JP2005526707A - 4級塩フェノレート溶液を製造する方法と、反応混合物から4級塩フェノレート溶液を再生しリサイクルする方法 - Google Patents

4級塩フェノレート溶液を製造する方法と、反応混合物から4級塩フェノレート溶液を再生しリサイクルする方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、水酸化物水溶液、ヒドロキシ芳香族化合物及び有機溶媒の存在下、四級塩を反応性抽出することによって、有機溶媒中で脱プロトン化ヒドロキシ芳香族化合物からのアニオンと四級カチオン溶液を製造する方法に関し、更に、反応混合物から四級塩フェノレート溶液をリサイクルする方法に関する。

Description

本発明は、水酸化物水溶液、ヒドロキシ芳香族化合物及び有機溶媒の存在下、4級塩を反応性抽出することによって、有機溶媒中の脱プロトン化したヒドロキシ芳香族化合物から、アニオンと4級カチオンの溶液を製造する方法に関し、更に、反応混合物から、4級塩フェノレート溶液をリサイクルする方法に関する。
4級カチオンと脱プロトン化したヒドロキシ芳香族化合物の塩、特に4級塩フェノレート溶液は、塩基、触媒又は反応成分として、種々の有機反応に使用することができる。そのような塩は、市販されておらず、それらの遊離体は、相当高価なので、それらの塩の合成方法と反応混合物からそれらを回収する方法が求められている。
ドイツ国特許明細書 DE A 19858967 はテトラブチルアンモニウムフェノレートの液体配合物の製造方法を開示する。テトラブチルアンモニウムブロマイドのフェノール溶液とナトリウムフェノレートのフェノール溶液を混合して、過剰のフェノールを蒸留で除去し、臭化ナトリウムを濾過で除去する。
この方法の短所は、第一にフェノールを蒸留で除去しなければならないことであり、相当量のエネルギーを必要とすることである。第二に臭化ナトリウムは、極めて細かい結晶性沈殿として生じ得るので、分離が困難となり得ることである。従って、より装置を必要としない、より単純な方法を案出することが望まれている。更に、本発明の目的は、反応混合物から4級カチオンフェノレート塩の回収に関する。従って、方法は、4級カチオンフェノレート溶液をリサイクルできるような方法で、反応混合物を再処理する可能性も提供するべきである。
この目的について検討する間に、驚くべきことに、たとえ一段階の抽出であったとしても、やっかいな副生成物を生ずることなく、驚くほど高い抽出収率で、有機4級塩フェノレート溶液のほとんど定量的な転化を行うことができる、極めて簡単な反応性抽出方法を見出した。
従って、本発明は、4級カチオン(Qn+)とヒドロキシ芳香族化合物(R−(OH))から、塩(Qn+[(O)−R]の有機溶液を製造する方法であって、
水酸化物Mr+(OH、少なくとも一種の4級塩(Qn+[Ym−、R−(OH)の水溶液と、及び水と完全には混和しない少なくとも一種の溶媒を十分に接触させ、
その後、(Qn+[(O)−R]を含み場合によりR−(OH)及び/又は(Qn+[Ym−を含む有機相から、水相を分離することを特徴とする製造方法を提供する。
本発明は、反応混合物から4級塩を回収し、塩(Qn+[(O)−R]及び(Qn+[Ym−の混合物の有機溶液としてリサイクルする方法であって、

1.一又はそれ以上の4級塩(Qn+[Ym−
2.ヒドロキシ芳香族化合物R−(OH)
3.及び場合により、一又はそれ以上の有機溶媒
を中に含んで成る混合物を下記のように反応させることを特徴とする方法:

a)水酸化物Mr+(OHの水溶液と4級塩(Qn+[Ym−を含む有機溶液を十分に接触させ、その後、(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Ym−及び/又はR−(OH)を含む有機相から、水相を分離する
b)場合により存在するR−(OH)及び/又は(Qn+[Ym−と一緒に、この有機溶液に含まれる(Qn+[(O)−R]を、場合により追加の再処理工程の後に反応に戻す。
本発明は、4級カチオン(Qn+)とヒドロキシ芳香族化合物(R−(OH))から、塩(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Y(1)m−の有機溶液を製造する方法であって、
少なくとも二種の異なる4級塩(Qn+[Y(1)m−と(Qn+[Y(2)p−を有する水酸化物Mr+(OHの水溶液と、水と完全には混和しない少なくとも一の溶媒を十分に接触させた後、(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Y(1)m−を含む有機相から、水相を分離することを特徴とする製造方法を提供する。
(Qn+[Y(1)m−と(Qn+[Y(2)p−は、(Qn+[Ym−によって規定される多数の化合物からの二種の化合物であり、mとpは、同じでも異なっていてもよい、自然数である。mは、pより小さいことが好ましい。ハライド(又はハロゲン化物イオン:X)とサルフェート(又は硫酸イオン:SO 2−)は、Y(1)m−とY(2)p−の好ましい組み合わせであり、ブロマイド(又は臭化物イオン:Br)とサルフェートは、特に好ましい。
