JP2005521542A5 - - Google Patents

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複数の追加データフレームを発生するための新規なアルゴリズムを使用する、弱い生体信号の高速推定
本発明は、正確かつ迅速な生体信号の獲得および推定に関し、より詳細には、複数の追加データフレームを発生するための新規なアルゴリズムを使用する、弱い生体信号の高速推定に関する。
正確かつ迅速な生体信号の獲得および推定は、臨床環境において非常に重要である。米国および世界の何千もの病院において、外科医、内科医、および他の医療専門家は、生体信号を測定する診断用設備から受け取る入力に基づき、実質的に健康に関連する(および、しばしば生死に関わる)決定を毎日下している。信号推定速度が限られたデータの収集のみを可能とするため、今日の医療技術の適用が妨げられる例が多くあり、結果として得られる臨床での決定は、単に不十分な時間しか正確な生体信号の獲得および評価のために利用できないことのために、乏しいデータに基づいている。
1つの例は、汎用新生児聴力スクリーニングである。National Center for Hearing Assessment and Managementにより報告されたように、米国で生まれた400万の幼児のうち、毎年1万2千が難聴を有し、平均発生は1,000人当り3人である。出生時における難聴は、他のいずれの出生時障害よりも高い発生率を有する。聴力スクリーニングを行わない場合の米国における難聴の検出の平均年齢は3歳である。難聴は、検出されると、しばしば補聴器を使用する音響の増幅を介して矯正することができる。より重い障害の場合、難聴は、聴神経の直接的な神経への刺激を供給する蝸牛インプラントを使用することにより、矯正することができる。残念ながら、難聴が3歳までに発見されないと、それが矯正はできるとしても、言語発達の形成期は過ぎており、これらの子供は、残りの人生にわたって正常な発話能力を決して獲得することができない。聴覚障害を持つ子供は、発話および聴解の技能が正常な速さで発達していないために、しばしば精神的薄弱であるとの誤った見方をされる。遅い検出の感情的な衝撃に加えて、National Institutes of Health(NIH)は、このことが、特別な教育の費用および失われた生産性において、子供当り50万ドルのオーダで社会に費用がかかり、経済への全体的な影響が何十億ドルにも上ると見積もっている。
難聴が早期に検出されれば、わずか4週間の幼い乳児にも補聴器を装着させることができ、かつ1歳で蝸牛インプラントを外科的に挿入することができる。補聴装置、親への教育、特別発話訓練、および、進行中の臨床監視を含む、全面的介入プログラムに子供と親が参加すれば、これらの子供は、就学年齢になる時期までに発話能力および聴解を完全に発達させることができる。これは、彼らの人生の質に深い影響を、および、社会全体に非常に大きな社会的および経済的な影響を及ぼす。難聴の早期検出がもたらす注目すべき差の結果として、米国の32の州が、すべての乳児に対する聴覚試験を命令し、他の州は、法制定が審理中または進行中となっている。
以下の表1は本書面の記述の全体を通じて使用される略語を掲げる。
Figure 2005521542
出生時における難聴を正確かつ客観的に測定するために、複数の周波数および複数の刺激レベルで、蝸牛音響試験(耳音響放射(OAE))および聴覚脳幹反応(ABR)試験を行う必要がある。耳音響放射試験は、耳の中に発振音を供給し、蝸牛から来るそれらの発振音への応答を測定する。聴覚脳幹反応試験は、耳の中に音響学的なクリックを供給し、その音響学的刺激に応じてきっかけが与えられるニューロンにより発生される誘発電位を測定する。これら2つの試験は、患者の応答を必要とせず、聴力の客観的な試験であると考えられている。これらの試験の双方からの信号は、雑音に完全に埋もれており、信号対雑音比(SNR)は0dBを十分に下回る。OAEおよびABRの試験を行うすべての市販の機器は、鍵となる信号の特徴の正確な識別のために必要なレベルに対する獲得された信号のSNRを上昇させるために、線形の平均化を使用する。OAE試験の場合、線形平均化は、耳当り1分間未満で十分大きなSNRを持つ信号を生成する。一般に、OAE試験は、単一の刺激レベルで4つの周波数において行われる。本発明の好ましい実施形態の焦点であるABR試験の場合、線形平均化処理は、獲得して平均化される多くのフレームを必要とし、1つの耳における1つの刺激レベルに対して約10分間の総試験時間をもたらす。その結果、ABR試験は、スクリーニングされているすべての乳児に対して共通してではなく、OAE試験で不合格である乳児にのみ行われる。聴覚系の神経部分が損傷を受けているか、完全に失われていると、OAE試験が「合格」の結果を出し得ることに注意することも重要である。これは、OAE試験により測定されている信号が、聴覚系の神経部分から独立した蝸牛により生成されるからである。そのため、ABR試験を使用して試験することは、聴力の正確な表示を得るために不可欠である。
ABR試験を実際に受ける乳児に対しては、退院に先立ち、一般に単一の刺激レベルでの単一のABR試験のみが行われる。この技術の限界の結果として、NIHは、全国的な聴力スクリーニングに対する限られた推奨のみしか発さないことを強いられた。これらの推奨は、少ない周波数(3つから5つ)のみでの単一のレベルにおける蝸牛試験、および、単一レベルの脳幹反応測定のみを含む。National Institute of Health、「Early Identification of hearing Impairment in Infants and Young Children」、NIH Consens Statement、Mar 1から3;11(1)、1から24頁(1993)を参照されたい。理想的には、蝸牛応答および脳幹反応の双方が、標準的な聴覚学的慣行に従って、10個の異なる周波数で、かつ各周波数において10個の音レベルで測定されるべきである。
この問題を克服して難聴の存在を正確に検出するために、生体信号推定速度の実質的な上昇が必要である。少ないレベルでのみ試験することは、高率の偽の陽性(タイプIのエラー)の試験結果をもたらす。現在、生まれた乳児のわずか0.3%が実際に難聴を有する中で、その率は3から15%のオーダにある。1回の事後検討診断試験に対してほぼ千ドルが犠牲となり、プログラムが完全に実施されると、間違った医療指示に対して年間1から6億ドルのオーダで浪費される。今日、米国で生まれる乳児の50%以上が誕生時にスクリーニングされ、現在5千万ドルから3億ドルが浪費されている。難聴が間違って識別された乳児の親にも、大きな感情的犠牲がある。新生児の聴力スクリーニングプログラムの批判は、その完全な全国的実施への主要な障害となっている。
なぜ難聴についてスクリーニングされた子供のほとんどが、OAE試験だけを受け、ABR試験を受けないのかのさらに別の理由は、これが経済的に実行不可能であるということである。すなわち、ABR試験を行うための設備は約2万ドルかかり、かつ、それは1つ、または多くて2つの聴覚レベルを供給するのみである。これは、聴覚障害を持つ乳児のかなりの部分を、検出されない危険にさらしたままにする。
生体信号の低いSNRにより制限される臨床測定の他の多くの例が存在する。これらは、神経の損傷を防止するための手術中の神経モニタリング、麻酔の深さのモニタリング、聴器官毒性を持つ薬剤の管理などの使用を含み、これらの各々は、不必要かつ潜在的に健康を脅かす時間的な遅れ、および、乏しい測定データに基づく不完全な意思決定から危害を被る。用語「弱い生体信号」は、好ましくは約0dB未満のSNRを有する、人体から獲得される信号を意味するように規定される。これらの弱い信号は、他の適用においても見出され、本発明は、それらの他の弱い信号を雑音除去するためにも使用されることができる。しかし、例示の目的のために、発明者は、本発明の適用を表示するための生体信号の適用を選択した。
弱い生体信号の獲得および推定の工程における重要な障害は、信号を劣化させる雑音である。用語「雑音」は、測定するために求められる情報を伴う信号のエネルギーに加えられたエネルギーの数多くの発生源の累積効果を記述するために、本明細書において使用される。生体信号およびその獲得および処理を劣化させる雑音のタイプのいくつかの例は、入手可能な文献において見出すことができ、以下を含む。
生理学的雑音、
− 電気的活動(神経内活動電位、細胞内外のイオンの移動)
− 血流(雑音を引き起こす流体の機械的移動)
− 呼吸(妨害された空気流の雑音)
− 新陳代謝活動(化学的)
環境雑音、
− 送電線網からの干渉(国に応じて50Hzまたは60Hz)
− 音響雑音(設備冷却ファン、ポケットベル、他の設備、人員)
− 他の設備および放送媒体からの電磁的および無線周波数の干渉
生体信号の獲得および処理の雑音、
− 変換器と人体のインターフェース雑音(移動の雑音、「電極破裂音」)
− 変換器内部雑音(電極、マイクロフォン、温度センサ)
− 様々なタイプの電子回路雑音(熱、ショット、バースト、電子雪崩の各雑音)
− 内蔵デジタル回路からの電磁的およびRFの干渉
− デジタル処理における算術雑音(量子化、有限レジスタ長効果)。
すべての様々な雑音源の累積効果は、その基礎をなす信号より有意に大きい結合雑音強度をしばしばもたらす。本目的のために、すべての雑音源の累積効果は、単一の等価の雑音源であると考えてよい。この等価な雑音源からの雑音は、推計学的信号処理技術の文献において一般に定義される推計学的処理である、加法的白色ガウス雑音(AWGN)としてのモデル化を行うことができる。用語「加法的」は、信号を増倍する雑音エネルギーとは異なるものとして、雑音エネルギーが信号に追加されることを意味する。名称「白色」は、パワースペクトル密度がすべての周波数において一定であるという事実を指す。名称「ガウス」は、雑音の確率密度関数(PDF)が、ガウスPDFにより厳密に近似されるという事実を指す。雑音は、処理されている信号とは独立しているとも仮定される。これらの仮定は、ABRを含めた誘発電位信号に対して、生物医学工学および臨床の文献において一般的である。これらの重要な特徴は、試験の被験者から収集されたデータを使用して試験されており、本明細書に提示される結果はAWGNモデルを裏付けている。
本明細書において使用される生体信号は、人体における生物学的活動により発生され、電気信号に変換され、かつ続いて、臨床上の決定を下すために医療の専門家により使用される臨床上有効なデータに到達するために処理される信号である。今日、生体信号を使用するほとんどの医療機器はデジタルであり、したがって、生体信号は、最も一般的にデジタル化され、続いてデジタルで処理されている。多くの異なる例が存在する。
− 心電図(EKG):心筋の収縮と共に生成される電気信号
− 脳波測定法(EEG):電位を作り出すニューロンにより生成される電気信号
− 眼振測定法(ENG):前庭眼機能により生成される電気信号
− 呼吸流量測定:肺により生成される空気流量信号
− 血液酸素レベルモニタリング:血流の透明体により生成される光信号。
好ましい実施形態において、聴覚刺激に応じて脳幹により発生される信号は、ウェーブレット(wavelet)に基づく新規な雑音抑制アルゴリズムを利用して解析される。聴覚脳幹反応は、これが弱い生体信号の良好な例であるために選択された。これは、EEG類の生体信号の一つであり、刺激の開始後、数ミリ秒で発生する。ABRを研究することにより導出される鍵となる結果は、多くの弱い反復性の生体信号に直接適用可能である。
ABRの記録および処理の分野は非常に広範である。なぜなら、ABRが、臨床環境において非常に幅広い適用を見出しているからである。ABRは、脳幹聴覚誘発電位(BAEPまたはAEP)、脳幹聴覚誘発反応(BAER)、脳幹誘発反応(BSER)、ならびに、早期または高速誘発EEG反応としても知られている。ABRの多くの異なる用途、態様、および改変が調べられている、教科書、便覧、および学会誌論文の形の大量の文献が存在する。一般に、ABRは、乳児聴力スクリーニング、試験が困難もしくは非協力的な患者の聴覚感度の推定、第8神経(すなわち、聴覚神経)または脳幹の機能障害の神経診断、および神経手術中の第8神経および脳幹の状況のモニタリングに対して使用できる。好ましい実施形態は、聴覚能力の検出のためにABRに焦点を合わせる。
