JP2005520543A - 癌における新規組成物および方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、癌を検出、診断および処置する際に使用するための新規配列に関する。本発明は、その発現が癌と関連する癌関連(CA)ポリヌクレオチド配列を提供する。本発明は、癌と関連するCAポリペプチドを提供し、そして診断組成物癌の検出のための方法を提供する。本発明は、CAポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を提供する。本発明はまた、診断ツールおよび治療組成物、ならびに癌のスクリーニング、予防および処置のための方法を提供する。

Description

(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/367,025号、標題「Novel Compositions and Methods in Cancer」(2002年3月21日出願)の優先権を主張する。この出願は、米国出願、標題「Novel Compositions and Methods in Cancer」、米国特許出願第09/747,377号(2000年12月22日出願)、同第09/798,586号(2001年3月2日出願)、同第10/004,113号(2001年10月23日)、同第10/052,482(2001年11月8日出願)および米国特許出願第09/997,722号(2001年11月30日出願)に関連し、これら全ての出願は、本明細書中に参考として明示的に援用される。
(発明の分野)
本発明は、概して、癌関連遺伝子の分野に関する。具体的には、本発明は、癌および腫瘍の診断および処置における使用のための新規配列、ならびにスクリーニング方法における新規組成物の使用に関する。本発明は、関連癌の検出、診断、予防および/または処置において、癌関連ポリヌクレオチドを使用する方法、それらの対応遺伝子産物および遺伝子産物に特異的な抗体を使用する方法を提供する。
(発明の背景)
癌遺伝子は、癌を生じさせ得る遺伝子である。発癌は、広範な種々の機構(細胞の、癌遺伝子を含むウイルスによる感染、宿主ゲノムにおける癌原遺伝子の活性化、および癌原遺伝子および腫瘍抑制遺伝子の変異を含む)によって、起こり得る。発癌は、基本的には、体細胞進化(すなわち、増殖制御の進行性の喪失を伴う改変体の変異および自然淘汰)によって引き起こされる。これらの体細胞変異に対する標的として働く遺伝子は、それらの変異表現型がドミナントであるか、または劣性であるかに依存して、それぞれ原癌遺伝子または腫瘍抑制遺伝子のいずれかとして分類される。
動物の癌と同様、ヒト癌に関係することが公知である、多くのウイルスが存在する。ここで特に興味深いのは、それ自体に癌遺伝子を含まないウイルスである;これらは、遅性トランスフォーミングレトロウイルス(slow−transforming retrovirus)である。これらは、宿主ゲノム内へと組込み、種々の方法で近隣の癌原遺伝子に影響することにより、腫瘍を誘導する。プロウイルス挿入変異は、レトロウイルス生活環の正常な結果である。感染細胞において、レトロウイルスゲノムのDNAコピー(プロウイルスといわれる)は、宿主ゲノムに組み込まれる。新たに組み込まれたプロウイルスは、2つの機構のうちの一方によって組み込み部位においてまたはその付近で、シスで遺伝子発現に影響を及ぼしうる。I型挿入変異は、プロウイルス長末端反復(LTR)内の調節配列(エンハンサーおよび/またはプロモーター)の結果として近位遺伝子の転写をアップレギュレートする。II型挿入変異は、オープンリーディングフレーム内に直接組み込まれるか、または両末端がコード配列に隣接しているイントロン内に組み込まれるかのいずれかに起因して、コード領域の短縮化を生じる。挿入部位にあるかまたは挿入部位付近にある配列の分析は、多くの新たな原癌遺伝子の同定をもたらした。
リンパ腫および白血病に関して、AKVマウス白血病ウイルス(MLV)またはSL3−3 MLVのようなレトロウイルスは、感染しやすい新生児マウスに接種される場合か、または生殖系列内で運ばれる場合、腫瘍の強力な誘発因子である。多くの配列が、リンパ腫および白血病の誘発において、挿入部位の分析により、関連する配列として同定されている;以下を参照のこと:Sorensenら,J.of Virology 74:2161(2000);Hansenら,Genome Res.10(2):237−43(2000);Sorensenら,J.Virology 70:4063(1996);Sorensenら,J.Virology 67:7118(1993);Joostenら,Virology 268:308(2000);およびLiら,Nature Genetics 23:348(1999);これらの全ては、本明細書中で参考として明白に援用される。癌(特に、乳癌、前立腺癌、および上皮起源の癌)に関して、哺乳動物レトロウイルス、マウス乳癌ウイルス(MMTV)は、感染しやすい新生児マウスに接種される場合か、または生殖系列内にて運ばれる場合、腫瘍の強力な誘発因子である。Mammary Tumors in the Mouse、J.Hilgers and M.Sluyser編;Elsevier/North−Holland Biomedical Press;New York,N.Y.。
乳癌は、女性に罹患する最も重大な疾患のうちの1つである。現在の割合では、米国人女性が95歳までに乳癌を発症する危険性は、8人に1人である(American Cancer Society,1992)。後の段階での乳癌の処置は、効果がなく効力がない(disfiguring)ことがしばしばであり、このことが、この疾患の医療的管理において、早期検出を最優先にしている。
特定の生細胞における遺伝子発現のパターンは、その現在の状態に特徴的である。細胞の状態または型におけるほぼ全ての差異は、1以上の遺伝子のRNAレベルにおける差異に反映される。特徴付けられていない遺伝子の発現パターンを比較すると、それらの機能の糸口が提供され得る。数百または数千もの遺伝子の発現のハイスループット分析は、(a)複雑な遺伝病の同定、(b)組織状態と疾患状態との間の経時的な差示的遺伝子発現の分析、(c)薬物発見および毒性学研究に役立ちうる。特定の遺伝子の発現レベルの増加または減少は、癌の生物学と相関する。例えば、癌遺伝子は、腫瘍発生の正の調節因子である一方、腫瘍サプレッサ遺伝子は、腫瘍発生の負の調節因子である(Marshall,Cell、64:313−326(1991);Weinberg,Science,254:1138−1146(1991))。
SNL(fascinとして公知)は、ウニの卵の細胞質抽出物から初めて単離されたアクチン結束タンパク質であり(Kane,1975:J.Cell Biol.66:305−315)、インビトロで特徴づけられた初めての結束タンパク質であった。その後の研究により、fascinが、受精卵微絨毛におけるアクチンフィラメントおよび食細胞の体腔細胞(coelomocyte)の糸状仮足を束ねることが示された(Ottoら,1980,Cell Motil.1:31−40;OttoおよびBryan,1981,Cell Motil.1:179−192)。Fascinは、広範な組織および生物において見いだされる、広く発現されるタンパク質である。
インビボで、AP−1(すなわち、転写因子活性化タンパク質1)は、c−Fosおよびc−Jun(FosB、Fra−1、Fra−2、c−Jun、JunB、JunDなどを含む)に加えて、いくつかの関連タンパク質サブユニットのヘテロダイマーの不均一な混合物である(The FOS and JUN Families of Proteins,AngelおよびHerrlich編,CRC Press,Boca Raton,Fla.,1994)。AP−1は、異常な細胞増殖および腫瘍形成、従って、c−fosおよび/またはc−junの発現を調節することによって制御されうる事象に関連付けられていたが、これらのタンパク質の各々の細胞増殖または腫瘍形成に対する正確な寄与は、未知である。
このc−mycタンパク質は、Maxとヘテロダイマーを形成するヘリックス−ループ−ヘリックス/ロイシンジッパー(HLH/LZ)ファミリーの転写因子のメンバーである。一般に、トランス活性化Myc:Maxヘテロダイマーは、増殖している細胞中に見いだされる。その一方、トランス抑制Mad:Maxヘテロダイマーは、分化した細胞において見いだされる。c−mycタンパク質レベルは、おそらく、Myc:MaxヘテロダイマーとMad:Maxヘテロダイマーとの間の平衡に影響を及ぼすことによって、細胞増殖、分化、および新生物形質転換に影響を及ぼす。
サイクリンD1は、染色体11q13上のPRAD1、CCND1またはbcl−1遺伝子に由来するタンパク質である。このタンパク質は、細胞周期の両方の調節に関与する。細胞周期のG1(休止)期においては、サイクリンD1は、そのサイクリン依存性キナーゼ(cdk)パートナーとともに、網膜芽腫遺伝子(pRB)の生成物をリン酸化することによって、S(DNA合成)期への移行を担う。次いで、このことによって、DNA複製の開始において重要な転写因子が放出される。核因子κBは、細胞を、ホルボールエステル、リポポリサッカリド(LPS)、インターロイキン−1(IL−1)および腫瘍壊死因子−α(INF−α)のような因子で処理した後に複数の細胞遺伝子の調節に関与する、誘導性転写因子である。これらの遺伝子は、免疫、急性相、および炎症応答の前初期プロセスに関与する。NF−κBはまた、いくつかのウイルス(最も顕著には、1型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)およびサイトメガロウイルス(CMV))の転写活性化に関連していた(Nabelら,Nature,326:711,1987;Kaufmanら,Mol.Cell.Biol.,7:3759,1987;Sambucettiら,EMBO J,8:4251,1989)。NF−κBは、デカマーのシス作用性NF−κB DNAモチーフを結合し、これを介して、遺伝子発現を調節するダイマー転写因子である。p50/p65ヘテロダイマーが伝統的に、NF−κBといわれ、依然として原型かつ最も豊富な形態であるが、いくつかの異なるが、密に関連したホモダイマー因子およびヘテロダイマー因子は、NF−κB部位依存性のDNA結合活性および調節を担うことが最近認識された。種々のダイマー因子は、Rel関連ポリペプチドのファミリーのメンバーから構成される。このファミリーの1つのサブクラスは、前駆体形態からタンパク質分解的にプロセシングされること、および認識されている活性化ドメインがないことにより区別され、このクラスには、p50(NFκB1)およびp50B(NFκB2、p52)が含まれるのに対して、第2のサブクラスは、認識された活性ドメインを含み、これらとしては、p65(RelA)、RelB、c−Rel、およびDrosophilaタンパク質Dorsalが含まれる。全てのRel関連メンバーは、300アミノ酸相同性領域であるRHD(DNA結合およびダイマー形成を担い、Rel相同性ドメインといわれる)を共有する。細胞質では、NF−κBタンパク質およびRelタンパク質は、「Rel複合体」を形成する。
NF−κB遺伝子調節は、多くの病的事象(後天性免疫不全疾患(AIDS)の進行、急性相応答、ならびに毒性ショック、同種移植片拒絶、および照射応答の間の、免疫細胞および内皮細胞の活性化を含む)に関与する。さらに、NF−κB遺伝子トランス活性化は、HIVおよびCMV複製に重要であり得る。
PVT−1遺伝子座は、c−myc遺伝子座と関連する。しばしば、一方または他方の遺伝子座における変異は、リンパ腫のような疾患と相関する。PVT遺伝子座の再配置および増幅は、リンパ腫において見出されているものの、PVT−1の役割は、依然として明らかでない。
従って、本発明の目的は、癌、特に腫瘍形成に関与するポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列を提供することである。
免疫療法、または治療目的での抗体の使用は、近年、癌を処置するために使用されてきた。受動免疫は、癌の処置においてモノクローナル抗体の使用を包含する。例えば、Cancer:Principles and Practice of Oncology,第6版(2001)第20章、pp495〜508を参照のこと。これらの抗体の固有の治療上の生物学的活性は、腫瘍細胞の増殖または生存の直接阻害、および身体の免疫系の天然の細胞殺傷活性を補充する能力を含む。これらの薬剤は、単独または照射もしくは化学療法剤と組み合わせて投与される。Rituxan(登録商標)およびHerceptin(登録商標)は、それぞれ、リンパ腫および乳癌の処置について承認されており、このような治療剤の2つの例である。あるいは、抗体は、その抗体が、毒性薬剤に連結されており、腫瘍へ特異的に結合することによって腫瘍にその薬剤を指向する、抗体結合体を作製するために使用される。Mylotarg(登録商標)は、白血病の処置のために使用される承認された抗体結合体の一例である。
従って、本発明の目的は、診断用標的として種々の癌と関連する抗原(癌関連ポリペプチド)および/または治療抗体を提供することである。これらの抗原はまた、薬物発見(建生場、低分子)のために、ならびに細胞調節、増殖および分化のさらなる特徴付けのために有用である。
(発明の要旨)
上で概略を述べた目的に従い、本発明は、癌(特にリンパ腫および白血病)を調節する組成物のスクリーニングの方法を提供する。本発明は、癌腫(特に乳腺癌)を調節する組成物をスクリーニングする方法を提供する。細胞(好ましくは、リンパ腫細胞または乳癌細胞)の増殖を阻害する方法もまた、本明細書中で提供される。癌を処置する方法(診断を含む)もまた、本明細書中で提供される。
一局面において、薬物候補をスクリーニングする方法は、癌腫関連遺伝子(CA遺伝子)またはそのフラグメントを発現する細胞を提供する工程を包含する。CA遺伝子の好ましい実施形態は、癌細胞(好ましくはリンパ細胞、乳房細胞、前立腺細胞または上皮細胞)において、他の細胞と比較して異なって発現される遺伝子である。本明細書中の方法において使用されるCA遺伝子の好ましい実施形態としては、表1〜6から選択される核酸が挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、これらの遺伝子としては、PVT1、SNL1、CCND1、FOSB、MYC、またはNFKB1が挙げられるが、これらに限定されない。この方法は、細胞へ薬物候補を添加する工程、およびCA遺伝子の発現に対する薬物候補の効果を決定する工程を、さらに包含する。
一実施形態において、薬物候補をスクリーニングする方法は、薬物候補の非存在下における発現のレベルを、薬物候補の存在における発現のレベルと比較する工程を包含する。
CAタンパク質(CAP)に結合し得る生物活性剤をスクリーニングする方法もまた、本明細書中で提供され、この方法は、CAPおよび候補生物活性剤を合わせる工程、および候補薬剤のCAPへの結合を決定する工程を包含する。
CAPの活性を調節し得る生物活性剤をスクリーニングする方法が、本明細書中でさらに提供される。一実施形態において、この方法は、CAPおよび候補生物活性剤を合わせる工程、およびCAPの生物活性に対する薬物候補の効果を決定する工程を、包含する。
患者に薬物を投与する工程、および患者から細胞サンプルを採取する工程を包含する、候補癌腫薬物の効果を評価する方法もまた、提供される。細胞の発現プロファイルが、次いで、決定される。この方法は、患者の発現プロファイルを、健常な個体の発現プロファイルと比較する工程を、さらに包含し得る。
さらなる局面において、CAタンパク質の活性を阻害する方法が、提供される。一実施形態において、この方法は、表1〜6において概略を示される配列またはその相補体からなる群から好ましくは選択されるCAタンパク質の阻害剤を、患者に投与する工程を包含する。
CAタンパク質(好ましくは表1〜6において概略を示される配列の群から選択される核酸にコードされるタンパク質)の効果を中和する方法もまた、提供される。好ましくは、この方法は、上述のタンパク質に特異的な薬剤を、中和をもたらすのに充分な量で、上述のタンパク質に接触させる工程を包含する。
その上、CAタンパク質をコードする核酸セグメント(好ましくは表1〜6において概略を示される配列から選択される)を含むバイオチップ/マイクロアレイが、本明細書中で提供される。すなわち、これらの核酸セグメントは、PVT1、SNL1、CCND1、FOSB、MYC、またはNFKB1を含む遺伝子が挙げられるが、これらに限定されない。異なる実施形態において、本発明のマイクロアレイは、表1〜6からの1、2、3、4、5以上のヒト配列を含み、これらの配列としては、PVT1、SNL1、CCND1、FOSB、MYC、またはNFKB1に関連した配列が挙げられるが、これらに限定されない。
癌(特にリンパ腫または白血病または癌腫(乳癌を含む))に対する傾向を、ある個体の少なくとも1つの癌腫またはリンパ腫の遺伝子を配列決定することにより、診断または決定する方法もまた、本明細書中で提供される。本発明のさらに別の局面において、個体における癌(リンパ腫および白血病を含む)遺伝子のコピー数を決定する方法が、提供される。
癌と関連する新規配列もまた、本明細書中で提供される。本発明の他の局面は、本発明の以下の説明によって、当業者にとって明確である。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、癌(特にリンパ腫、乳癌または前立腺癌)に関連する多くの配列に関する。クローン的に組み込まれたプロウイルス(clonally−integrated provirus)と癌原遺伝子との間の比較的緊密な連結は、「プロウイルスタギング(provirus tagging)」を形成し、ここで、挿入変異機構(insertion mutation mechanism)により作用する遅延性トランスフォーミングレトロウイルスが、癌原遺伝子を単離するために使用される。いくつかのモデルにおいて、非感染動物は、低い癌比率を有し、そして感染動物は、高い癌比率を有する。関係するレトロウイルスの多くは、形質導入された宿主癌原遺伝子または病原性トランス作用性(trans−acting)ウイルス遺伝子を持たず、従って、その癌発生率は、宿主癌原遺伝子中へのプロウイルスの組み込みの影響の直接的な結果であることは、公知である。プロウイルスの組み込みはランダムであるため、極少数の組み込み体(integrant)しか、選択的増殖の有利性を提供する宿主癌原細胞を「活性化」しない。これらの稀な出来事は、腫瘍におけるクローン化学量論にて新しいプロウイルスを生じる。化学物質、放射線、または自然発生的エラーにより生じる変異とは対照的に、癌原遺伝子挿入変異は、便利なサイズの既知配列(プロウイルス)遺伝子マーカーが変異部位に存在するという事実によって、容易に位置決めされ得る。クローン的に組み込まれたプロウイルスに隣接する宿主配列は、種々のストラテジーを使用してクローン化され得る。一旦これらの配列を所有すると、タグ化癌原遺伝子が、後に同定され得る。2つ以上の独立した腫瘍中の同じ遺伝子座にプロウイルスが存在することは、癌原遺伝子がそのプロウイルス組込み部位またはそのごく近くに存在することの明白な証拠である。これは、ゲノムが大きすぎてランダムな組込みは、観察可能なクラスター形成を生じないからである。検出されるいかなるクラスター形成も、生物学的選択(すなわち、腫瘍表現型)についての明快な証拠である。さらに、プロウイルス組込み体のパターン(方向を含む)は、各クラスターにある標的遺伝子の位置決定を比較的簡単にする、強力な位置情報を提供する。挿入変異機構により癌を引き起こすことが公知である3つの哺乳動物レトロウイルスは、FeLV(ネコにおける白血病/リンパ腫)、MLV(マウスおよびラットにおける白血病/リンパ腫)、ならびにMMTV(マウスにおける乳癌)である。
従って、腫瘍形成レトロウイルス(宿主生物のゲノムにその配列が挿入されて癌腫を生じる)の使用によって、癌腫に関与する宿主配列の同定が可能にされる。これらの配列は、次いで、多くの異なった方法(診断、予後判定、調節因子(アゴニストおよびアンタゴニストの両方を含む)のスクリーニング、抗体産生(免疫療法および画像化のため)などが挙げられる)において、使用され得る。しかし、当業者に理解されるように、1種類の癌(リンパ腫または白血病など)において同定される癌遺伝子は、同様に、他の種類の癌に関わる可能性が強い。従って、本明細書中で概略が示される配列は、最初に、リンパ腫と相関すると同定されるが、以下で概略を示されるように、他の種類の癌においてもまた、それらの配列は見出され得る。
(定義)
従って、本発明は、癌腫に関連する核酸およびタンパク質の配列(本明細書中で「癌腫関連」配列または「CA」配列と名付ける)を、提供する。1つの実施形態において、本発明は、リンパ組織を起源とする癌腫に関連する核酸およびタンパク質の配列(本明細書中で「リンパ腫関連」配列、「白血病関連」配列または「LA」配列と名付ける)を、提供する。別の実施形態において、本発明は、乳房組織を起源とする癌腫に関連する核酸配列およびタンパク質配列(本明細書中で「乳癌関連」配列または「BCA」配列と呼ぶ)を提供する。
本発明の方法を使用して診断され得るかまたはスクリーニングされ得る適切な癌としては、部位によってかまたは組織学的型によって分類された癌が挙げられる。部位によって分類される癌としては、以下が挙げられる:口腔および咽頭(唇、舌、唾液腺、口の床、歯肉および他の口腔、鼻咽頭、扁桃、口腔咽頭部、下咽頭、他の口/他の咽頭)の癌;消化系(食道;胃;小腸;結腸および直腸;肛門、肛門管、および肛門直腸;肝臓;肝臓内胆汁管;胆嚢;他の胆管;膵臓;腹膜後腔;腹膜、網、および腸間膜、他の消化)の癌;呼吸系(鼻腔、中耳、および洞;喉頭;肺および気管支;胸膜;気管;縦隔;ならびに他の呼吸系)の癌;中皮腫;骨および関節;および軟組織(心臓を含む)の癌;皮膚癌(黒色腫および他の非上皮性皮膚癌を含む);カポージ肉腫および乳癌;女性生殖系(子宮頸;子宮体;子宮(nos);卵巣;膣;外陰;および他の女性生殖器)の癌;男性生殖系(前立腺;精巣;陰茎;および他の男性生殖器)の癌;泌尿系(膀胱;腎臓および腎盤;尿管;および他の泌尿器)の癌;眼および眼窩の癌;脳および神経系(脳;および他の神経系)の癌;内分泌系(甲状腺、および胸腺を含む他の内分泌腺)の癌;リンパ腫の癌(ホジキン病リンパ腫および非ホジキン性リンパ腫)、多発性骨髄腫、ならびに白血病(リンパ性白血病;骨髄性白血病;単球性白血病;および他の白血病)。
本発明の配列に関連し得る他の癌(組織学的型によって分類される)としては、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:新生物(悪性);癌腫(NOS);癌腫(未分化、NOS);巨細胞癌腫および紡錘体細胞癌;小細胞癌(NOS);乳頭状癌(NOS);扁平上皮癌(NOS);リンパ上皮癌腫;基底細胞癌(NOS);毛質癌腫;移行上皮癌(NOS);乳頭状移行上皮癌;腺癌(NOS);ガストリノーマ(悪性);胆管癌;肝細胞癌(NOS);肝細胞癌および胆管癌の複合;メルケル細胞腺腫;腺様嚢胞癌;腺腫様ポリープにおける腺癌;腺癌(大腸家族性ポリポシス);固形癌腫(NOS);カルチノイド腫瘍(悪性);気管支槽腺癌;乳頭状腺癌(NOS);色素嫌性癌腫;好酸性(acidophili)癌腫;好酸性(oxyphilc)腺癌;好塩基性癌腫;明細胞腺癌(NOS);顆粒細胞癌腫;濾胞状腺癌(NOS);乳頭状かつ濾胞状の腺癌;非被包硬化癌腫;副腎皮質癌腫;類内膜癌;皮膚付属器癌腫;アポクリン腺癌;脂腺腺癌;耳垢腺癌;粘膜表皮癌腫;嚢胞腺癌(NOS);乳頭状嚢胞腺癌(NOS);乳頭状漿液嚢胞腺癌;粘液性嚢胞腺癌(NOS);粘液性腺癌;印環細胞癌;浸潤腺管癌;髄様癌(NOS);小葉癌;炎症性乳癌;パジェット疾患(乳房);腺房細胞癌腫;腺扁平上皮癌;扁平化生を伴う腺癌;胸腺腫(悪性);卵巣間質腫瘍(悪性);莢膜腫(悪性);顆粒膜細胞腫(悪性);男性ホルモン産生細胞腫(悪性);セルトーリ細胞癌腫;ライディッヒ細胞腫(悪性);脂質細胞腫瘍(悪性);パラガングリオーマ(悪性);乳房外パラガングリオーマ(悪性);褐色細胞腫;グロムス血管肉腫;悪性黒色腫(NOS);メラニン欠乏症黒色腫;表在拡大型黒色腫;巨大色素性母斑における悪性黒色腫;類上皮細胞黒色腫;青色母斑(悪性);肉腫(NOS);線維肉腫(NOS);線維性組織球腫(悪性);粘液肉腫;脂肪肉腫(NOS);平滑筋肉腫(NOS);横紋筋肉腫(NOS);胎児性横紋筋肉腫;槽横紋筋肉腫;間質肉腫(NOS);複合腫瘍(悪性、NOS);ミュラー複合腫瘍;腎臓芽細胞腫;肝臓芽細胞腫;癌肉腫(NOS);間葉腫(悪性);ブレンナー腫(悪性);葉状腫瘍(悪性);滑膜肉腫(NOS);中皮腫(悪性);未分化胚細胞腫;胎生期癌(NOS);奇形腫(悪性、NOS);卵巣甲状腺腫(悪性);絨毛癌;中腎腫(悪性);血管肉腫;血管内皮腫(悪性);カポージ肉腫;血管周囲細胞腫(悪性);リンパ管肉腫;骨肉腫(NOS);皮質近接部骨肉腫;軟骨肉腫(NOS);軟骨芽細胞腫(悪性);間葉軟骨肉腫;骨巨細胞腫;ユーイング肉腫;歯原性腫瘍(悪性);エナメル上皮歯原性肉腫;エナメル上皮腫(悪性);エナメル上皮線維肉腫;松果体腫(悪性);脊索腫;神経膠腫(悪性);上衣腫(NOS);星状細胞腫(NOS);原型質性星状細胞腫;線維性星状細胞腫;星状芽細胞腫;膠芽細胞腫(NOS);希突起膠腫(NOS);希突起膠細胞腫;未分化神経外胚葉性腫瘍;小脳肉腫(NOS);神経節芽細胞腫;神経芽細胞腫(NOS);網膜芽腫(NOS);嗅神経神経原性腫瘍;髄膜腫(悪性);神経線維肉腫;神経鞘腫(悪性);顆粒細胞腫瘍(悪性);悪性リンパ腫(NOS);ホジキン病(NOS);ホジキン性病側肉芽種(NOS);悪性リンパ腫(小リンパ球性);悪性リンパ腫(大細胞、散在性);悪性リンパ腫(濾胞状、NOS);菌状息肉腫;他の特定の非ホジキン性リンパ腫;悪性組織球増殖;多発性骨髄腫;肥満細胞肉腫;免疫増殖性小腸疾患;白血病(NOS);リンパ性白血病(NOS);形質細胞性白血病;赤白血病;リンパ肉腫細胞白血病;骨髄性白血病(NOS);好塩基球性白血病;好酸球性白血病;単球性白血病(NOS);肥満細胞性白血病;巨核芽球性白血病;骨髄性肉腫;およびヘアリーセル白血病。
さらに、このCA遺伝子は、加齢または神経変性に関連する疾患などの他の疾患(しかしこれらに限定はされない)に関与し得る。
この文脈において、「関連」とは、ヌクレオチド配列またはタンパク質配列が、癌腫において、正常な細胞と比較して差次的に発現されるか、活性化されるか、不活化されるかまたは改変されるかのいずれかであることを意味する。以下で概略を示すように、CA配列としては、癌腫において、アップレギュレーションされる(すなわち、より高レベルで発現する)配列、ならびにダウンレギュレーションされる(すなわち、より低レベルで発現する)配列が、挙げられる。CA配列としてはまた、改変された配列(すなわち、切断された配列、または置換、欠失、もしくは挿入(点変異を含む)を有する配列)もまた挙げられ、同じ発現プロファイルまたは改変されたプロファイルのどちらかを示す。好ましい実施形態において、CA配列は、ヒト由来である;しかし、当業者によって理解されるように、他の生物由来のCA配列は、疾患の動物モデルおよび薬物評価の動物モデルにおいて、有用であり得る。従って、他のCA配列は、哺乳類(げっ歯類(ラット、マウス、ハムスター、モルモット、など)、霊長類、家畜(ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ、などが挙げられる)を含む)を含む、脊椎動物から、提供される。幾つかの場合において、原核生物のCA配列は、有用であり得る。他の生物由来のCA配列は、以下で概要を示す技術を使用して、得られ得る。
CA配列は、核酸配列およびアミノ酸配列の両方を包含し得る。1つの実施形態において、CA配列は、組換え核酸である。本明細書中の用語「組換え核酸」によって、一般的にポリメラーゼおよびエンドヌクレアーゼによる核酸の操作により、自然界で普通に見出されない形態にて、本来はインビトロで形成される核酸が、意味される。従って、組換え核酸はまた、直鎖形態で単離された核酸、または普通は結合されないDNA分子の連結によってインビトロで形成されたベクターであり、両方とも、本発明の目的のための組換え体と考えられる。一旦、組換え核酸が作られ、そして宿主細胞または宿主生物に再導入されれば、組換え核酸は、インビトロ操作ではなくむしろ宿主細胞のインビボ細胞機構を使用して複製することが、理解される;しかし、このような核酸は、一旦組換え的に生産されれば、その後インビボで複製されても、やはり、本発明の目的のための組換え体であるかまたは本発明の目的のために単離されていると考えられる。本明細書中で使用される場合、「ポリヌクレオチド」または「核酸」とは、任意の長さのヌクレオチド(リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれか)のポリマー形態である。この用語は、この分子の一次構造のみを指す。従って、この用語は、二本鎖および一本鎖のDNAおよびRNAを包含する。この用語はまた、公知の型の改変(例えば、当該分野で公知である標識)、メチル化、「キャップ」、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上をアナログで置換すること、ヌクレオチド間改変(例えば、非荷電結合(例えば、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合など)を有する改変、付属部分(例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなどを含む)を含む改変、挿入剤(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を含む改変、キレート剤(例えば、金属、放射性金属など)を含む改変、アルキル化剤を含む改変、改変結合(例えば、αアノマー核酸など)を含む改変、ならびにそのポリヌクレオチドの非改変形態を包含する。
本明細書中で使用される場合、指定配列に「由来する」ポリヌクレオチドとは、指定ヌクレオチド配列の一領域に対応する、少なくとも約6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10〜12ヌクレオチド、なおより好ましくは少なくとも約15〜20ヌクレオチドの配列から構成される、ポリヌクレオチド配列を指す。「対応する」とは、その指定配列と相同であることまたはその指定配列に対して相補的であることを意味する。好ましくは、そのポリヌクレオチドが由来する領域の配列は、CA遺伝子にとって独特である配列と相同であるかまたはその配列と相補的である。
同様に、「組換えタンパク質」は、組換え技術を使用して(すなわち、上で示されるような組換え核酸の発現を通して)作られる、タンパク質である。組換えタンパク質は、少なくとも1つ以上の特徴により、天然に存在するタンパク質から区別される。例えば、そのタンパク質は、通常は野生型の宿主において関連しているタンパク質および化合物のうちのいくらかまたは全てから、単離され得るかまたは精製され得、従って、実質的に純粋であり得る。例えば、単離されたタンパク質は、通常は天然の状態において関連している物質のうちの少なくとも幾つかが付随しない(所定のサンプルの総タンパク質重量のうちの、好ましくは少なくとも約0.5重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%を構成する)。実質的に純粋なタンパク質は、総タンパク質重量のうちの約50〜75重量%を構成し、約80重量%が好ましく、そして約90重量%が特に好ましい。この定義は、ある生物由来のCAタンパク質を異なった生物または宿主細胞にて産生することを含む。あるいは、このタンパク質は、そのタンパク質が増加した濃度レベルで生成されるように、誘導プロモーターまたは高発現プロモーターの使用を通して、通常に見られるより有意に高い濃度にて生成され得る。あるいは、このタンパク質は、天然で通常には見出されない形態(以下に考察されるような、エピトープタグの付加、またはアミノ酸の置換、挿入および欠失におけるような)で、あり得る。
好ましい実施形態において、CA配列は、核酸である。当業者に理解されるように、そして以下により完全に概略が示されるように、CA配列は、種々の適用において有用である。ここで適用としては、診断適用(天然に存在する核酸を検出する)ならびにスクリーニング適用が挙げられる;例えば、CA配列に対する核酸プローブを含むバイオチップが、生産され得る。最も広い意味においては、本明細書中の「核酸」もしくは「オリゴヌクレオチド」または等価物は、互いに共有結合している少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、6ヌクレオチド、8ヌクレオチド、10ヌクレオチド、12ヌクレオチド、20ヌクレオチド、30ヌクレオチド、または100個までのヌクレオチドのオリゴマーである。「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」は、DNA、RNA、PNA、またはホスホジエステル結合および/もしくは任意の代替結合により連結されたヌクレオチドのポリマーを包含し得る。
本発明の核酸は、一般にリン酸ジエステル結合を含むが、以下で概略を示されるような幾つかの場合(例えば、アンチセンス適用において、または核酸が候補薬剤である場合)において、代替の骨格(例えば、以下が挙げられる:ホスホロアミデート(phosphoramidate)(Beaucageら,Tetrahedron 49(10):1925(1993)およびこの中の参考文献;Letsingerら,J.Org.Chem.35:3800(1970);Sprinzlら,Eur.J.Biochem.81:579(1977);Letsingerら,Nucl.Acids Res.14:3487(1986);Sawaiら,Chem.Lett.805(1984),Letsingerら,J.Am.Chem.Soc.110:4470(1988);およびPauwelsら,Chemica Scripta 26:141 91986))、ホスホロチオエート(Magら、Nucleic Acids Res.19:1437(1991);および米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briuら,J.Am.Chem.Soc.111:2321(1989)、O−メチルホスホロアミダイト結合(Eckstein,Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,Oxford University Press参照)、ならびにペプチド核酸の骨格および結合(Egholm,J.Am.Chem.Soc.114:1895(1992);Meierら,Chem.Int.Ed.Engl.31:1008(1992);Nielsen,Nature,365:566(1993);Carlssonら,Nature 380:207(1996)(全ては参考として援用される))を有する核酸アナログが、使用され得る。他のアナログ核酸としては、陽性の骨格(Denpcyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:6097(1995));非イオン化骨格(米国特許第5,386,023号、同第5,637,684号、同第5,602,240号、同第5,216,141号および同第4,469,863号;Kiedrowshiら,Angew.Chem.Intl.Ed.English 30:423(1991);Letsingerら,J.Am.Chem.Soc.110:4470(1988);Letsingerら,Nucleoside & Nucleotide 13:1597(1994);第2章および第3章,ASC Symposium Series 580,“Carbohydrate Modifications in Antisense Research”Y.S.SanghuiおよびP.Dan Cook編;Mesmaekerら,Bioorganic & Medicinal Chem.Lett.4:395(1994);Jeffsら,J.Biomolecular NMR34:17(1994);Tetrahedron Lett.37:743(1996))および非リボース骨格(米国特許第5,235,033号および第5,034,506号、ならびに第6章および第7章,ASC Symposium Series 580,“Carbohydrate Modifications in Antisense Research”,Y.S.SanghuiおよびP.Dan Cook編に記載されるものを含む)を有する、アナログ核酸が挙げられる。1つ以上の炭素環式糖を含む核酸もまた、ある核酸の定義(Jenkinsら,Chem.Soc.Rev.(1995)pp169−176)の範囲内に、含まれる。幾つかの核酸アナログは、Rawls,C & E News 6月2日(1997)35頁において、記載される。これらの参考文献の全ては、本明細書中で明示的に参考として援用される。リボース−リン酸骨格のこれらの改変は、種々の理由のため(例えば、アンチセンス適用における使用またはバイオチップ上のプローブとしての使用についての生理学的環境における、このような分子の安定性および半減期を増加させるため)に、なされ得る。
