JP2005521215A - スインギング対物減速浸漬レンズの電子光学的集束、偏向、信号収集システムと方法 - Google Patents

スインギング対物減速浸漬レンズの電子光学的集束、偏向、信号収集システムと方法 Download PDF

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Abstract

ビーム電流の大きい低電圧電子ビーム、比較的高い空間解像度、比較的広い走査領域および高い信号収集効率を提供するスインギング対物減速浸漬レンズ系およびその方法である。対物レンズには、粒子線の粒子を標本に集束させるための磁界を標本の近傍に生成するための磁気レンズと、標本の近傍の粒子線に減速電界を提供し、それにより粒子線が標本に衝突する際の粒子線のエネルギーを小さくするための電位を有する電極と、粒子線の軸に沿って配置された複数の偏向ユニットを備えた、面積の広い標本の走査を可能にするべく粒子線を偏向させるためのための偏向システムであって、偏向ユニットの少なくとも1つが粒子線の減速電界中に配置され、残りの偏向ユニットが磁気レンズの中央ボア内に配置された偏向システムと、一次電子線用開口の真下に配置された、比較的小さい開口を備えた、二次電子(SE)および後方散乱電子(BSE)を捕獲するための環状検出ユニットが含まれている。

Description

本発明は一般に走査型電子顕微鏡に関し、詳細には大電流低電圧一次電子ビーム、高解像度走査、広走査領域、高信号捕獲効率を提供することができるスインギング対物減速浸漬レンズの電子光学的集束と偏向システムと方法に関する。
走査型電子顕微鏡は、対象物の超微小構造を極めて詳細に検査する必要のある多くの応用例に使用されている。これらの応用例の中には、超大規模集積(VLSI)回路あるいはウェハもしくは他の物品などの標本の欠陥調査や検査、これらの標本中のフィーチャの臨界寸法入れ、さらには標本の設計とプロセスの検証が含まれる。走査型電子顕微鏡は、波長が短く、それにより走査型電子顕微鏡による微小スポット・サイズの生成が促進されるため、現状では約0.2μm(1μm=10−6メートル)以下のサブミクロン寸法のフィーチャの観察には光学顕微鏡より優れているとされている。走査型電子顕微鏡には、通常、調査中の標本に電子ビームを集束させるための対物レンズ系が使用されている。
走査型電子顕微鏡は、通常、一次電子ビーム源、加速陽極、標本に一次電子ビームを集束させるための対物レンズ、標本に対する一次ビームの位置決めの動きと走査移動を可能にする複数の偏向ユニット、標本からの二次電子(SE)あるいは後方散乱電子(BSE)を捕獲し、標本の像を生成するための検出システムを備えている。中には、集光レンズ系を使用して対物レンズ系に集束ビームを提供している場合もある。関連分野の技術者に知られているように、電子ビーム源は、一次ビーム用の電子を供給している。集光レンズ系が使用されている場合、この集光レンズ系によって対物レンズのための一次電子ビーム源の像が形成され、対物レンズによって集光レンズの像が標本に集束される。偏向システムは集束ビームを標本の一部分を走査移動で動かし、標本材料から二次電子と後方散乱電子が放出させる。これらの二次電子と後方散乱電子が検出かつ増幅され、それによって得られた信号を使用して、走査電子ビームと同期して動作する結像システムのビームが変調され、標本から放出される電子あるいは標本で散乱する電子に基づく走査領域の像が得られる。
従来技術による走査型電子顕微鏡にはいくつかの欠点がある。第1に、従来技術による対物レンズの場合、高解像度を得るためには比較的大きいビーム・エネルギー、例えば15KeV以上の一次電子ビーム源が必要であるが、このようなより大きいエネルギーの電子ビームを標本に直接供給することは、標本を損傷し、延いては集積回路のエンジニアリング、製造、生産に信頼性の問題をもたらす原因になるため、望ましいことではない。この信頼性の問題は、低エネルギー一次電子ビーム源を使用することによって回避されるが、対物レンズの色収差によって、また、電子ビーム中の電子と電子の相互作用により、空間解像度が制限される。対物レンズの色収差は、速度が異なる電子に対する同じレンズの焦点が異なることによるものであり、この色収差の影響によって標本上の像平面に混乱した円盤が生成され、延いてはシステムの解像度を制限する。電子と電子の相互作用(空間電荷効果)と色収差は、いずれもより大きいエネルギーの電子ビームを使用することによって軽減される。第2に、低エネルギー一次電子ビーム源を使用して二次電子と後方散乱電子の高い捕獲効率を達成することは困難である。多重チャネル・プレートを使用する場合は、プレートの孔(チャネル)に溜まる汚染物質による重大な信頼性の問題が存在している。
上述したように、現在の低電圧走査型電子顕微鏡の空間解像度は、対物レンズの色収差によって、また、電子と電子の相互作用すなわちベルシュ効果によって本質的に制限されている。空間解像度を改善する方法の1つは、減速電界に晒される高エネルギー一次ビームを使用することによって電子と電子の相互作用を小さくすることである。空間解像度を改善するもう1つの方法は、スノーケル(センタ・ポール)磁気レンズを使用して、色収差と球面収差による解像度の損失を小さくすることである。