ABRの記録に対する公式かつ詳細な規格は1つも存在しないが、重要なパラメータ、専門用語、電極の設置、刺激のタイプおよびレベルの範囲、利得、およびフィルタの設定などは、臨床環境において首尾一貫して使用されるようになっている。これらの慣例は、最近の出版物、およびAmerican Academy of Audiology(AAA)、American Speech−Language−Hearing Association(ASHA)により出版されている最新の案内書、および米国の州の臨床過程において幅広く従われている。信号の発生および処理の特定の部分は、American National Standards Institute(ANSI)およびInternational Electrotechnical Commission(IEC)などの、異なる米国および国際的な規格において具体化されている。IEC(International Electrotechnical Commission)、「Auditory Test Signals of Short Duration or Audiometric and Neuro−otological Purposes」、International Standard IEC 645−3、第1版、スイス国ジュネーブ、(1994)、ANSI(American National Standards Institute)、「American National Standard Specifications for Audiometers」、(ANSI S3−6−1996)、Acoustical Society of America、ニューヨーク州ニューヨーク市(1996)を参照されたい。Hallは、参照により本明細書に組み込まれる彼の「Handbook of Auditory Evoked Responses」において、ABRの歴史、最新の状況、方法、および規範的なデータの徹底的な論述を与える。彼は、規範的なデータを介して、ABRの記録および解釈のための臨床上許容される方法も概略する。同様に、Hydeは、参照により本明細書に組み込まれる彼の1998年の論文である「Objective detection and analysis of ABRs:An historical perspective」において、ABR処理において一般に使用される信号処理方法の優れた背景を与える。これらの2つの研究は、数多くの他の研究と共に、現在許容される臨床慣行と調和し、市販のABR試験設備の動作の基礎である。本明細書に提示するデータの収集および解析の方法は、これら2つの研究におけるものと同じパラメータに基づく。
最初の聴覚関連の神経記録は、早くも1929年にはBergerにより、および、1930年にWeaverおよびBrayにより報告された。ABR記録の歴史は、非常に豊かであり、JewettおよびWillistonにより彼らの1971年の研究における徹底的な説明および専門用語で始まった。そこからは、様々なタイプの刺激、電極の設置、電極のタイプ、処理のタイプなどについて、様々な指示が従われているが、それらは、いくつかの改変例を持つ単一の、しかし、全体的には固有ではない臨床上の規格に最終的に収斂する。ABRは、多くの異なる患者の条件(目が覚めている時の状況、環境、時刻など)の下でも不変であること、および、各患者にわたる応答の予測可能な形態学を有することが示されている。ABRは、患者の応答なしに客観的に測定できる聴力の指標である。その振幅はマイクロボルトのオーダであり、一般にミリボルトのオーダの振幅の雑音により汚染される。ABRは、一般に線形平均化により処理され、1つの耳の単一の刺激レベルでの応答の試験は、雑音の状態、電極設置の品質、および他の要因によっては、約5から10分間かかる。そのため、両耳における複数のレベルでの試験は、標準的な臨床上の設定において一般に1時間以上かかる。乳児を試験するために1時間以上かかることは、汎用新生児聴力スクリーニングプログラムにおいて困難である。なぜなら、乳児は、一般に短い時間しか病院にいないからである。その短い時間の間に、乳児は、様々な他の条件に対して試験されなければならず、彼らの生命兆候は、継続的にモニタされる。長い試験時間に伴う他の問題は、一般に年間6千から1万の出生を有する都市部の大規模な病院において生じる。平均で、それらの病院は、いずれの一時においても育児室に20人を超える乳児を有し、各乳児を試験するために1時間かかることは、専門のスタッフおよび複数の試験機器を必要とする。これらの乳児の各々が、1時間以上もかかる試験を使用してスクリーニングされることを必要とすることは、病院に対する大きく許容できない経済的な重荷である。同様に、乳児の健康スクリーニングのための看護の基準は、すべての他のスクリーニング試験(PKU、糖など)は、最大で数分かかるというものである。したがって、意味のある結果を伴う、迅速なABR試験を有するための長く感じられていた必要性がある。
臨床および研究の目的のために使用される典型的なABR診断システムを、図4に示す。聴覚脳幹反応は、耳管内に非常に短い持続時間の音響学的なクリックを供給することにより誘発される。ABR試験制御器は、ユーザの入力に基づきクリックの発生を開始する。クリックはデジタルで発生され、デジタル/アナログ変換器(DAC)により100μs持続期間のアナログ電圧パルスに変換される。このアナログ信号は、耳の中に挿入されたスピーカに送られ、音響学的クリックは数千回供給される。クリックの反復速度は、約30から60[クリック/秒]であり、全体的な試験継続時間は、典型的に約5から10分間である。
信号は、額の皮膚電極、および各耳の後ろの乳様突起の皮膚電極の一般に3つの皮膚電極一式を使用して獲得される。乳様突起の電極の1つは、参照として使用される一方、額の電極と乳様突起の他の電極の間の電位が、約15,000倍に差動増幅される。国よって50または60Hzで動作する電力供給ラインは、ABR記録において大きな電気的干渉信号を生成する。この干渉の効果を低減するために、差動増幅器のコモンモード出力は反転され、参照電極にフィードバックされる。これは、EEG、ECG、およびABRの設備において、慣例的に使用される、コモンモード能動接地回路を作成する。増幅された信号は、アナログ/デジタル変換器(ADC)を使用してデジタル信号に変換される。ADCは、3kHzのカットオフ周波数を持つエイリアシング防止ローパス(LP)フィルタを含む。続いて、デジタル信号は、ユーザが選択可能なフィルタ設定を持つデジタル線形位相BPフィルタによりフィルタリングされる。最も一般的に使用される基準は、低周波数遮断に対して約30から100Hzであり、高周波数遮断に対しては1,500から3,000Hzである。
データ獲得の開始は、ABR試験制御器によるクリックの開始に同期され、各クリック後の約15msの時間にわたり継続する。15msの1つの測定された応答を含む単一フレームのデータは、特定の1つのクリックに対応する。続いて、獲得された数千の信号フレームは、ABR応答の滑らかな推定を得るために典型的に線形平均される。最終的な平均フレームにおける各点は、N個のフレームのデータの各々にわたり線形平均される。SNRは、信号の分散および雑音の分散の比として計算される。平均化は、SNRが所定の値を超えるまで継続され、システムは、有効なABR応答が存在することを決定する。一旦有効なABR波形が得られれば、ABRの解釈について研修された専門家(通常は州認定の音響学者)が、ピークがどこにあるか、およびそれらの待ち時間はどの位かを判断し、続いてピーク間待ち時間を算出する。続いて、それらは、結果が健康な被験者に対する規範的なデータの範囲内にあるかどうかを決定する。結果が規範的な範囲にない場合、病理が存在すると宣言される。
過去10年間にわたり、信号処理界における新しい研究領域として、ウェーブレットに基づく信号処理が登場している。ウェーブレットの適用の最も一般的な分野は、(ウェーブレットの文献では一般に「雑音除去」と呼ばれる)雑音抑制、データ圧縮、デジタル通信、システム識別、および他を加えたものにおける。
フーリエ変換のファミリーの一員であるウェーブレット変換は、与えられた信号を、ウェーブレットと呼ばれる直交に基づく関数の集合に分解する処理である。本発明は、有限長の離散信号を利用し、そのため、離散信号変換のみを検討する。
伝統的な離散フーリエ変換(DFT)において、信号処理の分野で一般に言及されるように、信号は、基本関数として複素正弦波を使用して分解され、信号の周波数領域表現を生成する。対照的に、離散ウェーブレット変換(DWT)は、基本関数としてウェーブレット(小さな波)と呼ばれる固有に設計される関数の「ファミリー」を使用する。ウェーブレットのファミリーは、「マザーウェーブレット」と呼ばれる独自のウェーブレット関数を伸張する(または、「引き伸ばす」)ことにより創出される。ウェーブレット変換は、マザーウェーブレットの異なる伸張を使用して、信号を「時間」および「周波数」の双方に分解する。DWTの適用により、一次元有限信号x[n]は、二次元の「ウェーブレット座標」で表示される。「スケール」と呼ばれる個々のレベルの信号分解が作成される。各スケールにおいて、元の信号x[n]とマザーウェーブレットのスケール化されたものとの内積を計算することにより、係数の集合が作成される。マザーウェーブレット関数はΨにより指定され、その伸張はΨ(j)により指定される。スケールjにおけるウェーブレットの位置指数は、「並進(トランスレーション)」と呼ばれる。ウェーブレットの値は、二次元のシーケンスΨ(j,k)により完全に記述され、ここで、jはウェーブレットのスケール(または、引き伸ばしレベル)の指数であり、kは並進(または、位置)の指数である。そこで、我々はDWTを以下のように規定する。
Figure 2005521542
係数C(j,k)は、ウェーブレットΨ(j,k)と元の信号x[n]との内積の異なるスケールjおよび並進kにおけるウェーブレット係数である。ウェーブレット座標では、信号エネルギーの周波数および位置(時間)の双方についての情報は保存される。複素指数関数を使用する伝統的なフーリエ変換において、時間情報は失われる。
従来のウェーブレット雑音除去は、基礎をなす信号およびそれを汚染する雑音の双方の滑らかさおよびコヒーレント特性についての仮定を利用する、雑音抑制の工程である。周波数領域におけるフィルタリングと同様に、ウェーブレット係数閾アルゴリズム(以下、「ウェーブレット収縮」)は、ウェーブレット領域におけるウェーブレット係数の集合を低減する。この工程は、基礎をなす信号が、「滑らか」かつ「コヒーレント」である一方、信号と混合された雑音は、粗くかつ非コヒーレントであるという仮定に基づく。信号の滑らかさは、信号の帯域幅に関連する特性であり、信号が何回微分できるかに関して規定される。滑らかさの程度は、算出できる連続した導関数の数に等しい。
信号のエネルギーが、時間および周波数の領域の双方に集中する場合、信号はコヒーレントになる。コヒーレントでない雑音は、「拡散」しており、かつ集中していない。コヒーレントであることの1つの目安は、信号エネルギーの99%を表すためにいくつのウェーブレットが必要となるかである。時間−周波数信号空間は、すべてのスケールおよび並進におけるウェーブレット係数により完全にわたる(覆われる)。適切に選択されるウェーブレットに基づき分解される十分に集中した信号は、信号エネルギーの99%を表すために非常に少ない係数を必要とする。その一方で、完全に非コヒーレントな雑音は、そのエネルギーの99%を表すために、空間全体にわたる係数の99%を必要とする。
従来のウェーブレット雑音除去工程は、3段階の工程である。
1.ウェーブレットは、異なるスケールにおけるウェーブレット係数を得るために信号を変換する。
2.係数の閾値を定め、閾値δ未満のいずれの係数もゼロに設定する。
3.元の信号を近似するために逆ウェーブレット変換を行う。