発明を実施するための形態
対となる4級カチオンQn+に関しては、本発明について使用される4級塩は、典型的には式(XR を有する化合物であって、Xは、Va又はVIa族からの原子を表し、oは、0〜4の整数を表し、Rは、互いに独立して、C〜C18のアリール基、C〜C18のアラルキル基又はC〜C20のアルキル基を表し、nは自然数を表す。
一般的にいうと、それらは例えば、有機基で置換されたアンモニウム、グアニジニウム、ホスホニウム又はスルホニウムイオン、及び場合によりそれらの混合物である。文字nは、自然数を示す。n>1を有するオリゴマーも使用され得るが(この場合、(n−1)R基は、二つのX間の架橋として機能する)、モノマーのイオン(n=1)が好ましい。
有機基として、C〜C18のアリール基、C〜C18のアラルキル基又はC〜C20アルキル基を有するアンモニウムイオン、グアニジウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン及びスルホキソニウムイオンは、本発明に基づく方法に使用するために適する。各々の場合に置換基は、全てが同じでも異なっていてもよく、それら自身が置換されていてもよい。いずれかの二つの置換基は環生成(又は形成)していてもよく、複数の4級カチオンの混合物を場合により用いることもできる。
次のイオンを例として、列挙できる:テトラメチルアンモニウム、テトラ−n−エチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、ジ−n−デシルジメチルアンモニウム、ジ−n−オクタデシルジメチルアンモニウム、トリ−n−デシルメチルアンモニウム、N−メチル−N−デシルモルホリニウム、N−メチルメチルピロリジニウム、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチルピペリジニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラ−n−エチルホスホニウム、テトラ−n−プロピルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム、ジ−n−デシルジメチルホスホニウム、ジ−n−オクタデシルジメチルホスホニウム、トリ−n−デシルメチルホスホニウム、ベンジルトリブチルホスホニウム、フェニルトリメチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、ヘキサエチルグアニジニウム、テトラメチルビスヘキシルグアニジニウム。
テトラアルキルアンモニウムイオン、テトラアリールアンモニウムイオン、テトラアルキルホスホニウムイオン、テトラアリールホスホニウムイオン及びヘキサアルキルグアニジニウムイオンが好ましく用いられる。テトラブチルもしくはテトラフェニルアンモニウムイオン又はテトラブチルもしくはテトラフェニルホスホニウムイオンが特に好ましく用いられ、テトラブチルアンモニウムイオン又はテトラフェニルホスホニウムイオンが最も特に好ましく用いられる。
4級カチオンの対アニオンYm−として、例えば、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、ハイドロジェンホスフェート(hydrogen phosphate)、ジハイドロジェンホスフェート(dihydrogen phosphate)、テトラフルオロボレート、過塩素酸イオン、カルボン酸イオン又はヘキサフルオロホスフェートを使用できる。mは自然数を示す。異なるアニオンの混合物を使用することができる。ハロゲン化物イオンが好ましく、特に臭化物イオンが好ましい。
ヘキサアルキルグアニジニウムハライド、テトラアルキルアンモニウムハライド及びテトラアリールホスホニウムハライドが好ましく、テトラブチルアンモニムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド及びテトラブチルホスホニウムブロマイドが特に好ましい。そのような4級塩の量は、反応混合物の量を基準として、例えば、0.01〜30重量%であってよい。この量は、0.5〜15重量%であることが好ましく、1〜5重量%であることが特に好ましい。
本発明に基づいて反応されることができる芳香族ヒドロキシ化合物R−(OH)(ここでRは、芳香族基を表し、kは0〜4の整数を表す)は、モノヒドロキシル化芳香族化合物(k=1)、ジヒドロキシル化芳香族化合物(k=2)又はポリヒドロキシル化芳香族化合物(2<k<=4)又はビスフェノール(k=2)(ここで、C〜C18のアルキル基又はシクロアルキル基、C〜C18のアリール基、C〜C18アラルキル基、C〜C18アルコキシ基、フッ素、塩素又は臭素を意味する0〜4の置換基を有し得る)の群から選択される。アルキル、アリール又はアラルキル置換基は、それ自身同様に置換されていてよく、エーテル基、チオエーテル基、ケト基、エポキシ基、ハロゲン、ヘテロ環等の官能基を有することができる。芳香族置換基の環は、環生成でき又は架橋でき、いくつかの残った残基は、環状化合物を生成するために結合することができる。