スノーケル磁気レンズ、減速静電プレート、前置レンズ二重偏向ユニットを備えた従来の減速電界型走査電子顕微鏡は、VLSI(超大規模集積)ウェハの製造における臨界寸法測定、欠陥調査、欠陥検査システムに広く使用されているが、これらの従来のユニットにも同じくいくつかの欠点がある。
第1に、これらの偏向ユニットを使用して、偏向システムによって一次ビームを移動させることができる標本平面内の到達可能領域である広い偏向領域を生成することは困難であり、したがって標本を位置決めし直すことなく一度に調査することができるのは、その標本の比較的狭い部分に過ぎない。第2に、偏向領域が本質的に狭いため、標本の検査、調査、測定には実質的に長い時間が必要であり、したがってエンジニアリング、試験、トラブルシュート、製造などのコストが高くなり、また、集積回路のターンアラウンド・タイムが長くなっている。
したがって電子走査顕微鏡のための対物レンズが必要であり、一次ビーム電流が大きく、標本上の電子ビームのエネルギーがより小さく、解像度が比較的高く、走査領域が比較的広く、かつ、信号捕獲効率の高い方法が必要である。
本明細書において、従来技術による対物レンズに関して上で考察した欠点を克服した、スインギング対物減速浸漬レンズの電子光学的集束、偏向、信号捕獲システムを有する走査型電子顕微鏡を開示する。詳細には、本発明による対物レンズ系により、標本部分において高エネルギー一次電子ビームが低エネルギー電子ビームに変換され、それにより標本の損傷が最小になる。また、本発明による走査型電子顕微鏡は比較的解像度が高く、サブミクロンのフィーチャを鮮明に調査することができる。さらに、本発明による走査型電子顕微鏡により、比較的広い偏向領域が提供され、それにより標本を完全に調査する時間が短縮される。また、本発明による走査型電子顕微鏡は、標本からの二次電子(SE)と後方散乱電子(BSE)をより効率的に捕獲するための検出ユニットを備えている。
本発明の一態様には、粒子線が貫通して移動する中央ボアを有し、粒子線の粒子を標本に集束させるための磁界を標本の近傍に生成させる磁気レンズと、標本の近傍の粒子線に減速電界を提供し、それにより粒子線が標本に衝突する際の粒子線のエネルギーを小さくするための電極と、粒子線の軸に沿って配置された複数の偏向ユニットを備え、標本を走査するように粒子線を偏向させる偏向システムであって、偏向ユニットの少なくとも1つが粒子線の減速電界中に配置され、残りの偏向ユニットが磁気レンズの中央ボア内に配置された偏向システムと、SEとBSEを捕獲するための微小開口を備えた環状検出ユニットとを備えた、標本を調査するためのスインギング対物減速浸漬レンズ(SORIL:Swinging Objective Retarding Immersion Lens)系が包含されている。
本発明の他の態様には、粒子線の粒子を標本に集束させるための磁界を標本の近傍に生成させるステップと、標本への衝突に先立って粒子線のエネルギーを小さくするための減速電界を提供するステップと、集束した粒子線を走査すべき領域に位置決めするステップであって、その領域が標本の偏向領域内に存在し、標本上の偏向領域を拡大させるために粒子線を減速電界中で偏向させることによって位置決めステップの最終段階が生じるステップとを含む、対物レンズ系の標本走査領域を拡大するための方法が含まれている。また、この方法には、走査領域の像を生成するため、集束した粒子線で標本の走査領域を高速走査するステップと、標本に衝突する集束した一次電子ビームによって生成される、環状検出器によって検出され、走査領域の像を形成するSEとBSEを加速するステップが含まれている。
このようなシステムの利点は、このようなレンズ系を有する低エネルギー(250eVから1500eVまで)電子顕微鏡が、より広い領域(500μmから1000μmまで)を走査することができ、かつ、微小スポット・サイズ(直径0.05μmから0.1μmまで)を維持し、かつ約85%ないし95%の範囲の二次電子SEと後方散乱電子BSEの収集効率を維持し、それにより標本のフィーチャの解像力を大きくすることができることである。
このようなシステムのもう1つの利点は、電流が大きく、かつ、よりエネルギーの小さい一次ビームが標本に提供されることであり、それにより走査中に標本から放出される信号の品質が改善される。
本発明のこれらおよびその他の特徴、態様および利点については、以下の説明、特許請求の範囲および添付の図面を考察することにより、より良く理解されよう。
図1は、本発明による走査型電子顕微鏡100の一実施形態を示したものである。この実施形態では、走査型電子顕微鏡100は、仮想源点104(つまり粒子の有効源点)を有する粒子線源102、陽極106、中に磁気レンズを有する対物レンズ系112、複数の偏向ユニット120a〜120eを備えている。参考として、Z軸で示す粒子線の軸109が、粒子線源102と標本122を結ぶ線で示されている。X軸とY軸は、Z軸を横切る平面を形成している。
