JP2005523911A - 2,6−ジハロプリンの製造方法 - Google Patents

2,6−ジハロプリンの製造方法 Download PDF

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Abstract

式[Ia]または[Ib]の化合物をハロシラン化合物およびジアゾ化剤と反応させることにより、簡便に、かつ式[II]の2,6−ジハロプリンを容易に単離することができ、より収率よく、2,6−ジハロプリンを製造することができる。
【化1】
Figure 2005523911

(式中、各記号は明細書と同義である。)

Description

技術分野
本発明は、2,6−ジハロプリンの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、医薬品として有用なヌクレオシド類似体などの原料として有用な2,6−ジハロプリンの製造方法に関する。
背景技術
Figure 2005523911
(式中、XおよびXは、同一または異なって、それぞれ、ハロゲン原子を示す)
で表される2,6−ジハロプリンの製造方法は種々挙げられる。例えば、(A)キサンチンをピロホスホリルクロリドで塩素化する方法(ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ、78、3508−10(1956))、(B)ヒポキサンチンまたは6−クロロプリンのN−オキサイドをオキシ塩化リンで塩素化する方法(特公昭45−11508号公報、米国特許第3,314,938号明細書)、(C)バルビツール酸誘導体を出発原料として用い、4工程を経て製造する方法(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、19、930(1954)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ、80、404−8(1958))、(D)2,4−ジクロロ−5,6−ジアミノピリミジンを環化して製造する方法(米国特許第2,844,576号明細書)などの方法が知られている。
しかしながら、前記(A)の方法には、クロロ化剤としてのピロホスホリルクロリドを、オキシ塩化リンから煩雑な方法で調製する必要があり、また165℃という高い反応温度を要し、反応の際には耐食性の反応容器の使用を必要とするのみならず、反応には約19時間という長時間を要すると言う欠点がある。また、前記(A)〜(D)の方法には、いずれも、工程が長く、煩雑な操作を必要とするという欠点がある。
また、プリン環の9位がアルキル化された原料を用いる方法の使用も考えられ、例えば、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1999,3469−3475に、下記反応が報告されている。
Figure 2005523911
当該反応では、ジクロロメタン中、クロロトリメチルシランおよび亜硝酸イソアミルを用い、プリン環の9位がアルキル化されたジクロロプリン誘導体を61%の収率で得ている。
また、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1989,2207−2213に、下記反応が報告されている。
Figure 2005523911
当該反応では、四塩化炭素中、亜硝酸イソアミルを用いてプリン環の9位がアルキル化されたジクロロプリン誘導体を40%という低い収率で得ている。目的とする9位が無置換である2,6−ジハロプリンを得るためには、9位のアルキル基を除去する必要があるが、そのための公知の方法がなく、9位が無置換である2,6−ジハロプリンに変換することは困難である。従って、当該方法は好ましい方法ではない。
以上から、簡便に、かつ目的の2,6−ジハロプリンを容易に単離することができ、より収率よく2,6−ジハロプリンを製造することができる方法の開発が望まれている。
従って、本発明の目的は、簡便に、かつ目的の2,6−ジハロプリンを容易に単離することができ、より収率よく2,6−ジハロプリンを製造するための方法を提供することである。
発明の開示
上記目的を達成するため、鋭意研究した結果、式[Ia]または[Ib]
Figure 2005523911
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは水素原子またはアシル基を示す)
で表される化合物(以下、特に特定しない限り、共に化合物[I]と略する)を、ハロシラン化合物およびジアゾ化剤と反応させることにより、簡便に、より収率よく、式[II]
Figure 2005523911
(式中、XおよびXは、同一または異なって、それぞれ、ハロゲン原子を示す)
で表される2,6−ジハロプリン(以下、2,6−ジハロプリンと略する)を製造することができ、しかも目的物を容易に単離することができることを見出した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)化合物[I]を、ハロシラン化合物およびジアゾ化剤と反応させることを包含する、2,6−ジハロプリンの製造方法。
(2)ジアゾ化剤が亜硝酸エステルである、上記(1)の製造方法。
(3)亜硝酸エステルが亜硝酸イソアミルである、上記(2)の製造方法。
(4)4級アンモニウム塩の存在下で反応を行う、上記(1)の製造方法。
(5)4級アンモニウム塩がテトラエチルアンモニウムクロライドまたはベンジルトリエチルアンモニウムクロライドである、上記(4)の製造方法。