当業者に理解されるように、これらの核酸アナログの全ては、本発明における用途を見出し得る。さらに、天然に存在する核酸とアナログとの混合物が、作製され得る;あるいは、異なった核酸アナログの混合物、および天然に存在する核酸とアナログとの混合物が、作製され得る。
この核酸は、特定されるように、一本鎖または二本鎖であり得るか、あるいは二本鎖配列もしくは一本鎖配列の両方の部分を含み得る。当業者に理解されるように、一本鎖「ワトソン」の叙述はまた、他方の鎖「クリック」の配列を定義する;従って、本明細書中で記載される配列はまた、この配列の相補鎖も含む。この核酸は、DNA(ゲノムDNAおよびcDNAの両方)、RNAまたはハイブリッド(この核酸が、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの任意の組合せ、ならびにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン、イソグアニンなどが挙げられる塩基の任意の組合せを含む)であり得る。本明細書で使用される場合、用語「ヌクレオシド」は、ヌクレオチドおよびヌクレオシドならびにヌクレオチドアナログ、ならびに改変されたヌクレオシド(アミノ改変ヌクレオシドなど)を含む。さらに、「ヌクレオシド」は、非天然アナログ構造を含む。従って、例えば、ペプチド核酸の個々のユニット(それぞれ塩基を含む)は、本明細書中でヌクレオシドと呼ばれる。
本明細書中で使用される場合、用語「タグ」、「配列タグ」または「プライマータグ配列」とは、そのようなタグを中に保有するポリヌクレオチド単位を同定するために役立つ、特定の核酸配列を有するオリゴヌクレオチドを指す。同じ生物学的供給源由来のポリヌクレオチドは、その後の分析においてそのポリヌクレオチドがその供給起源に従って同定され得るように、特定の配列タグを用いて共有結合タグ化される。その配列タグはまた、核酸増幅反応のためのプライマーとしても役立つ。
「マイクロアレイ」とは、固体支持体表面上に形成された、好ましくは別個の領域(各々は、規定領域を有する)からなる線状または2次元のアレイである。マイクロアレイ上の別個の領域の密度は、単一固相支持体表面上にて検出されるべき標的ポリヌクレオチド総数によって決定され、好ましくは少なくとも約50/cm、より好ましくは少なくとも約100/cm、なおより好ましくは少なくとも約500/cm、なおより好ましくは少なくとも約1,000/cmである。本明細書中で使用される場合、DNAマイクロアレイは、標的ポリヌクレオチドを増幅またはクローン化するために使用されるチップまたは他の表面上に配置された、オリゴヌクレオチドプライマーのアレイである。そのアレイ中の特定のプライマー群各々の位置は既知であるので、標的ポリヌクレオチドの正体は、そのマイクロアレイ中の特定の位置に対するその標的ポリヌクレオチドの結合に基づいて、決定され得る。
「リンカー」は、制限部位を含む合成オリゴデオキシリボヌクレオチドである。リンカーは、DNAフラグメントの末端に平滑末端結合されて、後にそのフラグメントをベクター分子中へとクローニングする際に使用され得る制限部位を生じ得る。
用語「標識」とは、アッセイサンプルにおける標的ポリヌクレオチドの存在を示す、検出可能なシグナルを生成可能な組成物をさす。適切な標識としては、放射性同位体、ヌクレオチド発色団、酵素、基質、蛍光分子、化学発光部分、磁気粒子、生体発光部分などが挙げられる。このように、標識とは、分光光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、電子的手段、光学的手段、化学的手段、または他の適切な任意の手段によって検出可能である、任意の組成物である。用語「標識」は、検出可能な物理的特性を有する任意の化学基または化学部分を指すため、あるいは化学基または化学部分が検出可能な物理的特性を示すのを引き起こし得る任意の化合物(例えば、基質を検出可能な産物へと転換するのを触媒する酵素)を指すために、使用される。用語「標識」はまた、特定の物理的特性の発現を示す化合物を包含する。標識はまた、結合対のメンバーである化合物であり得、その結合対のもう一方のメンバーは、検出可能な物理的特性を保有する。
用語「支持体」は、従来の支持体、例えば、ビーズ、粒子、ディップスティック、繊維、フィルター、膜、およびシラン支持体またはケイ酸支持体(例えば、スライドガラス)を指す。
用語「増幅する」とは、例えば、さらなる標的分子、または標的様分子もしくはその標的分子と相補的な分子(これらの分子は、サンプル中の標的分子の存在によって生成される)を含み得る、増幅産物を生成することを意味するために広い意味で使用される。その標的が核酸である状況において、増幅産物は、DNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼ、またはリバーストランスクリプターゼを用いて酵素的に生成され得る。
本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」とは、個体から単離された組織または体液(血液、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚、気道、腸管、および尿生殖器管、涙液、唾液、乳汁、細胞(血球を含むが、これに限定されない)、腫瘍、器官、およびインビトロでの細胞培養物構成物サンプルを含むが、これらに限定されない)のサンプルを指す。
用語「生物学的供給源」とは、本明細書中で使用される場合、標的ポリヌクレオチドの起源である供給源を指す。その供給源は、上記のような「サンプル」のどの形態(細胞、組織、または体液を含むが、これらに限定されない)であってもよい。「異なる生物学的供給源」とは、同じ個体の異なる細胞/組織/器官、または同じ種の異なる個体由来の細胞/組織/器官、または異なる種由来の細胞/組織/器官を指し得る。
(癌関連配列)
本発明のCA配列は、リンパ腫を生じるレトロウイルス(例えば、マウス白血病ウイルス(MLV)またはマウス乳癌ウイルス(MMTV))をマウスに感染させることによって、最初に同定された。そのCA配列は、その後、乳癌サンプルおよび他の癌組織サンプルにおける対応する遺伝子産物(例えば、mRNA)の発現レベルを決定することによって、確認された。レトロウイルスは、RNAから生成されたゲノムを有する。レトロウイルスが宿主細胞に感染した後、そのレトロウイルスゲノムの二本鎖DNAコピー(「プロウイルス」)が、その宿主細胞のゲノムDNA中に挿入される。組込まれたプロウイルスは、組込み部位または組込み部位付近の宿主遺伝子の発現に影響を与え得る。これは、レトロウイルス挿入変異誘発として公知の現象である。起こり得る宿主細胞遺伝子発現の変化としては、(i)転写プロモーターおよびエンハンサーとして作用するエレメントとそのプロウイルス中で近いことから生じる、組込み部位付近の遺伝子発現の増加、(ii)遺伝子自体にプロウイルスが組込んで機能的遺伝子産物の合成を妨げることにより引き起こされる、その遺伝子の機能的不活化、または(iii)正常タンパク質とは異なる活性を有する変異タンパク質の発現が、挙げられる。代表的には、そのようなタンパク質は、未成熟切断されており、C末端付近の調節ドメインを欠く。そのようなタンパク質は、構成的に活性であり得るか、または正常タンパク質のドミナントネガティブインヒビターとして作用し得る。例えば、レトロウイルスエンハンサー(SL3−3のエンハンサーを含む)は、挿入部位から約200キロベースまでの遺伝子に対して作用することが公知である。さらに、これらの配列のうちの多くはまた、他の癌および疾患状態に関与する。この様式で同定される本発明に従うマウス遺伝子配列が、表1〜6に示される。
CA配列は、本明細書中で概略を示されるCA配列に対する実質的な核酸配列相同性および/またはアミノ酸配列相同性により、最初に同定され得る。このような相同性は、全体的核酸配列または全体的アミノ酸配列に基づき得、一般に、相同性プログラムまたはハイブリダイゼーション条件のどちらかを使用して、以下で概略を示したように決定される。
1つの実施形態において、CA配列は、癌腫においてアップレギュレーションされる;つまり、これらの遺伝子の発現は、同じ分化段階の正常組織と比較して、癌腫組織においてより強い。「アップレギュレーション」は、本明細書中で使用される場合、約50%、より好ましくは約100%、より好ましくは約150%〜約200%を意味し、300〜1000%が好ましい。
別の実施形態において、CA配列は、癌腫においてダウンレギュレーションされる;つまり、これらの遺伝子の発現は、同じ分化段階の正常組織と比較して、癌腫組織において弱い。「ダウンレギュレーション」は、本明細書中で使用される場合、約50%、好ましくは約100%、より好ましくは約150%〜約200%を意味し、300〜1000%〜発現なしが、好ましい。
なお別の実施形態において、CA配列は、改変された配列を有するが、同じ分化段階の正常リンパ組織と比較して、同じ発現プロファイルを示すかまたは改変されたプロファイルを示す、CA配列である。「改変CA配列」はまた、本明細書中で使用される場合、短縮された配列、挿入を含む配列、または点変異を含む配列をいう。
本発明のCAタンパク質は、分泌タンパク質、膜貫通タンパク質、または細胞内タンパク質として分類され得る。好ましい実施形態において、CAタンパク質は、細胞内タンパク質である。細胞内タンパク質は、細胞質および/または核において見出され得る。細胞内タンパク質は、細胞機能および複製(例えば、シグナル伝達経路が挙げられる)の全ての局面に、関連する;このようなタンパク質の異常な発現は、無制御または非制御の細胞プロセスを生じさせる。例えば、多くの細胞内タンパク質は、酵素的活性(例えば、プロテインキナーゼ活性、プロテインホスファターゼ活性、プロテアーゼ活性、ヌクレオチドシクラーゼ活性、ポリメラーゼ活性など)を有する。細胞内タンパク質はまた、ドッキングタンパク質(タンパク質の複合体を組織することまたは種々の亜細胞位置にタンパク質を標的化することに関与する)として働き、そしてオルガネラの構造的完全性を保持することに関与する。
細胞内タンパク質の特徴付けにおいてますます認識される概念は、規定された機能が帰因されている、1つ以上のモチーフのタンパク質における存在である。タンパク質の酵素的ドメインにおいて見出される高度に保存された配列に加えて、タンパク質−タンパク質相互作用に関与するタンパク質において、高度に保存された配列が同定されている。例えば、Src−homology−2(SH2)ドメインは、チロシンリン酸化標的を、配列依存的様式にて結合する。SH2ドメインとは異なったPTBドメインもまた、チロシンリン酸化標的を結合する。SH3ドメインは、プロリンリッチな標的に結合する。さらに、ごくわずかに例を挙げると、PHドメイン、テトラトリコペプチド反復およびWDドメインは、タンパク質−タンパク質相互作用を媒介することが示されている。これらの幾つかは、リン脂質または他の二次メッセンジャーとの結合に関与し得る。当業者に理解されるように、これらのモチーフは、一次配列に基づいて同定され得る;従って、タンパク質の配列の分析は、その分子の酵素的可能性および/またはそのタンパク質が結合し得る分子の両方についての洞察を、提供し得る。
好ましい実施形態において、CA配列は、膜貫通タンパク質である。膜貫通タンパク質は、細胞のリン脂質二重層にまたがる分子である。これらは、細胞内ドメイン、細胞外ドメイン、または両方を有し得る。このようなタンパク質の細胞内ドメインは、細胞内タンパク質について既に記載された機能を含む、多くの機能を有し得る。例えば、その細胞内ドメインは、酵素的活性を有し得、かつ/または追加のタンパク質についての結合部位として働き得る。膜貫通タンパク質の細胞内ドメインは、両方の役割を果たす。例えば、特定のレセプターチロシンキナーゼは、プロテインキナーゼ活性およびSH2ドメインの両方を有する。その上、そのレセプター分子自体におけるチロシンの自己リン酸化は、さらなるSH2ドメイン含有タンパク質に対する結合部位を作り出す。
膜貫通タンパク質は、1個〜多くの膜貫通ドメインを含み得る。例えば、レセプターチロシンキナーゼ、特定のサイトカインレセプター、レセプターグアニリルシクラーゼおよびレセプターセリン/トレオニンプロテインキナーゼは、1つの膜貫通ドメインを含む。しかし、チャネルおよびアデニリルシクラーゼを含む種々の他のタンパク質は、多くの膜貫通ドメインを含む。多くの重要な細胞表面レセプターは、7つの膜に広がる領域を含むので、「7回膜貫通ドメイン」タンパク質として分類される。重要な膜貫通タンパク質レセプターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:インスリンレセプター、インスリン様成長因子レセプター、ヒト成長ホルモンレセプター、グルコーストランスポーター、トランスフェリンレセプター、上皮成長因子レセプター、低密度リポタンパク質レセプター、レプチンレセプター、インターロイキンレセプター(例えば、IL−1レセプター、IL−2レセプターなど)。CAタンパク質は、アポトーシスを調節する遺伝子(IL−3、GM−CSF、およびBcl−x)に由来し得るか、またはアポトーシスの調節において役割を果すことが示されている。
膜貫通ドメインの特徴としては、その後に荷電アミノ酸が続き得るおよそ20個連続する疎水アミノ酸を含む。従って、特定のタンパク質のアミノ酸配列の分析において、そのタンパク質内における膜貫通ドメインの位置決定および数は、予測され得る。
膜貫通タンパク質の細胞外ドメインは、様々である;しかし、保存されたモチーフが、種々の細胞外ドメインの間で、くり返し見出される。保存的な構造および/または機能は、異なった細胞外モチーフに帰せられている。例えば、サイトカインレセプターは、システインクラスターおよびWSXWS(W=トリプトファン、S=セリン、X=任意のアミノ酸)モチーフによって特徴付けられる。免疫グロブリン様ドメインは、高度に保存的である。ムチン様ドメインは、細胞接着に関与し得、そしてロイシンリッチ反復は、タンパク質−タンパク質相互作用に関与し得る。
多くの細胞外ドメインは、他の分子への結合に関連する。一局面において、細胞外ドメインは、レセプターである。レセプタードメインを結合する因子は、循環型リガンド(ペプチド、タンパク質、またはアデノシンのような低分子などであり得る)を含む。例えば、成長因子(EGF、FGFおよびPDGFなど)は、同族のレセプターに結合して種々の細胞応答を開始する、循環型成長因子である。他の因子としては、サイトカイン、マイトジェン因子、神経栄養因子などが挙げられる。細胞外ドメインは、細胞結合分子にもまた、結合する。この点において、細胞外ドメインは、細胞間相互作用を媒介する。細胞結合リガンドは、例えば、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーにより細胞に係留され得るか、または、それ自体が膜貫通タンパク質であり得る。細胞外ドメインは、細胞外マトリックスにもまた結合し、細胞構造の保持に貢献する。
膜貫通CAタンパク質が、本発明において特に好ましい。なぜなら、それは、本明細書中で記載されるように、免疫療法の良い標的であるからである。さらに、以下で概略を示されるように、膜貫通タンパク質は、画像化様式において、有用であり得る。
膜貫通タンパク質は、膜貫通配列の除去により(例えば、組換え方法を通して)、可溶性にされ得ることもまた、当業者に理解される。さらに、可溶性にされている膜貫通タンパク質は、適切なシグナル配列の付加により、組換え手法を通して分泌され得る。
好ましい実施形態において、CAタンパク質は、分泌タンパク質である;この分泌は、構成的分泌または制御される分泌の、どちらかであり得る。これらのタンパク質は、分泌経路へその分子を標的化する、シグナルペプチドまたはシグナル配列を有する。分泌タンパク質は、多くの生理学的事象に関与する;その循環する性質のために、分泌タンパク質は、種々の他の細胞型に、シグナルを伝達するために働く。この分泌タンパク質は、オートクライン様式(その因子を分泌する細胞に対して作用する)、パラクライン様式(その因子を分泌する細胞に近い細胞に対して作用する)またはエンドクライン様式(遠くの細胞に対して作用する)で、機能し得る。従って、分泌分子は、多くの生理学の局面の調節または改変において、用途を見出す。分泌タンパク質であるCAタンパク質は、診断マーカー(例えば、血液検査のため)に対する良い標的として働くので、本発明において特に好ましい。
(CA配列およびホモログ)
CA配列は、本明細書中で概略を示されるCA配列に対する実質的な核酸配列相同性および/または実質的なアミノ酸配列相同性により、最初に同定される。このような相同性は、核酸またはアミノ酸の配列全体に基づき得、大概、相同性プログラムまたはハイブリダイゼーション条件のどちらかを使用して、以下で概略を示したように、決定される。
本明細書中で使用される場合、核酸は、その核酸配列と表1〜表6の核酸のうちの1つとの全体の相同性が、好ましくは約75%より高く、より好ましくは約80%より高く、さらにより好ましくは約85%より高く、そして最も好ましくは約90%より高い場合、「CA核酸」である。幾つかの実施形態において、その相同性は、約93%から95%または98%までと同じくらいの高さである。好ましい実施形態において、配列同一性または配列類似性を決定するために使用される配列は、表1〜表6の核酸配列から選択される。別の実施形態において、この配列は、表1〜表6の核酸配列の天然に存在する対立遺伝子改変体である。別の実施形態において、その配列は、本明細書中でさらに記載される配列改変体である。
この文脈における相同性とは、配列類似性または配列同一性を意味する(同一性が好ましい)。相同性の目的のために好ましい比較は、配列決定エラーを含む配列を、正しい配列に対して比較することである。この相同性は、当該分野で公知である標準的技術を使用して決定される。この標準的技術としては以下が挙げられるが、これらに限定はされない:局所相同性アルゴリズム(Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981))、相同性アラインメントアルゴリズム(Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970))、類似性探索法(Pearson & Lipman,PNAS USA 85:2444(1988))、これらのアルゴリズムの電算化実行(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Drive,Madison,WIにおける、GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、Best Fit配列プログラム(Devereuxら,Nucl.Acid Res.12:387−395(1984)に記載)(好ましくはデフォルト設定を使用する)、または視覚的検査。
有用なアルゴリズムの一例は、PILEUPである。PILEUPは、関連配列群から、進行的な対合アラインメントを使用して、多様な配列アラインメントを作製する。PILEUPは、アラインメントの作製に使用されるクラスター関係(clustering relationship)を示すツリー(tree)もまた、プロットし得る。PILEUPは、進行的アラインメント法(Feng & Doolittle,J.Mol.Evol.35:351−360(1987))の単純化を使用する。この方法は、Higgins & Sharp CABIOS 5:151−153(1989)に記載される方法と類似する。有用なPILEUPパラメータとしては、デフォルトギャップ重量(default gap weight)3.00、デフォルトギャップ長重量(default gap length weight)0.10、および重み付けエンドギャップ(weighted end gap)が挙げられる。
有用なアルゴリズムの別の例は、BLAST(Basic Local Alignment Search Tool)アルゴリズムである(Altschulら,J.Mol.Biol.215,403−410(1990)およびKarlinら,PNAS USA 90:5873−5787(1993)において記載)。特に有用なBLASTプログラムは、WU−BLAST−2プログラムである(Altschulら,Methods in Enzymology,266:460−480(1996);http://blast.wustl.edu/から得られる)。WU−BLAST−2は、幾つかの探索パラメータを使用する。パラメータの殆どは、デフォルト値に設定される。この調節可能なパラメータは、以下の値に設定される:重複範囲(overlap span)=1、重複画分(overlap fraction)=0.125、ワード閾値(word threshold)(T)=11。HSP SパラメータおよびHSP S2パラメータは、動値(dynamic value)であり、そして特定の配列の組成および目的の配列が検索される特定のデータベースの組成に依存して、プログラム自体によって確立される;しかし、この値は、感度を上げるために調節され得る。アミノ酸配列同一性%は、整列された領域の「長い方の」配列の残基の総数によって除算された、対応同一残基の数によって決定される。「長い方の」配列は、整列された領域において最も多くの実際の残基を有する配列である(WU−Blast−2により、アラインメントスコアを最大にするために導入されるギャップは無視される)。
従って、「核酸配列同一性百分率(%)」は、表1〜表6の核酸のヌクレオチド残基と同一である候補配列中のヌクレオチド残基の百分率として、定義される。好ましい方法は、デフォルトパラメータに設定されたWU−BLAST−2のBLASTNモジュールを、重複範囲および重複画分(それぞれ1および0.125に設定される)と共に利用する。
このアラインメントは、整列される配列におけるギャップの導入を、含み得る。さらに、表1〜表6の核酸のヌクレオチドより多いかより少ないかどちらかであるヌクレオチドを含む配列について、相同性の百分率は、相同なヌクレオチドの数に基づいて(ヌクレオチドの総数と関係して)決定されることが理解される。従って、例えば、本明細書中で同定される配列より短い配列の相同性は、短い方の配列におけるヌクレオチドの数を使用して、決定される。
本発明の別の実施形態において、本明細書中に提供されるポリヌクレオチド配列もしくはそのフラグメント、またはそれらの相補配列に対して、中ストリンジェンシー〜高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド組成が、提供される。ハイブリダイゼーション技術は、分子生物学の分野で周知である。例示のために、本発明のポリヌクレオチドと他のポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを試験するために適切な中程度にストリンジェントな条件は、5×SSC(「生理食塩水クエン酸ナトリウム」;9mM NaCl、0.9mMクエン酸ナトリウム)、0.5% SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)溶液中での予備洗浄;50〜60℃、5×SSCにて一晩のハイブリダイゼーション;その後、0.1%SDSを含む、各々2×SSC、0.5×SSCおよび0.2×SSCを用いる、65℃で20分間の2回の洗浄を包含する。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、例えば、ハイブリダイゼーション溶液の塩含量および/またはそのハイブリダイゼーションを実施する温度を変化することによって、容易に操作され得ることを、当業者は理解する。例えば、別の実施形態において、適切な高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件としては、ハイブリダイゼーション温度が例えば60〜65℃または65〜70℃に増加されること以外は、上記のような条件が挙げられる。ストリンジェントな条件はまた、不安定化剤(例えば、ホルムアミド)の添加によっても、達成され得る。
従って、例えば、図において同定される核酸またはその相補鎖に、高ストリンジェンシー下でハイブリダイズする核酸は、CA配列と考えられる。高ストリンジェンシー条件は、当該分野に公知である;例えば、Maniatisら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,1989およびShort Protocols in Molecular Biology,Ausubelら編を参照のこと。これらは両方、本明細書において参考として援用される。ストリンジェント条件は、配列依存的であり、異なった環境において異なる。より長い配列は、より高い温度において特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションの広範なガイドは、Tijssen,Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes,「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays」(1993)において見出される。一般に、ストリンジェント条件は、規定のイオン強度、pHにおいて、特定の配列の熱融解点(T)より約5〜10℃低くなるように、選択される。Tは、(規定のイオン強度、pHおよび核酸濃度下で)その標的に相補的なプローブのうちの50%が、その標的配列と平衡状態でハイブリダイズする温度である(標的配列は過剰に存在するので、Tで、50%のプローブが平衡状態を占める)。ストリンジェント条件は、塩濃度が、pH7.0からpH8.3で、約1.0Mナトリウムイオン未満(代表的には、約0.01Mから1.0Mナトリウムイオン濃度(または他の塩))、ならびに温度が、短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)に対し少なくとも約30℃、および長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドより長い)に対し少なくとも約60℃である、条件である。別の実施形態において、より低いストリンジェントハイブリダイゼーション条件が、使用される;当該分野で公知であるように、例えば、中程度ストリンジェンシー条件または低いストリンジェンシー条件が、使用され得る;ManiatisおよびAusubel(既出)およびTijssen(既出)を参照のこと。
さらに、本発明のCA核酸配列は、より大きい遺伝子の断片である(すなわち、核酸セグメントである)。あるいは、CA核酸配列は、癌遺伝子位置の指標として役立ち得る。例えば、CA配列は、癌原遺伝子を活性化させるエンハンサーであり得る。この文脈における「遺伝子」は、コード領域、非コード領域、およびコード領域と非コード領域との混合を含む。従って、当業者に理解されるように、本明細書中で提供される配列を使用して、より長い配列または全長配列のどちらかのクローニングのための当該分野で周知である技術(ManiatisらおよびAusubelら(既出)(本明細書で参考として明示的に援用される)を参照)を使用して、CA遺伝子のさらなる配列が、得られ得る。大概、これは、PCR(例えば、速度論的(kinetic)PCR)を使用して行われる。
(CA発現の検出)
一旦CA核酸が同定されれば、これは、クローン化され得、必要な場合、その構成部分は、CA核酸全体を形成するように組換えられる。一旦天然の供給源から単離される(例えば、プラスミドもしくは他のベクターの中に含まれるか、またはこれらから直鎖状核酸セグメントとして切り出される)と、その組換えCA核酸は、さらに他のCA核酸(例えば、追加のコード領域)を同定および単離するためのプローブとして、使用され得る。これは、改変CA核酸または改変体CA核酸および改変CAタンパク質または改変体CAタンパク質を作製するための「前駆体」核酸としてもまた、使用され得る。好ましい実施形態において、一旦CA遺伝子が同定されると、そのヌクレオチド配列は、そのCA遺伝子に特異的なプローブを設計するために使用される。
本発明のCA核酸は、いくつかの方法で使用される。最初の実施形態において、CA核酸に対してハイブリダイズ可能な核酸プローブが、作製され、そして、バイオチップに結合される。このバイオチップは、スクリーニング方法および診断方法において使用されるか、または遺伝子療法および/またはアンチセンス適用のために、使用される。あるいは、CAタンパク質のコード領域を含むCA核酸は、CAタンパク質発現のための発現ベクターに入れられ得る。この発現は、やはり、スクリーニング目的または患者への投与の目的のためのどちらかである。
DNAマイクロアレイ技術における最近の発展は、1つの固相支持体上における複数の標的CA核酸分子の大規模アッセイを実施することを可能にする。米国特許第5,837,832号(Cheeら)および関連特許出願は、サンプル中の特定の核酸配列のハイブリダイゼーションおよび検出のためのオリゴヌクレオチドプローブのアレイを固定することを記載する。目的の組織から単離された目的の標的ポリヌクレオチドは、DNAチップにハイブリダイズされ、そしてその標的ポリヌクレオチドの優先度および別個のプローブ位置でのハイブリダイゼーションの程度に基づいて、その特定の配列が検出される。アレイの1つの重要な使用は、差次的な遺伝子発現の分析においてであり、この場合、種々の細胞(しばしば、目的の細胞とコントロール細胞)における遺伝子発現プロフィールが比較され、個々の細胞間での遺伝子発現のなんらかの差異が同定される。そのような情報は、特定の細胞型または組織型において発現される遺伝子の型の同定のため、およびその発現プロフィールに基づく癌状態の診断のために有用である。
代表的には、目的のサンプル由来のRNAは、逆転写に供されて、標識cDNAが得られる。米国特許第6,410,229号(Lockhartら)を参照のこと。その後、そのcDNAは、チップまたは他の表面上に既知の順序で整列された既知配列のオリゴヌクレオチドもしくはcDNAに対して、ハイブリダイズされる。その標識cDNAがハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの位置は、そのcDNAの配列情報を提供し、一方、標識されたハイブリダイズRNAまたはcDNAの量は、目的のRNAまたはcDNAの相対的提示の推定値を提供する。Schenaら、Science 270:467〜470(1995)を参照のこと。例えば、ヒト癌における遺伝子発現パターンを分析するためのcDNAマイクロアレイの使用が、DeRisiら(Nature Genetics 14:457〜460(1996)により記載される。
好ましい実施形態において、CA核酸(図面において概略が示される核酸配列および/またはその相補配列の両方)に対応する核酸プローブが、作製される。代表的には、これらのプローブは、開示される本発明の配列に基づいて、合成される。バイオチップに結合される核酸プローブは、CA核酸(すなわち、標的配列((例えばサンドイッチアッセイにおける)サンプルの標的配列または他のプローブ配列のどちらか))に対して実質的に相補的であるように設計され、よって、標的配列と本発明のプローブとのハイブリダイゼーションが起こる。以下で概略が示されるように、この相補性は、以下の点で、完全である必要はない;任意の数の塩基対ミスマッチが存在し得、標的配列と本発明の一本鎖核酸との間のハイブリダイゼーションを妨げる。ヌクレオチドレベルでの遺伝子の全体的相同性は、おそらく、約40%以上、おそらく約60%以上、なおよりおそらく約80%以上であることが、予期される。さらに、約8〜12個以上連続する対応するヌクレオチド配列が存在することが、予期される。しかし、変異の数があまりにも多いために、最低のストリンジェントハイブリダイゼーション条件の下ですら、ハイブリダイゼーションが起こらない場合、この配列は、相補的標的配列ではない。従って、本明細書中で「実質的に相補的」とは、本明細書中で概略を示されるように、プローブが、標的配列に対し、通常の反応条件(特に高いストリンジェンシー条件)下でハイブリダイズするのに充分に相補的であることを、意味する。配列が本発明に従うCA遺伝子に対して独特であるか否かは、当業者に公知である技術によって決定され得る。例えば、その配列は、データバンク(例えば、GeneBank)中の配列と比較されて、非感染宿主または他の生物中にその配列が存在するか否かが決定され得る。その配列はまた、他のウイルス因子(癌を誘導することが公知であるウイルス因子を含む)の既知配列と比較され得る。
核酸プローブは、一般に一本鎖であるが、部分的に一本鎖および部分的に二本鎖であり得る。プローブの鎖状態(strandedness)は、標的配列の構造、組成、および特性によって示される。一般に、オリゴヌクレオチドプローブは、約6塩基長、8塩基長、10塩基長、12塩基長、15塩基長、20塩基長、30塩基長〜約100塩基長の範囲であり、約10塩基〜約80塩基が好まし、約30〜約50塩基が、特に好ましい。つまり、一般に、遺伝子全体は、まれにしかプローブとして使用されない。幾つかの実施形態において、100塩基までの、ずっと長い核酸が、使用され得る。プローブは、相補的テンプレート配列と、当業者によって公知である条件下でハイブリダイズするに充分に特異的である。プローブ配列と、それらがハイブリダイゼーションの間にハイブリダイズする相補的テンプレート(標的)配列との間のミスマッチ数は、FASTA(デフォルト設定)により決定した場合に、一般的には、15%を超えず、通常は10%を超えず、好ましくは5%を超えない。
オリゴヌクレオチドプローブとしては、核酸中で通常見出される天然に存在する複素環塩基(ウラシル、シトシン、チミン、アデニンおよびグアニン)、ならびに改変された塩基および塩基アナログが挙げられ得る。標的配列に対するプローブのハイブリダイゼーションに適合性の任意の改変された塩基または塩基アナログは、本発明の実施に有用である。これらのプローブの糖部分またはグリコシド部分は、デオキシリボース、リボースおよび/またはこれらの糖の改変された形態(例えば、2’−O−アルキルリボースのようなもの)を含み得る。好ましい実施形態において、糖部分は、2’−デオキシリボースであるが、標的配列へとハイブリダイズするプローブの能力に適合性の任意の糖部分が使用され得る。
1つの実施形態において、プローブのヌクレオシド単位は、当該分野で周知のようにホスホジエステル骨格で連結されている。さらなる実施形態において、ヌクレオチド内結合は、プローブの特異的なハイブリダイゼーションに適合性の、当業者に公知の任意の結合(ホスホロチオエート、メチルホスホネート、スルファメート(例えば、米国特許第5,470,967号)およびポリアミド(すなわち、ペプチド核酸)が挙げられるがこれらに限定されない)を含み得る。ペプチド核酸は、Nielsenら(1991)Science 254:1497−1500、米国特許第5,714,331号、およびNielsen(1999)Curr.Opin.Biotechnol.10:71−75に記載されている。
特定の実施形態において、プローブは、キメラ分子であり得る;すなわち、1種以上の塩基もしくは糖サブユニットを含み得るか、そして/または、1種以上の結合が同じプライマー内であり得る。プローブは、当該分野で公知であるように、その標的配列へのハイブリダイゼーションを促進する部分(例えば、インターカレーターおよび/または副溝結合剤)を含み得る。塩基、糖およびヌクレオシド内骨格の改変、ならびにプローブ上の任意の吊り下げ基(pendant group)の存在は、配列特異的な様式でその標的配列に結合するプローブの能力に適合性である。既知または開発されるものの両方の、多数の構造改変体が、これらの結合内で可能である。有利なことには、本発明に従うプローブは、シグナル増幅を可能にするような構造特性を有し得る。このような構造特性は、例えば、Urdeaら(Nucleic Acids Symp.Ser.,24:197−200(1991))または欧州特許番号EP−0225,807によって記載されたような分枝DNAプローブである。さらに、プローブを形成する種々の複素環塩基、糖ヌクレオシドおよびヌクレオチドを調製するための合成方法、ならびに特定の所定の配列のオリゴヌクレオチドの調製はよく開発されており、当該分野で公知である。オリゴヌクレオチド合成についての好ましい方法は、米国特許第5,419,966号の教示を援用する。
標的核酸の多型および/または二次構造、データの冗長性などを説明するために、多数のプローブが特定の標的配列について設計され得る。配列あたり1種以上のプローブが使用されるいくつかの実施形態において、オーバーラッププローブまたは単一の標的CA遺伝子の異なる部位に対するプローブのいずれかが使用される、すなわち、2、3、4、またはそれ以上(3つが好ましい)のプローブが特定の標的についての冗長性を構築するために使用される。プローブは、オーバーラップ(すなわち、いくつかの共通した配列を有する)であり得るか、または、CA遺伝子の別々の配列について特異的であり得る。複数の標的ポリヌクレオチドが本発明に従って検出される場合、特定の標的ポリヌクレオチドに対応する各プローブまたはプローブ基は、マイクロアレイの別個の領域に配置される。