例えば、フェノール、o−、m−又はp−クレゾール、o−、m−又はp−クロロフェノール、o−、m−又はp−エチルフェノール、o−、m−又はp−プロピルフェノール、o−、m−又はp−tert−ブチルフェノール、o−、m−又はp−イソオクチルフェノール、o−、m−又はp−ステアリルフェノール、メシトール、o−、m−又はp−フェニルフェノール、o−、m−又はp−シクロヘキシルフェノール、o−、m−又はp−メトキシフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等のモノヒドロキシ化合物、レゾルシノール及びヒドロキノン等のジヒドロキシ又はポリヒドロキシ化合物、並びに2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、α,α−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロ(ビス)インダン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、又は2,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノールを例示できる。
異なる芳香族ヒドロキシ化合物の混合物を用いることもできる。モノヒドロキシ化合物を用いることが好ましく、フェノールを用いることが特に好ましい。
水と部分的にのみ混和し、使用される物質に対して不活性な、個々の物質又は物質の混合物を有機溶媒として使用できる。約40〜200℃の間の沸点を有する溶媒が好ましい。誘電率が約25以下の溶媒が好ましく、誘電率が15より小さい溶媒が特に好ましい。不活性な溶媒を、R−(OH)に対して0〜99重量%、好ましくは20〜98重量%、特に好ましくは40〜98重量%の割合で、混合物に含ませることができる。使用量が反応収率と比較して顕著に理論量(又は化学量論的な量)を超える場合、R−(OH)自身を溶媒混合物の成分として使用することができる。
例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、シクロヘキサン、石油エーテル、塩化メチレン、クロロホルム又は1,2−ジクロロメタン等の芳香族溶媒、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素、例えば、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン等の極性アプロティック溶媒(又は極性の非プロトン性溶媒)、エステル、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル及びエーテル化されたグリコール等のエーテルを、溶媒として使用することができ、特にクロロベンゼンが好ましい。
r+(OHは、周期表のIa(r=1)又はIIa(r=2)族の一又はそれ以上の水酸化物を意味する。水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を例示できる。水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムが好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。Mr+(OHは、水溶液又は懸濁液として抽出混合物に加えることができる。別法では、水と一緒に固体として加えることができるが、前者が好ましい。方法は、抽出する前に、水相が7〜14のpHを有することが好ましく、水相が9〜13.5のpHを有することが特に好ましい。
好ましい、特に好ましい又は最も好ましいものとして上述した、パラメーター、化合物、定義及び説明を使用する態様は、好ましい、特に好ましい又は最も特に好ましい。
しかし、一般的な条件又は好ましい範囲について、上述した定義、パラメーター、化合物及び説明も、いずれかの方法で、互いに組み合わせることができる。言い換えれば、個々の範囲及び好ましい範囲に渡って、互いに組み合わせることができる。
反応性抽出の収率について、R−(OH)の理論量を超える添加は、正の影響(又は作用)を有することが、驚くべきことに見出されたので、(Qn+[(O)−R]について本発明に基づく製造方法は、約1.1[r/k]より大きな[R−(OH)]/[Mr+(OH]のモル比で行うことが好ましい。約3.1[r/k]より大きな[R−(OH)]/[Mr+(OH]のモル比で、行うことが特に好ましい。
有機溶液の必要性に応じて、約1〜99.9%の(Qn+[Ym−を、(Qn+[(O)−R]と反応させることができる。未反応の(Qn+[Ym−を、有機相の中に同様に一緒に抽出することができることが、驚くべきことに見出された。例えば、(Qn+[Ym−が、次の反応において、相間移動触媒又はサポート電解質として機能する場合、これは、全く好ましくあり得る。従って、本発明は、(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Ym−の両方を含む有機溶液も提供する。