雑音除去工程において、信号の雑音成分は、ウェーブレット係数をゼロに選択的に設定することにより減衰される。したがって、雑音除去は、「非線形操作」である。なぜなら、異なる係数が、閾値関数により異なって影響されるからである。このアルゴリズムにおいては制御するためのパラメータが多くある。すなわち、ウェーブレット分解のレベル、閾値の選択、異なるウェーブレット分解レベルでの異なる閾値の使用、固定量により維持されるウェーブレット係数のスケール化などである。しかし、これらすべての変量に共通することは、従来技術では、工程が、単一の信号フレームに対して1回のみ行われることである。
従来の雑音除去において為される仮定の1つは、雑音除去されている信号のSNRが、比較的大きいことである。アルゴリズムは、信号の振幅が、雑音の振幅より実質的に大きく、したがって、雑音より信号に対してより大きなウェーブレット係数を生成するという事実による。そのため、小さなSNRの信号に対する従来の雑音除去の適用は、従来技術により教えられるように失敗する。
従来の雑音除去は、雑音により劣化させられた信号の高速推定装置として文献において実証されている。推定装置は、単一のウェーブレット変換を行い、選択係数をゼロに設定し、続いて逆ウェーブレット変換を行うことにより、信号の単一のフレームで動作する。これは、データの単一のフレームが、アルゴリズムへの入力として必要とされるなら、ABR信号に従来の雑音除去を適用するために2つの方法があることを示唆する。1つの方法は、各フレームを個々に雑音除去し、続いてその結果を平均化することである。従来の雑音除去が、単一の未平均化フレームに適用されると、ウェーブレット係数|C(j,k)|<δをゼロに閾値決定することは、信号を表すものも含めて、ウェーブレット係数のほとんどすべてを効果的に排除する。この手法は完全に失敗する。なぜなら、ウェーブレット係数をゼロに設定することにより、信号エネルギーのほとんどが失われるからである。雑音除去された単一フレームのウェーブレット係数の逆ウェーブレット変換は、振幅が非常に小さい雑音のみの信号を生成する。
従来の雑音除去を適用するための第2の方法は、先ず、単一の平均化されたフレームを作成するために個々のABRフレームをまとめて平均化し、続いて、その単一の平均化されたフレームを雑音除去することである。この手法は、非常に数多く(数千個)のフレームがまとめて予備平均化されるまで、性能に実質的な低下ももたらす。そのため、従来の雑音除去は、線形平均化と比較すると、ABR信号を雑音除去するためには機能しない。
本発明は、データのN個の個々のフレームのすべてからの情報を利用し、かつ性能が線形平均化処理の性能を超える推定装置を生成する、デジタルプロセッサにおいて便利に実施できる新しいアルゴリズムを提供する。新しいアルゴリズムは、元の低SNRデータフレームを樹状方式で再結合し、K>>1であるサイズがN×K個の新しいフレームのアレーを作成する。元のデータの隣接する2つのフレームは、線形平均され、雑音除去され、したがって、元の隣接する2つのフレームの線形結合ではない新しいフレームを作成する。フレームの新しいレベルが作成され、そのレベルの新しい各フレームが平均化され、小さな閾値で雑音除去される。これは図5に示す。
新しいフレームのアレーを構築する工程は、反復性を持つ。新しい方法は、先ず、低い閾値δを使用して、雑音除去を元のN個のABRデータフレームの各々に適用し、続いて、新しい単一フレームの平均未満値を得るために各フレームを再結合する。雑音除去が、異なる閾値δk+1を使用して新しいフレームの各1つに再び適用される。この工程は、N×K個のウェーブレット雑音除去されたフレームの集合が得られるまで継続する。フレームの最終レベルKが得られると、このレベルのフレームは、単一の雑音除去されたフレームを発生するために線形平均される。フレーム再結合の操作は、好ましくはK=log(N)個のレベルを有し、各レベルにおいて、好ましくは、異なるウェーブレット係数閾値δがレベルkの関数として適用される。新規なアルゴリズムは、中でも広義に3つの主な特徴を有する。
1.信号を推定するために、元のN個のデータフレームの各個々のフレームが使用される。
2.雑音除去が段階的な方法で行われ、好ましくは異なる閾値レベルを使用して行われる。
3.データのN×K個の新しいフレームが、好ましくは元のN個のフレームから作成される。
このアルゴリズムの適用は、少数のABRフレームのみが獲得された後に、波形が人間の専門家により高信頼性で解釈できるように、平均化された信号の品質を高める。新規なアルゴリズムは、線形平均化と比較することができる。性能は、新規なアルゴリズムが、基礎をなす低いSNR信号の重要な特徴の高速推定を生成することを実証するために、シミュレートされたデータおよび人間の被験者の双方を使用して、線形平均化に対して試験することができる。
本発明に従う一実施形態によれば、信号プロセッサが、入力信号を雑音除去するために提供され、この信号プロセッサは、入力信号を保存するためのメモリを含み、入力信号が、データポイントの複数のフレームに分割され、信号プロセッサがさらに、プロセッサを含み、該プロセッサが、データポイントの複数のフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を別個に行い、かつ、雑音除去された結合合成入力信号を形成するために、雑音除去されたデータポイントの合成フレームを結合するように構成される。
また本発明に従って、入力信号を雑音除去するための信号プロセッサが提供され、この信号プロセッサは、入力信号を保存するためのメモリを含み、入力信号が、データポイントの複数のフレームに分割され、信号プロセッサがさらに、プロセッサを含み、該プロセッサが、データポイントの複数のフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を別個に行い、データポイントの新たなフレームを作るためにデータポイントの複数のフレームを再構成し、データポイントの新たなフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を行い、かつ、雑音除去された結合合成入力信号を形成するために、雑音除去されたデータポイントの合成フレームと雑音除去されたデータポイントの新たな合成フレームとを結合するように構成される。
さらに本発明に従って、入力信号を雑音除去するための方法が提供され、この方法は、入力信号をデータポイントの複数のフレームに分割する工程と、データポイントの複数のフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を別個に行う工程と、雑音除去された結合合成入力信号を形成するために、雑音除去されたデータポイントの合成フレームを結合する工程とを含む。
さらに本発明に従って、入力信号を雑音除去するための方法が提供され、この方法は、入力信号をデータポイントの複数のフレームに分割する工程と、データポイントの複数のフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を別個に行う工程と、データポイントの新たなフレームを作るためにデータポイントの複数のフレームを再構成し、データポイントの新たなフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を行う工程と、雑音除去された結合合成入力信号を形成するために、雑音除去されたデータポイントの合成フレームと雑音除去されたデータポイントの新たな合成フレームとを結合する工程とを含む。
また本発明に従って、実質的に示されかつ記載されたような入力信号を雑音除去するための信号プロセッサが提供される。
本発明に従って、実質的に示されかつ記載されたような入力信号を雑音除去するための方法がさらに提供される。
本発明に従う上述の実施形態、利点、特徴、および目的は、有用な選択を少なくとも公衆に提供する目的で区別してそれぞれ読まれるべきである。
本発明の長所および特徴のいくつかが、上記に説明されたが、より完全な理解は、以下の好ましい実施形態の図面および詳細な説明を参照することにより得ることができる。
データを収集するために従来技術において見出される典型的な市販のABRシステムは、耳管内にクリックを供給し、頭皮の電極からのデータを記録する。データは、フィルタリングされ、続いて、刺激の供給に続く約15msのフレームにおいてまとめて平均化される。現在の市販のABRシステムは、未加工のデータ、すなわちフィルタリングも平均化もされていないデータの長いセッションを記録する能力は有さない。新規なアルゴリズムの性能を調べるために、数千フレームの未処理データ(すなわち、N=8,192)が、後の解析のために記録される必要があった。目的は、まさに同じデータが、異なる処理の方式およびパラメータに対して解析されることであった。データの獲得および保存のために、注文仕様製作のシステムが使用された。このシステムは、OAEおよびABRの市販の試験設備の設計業者および製造業者である、Everest Biomedical Instruments Company(以下、「Everest」)により製作された。システムは、臨床用ABR構成部分と高品質研究室用データ獲得設備の組合せから製作された。基本的なシステムは、耳の中に音響学的な信号を供給するための耳プローブ、前置増幅器に接続される電極、データ獲得インターフェース、および信号処理システムから構成される。システムのブロック図を、以下の図2−1に示す。
音響刺激は、2つの独立したスピーカ(受音器)および2つの相互接続されたマイクロフォンを有する、Etymotic Research ER−10Cプローブを使用して耳に供給された。プローブは、同じくEtymotic Researchにより製造された、発泡耳チップを使用して耳管に挿入された。刺激を供給するために、スピーカの1つのみが使用された。マイクロフォンは、低周波数試験信号の「音漏れ」を調べることにより試験中のプローブの装着具合を確実にするために、および刺激レベルの耳内較正のために使用された。3つの電極は、各被験者の頭に装着され、1つは各々が左および右の耳の背後の骨である乳様突起の隆起(M1およびM2)に、および1つは額の頂部の中央にある頭頂(C)に施された。電極は、標準的なEEGおよびABR配置構成、すなわち、頭頂(C)および乳様突起(M1およびM2)に従って配置させた。電位は、頭頂と体の同じ側にある(プローブを含む耳の背後の)乳様突起の隆起との間で差分的に記録された。体の反対側にある(他の耳の背後の)乳様突起の電極は、参照として使用された。頭頂と体の同じ側にある電極との間の反転コモンモード電圧は、60Hzの電力ラインの干渉を低減するために参照電極に送られた。
電極が装着される前端の電子回路インターフェースは、現在市販されているEverest Biomedical InstrumentsのAudioScreener(登録商標)であった。この製品は、安全性に対して試験され、医療機器に対するUL 2601 Electrical Safety規格を満たすことをUnderwriters Laboratories(UL)により認定されている。この製品は、510(k)手続きを介して聴力スクリーニングのための臨床での使用に対して、米国食品医薬品局(FDA)の承認済みでもある。しかし、これは、聴力スクリーニングのために主に使用される可搬型製品であるために、従来技術において利用可能な他の機器のように、データの長いストリームを記録する能力は有さない。したがって、AudioScreener(登録商標)の前端のみが、音響刺激発生器および高品質EEG前置増幅器として使用された。
聴覚クリック刺激は、AudioScreener(登録商標)の音声出力部を使用して発生された。ピークは、当技術分野で知られている、標準的な手順およびIEC規格を使用して較正された。1kHzの純粋な正弦波を発生する外部信号発生器は、挿入耳プローブのスピーカ部分に送られた。出力は、Quest標準0.5ccカプラ(0.5×10−6)を備える、精密較正された音響レベルメータ(Quest Model 1800)を使用してピークのdB SPLで測定された。信号発生器の電気的出力も、2チャンネルのデジタルオシロスコープ(Hewlett Packard 54645D)を使用して測定された。続いて、AudioScreener(登録商標)は、オシロスコープの第2のチャンネル上で測定された100μsの矩形パルスを発生した。正弦波およびクリックのピークの大きさは、位置合わせされ、ピークSPLレベルが確定された。参照レベルは、試験中の耳内較正のために使用された。刺激の反復速度は、毎秒37回または27.03msごとに1つの100μsのクリックに設定された。この速度は、当技術分野においてよく知られている文献により与えられる規範的なデータに適合するように選択された。21、33、37、38などの刺激反復速度は、これらが50Hzおよび60Hzの双方の電力ライン周波数に対して互いに素ではないために、一般に使用される。そのため、毎秒37回の頻度で獲得されたフレームが、線形平均されると、60Hzの干渉の効果は低減された。なぜなら、電力ラインの干渉は、獲得されたフレームとは位相が異なるからである。フレームに含まれるABR信号は、獲得された新しい各フレームを増大するように加えた一方、60Hzの電力ライン干渉は減少させるように加わった。