プローブは、溶液中(例えば、ウェル中またはマイクロアレイの表面上)であり得るか、または固体支持体に結合され得る。使用され得る固体支持体物質の例としては、プラスチック、セラミック、金属、樹脂、ゲルおよび膜が挙げられ得る。固体支持体の有用な型としては、プレート、ビーズ、磁気物質、マイクロビーズ、ハイブリダイゼーションチップ、膜、クリスタル、セラミックおよび自己アセンブリ単層が挙げられる。好ましい実施形態は、二次元または三次元マトリクス(例えば、複数のプローブ結合部位を有するゲルまたはハイブリダイゼーションチップ)を含む(Pevznerら、J.Biomol.Struc.&Dyn.9:399−410,1991;MaskosおよびSouthern,Nuc.Acids Res.20:1679−84,1992)。ハイブリダイゼーションチップは、標的核酸に実質的にハイブリダイズする非常に大きなプローブアレイを構築するのに使用され得る。チップのハイブリダイゼーションパターンの分析は、標的ヌクレオチド配列の同定を補助し得る。パターンは、手動または機械的に分析され得るが、ハイブリダイゼーションによる位置配列決定が、コンピュータ分析および自動化につながることは明らかである。配列再構築のために開発されているアルゴリズムおよびソフトウェアは、本明細書中に記載される方法に適用可能である(R.Drmanacら、J.Biomol.Struc.&Dyn.5:1085−1102,1991;P.A.Pevzner,J.Biomol.Struc.&Dyn.7:63−73,1989)。
当業者に理解されるように、核酸は、広汎な種々の方法によって、固体保持体に結合され得るか、または固定化され得る。本明細書中の「固定化された」および文法的同義語により、核酸プローブと固体支持体との間の接着または結合が、以下で概略を示すような、結合、洗浄、分析、および除去の条件下で、充分に安定であることが、意味される。結合は、共有結合または非共有的結合であり得る。本明細書中の「非共有的結合」および文法的同義語により、静電的、親水性、および疎水性の相互作用のいずれか1つ以上を意味する。非共有的結合には、分子(ストレプトアビジンなど)の支持体への共有結合およびビオチン化プローブのストレプトアビジンへの非共有的結合が、含まれる。本明細書中の「共有結合」および文法的同義語は、固体支持体およびプローブの2つの部分が、少なくとも1つの結合(σ結合、π結合、および配位結合が挙げられる)により、結合していることを意味する。共有結合は、プローブと固体支持体との間に直接形成され得るか、またはクロスリンカーにより、あるいは固体支持体もしくはプローブまたは両分子のいずれかに特異的な反応基を含めることにより、形成され得る。固定化はまた、共有的相互作用および非共有的相互作用の組合せに関与し得る。
核酸プローブは、共有結合によって(例えば、カップリング剤を用いた結合によって)か、または、共有結合もしくは非共有結合によって(例えば、静電気的相互作用、水素結合もしくは抗体−抗原結合、または、これらの組み合せによって)、固体支持体に結合され得る。代表的なカップリング剤としては、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、Staphylococcus aureusプロテインA/IgG抗体Fフラグメント、およびストレプトアビジン/プロテインAキメラ(T.SanoおよびC.R.Cantor,Bio/Technology 9:1378−81(1991))もしくはこれらの誘導体、またはこれらの薬剤の組合せが挙げられる。核酸は、光切断可能な結合、静電気的結合、ジスルフィド結合、ペプチド結合、ジエステル結合、またはこれらの結合の種類の組合せによって固体支持体に接着され得る。このアレイはまた4,4’−ジメトキリトリチルまたはその誘導体のような選択的に解放可能な結合によって固体支持体に接着され得る。有用であることが見出されている誘導体としては、3[ビス−(4−メトキシフェニル)]−メチル−安息香酸または4[ビス−(4−メトキシフェニル)]−メチル−安息香酸、N−スクシンイミジル−3[ビス−(4−メトキシフェニル)]−メチル−安息香酸またはN−スクシンイミジル−4[ビス−(4−メトキシフェニル)]−メチル−安息香酸、N−スクシンイミジル−3[ビス−(4−メトキシフェニル)]−ヒドロキシメチル−安息香酸またはN−スクシンイミジル−4[ビス−(4−メトキシフェニル)]−ヒドロキシメチル−安息香酸、N−スクシンイミジル−3[ビス−(4−メトキシフェニル)]−クロロメトキシ−安息香酸またはN−スクシンイミジル−4[ビス−(4−メトキシフェニル)]−クロロメトキシ−安息香酸およびこれらの酸の塩が挙げられる。
一般に、プローブは、(当業者が理解するように)バイオチップに、広汎な種々の方法で結合する。本明細書中に記載されるように、核酸は、最初に合成され、その後にバイオチップに結合するか、または直接バイオチップ上に合成され得る。
バイオチップは、適切な固体基質を含む。本明細書中の「基質」もしくは「固体支持体」または他の文法的同義語は、核酸プローブの結合または接着に適切な、別個のそれぞれの部位を含むように改変され得る、任意の物質であり、少なくとも1つの検出方法に容易である。本発明の固相支持体は、任意の固体物質であり得、ヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよび合成を支持するのに適した構造であり得る。好ましくは、固体支持体は、少なくとも1つの実質的に強固な表面を備え、この上にプライマーが固定され得、逆転写反応が行われる。ポリヌクレオチドマイクロアレイ要素(element)が安定に会合する基質は、種々の物質から製造され得、これらとしては、以下が挙げられる:プラスチック、セラミック、金属、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、ポリスチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリケイ酸、ポリカーボネート、Teflon(登録商標)、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ酢酸、ポリオルソエステル、フマル酸ポリプロピル、コラーゲン、グリコサミノグリカンおよびポリアミノ酸。基質は、二次元または三次元の形態(例えば、ゲル、メンブラン、薄膜、ガラス、プレート、シリンダー、ビーズ、磁気ビーズ、光ファイバー、織物など)であり得る。アレイの好ましい形態は、三次元アレイである。好ましい三次元アレイは、タグ化ビーズの集合である。各タグ化ビーズには、異なるプライマーが接着されている。タグは、信号手段(例えば、呈色(Luminex、Illumina)および電磁場(Pharmaseq))によって検出可能であり、タグ化されたビーズ上のシグナルは、(例えば、光ファイバーを用いて)さらに遠隔で検出され得る。固体支持体のサイズは、DNAマイクロアレイ技術に有用な任意の標準のマイクロアレイサイズであり得、このサイズは、本発明の反応を実施するのに使用される特定の機器にフィットするように仕立てられ得る。一般にこの基質は、光学的検出を可能にし、感知される蛍光を発さない。
好ましい実施形態において、バイオチップの表面およびプローブは、この2つの後の結合のための化学官能基により、誘導体化され得る。従って、例えば、バイオチップは、化学官能基を用いて誘導体化され、この化学官能基としては、アミノ基、カルボキシ基、オキソ基およびチオール基が挙げられる(アミノ基が特に好ましい)が、これらに限定されない。これらの官能基を使用して、プローブは、プローブ上の官能基を使用して結合され得る。例えば、アミノ基を含む核酸は、アミノ基を含む表面に、例えば(当該分野で公知であるように)リンカーを使用して、結合され得る;例えば、ホモ−二官能性リンカーまたはヘテロ−二官能性リンカーが、周知である((1994)Pierce Chemical Company catalog,technical section on cross−linkers,155−200ページを、参照のこと(本明細書中に参考として援用される))。さらに、ある場合は、アルキル基のような追加のリンカー(置換された基およびヘテロアルキル基を含む)が、使用され得る。
この実施形態において、オリゴヌクレオチドは、当該分野に公知であるように合成され、次いで固体支持層の表面上に結合される。当業者に理解されるように、5’末端または3’末端のどちらかが固体支持体に結合され得るか、またはこの結合は、内在性ヌクレオチドを経由し得る。追加の実施形態において、固体支持体への固定化は、非共有的であるのに、とても強くあり得る。例えば、ストレプトアビジンで共有結合的にコートされる表面に結合し、結合を生じるビオチン化オリゴヌクレオチドが、作製され得る。
このアレイは、任意の簡便な方法論(例えば、ポリヌクレオチドマイクロアレイ要素を実施し、次いで、その表面に安定に会合させること)に従って製造される。あるいは、当該分野で公知なように、オリゴヌクレオチドがこの表面上で合成され得る。多数の異なるアレイ構成およびその製造方法が当業者に公知であり、これらは、WO95/25116およびWO95/35505(光合成技術)、米国特許第5,445,934号(光合成によるインサイチュ合成)、米国特許第5,384,261号(機械指示流路によるインサイチュ合成);および米国特許第5,700,637号(スポッティング、印刷または結合による合成);に開示されている(これらの開示はその全体が本明細書中に参考として援用される)。DNAをビーズに結合させる別の方法は、DNAの末端に接着させた特異的なリガンドを用い、ビーズに接着されたリガンド結合分子をつなぐ。可能なリガンド結合パートナー対としては、ビオチン−アビジン/ストレプトアビジン、または種々の抗体/抗原対(例えば、ジゴキシゲニン−抗ジゴキシゲニン抗体(Smithら、「Direct Mechanical Measurements of the Elasticity of Single DNA Molecules by Using Magnetic Beads」,Science 258:1122−1126(1992)))が挙げられる。支持体へのDNAの共有化学結合は、ホスホアミダイト結合を介してDNAの5’リン酸をコーティングされたミクロスフェアに連結する標準的な結合剤を用いて達成され得る。オリゴヌクレオチドを固体静止基質に固定化する方法は、十分に確立されている。Peaseら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91(11):5022−5026(1994)を参照のこと。オリゴヌクレオチドを固体静止基質に接着される好ましい方法は、Guoら、Nucleic Acids Res.22:5456−5465(1994)によって記載されている。固定化は、インサイチュDNA合成(MaskosおよびSouthern、Nucleic Acids Research,20:1679−1684(1992))によってか、化学合成オリゴヌクレオチドの共有結合(Guoら、前出)によってかのいずれかで、機械式のアレイ技術と組合せて達成され得る。
バイオチップアレイに代表される固相技術に加えて、遺伝子発現はまた、液相アレイを使用して定量し得る。このような系の1つは、キネティックポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。キネティックPCRは、特異的核酸配列の同時の増幅および定量を可能にする。この特異性は、標的部位をまとめた一本鎖核酸配列に優先的に接着するように設計された、合成オリゴヌクレオチドプライマーに由来する。このオリゴヌクレオチドプライマー対は、標的配列のそれぞれの鎖に、特異的非共有的結合複合体を形成する。これらの複合体は、逆方向の二本鎖DNAのインビトロ転写を容易にする。反応混合物の温度周期は、プライマー結合、転写、および核酸から別々の鎖への再融解の、連続の周期を作り出す。この結果は、標的dsDNA産物の指数増加である。この産物は、挿入色素または配列特異的プローブのどちらかの使用を通してリアルタイムで定量され得る。SYBR(登録商標)GreenIは、挿入色素の例であり、dsDNAに優先的に結合し、蛍光シグナルの同時の増加を生じる。TaqMan(登録商標)技術に使用されるような配列特異的プローブは、オリゴヌクレオチドの逆末端に共有的に結合する蛍光色素およびクエンチング分子から構成される。このプローブは、2つのプライマーの間で標的DNA配列に、選択的に結合するように設計される。PCR反応の間にDNA鎖が合成される場合、蛍光色素は、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性によりプローブから切り離され、シグナルの脱クエンチングを生じる。プローブシグナル伝達方法は、挿入色素法より特異的であり得るが、それぞれの場合において、シグナル強度は、産生されるdsDNA産物に比例する。定量方法のそれぞれの種類は、多ウェル液相アレイにおいて使用され得、この多ウェル液相アレイは、それぞれのウェルが、目的の核酸配列に特異的なプライマーおよび/またはプローブを示す。組織または細胞株のメッセンジャーRNA調製に使用される場合、プローブ/プライマー反応のアレイは、同時に多くの目的の遺伝子産物発現を定量し得る。Germer,S.ら,Genome Res.10:258−266(2000);Heid,C.A.ら,Genome Res.6,986−994(1996)を、参照のこと。
(CAタンパク質の発現)
好ましい実施形態において、CAタンパク質をコードするCA核酸は、CAタンパク質を発現する種々の発現ベクター(以下で記載されるようにスクリーニングアッセイにおいて使用され得る)を作製するために使用される。発現ベクターは、自己複製染色体外ベクターまたは宿主遺伝子に組み込まれるベクターのどちらかであり得る。一般に、これらの発現ベクターは、転写調節核酸および翻訳調節核酸(CAタンパク質をコードする核酸に作動可能に連結される)を含む。用語「制御配列」は、特定の宿主生物において、作動可能に連結されたコード配列の発現に不可欠なDNA配列を言う。原核生物に対し適切な制御配列としては、例えば、プロモーター、(必要に応じて)オペレーター配列、およびリボソーム結合部位が、挙げられる。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、およびエンハンサーを利用することが、公知である。
核酸が、別の核酸配列との機能的関係の中に配置される場合、「作動可能に連結される」。例えば、ポリペプチドの分泌に関わる前駆体タンパク質として発現する場合、前駆体配列または分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドのDNAに作動可能に連結される;プロモーターまたはエンハンサーは、コード配列の転写に影響する場合、この配列に、作動可能に連結される;またはリボソーム結合部位は、翻訳を容易にするように配置された場合、コード配列に、作動可能に連結される。一般に、「作動可能に連結される」は、連結されるDNA配列が、隣接し、分泌リーダーの場合は、隣接し、リーディングフレームにあることを意味する。しかし、エンハンサーは、隣接する必要はない。連結は、都合の良い制限部位で結合することによって、達成される。このような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが、従来技術の実施に従って使用される。転写調節核酸および翻訳調節核酸は、大概、CAタンパク質を発現させるために使用される宿主細胞に、適切である;例えば、Bacillus由来の転写調節核酸配列および翻訳調節核酸配列は、好ましくは、BacillusにおいてCAタンパク質を発現するために使用される。多くの種類の適切な発現ベクターおよび適切な調節配列が、種々の宿主細胞について、当該分野で公知である。
一般に、転写調節配列および翻訳調節配列としては、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始配列および転写停止配列、翻訳開始配列および翻訳停止配列、ならびにエンハンサー配列またはアクチベーター配列が挙げられ得るが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、調節配列は、プロモーターならびに転写開始配列および転写停止配列を含む。
プロモーター配列は、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターのどちらかをコードする。プロモーターは、天然に存在するプロモーターまたはハイブリッドプロモーターのどちらかであり得る。1つより多くのプロモーターの要素を組み合わせるハイブリッドプロモーターもまた、当該分野に公知であり、本発明において有用である。
さらに、発現ベクターは、追加の要素を含み得る。例えば、発現ベクターは、2つの複製系を有し得、これによって2種の生物(例えば、発現のための哺乳動物細胞または昆虫細胞、およびクローニングおよび増幅のための原核生物宿主)において維持される。さらに、発現ベクターの組み込みのために、発現ベクターは、宿主細胞ゲノムに相同な少なくとも1つの配列(好ましくは発現構築物に隣接する2つの相同配列)を含む。組み込むベクターは、ベクター内封入のために適切な相同配列の選択により、宿主細胞における特定の遺伝子座に指向され得る。組み込みベクターの構築物は、当該分野で周知である。
さらに、好ましい実施形態において、発現ベクターは、選択マーカー遺伝子を含み、形質転換される宿主細胞の選択を可能にする。選択遺伝子は、当該分野で周知であり、使用する宿主細胞によって変化する。
本発明のCAタンパク質は、CAタンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターによって形質転換された宿主細胞の、CAタンパク質の発現を誘導するかまたは引き起こす適切な条件下での培養によって、産生される。CAタンパク質発現に適切な条件は、発現ベクターおよび宿主細胞の選択によって変化し、当業者により、慣用的実験を通して容易に確かめられる。例えば、発現ベクターにおける構成的プロモーターの使用は、宿主細胞の生育および増殖の最適化を必要とし、一方、誘導性プロモーターの使用は、誘導に適切な成育条件を必要とする。さらに、幾つかの実施形態において、収集のタイミングは、重要である。例えば、昆虫細胞発現において使用されるバキュロウイルス系は、溶解性のウイルスであり、従って、収集時間選択は、産物産生に決定的であり得る。
適切な宿主細胞としては、酵母、細菌、古細菌、真菌、および昆虫、植物ならびに動物細胞(哺乳動物を含む)が挙げられる。特に重要なのは、Drosophila melanogaster細胞、Saccharomyces cerevisiaeおよび他の酵母、E.coli、Bacillus subtillis、Sf9細胞、C129細胞、293細胞、Neurospora、BHK、CHO、COS、HeLa細胞、THP1細胞株(マクロファージ細胞株)およびヒト細胞ならびにヒト細胞株である。
好ましい実施形態において、CAタンパク質は、哺乳動物細胞において発現される。哺乳動物発現系はまた、当該分野において公知であり、そしてレトロウイルス系を含む。好ましい発現ベクター系は、例えば、一般的にPCT/US97/01019およびPCT/US97/01048(いずれも本明細書中で参照として明白に援用される)において記載されるレトロウイルスベクター系である。このウイルス遺伝子は、しばしば高度に発現され、そして幅広い宿主範囲を有するので、哺乳動物プロモーターとして特に使用されるのは、哺乳動物ウイルス遺伝子由来のプロモーターである。例としては、SV40初期プロモーター、マウス乳腺癌ウイルスLTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター、単純ヘルペスウイルスプロモーター、およびCMVプロモーターが挙げられる。代表的に、哺乳動物細胞によって認識される転写終結配列およびポリアデニル化配列は、翻訳停止コドンの3’側に位置する調節領域であり、従ってプロモーターエレメントとともにコード配列の側に隣接する。転写ターミネーターおよびポリアデニル化シグナルの例は、SV40に由来するものを含む。
哺乳動物宿主および他の宿主内に外来核酸を導入する方法は、当該分野において周知であり、そして使用される宿主細胞とともに変化する。技術は、デキストラン媒介性トランスフェクション、カルシウムホスフェート沈殿、ポリブレン(polybrene)媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、ウイルス感染、リポソーム中へのポリヌクレオチドのカプセル化、および核内へのDNAの直接微量注入を包含する。
好ましい実施形態において、CAタンパク質は、細菌系において発現される。細菌性発現系は、当該分野において周知である。バクテリオファージ由来のプロモーターはまた、使用され得、そして当該分野において公知である。さらに、合成プロモーターおよびハイブリッドプロモーターはまた、有用である;例えば、tacプロモーターは、trpおよびlacプロモーター配列のハイブリッドである。さらに、細菌プロモーターは、細菌のRNAポリメラーゼと結合し、そして転写を開始する能力を有する、天然に存在する非細菌起源のプロモーターを含み得る。機能性プロモーター配列に加えて、効率的なリボソーム結合部位が望ましい。発現ベクターはまた、バクテリア中へのCAタンパク質の分泌を提供するシグナルペプチド配列を含み得る。このタンパク質は、増殖培地内に分泌されるか(グラム陽性細菌)、または細胞膜周辺腔(細胞の内膜と外膜の間に位置される(グラム陰性細菌))内に分泌されるかのいずれかである。細菌発現ベクターはまた、形質転換された細菌株の選択を可能にするような選択マーカー遺伝子を含み得る。適切な選択遺伝子は、細菌を、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンのような薬物に対して耐性にする遺伝子を含む。選択マーカーはまた、生合成遺伝子(例えば、ヒスチジン、トリプトファンおよびロイシン生合成経路におけるもの)を含む。これらの成分は、発現ベクター中で構築される。細菌のための発現ベクターは当該分野において周知であり、とりわけ、Bacillus subtilis、E.coli、Streptococcus cremoris、およびStreptococcus lividansのためのベクターが挙げられる。細菌性発現ベクターは、当該分野において周知の技術(例えば、塩化カルシウム処理、エレクトロポレーションなど)を使用して細菌宿主細胞内に形質転換される。
1つの実施形態において、CAタンパク質は、昆虫細胞中で産生される。昆虫細胞の形質転換のための発現ベクター、および特にバキュロウイルスをベースにした発現ベクターは、当該分野において周知である。
好ましい実施形態において、CAタンパク質は、酵母細胞中で産生される。酵母発現系は、当該分野において周知であり、そしてSaccharomyces cerevisiae、Candida albicansとC.maltosa、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces fragilisとK.lactis、Pichia guillerimondiiとP.pastoris、Schizosaccharomyces pombeとYarrowia lipolyticaのための発現ベクターを含む。
CAタンパク質はまた、当該分野で周知の技術を使用して融合タンパク質として作られ得る。従って、例えば、モノクローナル抗体作成のためである。所望のエピトープが小さい場合、CAタンパク質は、免疫原を形成するためにキャリアタンパク質に対して融合され得る。あるいは、CAタンパク質は、発現を増強するために、または他の理由のために融合タンパク質として作られ得る。例えば、CAタンパク質がCAペプチドである場合、このペプチドをコードする核酸は、発現目的のために、他の核酸に結合され得る。
1つの実施形態において、本発明のCA核酸、タンパク質および抗体は、標識される。本明細書中の「標識される」によって、化合物は、化合物の検出を可能にするために結合する少なくとも1つの元素、同位体または化学化合物を有することが意味される。一般的に、標識は、3つのクラスに分類される:a)同位体標識であり、これは放射能または重同位体であり得る;b)免疫標識であり、これは、抗体または抗原であり得る;およびc)着色または蛍光色素である。標識は、CA核酸、タンパク質および抗体内に任意の位置で組み込まれ得る。例えば、標識は、直接的または間接的のいずれかで検出可能なシグナルを産生し得るべきである。検出可能な部分は、例えば、H、14C、32P、35S、または125Iのような放射性同位体、例えば、フルオレセイン、イソチオシアネート、ローダミン、またはルシフェリンのような蛍光または化学発光化合物、あるいは、例えば、アルカリホスファターゼ、βガラクトシダーゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素であり得る。抗体を標識に結合体化するための当該分野で公知の任意の方法が使用され得、これは、Hunterら、Nature、144:945(1962);Davidら、Biochemistry、13:1014(1974);Painら、J.Immunol.Meth.、40:219(1981);およびNygren、J.Histochem.and Cytochem.、30:407(1982)によって記載される方法を含む。
従って、本発明はまた、CAタンパク質配列を提供する。本発明のCAタンパク質は、いくつかの方法で同定され得る。この意味における「タンパク質」とは、タンパク質、ポリペプチド、およびペプチドが挙げられる。当業者によって理解されるように、本発明の核酸配列は、タンパク質配列を生成するために使用され得る。タンパク質配列生成を行なうための種々の方法があり、これには、全遺伝子をクローニングすること、ならびにそのフレームおよびアミノ酸配列を変更すること、またはCAタンパク質が、組み込まれるデータベース中のいくつかのタンパク質との相同性を有することと仮定して、フレームを提供するための相同性を検索するために公知の配列とアミノ酸配列を比較することが挙げられる。概して、核酸配列は、相同性について全ての3つのフレームを検索するプログラムに入力される。これは、以下のNCBI Advanced BLASTパラメータを使用する好ましい実施形態において行なわれる。このプログラムは、blastxまたはblastnである。データベースは、nrである。入力データは、「Sequence in FASTA format」としてある。生物リストは、「none」である。「expect」は10であり;フィルターはデフォルトである。「descriptions」は500であり、「アライメント」は500であり、そして「整列図」は2つ1組である。「問い合わせ遺伝暗号」は標準(1)である。マトリクスは、BLOSUM62であり;ギャップの存在コストは11であり、残基ギャップコストあたり1であり;そしてλ比は、0.85デフォルトである。これは、推定タンパク質配列の生成を生じる。
一般に、本明細書中で用いる用語「ポリペプチド」は、列挙されるポリヌクレオチドによってコードされる全長ポリペプチド、列挙されるポリヌクレオチドによって表される遺伝子によりコードされるポリペプチド、ならびにそれらの部分またはフラグメントの両方をいう。本発明は、天然に存在するタンパク質の改変体を包含し、このような改変体は、天然に存在するタンパク質のホモログであるか、または実質的に類似であり、そして、天然に生じるタンパク質と同じかまたは異なる種(例えば、ヒト、マウス、または列挙されるポリペプチドを天然に発現する他の種(通常は哺乳動物種))の起源であり得る。一般に、改変ポリペプチドは、ギャップオープンペナルティ=12、ギャップ拡大ペナルティ=2、BLOSUMマトリクス=62のアフィンギャップ検索を用いるSmith−Watermanホモロジー検索アルゴリズムで決定した場合、本明細書中に記載される、差次的に発現されるポリペプチドと、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、通常、少なくとも約90%、少なくとも91%、少なくと92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、そしてより通常は、少なくとも99%の配列同一性を有する配列を有する。Smith−Watermanホモロジー検索アルゴリズムは、SmithおよびWaterman,Adv.Appl.Math.(1981)2:482−489に教示されている。改変ポリペプチドは、天然または非天然にグリコシル化され得、すなわち、このポリペプチドは、対応する天然に存在するタンパク質において見られるグリコシル化パターンとは異なるグリコシル化パターンを有する。
改変体もまた本発明の範囲内である。ポリペプチドの改変体としては、変異体、フラグメントおよび融合体が挙げられる。変異体は、アミノ酸の置換、付加または欠失を含み得る。アミノ酸置換は、保存的なアミノ酸置換であり得、例えば、グリコシル化部位、リン酸化部位、もしくはアセチル化部位を変更して非必須アミノ酸を排除するか、または、機能するのに必要としない1つ以上のシステイン残基の置換もしくは欠失による誤った折り畳みを最小限にする。保存的アミノ酸置換は、置換されたアミノ酸の全体の電荷、疎水性/親水性および/または立体障害を防ぐものである。改変体は、タンパク質の特定の領域の生物学的活性(例えば、機能ドメイン、および/または、ポリペプチドがタンパク質ファミリーのメンバーである場合、コンセンサス配列に関する領域)を保持または増強するように設計され得る。改変体の作製のためのアミノ酸の変更の選択は、アミノ酸のアクセスのしやすさ(内側 対 外側)(例えば、Goら、Int.J.Peptide Protein Res.(1980)15:211を参照のこと)、改変体ポリペプチドの熱安定性(例えば、Querolら、Prot.Eng.(1996)9:265を参照のこと)、所望のグリコシル化部位(例えば、OlsenおよびThomsen,J.Gen.Microbiol.(1991)137:579を参照のこと)、所望のジスルフィド結合(例えば、Clarkeら、Biochemistry(1993)32:4322;およびWakarchukら、Protein Eng.(1994)7:1379を参照のこと)、所望の金属結合部位(例えば、Tomaら、Biochemistry(1991)30:97およびHaezerbrouckら、Protein Eng.(1993)6:643を参照のこと)、およびプロリンループ内の所望の置換基(例えば、Masulら、Appl.Env.Microbiol.(1994)60:3579を参照のこと)に基づき得る。システイン欠失ムテインは、米国特許第4,959,314号に開示されるようにして作製され得る。
改変体はまた、本明細書中で開示されるポリペプチドのフラグメント(特に、生物学的に活性なフラグメントおよび/または機能ドメインに対応するフラグメント)を含む。目的のフラグメントは、代表的に、少なくとも約8アミノ酸(aa)長、10aa長、15aa長、20aa長、25aa長、30aa長、35aa長、40aa長〜少なくとも約45aa長、通常少なくとも約50aa長、少なくとも約75aa長、少なくとも約100aa長、少なくとも約125aa長、少なくとも約150aa長、少なくとも約200aa長、少なくとも約300aa長、少なくとも約400aaであり、そして、500aa長以上であり得るが、通常、約1000aa長を超えず、このフラグメントは、本明細書中に提供されるポリヌクレオチド配列のいずれか1つの配列を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドまたはそれらのホモログと同一のアミノ酸ストレッチを有する。本明細書中に記載されるタンパク質改変体は本発明の範囲内のポリヌクレオチドによってコードされる。遺伝的コードが、適切なコドンを選択するために使用され得、対応する改変体を構築する。
癌に関連するポリヌクレオチドの変更された発現が観察される場合、これらのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの発現の変更されたレベルが癌において役割を果たすようであり得る。
本明細書中で記載されるように、天然に存在する配列のアミノ酸改変体がまた、CAタンパク質の1つの実施形態内に含まれる。改変体は、好ましくは、野生型配列に対して、好ましくは約75%より大きい、より好ましくは約80%より大きい、さらにより好ましくは約85%より大きい、そして最も好ましくは90%より大きい相同性を有する。いくつかの実施形態において、相同性は、約93〜95または98%ほど高い。核酸に関する限りでは、このような情況における相同性は、配列類似性または同一性(同一性が好ましい)を意味する。この相同性は、核酸相同性に関して上で略述されるように、当該分野において公知の標準的技術を使用して決定される。
本発明のCAタンパク質は、野生型アミノ酸配列より短くても長くてもよい。従って、好ましい実施形態において、本明細書中の野生型配列の部分またはフラグメントが、CAタンパク質の定義内に含まれる。さらに、上で略述されるように、本発明のCA核酸は、付加的コード領域、および付加的タンパク質配列を当該分野において公知の技術を使用して得るために使用され得る。
好ましい実施形態において、CAタンパク質は、野生型配列と比較して誘導体または改変CAタンパク質である。つまり、以下に、より十分に略述されるように、誘導体CAペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸置換、欠失または挿入(アミノ酸置換が特に好ましい)を含む。アミノ酸置換、挿入または欠失は、CAペプチド内の任意の残基で生じ得る。
本発明のCAタンパク質の1つの実施形態において、アミノ酸配列改変体もまた含まれる。これらの改変体は、以下の3つのクラスのうちの1つ以上に含まれる:置換改変体、挿入改変体または欠失改変体。これらの改変体は、通常、改変体をコードするDNAを産生するために、当該分野において周知のカセット式またはPCR変異誘発あるいは他の技術を使用して、CAタンパク質をコードするDNAにおけるヌクレオチドの部位特異性変異誘発によって調製され、そしてその後、上で略述されるように組み換え細胞培養においてDNAを発現する。しかし、約100〜150残基まで有する改変CAタンパク質フラグメントは、確立された技術を使用するインビトロ合成によって調製され得る。アミノ酸配列改変体は、改変体の前もって決定された性質(CAタンパク質のアミノ酸配列の天然に存在する対立遺伝子または種間バリエーションと改変体を区別する特徴)によって特徴付けられる。代表的に改変体は、天然に存在するアナログと同じ定性的生物活性を示すが、より十分に以下に略述されるように、改変された特徴を有する改変体がまた、選択され得る。
アミノ酸配列バリエーションを導入するための部位または領域が前もって決定される一方で、変異自体は、前もって決定される必要はない。例えば、所定の部位での変異の実行を最適化にするために、ランダムな変異誘発は、標的コドンまたは領域で実行され得、そして発現したCA改変体は、所望される活性の最良の組み合わせについてスクリーニングされる。公知の配列を有するDNAにおける前もって決定された部位での置換変異を起こすための技術は、周知である(例えば、M13プライマー変異誘発およびLAR変異誘発)。変異体のスクリーニングは、CAタンパク質活性のアッセイを使用して行なわれる。
アミノ酸置換は、代表的に、単一残基である;挿入は、通常約1〜20個のアミノ酸のオーダーであるが、かなり大きな挿入が許容され得る。欠失は、約1〜約20残基の範囲であるが、いくつかの場合において、欠失はより大きくあり得る。
置換、欠失、挿入またはそれらの任意の組み合わせが、最終的な誘導体に到達するために使用され得る。概してこれらの変化は、分子の変化を最小にするために数個のアミノ酸上で行なわれる。しかし、より大きな変化は、特定の情況において許容され得る。CAタンパク質の特徴における小さい変化が所望される場合、置換は、概して以下のチャートに従って行なわれる。
Figure 2005520543
機能または免疫学的同一性における本質的な変化は、チャートIに示されるものより保存的でない置換を選択することによって、行なわれる。例えば:変更領域におけるポリペプチドの中軸構造(例えば、α−ヘリックス構造またはβシート構造);標的部位における分子の電荷または疎水性;あるいは側鎖のかさ高さ、により著しい影響を及ぼす置換が行なわれ得る。一般的にポリペプチド特性における最大の変化を産生することが予測される置換は、(a)親水性残基(例えば、セリルまたはトレオニル(threonyl))は、疎水性残基(例えば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニル)と(またはこれらによって)置換される;(b)システインまたはプロリンは、任意の他の残基と(またはこれらによって)置換される;(c)電気陽性側鎖(例えば、リジル、アルギニル、またはヒスチジル)を有する残基は、電気陰性残基(例えば、グルタミルまたはアスパルチル)と(またはこれらによって)置換される;または(d)かさ高い側鎖を有する残基(例えば、フェニルアラニン)は、側鎖をもたないもの(例えば、グリシン)と(またはこれらによって)置換されるものである。