有機相中の(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Ym−の所望の比に応じて、水酸化物Mr+(OH/(Qn+[Ym−の比は、約0.05[m/r]〜5[m/r]であってよい。比が増加する場合、過剰のR−(OH)が存在するとの条件で、生成する(Qn+[(O)−R]の量は、増加する。驚くべきことに、約1[m/r]の比は、ほぼ完全な転化をするために、通常適当である。より高い比は、通常好ましくないより高いMr+含有量を、有機溶液中にもたらす。
高いMr+含有量は、Mr+を含む塩は一般的に有機溶液に難溶性であり、反応器中に制御できない析出をし得るので、商業的な方法では、厄介なものとなり得る。
驚くべきことに、本発明に基づく製造方法によって製造された溶液のMr+含有量は、約20ppmより低い。約10ppmより低いMr+含有量を有する溶液が好ましく、約5ppmより低いMr+含有量を有する有機溶液が特に好ましい。驚くべきことに、たとえ、水酸化物が理論量を超えて用いられたとしても、即ち、Mr+(OH/(Qn+[Ym−が、約1[m/r]より大きくとも、重大な量の(Mr+[(O)−R]は、有機相に抽出されない。
抽出後、得られた有機溶液を、それらの水吸収能に基づいて、水で飽和させる。水が破壊的効果をもたらす反応に、それらを使用する場合、使用前に乾燥するべきである。例えば、無水塩で乾燥する、ストリップ(stripping)する、モレキュラーシーブを用いる、共沸蒸留等の当業者に既知の方法を使用することができる。
(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Ym−の有機溶液は、例えば、一酸化炭素と酸素を用いるフェノールからジフェニルカーボネートへの直接カルボニル化に必要である。従って、本発明は、酸化的カルボニル化反応について本発明に基づく有機溶液の使用を提供する。
有機相の水相に対する体積比は、広い範囲で選択することができる。相の接触と実際的な理由から、あまりに相違してはおらず、従って、約0.01〜100の有機相の水相に対する体積比が、好ましい。水の体積がより小さいことは、有機相への抽出について正の影響を有し、排水の量を最小にするということが見出された。従って、約0.5〜80の有機相の水相に対する相の比が特に好ましく、約2〜50が特に好ましい。
水相は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物の塩等の追加の電解質を含むことができる。(Mr+(Ym−の存在は、(Qn+[(O)−R]溶液の収率について正の影響を有し得ることまでも、驚くべきことに見出された。従って、好ましい変形は、追加の電解質の存在下で行うことであり、よって、アニオンYm−の金属塩存在下で行うことが、特に好ましい変形であり、(Mr+(Ym−存在下で行うことが最も特に好ましい変形である。
塩(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Ym−の有機溶液を再処理し、リサイクル(又は再利用)するために本発明に基づく方法において、例えばテトラブチルアンモニウムブロマイド等の商業的に入手容易なものを、テトラブチルアンモニウムフェノレートの合成に使用することができる。
フェノールを酸化的直接カルボニル化する場合、例えば、テトラブチルアンモニウムフェノレートを、このフェノレート塩基(Qn+[(O)−R]として使用し、テトラブチルアンモニウムブロマイドを四級塩(Qn+[Ym−として使用する。フェノレートは、例えば副生成物として生成する二酸化炭素による、反応の間に消費され、また部分的又は完全なプロトン化が、再処理(又は再生)工程の間に起こり得るので、フェノレート塩基(Qn+[(O)−R]の再生は、この方法において重要な課題である。他の成分に加え、未反応のヒドロキシ芳香族化合物(R−(OH))、四級ブロマイド(Qn+[Ym−及び溶媒を一般に含む、再処理の間に生成するストリームは、本発明に基づく方法によって全体的に又は部分的に四級フェノレートと反応することができる。
ストリームを分割し、分割したストリームのみを塩基の再生のために全体的に又は部分的に反応させるような方法で、その方法を行うことができる。別法では、全てのストリームを、所望の量のフェノレートに必要な量のMr+(OHと反応させることもできる。特に理論量より少ない状態、即ち、1[m/r]より小さいMr+(OH/(Qn+[Ym−の比の場合、驚くべきことに、反応は、Mr+(OHの量とほとんど定量的に起こることが見出されたので、四級塩フェノレートの所望の量は、調節が相当簡単である。その後、損失を補償するために(Qn+[Ym−のみを反応フィードに加え、(Qn+[(O)−R]の損失を本発明に基づく反応によって完全に埋め合わせるように、処理を制御することができる。
抽出後に、溶液を水で飽和させるので、水が破壊的である反応に使用する前に、工程b)で乾燥することは有意義となり得る。例えば、蒸留による溶媒の除去、R−(OH)の分離、例えばイオン交換又はイオン沈殿による残留含有金属の除去、(Qn+[(O)−R]塩の蒸発、沈降又は再結晶等の他の種類の再処理を、反応中にリサイクルして戻す前に、同様に行うことができる。