磁気レンズは、磁気回路に起磁力を提供するための材料110および励起コイル115を備えている。磁気回路の磁力線は磁気材料と磁極面116と114の間を通っている。磁気レンズの中央ボアは、Z軸の周りに軸対称をなしている円形バケットの形状を有している。一次粒子線がレンズ系に入射する場所では、材料117が電子線用開口125を形成している。この開口は、対物レンズ系へ入射できる粒子線のサイズを決めている。一実施形態では、粒子線の直径を約20μmないし200μmの範囲に制限している。一次粒子線が磁気レンズから射出する部分のレンズ開口は、磁極面116によって周囲を囲まれている。
以下で考察する走査オペレーションの間に標本から放出される二次電子SEと後方散乱電子BSEを収集する環状検出器ユニット124が、電子線用開口の真下に配置されている。検出器ユニット124は、一次粒子線からの粒子が電子線用開口を通過する際に検出器の影響を受けないよう、電子線用開口より大きい開口を有している。
中央ボアの内部には偏向ユニット120a〜120dが配置されている。これらのユニットはディスク形リングであり、Z軸の周りに軸対称をなしている。中央ボアの外側には、Z軸と同軸であり、かつ、中央ボア内の偏向ユニットと同様の構造の偏向ユニット120eが配置されている。
対物レンズ112は粒子線を微小スポットに集束させている。この微小スポットが研究すべき標本122を走査する。この標本は、一般的には、約0.05μmないし0.20μmもしくはそれ以上のサイズのフィーチャを有する半導体ウェハである。
図2は、対物レンズ112の断面図を示したものである。磁気材料110と励起コイル115は、サイド・ポール・レンズと呼ばれるタイプの磁気レンズを形成している。サイド・ポール磁気レンズは、一般に他のタイプの対物レンズが抱えている色収差と球面収差を低減する能力が改善されており、また、レンズ開口の下方から標本122を通る磁界の展開がより良好であるため、対物レンズ112はサイド・ポール磁気レンズであることが好ましい。サイド・ポール磁気レンズの場合、材料110は、リング形磁極面114と円形磁極面116を形成するように形状化され、リング形磁極面114と円形磁極面116の間は、磁力線128が磁極面114、116を接続しており、それにより磁気回路を完成している。この磁気回路によって磁界128が生成される。この磁界は、図2に示すように、磁極面114に向かう経路を偏向ユニット120eと標本122を通って広がるように設計されている。したがって標本122は、レンズの磁界中に浸漬していると言える。材料110は、励起コイル115によって生成される磁界に磁気抵抗の小さい経路を提供する鉄、鉄合金あるいは他の高透磁率材料であることが好ましい。磁気レンズ110の目的は、Z軸に対して直角をなす成分が大きい磁界を生成し、それによりレンズの作用を標本の上方に集束させることであり、かつ、Z軸に実質的に平行の磁界を標本に持たせることである。
図2を参照して上で考察したように、材料110は、Z軸の周りに軸対称をなし、磁気レンズ内に偏向ユニット120a〜120dを配置するための場所を提供するバケット形中央ボアを形成するように整形されている。偏向ユニットの各々は、それぞれ異なる直径を有しており、バケット形空間内のZ軸に沿った特定の位置に適合している。磁気レンズ内の偏向ユニットは、偏向ユニット120aの直径が最も大きく、偏向ユニット120dの直径が最も小さくなっている。偏向ユニット120eは、円形磁極面116の下方に配置されており、磁気レンズからの磁界の影響を受けている。以下で考察するように、偏向ユニット120a〜120eは標本122を走査するように一緒に粒子線を偏向させる。実施形態の中には、バケット形構造118が偏向ユニット120a〜120dを実際に保持し、該バケット形構造がレンズ系のバケット形空間に挿入されている実施形態もあり、アセンブリを容易にしている。
偏向ユニット120eの下方の標本122は、偏向ユニット120eの真下に、レンズの焦点距離内に入るように慎重に位置決めされている。磁気レンズは、励起コイル115に流れる電流を変化させることによって標本上に微小スポットを生成するように焦点を合せる。電流を大きくすると、より強い磁界が開口に生成され、それにより粒子線が磁極片116により近い位置でスポットに集束する。電流を小さくすると、粒子線は磁極片116からより遠い位置でスポットに集束する。標本122は、磁気レンズの磁界内に浸漬させられるだけではなく、粒子線が標本に衝突する前にそのエネルギーを小さくする電位に帯電させられる。帯電した標本によって生成される電界は減速電界と呼ばれているが、それについては以下で考察する。