電極は、AudioScreener(登録商標)の前端増幅器に装着された。信号は、13,000倍に差動増幅され、次の段に供給された。差動増幅された信号は、60Hzの電力ライン干渉などのいかなるコモンモード干渉も低減するために、反転され、体の同じ側にある乳様突起に装着された参照電極に送られた。同様に、差動増幅された信号は、30Hzにおいて−3dB点を持つフィルタである内蔵の第2次アナログハイパスフィルタ(HPF)、および3kHzにおいて−3dB点を持つ第3次ローパスフィルタ(LPF)を使用してフィルタリングされた。Everest前置増幅器の入力インピーダンスは、10MΩであり、入力増幅器のコモンモード拒絶比(CMRR)は110dBであった。漏れ電流は、交流で100μA未満かつ直流で10μA未満であるとULにより認定されていた。
AudioScreener(登録商標)の前置増幅器部の出力は、逐次近似用Crystal Semiconductors製A/D変換器(NIDAQ PCI−MIO−16XE−10)を備える、市販のNational Instruments製データ獲得(DAQ)ボードに送られた。データは、16ビットの分解能でサンプリングされた。ADCの入力レンジは±10Vであった。したがって、ADCによる最小検出可能電圧は、ADCの入力において0.305mVであった。これは、頭皮の電極により測定された信号分解能が、23nVであることを意味する。National Instruments Corporation、「PCI−MIOE Series User Manual」、テキサス州オースティン(1997)を参照されたい。
既在のハードウェアおよびソフトウェアのデータ獲得システムのサンプリング周波数は、f=48,000Hzに固定され、エイリアシング防止フィルタは24kHzに設定された。問題の信号が、3kHzの帯域幅を有したことに注意することは重要である。もしシステムが、この作業のために固有に製作されたものであれば、エイリアシング防止フィルタも3kHzに設定され、サンプリング周波数は6kHzのすぐ上方に選択されていたであろう。しかし、これは、他の様々な信号処理の研究のために定例的にEverestにより内部的に使用される、現行の注文仕様製作システムであった。したがって、本明細書における発明者の教示を考慮すれば、当技術分野の慣例尊重主義者に知られているであろう他の構成も同じく機能する。加えて、48kHzでサンプリングされた信号を処理するために、データ獲得ハードウェアに結合されるソフトウェアが構築され、徹底的に試験され、かつ他のサンプリング周波数に対しては容易に再プログラム可能ではなかった。このようなサンプリングソフトウェアは、過度な実験作業をせずに、いずれの当業者によってもすぐに複製することができ、かつ、データを獲得するために使用されるそのようなソフトウェアは、本発明に特に関連するとは考えられず、本発明は、代わりに獲得後のデータの雑音除去に焦点を合わせている。最後に、現行のシステムは、刺激に続く記録の約21.3msに相当する、フレーム当り1,024個のサンプルを収集した。これは、待ち時間が約20msにまで延長できる、低レベル刺激に対するABRを調べるために行われた。刺激に続く約10msの応答のみが、この作業のために必要であり、それは6kHzの速度でサンプリングできた。このことは、単一のフレームは64個のサンプルで構成されるべきであることを意味する。これは、以下に説明されるように、データを後処理することにより達成されたが、既に注目したように、本発明は、データがどのようにして収集され、かつ前処理されたかにかかわらず、データを雑音除去することを目的とすることが意図されている。
DAQカードからデータを取り、ホストPCコンピュータのハードディスク上の標準的なファイルフォーマットにそのデータを保存するために、LabVIEWと呼ばれるNational Instrumentsデータ獲得ソフトウェアパッケージが使用された。データの合計8,192個のフレームが、各試験条件に対して収集された。各フレームは、クリックの供給に同期した、1,024個のサンプルまたは21.3msのデータを含んだ。LabVIEWは、データの獲得および処理のための先端的システムである一方、複雑な計算および大規模なデータアレー操作に対しては十分に役には立たない。さらに、LabVIEWは、限られた内蔵ウェーブレット能力を有する。LabVIEWパッケージは、単に前置増幅器からデータを収集し、それをディスクに記憶するのみであった。LabVIEWにおいては何らの信号処理も、すなわちフィルタリング、またはその他の処理も行われなかった。
一旦標準的なファイルフォーマットで、データが利用可能となれば、Matlabと呼ばれる先端的なソフトウェアパッケージが、解析のために採用された。(Math Worksによる)Matlab Version5.3.1は、信号処理のすべてのために使用された。Matlabの標準ツールに加えて、Matlab Signal Processing、Wavelet、およびStatisticsのツールボックスが、利用された。
すべての信号処理操作は、Matlabにおいて行われた。最初の操作は、現行のLabVIEWシステムにより収集されたサイズ超過のデータ集合を削減することであった。第2の操作は、フレームの各々に対してウェーブレット変換を算出し、かつウェーブレット係数を得ることであった。続いて、本発明の教示に従い、かつ以下にはるかに詳細に説明されるように、これらのフレームのウェーブレット係数が、再結合され、閾値が決定され、逆ウェーブレット変換が、ウェーブレット係数の最終フレームに対して算出された。最後に、データのすべてが、Matlabグラフ機能を使用してプロットされた。
LabVIEWのデータ集合の削減は、2つの段階で達成された。先ず、刺激の供給に続く10.67msの応答に対応して、1,024個のサンプルフレームから512個のサンプルが抽出された。次に、フレームのサイズが512個から64個のサンプルに削減される必要があった。48kHzのサンプリング速度で3kHzの信号をサンプリングすることは、問題の信号を超える不要な雑音エネルギーを導入した。信号は、8倍に過剰にサンプリングされた。しかし、標準的な信号処理技術は、フィルタリングおよび再サンプリングによりこの状態を適切に訂正できる。これを達成するための典型的な信号処理方法は、先ず有限応答フィルタ(FIR)を使用して、元のサンプリング速度の8分の1すなわち6kHzでデータをローパスフィルタリングし、続いて、フレーム当り64個のサンプルを作成するために8分の1に結果として得られたサンプルを大幅に削減することであった。しかし、等価な結果を備える僅かに異なる方法が使用された。とにかく本発明を実施するという目的のために、いずれにしてもすべてのデータフレームに対してウェーブレット処理が行われていたため、ローパスフィルタリングおよび再サンプリングが、ウェーブレット領域で行われた。ウェーブレット変換は、各512個の点を持つデータフレームに対して独自に行われ、log(512)=9個の分解レベルをもたらした。ウェーブレット分解の最初の3つのレベルは、高周波数ウェーブレット係数を生成した。これらのレベルにおけるすべての係数は、ゼロに設定された。残りのウェーブレット係数は、合計64個に保たれた。この処理は、標準的な信号処理技術を使用する、ローパスフィルタリングおよび再サンプリングに類似する。再サンプリングは必要なかった。なぜなら、ウェーブレット変換は、次の分解レベルにおける64個のサンプルを既に生成したからである。以下に検討されるように、ウェーブレット変換は、FIRフィルタの連続した適用を使用して行われ、そのため、ウェーブレット変換を使用することによるフィルタリングの計算にかかる費用は、標準的な信号処理方法を使用する費用と同様である。
2つの方法の類似性は、8,192フレームの被験者記録に対して試験された。データは、Butterworth線形位相Matlabフィルタを使用して6kHzでLPフィルタリングされた。続いて、フレームが、8分の1に大幅に削減され、フレーム当り64個のサンプルを生成した。続いて、64点ウェーブレット変換が、6つの分解レベルで行われ、フレーム当り64個のウェーブレット係数を生成した。フレーム再結合およびウェーブレット閾値決定を備えるアルゴリズム全体が、適用され、逆ウェーブレット変換が行われ、処理されたABRデータの64個の時間領域サンプルが作成された。並行して、同じデータが、512点ウェーブレット変換によるLPフィルタリングをせずに処理された。(それぞれ256、128、および64の長さの)係数の最初の3つのレベルが、ゼロに設定された。これはLPフィルタリングに類似する。残るフレーム当り64個の係数は、上記の場合と同じアルゴリズムを使用して処理された。逆ウェーブレット変換は、処理されたABRデータの64個の時間領域サンプルを再び作成し、根本的に同じデータを生成し、線形平均化と比較した時にほとんど同一の性能を有した。データは完全には同一でなかった。なぜなら、ButterworthフィルタおよびウェーブレットフィルタのFIRフィルタ特性が、僅かに異なったからである。そのため、この作業におけるすべての新規な信号処理は、64個のサンプルを持つフレームに対して行われ、最初のオーバサンプリングの負の効果のみが、ファイルのサイズおよび計算にかかる犠牲を増大させた。
ABR記録の処理に存在する大量の雑音のために、記録されたデータが、本当に信号成分を有することを確実にすることが必要であった。電極の設置の誤り、または記録中に耳管から落ちる音響学的プローブなどの多くの要因が、データを不正確にし得る。したがって、有効なABR信号が存在することを確かめるために、記録工程を調べることが必要であった。
記録の有効性は、信号の分散を検査することにより得られた。刺激が存在せずに雑音のみが記録されたなら、平均化された記録の絶対エネルギーはゼロとなる傾向があることが予想された。もし刺激が存在すれば、この長期平均化エネルギーは、ゼロより大きくなる。
ABRデータ獲得システムの性能は、電気的試験方法、ならびに一般に引用される聴覚学研究の文献に公表される標準的な試験の双方を使用して、徹底的に試験された。システムは、短縮された入力、任意の信号発生器により発生された知られている入力、刺激の存在しないEEGデータ、および最後に聴覚刺激が存在するEEGデータを使用して試験された。システムは、予想された如くに、かつ文献に報告された如くに機能した。
ウェーブレット変換に使用される多くのタイプのウェーブレットがあり、多くのタイプの変換が利用可能である。ABR信号のデジタル獲得の性質のために、本発明は、当技術分野で知られている双直交性ウェーブレットと呼ばれる特定のタイプの対称ウェーブレットを使用する離散ウェーブレット変換(DWT)に焦点を合わせる。ウェーブレット変換は、係数の二次元アレーを与える。雑音除去は、信号の局所的滑らかさを保存するウェーブレット係数の強度を低下させる。
ウェーブレット変換の過度の単純化した解釈は、変換が、マザーウェーブレット関数を利用し、マザーウェーブレットの異なる伸張および並進であるウェーブレット関数のファミリーを作成するというものである。これらの新しいウェーブレット関数の各々は、元の信号と共に畳み込まれ、異なるスケールおよび並進における係数の二次元空間が生成される。図16は、32個のスケール(垂直次元)および各スケールにおける64個の並進(水平次元)における、平均化されかつフィルタリングされた典型的なABR信号のウェーブレット変換のグラフを示す。双直交性ウェーブレットは、ウェーブレット変換に対して使用された。