代表的に、改変体は、天然に存在するアナログと同じ定性的生物学的活性を示し、そして同じ免疫応答を顕在化させるが、必要とされる場合、改変体はまた、CAタンパク質の特徴を改変するために選択される。あるいは、改変体は、CAタンパク質の生物学的活性が変更されるように設計され得る。例えば、グリコシル化部位は、変更され得るか、または除去され得、優性な陰性変異が創造され得る、など。
CAポリペプチドの共有結合修飾は、本発明の範囲内(例えば、スクリーニングにおいて使用するために)に含まれる。共有結合修飾の1つの型は、CAポリペプチドの標的化アミノ酸残基と、CAポリペプチドの選択された側鎖あるいはN−またはC−末端残基と反応し得る有機誘導体化剤との反応工程を包含する。以下でより十分に記載されるように、二官能性薬剤を用いる誘導体化は、例えば、CAポリペプチドと非水溶性支持マトリクスあるいは抗CA抗体の精製またはスクリーニングアッセイのための方法において使用するための表面を架橋するために有用である。一般的に使用される架橋剤としては、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル、ホモ二官能性イミドエステル)が挙げられ、そしてジスクシンイミジルエステル(例えば、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート))、二官能性マレイミド(例えば、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタン)および薬剤(例えば、メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデート)が挙げられる。
他の改変としては、グルタミニル残基およびアスパラギニル残基の、それぞれ対応するグルタミル残基およびアスパルチル残基への脱アミド化、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリル、トレオニルまたはチロシル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のa−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton、Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,79〜86頁(1983))、N末端アミンのアセチル化、および任意のC末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。
本発明の範囲内に含まれるCAポリペプチドの別の型の共有結合修飾は、ポリペプチドのネイティブのグリコシル化パターンの変更を含む。「ネイティブのグリコシル化パターンの変更」は、本明細書中の目的のために、ネイティブ配列CAポリペプチドにおいて見出される1つ以上の糖質部分の欠失、および/またはネイティブ配列CAポリペプチド中に存在しない1つ以上のグリコシル化部位の付加を意味することが意図される。
CAポリペプチドに対するグリコシル化部位の付加は、そのアミノ酸配列の変更によって達成され得る。例えば、変更は、ネイティブ配列CAポリペプチドに対する(O−連結グリコシル化部位について)1つ以上のセリンまたはトレオニン残基の付加、またはこれらによる置換によってなされ得る。CAアミノ酸配列は、DNAレベルでの変化(特に、所望のアミノ酸に翻訳されるコドンが生成されるように、CAポリペプチドをコードするDNAを前もって選択された塩基で変異させることによって)を介して必要に応じて変性され得る。
CAポリペプチド上の糖質部分の数を増加する別の方法は、グリコシドをポリペプチドに対して化学的または酵素的に結合することによる。そのような方法は、当該分野において記載される(例えば、1987年9月11日に公開されたWO 87/05330、ならびにAplinおよびWriston,LA Crit.Rev.Biochem.,259〜306頁(1981))。
CAポリペプチド上に存在する糖質部分の除去は、グリコシル化のための標的として作用するアミノ酸残基をコードするコドンの、化学的置換または酵素的置換あるいは変異性置換によって達成され得る。化学的脱グリコシル化技術は、当該分野において公知であり、そして例えば、Hakimuddin、ら、Arch.Biochem.Biophys.、259:52(1987)およびEdgeら、Anal.Biochem.、118:131(1981)によって記載される。ポリペプチド上の糖質部分の酵素切断は、Thotakuraら、Meth.Enzymol.、138:350(1987)によって記載されるように、種々のエンドグリコシダーゼおよびエキソグリコシダーゼの使用によって達成され得る。
CAの共有結合修飾の別の型は、米国特許第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第4,791,192号または同第4,179,337号において示される様式で、CAポリペプチドと種々の非タンパク性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレン)の1つとの連結を含む。
本発明のCAポリペプチドはまた、別のもの(異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列)と融合したCAポリペプチドを含むキメラ分子を形成するための方法において改変され得る。1つの実施形態において、そのようなキメラ分子は、CAポリペプチドと、抗タグ抗体が選択的に結合し得るエピトープを提供するタグポリペプチドとの融合を含む。一般的にエピトープタグは、CAポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端に配置されるが、内部融合がまた、いくつかの実施例において許容され得る。CAポリペプチドのこのようなエピトープ−タグ化形態の存在は、タグポリペプチドに対する抗体の使用によって検出され得る。また、エピトープタグの提供は、CAポリペプチドが抗タグ抗体またはエピトープタグに結合するアフィニティーマトリクスの他の型を使用するアフィニティー精製によって容易に精製されることを可能にする。代替の実施形態において、キメラ分子は、CAポリペプチドと免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの特定の領域との融合を含み得る。キメラ分子の二価形態について、そのような融合は、IgG分子のFc領域に対してであり得る。
種々のタグポリペプチドおよびそれらのそれぞれの抗体は、当該分野において周知である。例としては、ポリ−ヒスチジン(poly−his)またはポリ−ヒスチジン−グリシン(poly−his−gly)タグ;fluHAタグポリペプチドおよびその抗体12CA5(Fieldら,Mol.Cell.Biol.,8:2159〜2165(1988));c−mycタグおよびこれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7および9E10抗体(Evanら,Molecular and Cellular Biology,5:3610〜3616(1985));ならびに単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグおよびその抗体(Paborskyら,Protein Engineering,3(6)547〜553(1990))が挙げられる。他のタグポリペプチドとしては、Flagペプチド(Hoppら,Bio Technology,6:1204〜1210(1988));KT3エピトープペプチド(Martinら,Science,255:192〜194(1992));チューブリンエピトープペプチド(Skinnerら,J.Biol.Chem.,266:15163〜15166(1991));およびT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ(Lutz−Freyermuthら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6393〜6397(1990))が挙げられる。
1つの実施形態において、CAタンパク質の定義を用いると、CAファミリーの他のCAンパク質、および他の生物由来のCAタンパク質もまた含まれ、これは以下に略述されるようにクローン化され、そして発現される。従って、プローブまたは縮重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマー配列が、ヒトまたは他の生物由来の他の関連CAタンパク質を見出すために使用され得る。当業者によって理解されるように、特定の有用なプローブおよび/またはPCRプライマー配列は、CA核酸配列の独特の領域を含む。一般的に当該分野で公知であるように、好ましいPCRプライマーは、約15〜約35ヌクレオチド長(約20〜約30が好ましい)であり、そして必要であるならばイノシンを含み得る。PCR反応のための条件は、当該分野において周知である。
さらに、本明細書中で略述されるように、図面の核酸によってコードされるものより長いCAタンパク質(例えば、付加配列の説明、エピトープまたは精製タグの付加、他の融合配列の付加、などによって)が作られ得る。
CAタンパク質はまた、CA核酸によってコードされるタンパク質として同定され得る。従って、本明細書中で略述されるように、CAタンパク質は、配列表の配列、またはその相補体とハイブリダイズする核酸によってコードされる。
(CA抗原およびそれに対する抗体)
1つの実施形態において、本発明は、CA特異的抗体を提供する。好ましい実施形態において、CAタンパク質が、例えば、免疫療法のために、抗体を生成するために使用され得る場合、CAタンパク質は、少なくとも1つのエピトープまたは決定因子を全長のタンパク質と共有するべきである。MHCの場合、本明細書中での「エピトープ」または「決定因子」によって、抗体またはT細胞レセプターを生成するおよび/または結合するタンパク質の部分が意味される。従って、ほとんどの例において、より小さいCAタンパク質に対して作られた抗体は、全長のタンパク質に結合し得る。好ましい実施形態において、エピトープは独特である;つまり、独特のエピトープに対して生成された抗体は、ほとんどまたは全く交差反応を示さない。
CAポリヌクレオチド配列によってコードされる任意のポリペプチド配列を分析して、ポリペプチドの特定の好ましい領域を決定し得る。高い抗原性の領域は、データから、抗原領域が免疫応答の開始のプロセスにおいて生じ得る環境で、ポリペプチドの表面上に露出されやすいポリペプチドの領域を表す値を選択することによってDNASTAR分析により決定される。例えば、CAポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、DNASTARコンピュータアルゴリズムのデフォルトのパラメータを用いて分析され得る(DNASTAR,Inc.,Madison,Wis.;http://www.dnastar.com/)。
慣用的にDNASTARコンピュータアルゴリズムを用いて得られ得るポリヌクレオチドレオチドの特徴としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:Garnier−Robsonのα領域、β領域、ターン領域およびコイル領域(Garnierら、J.Mol.Biol.,120:97(1978));Chou−Fasmanのα領域、β領域およびターン領域(Adv.Enzymol.,47:45−148(1978));Kyte−Doolittleの親水性領域および疎水性領域(J.Mol.Biol.,157:105−132(1982));Eisenbergのα領域およびβ領域;Karplus−Schulzの可動性領域;Eminiの表面形成領域(J.Virol.,55(3):836−839(1985));ならびにJameson−Wolfの高い抗原性値の領域(CABIOS,4(l):181−186(1988))。Kyte−Doolittleの親水性領域および疎水性領域Eminiの表面形成領域ならびにJameson−Wolfの高い抗原性値の領域(すなわち、Jameson−Wolfプログラムのデフォルトパラメータを用いて同定された場合に、1.5以上の抗原性値を有する4つ以上の連続するアミノ酸を含む領域)は、慣用的に抗原性について高い程度の化能性を示すポリペプチド領域を決定するのに用いられ得る。タンパク質に対する抗体を調製する1つのアプローチは、タンパク質の全てまたは一部のアミノ酸配列の選択および調製、その配列の化学合成、そして適切な動物(代表的にはウサギ、ハムスターまたはマウス)への注射である。オリゴペプチドは、親水性領域に存在するオリゴペプチドに基づくCAタンパク質に対する抗体産生の候補として選択され得、従って、成熟なタンパク質中で露出されている傾向にある。さらなるオリゴペプチドは、例えば、Antigenicity Index(Welling,G.W.ら、FEBS Lett.188:215−218(1985)(本明細書中に参考として援用される))を用いて決定され得る。
1つの実施形態において、用語「抗体」は、抗体フラグメント(当該分野で公知であるように、抗体全体の改変によって産生されるか、または組み換えDNA技術を使用して新規に合成されたもののいずれかである、Fab、Fab、単鎖抗体(例えば、Fv)、キメラ抗体、などを含む)を含む。
ポリクローナル抗体の調製方法は、当業者によって公知である。ポリクローナル抗体は、例えば、免疫剤、および望ましくは、アジュバントの1回以上の注射によって、哺乳動物中で惹起される。代表的には、免疫剤および/またはアジュバントは、複数回の皮下注射または腹腔内注射によって哺乳動物内へ注射される。免疫剤としては、図面の核酸によってコードされるタンパク質またはそれらのフラグメントもしくは融合タンパク質が挙げられ得る。免疫された哺乳動物において免疫原であることが公知のタンパク質を免疫剤に結合体化することが有用であり得る。そのような免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、およびダイズトリプシンインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。使用され得るアジュバントの例としては、フロイント完全アジュバントおよびMPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロースジコリノミコレート(dicorynomycolate))が挙げられる。免疫プロトコルは、過度の実験をすることなく、当業者によって選択され得る。
あるいは、抗体は、モノクローナル抗体であり得る。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ方法(例えば、KohlerおよびMilstein、Nature、256:495(1975)によって記載される)を使用して調製され得る。ハイブリドーマ方法において、マウス、ハムスター、または他の適切な宿主動物は、代表的に、特異的に免疫剤に結合する抗体を産生するか、または産生し得るリンパ球を導き出すために免疫剤で免疫される。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫され得る。代表的に、免疫剤としては、表1〜112の核酸によってコードされるポリペプチド、またはそれらのフラグメントもしくは融合タンパク質が挙げられる。一般的に、ヒト起源の細胞が所望される場合、末梢血リンパ球(「PBL」)が使用されるか、または非ヒト哺乳動物供給源が所望される場合、脾臓細胞またはリンパ節細胞が使用される。次いで、リンパ球は、ハイブリドーマ細胞(Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,(1986)59〜103頁)を形成するために、適切な融合剤(例えば、ポリエチレングリコール)を使用して不死化細胞株とともに使用される。不死化細胞株は、通常形質転換された哺乳動物細胞(特にげっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウスの骨髄腫細胞株が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、未融合の不死化細胞の成長または生存を阻害する1つ以上の物質を含む適切な培養培地中で培養され得る。例えば、その親細胞が酵素ヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・トランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠乏する場合、代表的に、ハイブリドーマのための培養培地は、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(「HAT培地」)を含み、この物質は、HGPRT欠損細胞の成長を防止する。
モノクローナル抗体技術は、研究、診断および治療の実行に使用される。モノクローナル抗体は、インビトロ診断のために、およびヒト疾患の診断および免疫治療のためにインビボで、ラジオイムノアッセイ、酵素結合イムノソルベント検定法、免疫細胞病理学およびフローサイトメトリーにおいてしようされる。Waldmann,T.A.(1991)Science 252:1657−1662。特に、モノクローナル抗体は、癌の診断および治療に広く適用されており、この場合、正常な細胞を回避しつつ、標的悪性病巣を標的化することが望まれる。例えば、米国特許第4,753,894(Frankelら);同第4,938,948号(Ringら);および同第4,956,453号(Bjornら)を参照のこと。
一実施形態において、抗体は、二重特異的抗体である。二重特異的抗体は、モノクローナル抗体、好ましくは、ヒト抗体またはヒト化抗体であり、これらの抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する。非ヒト免疫グロブリン由来の抗原結合部位を含む多数の「ヒト化」抗体分子が、記載されており、これには、ヒト定常ドメインに融合したげっ歯類V領域を有するキメラ抗体およびその関連CDR(Winterら(1991)Nature 349:293−299;Lobuglioら(1989)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 86:4220−4224;Shawら(1987)J Immunol.138:4534−4538;およびBrownら(1987)Cancer Res.47:3577−3583)、適切なヒト抗体定常ドメインとの融合の前にヒト支持FRにグラフト化されたげっ歯類CDR(Riechmannら(1988)Nature 332:323−327;Verhoeyenら(1988)Science 239:1534−1536;およびJonesら(1986)Nature 321:522−525)、および組換え的にベニアリングされた(veneered)げっ歯類FR(欧州特許公報519,596(1992年12月23日公開))が挙げられる。これらの「ヒト化」分子は、げっ歯類抗ヒト抗体分子に対する不要な免疫学的応答を最小限にするように設計され、このことは、ヒトレシピエントにおけるこれらの部分の治療的適用の持続時間および効力を制限する。本発明の場合、結合特異性の一方は、表1〜6の核酸またはそのフラグメントによってコードされるタンパク質に対してであり、そして他方は、任意の他の抗原、好ましくは細胞表面タンパク質またはレセプターもしくはレセプターサブユニットに対してであり、好ましくは腫瘍特異的なこれらに対してである。
好ましい実施形態において、以下に記載されるように、CAに対する抗体は、CAの生物学的機能を減少し得るか、または除去し得る。つまり、CA(またはCAを含む細胞)への抗CA抗体(ポリクローナルまたは好ましくはモノクローナルのいずれか)の付加は、CA活性を減少し得るか、または除去し得る。一般的に、活性において、少なくとも25%の減少が好まれ、さらに、少なくとも約50%の減少が特に好ましく、そして約95〜100%の減少が特に好ましい。
好ましい実施形態において、CAタンパク質に対する抗体は、ヒト化抗体である。「ヒト化」抗体とは、非ヒト種由来の免疫グロブリンに実質的に由来する抗原結合部位を有し、かつヒト免疫グロブリンの構造および/または配列に基づいて分子の免疫グロブリン構造を維持する分子をいう。抗原結合部位は、定常ドメインに融合した完全可変ドメイン、または可変ドメイン中の適切なフレームワーク領域にグラフト化された相補性決定領域(CDR)のみのいずれかを含み得る。抗原結合部位は、野生型であっても、1つ以上のアミノ酸置換によって改変(例えば、ヒト免疫グロブリンにより密接に類似するように改変)されていても良い。あるいは、ヒト化抗体は、親の非ヒト抗体の抗原結合特性を維持するかまたは実質的に維持しているが、ヒトに投与された場合に、親抗体と比較して減少した免疫原性を示すキメラ抗体に由来し得る。成句「キメラ抗体」とは、本明細書中で使用される場合、2つの異なる抗体(例えば、米国特許第4,816,567号を参照のこと)由来の配列を含む抗体をいい、これらは代表的には、異なる種由来である。代表的には、これらのキメラ抗体において、軽鎖および重鎖の両方の可変領域は、1種の哺乳動物由来の抗体の可変領域を模倣し、一方、定常部分は、別の種由来の抗体における配列に相同である。より詳細には、キメラ抗体は、ヒトおよびマウス抗体フラグメント、一般には、ヒト定常領域およびマウス可変領域を含む。ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含み、ここで、レシピエントの相補性決定領域(CDR)を形成する残基は、例えば、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラットまたはウサギのような非ヒト種のCDR(ドナー抗体)由来の残基によって置換される。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体においてもインポートCDRのいずれにおいても見出されない残基あるいはフレームワーク配列を含み得る。一般的に、ヒト化抗体は、実質的に少なくとも1つ、および代表的には2つの可変ドメインの全てを含み、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応するCDR領域の全てまたは実質上全ておよび免疫グロブリンのフレームワーク残基(FR)領域の全てまたは実質上全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体はまた、必要に応じて、少なくとも免疫グロブリン定常部分(Fc)(代表的にヒト免疫グロブリンの定常部分)の一部を含む(Jonesら,Nature,321:522〜525(1986);Riechmannら,Nature,332:323〜329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.,2:593〜596(1992))。このようなキメラ形態に対する1つの明確な利点は、例えば、可変領域が、通常、例えば、ヒト細胞調製物由来の定常領域と組み合わせて、非ヒト宿主生物由来の容易に入手可能なハイブリドーマまたはB細胞使用して、現在公知の供給源から誘導され得ることである。可変領域は、調製が容易であり、かつその特異性がその供給源によって影響されないという利点を有するが、ヒトの定常領域は、抗体が注射された場合、非ヒト供給源由来の定常領域よりも、ヒト被験体からの免疫応答を引き起こす可能性がより小さい。
ヒトにおいて、ヒト化抗体は、親マウスモノクローナル抗体よりも、免疫原性がはるかに小さいので、このヒト化抗体は、アナフィラキシーの危険性が非常に小さいヒトの処置のために使用され得る。従って、これらの抗体は、ヒトへのインビボ投与を含む治療適用(例えば、新生物疾患の処置のための放射線増感剤としての使用、または例えば、癌治療の副作用を低減する方法における使用)において好ましくあり得る。非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野において周知である。一般的に、ヒト化抗体は、ヒトではない供給源からヒト抗体へ導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしばインポート残基と称され、これは、代表的にインポート可変ドメインから得られる。ヒト化は、Winterおよびその共同研究者らの方法(Jonesら,Nature,321:522〜525(1986);Riechmannら,Nature,332:323〜327(1988);Verhoeyenら,Science,239:1534〜1536(1988))に従って(げっ歯類CDRまたはCDR配列とヒト抗体の対応配列とを置換することによって)本質的に実行され得る。従って、そのようなヒト化抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、ここで実質的にほとんどインタクトではないヒト可変ドメインは、非ヒト種由来の対応配列によって置換されている。実際問題として、ヒト化抗体は、代表的にいくつかのCDR残基およびおそらくはいくつかのFR残基が、げっ歯類抗体における類似部位からの残基によって置換されるヒト抗体である。
ヒト抗体はまた、当該分野において公知の種々の技術(ファージディスプレイライブラリーを含む)を使用して産生され得る(HoogenboomおよびWinter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marksら,J.Mol.Biol.,222:581(1991))。ColeらおよびBoernerらの技術はまた、ヒトモノクローナル抗体の調製のために利用できる(Coleら,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,77頁(1985)およびBoernerら,J.Immunol.,147(1):86〜95(1991))。ヒト化抗体は、例えば、以下を含む種々の方法によって達成され得る:(1)非ヒト相補性決定領域(CDR)をヒトフレームワーク領域および定常領域にグラフト化すること(当該分野で「ヒト化」と称されるプロセス)、あるいは、(2)非ヒト可変ドメイン全体を移植するが、表面残基の置換によってヒト様表面でこれらの可変領域を「覆う(cloak)」こと(当該分野で、「ベニアリング」と称されるプロセス)。本発明において、ヒト化抗体は、「ヒト化」抗体および「ベニアリング」抗体の両方を含む。同様に、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン座をトランスジェニック動物(例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的または完全に不活性化されるマウス)内へ導入することによって作られ得る。チャレンジの際に、ヒト抗体産生が観察され、このヒト抗体は、遺伝子の再配列、集合、および抗体レパートリーを含む、全ての点で、ヒトにおいて見出されるものと密接に似ている。このアプローチは、例えば、米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、および以下の科学刊行物:Marksら,Bio/Technology 10,779〜783(1992);Lonbergら,Nature 368 856〜859(1994);Morrison,Nature 368,812〜13(1994);Fishwildら,Nature Biotechnology 14,845〜51(1996);Neuberger,Nature Biotechnology 14,826(1996);LonbergおよびHuszar,Intern.Rev.Immunol.13 65〜93(1995);Jonesら、Nature 321:522−525(1986);Morrisonら.,Proc.Natl.Acad.Sci,USA.,81:6851−6855(1984);MorrisonおよびOi,Adv.Immunol.,44:65−92(1988);Verhoeyerら.,Science 239:1534−1536(1988);Padlan,Molec.Immun.28:489−498(1991);Padlan,Molec.Immunol.31(3):169−217(1994);およびKettleborough,C.A.ら.,Protein Eng.4(7):773−83(1991)(これらの各々は本明細書中で参考として援用される)において記載される。
成句「相補性決定領域」とは、ネイティブの免疫グロブリン結合部位の天然のFv領域の結合親和性および特異性を一緒に規定するアミノ酸配列をいう。例えば、Chothiaら.,J.Mol.Biol.196:901−917(1987);Kabatら.,U.S.Dept.of Health and Human Services NIH Publication No.91−3242(1991)を参照のこと。成句「定常領域」とは、エフェクター機能を与える抗体分子の部分をいう。本発明において、マウス定常領域は、ヒト定常領域で置換される。本発明のヒト化抗体の定常領域は、ヒト免疫グロブリン由来である。重鎖定常領域は、以下の5つのアイソタイプのいずれかから選択され得る:α、δ、ε、γまたはμ。抗体をヒト化する1つの方法は、非ヒト重鎖および軽鎖の配列をヒト重鎖および軽鎖の配列と整列し、非ヒトフレームワークを選択し、そしてこの非ヒトフレームワークを、このような整列に基づいて、ヒトフレームワークで置換し、分子モデリングしてヒト化配列のコンフォメーションを予測し、そして親抗体のコンフォメーションと比較することを包含する。このプロセスに続いて、このヒト化配列モデルの推定コンフォメーションが親非ヒト抗体の非ヒトCDRのコンフォメーションに密接に近づくまで、CDRの構造を妨害するCDR領域中の残基の繰返し復帰変異が行われる。このようなヒト化抗体は、例えば、Ashwellレセプターによって、取込みおよびクリアランスを促進するようにさらに誘導体化され得る。米国特許第5,530,101号および同第5,585,089号(これらは本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
CAポリペプチドに対するヒト化抗体はまた、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むように操作されたトランスジェニック動物を使用して作製され得る。例えば、WO98/24893は、ヒトIg遺伝子座を有するトランスジェニック動物を開示し、ここで、この動物は、内因性の重鎖遺伝子座および軽鎖遺伝子座の不活性化に起因して、機能的内因性免疫グロブリンを産生しない。WO91/10741はまた、免疫原に対する免疫応答を有し(mount)し得るトランスジェニック非霊長類哺乳動物宿主を開示し、ここで、抗体は、霊長類定常/可変領域を有し、そしてここで、この抗体は、霊長類定常および/または可変領域を有し、そしてここで、内因性免疫グロブリンコード遺伝子座は置換されているかまたは不活性化されている。WO 96/30498は、哺乳動物における免疫グロブリン遺伝子座を改変する(例えば、定常領域または可変領域の全てまたは一部を置換して改変抗体分子を形成する)Cre/Loxシステムの使用を開示する。WO 94/02602は、不活性化された内因性Ig遺伝子座および機能的ヒトIg遺伝子座を有する非ヒト哺乳動物宿主を開示する。米国特許第5,939,598号は、トランスジェニックマウスを作製する方法を開示し、ここでこのマウスは、内因性重鎖を欠き、そして1つ以上の異種定常領域を含む外因性免疫グロブリン遺伝子座を発現する。
上記のトランスジェニック動物を使用して、免疫応答は、選択された抗原性分子に生成され得、そして抗体産生細胞が、この動物から取り出されて、ヒトモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを産生するために使用される。免疫化プロトコル、アジュバントなどが、当該分野で公知であり、例えば、WO96/33735に記載されるようなトランスジェニックマウスの免疫化に使用される。モノクローナル抗体は、対応するタンパク質の生物学的活性または生理学的効果を阻害または中和する能力について試験され得る。
本発明において、本発明のCAポリペプチドおよびその改変体は、上記のようなトランスジェニック動物を免疫するために使用される。モノクローナル抗体は、当該分野で公知の方法を使用して作製され、そしてその抗体の特異性は、単離されたCAポリペプチドを使用して試験される。ヒトまたは霊長類のCAまたはそのエピトープの調製のための方法としては、化学合成、組換えDNA技術または生物学的サンプルからの単離が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドの化学合成は、例えば、固相ペプチド合成の古典的Merrifeld法(Merrifeld,J.Am.Chem.Soc.85:2149,1963、本明細書中で参考として援用される)、またはRapid Automated Multiple Peptide Synthesisシステムを用いるFMOCストラテジー(E.I.du Pont de Nemours Company,Wilmington,DE)(CaprinoおよびHan,J.Org.Chem.37:3404,1972、本明細書中で参考として援用される)によって実施され得る。
ポリクローナル抗体は、抗原を注射し、次いで、適切な間隔でブーストすることにより、ウサギまたは他の動物を免疫することによって調製され得る。動物は採血され、そして血清が、通常はELISAまたはバイオアッセイによって、CAタンパク質の作用をブロックする能力に基づいて、精製CAタンパク質に対してアッセイされる。鳥類(例えば、ニワトリ、シチメンチョウなど)を使用する場合、抗体は、卵黄から単離され得る。モノクローナル抗体は、MilsteinおよびKohlerの方法の後、骨髄腫またはリンパ種細胞のような連続的に複製する腫瘍細胞と免疫されたマウス由来の脾細胞を融合することによって調製され得る(MilsteinおよびKohler,Nature 256:495−497,1975;GulfreおよびMilstein.Methods in Enzymology:Immunochemical Techniques 73:1−46,LangoneおよびBanatis編、Academic Press,1981、これらは本明細書中で参考として援用される)。このように形成されたハイブリドーマ細胞は、次いで、限界希釈法によってクローン化され、そして上清が、ILISA、RIAまたはバイオアッセイによって、抗体産生についてアッセイされる。
抗体が標的タンパク質を認識しそして特異的に結合する固有の能力は、タンパク質の過剰発現を処置するためのアプローチを提供する。従って、本発明の別の局面は、CAタンパク質に対する特異的抗体で患者を処置することによって、CAポリペプチドの過剰発現に関連する疾患を予防または処置するための方法を提供する。
CAタンパク質に対する特異的抗体(ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれか)は、上記のように、当該分野で公知の任意の適切な方法によって生成され得る。例えば、マウスまたはヒトのモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術によって生成され得るか、あるいは、CAタンパク質もしくはその免疫学的に活性なフラグメント、または抗イデオタイプ抗体もしくはそのフラグメントが、動物に投与され得、CAタンパク質を認識し、かつこのCAタンパク質に結合し得る抗体の産生が誘導される。このような抗体は、IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgEを含むがこれらに限定されない抗体の任意のクラス由来であり得るか、または鳥類の場合、IgYおよび抗体の任意のサブクラスに由来し得る。
免疫治療によって、CAタンパク質に対して惹起された抗体での癌腫の処置が意味される。本明細書中で使用される場合、免疫治療は、受動的であるか、または能動的であり得る。本明細書中で定義されるように、受動免疫治療は、レシピエント(患者)への抗体の受動移送である。能動免疫は、レシピエント(患者)における抗体および/またはT細胞応答の誘導である。免疫応答の誘導は、レシピエントに抗体が惹起される抗原を提供することの結果である。当業者によって理解されるように、抗原は、抗体が惹起されることが望ましいポリペプチドをレシピエントに注射すること、または抗原の発現のための条件下でレシピエントと、抗原を発現し得る核酸とを接触させることによって、提供され得る。
好ましい実施形態において、分泌された成長因子をコードする癌遺伝子は、上述されるように分泌されたタンパク質であるCAタンパク質に対して抗体を惹起することによって阻害され得る。理論によって束縛されることなく、処置のために使用される抗体が結合し、そして分泌されたタンパク質がそのレセプターに結合することを防止し、それによって分泌されたCAタンパク質を不活化する。