(6)Rがアシル基である、上記(1)の製造方法。
(7)Rにおけるアシル基がアセチル基である、上記(6)の製造方法。
(8)ハロシラン化合物がクロロトリメチルシランまたはジクロロジメチルシランである、上記(1)の製造方法。
(9)ハロシラン化合物がブロモトリメチルシランである、上記(1)の製造方法。
(10)Rが水素原子である化合物[I]の9位または7位にアシル基を導入後、得られたRがアシル基である化合物[I]をハロシラン化合物およびジアゾ化剤と反応させる、上記(1)の製造方法。
発明の詳細な説明
本発明の2,6−ジハロプリンは、互変異性体を包含する。
Rにおける「アシル基」とは、−C(=O)−R’で示される基であり、ここでいうR’は、例えば、炭化水素基を示す。炭化水素基とは、直鎖状、分枝鎖状または環状のものを含み、さらに脂肪族であっても芳香族であってもよい。好ましいアシル基としては、炭素数2〜6のアルキルカルボニル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基など)、ベンゾイル基などが挙げられ、特に、反応性を向上させる点および経済性の点から、アセチル基が好ましい。アセチル基は加水分解により容易に脱離し得るという特性を有するため、Rがアセチル基である化合物[I]は容易に2,6−ジハロプリンに変換することができる。
およびXにおける「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、XとXは同一のハロゲン原子であっても、異なるものであってもよい。
以下、本発明について詳細に説明する。
化合物[I]をハロシラン化合物およびジアゾ化剤と反応させる工程を含む方法により、簡便に、より収率よく2,6−ジハロプリンを製造することができ、しかも得られた2,6−ジハロプリンを容易に単離することができる。化合物[I]のRは、アシル基であるのが好ましく、特に、反応性および脱離性の点からアセチル基が好ましい。また、相間移動触媒の存在下での当該反応は、好ましくは、反応速度を高める。本発明における相間移動触媒としては、例えば、4級アンモニウム塩、クラウンエーテル(例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6など)、アルキル硫酸塩(例えば、オクチル硫酸ナトリウムなど)、アルキルスルホン酸塩(例えば、オクチルスルホン酸ナトリウムなど)などが挙げられ、好ましくは4級アンモニウム塩である。相間移動触媒の使用量は、化合物[I]1モルに対して0.005〜0.2モル量、好ましくは0.01〜0.1モル量である。
本発明における「4級アンモニウム塩」としては、特に限定はなく、例えば、テトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどが使用でき、中でもテトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドが好ましい。4級アンモニウム塩を用いる場合、触媒量用いれば十分であり、例えば、化合物[I]1モルに対して、0.01〜1モル、好ましくは0.05〜0.1モルである。
本発明で用いるハロシラン化合物において、ケイ素原子にハロゲン原子が少なくとも1個結合し、ハロゲン原子の他はアルキル基が結合していてもよく、その例として、トリアルキルハロシラン、ジアルキルジハロシラン、モノアルキルトリハロシラン、テトラハロシランが挙げられる。ここでいうアルキル基とは、炭素数1〜4、好ましくは1または2の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなど)である。ここでいうハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ハロシラン化合物の具体例としては、例えば、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン、ブロモトリメチルシランなどが挙げられ、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、ブロモトリメチルシランが好ましく、特にクロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシランが好ましい。ハロシラン化合物は反応溶媒としても使用することができ、その使用量は、化合物[I]1モルに対して、1.5〜30モル、好ましくは8〜20モルである。もちろん、ハロシラン化合物以外の有機溶媒を反応溶媒として使用すれば、ハロシラン化合物の使用量を上記範囲よりも減量することができる。ハロシラン化合物の使用量は、化合物[I]1モルに対して、1〜10モル、好ましくは1.5〜6モルである。
本発明におけるジアゾ化剤としては、例えば、亜硝酸エステル、塩化ニトロシル、硫酸ニトロシル、一酸化窒素、亜硝酸塩(例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなど)などが使用でき、中でも亜硝酸エステルが好ましい。亜硝酸エステルとしては、例えば、亜硝酸C1−5アルキルエステル(例えば、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸tert−ブチル、亜硝酸イソアミルなど)などが挙げられ、中でも亜硝酸イソアミルが好ましい。ジアゾ化剤の使用量は、化合物[I]1モルに対して、1〜3モル、好ましくは1.1〜1.5モルである。