偏向ユニット120a〜120eは、集束した粒子線によって標本が走査されるように、粒子線を偏向させるように設計されている。図3を参照すると、偏向ユニット120の各々は、平らな円形の筒に似た形をしており、円形の開口とその開口の周囲に複数の導電セグメント126a〜126lを有している。セグメントの各々は、ディスク基板材料で形成された絶縁ラジアル・バリア127によって分離されている。一実施形態では、導電セグメントは、銅あるいはベリリウム銅などの導電金属でできており、基板は、約95%ないし98%アルミナなどのセラミック材料である。好ましい実施形態では、12個の個別導電セグメントが偏向ユニット・リングに含まれている。様々なセグメントが1つにグループ化され、それらのグループが可変電圧ドライバに接続されている。この実施形態では、それぞれ3つのセグメントを備えた4つのグループが存在している。4つのグループのうちの2つのグループがX方向の偏向を制御し、他の2つのグループがY方向の偏向を制御している。これらのセグメントの電圧を制御することにより、いくつかのセグメントから他のセグメントに向かって粒子線が正確に偏向し、正確な偏向ビームが生成される。3つのセグメントからなる4つのグループは、2つのセグメントからなる4つのグループ(8つのセグメント)や5つのセグメントからなる4つのグループ(20個のセグメント)などの代替構造より好ましい。第1の代替構造である2つのセグメントからなる4つのグループには、8つのドライバが必要であり、そのために偏向ユニットによる高速動作の制御が困難であるという欠点がある。また、第2の代替構造である5つのセグメントからなる4つのグループには、個別のセグメントが多すぎるため、その結果として個々のセグメントのサイズが小さく、そのためにユニットの構築が困難であるという欠点がある。
本発明によれば、偏向ユニットの第1のセットすなわち「スインギング・グループ」120a、120d、120eは、レンズの偏向領域内における標本上の正確なポイントへの集束ビームの正確で比較的低速の位置決め専用である。図4を参照すると、本発明の一バージョンでは、偏向ユニットのスインギング・グループは、約600μmの偏向領域距離Dだけビーム・スポットを偏向させることができる。偏向ユニットの第2のセット120bと120cは、専ら、S×Sの面積132に対するより高速のビーム走査移動を生成させている。Sは約50μmであり、面積の中心は、偏向ユニットの第1のセットによって決定される位置である。走査は、一定の時間(数十ナノ秒程度)の間、一行のポイント中の1つのポイントに留まった後、次のポイントに移動し、その面積をカバーしているポイント格子のすべての走査が完了するまで次の行の走査オペレーションを反復することによって実施される。本発明の一バージョンでは、この走査のためのポイントすなわちピクセルのサイズは約0.1μm(100nm)であり、したがって約500個のピクセルが50μmの走査線の各々に存在し、X方向もしくはY方向の偏向領域D全体では約6000個のピクセルが存在している。ビーム・スポットが標本上の1つの位置に10ns間にわたって静止すると仮定すると、50μmの線の単一走査に約5μsが必要であり、S×Sの面積をすべて走査するには少なくとも2.5msが必要である。実際には、連続する個々の走査と走査の間にビームを後退させるための一定の追加時間(約1μs/走査線)が必要であり、したがってS×Sの領域を走査するために必要な総時間は約3ms(2.5ms+500×1μs)である。
図4に示す、標本上の偏向領域のサイズDを改善するためには、標本に最も近く、かつ、標本によって生成される減速電界中に存在しているため、偏向ユニット120eがとりわけ重要である。したがって偏向ユニット120eは、偏向ユニット120a〜120dよりはるかに小さいエネルギーで粒子線を偏向させ、また、粒子線が標本に到達するポイントに最も近い偏向ユニットであるため、粒子線の位置に対して大きな影響力を有している。
図5は、本発明による対物レンズ系を有する電子顕微鏡を略図で示したものである。この電子顕微鏡の両端部は、粒子源からの電子の仮想源点を表す照明平面130と標本平面122である。これらの2つの端部の間に、照明平面に始まって、以下、加速陽極106、ビーム・ブランキング・プレート108、検出器124、偏向ユニット120a、120b、120c、120d、磁界磁極116、偏向ユニット120eの順に配置されている。
一実施形態では、照明平面は約−12KVの電位に帯電していることが好ましい。陽極電極平面106は、この照明平面の近傍に配置されており、接地電位に帯電している。照明平面と陽極平面の間の電圧差が、粒子源から放出される電子に加速電位を提供している。電子は、加速されると約12K電子ボルト(12KeV)のエネルギーを獲得し、それにより電子の波長が約0.01ナノメートル(1nm=10−9メートル)になる。図5に示す電界Eaは、加速電界を表している。
標本平面位置における標本122は約−11KVに帯電し、減速電界Er、つまり加速電界Eaとは逆方向の、標本への衝突に先立って一次ビームのエネルギーを小さくするための電界を生成している。
加速陽極106と検出器124の間に、一次ビームのオン・オフの切換えに使用されるビーム・ブランキング・プレート108が配置されている。このビーム・ブランキング・プレート108の近傍に、一次ビームが標本に衝突する際に生成される二次電子と後方散乱電子を収集するための環状検出器が配置されている。環状検出器は、収集したこれらの電子から電子信号を引き出し、引き出した信号を増幅し、増幅した信号を結像デバイスに送信している。結像デバイスに送信された信号は、最終的にオペレータによって観察される。