工程a)において、Ym−の反応した部分を含む水相を蓄積する。もしこれが、例えばPF 又は臭化物イオン等の価値のあるアニオンの場合、例えば、沈殿生成、揮発性種との反応及び引き続く蒸留、溶媒の蒸留又は他の方法等によって、このアニオンも回収することが有効であり得る。
反応混合物が部分的に水溶性副生成物を含む場合、本発明に基づく方法は、更に、これらの成分を消耗させるために有用である。更に、反応混合物中に触媒成分として存在し得る金属塩を、この抽出の間に水相中に分離することができ、回収することを可能とする。これはエコロジー的又は経済的に有用となり得る。沈殿法もこれらの金属塩を分離するために使用することができる。相当の数の金属イオンを、抽出条件下水酸化物として沈降させる。Ym−との沈殿、又はYm−が多価塩基酸のアニオンを示す場合、それから脱プロトン化して生成するY(m+1)−又はY(m+2)−(例えば、Ym−=ジハイドロジェンホスフェート、m=1、Y(m+1)−=ハイドロジェンホスフェート、Y(m+2)−=ホスフェート)との沈殿も可能であり、場合により金属の単離に使用できる。水相に対する有機相の体積比は、広い範囲で選択することができる。相の接触と実際的な理由から、あまり相違しておらず、従って、約0.01〜100の水相に対する有機相の体積比が、好ましい。上述の理由から、約0.5〜80の有機相の水相に対する相の比が好ましく、特に約2〜50が好ましい。
水相は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物の塩等の追加の電解質を含むことができる。これは、(Qn+[(O)−R]の溶液の収率について正の効果を生じ得、従って、好ましい変形である。追加の電解質として、生成物としても生じ得る(Mr+(Ym−の使用が特に好ましい。抽出後、水相は、再び循環することで抽出フィードストリームのために部分的に使用することが好ましく、又は同じ水相を引き続いて使用し、(Mr+(Ym−を含むパージストリームのみを連続的に除去し、補償Mr+(OHストリームを加える。R−(OH)、(Qn+[Ym−及び(Qn+[(O)−R]の分配(又は分布)平衡は、抽出の際に得られる(Mr+(Ym−の残留液(又はホールドアップ:hold-up)によって、正の影響を受け、廃液の量と一緒に水相内の損失が最小にされる。
別法では、生成物の溶解性が限度を超えている場合、生成物として生成する(Mr+(Ym−を、固体として分離して、排出することができる。
(Qn+[(O)−R]について、本発明に基づく回収方法は、R−(OH)の理論量を超える添加は、反応抽出の収率について正の影響を有することが驚くべきことに見出されたので、約1.1[r/k]より大きな[R−(OH)]/[Mr+(OH]のモル比を用いて行うことが好ましい。約3.1[r/k]より大きな[R−(OH)]/[Mr+(OH]のモル比を用いて行うことが特に好ましい。
水酸化物の四級塩に対する比Mr+(OH/(Qn+[Ym−は、約0.01[m/r]〜5[m/r]であり得、有機相の(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Ym−の所望の比に依存する。比が増加した場合、適当な量のR−(OH)が存在するとの条件で、生成する(Qn+[(O)−R]の量が増加する。驚くべきことに、約1[m/r]の比が、ほとんど完全に転化するために、ふつう適当である。従って、約0.1[m/r]〜1.5[m/r]のMr+(OH/(Qn+[Ym−の比が、好ましい。高い比は、有機溶液中にふつう好ましくないより高いMr+含有量と、R−(OH)の高い損失をもたらす。
この方法は、生成物を生成するために、R−(OH)の存在を必要とする。過剰のR−(OH)は、溶液の製造を容易にする。この方法を多数の反応と一緒に使用することができるが、抽出物としてR−(OH)を使用する反応が好ましい。反応生成物が、例えば、R−(OH)のエステル等の有機エステルである反応も好ましい。例えばジフェニルカーボネート等の炭酸とR−(OH)とのエステルが、特に好ましい。
本発明に基づく(回収)方法によって製造された溶液のMr+含有量が、約20ppmより低いことが、本発明に基づく回収方法について、驚くべきことに見出された。約10ppmより低いMr+含有量を有する溶液が好ましく、約5ppmより低いMr+含有量を有する有機溶液が特に好ましい。
驚くべきことに、二つの四級塩(Qn+[Y(1)m−と(Qn+[Y(2)p−の混合物中で、(Qn+[Y(2)p−が、水酸化物Mr+(OHと、極めて選択的に反応し得ることが見出されたので、本発明は、第三に、塩(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Y(1)m−の有機溶液の選択的製造方法を提供する。(Qn+[Y(1)m−と(Qn+[Y(2)p−は、(Qn+[Ym−によって規定される大変多くの化合物に含まれる異なる二種の化合物であり、mとpは、同じでも異なっていてもよい自然数である。mは、pより小さいことが好ましい。ハロゲン化物イオン(X)と硫酸イオン(又はサルフェート:SO 2−)は、Y(1)m−とY(2)p−の好ましい組み合わせであるが、臭化物イオン(又はブロマイド:Br)と硫酸イオンが特に好ましい。