本発明において実施されるDWTは、連続して適用される「定数Q」のフィルタのバンクを使用して、元の信号を処理すると考えることができる。フィルタの適用は、信号をハイパス(HP)およびローパス(LP)成分に分解し、2分の1に大幅削減し、続いて、信号が完全に分解されるまで、ハイパスおよびローパス成分の他の集合などにさらに分解する。分解レベルの各々において、係数は、信号の特定の特徴が再構成の際に影響を受けるように、ゼロに設定されるか、または強度が低減されるかのいずれかが可能である。もし分解のために使用されるLPおよびHPフィルタ(それぞれ、HおよびG)が直交ミラーフィルタ(QMF)であれば、かつもしそれらのフィルタの双直交相補性が、終点の適切な処理と共に再構成のために使用されれば、位相および振幅の完璧な再構成が達成できる。以下の図15は、どのようにしてウェーブレット分解が、LPおよびHPフィルタの連続的な適用を使用して行われるかを図式的に示す。
双直交性9−7ウェーブレットを使用するためのウェーブレット係数を記述するために使用されるDWTは、以下の通りである。
Figure 2005521542
関数h[k]およびg[k]は、9−7ウェーブレットに対する双直交性分解フィルタである。名称9−7は、h[k]フィルタ[−4,4]に対する9個のタップ、およびg[k]フィルタ[−4,2]に対する7個のタップに由来する。双直交性9−7ウェーブレットが規定される代わりの方法は、h[k]およびg[k]フィルタの双方に対して各々4である、ゼロになる瞬間の数による。双直交性9−7ウェーブレットは、4つのゼロになる瞬間を有する(Matlabにおけるそれの名称はbior4.4である)。このウェーブレットを使用するフィルタに対して使用される係数は、双直交性9−7ウェーブレットに対するFIRフィルタ係数を示す以下の表2に与えられる。
Figure 2005521542
ウェーブレットの双直交性のクラスは、それらのDWTの実施が、単純かつ短いFIRフィルタを使用して達成でき、それでも完璧な再構成を許容できるために選択された。双直交性9−7ウェーブレットは、それが対称であり、かつ4つのゼロになる瞬間を有するために選択された。このウェーブレットは、その等級を、滑らかなABR信号の予想された規則性と粗いAWGN雑音に対するゼロ規則性とを区別するために適切にする。双直交性9−7ウェーブレットを実施するH、H’、G、およびG’フィルタは、図16に示す。
双直交性9−7ウェーブレットも、研究文献、JPEG2000画像圧縮規格において、EEGウェーブレット信号処理に対して使用されるウェーブレットであり、国家指紋保管データベースのためにFBIにより使用されてもいる。
現行の従来雑音除去アルゴリズムの関連特徴は以下の通りである。
1.各ウェーブレット分解レベルにおいて、ゼロに閾値決定されるウェーブレット係数
2.元の信号のSNRは、雑音除去に先立ち大きくなければならない(>+10dB)
3.すべての雑音除去操作は、単一のデータベクトルに対して行われる。
第1の特徴は、本発明と共通する。第2の特徴は、ゼロ未満のSNRを持つ信号に対して性能が実証されている本発明により克服される限界である。従来のウェーブレット雑音除去の第3の特徴は、ここでは単一のデータベクトルからすべての利用可能なデータに、または、ABRの場合では、単一の線形平均された最終フレームを雑音除去することから、すべての利用可能なフレームおよび樹状の方法でのそれらの再構成の段階的な雑音除去に拡張される。
本発明の1つの態様は、本発明が、最適な線形推定装置の分散を超えて、フレームの数に応じたABR信号推定装置の分散を低減することである。発明者は、ウェーブレット雑音除去が、非線形処理である、およびこれが利用可能な個々のN個のフレームの各々を有するという事実を利用する。元のN個のフレームを「再結合」するため、およびそれらの再結合物を「雑音除去」するために方法が見出され、したがって、元のフレームの線形結合物ではない追加のフレームを作成する。本発明の方法は、元のフレームを結合し、それらを雑音除去し、続いてすべての元のフレームおよび新しいフレームが、可能な限り多くの方法で再結合されるまで、この手順を反復することにより段階的な雑音除去を行う。多様な異なるアルゴリズムが、この課題を実施するために可能である。
好ましくは、フレームは2つの「隣接する」フレームを使用すること、およびそれらの線形平均を算出することにより結合される。方法は、その簡略さ、計算の安定性、および、十分に理解される挙動に対して選択される。続いて、この「動的線形平均」は、雑音除去され、新しいフレームが作成される。全体的な概念は、フレームの元の配列の可能な限り多くの置換を作成し、フレームのそれらの新しい結合物を平均を維持して雑音除去することである。この再結合処理は、再結合されたフレームの新しいレベルが作成される樹状処理である。平均化および雑音除去の操作は、レベルk−1からのフレームの線形結合では最早ないレベルkにおけるフレームを作成する。
この課題を達成するための多くの可能なアルゴリズムは、実施の容易さ、計算の効率、計算の安定性などの異なる基準により評価できる。本発明の場合、実施の容易さが使用される。なぜなら、本発明の鍵となる態様は、異なるウェーブレット雑音除去技術の実施であり、フレーム再配列の組合せ論ではないからである。フレーム再配列の好ましい実施形態の目的は、許容できる性能を得るために十分な新しいフレームを生成することである。
いくつかのアルゴリズムは、フレームの再結合の大きなアレーを発生するために適する。1つのそのようなアルゴリズムは、2つ一組で平均化し、雑音除去することにより新しいフレームのアレーを生成する。このアレーの新しいフレームは、元のABR信号におけるフレームの順序付け、すなわち、{1,2,...,N}の関数である。他のアルゴリズムは、元のABRフレームの置換による「再順序付け」、すなわち、{7,19,...,N,...,N−93}または{73,4,...,N,...,N−121}を含む。この記録処理は、いかなる平均化または雑音除去も、簡単にはフレーム指数の再配列を含まない。新しい記録が得られると、2つ一組の平均化および雑音除去のアルゴリズムは、フレームの新しいアレーを作成するために適用される。このようにして、フレームの多くのアレーが作成され、全体にわたる多数のフレームM>>Nを発生する。
フレーム再結合の選択された方法が、2つ一組の平均化および雑音除去であるとすれば、これを達成するために、単純なアルゴリズムが開示される。すべてのアルゴリズムに対して、ウェーブレット係数の閾値決定は、δ未満のすべてのウェーブレット係数をゼロに設定することにより閾値決定関数を使用して達成される。この閾値工程は、関数den(フレームデータ,δ)によって以下に示される。
新しいフレームの作成を達成するための単純な方法は、以下の通りの「樹状雑音除去」アルゴリズムによる。
1.元のデータのN個のフレームの集合を収集する[f,f,...,f]。
2.信号の最初の2つのフレームfおよびfを取り、まとめて平均化するf12=(f+f)/2。
3.閾値δを使用して、この平均値f12を雑音除去するfd12=den(f12,δ)。
4.信号のさらに2つのフレームをまとめて線形平均化しf34、その平均値を雑音除去するfd34=den(f34,δ)。すべてのN個のフレームに対してこの処理を継続する。
5.[fd12,fd34,...,fdN−1,N]からなるフレームの新しいレベルを作成する。
6.f1234=(fd12+fd34)を作成するために、隣接する各2つの新しいフレームを線形平均化し、fd1234=den(f1234,δ)を作成するためにその平均値を雑音除去する。
7.樹状方式において適用を継続する。
8.各新しいレベルkにおけるフレームを雑音除去するために異なるδを適用する。
この樹状雑音除去アルゴリズムは、図19に描かれる。レベルの総数はK=log(N)である。各新しいレベルkにおけるフレームの数は、2分の1に減少される。なぜなら、レベルk−1における隣接する2つのフレームの平均化および雑音除去の操作は、レベルkにおける単一のフレームを作成する。続いて、樹の根元において、レベルk=Kであり、1つのフレームのみが残る。作成される新しいフレームの総数はN−1である。このアルゴリズムの単純な修正は、より多数のフレームを提供し、次に提示される。
単純な樹状雑音除去アルゴリズムは、樹内の各新しいレベルにおけるフレームの同じ数を維持するために拡張できる。我々は、新しいレベルkを、レベルk−1における隣接するフレームの2つ一組の平均値だけでなく、レベルk−1における1つのフレームによる循環シフトの2つ一組の平均値も含むために延長した。この方法は、ここでは「循環シフト樹状雑音除去(CSTD)」と呼ばれる。CSTDアルゴリズムは、幅Nおよび深さlogNのフレームの樹(または、アレー)を作成する。1≦k≦logNである各レベルkにおいて、樹の深さに沿って、隣接する2つのフレーム(2つ一組のもの)は、平均化されかつ雑音除去され、新しいレベルが作成される。以前のように、2つ一組の平均値に適用される雑音除去操作が、非線形操作であるために、新しいフレームは、元の2つのフレームの線形結合では最早ない。
アルゴリズムは、N個のフレームを取り、平均化の第1のレベルにおいて、1,2;3,4;5,6;...;N−1,Nと番号が付けられたフレームのN/2個の平均値を生成する。続いて、N/2個の平均値の他の集合が、元のフレーム2,3;4,5;6,7;...;(N−2)(N−1);N,1を平均化することにより、元のN個のフレームから第1のレベルにおいて生成される。N/2個のフレームのこれら2つの集合は、連結され、長さNのフレームの新しいレベルが再び生成される。次のレベルにおいて、アルゴリズムは反復され、各々が長さN/4の循環シフト平均値の4つの集合が生成される。処理は、kmax=log(N)個のレベルに対して反復される(整数kに対して、これはNが2の累乗すなわちN=2であることを必要とする)。これは8個のフレームについて図20に描かれ、fd12により示され、操作fd12=den(f12,δ)である。
これは、好ましい実施形態において使用されるアルゴリズムである。なぜなら、これが、単純な樹状雑音除去アルゴリズムよりK倍多いフレームを与えるからであり、かつ、その実施の簡略さ、および、計算の低い複雑さのためである。合計M=N×log(N)個の新しいフレームが作成される。アルゴリズムが各レベルにおいて等しい数のフレームを有するためには、フレームの元の数が、2の累乗、すなわちKが樹の深さであるN=2であることが必要である。
図53に示すように、本発明の方法は、先ず、各々がM個のサンプルをそれぞれ有する、合計2個のデータフレームに対して、データを対で獲得する工程を好ましくは含む。次に、データフレームは、離散ウェーブレット変換を施され、係数は連結された形でさらなる処理のために保存される。次に、最初の離散ウェーブレット変換において決定されるように、単にウェーブレット係数の隣接するフレームを平均化することにより供給される第1の半分を備えるウェーブレット係数のフレームの新しい集合の半分を供給するために、示されるようにCSTDアルゴリズムが適用される。続いて、フレームの新しい集合は、可変閾値とすることができるものに従って雑音除去され、新しい閾値ならびに雑音除去されたウェーブレット係数が算出され、かつ保存される。これは、N−1回にわたり反復的に繰り返され、結果として得られる係数は、線形平均化される。続いて、最終フレームは、雑音除去された信号に到達するために離散逆ウェーブレット変換することができる。
CSTDアルゴリズムについて注意すべき2つの事項が重要である。第一に、雑音除去しないと、循環シフト樹状平均化を使用するフレームの再結合は、各新しいレベルにおけるフレームの単純な線形結合物を産み出す。いずれの特定のレベルにおけるフレームの線形平均値は、他のすべてのレベルにおけるフレームの線形平均値と同一である。注意すべき第2の事項は、CSTD樹の底部において各フレームが、他の各フレームと同一であることである。これは、雑音除去をしない循環シフトアルゴリズムが、底部における各フレームが、元のレベルにおけるすべてのフレームの線形平均値であること、および、それらが、多くとも1回はその平均値に含まれることを確実にするためである。これらの2つの結果は、循環シフト樹状アルゴリズムを、ウェーブレット雑音除去の調査に対して望ましいものにする。