偏向ユニット120a〜120eは、検出器と標本平面の間に配置されている。本発明の一バージョンでは、4つの偏向ユニット120a〜120dの各々の平均電位は接地電位であり、一次ビームが偏向ユニットを通って移動する際の初期ビーム・エネルギーの維持を補助している。上で考察したように、リング・セグメントは、粒子線を偏向させるべくグループ化されており、グループの各々はドライバによってドライブされる。好ましい実施形態では、4つのグループの各々にそれぞれ1つのドライバ136、138、140142が存在している。4つのドライバのうちの2つのドライバがX方向の偏向を制御し、残りの2つのドライバがY方向の偏向を制御している。本発明の一バージョンでは、ドライバがXグループを差動的にドライブし、かつ、Yグループを差動的にドライブしている。これらのグループの電位を平均接地電位を超える電位と平均接地電位未満の電位に変更することにより、粒子線が特定の方向に正確な量だけ偏向し、かつ、偏向ユニットの平均電位が接地電位に維持される。偏向ユニットにおける電界パターンは複雑であり、一次ビームを偏向させる際のビーム中への収差の導入を最小化するように計算されている。
標本平面に最も近く、かつ、減速電界Er中に存在している偏向ユニット120eは、この減速電解Erを実質的に変更しない電位に帯電している。本発明の一バージョンでは、偏向ユニット120eは、標本平面に対して負である約−200Vないし−3000Vの範囲の平均電位に帯電している。
電子が標本平面に到達すると、電子のエネルギーは、その典型値が1KeVである約250eVないし1500eVの範囲になる。この範囲のエネルギーであれば標本の損傷が回避されるが、標本部分における波長の範囲が約0.03nmないし0.07nmに増加する。
一次ビームのエネルギーが約1KeVに減少しているため、偏向ユニット120eを減速電界中に配置することにより、一次ビームの軌道に対する偏向ユニット120eの影響が極めて大きくなる。また、標本に近接しているため、偏向ユニット120eによって、標本の選択領域への高速走査に先立つ正確な粒子線の位置決めが促進される。減速電界による粒子線の拡大と他のあらゆる収差(色非点収差およびコマ収差)を考慮すると、最終的なポイント・サイズは約10nmであり、約20nmないし200nmの範囲のフィーチャ・サイズの観察には十分である。
また、図5は、磁気レンズからの磁力線が標本平面から生じる減速電界Er中に存在することを示している。粒子線を標本に集束させるために必要な磁界の強度を決定する際には、一次ビームのエネルギーの減少を考慮しなければならない。
図6Aは、偏向ユニット120a、120d、120eによる偏向領域内における粒子線のx次元の偏向を示したものであり、また、図6Bは、同じ偏向ユニットによる偏向領域内における粒子線のy次元の偏向を示したものである。したがってこれらの図は、偏向ユニット120a、120d、120eによって偏向する際の一次電子ビームの軌道成分Xm(z)とYm(z)を示している。
広い偏向領域を達成するための開始点として、偏向ユニットの各々の電圧強度Edと偏向距離r(z)が一次スインギング対物減速浸漬レンズ(SORIL)基準、
Ed=k[(1/2)B’(z)r(z)+B(z)r(z)/z]+(1/2)Φ”(z)r(z)+Φ’(z)r(z)/z
を満足することが好ましい。上式で、Edは、所与の偏向を生成させるための偏向ユニット内における電界強度であり、光軸(Z軸)と直交している。r(z)は、Z軸に沿った距離を関数としたZ軸からの半径方向の偏向距離である。B(z)は、レンズの光軸に沿った磁束密度である。Φ(z)は光軸上の電位である。Φ’(z)はzに対する一次微分であり、Φ”(z)はzに対する二次微分である。B’(z)はzに対する一次微分である。kは、必要な単位変換を実行するための定数である。
式1に明記されている規準による偏向電界強度に含まれているのは一次項のみであるため、式1は、所与の偏向に必要な電界強度を決定するための開始点として機能しているが、式1を満足したとしても一次ビームには偏向ユニットによる三次と五次の収差が依然として存在している。これらの高次の収差を最小化し、あるいは除去するためには最適化が必要である。通常、この最適化は、ディジタル・コンピュータ上で数値方式によって実施され、Z軸からの偏向が最大の円形ビームを維持するべく模索される。偏向ユニット120a、120d、120eの各々は、第1近似としての式1を満足しており、相俟って、偏向領域D×D内の走査すべき領域S×S(図4)に粒子線を位置決めするための所与の偏向量を生成するべく作用している。個々の偏向ユニットが寄与する偏向量は偏向ユニット毎に異なっており、それぞれ個別に最適化されている。偏向ユニット120b、120cもそれぞれ第1近似としての式1を満足しており、相俟って、粒子線による面積S×S(図4)の走査に必要な偏向を生成するべく作用している。偏向ユニット120b、120cは、粒子線をS×Sの面積にわたって高速偏向させるように設計されており、一方、偏向ユニット120a、120d、120eは、粒子線の位置をD×Dの領域内に維持している。位置決め(すなわちより速度の遅い動き)偏向ユニットと、その位置決めのユニットとは別に高速走査偏向ユニットを組み合わせることにより、広い偏向領域(D×D)が得られ、かつ、偏向領域の副領域の高速走査能力が維持される。