別の好ましい実施形態において、抗体が惹起されるCAタンパク質は、膜タンパク質である。理論によって束縛されることなく、処置のために使用される抗体は、CAタンパク質の細胞外ドメインに結合し、そしてCAタンパク質が他のタンパク質(例えば、循環リガンドまたは細胞関連分子)に結合することを防止する。抗体は、膜貫通CAタンパク質のダウンレギュレートを引き起こし得る。当業者によって理解されるように、抗体は、競合的、非競合的であり得るか、またはCAタンパク質の細胞外ドメインに結合するタンパク質の非競合的インヒビターであり得る。抗体はまた、CAタンパク質のアンタゴニストである。さらに、抗体は、膜貫通CAタンパク質の活性化を防止する。1つの局面において、抗体がCAタンパク質への他の分子の結合を防止する場合、抗体は、細胞の成長を防止する。抗体はまた、細胞傷害性剤(TNF−、TNF−、IL−1、INF−γおよびIL−2が挙げられるがこれらに限定されない)、または化学治療剤(5FU、ビンブラスチン、アクチノマイシンD、シスプラチン、メトトレキサートなどを含む)に対して細胞を感作し得る。いくつかの例において、抗体が膜タンパク質と複合体化し、それによって細胞傷害性を媒介する場合、抗体は、血清補体を活性化する亜類型に属する。従って、癌は、患者に膜貫通CAタンパク質に対して指向される抗体を投与することによって処置され得る。
別の好ましい実施形態において、抗体は、治療部分と結合体化される。1つの局面において、治療部分は、CAタンパク質の活性を調節する低分子である。別の局面で、治療部分は、CAタンパク質と関連するか、またはCAタンパク質と密接に近位にある分子の活性化を調節する。この治療部分は、癌と関連するプロテアーゼ活性またはプロテインキナーゼ活性のような酵素活性を阻害し得る。
好ましい実施形態において、治療部分はまた、細胞傷害性の薬剤であり得る。この方法において、細胞傷害性薬剤を腫瘍組織または細胞に対して標的化することは、罹患細胞の数の減少を生じ、それゆえ、癌(リンパ腫を含む)に関連する症状を減少させる。細胞傷害性薬剤は、多数および多様であり、そして細胞傷害性薬剤としては、傷害性薬物または毒素あるいはそのような毒素の活性フラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。適切な毒素およびその対応フラグメントとしては、ジフテリアA鎖、体外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)などが挙げられる。細胞傷害性薬剤はまた、放射性同位元素をCAタンパク質に対して惹起される抗体に結合体化すること、または放射性核種を抗体と共有結合するキレート剤に結合することによって作られる放射化学物質を含む。治療部分の膜貫通CAタンパク質への標的化は、目的の癌(すなわち、リンパ腫)における治療部分の局所濃度を増加するばかりでなく、治療部分と関連し得る有害な副作用を減少するように作用する。多くの研究者が、薬剤を悪性組織に選択的に指向する試みにおいて、細胞傷害性物質のキャリアとしてモノクローナル抗体を使用している。より詳細には、多数のモノクローナル抗体が、毒素(例えば、リシン、アブリン、ジフテリア毒素およびPseudomonas外毒素)に、またはその酵素活性タンパク質(A鎖)に、ヘテロ二機能性因子を介して結合体化された。例えば、米国特許第4,753,894号(Frankelら);Nevelleら(1982)Immunol Rev 62:75−91;Rossら(1980)Eur.J Biochem 104;Vitteraら(1982)Immunol Rev 62:158−183;Rasoら(1982)Cancer Res 42:457−464、およびTrowbridgeら(1981)Nature 294:171−173を参照のこと。
別の好ましい実施形態において、抗体が惹起されるCAタンパク質は、細胞内タンパク質である。この場合において、抗体は、細胞内への侵入を促進するタンパク質に結合体化され得る。1つの場合において、抗体は、エンドサイトーシスによって細胞へ入る。別の実施形態において、抗体をコードする核酸は、個体または細胞に投与される。そのうえ、ここでCAタンパク質は、細胞内で(すなわち、核に)標的化され得、これに対する抗体は、局在を標的にするためのシグナル(すなわち、核局在シグナル)を含む。
本発明のCA抗体は、特異的にCAタンパク質に結合する。本明細書中の「特異的結合」によって、抗体は、少なくとも10−4〜10−6−1の範囲にある結合定数を有する(好ましくは、10−7〜10−9−1の範囲を有する)タンパク質と結合することが意味される。
好ましい実施形態において、CAタンパク質は、発現後に精製されるかまたは単離される。CAタンパク質は、どのような他の成分がサンプル中に存在するかに依存して、当業者に公知の種々の方法で単離されるか、または精製され得る。標準的な精製方法としては、電気泳動的技術、分子的技術、免疫学的技術およびクロマトグラフィー技術(イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、および逆相HPLCクロマトグラフィー)ならびに等電点電気泳動が挙げられる。例えば、CAタンパク質は、標準的な抗CA抗体カラムを使用して精製され得る。タンパク質濃度に関連して、限外濾過技術およびダイアフィルトレーション(diafiltration)技術もまた、有用である。適切な精製技術における一般的な指針については、Scopes、R.、Protein Purification、Springer−Verlag、NY(1982)を参照のこと。精製の必要性の程度は、CAタンパクの使用に依存して変化する。いくつかの例において、精製は必要ない。
(癌表現型の検出)
一旦発現され、そして必要に応じて精製されたならば、CAタンパク質および核酸は、多くの適用において有用である。1つの局面において、遺伝子の発現レベルは、癌腫表現型における異なる細胞状態について決定される;つまり、正常な組織および癌組織における遺伝子発現のレベル(以下で略述されるように、いくつかの場合において、予後と関係するリンパ腫の重症度を変えるために)は、発現プロファイルを提供するために評価される。特定の細胞状態または発生点での発現プロファイルは、本質的にその状態の「フィンガープリント」であり;2つの状態は、類似して発現した任意の特定の遺伝子を有し得る一方で、多くの遺伝子の評価は、細胞の状態に独特である遺伝子発現プロファイルの生成を同時に可能にする。異なる状態における細胞の発現プロファイルを比較することによって、これらの状態の各々においてどの遺伝子が重要である(遺伝子のアップレギュレーションおよびダウンレギュレーションの両方を含む)かに関する情報が得られる。次いで、診断がなされ得るか、または確認され得る:特定の患者由来の用量組織は、正常組織または癌腫組織の遺伝子発現プロファイルを有する。
本明細書中で使用される場合、「差示的発現」または文法的に等価なものは、細胞内および細胞間での、遺伝子の一時的発現パターンおよび/または細胞性発現パターンにおける定性的差異ならびに定量的差異の両方をいう。従って、差示的に発現した遺伝子は、定性的に発現を変化させ得、この変化としては、例えば、正常組織 対 癌腫組織における活性化または不活化を含む。つまり、遺伝子は、他の状態と関連して、特定の状態においてスイッチが入り得るか、または切れ得る。当業者によって理解されるように、2つ以上の状態の任意の比較が行われ得る。そのように定性的に調節される遺伝子は、1つのそのような状態または細胞型において標準的な技術によって検出可能であるが、両方では検出不可能である1つの状態または細胞型内における発現パターンを示す。あるいは、発現が増加するまたは減少するという点で、この決定は、定量的である:つまり、遺伝子発現はアップレギュレートされ、転写物の量の増加を生じるか、またはダウンレギュレートされ、転写物の量の減少を生じるかのいずれかである。発現の差異の程度としては、以下に略述されるように、標準的な特性付け技術を介して(例えば、Affymetrix GeneChip(商標登録)発現分析(Lockhart,Nature Biotechnology,14:1675〜1680(1996))(本明細書中で参照として明確に援用される)の使用によって)定量するために十分大きいことのみが必要である。他の技術としては、定量逆転写PCR、ノーザン分析およびRNase保護が挙げられるが、これらに限定されない。上で略述されるように、好ましくは、発現における変化(すなわち、アップレギュレーションまたはダウンレギュレーション)は、少なくとも約50%であり、より好ましくは少なくとも約100%であり、より好ましくは少なくとも約150%であり、より好ましくは、少なくとも約200%であり、300から少なくとも1000%までが特に好ましい。
当業者によって理解されるように、これは、遺伝子転写またはタンパク質レベルのいずれかでの評価によってなされ得る;つまり、遺伝子発現量は、遺伝子転写物のDNAまたはRNA等価物に対する核酸プローブを使用することでモニターされ得、そして遺伝子発現レベルの定量、あるいは最終的な遺伝子産物自体(タンパク質)は、例えば、CAタンパク質に対する抗体および標準的な免疫アッセイ(ELISAなど)の使用または他の技術(質量分光計アッセイ、2Dゲル電気泳動アッセイなどを含む)の使用を介してモニターされ得る。従って、CA遺伝子に対応するタンパク質(すなわち、特定の癌腫表現型(すなわち、リンパ腫)において重要であるとして同定されたもの)は、癌腫に特異的な診断試験において評価され得る。
好ましい実施形態において、遺伝子発現モニタリングが行われ、そして多くの遺伝子(すなわち、発現プロファイル)は、同時にモニターされるが、複数のタンパク質発現モニタリングもまた、行われ得る。同様に、これらのアッセイはまた、個々に基づいて行われ得る。
この実施形態において、CA核酸プローブは、本明細書中で略述されるように、特定の細胞におけるCA配列の検出および定量のためにバイオチップに結合され得る。アッセイは、当該分野で公知のように行われる。当業者によって理解されるように、任意の数の異なるCA配列が、プローブとして使用され得、いくつかのケースにおいて、単一配列アッセイが使用され、そして本明細書中で記載される複数の配列が他の実施形態において使用される。さらに、固相アッセイが記載されているが、任意の数の溶液ベースアッセイもまた、行われ得る。
好ましい実施形態において、固相ベースアッセイおよび溶液ベースのアッセイの両方が、正常組織と比較された場合、癌腫においてアップレギュレートされるか、またはダウンレギュレートされるCA配列を検出するために使用され得る。CA配列は変性されるが、同じ発現プロファイルまたは変更された発現プロファイルを示す例において、このタンパク質は、本明細書中で略述されるように検出される。
好ましい実施形態において、CAタンパク質をコードする核酸が検出される。CAタンパク質をコードするDNAまたはRNAは検出され得るが、CAタンパク質をコードするmRNAを検出する方法が、特に興味深い。サンプルにおけるmRNAの存在は、CA遺伝子がmRNAを形成するために転写されることの指標であり、そしてタンパク質が発現されることを示唆する。mRNAを検出するためのプローブは、mRNAと相補的であり、そしてこのmRNAとの塩基対である任意のヌクレオチド/デオキシヌクレオチドプローブであり得、そしてこのプローブとしては、オリゴヌクレオチド、cDNAまたはRNAが挙げられるが、これらに限定されない。プローブはまた、本明細書中で規定されるように、検出可能な標識を含むべきである。1つの方法において、mRNAは、試験されるべき核酸を固形支持体上(例えば、ナイロン膜)に固定化し、そしてプローブをサンプルにハイブリダイズした後に検出される。洗浄して非特異的に結合したプローブを除去した後、標識が検出される。別の方法において、mRNAの検出は、インサイチュで実行される。この方法において、浸透細胞または組織サンプルは、プローブを標的mRNAとハイブリダイズさせるために十分な時間の間、検出可能に標識された核酸プローブと接触される。洗浄して非特異的に結合したプローブを除去した後、標識が検出される。例えば、CAタンパク質をコードするmRNAと相補的なジゴキシゲニン標識リボプローブ(RNAプローブ)は、ジゴキシゲニンと抗ジゴキシゲニン二次抗体の結合によって検出され、そしてニトロブルーテトラゾリウムおよび5−ブロモ−4−クロロ−3−インドイルホスフェートで発色される。
好ましい実施形態において、本明細書中で記載されるように、3つのクラスのタンパク質のうちのいずれか(分泌性タンパク質、膜貫通タンパク質または細胞内タンパク質)が、診断アッセイにおいて使用される。CAタンパク質、抗体、核酸、CA配列を含む改変タンパク質および細胞が、診断アッセイにおいて使用される。この診断アッセイは、個々の遺伝子または対応するポリペプチドレベルについて行われるか、またはアッセイのセットとして行われる。
本明細書中で記載され、そして定義されるように、CAタンパク質は、癌腫(例えば、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫のようなリンパ腫が含まれるが、これに限定されない)のマーカーとしての使用を見出す。癌腫と推定される組織または患者におけるこれらのタンパク質の検出は、癌腫の型の決定または診断を可能にする。当業者に公知の多くの方法は、癌腫を検出する際の使用を見出す。1つの実施形態において、抗体は、CAタンパク質を検出するために使用される。好ましい方法は、ゲル(代表的には、変性および還元したタンパク質ゲルであるが、等電点電気泳動ゲルなどを含む任意の他の型のゲルでもあり得る)上での電気泳動によって、タンパク質をサンプルまたは患者から分離する。タンパク質を分離した後、CAタンパク質は、このCAタンパク質に対して惹起された抗体との免疫ブロッティングによって検出される。免疫ブロッティングの方法は、当業者に周知である。
別の好ましい方法において、CAタンパク質に対する抗体は、インサイチュでの画像化技術における使用を見出す。この方法において、細胞は、CAタンパク質に対する1から多くの抗体と接触される。洗浄して非特異的抗体結合を除去した後、抗体の存在が検出される。1つの実施形態において、抗体は、検出可能な標識を含む二次抗体とともにインキュベートすることによって検出される。別の方法において、CAタンパク質に対する一次抗体は、検出可能な標識を含む。別の好ましい実施形態において、複数の一次抗体のうちのそれぞれ1つは、別個の検出可能な標識を含む。この方法は、複数のCAタンパク質についての同時スクリーニングにおける特定の使用を見出す。当業者によって理解されるように、多くの他の組織学的画像化技術は、本発明において有用である。
好ましい実施形態において、標識は、異なる波長の放出を検出し、そして区別する能力を有する蛍光計で検出される。さらに、蛍光活性化セルソーター(FACS)が、本方法において使用され得る。
別の好ましい実施形態において、抗体は、血液サンプルから癌腫を診断する際の使用を見出す。以前に記載されたように、特定のCAタンパク質は、分泌された分子/循環分子である。それゆえ、血液サンプルは、プローブされるべきサンプルとして有用であるか、または分泌されたCAタンパク質の存在について試験される。当業者によって理解されるように、抗体は、以前に記載された免疫アッセイ技術(ELISA、免疫ブロッティング(ウエスタンブロット)、免疫沈降、BIACORE技術などが含まれる)のいずれかによってCAタンパク質を検出するために使用され得る。
好ましい実施形態において、標識されたCA核酸プローブの組織アレイとのインサイチュハイブリダイゼーションが行われる。例えば、組織サンプル(CA組織および/または正常組織を含む)のアレイが作製される。次いで、当該分野において公知のインサイチュハイブリダイゼーションが行われ得る。
個体と標準との間の発現フィンガープリントが比較される場合、当業者は、診断および予後を行い得ることが理解される。さらに、診断を示す遺伝子は、予後を示す遺伝子とは異なり得ることが理解される。
好ましい実施形態において、CAタンパク質、抗体、核酸、CA配列を含む改変タンパク質および細胞は、予後アッセイにおいて使用される。上記のように、癌腫(特に、リンパ腫)、長期予後の点からみた重症度に関連する遺伝子発現プロファイルが生成され得る。さらに、これは、タンパク質または遺伝子レベルのいずれかで行われ得る(遺伝子の使用が、好ましい)。上記のように、CAプローブは、組織または患者内でのCA配列の検出および定量化のためにバイオチップに結合される。このアッセイは、診断のために略述されるように行われる。
(CA標的化薬物のスクリーニング)
1つの実施形態において、本明細書中で記載されるようなCA配列のいずれかが、薬物スクリーニングアッセイにおいて使用される。CAタンパク質、抗体、核酸、CA配列を含む改変タンパク質および細胞が、薬剤スクリーニングアッセイにおいて、または「遺伝子発現プロファイル」もしくはポリペプチドの発現プロファイルに対する薬物候補の効果を評価することによって使用される。1つの実施形態において、好ましくは、候補薬剤で処置した後の発現プロファイル遺伝子に関するモニタリングを可能にするための高スループットスクリーニング技術(Zlokarnikら,Science 279,84〜8(1998),Heidら,Genome Res.,6:986〜994(1996))と併用して、発現プロファイルが使用される。
別の実施形態において、CAタンパク質、抗体、核酸、改変CAタンパク質およびネイティブのCAタンパク質または改変CAタンパク質を含む細胞が、スクリーニングアッセイにおいて使用される。つまり、本発明は、癌腫表現型を調節する組成物についてのスクリーニングのための新規の方法を提供する。上記のように、これは、遺伝子発現のための調節因子またはタンパク質活性の調節因子についてのスクリーニングによって行われ得る。同様に、これは、個々の遺伝子またはタンパク質レベルについて、あるいは「遺伝子発現プロファイル」に対する薬物候補の効果を評価することによって行われ得る。好ましい実施形態において、好ましくは、候補薬剤で処置した後に発現プロファイル遺伝子に関するモニタリングを可能にするための高スループットスクリーニング技術(Zlokarnik,前出を参照のこと)と併用して、発現プロファイルが使用される。
本明細書でCA遺伝子を同定したので、遺伝子発現に対する薬剤の効果を評価するために多様なアッセイが実施され得る。好ましい実施形態において、アッセイは、個々の遺伝子レベルまたはタンパク質レベルに対して実行され得る。すなわち、癌腫において異常に調節される遺伝子として、特定の遺伝子を同定し、遺伝子応答を調節する候補生物活性薬剤が、スクリーンされ得る。このように「モジュレーション」は、遺伝子発現または活性における増加および減少の両方を包含する。好ましいモジュレーション量は、正常組織 対 腫瘍組織における遺伝子発現の最初の変化に依存し、少なくとも10%、好ましくは50%、さらに好ましくは100〜300%の変化を有し、そしてある実施形態においては300〜1000%以上の変化を有する。このように、ある遺伝子が正常組織と比較して腫瘍組織では4倍の増加を表す場合、約4倍の減少が所望される;正常組織と比較して、腫瘍組織では10倍の減少は、候補薬剤の発現において10倍の増加を与えることが所望される、など。あるいは、CA配列が変更されるが、同一の発現プロファイルまたは変更された発現プロファイルを示す場合、本明細書で概要を述べられるように、タンパク質は検出され得る。
当業者により理解されるように、これは、遺伝子レベルまたはタンパク質レベルのいずれかでの評価により実施され得る;すなわち遺伝子発現量は、核酸プローブおよび遺伝子発現レベルの定量化を用いてモニターされ得、あるいは、遺伝子産物それ自身のレベルはモニターされ得る(例えば、CAタンパク質に対する抗体および標準的な免疫学的検定法の使用によって)。あるいは、タンパク質を用いた結合アッセイおよび生物活性アッセイは、以下に概要を述べられているように実施され得る。
好ましい実施形態において、遺伝子発現のモニタリングが実施され、多くの遺伝子、すなわち発現プロファイルが同時にモニターされるが、多くのタンパク質の発現をモニターすることが、同様に実施され得る。
本実施形態において、特定の細胞において、本明細書中に概要を述べられるように、CA配列の検出および定量化のために、CA核酸プローブはバイオチップに結合される。アッセイは、さらに以下に記述される。
概して、好ましい実施形態において、候補生物活性薬剤は、分析前に細胞に添加される。さらに、スクリーンは、癌腫の特定の型を調節するか、CAタンパク質を調節するか、CAタンパク質に結合するか、またはCAタンパク質と抗体との結合間で干渉する、候補生物活性薬剤を同定するように提供される。
本明細書中で使用される場合、「候補生物活性薬剤」または「薬物候補」という用語、または文法的な同義語は、癌腫表現型(CAタンパク質に結合し、そして/またはCAタンパク質の生物活性を調節する)またはCA配列の発現(核酸配列およびタンパク質配列の両方の発現を含む)のいずれかを直接的にもしくは間接的に変え得る、生物活性薬剤について試験されるべき、任意の分子、例えば、タンパク質、オリゴペプチド、有機低分子または無機低分子、多糖類、ポリヌクレオチドなどを記載する。特に好ましい実施形態において、候補薬剤は、例えば正常組織フィンガープリントに対して、CA表現型を抑制する。同様に、候補薬剤は、好ましくは重症CA表現型を抑制する。概して、複数のアッセイ混合物は、種々の濃度に対して異なる応答を得るため、異なる薬剤の濃度で平行して実施される。代表的に、これらの濃度の1つは、ネガティブコントロール(すなわち、ゼロ濃度または検出レベル以下で)としての役割を果たす。
一つの局面において、候補薬剤は、CAタンパク質の効果を無効にする。「無効にする」は、細胞に実質的な効果を与えないように、タンパク質の活性が、阻害されるか、または反対に作用されるかのいずれかを意味する。
候補薬剤は、多くの化学的分類(代表的にそれらは有機分子または無機分子であるが、好ましくは100を超え、そして約2,500ダルトン未満の分子量を有する有機低分子化合物)を包含する。好ましい低分子は、2000未満または1500未満または1000未満または500D未満である。候補薬剤は、タンパク質との構造相互作用(特に水素結合)に必要な官能基を含み、この官能基としては、代表的には少なくとも一つのアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を包含し、好ましくは少なくとも二つの化学官能基が挙げられる。候補薬剤は、しばしば、一つ以上の上記の官能基で置換された環式炭素構造または複素環式構造、および/あるいは芳香族構造または多芳香族構造を含む。候補薬剤はまた、ペプチド、サッカリド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、これらの構造アナログまたはそれらの組み合わせを含む生体分子の中から見出される。ペプチドが、特に、好ましい。
候補薬剤は、合成化合物または天然化合物のライブラリーを含有する、広範囲の多様な供給源から得られる。例えば、多くの手段は、広範囲の多様な有機化合物および生体分子のランダムそして指向的な合成(ランダム化したオリゴヌクレオチドの発現を含む)のために利用可能である。あるいは、細菌、真菌、植物および動物の抽出物の形態において、天然化合物のライブラリーは、入手可能であるかまたは容易に作製される。さらに、天然にかまたは合成的に生成されたライブラリーおよび化合物は、従来の化学的手段、物理的手段および生物化学的手段により、容易に改変される。公知の薬理学的な薬剤は、構造的アナログを生成するために、指向的またはランダムな化学修飾(アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化のような)に供され得る。
一実施形態において、候補生物活性薬剤はタンパク質である。本明細書において「タンパク質」は、少なくとも二つの共有結合されたアミノ酸(それは、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチドおよびペプチドを包含する)を意味する。タンパク質は、天然に存在するアミノ酸およびペプチド結合、または合成ペプチド模倣構造から構成され得る。このように、本明細書で使用される場合、「アミノ酸」または「ペプチド残基」は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸の両方を意味する。例えば、ホモフェニルアラニン、シトルリンおよびノルロイシンは、本発明の目的のためのアミノ酸と考慮される。「アミノ酸」はまた、イミノ酸残基(プロリンおよびヒドロキシプロリンのような)も包含する。側鎖は、(R)体または(S)体のいずれかであり得る。好ましい実施形態において、アミノ酸は、(S)体またはL体である。天然に存在しない側鎖が使用される場合、非アミノ酸置換基は、例えば、インビボでの分解を妨げるかもしくは遅らせるために使用され得る。
好ましい実施形態において、候補生物活性薬剤は、天然に存在するタンパク質または天然に存在するタンパク質のフラグメントである。このように、例えば、タンパク質を含有する細胞抽出物、またはタンパク様の細胞抽出物のランダムなもしくは指向的な消化が使用され得る。この方法において、原核生物タンパク質および真核生物タンパク質のライブラリーは、本発明の方法でスクリーニングするために作製され得る。本実施形態において、細菌、真菌、ウイルスおよび哺乳類のタンパク質のライブラリーが特に好ましく、後者が好ましく、ヒトタンパク質が特に好ましい。
別の実施形態では、候補生物活性薬剤は、約5〜約30アミノ酸のペプチドであり、約5〜約20アミノ酸が好ましく、約7〜約15が特に好ましい。そのペプチドは、上記に概要を述べられているように、天然に存在するタンパク質、ランダムなペプチド、または「偏った(biased)」ランダムなペプチドの消化であり得る。本明細書中の「ランダム化」または文法的な同義語は、本質的にランダムなヌクレオチドおよびアミノ酸からなる、それぞれ核酸およびペプチドのいずれかを意味する。概して、これらのランダムなペプチド(または核酸、以下に検討される)は、化学的に合成されるので、それらは、任意の位置で、任意のヌクレオチドまたはアミノ酸を組み込み得る。合成プロセスは、ランダム化されたタンパク質または核酸を生成するように設計され、配列の長さにわたる全てのまたはほとんどの可能な組み合わせの形成を可能にし、従ってランダム化された候補生物活性タンパク様薬剤のライブラリーを形成し得る。
1つの実施形態において、ライブラリーは、任意の位置での配列優先性または一定配列を有さずに、十分にランダム化される。好ましい実施形態において、ライブラリーは偏る。すなわち、配列内のいくつかの位置は、一定配列を保持されるか、または限られた数の可能性から選択されるかのいずれかである。例えば、好ましい実施形態において、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基は、規定された分類(例えば、疎水性アミノ酸、親水性残基、立体的に偏った(小さいかまたは大きいかのいずれか)残基、核酸結合ドメインの生成について、システインの作製、交差結合について、SH−3ドメインについてのプロリン、リン酸化部位についてのセリン、スレオニン、チロシンまたはヒスチジンなど、または、プリンなど)内でランダム化される。
一実施形態において、候補生物活性薬剤は、上記で規定されるような核酸である。タンパク質について概して上で記述されるように、核酸候補生物活性薬剤は、天然に存在する核酸、ランダムな核酸、または「偏った」ランダムな核酸であり得る。例えば、原核生物ゲノムまたは真核生物ゲノムの消化は、タンパク質について、上記に概要を述べられたように使用され得る。別の実施形態において、候補生物活性薬剤は、有機化学的部分であり、この広い範囲は文献において入手可能である。
一つ以上のCA遺伝子の発現プロファイルを変更するためのアッセイにおいて、候補薬剤が添加され、細胞はしばらくの間インキュベートされた後、分析される標的配列を含むサンプルは、バイオチップに添加される。必要な場合、標的配列は、公知技術を用いて調製される。例えば、公知の溶解緩衝液、エレクトロポレーションなどを用いて、精製および/または必要に応じて生じるPCRのような増幅を用いて、当業者に理解されるように、サンプルは細胞を溶解するように処理され得る。例えば、ヌクレオシドに共有結合された標識を用いてインビトロの転写が行われる。概して、核酸は、本明細書中で規定されるように、標識(ビオチン−FITCまたはPE、cy3およびcy5が特に好ましい)を用いて標識化される。
当業者に理解されるように、これらのアッセイは、直接的なハイブリダイゼーションアッセイであり得るか、または「サンドイッチアッセイ」(それは多くのプローブの使用を含み、概して米国特許第5,681,702号、同第5,597,909号、同第5,545,730号、同第5,594,117号、同第5,591,584号、同第5,571,670号、同第5,580,731号、同第5,571,670号、同第5,591,584号、同第5,624,802号、同第5,635,352号、同第5,594,118号、同第5,359,100号、同第5,124,246号および同第5,681,697号(これらの全てが本明細書中で参考として援用される)に概要が述べられている)、を包含し得る。本実施形態において、一般的に、標的核酸は、上記に概要が述べられているように調製され、次いで、ハイブリダイゼーション複合体を形成をさせる条件下で、複数の核酸プローブを含むバイオチップに添加される。
多様なハイブリダイゼーションの条件が、本発明で使用され得、上記に概要が述べられているように高い、中程度のおよび低いストリンジェンシー条件を包含する。アッセイは、概してストリンジェンシー条件下で実施され、これは、標的の存在下のみで標識プローブハイブリダイゼーション複合体を形成させる。ストリンジェンシーは、工程パラメータ(熱力学的変数であり、温度、ホルムアミド濃度、塩濃度、カオトロピック塩濃度pH、有機溶媒濃度等が挙げられるが、これらに限定されない)を変えることによりコントロールされ得る。これらのパラメータはまた、概して米国特許第5,681,697号に概要が述べられているように、非特異的な結合を制御するために使用され得る。従って、非特異的な結合を減少するため、より高いストリンジェンシー条件で特定の工程を実施することが望ましくあり得る。
本明細書中で概要が述べられた反応は、当業者に理解されるように、多様な方法で達成され得る。反応の構成要素は、任意の順序で、同時にまたは連続的に添加され得、好ましい実施形態は、以下に概要を述べられる。さらに、反応は、アッセイに含有され得る多くの他の試薬を含有し得る。これらは、塩、緩衝液、中性タンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤等の様な試薬を含み、これらは最適なハイブリダイゼーションおよび検出を容易にするために使用され得、そして/または非特異的な相互作用もしくはバックグラウンドの相互作用を減少するために使用され得る。また、アッセイの効率を別な方法で改善する試薬(プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗微生物剤などのような)が使用され得、それはサンプル調製法および標的の純度に依存する。さらに、固相または液体ベースの(すなわち動力学的PCR)いずれかのアッセイが使用され得る。
一度そのアッセイが実施されると、データは、個々の遺伝子の発現レベル、およびその状態の間の発現レベルの変化を決定するために分析され、遺伝子発現プロファイルを形成する。
好ましい実施形態において、診断用途および予後用途に関しては、任意の一つの状態で重要な差次的に発現された遺伝子または変異遺伝子を同定したので、スクリーンは、遺伝子個々の発現を変えるために実施され得る。すなわち、単一遺伝子発現の制御を調節するためのスクリーニングが行われ得る。このように、例えば、特にその存在または非存在が2つの状態の間で特有である標的遺伝子の場合において、スクリーニングは標的遺伝子発現の調節因子に対して行われる。
さらに、スクリーンは、候補因子に応答して誘導される新規遺伝子について行われ得る。正常な発現パターンへ導くCA発現パターンを抑制するか、または正常組織からの遺伝子発現を模倣するように1つのCA遺伝子発現プロファイルを調節するその能力に基づいて候補因子を同定した後、上記に記述されるようにスクリーンが、因子に応答して特に調節される遺伝子を同定するために実施され得る。正常組織と因子で処理されたCA組織との間において、発現プロファイルを比較することは、正常組織またはCA組織で発現されないが、因子で処理された組織で発現される遺伝子を明らかにする。これらの因子特異的な配列は、同定され得、そしてCA遺伝子またはタンパク質について本明細書で記述された任意の方法により使用され得る。特に、これらの配列およびそれらがコードするタンパク質は、因子で処理された細胞に目印をつけるか、または同定することにおける用途を発見する。さらに、抗体は、因子誘導タンパク質に対して惹起され得、そして、処理されたCA組織サンプルに対する新規治療薬を標的化するために使用され得る。
このように、一つの実施形態において、候補因子は、このように関連したCA発現プロファイルを有する、CA細胞集団に対して投与される。本明細書中の「投与」または「接触」は、候補因子が、摂取または細胞内作用、または細胞表面での作用のいずれかにより、因子が細胞に作用するようにする様式で細胞に添加されることを意味する。ある実施形態において、タンパク質様候補因子(すなわちペプチド)をコードする核酸は、ウイルス構築物(例えば、レトロウイルス構築物)に入れられ得、そして、細胞に添加され、その結果、ペプチド因子の発現が達成される(PCT米国97/01019を参照のこと、本明細書中で参考として明白に援用される)。
一旦、候補因子が細胞に投与されると、所望される場合に細胞は洗浄され得、そして、いくらかの期間好ましい生理条件下でインキュベートされる。次いで、本明細書で概要を述べたように、細胞が回収され、新しい遺伝子発現プロファイルが生成される。
このように、例えば、CA組織は、CA表現型を減少するか、または抑制する因子についてスクリーンされ得る。少なくとも一つの遺伝子の発現プロファイルの変化は、因子がCA活性に対する効果を有すことを示す。CA表現型に対するこのようなサイン(signature)を規定することにより、表現型を変える新しい薬物のスクリーニングが考案され得る。このアプローチの場合、薬物の標的は公知である必要はなく、元々の発現スクリーニングプラットフォームにおいて示される必要もなく、標的タンパク質についての転写レベルが変化する必要もない。
好ましい実施形態において、上記で概要を述べたように、スクリーンは個々の遺伝子および遺伝子産物(タンパク質)に対して実施され得る。すなわち、特定の状態において重要であるような特に差次的に発現される遺伝子が同定されるので、遺伝子または遺伝子産物それ自身の発現のいずれかの調節因子のスクリーニングが行われ得る。差次的に発現された遺伝子の遺伝子産物は、時々、本明細書中で「CAタンパク質」または「CAP」といわれる。CAPは、フラグメントであり得るか、あるいは、表1〜112の核酸によりコード化されるフラグメントについての全長タンパク質であり得る。好ましくは、CAPは、フラグメントである。別の実施形態において、配列は、さらに本明細書に記述されているように、配列改変体である。
好ましくは、CAPは、約14〜24のアミノ酸長のフラグメントである。さらに好ましくは、フラグメントは可溶性フラグメントである。好ましくは、フラグメントは、非膜貫通領域を含む。好ましい実施形態において、フラグメントは、溶解性を補助するためにN末端にCysを有する。一つの実施形態において、フラグメントのc末端は、遊離酸として保たれ、n末端は、結合を補助するための遊離アミン(すなわち、システインに対する)である。
一つの実施形態において、CAタンパク質は、本明細書中で検討されているように、免疫原性因子に結合体化される。一つの実施形態において、CAタンパク質は、BSAに結合体化される。
好ましい実施形態において、スクリーニングは、CA遺伝子の発現産物の生物学的機能を変えるために実施される。また、特定の状態にある遺伝子の重要性を同定されるので、遺伝子産物を結合し、そして/または遺伝子産物の生物学的活性調節する因子についてのスクリーニングは、以下にさらに十分に概要を述べるように実行され得る。
好ましい実施形態において、スクリーンは、CAタンパク質に結合し得る候補因子をまず見つけるように設計され、次いで、これらの因子は、CAP活性および癌腫表現型を調節する候補因子の能力を評価するアッセイにおいて使用され得る。このように、当業者に理解されるように、実施され得る多くの様々なアッセイ(結合アッセイおよび活性アッセイ)が存在する。
好ましい実施形態において、結合アッセイが実施される。一般的に、精製または単離された遺伝子産物が使用される;すなわち、一つ以上のCA核酸の遺伝子産物が作製される。一般的に、これは、当該分野に公知であるように実施される。例えば、抗体は、タンパク質遺伝子産物に対して産生され、標準免疫アッセイは、存在するタンパク質量を決定するために実行される。あるいは、CAタンパク質を含む細胞が、アッセイに使用され得る。