本発明の反応は有機溶媒中で行うことができ、使用する有機溶媒は特に限定はなく、反応率および副生物の抑制の観点から、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、例えば、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒およびテトラヒドロフランが好ましい。中でも、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒または例えば、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒がより好ましい。有機溶媒の使用量は、化合物[I]1gに対して、1〜100ml、好ましくは2〜10mlである。
化合物[I]と、ハロシラン化合物およびジアゾ化剤との反応は、通常0〜60℃、好ましくは20〜60℃で、通常5〜20時間で終了する。
当該反応の終了後、Rがアシル基である場合には、反応液のpHを2〜5、好ましくは4〜5に調整することにより、2,6−ジハロプリンを得ることが出来る。反応液のpHを調整する方法として、例えば、反応液にアルカリ水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液など)を添加する方法、反応液にアルカリ水溶液を添加し、これに酸性水溶液(例えば、塩酸など)を添加する方法などが挙げられる。
得られた2,6−ジハロプリンは、常法で単離精製することができる。例えば、得られた反応液を冷却後、析出した結晶を濾取し、乾燥する。濾取した結晶を洗浄または再結晶に付すことにより、より純度の高い結晶を得る。
得られた2,6−ジハロプリンは、例えば、EP656,778に記載の方法により、医薬品として有用なヌクレオシド類似体に変換することが出来る。
原料である化合物[I]は、次の方法により得ることが出来る。
Rが水素原子である化合物[I]は市販されており、市販品を反応に用いることができる。もちろん、公知の方法(例えば、EP543,095等)で製造したものを用いることもできる。
Rがアシル基である化合物[I]は、例えば、Rが水素原子である化合物[I]の7位または9位に、常法に従って、アシル基を導入することにより得ることが出来る。アシル基は、概して、アミノ基のアシル基での保護と同様にして、導入され得る。例えば、Rが水素原子である化合物[I]に、R’−C(=O)OH(式中、R’は炭化水素基であり、前記と同義である)またはその反応性誘導体(例えば、エステル、酸ハロゲン化物、酸無水物など)を反応させることにより、Rがアシル基である化合物[I]を得る。
以下に、アシル基の導入について説明する。
Rが水素原子である化合物[I]を酸ハロゲン化物と反応させる場合には、反応性を向上させる観点および経済性の観点から塩基を併用するのが好ましく、塩基としては、例えば、有機塩基(例えば、トリエチルアミンなど)、無機塩基(例えば、炭酸塩、炭酸水素塩など)が挙げられる。当該塩基の使用量は、Rが水素原子である化合物[I]1モルに対して、1〜3モル、好ましくは1.1〜2モルである。
アシル基の導入の際に用いるR’−C(=O)OHおよびその反応性誘導体の量は、Rが水素原子である化合物[I]1モルに対して、通常1〜3モル、好ましくは1.1〜2モルである。
アシル基の導入は、無溶媒系でも有機溶媒中でも行うことができ、無溶媒系での導入が経済的であり、しかも溶媒の留去が不要であるため簡便でもある。有機溶媒中で導入を行う場合、当該有機溶媒としては、上記した化合物[I]とハロシラン化合物およびジアゾ化剤との反応で用いる有機溶媒と同様の溶媒を用いることができ、これ以外にもN,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなどを用いることができる。反応性の観点から、N,N−ジメチルアセトアミドを用いるのが好ましい。上記した化合物[I]とハロシラン化合物およびジアゾ化剤との反応で用いる有機溶媒と同様な溶媒を用いるのが、溶媒を留去する必要がなく、しかも化合物[I]の生成後、化合物[I]を単離することなく、ワンポットでハロシラン化合物およびジアゾ化剤との反応を行うことが出来るので好ましい。有機溶媒中で反応を行う場合、用いる有機溶媒の量は、Rが水素原子である化合物[I]1重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは2〜5重量部である。
アシル基の導入は、反応条件などにより変化するが、通常1〜100℃、好ましくは40〜60℃で、通常1時間〜10時間、好ましくは3時間〜6時間で完了する。
[実施例]
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(1)9−アセチル−2−アミノ−6−クロロプリンの合成
N,N−ジメチルアセトアミド(350ml)に2−アミノ−6−クロロプリン(150g、0.89mol)および無水酢酸(108g、1.06mol)を加え、混合物を50〜60℃に加熱し、4時間撹拌した。反応液を冷却後、濾過した。得られた結晶をイソプロパノール(400ml)で洗浄後、80℃、減圧下で乾燥し、9−アセチル−2−アミノ−6−クロロプリンの淡黄色粉末(187g、収率99.0%)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ=2.83(s,3H),7.26(brs,2H),8.55(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d)δ=24.65,124.02,139.73,150.09,152.89,160.13,167.69.