図7は、標本に衝突する一次電子によって生成される二次電子SEの軌道を示したものである。減速電界Erによって二次電子が約11KeVのエネルギーに加速される。これらの電子の大部分がPINダイオードあるいは他の電子捕獲デバイスを使用した環状検出器によって収集される。環状検出器の開口のサイズは極めて重要である。開口が小さすぎると容易に汚染され、一次ビームに悪影響を及ぼすことになり、また、開口が大き過ぎると二次電子と後方散乱電子の収集効率が低下する。一実施形態では、検出器開口の直径は、0.3mmと2.0mmの間に限定されている。一実施形態では、全走査面積に対する二次電子SEの捕獲効率は、約85%ないし95%の範囲である。
以上、本発明について、特定の実施形態によって説明したが、当分野の技術者には明らかに変更および改変が可能であることは理解されよう。したがって特許請求の範囲の各請求項は、このようなすべての変更および改変が本発明の真の精神および範囲の範疇に包含されているものとして解釈されたい。
本発明による走査型電子顕微鏡の一実施形態の断面を示す線図である。 本発明による走査型電子顕微鏡のための対物レンズ系の一実施形態の断面を示す線図である。 対物レンズ系の偏向ユニットの斜視図である。 標本上の偏向領域および走査領域を示す図である。 レンズ系を動作させるために使用される様々な制御電圧を示す略図である。 走査領域内におけるビーム・スポットのx次元の偏向を示すグラフ(A)と走査領域内におけるビーム・スポットのy次元の偏向を示すグラフ(B)である。 標本の中心から放出され、かつ、検出器によって収集される二次電子SEと後方散乱電子BSEの軌道を示す図である。

Claims (47)

  1. 一次粒子線を集束させ、集束した粒子線を調査すべき標本上に移動させ、かつ、前記標本に衝突する前記一次粒子線よって生成される二次電子と後方散乱電子を収集するためのスインギング対物減速浸漬レンズ系であって、
    前記粒子線が貫通して移動する中央ボアを有し、前記粒子線の粒子を前記標本に集束させるための磁界を前記標本の近傍に生成させるための磁気レンズと、
    前記標本の近傍と前記標本で前記粒子線に減速電界を与え、それにより前記粒子線が前記標本に衝突する際の前記粒子線のエネルギーを小さくするための電位を有する電極と、
    前記粒子線の軸に沿って配置された複数の偏向ユニットを備え、前記標本を走査するために前記粒子線を偏向させる偏向システムであって、前記偏向ユニットの少なくとも1つが前記粒子線の前記減速電界中に配置され、残りの前記偏向ユニットが前記磁気レンズの前記中央ボア内に配置された偏向システムと
    を備えたスインギング対物減速浸漬レンズ系。
  2. 前記一次粒子線が電子ビームであり、
    前記一次粒子線が前記標本に衝突することによって生成される後方散乱電子と二次電子を収集するための検出ユニットであって、前記検出ユニットが、前記粒子線の軸に沿って、前記一次粒子線の方向とは逆方向に移動する前記後方散乱電子と二次電子を捕獲するように配置された検出ユニットをさらに備えた請求項1に記載の対物レンズ系。
  3. 前記一次粒子線が電子ビームである請求項1に記載の対物レンズ系。
  4. 前記磁気レンズがサイド・ポール磁気レンズである請求項1に記載の対物レンズ系。
  5. 前記磁気レンズの前記中央ボアが前記粒子線の軸の周りに軸対称をなしている請求項1に記載の対物レンズ系。
  6. 前記複数の偏向ユニットの第1のグループが、走査すべき領域の開始位置に前記粒子線を配置するように偏向させ、
    前記複数の偏向ユニットの第2のグループが、前記領域の像を構築することができるように、前記粒子線を走査移動で前記領域を移動させる請求項1に記載の対物レンズ系。
  7. 前記第1のグループの偏向ユニットが、前記粒子線の走査速度より遅い速度で前記粒子線を開始位置に偏向させる請求項6に記載の対物レンズ系。
  8. 前記減速電界中に配置された前記偏向ユニットが偏向ユニットの前記第1のグループに包含される請求項6に記載の対物レンズ系。
  9. 前記粒子線が前記中央ボアを通って移動している間、前記磁気レンズの前記中央ボア内に配置された前記複数の偏向ユニットが、前記粒子線のエネルギーを維持するように粒子線源の電位より高い平均電位に維持される請求項1に記載の対物レンズ系。
  10. 前記粒子線源が負の電位に維持され、前記磁気レンズの前記中央ボア内に配置された前記複数の偏向ユニットが平均接地電位に維持される請求項9に記載の対物レンズ系。
  11. 前記粒子線源の前記負の電位が約−12kVである請求項10に記載の対物レンズ系。