化合物の選択された化学量論に応じて、(Qn+[(O)−R]、(Qn+[Y(1)m−及び(Qn+[Y(2)p−を含む有機溶液を製造することができ、(Qn+[Y(1)m−/(Qn+[Y(2)p−のモル比を開始時の比と比較して、著しく増加させることができる。更に、場合により、実質的に(Qn+[Y(2)p−を示さず、四級塩(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Y(1)m−のみを含んで成る溶液を製造することができる。使用された(Qn+[Y(1)m−のほとんど全量を、有機相に抽出することができ、又は(Qn+[Y(1)m−の一部を、Mr+(OHと反応させて(Qn+[(O)−R]を、同様に生成させることができる。
四級塩フェノレートの選択的製造方法は、反応混合物の再処理にも有効に使用することができる。有機的に可溶のブロマイド源及びフェノレート塩基を必要とする反応において、例えば、フェノレートの損失を本発明に基づく方法によって、補償することができる。これは、抽出物として高価なブロマイドの使用を必要とせず、代わりにサルフェートを更に追加することができ、ブロマイド源の重大な量の損失なく、フェノレートと選択的に反応する。
本発明に基づく抽出は、一工程で、複数の工程で又は連続的に行うことができる。例えば、向流での抽出等の連続的抽出が通常好ましい。
本発明に基づく製造方法又は回収方法は、−10〜200℃の温度で行うことが好ましく、10〜130℃の温度で行うことがより好ましく、20〜90℃の温度で行うことが特に好ましく、0.1〜200barの圧力下で行うことが好ましく、0.5〜50barの圧力下で行うことがより好ましく、1〜10barの圧力下で行うことが特に好ましい。
本発明に基づく方法に使用することができる抽出方法は、例えば、KIRK-OTHMER, Encyclopedia of Chemical Technology, Forth Edition, Volume 10, 1993, pages 125-181 及び Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Fifth Edition, Volume B3, Unit Operations II, 1988, chapter 6, Liquid-liquid extraction, pages 6-1 to 6-61 に記載されている。
下記の分類される群に含まれる抽出装置を本発明に基づく方法を行うために使用することができる:例えば、エネルギーの入力を要しないカラム、パルスで送られる液体又はパルスするバッフル(又は脈動するバッフル:pulsed baffle)を有するカラム、回転するバッフルを有するカラム、ミキサーセトラー(mixer-settler)、ミキシングノズル、セトラー(又は沈降器)、遠心抽出器等を例示することができる。
上述したエネルギーの入力を要しないカラムとして、例えば、相を分散する際のものと異なる、スプレーカラム(spray column)、充填カラム(packed column)及びシーブ−プラートカラム(sieve-plate column)を例示できる。
上述したパルスで送られる液体又はパルスするバッフルを有するカラムとして、例えば、ピストンポンプを有し、ミシェク(Misek)又はウェプコ(Wepuko)によるパルスするデバイスを有するパルスするシーブ−プレートカラム、パルスする充填カラム、プロチャズカ(Prochazka)又はカール(Karr)によるパルスするシーブ−プレートを有するカラム等を例示することができる。
上述した回転するバッフルを有するカラムとして、例えば、回転するディスク接触器(rotating disc contactor:RDC)、非対称回転ディスク抽出器(Asymmetric rotating disc extractor:ARD)、オールドシュ−ラッシュトン(Oldshue-Rushton)マルチプル−ミキサーカラム、クーニ(Kuehni)抽出器、シャイベル(Scheibel)カラム、SHE抽出器及び グレーサー(Graesser)接触器等を例示することができる。
上述したミキサーセトラーとして、例えば、デイビー・マッキー(Davy McKee)ミキサーセトラー、ルージ(Lurgi)・タワー抽出器(tower extractor)、IMI、ジェネラル・ミル(General Mill)及びデンバー(Denver)よる箱型のミキサーセトラーを例示することができる。
上述した遠心抽出器として、例えば、ポッドビエルニアク(Podbielniak)遠心抽出器及びロバテル(Robatel)遠心抽出器を例示することができる。
抽出器は、単一の抽出器として、平行抽出器として、又は抽出器のカスケードとして、操作することができる。抽出器のカスケードを用いる場合、一又はそれ以上の分類群に含まれる装置を一つのカスケードにて同時に操作することができる。カスケード中の相の制御は、並流で行うことができ、又は向流で行うことが好ましい。
