークに圧接して回転することによりローラダイスによる転造荷重をバックアップしながら転造歯形の側面に生じる余肉を円周溝の側壁により押し戻す側面拘束ローラと、
    完成歯形の所望の圧力角よりも大きい圧力角の加工歯を備えて中間段階の転造歯を創成するダイスと、完成歯形での所望の圧力角の加工歯を備えて中間段階の転造歯の歯形形状を修正して完成歯形に近づけるダイスとを切換え可能としたローラダイスと、を備えることを特徴とする歯車の転造装置。
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