  12. 前記粒子線源の前記負の電位が、約−2kVないし−35kVの範囲内で変化する請求項10に記載の対物レンズ系。
  13. 前記標本が前記粒子線源の電位に対して正の電位を有し、
    前記減速電界中に配置された前記偏向ユニットが、前記標本の前記電位に対して負である平均電位に維持される請求項1に記載の対物レンズ系。
  14. 前記標本の前記正の電位の範囲が約250Vないし1500Vである請求項13に記載の対物レンズ系。
  15. 前記偏向ユニットの前記負の平均電位の範囲が約−200Vないし−3000Vである請求項13に記載の対物レンズ系。
  16. 偏向ユニットが、前記一次粒子線が通過する開口を有し、前記偏向ユニットが、Edが所与の偏向を生成させるための、光軸(Z軸)と直交する、前記偏向ユニット内の電界強度であり、r(z)がZ軸に沿った距離を関数としたZ軸からの半径方向の偏向距離であり、B(z)がレンズの光軸に沿った磁束密度であり、Φ(z)が光軸上の電位であり、Φ’(z)がzに対する一次微分であり、Φ”(z)がzに対する二次微分であり、B’(z)がzに対する一次微分であり、kが必要な単位変換を実行するための定数である一次スインギング対物減速浸漬レンズ基準
    Ed=k[(1/2)B’(z)r(z)+B(z)r(z)/z]+(1/2)Φ”(z)r(z)+Φ’(z)r(z)/z
    を満足する電圧強度(Ed)を前記開口の両端間に有し、かつ、偏向距離(r(z))を有する請求項1に記載の対物レンズ系。
  17. 前記偏向ユニットが、三次と五次の収差を実質的に低減するように最適化された電圧強度および偏向距離を有する請求項16に記載の対物レンズ系。
  18. 前記磁気レンズの前記中央ボアの形状がバケット形であり、
    前記バケットの頂部近くの中央磁気レンズ内に配置された前記偏向ユニットの直径がより大きく、前記バケットの底部近くに配置された前記偏向ユニットの直径がより小さい請求項1に記載の対物レンズ系。
  19. 前記磁気レンズの前記中央ボアが、前記一次粒子線が前記中央ボアに入射する位置に電子線用開口を有し、前記一次粒子線が前記磁気レンズの前記中央ボアから射出する位置にレンズ開口を有する請求項1に記載の対物レンズ系。
  20. 前記磁気レンズの前記中央ボアが、前記一次粒子線が前記中央ボアに入射する位置に電子線用開口を有し、
    前記一次粒子線が前記中央ボアに入射する位置の真下に配置された、前記電子線用開口より大きい開口を有する環状検出ユニットをさらに備えた請求項1に記載の対物レンズ系。
  21. 前記検出器が、直径の範囲が約0.3mmないし2mmである開口を有する請求項20に記載の対物レンズ系。
  22. 前記偏向ユニットが静電偏向ユニットである請求項1に記載の対物レンズ系。
  23. 前記偏向ユニットの各々が、
    互いに絶縁された複数の導電セグメントと、
    前記導電セグメントによって囲まれた、前記一次粒子線が通過する孔を有する、前記導電セグメントを支持するための基板とを備え、
    前記偏向ユニットを通って移動する前記粒子線を偏向させるように、前記セグメントのうちの少なくとも2つのセグメントに電圧が印加される請求項1に記載の対物レンズ系。
  24. 前記偏向ユニットの各々が、それぞれ3つのセグメントからなる4つのグループに配列された12個の導電セグメントを備え、
    前記一次粒子線を偏向させるように前記4つのセグメント・グループの各々に個別に電圧が印加される請求項23に記載の対物レンズ系。
  25. 前記4つのグループのうちの2つのグループが前記一次粒子線をX方向に偏向させ、前記4つのグループのうちの他の2つのグループが前記一次粒子線をY方向に偏向させる請求項1に記載の対物レンズ系。
  26. 前記X方向のグループとY方向のグループが差動的にドライブされる請求項1に記載の対物レンズ系。
  27. 対物レンズ系の標本走査領域を拡大させる方法であって、
    粒子線の粒子を前記標本に集束させるための磁界を前記標本の近傍に生成させるステップと、
    前記標本への衝突に先立って前記粒子線のエネルギーを小さくするための減速電界を与えるステップと、
    集束した粒子線を走査すべき領域に位置決めするステップであって、前記領域が前記標本の偏向領域内に存在し、前記標本上の前記偏向領域を拡大させるために前記粒子線を前記減速電界中で偏向させることによって最終段階が生じる位置決めするステップとを含む方法。
  28. 偏向ユニットが、前記一次粒子線が通過する開口を有し、前記偏向ユニットが、Edが所与の偏向を生成するための、光軸(Z軸)と直交する前記偏向ユニット内の電界強度であり、r(z)がZ軸に沿った距離を関数としたZ軸からの半径方向の偏向距離であり、B(z)が前記レンズの光軸に沿った磁束密度であり、Φ(z)が光軸上の電位であり、Φ’(z)がzに対する一次微分であり、Φ”(z)がzに対する二次微分であり、B’(z)がzに対する一次微分であり、kが必要な単位変換を実行するための定数である一次スインギング対物減速浸漬レンズ基準
    Ed=k[(1/2)B’(z)r(z)+B(z)r(z)/z]+(1/2)Φ”(z)r(z)+Φ’(z)r(z)/z