このように、好ましい実施形態において、方法は、CAタンパク質と候補生物活性因子とを合わせる工程、およびCAタンパク質への候補因子の結合を決定する工程を包含する。好ましい実施形態はヒトまたはマウスのCAタンパク質を利用するが、他の哺乳動物タンパク質をまた、例えば、ヒト疾患の動物モデルの開発のために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に概要が述べられるように、改変体または誘導体のCAタンパク質が使用され得る。
概して、本明細書中の方法の好ましい実施形態において、CAタンパク質または候補因子は、単離されたサンプル受容領域(例えば、マイクロタイタープレート、アレイなど)を有する、不溶性支持体に非拡散的に結合される。この不溶性支持体は、任意の組成物から作製され得、これらの組成物はこの支持体に結合され得、可溶性物質から容易に分離され、そうでなければ、全般的なスクリーニング方法と適合性である。このような支持体の表面は、中実または多孔性であり得、任意の都合のよい形状である。適切な不溶性支持体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、メンブレンおよびビーズが挙げられる。これらは、代表的には、ガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン)、多糖類、ナイロンもしくはニトロセルロース、TeflonTMなどからつくられる。マイクロタイタープレートおよびアレイは、特に都合がよい。なぜなら、少量の試薬およびサンプルを用いて、膨大な数のアッセイが同時に実行され得るからである。
組成物の特定様式の結合は、試薬および本発明の全般的な方法と適合性であり、組成物の活性を維持し、そして、非拡散性である限り、重要ではない。好ましい結合方法としては、抗体(タンパク質が支持体に結合される場合、リガンド結合部位または活性化配列のいずれも立体的にブロックしない)、「粘着性」支持体またはイオン性支持体への直接結合、化学的架橋、タンパク質または因子の表面上での合成などの使用が挙げられる。タンパク質または因子の結合後、過剰の非結合性材料は洗浄により除去される。次いで、サンプル受容領域は、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインまたは他の無害なタンパク質もしくは他の成分とのインキュベーションによりブロック化され得る。
好ましい実施形態において、CAタンパク質は支持体に結合され、そして候補生物活性因子は、アッセイに添加される。あるいは、候補因子は、支持体に結合され、CAタンパク質が添加される。新規結合因子としては、特定の抗体、化学的なライブラリーのスクリーンで同定された非天然の結合因子、ペプチドアナログなどが挙げられる。ヒト細胞に対して低い毒性を有する因子についてのスクリーニングアッセイは特に興味深い。広範囲の多様なアッセイは、この目的のために使用され得、このアッセイとしては、標識化インビトロタンパク質−タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合についての免疫アッセイ、機能的アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
CAタンパク質への候補生物活性因子の結合の決定は、多くの方法で実施され得る。好ましい実施形態において、候補生物活性因子は標識され、結合が直接的に決定される。例えば、これは、固体支持体にCAタンパク質の全てまたは一部を結合することにより、標識化候補因子(例えば、蛍光標識)を添加することにより、過剰な試薬を洗い流すことにより、そして標識が固体支持体上に存在するかどうかを決定することにより、実施され得る。多様なブロッキング工程および洗浄工程が、当該分野で公知であるように利用され得る。
本明細書中の「標識化」は、検出可能なシグナル(例えば、放射線同位元素、蛍光体、酵素、抗体、磁気粒子のような粒子、化学発光体または特異的な結合分子など)を提供する標識を用いて、化合物が直接的または間接的のいずれかで標識化されることを意味する。特異的な結合分子は、ビオチンとストレプトアビジンや、ジゴキシンと抗ジゴキシンなどのような対を含む。特異的な結合メンバーについて、相補的なメンバーは、通常、上に概要を述べたように、公知の手順に従って、検出を提供する分子を用いて標識化される。標識は、検出可能なシグナルを直接的または間接的に与え得る。
ある実施形態において、構成要素の一つのみが標識化される。例えば、タンパク質(またはタンパク様候補因子)は、125Iまたは発蛍光団を用いてチロシン位で標識され得る。あるいは、1を超える成分は、異なる標識を用いて(;例えば、タンパク質に対して125Iを用いて、そして候補因子について蛍光体を用いて)標識され得る。
好ましい実施形態において、候補生物活性因子の結合は、競合結合アッセイの使用により決定される。この実施形態において、競合剤(例えば、抗体、ペプチド、結合パートナー、リガンドなど)は、標的分子(すなわち、CAタンパク質)に結合することが、公知の結合部分である。特定の状況下で、生物活性因子を置換する結合部分を用いて、生物活性因子および結合部分の間のように競合的結合が存在し得る。
ある実施形態において、候補生物活性因子は標識される。候補生物活性因子または競合剤のいずれか、あるいはその両方が存在する場合、結合させるのに十分な時間の間、タンパク質にまず添加される。インキュベーションは、最適の活性を容易にする任意の温度(代表的には4〜40℃の間)で実施され得る。インキュベーション期間は、最適の活性について選択されるが、また、迅速なハイスループットスクリーニングを容易にするために最適化もされ得る。代表的に、0.1〜1時間の間が十分である。過剰の試薬は、概して除去されるかもしくは洗い流される。次いで、第2番目の成分要素が添加され、標識された成分の存在もしくは非存在が追跡され、結合を示す。
好ましい実施形態において、競合剤が、まず添加され、その後、候補生物活性因子が添加される。競合剤の置換は、候補生物活性因子がCAタンパク質に結合していることを示し、従って、CAタンパク質に結合し得、CAタンパク質の活性を潜在的に調節し得る。この実施形態において、いずれかの成分が標識され得る。従って、例えば、競合剤が標識化される場合、洗浄溶液中の標識の存在は、因子による置換を表す。あるいは、候補生物活性因子が標識される場合、支持体上の標識の存在は、置換を表す。
代替的な実施形態において、候補生物活性因子がまず添加され、インキュベーションおよび洗浄を行い、その後、競合剤が添加される。競合剤による結合の非存在は、生物活性因子がより高い親和性でCAタンパク質と結合される、ということを表し得る。従って、候補生物活性因子が標識される場合、支持体上の標識の存在は、競合剤結合の欠損と合わせて、候補因子がCAタンパク質に結合し得ることを表し得る。
好ましい実施形態において、方法は、CAタンパク質の活性を調節し得る、生物活性因子を同定するために、差次的スクリーニング工程を包含する。この実施形態において、この方法は、第1サンプル中の、CAタンパク質と競合剤とを組み合わせる工程を包含する。第2サンプルは、候補生物活性因子、CAタンパク質および競合剤を含む。競合剤の結合は、両サンプルについて決定され、そして2つのサンプル間の結合の変化または相違は、CAタンパク質に結合し得る因子の存在、およびその活性を潜在的に調節することを表す。すなわち、競合剤の結合が、第1サンプルに比べて第2サンプルにおいて異なる場合、因子は、CAタンパク質に結合し得る。
あるいは、好ましい実施形態は、ネイティブなCAタンパク質に結合するが、改変されたCAタンパク質に結合し得ない、薬物候補を同定するために差次的スクリーニングを利用する。CAタンパク質の構造は、モデル化され得、その部位と相互作用する因子を合成するために、合理的な薬物設計において使用され得る。CA生物活性に影響を及ぼす薬物候補はまた、タンパク質の活性を増強するかまたは減少する能力について、薬物をスクリーニングすることにより同定される。
ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールは、アッセイにおいて使用され得る。好ましくは、全てのコントロールおよび試験サンプルは、統計上有意な結果を得るために、少なくとも三連で実施される。全てのサンプルのインキュベーションは、タンパク質に因子を結合するために、十分な時間の間である。インキュベーション後、全てのサンプルは、非特異的に結合された材料を含まないように洗浄され、そして結合された量は、概して標識因子を決定する。例えば、放射標識が使用される場合で、サンプルは、結合化合物量を決定するために、シンチレーションカウンターで計数され得る。
多様な他の試薬は、スクリーニングアッセイにおいて包まれ得る。これらは、試薬(塩、中性タンパク質(例えば、アルブミン)、界面活性剤など)を含み、それは、最適なタンパク質−タンパク質結合を容易にし、そして/または非特異的な相互作用もしくはバックグラウンド相互作用を減らすために使用され得る。そうでなければ、アッセイの効率を改善する試薬(プロテアーゼインヒビター、ヌクレアーゼインヒビター、抗微生物剤など)もまた、使用され得る。成分の混合物は、必須の結合を提供する任意の順番で添加され得る。
CAタンパク質の活性を調節する因子のスクリーニングもまた、実施され得る。好ましい実施形態において、CAタンパク質の活性を調節し得る生物活性因子をスクリーニングする方法は、上述のように、CAタンパク質のサンプルに候補生物活性因子を添加する工程およびCAタンパク質の生物学的活性の変化を決定する工程を包含する。「CAタンパク質の活性を調節する」ことは、活性の増大;活性の減少、または存在する活性の型もしくは種類の変化を包含する。このように、この実施形態において、候補因子は、本明細書中に規定される場合、CAタンパク質と結合すること(これは必要というわけではないが)およびその生物学的活性または生化学的な活性を変えること、の両方をすべきである。方法は、CAタンパクの存在、分布、活性または量の変化について、インビトロのスクリーニング方法(概して上に概要が述べられるように)およびインビボの細胞スクリーニングの両方を包含する。
従って、この実施形態において、方法は、CAサンプルと候補生物活性因子とを組み合わせる工程、およびCA活性に対する効果を評価する工程を包含する。本明細書中において「CA活性」または文法的な同義語は、CAタンパク質の生物学的活性(腫瘍形成におけるその役割(細胞分裂、好ましくはリンパ組織における細胞分裂、細胞増殖、腫瘍増殖および細胞の形質転換を包含する)がこれらに限定されない)のうちの一つを意味する。一つの実施形態において、CA活性は、表1〜112の核酸によりコードされるタンパク質の活性化、または、表1〜112の核酸によりコード化されたタンパク質による活性化を包含する。CA活性のインヒビターは、任意の一つ以上のCA活性の阻害である。
好ましい実施形態において、CAタンパク質の活性は増大される;別の好ましい実施形態において、CAタンパク質の活性は減少される。従って、アンダゴニストである生物活性因子は、いくつかの実施形態において好ましく、アゴニストである生物活性因子は、他の実施形態において好ましくあり得る。
好ましい実施形態において、本発明は、CAタンパク質の活性を調節し得る生物活性因子をスクリーニングするための方法を提供する。本方法は、上に規定されるように、CAタンパク質を含む細胞に、候補生物活性因子を添加する工程を包含する。好ましい細胞型は、ほとんどの任意の細胞を含む。細胞は、CAタンパク質をコードする組換え核酸を含む。好ましい実施形態において、候補因子のライブラリーは、複数の細胞に対して試験される。
一つの局面において、アッセイは、生理学的なシグナル(例えば、ホルモン、抗体、ペプチド、抗原、サイトカイン、増殖因子、活動電位)、化学療法剤を包含する薬理学的な因子、放射線、発癌剤、または他の細胞(すなわち、細胞と細胞との接触)の存在下または非存在下、あるいはこれらの生理学的なシグナルの曝露前または曝露後で評価される。別の実施例において、決定因子は、細胞周期過程の異なる段階で決定される。
このようにして、生物活性因子は同定される。薬理学的な活性を有する化合物は、CAタンパク質の活性を増強し得るか、または妨害し得る。
(本発明の用途)
一実施形態において癌細胞分裂を阻害する方法が提供される。別の実施形態において、腫瘍増殖を阻害する方法が提供される。さらなる実施形態において、癌を有する細胞または個体を処置する方法が提供される。
一実施形態において、癌腫細胞分裂を阻害する方法が提供される。この方法は、癌腫インヒビターの投与を包含する。一実施形態において、癌腫細胞は、リンパ腫であり、別の実施形態において、癌腫細胞は、乳癌である。
別の実施形態において、腫瘍増殖を阻害する方法が提供される。この方法は、癌腫インヒビターの投与を包含する。特定の実施形態において、リンパ組織における腫瘍増殖を阻害する方法が提供され、この方法は、リンパ腫インヒビターの投与を包含する。別の実施形態において、哺乳動物組織における腫瘍増殖を阻害する方法が提供され、この方法は、乳癌インヒビターの投与を包含する。
この方法は、癌インヒビターの投与を包含する。特定の実施形態において、癌インヒビターは、アンチセンス分子、薬学的組成物、治療剤または低分子、あるいはモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である。特定の実施形態において、治療剤は、抗体、好ましくはモノクローナル抗体と結合される。
他の実施形態において、個体における癌細胞を検出または診断する方法が提供される。特定の実施形態において、診断/検出剤は、本発明に従って、CAPに優勢に結合する低分子である。一実施形態において、この診断/検出剤は、抗体であり、好ましくはモノクローナル抗体であり、好ましくは、検出可能な薬剤に結合された抗体である。
本発明の他の実施形態において、動物モデルおよびトランスジェニック動物が提供され、これは、癌、特に、リンパ腫および腺腫の動物モデルの作製における用途を見出す。
(a)アンチセンス分子
一つの実施形態において、癌インヒビターは、アンチセンス分子である。本明細書中で使用される場合、アンチセンス分子は、癌腫性癌分子についての標的mRNA(センス)またはDNA(アンチセンス)配列に結合し得る一本鎖核酸配列(RNAまたはDNAのいずれか)を含む、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドを含む。本発明に従うと、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドは、概して、少なくとも約14ヌクレオチドのフラグメントを含み、好ましくは約14〜30ヌクレオチドのフラグメントである。所定のタンパク質をコードするcDNA配列に基づく、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはセンスオリゴヌクレオチドを誘導する能力は、以下に記述される(例えば、Stein and Cohen, Cancer Res.48:2659,(1988)およびvan der Krolら、Bio Techniques 6:958,(1988))。
アンチセンス分子は、リガンド結合分子を用いた結合体形成により、標的ヌクレオチド配列を含む細胞に導入され得る(WO91/04753に記載)。適切なリガンド結合分子は、限定されないが、細胞表面レセプター、成長因子、他のサイトカイン、または細胞表面レセプターに結合する他のリガンドを包含する。好ましくは、リガンド結合分子の結合体は、リガンド結合分子が、その対応する分子もしくはレセプターに結合する能力を実質的に妨げないか、または、センスもしくはアンチセンスオリゴヌクレオチド、もしくはその結合体バージョンの細胞への進入をブロックしない。あるいは、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド脂質複合体の形成により、標的核酸配列を含む細胞へ導入され得る(WO90/10448に記載)。アンチセンス分子またはノックアウトモデルおよびノックインモデルの使用はまた、処理方法に加えて、上記で検討されているように、スクリーニングアッセイで使用され得ることが理解される。
(b)薬学的組成物
本発明に包含される薬学的組成物は、活性剤として、本明細書中で開示された本発明のポリペプチド、ポリヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたは抗体を、治療有効量で含む。「有効量」は、有益な結果または所望の結果(臨床結果を含む)をもたらすのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。本発明の目的のために、アデノウイルスベクターの有効量は、疾患状態の進行を緩和するか、改善するか、安定化するか、逆転させるか、または遅らせる(slowまたはdelay)するのに十分な量である。
この組成物は、癌および原発性癌の転移を処置するために使用され得る。さらに、この薬学的組成物は、例えば、放射線または従来の化学治療に対して腫瘍を感作するために、従来の癌処置法と共に使用され得る。用語「処置(treatment)」、「処置(treating)」、「処置する(treat)」などは、一般に本明細書中で、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることをいうために使用される。効果は、疾患またはその症状を完全にかまたは部分的に予防するという点で予防的であり得、そして/あるいは疾患および/またはこの疾患に起因する悪影響の部分的または完全な安定化または治癒という点で治療的であり得る。「処置」は、本明細書中で使用される場合、哺乳動物、特に、ヒトにおける疾患の任意の処置を網羅し、そして以下を包含する:(a)疾患または症状にかかりやすいが、これらの疾患または症状を有するとはまだ診断されていない被験体において生じる、この疾患または症状を予防すること;(b)この疾患症状を阻害すること、すなわち、その発症を阻止すること;または(c)この疾患症状を軽減すること、すなわち、この疾患または症状の退行を生じさせること。
薬学的組成物が、差次的に発現されたポリヌクレオチドによってコードされる遺伝子産物に特異的に結合する抗体を含む場合、この抗体は、処置部位への送達のための薬物に結合され得るか、または検出可能な標識に結合され得、癌細胞(例えば、前立腺癌細胞)を含む部位の画像化を容易にする。抗体を薬物および検出可能な標識に結合するための方法は、検出可能な標識を使用する画像化のための方法と同様に、当該分野で周知である。
本発明の目的のために、「患者」は、ヒトおよび他の動物、特に、哺乳動物、および生物の両方を含む。従って、この方法は、ヒトの治療または獣医の両方に適用可能である。好ましい実施形態において、患者は、哺乳動物であり、最も好ましい実施形態において、患者はヒトである。
用語「治療的有効量」とは、本明細書中で使用される場合、所望の疾患または状態を処置するか、回復するかまたは予防するか、あるいは検出可能な治療効果または予防効果を示す治療剤の量をいう。この効果は、例えば、化学マーカーまたは抗原レベルによって検出され得る。治療効果はまた、体温の低下のような生理学的症状の低下を含む。被験体に有効な正確な量は、被験体の大きさおよび健康状態、状態の性質および程度、ならびに投与のために選択された治療剤または治療剤の組合せに依存する。所定の状況に有効な量は、慣用的な実験によって決定され、そして医師の判断に任される。本発明の目的のために、有効用量は、一般的に、投与される個体において、約0.01mg/kg〜約5mg/kg、または約0.01mg/kg〜約50mg/kg、または約0.05mg/kg〜約10mg/kgの本発明の組成物である。
薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、治療剤(例えば、抗体またはポリペプチド、遺伝子および他の治療剤)の投与のためのキャリアをいう。この用語は、それ自体ではこの組成物を投与された個体に対して有害抗体の産生を誘導せず、過度な毒性を伴うことなく投与され得る薬学的キャリアを指す。適切なキャリアは、ゆっくり代謝される大きな高分子(例えば、タンパク質、多糖類、ポリ酪酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活性ウイルス粒子)であり得る。このようなキャリアは、当業者に周知である。治療組成物中の薬学的に受容可能なキャリアとしては、液体(例えば、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノール)が挙げられ得る。補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化物質など)もまた、このようなビヒクル中に存在し得る。代表的には、治療組成物は、溶液または懸濁液のいずれかとしての注射液として調製され;注射の前に、液体ビヒクル溶液または液体ビヒクル懸濁液に適切な固体形態もまた調製され得る。リポソームが、薬学的に受容可能なキャリアの定義内に含まれる。薬学的に受容可能な塩(例えば、鉱酸塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩など);および有機酸の塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩など))もまた、薬学的組成物中に存在し得る。薬学的に受容可能な賦形剤の詳細な考察は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(1995)Alfonso Gennaro,Lippincott,Williams & Wilkinsで入手可能である。
薬学的組成物は、多様な形態(例えば、顆粒、錠剤、丸剤、坐剤、カプセル、懸濁剤、軟膏剤、ローション剤など)で調製され得る。経口および局所の使用に適した、医薬品等級の有機または無機キャリアおよび/または希釈薬は、治療活性化合物を含む組成物を構成するために使用され得る。当該分野に公知の希釈薬としては、水性媒体、植物および動物油、および脂肪が挙げられる。安定化薬、湿潤剤および乳化薬、浸透圧を変える塩、または適切なpH値に安定化するための緩衝液および皮膚浸透増強剤は、補助的な薬剤として使用され得る。
本発明の薬学的組成物は、患者への投与に適切な形態でCAタンパク質を含む。好ましい実施形態において、薬学的組成物は、水溶性形態(例えば、薬学的に受容可能な塩として存在する)であり、酸および塩基の双方の付加塩を包含することを意味する。「薬学的に受容可能な酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的効果を保持し、そして以下の酸と生物学的には形成されず、そうでなければ所望されない塩をいい、酸としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)および有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸など)である。「薬学的に受容可能な塩基付加塩」としては、無機塩基(ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩など)から誘導される塩が挙げられる。特に好ましくは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。薬学的に受容可能な有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第1級、第2級および第3級アミンの塩、置換アミン(天然に存在する置換アミンを包含する)、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミン)が挙げられる。
薬学的組成物はまた、以下の一つ以上を含み得る:血清アルブミンのようなキャリアタンパク質;緩衝剤;微晶性セルロース、乳糖、トウモロコシデンプンおよび他のデンプンのような充填剤;結合剤;甘味料および他の矯味矯臭剤;着色剤;およびポリエチレングルコール。添加剤は、当該分野に周知であり、多様な処方物中で使用される。
所望の薬理活性を有する化合物は、前述したように、宿主に対して生理学的に受容可能なキャリアにおいて投与され得る。薬剤は、多様な方法(経口、非経口(例えば、皮下、腹腔内、脈管内など))で投与され得る。導入方法に依存して、化合物は、多様な方法で処方され得る。処方物中の、治療活性化合物の濃度は、約0.1〜100%wgt/volで変動し得る。一旦処方されると、本発明によって企図される組成物は、(1)被験体に(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、低分子アゴニストもしくはアンタゴニストなどとして)直接投与され得るか、または(2)被験体由来の細胞にエキソビボで(例えば、エキソビボ遺伝子治療として)送達され得る。組成物の直接送達は、一般に、非経口注射(例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射もしくは筋肉内注射、腫瘍内注射または組織の間質領域への注射)によって達成される。投与の他の様式としては、経口投与および肺投与、座剤、ならびに経皮適用、針、そして遺伝子銃または皮下噴射器(hypospray)が挙げられる。投薬処置は、単回投薬計画または複数回投薬計画であり得る。
エキソビボ送達および形質転換細胞の被験体への再移植についての方法は、当該分野で公知であり、例えば、国際特許公開番号WO 93/14778において記載される。エキソビボ適用に有用な細胞の例としては、例えば、幹細胞(特に造血幹細胞)、リンパ球、マクロファージ、樹状細胞、または腫瘍細胞が、挙げられる。一般に、核酸のエキソビボ適用およびインビトロ適用の両方のための送達は、例えば、デキストラン媒介性トランスフェクション、カルシウムホスフェート沈殿、ポリブレン(polybrene)媒介性トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム中へのポリヌクレオチドのカプセル化、および核内へのDNAの直接微量注入(これらは全て当該分野で周知である)によって達成され得る。
一旦、本明細書中で記載されるCAポリヌクレオチドに対応する遺伝子の差次的発現が、増殖性障害(例えば、新生物形成、異形成、および過形成)と関連することが見出されると、この障害は、提供されるポリヌクレオチド、対応するポリペプチドまたは他の対応する分子(例えば、アンチセンス、リボザイムなど)に基づく治療薬剤の投与による処置に対して、感受性であり得る。他の実施形態において、障害は、低分子薬物の投与による処置に感受性であり得る。低分子薬剤は、例えば、癌性細胞において、正常細胞と比較してより高い発現を有する遺伝子のコードされる遺伝子産物の機能のインヒビター(アンタゴニスト)として作用するか、または癌性細胞において発現が低下している遺伝子産物に対するアゴニストとして作用する(例えば、腫瘍抑制因子として作用する遺伝子産物の活性を促進する)。
本発明の薬学的組成物の用量および投与手段は、治療組成物の特定の質、患者の状態、年齢および体重、疾患の進行、および他の関連因子に基づいて決定される。例えば、ポリヌクレオチド治療組成物薬剤の投与としては、局所投与および全身投与が挙げられ、これらとしては、注射、経口投与、粒子銃またはカテーテル投与、および局所投与が、挙げられる。好ましくは、治療ポリヌクレオチド組成物は、本明細書中で開示されるポリヌクレオチドの、少なくとも12個の連続する、22個の連続する、25個の連続する、30個の連続する、または35個の連続するポリヌクレオチドに作動可能に連結したプロモーター含む発現構築物を含有する。種々の方法が、治療組成物を体内の特定の部位に直接投与するために使用され得る。例えば、小さな転移病変が局在し、そして治療組成物は、体内での腫瘍の幾つかの異なった位置において、幾度か注射される。あるいは、腫瘍に栄養する動脈が同定され、そして治療組成物が、この組成物を腫瘍内に直接送達するためにこのような動脈に注射される。壊死性の癌を有する腫瘍は吸引され、そしてここで腫瘍の空洞中心内に、組成物が直接注射される。アンチセンス組成物は、腫瘍表面に、例えば組成物の局所適用により、直接的に投与される。X線画像化は、上述の特定の送達方法を補助するために使用される。
アンチセンスポリヌクレオチド、サブゲノムポリヌクレオチド、または特定の組織に対する抗体を含有する、治療組成物の標的された送達もまた、使用され得る。レセプター媒介性DNA送達技術は、例えば以下に記載される:Findeisら,Trends Biotechnol.(1993)11:202;Chiouら,Gene Therapeutics:Methods And Applications Of Direct Gene Transfer(J.A.Wolff,編)(1994);Wuら,J.Biol.Chem.(1988)263:621;Wuら,J.Biol.Chem.(1994)269:542;Zenkeら,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)(1990)87:3655;Wuら,J.Biol.Chem.(1991)266:338。ポリヌクレオチドを含有する治療組成物は、遺伝子治療プロトコールにおいて、約100ng〜約200mgのDNAの範囲で、局所投与される。約500ng〜約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μgおよび約20μg〜約100μgの範囲の濃度のDNAがまた、遺伝子治療プロトコールの間に使用され得る。作用の方法(例えば、コードされる遺伝子産物のレベルの増大または阻害について)ならびにトランスフォーメーションおよび発現の効力のようなアンチセンスサブゲノムポリヌクレオチドの最大の効力に必要とされる用量に影響する因子が、考慮される。組織のより広い領域にわたって、より高い発現が所望される場合、より多量のアンチセンスサブゲノムポリヌクレオチドもしくは連続的な投与プロトコールにおける同量の再投与、または例えば腫瘍部位の異なった隣接する組織部分または異なった近接する組織部分への幾度かの投与が、良い治療結果をもたらすために必要とされ得る。全ての場合において、臨床試験における慣用実験が、最適な治療効果のための特定の範囲を決定する。
本発明の治療ポリヌクレオチドおよび治療ポリペプチドは、遺伝子送達ビヒクルを使用して送達され得る。遺伝子送達ビヒクルは、ウイルス起源または非ウイルス起源であり得る(全般的に、Jolly,Cancer Gene Therapy(1994)1:51;Kimura,Human Gene Therapy(1994)5:845;Connelly,Human Gene Therapy(1995)1:185;およびKaplitt,Nature Genetics(1994)6:148を参照のこと)。このようなコード配列の発現は、内因性哺乳動物プロモーターまたは異種プロモーターを使用して誘導され得る。コード配列の発現は、恒常的または調節的であり得る。
所望のポリヌクレオチドの送達および所望の細胞における発現のためのウイルスベースのベクターは、当該分野で公知である。例示的なウイルスベースのビヒクルとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:組換えレトロウイルス(例えば、WO 90/07936;WO 94/03622;WO 93/25698;WO 93/25234;USPN 5,219,740;WO 93/11230;WO 93/10218;USPN 4,777,127;GB特許番号2,200,651;EP 0 345 242;およびWO 91/02805を参照)、αウイルスベースのベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林熱ウイルスベクター(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、ロス川ウイルスベクター(ATCC VR−373;ATCC VR−1246)およびベネズエラウマ脳炎ウイルスベクター(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR 1249;ATCC VR−532))、ならびにアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)(例えば、WO 94/12649、WO 93/03769;WO 93/19191;WO 94/28938;WO 95/11984およびWO 95/00655を参照)。Curiel,Hum.Gene Ther.(1992)3:147に記載されるような、殺傷したアデノウイルスに結合したDNAの投与もまた、使用され得る。
非ウイルス性送達ビヒクルおよび非ウイルス性送達方法もまた使用され得、以下が挙げられるが、これらに限定されない:殺傷したアデノウイルスのみに結合されるかまたは結合されない、ポリカチオン性濃縮DNA(例えば、Curiel,Hum.Gene Ther.(1992)3:147を参照);リガンド結合DNA(例えば、Wu,J.Biol.Chem.(1989)264:16985を参照);真核細胞送達ビヒクル細胞(例えば、USPN 5,814,482;WO 95/07994;WO 96/17072;WO 95/30763;およびWO 97/42338)ならびに核電荷中和または細胞膜との融合が挙げられる。裸のDNAもまた、使用され得る。例示的な裸のDNA導入方法は、WO 90/11092およびUSPN 5,580,859において記載される。遺伝子送達ビヒクルとして作用し得るリポソームは、USPN 5,422,120;WO 95/13796;WO 94/23697;WO 91/14445;およびEP 0524968において記載される。さらなるアプローチが、Philip,Mol.Cell Biol.(1994)14:2411およびWoffendin,Proc.Natl.Acad.Sci.(1994)91:1581において記載される。
使用のために適切な、さらなる非ウイルス性送達としては、Woffendinら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994)91(24):11581に記載されるアプローチのような、機械的送達系が挙げられる。その上、このようなコード配列および発現産物は、光重合ヒドロゲル物質の沈着、または電離放射線の使用を通して、送達され得る(例えば、USPN 5,206,152およびWO 92/11033を参照のこと)。コード配列の送達のために使用され得る遺伝子送達のための他の従来方法としては、例えば、ハンドヘルド(hand−held)遺伝子輸送粒子銃の使用(例えば、USPN 5,149,655を参照);輸送された遺伝子の活性化のための電離放射線(例えば、USPN 5,206,152およびWO 92/11033を参照のこと)。
本発明のCAタンパク質およびモジュレーターの投与は、上で検討されたように、多様な方法(限定されないが、経口、皮下、静脈内、鼻腔内、経皮的、腹腔内、筋肉内、肺内、膣的、直腸的または眼内を包含する)において実施され得る。幾つかの例において、例えば、創傷および炎症の処置において、CAタンパク質およびモジュレーターが、溶液またはスプレーとして、直接適用され得る。
好ましい実施形態において、CAタンパク質およびモジュレーターは、治療薬として投与され得、上に概要が述べられているように、処方され得る。同様に、CA遺伝子(全長配列、部分配列の両方またはCAコード領域の調節配列を含む)は、当該分野に公知なように、遺伝子治療の適用において投与され得る。これらのCA遺伝子は、当業者により理解されるように、遺伝子治療(すなわち、ゲノムへの組み込み)として、またはアンチセンス組成物としてのいずれかで、アンチセンスの適用を包含し得る。
このように、一つの実施形態において、細胞または生物でのCA遺伝子活性を調節する方法が提供される。一つの実施形態において、この方法は、内因性CAタンパク質の生物学的活性を減少または排除する抗CA抗体を細胞に投与することを包含する。あるいは、この方法は、CAタンパク質をコードする組換え核酸を、細胞または生物に投与することを包含する。当業者により理解されるように、これは、任意の数の方法で実行され得る。好ましい実施形態において、例えば、CA配列が癌においてダウンレギュレーションされる際、公知の遺伝子治療技術を用いて、細胞内のCA発現量の増加により(例えば、内因性CA遺伝子を過剰発現することによるか、またはCA配列をコードする遺伝子を投与することにより)、CA遺伝子産物の活性は増大される。好ましい実施形態において、遺伝子治療技術は、増強された相同組換え(EHR)(例えば、PCT/US93/03868(本明細書中で全体が参考として援用される)に記述されるような)を用いる外因性遺伝子の組み込みを包含する。あるいは、例えばCA配列が癌においてアップレギュレーションされる際、内因性CA遺伝子の活性は、例えば、CAアンチセンス核酸の投与により減少される。
((c)ワクチン)
好ましい実施形態において、CA遺伝子は、DNAワクチン(単一遺伝子またはCA遺伝子の組み合わせのいずれか)として投与される。裸のDNAワクチンは、概して当該分野で公知である、Brower,Nature Biotechnology,16:1304〜1305(1998)。