ウェーブレット係数の閾値決定が、各新しいレベルにおけるフレームに適用されると、それらのフレームは、前のレベルにおけるフレームの線形結合ではなくなる。なぜなら、閾値決定は非線形操作であるためである。加えて、樹の底部レベルにおけるフレームは、樹の頂部レベルにおける「フレームの順序付け」の関数でもある。例えば、フレーム{1,2,3,4,5,6,7,8}の順序付けへのCSTDの適用は、CSTDがフレーム、すなわち、{5,3,8,1,7,6,4,2}の順序付けに適用された時に生成されるフレームとは異なる樹の底部レベルにおける8個のフレームを生成する。これは、CSTDレベルに応じた閾値の変化のためである。各フレームは、樹の頂部から底部への異なる経路を辿り、各新しいレベルにおける閾値決定関数により異なる影響を受ける。この事実は、単に樹の頂部レベルにおけるフレームを再順序付け、かつCSTDを再適用することによる、互いの線形結合物ではない非常に多数のフレームを作成する可能性を提供する。これらの再順序付けを生成する2つのアルゴリズムがある。これらの新しいアルゴリズムは、「Euler−Fermatフレーム再順序付け」および「全可能置換」と呼ばれる。これらのアルゴリズムのいずれも、平均化または雑音除去のようないかなる操作もフレームには適用せず、それらは予測可能な方法でフレームのシーケンスの再順序付けのみを行う。
CSTDアルゴリズムは、フレームの再結合の全可能性を奪うものではない。CSTDの適用に先立ちフレームを再配列することは可能であり、この再配列は、より多くの全体的な結合物を産み出す。必要なものは、{1,2,...,N}の集合から、各々1つが同じである要素を含み、長さがNである新しい集合、すなわち、{7,19,...,N,...,N−93}または{73,4,...,N,...,N−121}への「1対1」かつ「全射である」関数である。これを達成する1つの方法は、EulerおよびFermatによる抽象代数学からのシーケンス置換結果を使用することである。我々は、以下のように定義される関数φ(k)を使用するEulerによる定理を先ず提示する。すなわち、φ(1)=1であり、k>1に対して、φ(k)はk未満の正の整数に等しく、かつ、kに対して互いに素ではない。modで示されるモジュロー関数は、2つの整数を除算した余りを与える。例えば、3mod8=3、11mod8=3、および16mod8=0となる。Eulerの定理は、xmodzが、ymodzと等価の関係であることを表すために、x≡ymodzで示される「合同モジュロー」関数を使用する。例えば、73≡4mod23である。なぜなら、73mod23=4かつ4mod23=4だからである。そのため、我々は、23で除された73と4の双方が同じ余り、すなわち4を有するという意味で、73と4は合同モジュロー23であると言う。我々は、フレーム数の新しいシーケンスを作成するために、合同モジュロー関数を使用する。定理は証明せずに以下のように与えられる。
(Euler) aφ(k)≡lmodk
ここで、kは正の整数であり、aはkに対して互いに素ではない。例えば、k=8とする。すると、φ(8)=4となる。なぜなら、8に対して互いに素ではない8未満の4つの数(1、3、5、7)があるからである。そのため、φ(8)=4乗されたこれら4つの数のいずれかは、1について合同モジュロー8である。すなわち、1=1、1mod8=1である。同様に、3=81、81mod8=1である。同じく、5=625、625mod8=1である。最後に、7=2,401かつ2,401mod8=1である。
Fermatによる(最近証明されたばかりの彼の最終定理ではない)第2の定理は、この概念を素数に拡張する。我々はこの定理を同じく証明せずに述べる。
(Fermat)もしpが素数であり、かつ、aが任意の整数であれば、a≡amodpである。
例えば、a=8かつp=3とする。すると、8=512、かつ、512mod3=2である。同じく、8mod3=2である。そのため、我々は3で除された8と8の双方が同じ余り、すなわち2を有するという意味で、8≡8mod3である、または、8および8は合同モジュロー3であると言う。
(CSTDの目的のために2の累乗であることが必要な)特定の数のフレームに対して、我々は、可能な再順序付けの最大数を産み出す、素数の集合を見出すことができる。特に、もしNがフレーム数を示し、pはNに互いに素ではない数であり、ioldは古いフレームの指数であれば、新しいフレームinewの指数は、以下の式で与えられる。
new=(iold・p)modN
Wickerhauser、M.V.、「Personal Communications」を参照されたい。例えば、もしN=8であれば、以下の表3は、Euler−Fermatフレーム指数再順序付け、および値p=1、3、5、および、7に対する8個の元のフレームの指数再順序付けの例を提供する。
Figure 2005521542
フレームの各新しい再順序付けは、正確にN=8個の要素を有すること、および、元の集合の各要素は、再順序付けにおいて1回のみ現れることに注意されたい。
単純なコンピュータプログラムの支援を得て、我々は、元のデータのフレームの与えられた数に対する適切な素数を見出すことができる。我々は、x=1かつ式がp=1modNを与えるまで、n回、式x=(p×x)modNを反復する。我々は、与えられた素数に対して反復数nを最大化したいと所望する。例えば、データのN=512個のフレームに対して、(すべて512に対して互いに素である)数3、5、11、13、27が、n=128をもたらし、そのため、これらの互いに素である数に対して、p128=1mod512となる。互いに素な7および9は、n=64をもたらし、互いに素な数17は、n=32をもたらす。そのため、我々は、素数3、5、11、13、27などを選択する。もしNが2の累乗であれば、N個の要素の元のシーケンスの置換の最大数は、N/2に等しい。例えば、N=512に対して、異なる置換の最大数は256であり、512未満のすべての奇数は、512に対して互いに素ではない。
Euler−Fermatアルゴリズムは、CSTDの適用に先立ち、異なるフレーム指数の再順序付けの総数を増加させるために実施される。全体的なアルゴリズムは、先ず、本明細書に説明されるEuler−Fermat法を使用して、元のN個のフレームの多くの再順序付けを作成し、続いて、フレームの各新しい順序付けにCSTDアルゴリズムを適用する。もしP個の新しい再配列が、Euler−Fermatの再順序付けを使用して発生されれば、これは、合計M=P×N×log(N)個の新しいフレームを作成する。続いて、我々は、Euler−Fermat再順序付けとCSTDの組合せにより発生することができる、フレームの最大数の上限を有する。すなわち、M=N×N/2×log(N)=0.5×(N×log(N))である。
大きな数のフレームを作成するために、最も徹底的な選択は、単にすべての可能な置換を計算し、続いて、2つ一組で平均化し、それらを雑音除去することであった。しかし、すべての可能な置換の数はN!であり、これは小さな数のフレームに対してさえ非常に迅速に大きくなる。例えば、N=8に対して、すべての可能な置換の数は、M=40,320であり、N=512に対して、すべての可能な置換の数は、M=3.4×101166となる。このアルゴリズムは、研究室では調査されなかった。なぜなら、Euler−Fermat再順序付けとCSTDの組合せが、既に非常に大きな数のフレームを生成しており、新規な雑音除去アルゴリズムの評価に対して十分であるからである。
図21は、特定のEuler−Fermat置換に対して、CSTD処理を図式的に描く。元の信号x[n]は、ABRデータのN個のフレームから構成される。例えば、Nを32とする。すると、CSTDは、5個のレベルにおける32×log(32)=160個の新しいフレームをもたらす。
ここで、我々は、ウェーブレット係数の閾値決定の処理を検査する。閾値決定は、2つの異なる方法で適用される。閾値決定が適用される第1の方法は、単一のDWT内である。ウェーブレット分解の各レベルにおいて、異なるスケールにおける係数に異なって影響する、異なる閾値が適用される。より高い周波数に対応するウェーブレット分解スケールは、より大きな閾値で閾値決定され、スケールが分解の付加的レベルと共に増加するに従い、かつ、信号の特徴がよりはっきりするに従い、より少ない係数が、ゼロに設定される。これは、従来技術においてDonohoにより要約された結果である。ウェーブレット係数の数は、データフレームにおけるサンプルの数に対応し、そのため、64点信号フレームのウェーブレット分解は、log(64)=6個の分解レベルおよび64個のウェーブレット係数を産み出す。この閾値決定は、iがウェーブレット分解レベルであるとして、閾値レベルがスケールからスケールに2i/2分の1に減少するように、標準的なウェーブレット雑音除去の文献に示唆されるように新規なアルゴリズムにおいて実施される。
可変閾値決定が実施される第2の方法は、図21に描かれる如くのCSTDレベル間にあり、これは本発明に独自のものである。ウェーブレット係数は、δで示される、異なる初期閾値を使用して、そのレベルにおける各フレームに対して閾値決定される。閾値関数を解釈する正しい方法は、2つの変数の関数δk,wとしてであり、ここでkは、CSTDアルゴリズムレベルに対応する指数であり、wは、CSTDのk番目のレベルにおける単一のフレーム内の特定のウェーブレットスケールに対応する指数である。ウェーブレットスケール内の閾値決定が、現在の標準的な雑音除去アルゴリズムの一部であるため、我々は、ここではそれをさらには検査せず、閾値決定の今後の検討がそれを確実にする。我々は、δで示される、CSTDレベルkに応じたδの変化を検査するのみである。我々が閾値決定を検討する時、我々は、本発明に適用されるCSTDレベル依存閾値決定をもっぱら参照する。
CSTDウェーブレット係数閾値決定と共に含まれる2つの変数がある。第1の変数は、樹の深さレベルに閾値を関係付ける関数である。第2の変数は、最終レベルにおける初期値(δ)である。両者ともに本発明の有効性において重要な役割を果たす。
我々は、δをCSTDレベルに関係付ける基礎をなす関数を選択する時に、多くの選択肢を有する。関数δは、推定装置の分散を最小に抑えるものを求める中で、一般に使用される信号処理関数の範囲から選択される。直感的に、我々は、単調関数、すなわち、厳密に増加する、厳密に減少する、または、定数関数のいずれかを選択したいと所望する。なぜなら、CSTDの挙動は、レベル間で一定であるからである。
第1の選択肢は、1≦k≦log(N)となるようなすべてのkに対してδ=δk−1となるような定数関数である。なされるべき第2の主要な選択は、関数が増加するか減少するかである。続いて、我々は、関数の増加(減少)の仕方、どのくらいの割合で、どのような形で、などを選択する。これら2つの前提の双方とも、それらを人間の被験者のデータに適用することにより試験され、結果は、大きなデルタで開始し、各レベルにおいてそれを減少させることが、実質的により低い分散およびRMSエラーを産み出すことを明確に示す。加えて、閾値関数δ=2−k/2は、最善の全体的結果を産み出す。これは、典型的な人間の被験者のABRデータに対して、以下の図22に示される。
図22の結果は、減少関数2−k/2が全体的に最低のエラーを産み出すことを実証する。この結果は、初期閾値の選択に依存する各特定の閾値関数に対する最小値が存在することも実証する。このことは、下回ると係数をゼロに設定することが非常に重要となる初期閾値の選択を意味する。なぜなら、非常に大きな閾値は、過剰な数の雑音に関連する係数を維持し、非常に小さな閾値は、情報を伴う信号に関連する係数を排除する。
(M個の新しいフレームを作成した)CSTDアルゴリズム内でのウェーブレット変換操作の適用に関しては、2つの選択肢が可能であった。1つの選択肢は、新しく作成されるフレームのすべての各「個々の」フレームに対して、DWTを行い、雑音除去し、続いて、IDWTを行うことであった。これは時間領域におけるすべての中間フレーム再結合を維持するが、これはDWTおよびIDWTのみのために、n×log(n)(フレーム当りn=64個のサンプル)のオーダの2×M回の操作を必要とした。代案となる方法は、先ず、各フレームに対してM個の異なるDWTを算出し、続いて、各回でIDWTを行わずに、CSTDにおいてウェーブレット係数のみを使用することであった。CSTDの出力においては、ウェーブレット係数の単一の最終フレームが得られ、IDWTが1回のみ適用された。これは、ウェーブレット変換の実行に関して、作業負荷を2×MからM+1回の操作に削減した。