(2)2,6−ジクロロプリンの合成
ヘプタン(4ml)に、9−アセチル−2−アミノ−6−クロロプリン(0.50g、2.36mmol)、ジクロロジメチルシラン(1.01g、7.80mmol)、テトラエチルアンモニウムクロライド(0.025g、0.15mmol)および亜硝酸イソアミル(0.42g、3.54mmol)を加え、混合物を50〜60℃に加熱し、14時間撹拌した。反応終了後、混合物を濾過し、得られた結晶を水(4.0ml)で希釈し、混合物を2M水酸化ナトリウム水溶液により、pHを4〜5に調整した。氷冷下で1時間熟成後、混合物を濾過し、得られた結晶を80℃、減圧下で乾燥し、2,6−ジクロロプリンの白色粉末(0.31g、収率73.8%)を得た。
融点:184〜186℃
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ=8.74(s,1H),14.15(s,1H).
13C−NMR(100MHz,DMSO−d)δ=128.35,147.16,150.58,155.93.
2,6−ジクロロプリンの合成
クロロトリメチルシラン(4.0g、36.8mmol)に9−アセチル−2−アミノ−6−クロロプリン(0.50g、2.36mmol)、テトラエチルアンモニウムクロライド(0.025g、0.15mmol)および亜硝酸イソアミル(0.42g、3.54mmol)を加え、混合物を50〜60℃に加熱し、10時間撹拌した。反応終了後、混合物を濾過し、得られた結晶を水(4.0ml)で希釈し、混合物を2M水酸化ナトリウム水溶液により、pHを4〜5に調整した。氷冷下で1時間熟成後、混合物を濾過し、得られた結晶を80℃、減圧下で乾燥し、2,6−ジクロロプリンの白色粉末(0.35g、収率78.3%)を得た。得られた化合物の物性は実施例1(2)と同様であった。
2,6−ジクロロプリンの合成
o−ジクロロベンゼン(10ml)に、9−アセチル−2−アミノ−6−クロロプリン(2.50g、11.8mmol)、ジクロロジメチルシラン(4.57g、35.4mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.16g、0.70mmol)および亜硝酸イソアミル(2.07g、17.7mmol)を加え、混合物を25〜30℃に加熱し、8時間撹拌した。反応終了後、混合物を濾過した。得られた結晶を水(4.0ml)で希釈し、2M水酸化ナトリウム水溶液(20ml)に反応液を滴下し、分液した。水層を35%塩酸により、pHを4〜5に調整した。氷冷下で1時間熟成後、混合物を濾過し、得られた結晶を80℃、減圧下で乾燥し、2,6−ジクロロプリンの白色粉末(1.62g、収率72.6%)を得た。得られた化合物の物性は実施例1(2)と同様であった。
2,6−ジクロロプリンの合成
ヘプタン(25ml)に、2−アミノ−6−クロロプリン(5.00g、29.5mmol)、ジクロロジメチルシラン(11.42g、88.5mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.40g、1.8mmol)および亜硝酸イソアミル(5.18g、44.2mmol)を加え、混合物を50〜60℃に加熱し、17時間撹拌した。反応終了後、混合物を濾過し、得られた結晶を水(25ml)で希釈し、2M水酸化ナトリウム水溶液でpHを4〜5に調整した。氷冷下で1時間熟成後、混合物を濾過し、得られた結晶をメタノールにより再結晶した。60℃、減圧下で乾燥し、2,6−ジクロロプリンの白色粉末(3.68g、収率66.1%)を得た。得られた化合物の物性は実施例1(2)と同様であった。
(1)9−アセチル−2−アミノ−6−ヨードプリンの合成
実施例1において2−アミノ−6−クロロプリンを2−アミノ−6−ヨードプリンに代えて用いたこと以外は同様の方法により、混合物を15時間撹拌した。反応液を実施例1の方法と同様の方法により後処理を行い、9−アセチル−2−アミノ−6−ヨードプリンの白色粉末を得た。(収率94.6%)
H−NMR(400MHz,DMSO−d)δ=2.82(s,3H),7.18(brs,2H),8.51(s,1H)
13C−NMR(100MHz,DMSO−d)δ=24.80,124.02,131.04,138.82,149.02,159.88,167.90
(2)2−ブロモ−6−ヨードプリンの合成
テトラヒドロフラン(5ml)に9−アセチル−2−アミノ−6−ヨードプリン(1.44g、4.72mmol)、ブロモトリメチルシラン(2.17g、14.2mmol)および亜硝酸イソアミル(0.83g,5.67mmol)を加え、混合物を20〜25℃で19時間撹拌し、2−ブロモ−6−ヨードプリンを得た。
LC/MS(−c ESI)m/z 323,325(M−1
2−ブロモ−6−クロロプリンの合成
テトラヒドロフラン(5ml)に9−アセチル−2−アミノ−6−クロロプリン(1.00g、4.72mmol)、ブロモトリメチルシラン(2.17g、14.2mmol)および亜硝酸イソアミル(0.83g、5.67mmol)を加え、混合物を20〜25℃で19時間撹拌し、2−ブロモ−6−クロロプリンを得た。
LC/MS(−c ESI) m/z 231,233,235(M−1
産業上の利用可能性
本発明により、簡便に、かつ目的の2,6−ジハロプリンを容易に単離することができ、より収率よく2,6−ジハロプリンを製造することができる。
本出願は、日本で出願された特願2002−102456を基礎とし、その内容は本明細書に参考として援用される。