方法は、R−(OH)、(Qn+[Ym−種及び溶媒LMの化学的性質に依存するということ、並びに分配係数及び所望の分離効率に応じて、反応性抽出の動力学について調整した接触時間及び特定の分離の課題に対する適当な理論的分離段数を抽出が示さなければ(又は発揮しなければ)ならないということということも、同様に当業者に既知である。
しかし、一般的に、抽出収率は、通常適当なので、抽出は、単一のミキサーセトラーで行うことが好ましい。
約30分間、相を十分に振とうすることによって抽出を行った。アセトンと内部標準を用いて希釈した後、有機相と水相をガスクロマトグラフィーによって調べ、成分の濃度を測定した。テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB、=(Qn+[Ym−)は、この方法の過程でトリブチルアミンとブチルブロマイドに分解し、それが検出された。テトラブチルアンモニウムフェノレート(TBAP、=(Qn+[(O)−R])とテトラブチルアンモニウムブロマイドとの比は、トリブチルアミンとブチルブロマイドとの比から計算できる;有機相中への抽出収率は、水相(AP)と有機相(OP)中のトリブチルアミンの比から測定される。表中の濃度は、反応性抽出を行う前の値を示す。
例1
250mlのクロロベンゼン中の15gのフェノールと31.5gのテトラブチルアンモニウムブロマイドを、50gのKOH水溶液を用いて、80℃にて一段階で抽出した。結果を表1に示した。
Figure 2005526707
例2
250mlのクロロベンゼン中の15gのフェノールと31.5gのテトラブチルアンモニウムブロマイドを、250gのKOH水溶液を用いて、80℃にて一段階で抽出した。結果を表2に示した。
Figure 2005526707
例3
250mlのクロロベンゼン中の55gのフェノールと31.5gのテトラブチルアンモニウムブロマイドを、50gのNaOH水溶液を用いて、80℃にて一段階で抽出した、結果を表3に示した。
Figure 2005526707
例4
クロロベンゼン中のフェノール溶液381.73gと18.27gのテトラブチルアンモニウムブロマイドを、40gと80gのNaOH水溶液を用いて、80℃にて一段階で抽出した。結果を表4に示した。
Figure 2005526707
全ての試料において、有機相中のナトリウムの含有量は、検出限界の5ppmより低い。
例5
379.1gのクロロベンゼン中の66.6gのフェノールと18.27gのテトラブチルアンモニウムブロマイドを、40gの水中の種々の量のNaOHとNaBrの溶液を用いて、80℃にて一段階で抽出した、結果を表5に示した。
Figure 2005526707
例6
10.0gのテトラブチルアンモニウムブロマイド、11.0gのテトラブチルアンモニウムサルフェート、90gのクロロベンゼンと20.7gのフェノールを、1.52gの固体のNaOHを加えた25.4gの水を用いて20℃にて抽出した。結果は、表6に示した。
Figure 2005526707
有機相は、128.7gであり、69mg/kgのサルフェート含有量を有し、1.8%のブロマイド含有量を有する。水相は、9%のサルフェート含有量である。
例7
10.0gのテトラブチルアンモニウムブロマイド、11.05gのテトラブチルアンモニウムサルフェート、90gのクロロベンゼン及び10.0gのフェノールを、2.76gの固体のNaOHを加えた29gの水を用いて、20℃で抽出した。結果は、表7に纏めた。
Figure 2005526707
有機相は、120.6gであり、1.3%のブロマイド含有量を有し、サルフェート含有量は、検出限界の0.01%以下である。水相は、2.79%のブロマイド含有量と、5.9%のサルフェート含有量を有していた。
例1は、TBABのTBAPへの反応から得られる収率を、水酸化物の量によって制御することができることを示す。驚くべきことに、KOH/TBAB=0.5の比で、水酸化物に対して実質的に定量的な収率で、反応は進む。一つの抽出工程で、両方の4級塩(テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムフェノレート)を、ほとんど定量的に有機相に移すことができる。
例2は、有機相の水相に対する比を変更すると、フェノレートへの反応と抽出収率の両方は、劇的に低下することを示す。
例3と4は、フェノール濃度を増加した場合、4級イオン(TBA)の全量に対するTBAPの収率と抽出収率の両方が増加することを示す。
例5は、臭化ナトリウムの添加は、驚くべきことに、TBAPの生成について何ら悪影響を生じず、有機相に移るナトリウムの量は、驚くべきことに極めて少ないことを示す。逆に、フェノールは、水相によってほとんど抽出されておらず、驚くべきことに、有機相内の含水量は低下する。
例6は、4級サルフェートと4級ブロマイドの混合物にて、水酸化物の理論量を正確に調節することによって、4級サルフェートをフェノレートに極めて選択的に変換することができ、実質的に未反応の4級ブロマイドと一緒に有機相の中に抽出することができることを示した。
例7は、サルフェートの量に対して理論量を超える水酸化物の量を用いると、ブロマイドはフェノレートと更に部分的に反応することができることを示す。フェノール/NaOHの比は好ましくないので、反応と抽出は、定量的ではない。