我々は、ここで、ABR信号獲得と好ましい実施形態の新規な方法を組み合わせた全体的なアルゴリズムを提示する。全体的なアルゴリズムは以下の通りである。
1.上記に説明したデータ獲得システムを使用する、刺激の存在がある場合およびない場合の8,192個のフレームにわたる人間の被験者からのABRデータを獲得する。
2.元のフレーム[1,2,...,K]のように配列される、8,192個のフレームの各フレームに対してDWTを行うことにより、ウェーブレット係数のアレーを作成する。
3.「真の」ABR信号として使用される滑らかな信号を得るために、すべての8,192個のフレームを線形平均化し、かつフィルタリングすることにより、「最終的平均」を作成する。
4.各々が異なって雑音除去された合計M=N×log(N)個の新しいフレーム(すなわち、多くとも8,192×13=106,496個のフレーム)を得るために、CSTDを使用してウェーブレット係数のアレーを雑音除去する。
5.再配列されたフレーム(すなわち、サイズNの[3,5,9,...,N,N−3,...])を得るために、Euler−Fermat再順序付けを使用して、元のウェーブレット係数フレームのP個の新しい置換pを作成する。各新しい置換pに対して、CSTD操作をP回反復する。これは、合計0.5×(N×log(N))個の新しいフレームを得る。
6.N個のフレームのシーケンスを得るために、CSTDが適用されたフレームのすべての異なる雑音除去された再順序付けを線形平均化する。
7.ウェーブレット係数の1つのフレームを得るために、N個のフレームを線形平均化する。
8.時間領域サンプルを得るために、この平均化されたフレームに対してIDWTを行う。
9.フレームの増加する番号に対して、線形平均値と最終的な平均値との間の分散およびRMSエラーを算出し、雑音除去された平均値と最終的な平均値との間の分散およびRMSエラーと比較する。
Euler−Fermat置換の効果が調査され、追加のフレームが、性能に有意には寄与しなかったことが見出された。単一の置換の場合に対する線形平均化にわたる分散の平均的な減少は、9.25分の1であった一方、15種の異なるEuler−Fermat置換の適用は、9.52倍に増加させ、または、約3%改善したのみであった。これは、CSTDの適用が、段階的雑音除去を利用するために十分な数のフレームを提供すること、および、フレームの様々な再配列に対してCSTDを反復することが、有意な改善を産み出さないことを示すものである。
しかし、新しいCSTDフレームが、元のフレームの単純な線形結合ではなかった一方、それらは、元のフレームとある程度相関していて、かつ、統計的に独立ではなかった。これは、CSTDを使用するSNRの改善の量が、重要である一方、理論的に予想される結果の最善の場合より有意に少ない理由である。
同様に、CSTD処理は、線形平均化処理と雑音除去処理の組合せである。CSTDと線形平均化との重要な差は、CSTDが、閾値未満のウェーブレット係数をゼロに設定することである。CSTD処理において閾値をゼロに設定することは、すべてのウェーブレット係数が維持されることを意味し、これは線形平均化を行うことと類似する。閾値は、CSTDレベルの数が増加するに従って減少する。レベルの数、またはCSTD樹の深さは、増加するフレーム数と共に増加し、そのため、より多くのフレームが、より小さな閾値により処理される一方、同時に線形平均化される。そのため、線形平均化と比較すると、線形平均化されているフレーム数に比較して、小さなフレーム数に対して、CSTDは、より大きな閾値を使用してより多くのフレームを雑音除去する一方、大きなフレーム数に対して、CSTDは非常に小さな閾値を使用してより多くのフレームを雑音除去する。
さらに、1つの樹レベルから次の樹レベルへのCSTDに内蔵される線形平均化処理は、同時ウェーブレット雑音除去処理に加えてSNRを増加させる。そのため、フレームの小さな数に対して、少量の線形平均化はCSTD内で行われ、SNRの改善のほとんどは、選択ウェーブレット係数をゼロに設定することに由来する。フレーム数が増加するに従い、より多くの線形平均化がCSTD内で行われ、ウェーブレット雑音除去によるより、多くの雑音が線形平均化処理により除去される。加えて、より多くのフレームが処理されるに従い、より小さな閾値が新しい樹レベルに適用される。全体的に、各樹列において、フレーム数が増加すると共に、より少ない雑音が雑音除去により除去される。なぜなら、閾値がレベル間で低下される一方、より多くの雑音が線形平均化により除去される。
したがって、我々は、自身により適用される線形平均化処理を、不可欠な部分として線形平均化を同じく使用するCSTD処理に比較した時、改善量が、フレームの増加する数と共に一般に減少されることが分かる。しかし、ABR信号処理を行う場合、我々は、フレームの小さな数(すなわち、512対8,192)に対するSNR改善に関係し、そのため、CSTDアルゴリズムは、従来の線形平均化に比較した時に、改善を提供する。
本発明は、弱い生体信号に対する適用のための新規な高速ウェーブレット推定装置を提供する。弱い生体信号は、人体により生成される信号として規定され、結果的な信号対雑音比(SNR)がゼロdB未満となるように、大量の雑音により劣化される。多くの信号フレームの線形平均化は、ABRのSNRを上昇させるために従来技術で広く使用される。従来のウェーブレット雑音除去は、雑音を表すウェーブレット係数をゼロに設定する処理である一方、閾値関数を使用して信号を表す係数を維持する。しかし、従来のウェーブレット雑音除去は、SNRがゼロ未満である信号に対しては失敗する。なぜなら、多すぎるウェーブレット係数がゼロに低減されるからである。
本発明の装置および方法を使用して、元のデータフレームは、各々が可変閾値関数を使用して雑音除去された、大きな数の新しいフレームを作成するために、再結合される。新しいフレーム結合物の作成のためのいくつかのアルゴリズムが、開示され、循環シフト樹雑音除去(CSTD)が、これらのフレームに適用される。このCSTDアルゴリズムは、データの元のN個のフレームを使用し、N×log(N)個の新しいフレームを生成した。新しいフレームは、隣接する元のフレームを平均化し、その平均値を雑音除去することにより導出された。フレームの新しいレベルが、作成され、各レベルにおいて、異なる雑音除去閾値が採用された。雑音除去が非線形操作であるため、CSTDアルゴリズムは、元のフレームの線形結合ではない新しいフレームを生成する。実験による結果は、先ず元のフレームを再順序付けし、続いて、CSTDを使用してそれらを再結合する置換方法が、有意な改善を産み出さなかったことを示した。
CSTDアルゴリズムを使用して、−20dBのSNRを持つシミュレートされた雑音含有正弦波に新規なアルゴリズムを適用することが、最初の512個のフレーム内で許容できる性能を達成することが示されている。シミュレートされた信号の小さな数(すなわち、512)のフレームに対して、新規なアルゴリズムは、線形平均化に比較した時、約10倍に推定値の分散を低減することが示されている。人間の被験者のABRデータに対する新規なアルゴリズムの適用は、性能における大きな改善も生成する。準最適状態において収集されるピークVの近隣におけるABR波形の領域は、平均化される2から3倍多いフレームを必要とする線形平均化と比較して、512個ほどに少ないフレームにおける新規なアルゴリズムにより近似することができる。新規なアルゴリズムは、線形平均化と比較して、約3分の1に信号の分散を低減することが示されている。これは、収集され、平均化される必要のあるフレームの数を約5分の1に減少させることと等価である。
新規なアルゴリズムにはいくつかの制限がある。線形平均化のように、このアルゴリズムは、データの単一のフレームには適用できず、そのため、同じ信号の複数の測定を行わなければならない。推定される信号は、これを劣化させる雑音と比較して、コヒーレントかつ滑らかでなければならない。なぜなら、これは、ウェーブレット雑音除去に基づくからである。最後に、このアルゴリズムの現在の実施において、これは、アルゴリズムの適用に先立って、データのすべてのフレームが収集され、保存されることを必要とする(すなわち、512個のフレームを処理するために、512個のフレームのすべてがメモリにおいて利用可能でなければならない)。
新規なCSTDアルゴリズムは、他のクラスの弱い信号および生体信号に適用できる。例えば、不規則に変化するか、または、非周期的であるか、または反復性ではないという意味で変動における入力信号は、同じ信号プロセッサおよび方法を使用して本発明を使用して雑音除去することもできる。必要なことは、入力信号がいくつかのより小さな部分に選択的に分割されることであり、続いて、その部分の各々は、別個に雑音除去することができ、続いて、結果として得られる信号は、分割するための手順を反対にすることにより再組み立てすることができ、それにより、雑音除去された変形信号を生成する。好ましい実施形態の目的は、試験速度および結果の正確さが決定的な重要性を持つ、汎用の乳児聴力スクリーニングに適用できるアルゴリズムを作成することである。
上記から、本発明のいくつかの目的は達成され、かつ、他の有利な結果が成就された。本発明の範囲から逸脱せずに、上記において様々な他の変更を行うことができるが、上記の説明に含まれるか、または添付の図面に示されるすべての事項が、例示のためでありいかなる限定的な意味にもないと解釈されることが意図される。したがって、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
人間の末梢聴覚系を示す部分断面図である。 ER−10C変換器を使用して耳の中で測定される、典型的なABRクリック刺激の周波数領域特性を示すグラフである。 正常な聴力の大人の典型的なABRピークパターンを示すグラフである。 典型的なABR信号獲得および処理システムを示す概略図である。 ABRデータの元のN個のフレームが結合され、雑音除去され、かつ新しいフレームの集合が新しいレベルで作成される、樹状雑音除去アルゴリズムであって、処理は、レベルKまで反復され、最終的な平均化されたフレームを作成するために、レベルKにあるフレームがまとめて平均化されるN×K個の新しいフレームの全雑音を作成する、アルゴリズムを示すグラフである。 データ獲得および処理システムのブロック図を示す概略図である。 システム雑音波形が被せられた65dBのSPL刺激からもたらされ、かつ8,192個のフレームにわたって平均化された典型的なABR波形を示すグラフであり、雑音が、電極に装着された3つの5.2kΩの抵抗のY型ネットワークを使用して記録された。 平均化をしない被験者の頭皮から収集された刺激を与えない記録のパワースペクトル密度を示すグラフである。 平均化をしない刺激を与えないABR記録を示すヒストグラムである。 6σを持つガウス確率密度関数に対する雑音のみの記録の対数プロットを示すグラフである。 刺激の存在のある、およびない場合の、Fsp値の比較を示すグラフである。 ウェーブレット関数に対する時間および周波数領域におけるエネルギー集中を表す時間周波数を示す箱型図である。 ABR信号を示すブロック図である。 双直交性の9−7のウェーブレットを使用する32のレベルのウェーブレット変換を使用する、典型的な平均化されたABR信号の分解を示すグラフである。 LPおよびHPフィルタの組および信号xに適用される大幅削減を使用することによるDWTを示すグラフである。 Matlabの指数付けの規則が、[4,4]および[−4,2]によりそれぞれ指数付けされたフィルタHおよびGの代わりに、[1,9]および[1,7]とそれぞれ指数付けされたフィルタHおよびGに使用された、双直交性の9−7ウェーブレット変換に関する、分解のためのLPフィルタHおよびHPフィルタG、ならびに再構成のためのLPフィルタH’およびHPフィルタG’を示す一連のグラフを示す図である。 −20dBから+20dBのSNRを持つ雑音含有正弦波に適用される、従来の雑音除去に比較されるローパスフィルタリングの結果を示す一連のグラフである。 左の列は、512から8,192個のフレームの線形平均化の進行を示し、かつ右の列は、対応する従来の方法で雑音除去された線形平均化を示す、典型的なABR信号に適用される従来の雑音除去を示す一連のグラフである。 元の信号x[n]が、2つ一組で3つのレベルで平均化され、3つの新しい信号x1[n]、x2[n]、x3[n]を作成する、例えばN=8フレームの樹状雑音除去平均化アルゴリズムを示す図である。 樹の深さがlog(8)=3であり、各レベルが正確にN個のフレームを含み、そのレベルのすぐ上のレベルからのフレームの異なる組合せからなる、例えばN=8の循環シフト樹状雑音除去(CSTD)アルゴリズムを示すグラフである。 循環シフト雑音除去アルゴリズムを示すグラフである。 6つの減少関数、1つの定数関数、および、1つの増加関数(sqrt(2)^k)に対して描かれた、閾値関数選択を示すグラフである。 8個の循環正弦波を示すグラフである。 WGNからN[0,1]の時間領域を示すグラフである。 ランダム雑音ベクトル(中央値9.1848e−005、分散=0.999)を示すヒストグラムである。 ランダム雑音ベクトルのパワースペクトル密度を示すグラフである。 左の列は、上から下へWGNが加えられた−20dB、−10dB、および、0dBのSNRを持つ3つの単一フレーム正弦波を示し、かつ右の列は、8,192個のすべてのフレームにわたり線形平均化されたそれぞれの正弦波を示す、雑音含有正弦波およびそれらの線形平均化を示す一連のグラフである。 512個のデータフレームの線形平均化と比較される、新規なウェーブレットアルゴリズムの性能を示すグラフである。 線形平均化(上)と新規なウェーブレットアルゴリズム(下)との間の分散の比較を示すグラフである。 実験的な環境雑音レベル測定を示すグラフである。 8,192個のフレームにわたり平均化され、かつ線形位相を持つBPButterwothフィルタ(100から1,500Hz)によりフィルタリングされた、典型的なABR波形を示すグラフである。 暗色線により表示される図29のグラフに重ねられる、平均化をしないABRデータの典型的な単一のフレームを示すグラフである。 512個のフレームのデータに対するCSTDとの線形平均化の比較を示すグラフである。 線形平均化とフレーム数に応じたCSTDとの間の分散の比較を示すグラフである。 線形平均化と32、128、256、および512個のフレームに対するCSTDとの間の比較を示す一連のグラフである。 すべての8,192個のフレームにわたる線形平均化との新規なウェーブレット雑音除去の比較を示すグラフである。 患者の耳(耳1および耳2)に対するFsp記録を示す一連のグラフである。 耳3および耳4が同じ患者に属し、刺激のない場合の記録を共有し、他のすべての耳が刺激のない場合の記録を共有する、患者の耳(耳3から耳8)に対するFsp記録を示す一連のグラフである。 患者の耳(耳9から耳10)に対するFsp記録を示す一連のグラフである。 sp値が3.1に届かず、全般的な増加傾向がなく、平均化されるフレーム数が増加する、無効なABR記録の例を示すグラフである。 示される3つの波形が、以下のフレーム番号、1から4,096、4,097から8,192、および1から8,192にわたり平均化される各刺激レベルに対して重ねられる、80、75、70、60、および30dBのSPLでの一人の被験者に対する刺激記録を示すグラフである。 耳1のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳2のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳3のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳4のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳5のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳6のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳7のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳8のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳9のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳10のCSTD(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 耳6のCSTDに対するダウンサンプリングされたデータ(左)および分散の比較(右)を示す一連のグラフである。 1つの方法において実施されるか、または、コンピュータなどのプロセッサにおいて具体化することができる、本発明のブロック図である。

Claims (24)

  1. 入力信号を雑音除去するための信号プロセッサであって、
    記入力信号を保存するためのメモリを含み、入力信号が、データポイントの複数のフレームに分割され、前記信号プロセッサがさらに、プロセッサを含み、
    該プロセッサが、
    データポイントの複数のフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を別個に行い、かつ、
    音除去された結合合成入力信号を形成するために、雑音除去されたデータポイントの合成フレームを結合するように構成される、信号プロセッサ。
  2. プロセッサは、データポイントのフレームが雑音除去された結合合成入力信号に最終的に結合される前に、複数回にわたってデータポイントのフレームを反復して雑音除去するようにさらに構成される、請求項1に記載の信号プロセッサ。
  3. プロセッサが、各反復の前に、データポイントの複数のフレームを結合するように構成される、請求項2に記載の信号プロセッサ。
  4. プロセッサが、雑音除去の各反復に対して異なる閾値を使用するようにさらに構成される、請求項2に記載の信号プロセッサ。
  5. プロセッサが、データポイントのフレームを別の回に雑音除去する前に、データポイントのフレームを再順序付けするようにさらに構成され、かつ、すべての雑音除去されたデータポイントのフレームが、雑音除去された結合合成入力信号に到達するために結合される、請求項1に記載の信号プロセッサ。
  6. 入力信号が、アレーA1または2個のデータポイントのフレームを含み、プロセッサが、最大N−1回の雑音除去の反復を行うようにさらに構成される、請求項1または2に記載の信号プロセッサ。
  7. 入力信号を雑音除去するための信号プロセッサであって、
    前記入力信号を保存するためのメモリを含み、入力信号が、データポイントの複数のフレームに分割され、前記信号プロセッサがさらに、
    プロセッサを含み、該プロセッサが、
    データポイントの複数のフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を別個に行い、
    データポイントの新たなフレームを作るためにデータポイントの複数のフレームを再構成しデータポイントの新たなフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を行い、かつ、
    音除去された結合合成入力信号を形成するために、雑音除去されたデータポイントの合成フレームと雑音除去されたデータポイントの新たな合成フレームとを結合するように構成される、信号プロセッサ。
  8. プロセッサは、データポイントのフレームが雑音除去された結合合成入力信号に最終的に結合される前に、各雑音除去操作の一部として、複数回にわたってデータポイントのフレームを反復して雑音除去するようにさらに構成される、請求項7に記載の信号プロセッサ。
  9. プロセッサが、各反復の前にデータポイントの複数のフレームを結合するように構成される、請求項8に記載の信号プロセッサ。
  10. プロセッサが、雑音除去の各反復に対して異なる閾値を使用するようにさらに構成される、請求項8に記載の信号プロセッサ。
  11. 入力信号が、アレーA1または2個のデータポイントのフレームを含み、プロセッサが、最大N−1回の雑音除去の反復を行うようにさらに構成される、請求項7または8に記載の信号プロセッサ。
  12. 力信号を雑音除去するための方法であって、
    入力信号をデータポイントの複数のフレームに分割する工程と、
    データポイントの複数のフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を別個に行う工程と、
    音除去された結合合成入力信号を形成するために、雑音除去されたデータポイントの合成フレームを結合する工程とを含む、方法。
  13. 雑音除去工程は、データポイントのフレームが雑音除去された結合合成入力信号に最終的に結合される前に、複数回にわたってデータポイントのフレームを反復して雑音除去する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 雑音除去工程は、各反復の前に、データポイントの複数のフレームを結合する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 雑音除去工程は、雑音除去の各反復に対して異なる閾値を使用する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  16. データポイントのフレームを別の回に雑音除去する前に、データポイントのフレームを再順序付けし、かつ雑音除去された結合合成入力信号に到達するためにすべての雑音除去されたデータポイントのフレームを結合する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  17. 入力信号が、アレーA1または2個のデータポイントのフレームを含み、雑音除去工程が、最大N−1回の雑音除去の反復を行う工程を含む、請求項12または13に記載の方法。
  18. 力信号を雑音除去するための方法であって、
    入力信号をデータポイントの複数のフレームに分割する工程と、
    データポイントの複数のフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を別個に行う工程と、
    データポイントの新たなフレームを作るためにデータポイントの複数のフレームを再構成しデータポイントの新たなフレームの各々に対して非線形雑音除去操作を行う工程と、
    音除去された結合合成入力信号を形成するために、雑音除去されたデータポイントの合成フレームと雑音除去されたデータポイントの新たな合成フレームとを結合する工程とを含む、方法。
  19. 雑音除去工程が、データポイントのフレームが雑音除去された結合合成入力信号に最終的に結合される前に、各雑音除去操作の一部として、複数回にわたってデータポイントのフレームを反復して雑音除去する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 各反復の前に、データポイントの複数のフレームを結合する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 雑音除去の各反復に対して異なる閾値を使用するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  22. 入力信号が、アレーA1または2個のデータポイントのフレームを含み、かつ、雑音除去工程は、最大N−1回の雑音除去の反復を行う工程を含む、請求項18または19に記載の方法。
  23. 分けられた入力信号が、生体信号である、請求項1に記載の信号プロセッサ。
  24. 前記生体信号が、約0dB未満の信号対雑音比を有する弱い生体信号である、請求項23に記載の信号プロセッサ。
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