Claims (10)

  1. 式[Ia]または[Ib]
    Figure 2005523911

    (式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは水素原子またはアシル基を示す)
    で表される化合物を、ハロシラン化合物およびジアゾ化剤と反応させることを包含する、式[II]
    Figure 2005523911

    (式中、XおよびXは、同一または異なって、それぞれ、ハロゲン原子を示す)
    で表される2,6−ジハロプリンの製造方法。
  2. ジアゾ化剤が亜硝酸エステルである、請求項1記載の製造方法。
  3. 亜硝酸エステルが亜硝酸イソアミルである、請求項2記載の製造方法。
  4. 4級アンモニウム塩の存在下で反応を行う、請求項1記載の製造方法。
  5. 4級アンモニウム塩がテトラエチルアンモニウムクロライドまたはベンジルトリエチルアンモニウムクロライドである、請求項4記載の製造方法。
  6. Rがアシル基である、請求項1記載の製造方法。
  7. Rにおけるアシル基がアセチル基である、請求項6記載の製造方法。
  8. ハロシラン化合物がクロロトリメチルシランまたはジクロロジメチルシランである、請求項1記載の製造方法。
  9. ハロシラン化合物がブロモトリメチルシランである、請求項1記載の製造方法。
  10. 式[Ia]または[Ib]中のRが水素原子である化合物の9位または7位にアシル基を導入後、得られた式[Ia]または[Ib]中のRがアシル基である化合物をハロシラン化合物およびジアゾ化剤と反応させる、請求項1記載の製造方法。
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