一つの実施形態において、本発明のCA遺伝子は、DNAワクチンとして使用される。DNAワクチンとしての遺伝子の使用のための方法は、当業者に対して周知であり、癌を有する患者における発現のためのプロモーターの制御下で、CA遺伝子またはCA遺伝子の一部を配置することを包含する。DNAワクチンに使用されるCA遺伝子は、全長CAタンパク質をコードし得るが、さらに好ましくは、CAタンパク質由来のペプチドを含むCAタンパク質の一部をコードし得る。好ましい実施形態において、患者は、CA遺伝子由来の複数のヌクレオチド配列を含むDNAワクチンで免疫される。同様に、複数のCA遺伝子またはその部分を用いて、患者を免疫することが可能である。理論に束縛されずに、CAタンパク質を発現する細胞を認識しそして破壊もしくは除去する、DNAワクチンによりコードされるポリペプチド、細胞傷害性T細胞、ヘルパーT細胞および抗体の発現が、誘導される。
好ましい実施形態において、DNAワクチンは、DNAワクチンとともに、アジュバント分子をコード化する遺伝子を包含する。このようなアジュバント分子は、サイトカイン(DNAワクチンによりコードされるCAポリペプチドに対する免疫原性応答を増大する)を含む。さらなるアジュバントまたは代替的なアジュバントは、当業者に公知であり、発明での有用性を見出す。
((d)抗体)
一つの実施形態において、癌インヒビターは、上で考察されたような抗体である。一つの実施形態において、本発明のCAタンパク質は、CAタンパク質に対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を生成するために使用され得、それは本明細書に記載されるように有用である。同様に、CAタンパク質は、標準技術を用いて、アフィニティークロマトグラフィーカラムに結合され得る。次いで、これらのカラムは、CA抗体を精製するために使用され得る。好ましい実施形態において、抗体は、CAタンパク質に特有のエピトープに対して生成される;すなわち、抗体は、他のタンパク質に対して、ほとんどもしくは全く交差反応を示さない。これらの抗体は、多くの適用において有用性を見出す。例えば、CA抗体は、標準アフィニティークロマトグラフィーカラムに結合され得、CAタンパク質を精製するために使用され得る。抗体はまた、CAタンパク質に特異的に結合するので、上に概要が述べられているように、ポリペプチドをブロッキングする際に治療的に使用され得る。
本発明は、コードされるポリペプチドに特異的な抗体を使用して、生物学的サンプル中のポリペプチドの存在を検出する方法および/または生物学的サンプル中のポリペプチドのレベルを測定する方法を、さらに提供し、ここで、CAポリペプチドは、癌細胞において差次的に発現するCAポリヌクレオチドによってコードされる。これらの方法は、一般に以下を包含する:a)サンプルを、CAポリヌクレオチド(前立腺癌細胞において差次的に発現する)によってコードされるポリペプチドに特異的な抗体と接触させる工程;およびb)抗体とサンプルの分子との間の結合を検出する工程。
適切なコントロールと比較した場合、コードされる癌関連ポリペプチドに特異的な抗体の特定の結合の検出は、コードされるポリペプチドがサンプル中に存在することの指標である。適切なコントロールとしては、コードされるCAポリペプチドを含まないことが既知であるサンプル、または高いレベルのポリペプチドを含まないことが既知であるサンプルが挙げられる;例えば、正常組織、およびコードされるポリペプチドに特異的でない抗体(例えば、抗イディオタイプ抗体)に接触されたサンプル。特異的な抗体−抗原相互作用を検出するための種々の方法は、当該分野で公知であり、そして以下に挙げられるがこれらに限定されない方法において、使用され得る:標準的な免疫組織学的方法免役沈降、酵素イムノアッセイ、およびラジオイムノアッセイ。一般に、特異的抗体は、直接または間接に、検出可能に標識される。直接標識としては、放射性同位体;その産物が検出可能である酵素(例えば、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼなど);蛍光標識(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリンなど);蛍光放射金属(例えば、金属キレート基(例えば、EDTA)を介して抗体に結合する152Euまたは他ランタニド系列;化学発光化合物(例えば、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウム塩など);生物発光化合物(例えば、ルシフェリン、アクオリン(緑色蛍光タンパク質)など)が、挙げられる。この抗体は、ポリスチレンプレートまたはポリスチレンビーズのような不溶支持体に結合(attach)(結合(couple))し得る。間接標識としては、コードされるポリペプチドに特異的な抗体(「一次特異的抗体」)に特異的な二次抗体(この二次抗体は、上述のように標識される);および特異的結合対(例えば、ビオチン−アビジン)のメンバーなどが挙げられる。生物学的サンプルは、ニトロセルロースのような固体支持体またはキャリア(細胞、細胞粒子または可溶性タンパク質を固定化し得る)と接触し、固定化され得る。次いで、この支持体は、適切な緩衝液で洗浄され得、その後、検出可能標識された一次特異的抗体と接触され得る。当該分野で公知の検出方法は、検出可能標識により発されるシグナルに適切であるように選択される。検出は、一般に、適切なコントロールおよび適切な標準との比較によって実行される。
幾つかの実施形態において、本方法は、例えば、インビボでの使用に適合され、癌細胞が存在する部位を位置決めまたは同定する。これらの実施形態において、検出可能に標識された部分(例えば、抗体)は、癌関連ポリペプチドに特異的であり、例えば、注入によって個体に投与され、標識された細胞は、標準的な画像化技術(磁気共鳴画像化、コンピューター断層走査などが挙げられるが、これらに限定されない)を用いて位置決めされる。この様式において、癌細胞は、差次的に標識される。
((e)癌の検出および診断)
理論に束縛されずに、種々のCA配列は、癌において重要であるようである。従って、変異体または改変体のCA遺伝子に基づいた障害が、決定され得る。一つの実施形態において、本発明は、細胞において少なくとも一つの内因性CA遺伝子の配列の全部または一部を決定することを包含する、改変体CA遺伝子を含む細胞を同定するための方法を提供する。当業者により理解されるように、これは、任意の数の配列決定の技術を使用して行われ得る。好ましい実施形態において、本発明は、個体の少なくとも一つのCA遺伝子の配列の全部または一部を決定することを包含する、1個体のCA遺伝子型を同定する方法を提供する。これは、概して、少なくとも一つの個体組織において実施され、多くの組織または同一組織の異なるサンプルの評価を包含し得る。この方法は、配列決定されたCA遺伝子の配列と公知のCA遺伝子(すなわち、野生型遺伝子)とを比較することを包含し得る。当業者により理解されるように、あるCA遺伝子の配列における変化は、疾患の存在または疾患を発生する傾向、または予後評価のいずれかの指標であり得る。
次いで、CA遺伝子の全部または一部の配列は、任意の相違が存在するか否かを決定するために公知のCA遺伝子の配列と比較され得る。これは、任意の数の公知の相同性プログラム(例えば、Bestfitなど)を用いて、実施され得る。好ましい実施形態において、患者のCA遺伝子と公知CA遺伝子との間の配列における相違の存在は、本明細書で概要が述べられているように、疾患状態の指標または疾患状態についての傾向の指標である。
好ましい実施形態において、CA遺伝子は、ゲノムにおけるCA遺伝子のコピー数を決定するためのプローブとして使用され得る。例えば、幾つかの癌は、染色体欠失または挿入を呈し、その結果、遺伝子のコピー数が変化する。
別の好ましい実施形態において、CA遺伝子は、CA遺伝子の染色体位置を決定するためのプローブとして使用される。染色体異常(例えば、転座など)などがCA遺伝子座で同定される際、染色体位置のような情報は、特に診断または予後診断を提供する有効性を見出す。
本発明は、癌細胞を検出するために本明細書中で記載されるポリヌクレオチドを使用する方法、被験体における癌の診断および癌の重症度(例えば、腫瘍の段階、腫瘍体積など)を容易にする方法、被験体の予後の決定を容易にする方法、および治療に対する被験体の応答性を評価する方法(例えば、化学療法レジメンの間、またはその後に、腫瘍体積を評価することで、治療効果の測定を提供することによって)を提供する。検出は、癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドの検出、および/または癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの検出に基づき得る。本発明の検出方法は、単離された細胞、または全組織または体液(例えば、血液、血漿、精液、尿など)に対して、インビトロまたはインビボで実施され得る。
幾つかの実施形態において、癌細胞において差次的に発現される転写物の細胞における発現を検出することによって癌細胞を検出するための方法が、提供される。任意の種々の公知の方法が、以下が挙げられるが、これらに限定されない検出のために使用され得る:前立腺癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによる転写物の検出;特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応による転写物の検出;前立腺癌において差次的に発現される遺伝子にハイブリダイズするポリヌクレオチドをプローブとして使用する、細胞のインサイチュハイブリダイゼーション。これらの方法を使用して、癌細胞において差次的に発現される遺伝子のmRNAレベルを検出および/または測定し得る。幾つかの実施形態において、これらの方法は、a)本明細書に記載される差次的に発現される遺伝子とサンプルとをハイブリダイゼーションを可能にする条件下で接触させること;および、b)存在する場合に、ハイブリダイゼーションを検出することを含む。
差次的ハイブリダイゼーションの検出は、適切なコントロールと比較した場合に、癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドのサンプル中での存在の指標となる。適切なコントロールとしては、例えば、癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドを含まないことが既知であるサンプルが挙げられ、そして、癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドとして同じ「センス」の標識されたポリヌクレオチドの使用を含む。ハイブリダイゼーションを可能にする条件は、当該分野で公知であり、上で詳述されている。検出はまた、任意の公知の方法(インサイチュハイブリダイゼーション、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、RT−PCR(逆転写−PCR)、TMA、bDNA、およびNasbauならびに「Northan」ブロッティングもしくはRNAブロッティング、またはこのような技術の組み合わせ(これらは、適切に標識されたポリヌクレオチドを使用する)が挙げられるが、これらに限定されない)によって達成され得る。ポリヌクレオチドに対する種々の標識および標識方法は、当該分野で公知であり、本発明のアッセイ方法において使用され得る。ハイブリダイゼーションの特異性は、適切なコントロールに対する比較によって決定され得る。
一般的に、本明細書に提供されるポリヌクレオチドの少なくとも10nt、少なくとも12ntまたは少なくとも15nt連続するヌクレオチドを含み、例えば、表1〜6に示されるような配列を有するポリヌクレオチドが種々の目的(例えば、前立腺癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドの転写レベルを検出および/または測定するためのプローブ)に対して使用される。当業者によって容易に理解されるように、このプローブは、検出可能に標識され得、そして、例えば、試験サンプルから得られる固定化されたポリヌクレオチド(例えば、mRNA)を含むアレイと接触され得る。あるいは、このプローブは、アレイ上に固定化され得、そして試験サンプルは検出可能に標識される。本発明の方法のこれらのバリエーションおよび他のバリエーションは、十分に当該分野の技術内であり、本発明の範囲内である。
ヌクレオチドプローブを使用して、提供されたポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現を検出する。Northernブロットにおいて、mRNAは電気泳動で分離され、そしてプローブと接触される。特定のサイズのmRNA種にハイブリダイズする際に、プローブが検出される。ハイブリダイゼーションの量を定量して、例えば、特定の条件下での発現の相対量を決定し得る。細胞に対するインサイチュハイブリダイゼーションに対してプローブを使用して、発現を検出する。プローブはまた、ハイブリダイズ配列の診断的検出のために使用され得る。プローブは、代表的に、放射性同位体により標識される。例えば、発色団、発蛍光団、および酵素のような他の型の検出可能な標識が使用され得る。ヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイの他の例は、WO92/02526および米国特許第5,124,246号に記載される。
PCRは、少量の標的核酸を検出するための別の手段である(例えば、Mullisら,Meth.Enzymol.(1987)155:335;米国特許第4,683,195号;および同第4,683,202号を参照のこと)。標的核酸とハイブリダイズする2つのプライマーオリゴヌクレオチドを使用して、反応をプライムする。これらのプライマーは、本明細書中に開示されるCAポリヌクレオチド内の配列またはCAポリヌクレオチドに対して3’および5’から構成され得る。あるいは、これらのプライマーが、これらのポリヌクレオチドに対して3’および5’である場合、これらのプライマーは、これらのポリヌクレオチドまたはそれらの相補体にハイブリダイズする必要はない。
熱安定ポリメラーゼによる標的の増幅後、増幅された標的核酸は、当該分野で公知の方法(例えば、Southernブロット)によって検出され得る。mRNAまたはcDNAはまた、従来のブロッティング技術(例えば、Southernブロット、Northernブロットなど)によって検出され得、これらの技術は、Sambrookら,「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」(New York,Cold Spring Harbor Laboratory,1989)(例えば、PCR増幅を用いない)に記載される。一般に、ポリメラーゼ酵素を用いてmRNAから生成されたmRNAまたはcDNAは、ゲル電気泳動を用いて精製および分離され得、そして固体支持体(例えば、ニトロセルロース)に移される。固体支持体は、標識されたプローブに曝され、洗浄されて、いかなるハイブリダイズしていないプローブを除去し、そして標識されたプローブを含む二重鎖が検出される。
PCR増幅を用いる方法は、単一の細胞由来のDNAに対して実施され得るが、少なくとも約10の細胞を使用することが都合が良い。ポリメラーゼ連鎖反応の使用は、Saikiら,(1985)Science 239:487、および現在の技術の概説は、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,CSH Press 1989,pp.14.2〜14.33に見出され得る。検出可能な標識は、増幅反応に含まれ得る。適切な検出可能な標識としては、発蛍光団(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、Texas Red、フィコエリトリン、アロフィコシアニン、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM)またはN,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA))、放射性標識(例えば、32P、35S、Hなど)などが挙げられる。この標識は、2段階の系であり、ここで、ポリヌクレオチドは、ビオチン、ハプテンなどに結合体化し、これらは、高親和性結合パートナー(例えば、アビジン、特異的抗体など)を有し、ここで、結合パートナーは、検出可能な標識に結合体化される。標識は、これらのプライマーの1つまたは両方に結合体化され得る。あるいは、増幅において使用されるヌクレオチドのプールを標識して、標識を増幅産物へ組み込む。
検出方法は、キットの一部として提供され得る。従って、本発明はさらに、生物学的サンプルにおいて、癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチド、およびそれによってコードされるポリペプチドの存在および/またはレベルを検出する(例えば、差次的に発現される目的の遺伝子によりコードされるmRNAの検出により)ためのキットを提供する。これらのキットを使用する手順は、臨床研究室、実験的研究室、医師、または各個人によって実施され得る。癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを検出するための本発明のキットは、ポリペプチドに特異的に結合する部分を含み得、これは、ポリペプチドまたはそのフラグメントに結合する抗体であり得る。癌細胞において差次的に発現されるポリヌクレオチドを検出するために使用される本発明のキットは、このようなポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする部分を含み得る。このキットは、必要に応じて、この手順において有用なさらなる構成要素を含み得、これらとしては、緩衝液、現像試薬、標識、反応表面、検出手段、コントロールサンプル、標準物質、指示書、および解釈情報が挙げられるが、これらに限定されない。従って、本発明は、表1〜6に示される配列を有するポリヌクレオチドまたはそのフラグメントの少なくとも1つを含む前立腺癌を検出するためのキットを提供する。
本発明はさらに、哺乳動物(例えば、ヒト)において腫瘍性状態または前新生物状態を検出/診断する方法に関する。本明細書中で使用される場合、「診断」は、一般に、疾患または障害の疑いのある被験体の決定、被験体が現在疾患または障害に罹患しているか否かの決定、疾患または障害に罹患している被験体の予後診断(例えば、前転移性癌性状態または転移性癌性状態、癌の段階、または治療に対する癌の応答性)、ならびに治療測定(therametrics)(例えば、被験体の状態をモニタリングして、治療の効果または有効性に関する情報を提供する)を含む。
用語「処置」、「処置すること」、「処置する」などは、本明細書中で一般に、所望の薬理学的効果および/または生理学的効果を得ることをいうために使用される。効果は、疾患またはその症状を完全にもしくは部分的に予防するという観点から予防的であり得るか、そして/あるいは、疾患および/もしくは疾患の原因となり得る副作用に対する部分的または完全な安定化もしくは治癒の観点から治療的であり得る。「処置」は、本明細書中で使用される場合、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の処置を含み、そして、以下の工程を包含する:(a)疾患または症状に罹患する状態にあり得るが、罹患しているとは診断されていない被験体において、疾患または症状が発生することを予防する工程;(b)疾患症状を阻害する工程(すなわち、その発生を停止させる工程);または(c)疾患症状を軽減する工程(すなわち、疾患または症状の退行を引き起こす工程)。
「有効量」は、臨床結果を含む有益または所望の結果をもたらすのに十分な量である。有効量は、1つ以上の投与で投与され得る。
「細胞サンプル」は、個体から得られる種々のサンプルの型を含み、診断アッセイまたはモニタリングアッセイにおいて使用され得る。この定義は、生物学的起源の血液および他の液体サンプル、固形組織サンプル(例えば、生検標本)または組織培養物またはそれから誘導される細胞、ならびにその子孫を含む。この定義はまた、それらの獲得後に任意の方法(例えば、試薬による処理、可溶化、または特定の成分(例えば、タンパク質もしくはポリヌクレオチド)に対する冨化による)で操作されるサンプルを含む。用語「細胞サンプル」は、臨床サンプルを含み、そしてまた、培養物中の細胞、細胞上清、細胞溶解物、血清、血漿、生物学的流体、および組織サンプルを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「腫瘍性細胞」、「腫瘍性」、「腫瘍」、「腫瘍細胞」、「癌」および「癌細胞」(これらは交換可能に使用される)は、相対的に自律的な増殖を呈し、その結果、細胞増殖(すなわち、自由な細胞分裂)の制御の有意な損失によって特徴付けられる異常な増殖表現型を呈する細胞をいう。腫瘍性細胞は、悪性または良性であり得る。
用語「個体」、「被験体」、「宿主」、および「患者」は、本明細書中で交換可能に使用され、診断、処置または治療が所望される任意の哺乳動物被験体(特に、ヒト)をいう。他の被験体としては、ウシ、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマなどが挙げられ得る。これらの方法に従って検出/診断され得る状態の例としては、癌が挙げられ得る。適切な発現パターンを呈する遺伝子に対応するポリヌクレオチドを使用して、被験体における癌を検出し得る。癌のマーカーの概説については、例えば、Hanahanら,Cell 100:57−70(2000)を参照のこと。
1つの検出/診断方法は、以下を含む:(a)哺乳動物(例えば、ヒト)から生物学的サンプルを得る工程、(b)サンプル中のCAタンパク質の存在を検出する工程および(c)存在するサンプルの量とコントロールサンプル中の量とを比較する工程。本方法に従って、サンプル中のCA遺伝子産物の上昇したレベルの存在は、被験体が腫瘍性状態または前新生物性状態にあることを示す。
本方法の使用に適切な生物学的サンプルとしては、生物学的流体(例えば、血清、血漿、胸水、尿および大脳−脊髄液、CSF)が挙げられ、組織サンプル(例えば、乳腺腫瘍または前立腺組織切片)がまた、本発明の方法において使用され得、サンプルとしては、生検に由来するサンプルが挙げられる。細胞培養物または、例えば、組織生検に由来する抽出物もまた、使用され得る。
化合物は、好ましくは、結合タンパク質(例えば、抗体、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメント)であり、これは、検出可能なマーカー(例えば、発色団、発蛍光団または同位体など)により標識され得る。適切である場合、化合物は、固体支持体(例えば、ビーズ、プレート、フィルター、樹脂など)に結合され得る。複合体の形成の決定は、第1の化合物(または複合体)に特異的に結合するさらなる化合物(例えば、抗体)とこの複合体とを接触させることによって実施され得る。第1の化合物のように、さらなる化合物は、固体支持体に結合され得、そして/または検出可能なマーカーにより標識され得る。
本発明に従う上昇したCAタンパク質レベルの同定は、アジュバント療法から利益を享受する可能性のある被験体(患者)の同定を可能にする。例えば、第一次療法後の被験体(例えば、手術を受けた被験体)からの生物学的サンプルは、循環CAタンパク質の存在についてスクリーニングされ得、正常な集団の研究により決定された同タンパク質の上昇したレベルの存在は、残存腫瘍組織の指標である。同様に、外科的に除去された腫瘍の切断部位からの組織が試験され得(例えば、免疫蛍光により)、(周囲の組織に対して)上昇した生成物レベルの存在が、腫瘍の不完全な除去の指標である。このような被験体を同定する能力は、特定の患者の要求に対して治療を取り繕うことを可能にする。非外科的治療(例えば、化学療法または放射線療法)を受けた被験体もまたモニターされ得、このような上昇したCAタンパク質レベルの被験体由来のサンプルにおける存在は、継続的な処置を必要とする患者の指標である。疾患の段階分け(staging)(例えば、処置レジメンを最適化する目的で)もまた、例えば、バイオプシーにより(例えば、CAタンパク質に対する抗体を用いたバイオプシーにより)なされ得る。
(f)動物モデルおよびトランスジェニック
別の好ましい実施形態において、CA遺伝子は、癌(特にリンパ腫および癌腫)の動物モデルを作製する有用性を見出す。当業者により理解されるように、同定されたCA遺伝子が、CA組織内で抑制されるまたは減少される際、アンチセンスRNAがCA遺伝子に指向された遺伝子治療技術もまた、遺伝子の発現を減少または抑制する。そのように作製された動物は、生物活性薬剤候補のスクリーニングにおける有用性を見出すCAの動物モデルとして機能する。同様に、例えば、適切な遺伝子標的化ベクターを用いた相同性組換えの結果としての、遺伝子ノックアウト技術は、CAタンパク質の非存在という結果となる。
CAタンパク質が癌において過剰発現される可能性もある。所望ならば、CAタンパク質の組織特異的な発現またはノックアウトは、必要であり得る。従って、CAタンパク質を過剰発現するトランスジェニック動物が作製され得る。所望の発現レベルに依存して、種々の強度のプロモーターが、トランスジーンを発現するために使用され得る。また、組み込まれたトランスジーンのコピー数は、トランスジーンの発現レベルの決定のために、決定および比較され得る。このような方法により作製された動物は、CAの動物モデルとしての有用性を見出し、癌腫の処置のための生物活性分子のスクリーニングにおいてさらに有用である。
((g)CA配列の特徴付け)
本発明のCA核酸配列を表1〜6に示す。各表の配列は、マウス遺伝子およびヒト遺伝子の両方についてのDNA配列、mRNAに対応する配列およびmRNAによってコードされるタンパク質のアミノ酸配列を含む。異なる配列には、以下の配列番号を割り当てた:
表1(マウス遺伝子:Fscn1;ヒト遺伝子SNL)
マウスゲノム配列(配列番号1)
マウスmRNA配列(配列番号2)
マウスコード配列(配列番号3)
ヒトゲノム配列(配列番号4)
ヒトmRNA配列(配列番号5)
ヒトコード配列(配列番号6)
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表2(マウス遺伝子:Fosb;ヒト遺伝子FOSB)
マウスゲノム配列(配列番号7)
マウスmRNA配列(配列番号8)
マウスコード配列(配列番号9)
ヒトゲノム配列(配列番号10)
ヒトmRNA配列(配列番号11)
ヒトコード配列(配列番号12)
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表3(マウス遺伝子:Ccnd1;ヒト遺伝子CCND1)
マウスゲノム配列(配列番号13)
マウスmRNA配列(配列番号14)
マウスコード配列(配列番号15)
ヒトゲノム配列(配列番号16)
ヒトmRNA配列(配列番号17)
ヒトコード配列(配列番号18)
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表4(マウス遺伝子:Myc;ヒト遺伝子MYC)
マウスゲノム配列(配列番号19)
マウスmRNA配列(配列番号20)
マウスコード配列(配列番号21)
ヒトゲノム配列(配列番号22)
ヒトmRNA配列(配列番号23)
ヒトコード配列(配列番号24)
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表5(マウス遺伝子:Nfkb1;ヒト遺伝子NFKB1)
マウスゲノム配列(配列番号25)
マウスmRNA配列(配列番号26)
マウスコード配列(配列番号27)
ヒトゲノム配列(配列番号28)
ヒトmRNA配列(配列番号29)
ヒトコード配列(配列番号30)
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表6(ヒトPVT1)
ヒト転写産物(配列番号31)
ヒトゲノム(配列番号32)
ヒトタンパク質(配列番号33)
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本発明の特定の局面は、続く非限定的な実施例においてより詳細に記載される。
以下の実施例は、本発明の生成方法および使用方法の完全な開示および詳細を当業者に提供するために記されており、本発明者らの発明に関する範囲を限定することを意図せず、また以下の実施例は、実施した実験全てであり、かつ実施した実験のみであることを表すことを意図していない。使用する数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保する努力がなされているが、ある程度の実験誤差および偏差が考慮されるべきである。そうでないことが示されない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏であり、そして圧力は大気圧またはその付近である。
(実施例1:マウスにおける腫瘍誘導後の挿入部位の分析)
マウス乳房腫瘍ウイルス(MMTV)またはマウス白血病ウイルス(MLV)のいずれかを用いて、腫瘍をマウスにおいて誘導する。MMTVは乳房腺癌を引き起こし、そしてMLVは、種々の異なる造血性悪性腫瘍(主に、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)を引き起こす。3つの経路の感染を使用する:(1)新生仔への精製したウイルス調製物の注射、(2)育児中の乳骨ウイルスによる感染、および(3)生殖系列を介した病原性プロウイルスの遺伝子導入(Akvr1および/またはMtv2)。各々の罹患マウスに存在する悪性腫瘍の型を、ホルマリン固定、パラフィン包埋バイオプシーサンプルのH&E染色薄切片の組織学的分析により決定する。各々の腫瘍における、全てのクローン組み込みプロウイルスに隣接する宿主DNA配列を、2つのウイルス特異的プライマーおよび制限酵素消化された腫瘍DNAに連結された40bp二本鎖DNAアンカーに特異的な2つのプライマーを用いる入れ子のアンカーPCRにより回収する。宿主/ウイルス連結フラグメントを表す増幅したバンドをクローニングし、配列決定する。次いで、宿主配列(「タグ」と呼ばれる)を、Cerelaマウスゲノム配列をBLAST分析するのに使用される。各個々のタグについて、3つのパラメータを記録する:(1)マウス染色体配置、(2)組み込みが起こる塩基対座標、および(3)プロウイルス指向性。この情報を用いて、全ての分析した腫瘍からの全ての利用可能なタグを、マウスゲノムにマッピングする。プロウイルス挿入変異のプロトオンコジーン標的を同定するため、組み込み体の各クラスターにおけるプロウイルス組み込みパターンを、トランスクリプトーム(transcriptome)中の全ての既知遺伝子の位置に対して分析する。2つ以上の独立した腫瘍における同じ遺伝子座におけるプロウイルスの存在は、プロトオンコジーンがプロウイルス組み込み部位またはその非常に近い位置に存在する明白な証拠である。その理由は、ランダム組み込みにはゲノムは長すぎて観察可能なクラスター形成がなされないからである。検出される任意のクラスター形成は、腫瘍形成の間の生物学的選択についての明瞭な証拠である。プロウイルス挿入変異のプロトオンコジーン標的のヒトオルソログを同定するためにマウスゲノムおよびヒトゲノムの合成領域の比較分析を実施する。
宿主/ウイルス連結フラグメントのPCR増幅の例を、図1に示す。レーン1は、正常なコントロールDNAからの増幅産物を含み、そしてレーン2は、腫瘍DNAからの増幅産物を含む。これらのバンドは、DNAサンプル中に存在する5’宿主/ウイルス連結フラグメントから生じる。レーン1は、全てのプロウイルスからのenv/3’LTR連結由来のバンドを有し(上)、病原性内因性Mtv2プロウイルス由来の宿主/5’LTRが、この特定のマウス系統に存在する。この内因性プロウイルスの配列は、腫瘍中の新規のクローン組み込みプロウイルスと同一なので、内因性プロウイルスを検出する。腫瘍に存在することが知られている4つ全ての新規のクローン組み込みプロウイルスは、容易に検出される。
(実施例2.定量RT−PCRの分析:比較C法)
標的遺伝子の発現レベルを、ABI PRISM 7900HT Sequence Detection System(Applied Biosystems,California)を用いて定量する。この方法は、参照(正規化群)ハウスキーピング遺伝子(Pre−Developed TaqMan(登録商標)Assay Reagents Gene Expression Quantification Protocol,Applied Biosystems,2001)のコピー数と比較した場合の標的テンプレートの最初のコピー数の量に基づく。各々のPCRサイクルによるDNA産物の蓄積は、増幅効率および初期テンプレート濃度に関連する。従って、標的および正規化群の両方の増幅効率は、ほぼ等しくなければならない。出発テンプレートコピー数およびDNA増幅効率に依存する閾値サイクル(C)は、PCR産物の増幅(growth)が指数関数的である間のPCRサイクルである。標的および正規化群についての類似する動的な範囲と共に、比較C法が適用可能である。
定量RT−PCRについての遺伝子発現の比較C法の例を、図2に示す。第1の工程において、正常組織およびいくつかのサンプル組織に対して4連でアッセイを実施する。これらの組織において、C値の平均および標準偏差を、ハウスキーピング遺伝子(疾患状態と無関係に、種々のサンプル間で生物学的に安定であることが示される場合、コントロールとして選択される)および標的遺伝子について決定する。図2は、ハウスキーピング遺伝子および標的遺伝子の平均C値の例を示す。これらの値は、特定の組織におけるその遺伝子の固有の発現レベルに依存して、10代前半〜40の範囲内であり得る。全ての複製セットの変動係数は、1.5%を超過し得ない。
ΔCがテンプレート希釈と共にどのように変化するかの評価は、テンプレートRNAの対数入力量 対 ΔCプロットが<0.10の傾斜を有する場合に標的およびハウスキーパーアンプリコンの効率がほぼ等しいことを立証する。標的およびハウスキーパーについて立証された相対効率により、上述のようにΔΔC比較計算が有効となる。種々のサンプル値についての標的およびハウスキーパー遺伝子のC値(ΔC)の間の算出された差を図3に示す。ΔΔCを、規定(較正)サンプルのΔC値からそのΔC値を引くことによって、各々のサンプルについて計算する。いくつかのサンプルにおいて発現が増加し、他のサンプルにおいて減少する場合、ΔΔCは、ネガティブ値とポジティブ値の混合である。計算の最終工程は、これらの値を絶対値に変換することである。その式は、以下の通りである:
比較発現レベル=2−ΔΔCT
キャリブレーターについての最終値は、必ず1つであるはずである。図4は、図3からの各サンプルについてのΔΔCおよび比較発現レベルを示す。
(実施例3.癌サンプルにおける種々の遺伝子のmRNA発現の分析)
mRNAを、当該分野で公知のような標準的な手順により種々の癌サンプルから調製した。遺伝子発現を、上記実施例2に記載されるように、かつ以下にさらに記載されるようにして測定した。5’−ヌクレアーゼ(TaqMan)化学は、2つのPCRプライマーの間でアニーリングする二重標識(レポーターおよびクエンチャー)蛍光プローブを添加する点が、標準的なPCRとは異なる。レポーター色素の蛍光は、近接するクエンチャーによりクエンチされる。熱サイクルの間、Taq DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性は、アニーリングしたプローブを開裂し、そしてレポーターおよびクエンチャー色素を遊離させる。蛍光の増加が見られ、そして蛍光がバックグラウンドを越えて増加するサイクル数は、対数直線様式でその出発テンプレート濃度に関連する。
データ分析のために、標的遺伝子の発現レベルを、ハウスキーピング遺伝子の発現レベルで正規化した。ハウスキーピング遺伝子の平均発現レベルを、標的遺伝子の平均発現レベルから引いた。次いで、標準偏差を決定した。さらに、癌組織における標的遺伝子の発現レベルを、正常組織における標的遺伝子の発現レベルと比較する。図5〜24において、バーは、発現レベルの平均を表し、そして誤差バーは、標準偏差を現す。
(i)SNL1
図5は、乳癌組織におけるSNL1のmRNA発現を正常組織における発現と比較して示す。サンプル1〜50は乳癌サンプルである。サンプル51および52は、正常組織である。SNL1は、試験した乳癌サンプルの約20%においてアップレギュレートされた。
(ii)FOSB
図6は、結腸癌組織におけるFOSBのmRNA発現を正常組織における発現と比較して示す。サンプル1〜11は正常サンプルである。サンプル12〜31は、結腸癌組織である。
図7は、肺癌組織におけるFOSBのmRNA発現を正常組織における発現と比較して示す。サンプル1〜9は正常サンプルである。サンプル10〜43は、肺癌組織である。
図8は、膵臓癌組織におけるFOSBのmRNA発現を正常組織における発現と比較して示す。サンプル1〜10は正常サンプルである。サンプル11〜31は、膵臓癌組織である。
図9は、卵巣癌組織におけるFOSBのmRNA発現を正常組織における発現と比較して示す。サンプル1〜16は正常サンプルである。サンプル17〜44は、卵巣癌組織である。