Claims (10)

  1. 4級カチオン(Qn+)とヒドロキシ芳香族化合物(R−(OH))から、塩(Qn+[(O)−R]の有機溶液を製造する方法であって、
    水酸化物Mr+(OHの水溶液、少なくとも一種の4級塩(Qn+[Ym−、R−(OH)及び水と完全には混和しない少なくとも一種の溶媒を十分に接触させ、
    その後、(Qn+[(O)−R]を含み場合によりR−(OH)及び/又は(Qn+[Ym−を含む有機相から、水相を分離することを特徴とする製造方法。

    ここで、
    ・(Qn+)は、ヘキサアルキルグアジニウムイオン又は式(XR )に対応し、
    Xは、Va又はVIa族の原子を表し、oは、1〜4の整数を表し、Rは、互いに独立して、C〜C18のアルキル又はシクロアルキル、C〜C18のアラルキル、C〜C18のアリールを表し、いずれか二つの置換基Rは、環生成していてもよく、nは自然数を表し、
    ・Ym−は、ハロゲン化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、ハイドロジェンホスフェートイオン、ジハイドロジェンホスフェートイオン、過塩素酸イオン、炭酸水素イオン又は炭酸イオンの群からの一又はそれ以上のイオンを含み、好ましくは塩化物イオン又は臭化物イオンを含み、mは、自然数を表し、
    ・R−(OH)について、Rは、芳香族基を表し、kは、0〜4の整数を表し、
    ・溶媒又は溶媒混合物は、水と部分的にのみ混和し、反応物に対して不活性であり、
    ・Mr+(OHは、周期表のIa(r=1)又はIIa(r=2)族からの一又はそれ以上の水酸化物を表す。
  2. 反応混合物から四級塩を回収し、塩(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Ym−の混合物の有機溶液として、リサイクルする方法であって、
    一又はそれ以上の四級塩(Qn+[Ym−、ヒドロキシ芳香族化合物R−(OH)及び場合により一又はそれ以上の有機溶媒を含んで成る混合物を下記のように反応させることを特徴とする方法:

    a)水酸化物Mr+(OHの水溶液と、四級塩(Qn+[Ym−を含む有機溶液を十分に接触させ、その後、(Qn+[(O)−R]、(Qn+[Ym−及び/又はR−(OH)を含む有機相から、水相を分離し、
    b)場合により存するR−(OH)及び/又は(Qn+[Ym−を伴うこの有機溶液中に含まれる(Qn+[(O)−R]を、場合により追加の再処理工程の後、反応に戻す(ここで、(Qn+)、Ym−、Mr+、r、m、n、R−(OH)、(O)−R及びkは、請求項1に記載した意味を有する)。
  3. 四級カチオン(Qn+)とヒドロキシ芳香族化合物R−(OH)から、塩(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Y(1)m−の有機溶液を製造する方法であって、
    少なくとも二つの異なる四級塩(Qn+[Y(1)m−と(Qn+[Y(2)p−を有する水酸化物Mr+(OHの水溶液と、水と完全には混和しない少なくとも一の溶媒を、十分に接触させ、
    その後、塩(Qn+[(O)−R]と(Qn+[Y(1)m−を含む有機相から、水相を分離する(ここで、(Qn+)、Ym−、Mr+、r、m、n、R−(OH)、(O)−R及びkは、請求項1に記載した意味を有し、pは自然数を意味する)ことを特徴とする製造方法。
  4. R−(OH)と水酸化物Mr+(OHとの間のモル比[R−(OH)]/[Mr+(OH]は、約1.1[r/k]より大きい請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. r+(OHの(Qn+[Ym−に対する比は、約0.05[m/r]〜3[m/r]である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 有機溶液は、約20ppmより低いMr+含有量を示す請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  7. n+は、有機基で置換されたスルホニウムイオン、グアニジウムイオン、ホスホニウムイオン又はアンモニウムイオンの群からの少なくとも一の要素を表す請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  8. 反応は、ジフェニルカーボネートの製造であって、Mr+(OHは、NaOHを表し、R−(OH)は、フェノールを表し、少なくとも一の要素は、Ym−ブロマイドと対応する請求項2に記載の方法。
  9. 抽出混合物は、少なくとも一の追加の電解質を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  10. 追加の電解質の含有量は、抽出物水溶液の部分的な再利用によって調節される請求項9に記載の方法。

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