    を満足する電圧強度(Ed)を前記開口の両端間に有し、かつ、偏向距離(r(z))を有する請求項27に記載の方法。
  29. 前記偏向ユニットが、三次と五次の収差を実質的に低減するように最適化された電圧強度および偏向距離を有する請求項28に記載の対物レンズ系。
  30. 前記粒子線が電子ビームである請求項27に記載の方法。
  31. 磁界を生成する前記ステップが、磁気レンズから磁界を生成するステップを含む請求項27に記載の方法。
  32. 前記磁気レンズがサイド・ポール磁気レンズ・タイプの磁気レンズである請求項31に記載の方法。
  33. 前記サイド・ポール磁気レンズが、前記サイド・ポール磁気レンズ内に形成された、前記粒子線軸の周りに軸対称をなす中央ボアを備えた請求項32に記載の方法。
  34. 標本を観察するための走査型顕微鏡であって、
    一次粒子線源と、
    一次粒子線にエネルギーを付与するための加速電極(陽極)と、
    前記一次粒子線源を前記標本に集束させるための対物レンズ系であって、
    前記粒子線が貫通して移動する中央ボアを有し、前記粒子線の粒子を前記標本に集束させるための磁界を前記標本の近傍に生成させるための磁気レンズと、
    前記標本の近傍の前記粒子線に減速電界を与え、それにより前記粒子線が前記標本に衝突する際の前記粒子線のエネルギーを小さくするための電位を有する電極と、
    粒子線の軸に沿って配置された複数の偏向ユニットを備えた、前記標本を走査するように前記粒子線を偏向させる偏向システムであって、少なくとも1つの前記偏向ユニットが前記粒子線の前記減速電界中に配置され、残りの前記偏向ユニットが前記磁気レンズの前記中央ボア内に配置された偏向システムとを備えた対物レンズ系と
    を備えた走査型顕微鏡。
  35. 前記粒子線源から前記一次粒子線を受け取り、かつ、前記対物レンズ系に集束一次粒子線を提供するようにされた集光レンズ系をさらに備えた請求項34に記載の電子顕微鏡。
  36. 前記粒子線源が電子ビーム源である請求項34に記載の顕微鏡。
  37. 前記磁気レンズがサイド・ポール磁気レンズである請求項34に記載の顕微鏡。
  38. 前記磁気レンズが、前記磁気レンズ内に形成された中央ボアを備えた請求項34に記載の顕微鏡。
  39. 前記磁気レンズの前記中央ボアが前記粒子線の軸の周りに軸対称をなしている請求項38に記載の顕微鏡。
  40. 偏向ユニットが、前記一次粒子線が通過する開口を有し、前記偏向ユニットが、Edが所与の偏向を生成するための、光軸(Z軸)と直交する前記偏向ユニット内の電界強度であり、r(z)がZ軸に沿った距離を関数としたZ軸からの半径方向の偏向距離であり、B(z)が前記レンズの光軸に沿った磁束密度であり、Φ(z)が光軸上の電位であり、Φ’(z)がzに対する一次微分であり、Φ”(z)がzに対する二次微分であり、B’(z)がzに対する一次微分であり、kが必要な単位変換を実行するための定数である一次スインギング対物減速浸漬レンズ基準
    Ed=k[(1/2)B’(z)r(z)+B(z)r(z)/z]+(1/2)Φ”(z)r(z)+Φ’(z)r(z)/z
    を満足する電圧強度(Ed)を前記開口の両端間に有し、かつ、偏向距離(r(z))を有する請求項34に記載の顕微鏡。
  41. 前記偏向ユニットが、三次と五次の収差を実質的に低減するように最適化された電圧強度および偏向距離を有する請求項40に記載の対物レンズ系。
  42. 前記偏向ユニットが静電偏向ユニットである請求項34に記載の顕微鏡。
  43. 前記粒子線源が第1の電位に帯電し、前記加速陽極が第2の電位に帯電し、前記減速電界電極が第3の電位に帯電し、前記ボア内の前記偏向ユニットが第4の電位に帯電し、前記ボアの外部の前記偏向ユニットが第5の電位に帯電し、前記標本が第6の電位に帯電し、
    前記第1から第6の電位の関係が相対関係であり、どの電位も接地電位とすることができる請求項34に記載の顕微鏡。
  44. 走査すべき領域に前記集束粒子線を位置決めするステップが、前記減速電界中に配置された偏向ユニットを含む第1のセットの偏向ユニットによって実行される請求項27に記載の方法。
  45. 走査中の前記領域上の位置に前記粒子線が保持されている間、前記領域を走査するステップをさらに含み、前記粒子線の走査移動の速度が前記粒子線の位置決めの動きの速度より速い請求項27に記載の方法。
  46. 走査すべき領域に前記集束粒子線を位置決めするステップが、前記減速電界中に配置された偏向ユニットを含む第1のセットの偏向ユニットによって実行され、
    前記領域を走査するステップが、前記第1のセットとは別の第2のセットの偏向ユニットによって実行される請求項44に記載の方法。
  47. 前記領域を走査している間に前記標本から放出される二次電子と後方散乱電子を収集するステップをさらに含む請求項44に記載の方法。
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