図10は、胃癌組織におけるFOSBのmRNA発現を正常組織における発現と比較して示す。サンプル1〜10は正常サンプルである。サンプル11〜39は、胃癌組織である。FOSBは、試験した乳癌サンプルの約26%においてアップレギュレートされた。
図11は、乳癌組織におけるFOSBのmRNA発現を正常組織における発現と比較して示す。サンプル1〜9は正常サンプルである。サンプル10〜30は、乳癌組織である。
図12は、前立腺癌組織におけるFOSBのmRNA発現を正常組織における発現と比較して示す。サンプル1〜7は正常サンプルである。サンプル8〜37は、前立腺癌組織である。
(iii)MYC
図13は、正常な組織における発現と比較される乳癌組織におけるMYCのmRNA発現を描く。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。MYCは、試験される乳癌サンプルのおよそ8%アップレギュレートされた。
図14は、正常な組織における発現と比較される乳癌組織におけるMYCのDNA増幅を描く。サンプル1〜49は、乳癌サンプルである。MYC DNAは、試験される乳癌サンプルのおよそ約21%増幅された。
(iv)CCND1
図15は、正常な組織における発現と比較される乳癌組織におけるCCND1のmRNA発現を描く。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。サンプル51および52は、正常な組織である。CCND1は、試験される乳癌サンプルのおよそ26%アップレギュレートされた。
図16は、正常な組織における発現と比較される結腸癌(S字結腸)組織におけるCCND1のmRNA発現を描く。サンプル1〜12は、正常なサンプルである。サンプル13〜29は、結腸癌組織である。
図17は、正常な組織における発現と比較される結腸癌(横行結腸)組織におけるCCND1のmRNA発現を描く。サンプル1〜12は、正常なサンプルである。サンプル13〜30は、結腸癌組織である。
図18は、正常な組織における発現と比較される肺組織におけるCCND1のmRNA発現を描く。サンプル1〜9は、正常なサンプルである。サンプル10〜43は、肺癌組織である。
図19は、正常な組織における発現と比較される卵巣組織におけるCCND1のmRNA発現を描く。サンプル1〜14は、正常なサンプルである。サンプル15〜41は、卵巣癌組織である。
(v)NFKB1
図20は、正常な組織における発現と比較される乳癌組織におけるNFKB1のmRNA発現を描く。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。サンプル51および52は、正常な組織である。NFKB1は、試験される乳癌サンプルのおよそ25%アップレギュレートされた。
図21は、正常な組織における発現と比較される肺組織におけるNFKB1のmRNA発現を描く。サンプル1〜9は、正常なサンプルである。サンプル10〜44は、肺癌組織である。
図22は、正常な組織における発現と比較される皮膚組織におけるNFKB1のmRNA発現を描く。サンプル1〜9は、正常なサンプルである。サンプル10〜46は、皮膚癌組織である。
(vi)PVT1
図23は、正常な組織における発現と比較される乳癌組織におけるPVT1のmRNA発現を描く。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。PVT1は、試験される乳癌サンプルのおよそ10%アップレギュレートされた。
図24は、正常な組織における発現と比較される乳癌組織におけるPVT1のDNA増幅を描く。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。
(実施例4:アレイを使用する癌と関連付けられるcDNAの増加したレベルの検出)
癌における示差的発現についてスクリーニングされる種々の候補CA遺伝子を表すcDNAは、ポリヌクレオチドアレイにおけるハイブリダイゼーションによりアッセイされる。cDNA配列は、目的の細胞株または組織から単離されるcDNAクローンを含む。分析されるcDNA配列はまた、Unigeneデータベースにおける配列と重複する配列を含むポリヌクレオチドを含み、この重複する配列は、種々の起源、機能および特徴づけのレベルの種々の遺伝子産物をコードする。cDNAは、cDNAのおよそ200ng/μlのおよそ0.8μlで二連でスポットされる4,068配列(コントロールを含む)を表すスライド当たり9,216スポットの密度で当該分野で周知の方法に従って、反射スライド(Amersham)上にスポットされる。
目的の遺伝子産物に対応する選択されたcDNAクローンのPCR産物は、50%DMSO溶液中で調製される。これらのPCR産物は、Molecular Dynamics Generation III spotting robotを使用してアレイ当たり9216クローンの密度でAmershamアルミニウムマイクロアレイスライド上にスポットされる。クローンは、チップ当たり合計4608の異なる配列について二連でスポットされる。
cDNAプローブは、患者から単離される腫瘍組織サンプルおよび正常な組織サンプルのレーザー捕捉微小切開(LCM,Arcturus Enginering Inc.,Mountain View,CA)により得られる総RNAから調製される。
総RNAは、最初に、T7 RNAポリメラーゼプロモーターを含むプライマーを使用してcDNA中に逆転写され、続いて第2の鎖DNA合成が行われる。次いで、cDNAは、インビトロで転写され、T7プロモーター媒介発現(例えば、Luoら(1999)Nature Med5:117−122)を使用するアンチセンスRNAを生成し、次いでアンチセンスRNAは、cDNAに変換される。cDNAの第2のセットは、T7プロモーターを使用して、インビトロで再び転写され、アンチセンスRNAを提供する。次いで、このアンチセンスRNAは、蛍光標識され、またはRNAが再びcDNAに変換され、T7媒介増幅の第3ラウンドを可能にし、より多くのアンチセンスRNAを生成する。従って、この手段は、インビトロ転写の2ラウンドまたは3ラウンドを提供し、蛍光標識に使用される最終RNAを生成する。プローブは、RNA出発物質から蛍光標識されたcDNAを作製することにより標識される。腫瘍RNAサンプルから調製される蛍光標識されたcDNAは、正常な細胞RNAサンプルから調製される蛍光標識されたcDNAと比較される。例えば、正常な細胞からのcDNAプローブは、Cy3蛍光色素(緑)で標識され、そして推定される癌細胞から調製されるcDNAプローブは、Cy5蛍光色素(赤)で標識される。
差示的な発現アッセイが、同じ患者の腫瘍細胞からのプローブと正常な細胞からのプローブを等しい量混合することにより実施される。アレイが、5×SSC、0.2%SDS、1mM EDTAで60℃で約2時間インキュベーションすることにより予めハイブリダーゼーションされ、次いで水で3回、イソプロパノールで2回洗浄する。アレイの予めのハイブリダイゼーションに続いて、プローブ混合物が、高ストリンジェントな条件(50%ホルムアミド、5×SSCおよび0.2%SDS中で一晩)でアレイにハイブリダイゼーションされる。ハイブリダイゼーション後、このアレイは、以下のように50℃で3回洗浄される:1)1×SSC/0.2% SDSにおいて一回目の洗浄;2)0.1×SSC/0.2% SDSにおいて二回目の洗浄;および3)0.1×SSCにおいて三回目の洗浄。
次いで、このアレイを、Molecular Dynamics Generation III dual color laser−scanner/detectorを使用して緑色蛍光および赤色蛍光についてスキャンした。イメージをBioDiscovery Autogeneソフトウェアを使用してプロセスし、各々のスキャンからのデータを標準化する。この実験を繰り返し、両方の「色指示」におけるアッセイを実施するために、この場合2つのプローブを全く異なる色で標識する。各々の実験は、時々2つ以上のスライド(各々の色指示において1つ)で繰り返される。各々のスキャンからのデータは、標準化され、そして4つのアレイから8複製スポット/遺伝子または2つのアレイからの4複製スポット/遺伝子またはいくつかの他の順列の幾何学的平均の比として表現されるアレイ上の各々の配列についての蛍光のレベルである。
標準化:標準化の目的は、特定の細胞型または組織において発現される全ての転写物が同様に表されるcDNAライブラリを生成することであり(S.M.Weissman,Mol Biol.Med.4(3):133−143(1987);Patanjaliら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88(5):1943−1947(1991))、従って最適標準化されたライブラリにおけるわずか30,000の組換えクローンの単離は、細胞の完全遺伝子発現レパートリー(細胞当たりの数10,000と推定される)を表し得る。
総RNAは、RNeasyTM Protect Kit(Qiagen,Valencia,CA)を使用する収集された細胞から抽出され、その後に製造者の推薦する手順を行う。RNAは、RiboGreenTM RNA定量化キット(Molecular Probes,Inc.Eugene,OR)を使用して定量化される。総RNAの1μgは、逆転写され、SMARTTM PCR cDNA合成キット(ClonTech,Palo Alto,CA)を使用してPCR増幅される。cDNA産物は、標準的手段(Sambrook,J.T.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY)を使用してアガロースゲル電気泳動により大きさを選択される。cDNAは、Bio 101 Geneclean(登録商標)IIキット(Qbiogene,Carlsbad,CA)を使用して抽出する。cDNAの標準化は、ハイブリダイゼーション原理の動力学を使用して行われる:1.0μgのcDNAが、10分間100℃の熱により変性され、次いで120mM NaCl、10mM Tris.HCl(pH=8.0)、5mM EDTA.Na+および50%ホルムアミドの存在下、42時間の間42℃でインキュベートされる。単鎖cDNA(「標準化された」)は、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー(#130−0520,BioRad,Hercules,CA)により精製され、製造者の推薦した手順が続き、3サイクルのPCR増幅により二本鎖cDNAに増幅かつ変換され、標準的手順を使用してプラスミドベクターにクローニングされる(Sambrook,J.T.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第二版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY)。標準化およびクローニング過程において使用される全てのプライマー/アダプターは、SMARTTMPCR cDNA合成キット(ClonTech,Palo Alto,CA)において製造者により提供される。スーパーコンピテント細胞(XL−2 Blue Ultracompetent Cells,Stratagene,California)が、標準化cDNAライブラリでトランスフェクトされ、固体培地にプレートされ、36℃で一晩増殖される。
標準化ライブラリ当たり10,000の組換え配列が、ABI PRISM 3700 DNA Analyzer(Applied Biosystems,California)を使用してキャピラリー配列決定により分析される。ライブラリ中の転写物の表示を決定するために、BLAST分析が、クローン配列上で実施され、転写同一性を各々の単離されたクローンに割り当てる。すなわち、単離されたポリヌクレオチドの配列が、最初にマスキングされてXBLASTマスキングプログラムを用いる低複雑配列(low complexity sequence)を除外する(Claverie 「Effective Large−Scale Sequence Similarity Searches」Computer Methods for Macromolecular Sequence Analysis,Doolittle編,Meth.Enzymol.266:212−227 Academic Press,NY,NY(1996);特にClaverie,in「Automated DNA Sequencing and Analysis Techniques」Adamsら編、Chap.36,p267 Academic Press,San Diego,1994およびClaverieら、Comput.Chem.(1993)17:191を参照のこと)。一般に、低複雑性のために比較的小さい目的の配列を除外すること、および複数の配列に共通の繰り返し配列(例えば、Alu繰り返し)への類似性に基づく複数の「ヒット」を除外することを除いて、マスキングは、最終検索結果に影響しない。次いで、残る配列が、BLASTN対GenBank検索において使用される。配列はまた、BLASTX対NRP(非重複タンパク質)データベース検索において問い合わせ配列(query sequence)として使用される。
自動化配列決定反応が、製造者の指示に従って、AmpliTaq DNA Polymerase,FSを含むPerkin−Elmer PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kitを使用して実施される。反応は、一分間の間20℃または30℃でアニールされることを除いて、製造者の指示により、GeneAmp PCR System 9600上でサイクルされる。配列決定反応は、エタノールで沈殿され、ペレットは、8μlのローディングバッファー中で再懸濁され、1.5μlが、配列決定ゲル上に載せられ、そしてデータが、ABI PRISM 3700 DNA Sequencerにより収集される(Applied Biosystems,Foster City,CA)。
配列がライブラリ中で表される回数が、クローニングされたcDNA配列上で配列同一性分析を実施し、かつ転写同一性を各々の単離されたクローンに割り当てることにより決定される。第一に、各々の配列は、それが細菌性汚染物質か、リボソーム汚染物質か、またはミトコンドリア汚染物質かを決定するために調べられる。このような配列は、続く分析から除外される。第二に、ベクターおよび繰り返し要素のような、配列アーチファクト(sequence artifact)が、マスキングされ、および/または各々の配列から除去される。
残る配列が、遺伝子同定のためのGenbankおよびESTデータベースに対するBLAST(Altschulら、J.Mol.Biol.,215:40,1990)を介して比較され、FastA(Pearson&Lipman,PNAS,85:2444,1998)を介して互いに比較され、標準化cDNAライブラリにおいてcDNA発生の頻度を計算する。配列はまた、BLASTNプログラム(BLASTN 1.3MP:Altschulら、J.Mol.Bio.215:403,1990)を使用するGenebankおよびGeneSeqヌクレオチドデータベースに対して検索される。第四に、配列が、BLASTXプログラム(BLASTX 1.3MP:Altschulら、前述)で非重複タンパク質(NRP)データベースに対して分析される。このタンパク質データベースは、Swiss−Prot、PIRおよびNCBI GenPeptタンパク質データベースの組み合わせである。BLASTXプログラムは、フィルターパラメーター:(「xnu+seg」)とともにデフォルトBLOSUM−62置換マトリックスを使用して行われる。利用されるスコアカットオフは、75である。コンティグ(contig)への重複するクローンのアセンブリは、プログラムSequencher(Gene Codes Corp.;Ann Arbor,Mich)を使用して行われる。アセンブルされたコンティグは、GCGパッケージ(Genetic Computer Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,Wis.53711)Suite Version 10.1におけるプログラムを使用して分析される。
(実施例5:ヒト癌細胞およびヒト組織におけるCA配列の検出)
前立腺癌組織および乳癌組織ならびに他のヒト癌組織、ヒト大腸、非癌性前立腺を含む正常ヒト組織からのDNA、ならびに他のヒト細胞株からのDNAを、Delli Boviら(1986,Cancer Res.46:6333−6338)の手順に従って抽出する。このDNAを、0.05MトリスHCl緩衝液(pH7.8)および0.1mM EDTAを含有する溶液に再懸濁し、そして回収されたDNAの量をHoechst33258色素を使用する微蛍光測定により定量する。Cesarone,C.ら,Anal Biochem 100:188−197(1979)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、Taqポリメラーゼを使用し、緩衝液濃度、Mg2+濃度、およびヌクレオチド濃度に関してこの製造者(Perkin Elmer Cetus)により推奨される条件に従って実施する。熱サイクルを、DNAサイクラーの中で94℃で3分間の変性、ならびに引続いての35サイクルもしくは50サイクルのいずれかの、94℃で1.5分間、50℃で2分間および72℃で3分間により実施する。このPCRの、このCA遺伝子の選択された領域を増幅する能力を、クローニングされたCAポリヌクレオチドを陽性鋳型としてを使用することにより試験する。最適なMg2+濃度、プライマー濃度および異なったサイクル温度についての必要性を、これらの鋳型により決定する。この製造者により推奨されるマスター混合物を、使用する。このマスター混合物成分の潜在的な異物混入を検出するために、鋳型を除いた反応を、慣用的に試験する。
サザンブロッティングおよびハイブリダイゼーションを、Southern,E.M.(J.Mol.Biol.98:503−517,1975)により記載されるように、ランダムプライマー手順(Feinberg,A.P.ら,1983,Anal.Biochem.132:6−13)により標識された、そのクローニングされた配列を使用して、実施する。プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを、6×SSPE、5%デンハルト、0.5%SDS、50%ホルムアミド、100μg/ml変性サケ精巣DNAを含有する溶液の中で実施し、18時間42℃でインキュベートし、引続き2×SSCと0.5%SDSで室温でそして37℃で洗浄し、そして最終的に0.1×SSCと0.5%SDSの中で68℃で30分洗浄する(Sambrookら,1989,「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」(Cold Spring Harbor Lab.Press)の中)。パラフィン包埋された組織切片については、WrightおよびManos(1990,「PCR Protocols」(Innisら編,Academic Press)pp.153−158の中)により記載される条件に従い、250塩基対の配列を検出するように設計されたプライマーを使用する。
(実施例6:ヒト癌細胞およびヒト組織におけるCA配列の検出)
ヒト癌組織、正常ヒト組織からのDNA、および他のヒト細胞株からのDNAを、Delli Boviら(1986,Cancer Res.46:6333−6338)の手順に従って抽出する。このDNAを、0.05MトリスHCl緩衝液(pH7.8)および0.1mM EDTAを含有する溶液に再懸濁し、そして回収されたDNAの量をHoechst33258色素を使用する微蛍光測定により定量する。Cesarone,C.ら,Anal Biochem 100:188−197(1979)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を、Taqポリメラーゼを使用し、緩衝液濃度、Mg2+濃度、およびヌクレオチド濃度に関してこの製造者(Perkin Elmer Cetus)により推奨される条件に従って実施する。熱サイクルを、DNAサイクラーの中で94℃で3分間の変性、ならびに引続いての35サイクルもしくは50サイクルのいずれかの、94℃で1.5分間、50℃で2分間および72℃で3分間により実施する。このPCRの、CA遺伝子の選択された領域を増幅する能力を、クローニングされたCAポリヌクレオチドを陽性鋳型としてを使用することにより試験する。最適なMg2+濃度、プライマー濃度および異なったサイクル温度についての必要性を、これらの鋳型により決定する。この製造者により推奨されるマスター混合物を、使用する。このマスター混合物成分の潜在的な異物混入を検出するために、鋳型を除いた反応を、慣用的に試験する。
サザンブロッティングおよびハイブリダイゼーションを、Southern,E.M.(J.Mol.Biol.98:503−517,1975)により記載されるように、ランダムプライマー手順(Feinberg,A.P.ら,1983,Anal.Biochem.132:6−13)により標識された、そのクローニングされた配列を使用して、実施する。プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを、6×SSPE、5%デンハルト、0.5%SDS、50%ホルムアミド、100μg/ml変性サケ精巣DNAを含有する溶液の中で実施し、18時間42℃でインキュベートし、引続き2×SSCと0.5%SDSで室温でそして37℃で洗浄し、そして最終的に0.1×SSCと0.5%SDSの中で68℃で30分洗浄する(Sambrookら,1989,「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」(Cold Spring Harbor Lab.Press)の中)。パラフィン包埋された組織切片については、WrightおよびManos(1990,「PCR Protocols」(Innisら編,Academic Press)pp.153−158の中)により記載される条件に、従い、250塩基対の配列を検出するように設計されたプライマーを使用する。
(実施例7:クローニングされたポリヌクレオチドの宿主細胞での発現)
CA遺伝子のタンパク質産物を調査するために、CA DNAからの制限酵素断片を、発現ベクターpMT2の中にクローニングし(Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press pp16.17−16.22(1989))、そして10%FCS補充DMEMで増殖させたCOS細胞の中にトランスフェクトする。トランスフェクションは、リン酸カルシウム法技術(Sambrookら,(1989)pp.16.32−16.40,同上)を使用して実施し、そして細胞溶解物を、トランスフェクションから48時間後に、トランスフェクトされたCOS細胞とトランスフェクトされないCOS細胞との両方から調製する。溶解物を、抗−ペプチド抗体を使用するイムノブロッティングにより分析に供する。
イムノブロッティング試験では、細胞溶解物の調製および電気泳動を、標準的な手順に従って実施する。タンパク質濃度は、BioRadプロテインアッセイ溶液を使用して定量する。ニトロセルロースへのセミドライ式電気泳動的転写の後に、メンブレンを、500mM NaCl、20mMトリス(pH7.5)0.05%Tween−20(TTBS)と5%ドライミルクの中でブロッキングする。TTBSの中での洗浄および二次抗体(Amersham)を伴うインキュベーションの後に、増強化学発光(ECL)プロトコール(Amersham)を、この製造者により記載されるように検出を容易にするために実施する。
(実施例8:ポリペプチドに対する抗体の産生)
CA遺伝子に固有の、ポリペプチドを、細菌発現系または他(例えば、酵母、バキュロウイルス)の発現系から合成もしくは単離し、そしてm−マレイミド安息香酸N−ヒドロキシスクシニミドエステル(MBS)(Pierce,Rockford,Ill.)とともにウサギ血清アルブミン(RSA)へと結合させる。これらのペプチドによる免疫化のプロトコールを、標準的な方法に従って実施する。はじめに、これらのウサギのプレ採血を、免疫化に先立って実施する。第一免疫化は、フロイント完全アジュバントならびに500μgの結合体化ペプチドまたは100μgの精製ペプチドを含む。すべての引続いての免疫化(その以前の注入の4週間後に実施される)は、フロイント不完全アジュバントおよび同じ量のタンパク質を含む。採血を、これらの免疫化の7〜10週間後に実施する。
この抗体アフィニティー精製のために、対応するCAポリペプチドを、MBSとともにRSAと結合体化させ、そしてCNBr活性化セファロース(Pharmacia,Uppsala,Sweden)と結合させる。抗血清を、10mMトリス−HCI(pH7.5)の中で10倍に希釈し、そして一晩このアフィニティーマトリックスとともにインキュベートする。洗浄した後に、結合した抗体を、100mMグリシン(pH2.5)によりこの樹脂から溶出させる。
(実施例9:CAポリペプチドに対するモノクローナル抗体の産生)
非変性アジュバント(Ribi,R730,Corixa,Hamilton MT)を、リン酸緩衝化生理食塩水の中で4mlまで再水和する。100μlのこの再水和アジュバントを、その後400μlのHank平衡塩類溶液で希釈し、そしてこれを、その後、免疫化のために使用される細胞ペレットとともに穏やかに混合する。約500μgの結合体化したペプチドもしくは100μgの精製ペプチド、ならびにフロイント完全を、一週間に一度、Balb/cマウスに足蹠を通して注入する。毎週の注入の6週間後に、一滴の血液を、各々の免疫化された動物の尾部から採取して、CAポリペプチドに対する抗体の力価をFACS分析を使用して試験する。この力価が少なくとも1:2000に到達する場合に、このマウスを、COチャンバーの中で屠殺し、引続いて頚椎脱臼を施す。リンパ節を、ハイブリドーマの調製のために回収する。最高力価を有するマウスからのリンパ球を、35%ポリエチレングリコール4000を使用してマウスミエローマ株X63−Ag8.653と融合する。この融合の後の10日目に、このハイブリドーマ上清を、CAP特異的モノクローナル抗体の存在について蛍光標示式細胞分取器(FACS)によりスクリーニングする。各々のハイブリドーマからの馴化培地を、PC3細胞、Colo−205細胞、LnCap細胞、またはPanc−1細胞の組み合わせたアリコートとともに30分間インキュベートする。インキュベーションの後に、この細胞試料を洗浄し、0.1ml希釈液の中で再懸濁し、そして1μg/mlのヤギ抗−マウスIgGのFITC結合体化F(ab’)2断片とともに30分間4℃でインキュベートする。これらの細胞を洗浄し、0.5ml FACS希釈液の中で再懸濁し、そしてFACScan細胞分析器(Becton Dickinson;San Jose,CA)を使用して分析する。ハイブリドーマクローンを、さらなる増殖、クローニング、およびこれらの、FACSにより評価されるようなこのCAポリペプチドを発現する一つ以上の細胞株の表面との結合に基づく特徴付けのために選別する。Ag−CA.xと命名される抗原とAg−CA.x.1と命名されるその抗原上のエピトープに結合するモノクローナル抗体(mAbCAと命名)とを作製するハイブリドーマが、選別される。
(実施例10:CA関連抗原を検出するためのELISAアッセイ)
血液試料を組換え的に産生されたCA抗原に特異的に結合する抗体について試験するために、以下の手順を、使用する。組換えCA関連タンパク質を精製した後で、この組換えタンパク質を、PBSに5μg/ml(500ng/100μl)の濃度まで希釈する。100マイクロリットルのこの希釈された抗原溶液を、96ウェルImmulon 1プレート(Dynatech Laboratories,Chantilly,Va.)の各々のウェルに加え、そしてその後、このプレートを、室温で1時間、または4℃で一晩インキュベートし、かつPBS中の0.05%Tween 20で3回洗浄する。抗体の非特異的結合を減少させるためのブロッキングを、各々のウェルへの、200μlのPBS/Tween 20中のウシ血清アルブミンの1%溶液の添加および1時間のインキュベーションにより実施する。このブロッキング溶液の吸引の後に、100μlの一次抗体溶液(抗凝固化総血液、血漿、または血清)(1/16〜1/2048の範囲でブロッキング溶液に希釈する)を、加え、そして室温で1時間または4℃で一晩インキュベートする。それらのウェルを、その後3回洗浄し、そして100μlの西洋ワサビペルオキシダーゼと結合体化したヤギ抗−ヒトIgG抗体(Organon Teknika,Durham,N.C.)(1/500もしくは1/1000でPBS/Tween 20に溶解する)、100μlのo−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(OPD,Sigma)溶液を、各々のウェルに加え、そして5〜15分間インキュベートする。このOPD溶液は、5mgのOPD錠剤を50mlのHO中の1%メタノールに溶解しそして使用直前に50μlの30%Hを加えることにより調製される。この反応を、25lの4M HSOを加えることにより停止する。吸光度を、マイクロプレートリーダー(Bio−Rad)の中で490nmで読取る。
(実施例11:癌細胞表面上のCA抗原の同定および特徴付け)
約25μlの押し固められた細胞体積の癌細胞調製物の細胞ペレットを、始めに細胞を水中で0.5mlに希釈し、引続き3回凍結融解することにより溶解する。この溶液を、14,000rpmで遠心する。生じるペレット(細胞膜断片を含む)を、50μlのSDS試料緩衝液(Invitrogen,Carlsbad,CA)の中で再懸濁する。この試料を、80℃で5分間加熱し、そしてその後2分間14,000rpmで遠心して任意の不溶性物質を除去する。
この試料を、4〜20%ポリアクリルアミドグラジエントゲルをトリス−グリシンSDS(Invitrogen;Carlsbad CA)の中でこの製造者の指示に従って使用するウェスタンブロットにより分析する。10マイクロリットルのメンブレン試料を、このポリアクリルアミドゲル上の1レーンに適用する。個々の10μLの試料を、始めに2μlのジチオスレイトール(100mM)の添加および80℃で2分間の加熱により還元し、そしてその後別のレーンの中にロードする。プレ染色された分子量マーカーSeeBlue Plus2(Invitrogen;Carlsbad,CA)を、分子量をこのゲル上で評価するために使用する。これらのゲルのタンパク質を、14.4g/lグリシン、3g/lのトリス塩基、10%メタノールと、0.05%SDSの移動緩衝液を使用してニトロセルロースメンブレンに移す。このメンブレンを、ブロッキングし、CAP特異的モノクローナル抗体(0.5μg/mlの濃度で)によりプローブ分析し、そしてInvitrogen WesternBreeze Chromogenic Kit−AntiMouseをこの製造者の指示に従って使用して展開する。この腫瘍細胞のメンブレン試料の還元された試料においては、目立ったバンドが、対応するCAタンパク質の予測される分子量の約10%の中での分子量での移動が観察される。
(実施例12:ワクチンの調製)
本発明は、悪性細胞により産生される抗原もしくは悪性細胞と会合する抗原として作用する本発明のCAポリペプチドを使用しての、患者においてCAポリペプチドを発現する細胞に対する免疫応答を刺激させる方法にもまた、関連する。本発明のこの局面により、ヒトにおいて癌細胞あるいはCAポリヌクレオチドおよびCAポリペプチドを発現する細胞に対する免疫応答を刺激する方法を提供する。この方法は、ヒトに免疫原性量の以下を含むポリペプチドを投与する工程を包含する:(a)ヒトCAタンパク質のアミノ酸配列または(b)ヒト内因性レトロウイルスCAタンパク質のアミノ酸配列を含むポリペプチドの変異タンパク質もしくは改変体。
(実施例13:治療法を試験するための手段としての、ポリペプチドを発現するトランスジェニック動物の産生)
CA核酸は、遺伝的に改変された非ヒト動物、または細胞株の中で、前立腺腫瘍関連遺伝子の機能もしくは調節を調査するための、これの部位特異的遺伝子改変を産生するために、あるいは前立腺癌を含む、疾患の動物モデルを作製するために使用される。用語「トランスジェニック」とは、宿主細胞に安定に導入されて、そこでその遺伝子が改変タンパク質を産生するように配列において変更され得る外因性CA遺伝子を有する遺伝的に改変された動物、またはレポーター遺伝子と作動可能に連結した外因性CA LTRプロモーターを有する遺伝的に改変された動物を包含するように意図される。トランスジェニック動物は、ゲノムの中にランダムに組込まれる核酸構築物を通して作製され得る。安定な組込みのためのベクターとして、プラスミド、レトロウイルスおよび他の動物ウイルス、YACなどが挙げられる。目的のものとしては、トランスジェニック哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ヤギ、ウマなど)、および特定の齧歯類(例えば、ラット、マウスなど)がある。
これらの改変された細胞または改変された動物は、CA遺伝子の機能または調節の調査において有用である。例えば、一連の小さい欠失および/または置換を、腫瘍形成における種々の遺伝子の役割を決定するために、このCA遺伝子の中で作製し得る。目的の特定の構築物としては、CA遺伝子の発現をブロックするためのアンチセンス構築物、ドミナントネガティブなCA遺伝子の変異の発現、およびCA遺伝子の過剰発現が挙げられるが、それらに限定されない。通常はCA遺伝子もしくはそれの改変体が発現しない細胞または組織でのそのCA遺伝子もしくはそれの改変体の発現、あるいは発生の異常な時間でのCA遺伝子もしくはそれの改変体の発現が、提供される。さらに、CAに由来するタンパク質の発現を、通常はそうでなければそれが産生されない細胞の中に提供することにより、細胞の挙動における変化を、誘導し得る。
ランダムな組込みのためのDNA構築物は、組換えを媒介するための相同領域を含む必要はない。簡便のため、ポジティブ選択およびネガティブ選択のためのマーカーが、含まれる。哺乳類細胞にトランスフェクトするための種々の技術については、Keownら,Methods in Enzymology 185:527−537(1990)を参照のこと。
胚性幹(ES)細胞については、ES細胞株を、使用するか、または胚性細胞を、宿主(例えば、マウス、ラット、モルモットなど)から新鮮に取得する。このような細胞を、適切な線維芽細胞供給層の上で増殖させるか、または白血病抑制因子(LIF)のような、適切な増殖因子の存在下で増殖させる。ES細胞が形質転換される場合に、それらを、トランスジェニック動物を産生するために使用し得る。形質転換の後に、これらの細胞を、供給層の上で適切な培地の中でプレーティングする。この構築物を含有する細胞を、選択培地を使用することにより検出し得る。コロニーが成長するために十分な時間の後に、これらを摘み取りそしてこの構築物の組込みの発生について分析する。ポジティブであるこれらのコロニーを、その後胚操作および胚盤胞注入のために使用し得る。胚盤胞を、4〜6週間の過排卵させた雌から取得する。このES細胞を、トリプシン処理し、そしてこの改変された細胞を、この胚盤胞の胞胚腔の中に注入する。注入の後に、この胚盤胞を、偽妊娠雌の各々の子宮角に戻す。雌を、その後出産間近となるようにさせ、そして生じるキメラ動物をその構築物を保持する細胞についてスクリーニングする。これらの胚盤胞およびES細胞の、異なった表現形が提供されることにより、キメラの子孫を、用意に検出し得る。
このキメラ動物を、この改変遺伝子の存在についてスクリーニングし、そして、この改変を有する雄および雌を、交配してホモ接合型子孫を産生させる。この遺伝子の変化が発生のある時点で致死性を引き起こす場合、組織または器官は、同種異系間もしくは類遺伝子のグラフトまたは同種異系間もしくは類遺伝子の移植片として維持されるか、あるいはインビトロ培養物の中で維持される。これらのトランスジェニック動物は、実験動物、家畜などのような任意の非ヒト哺乳動物であり得る。これらのトランスジェニック動物を、機能上の調査、薬剤スクリーニングなどにおいて、例えば、前立腺癌に対する候補薬剤の効果を決定するために、潜在的な治療法または処置レジメンを試験するためになどで、使用する。
(実施例14:CA特異的抗体を使用する診断的画像化)
本発明は、初期症状においておよび癌の転移性広がりの早期検出のために、正確に癌患者を段階付けるためのCAポリペプチドに対する抗体の使用を包含する。CAポリペプチドに特異的なモノクローナル抗体を使用するラジオイムノシンチグラフィーは、さらなる癌特異的診断試験を提供し得る。本発明のモノクローナル抗体は、癌腫の組織病理学的診断のために使用される。
ヌードマウスでの皮下のヒトの癌細胞の異種移植片は、本発明のテクネチウム−99m(99mTc)−標識化モノクローナル抗体が、Marksら,Brit.J.Urol.75:225(1995)により精上皮腫細胞について記載されるように外部ガンマシントグラフィーにより異種間移植された癌を首尾よく画像化し得るか否かを試験するために使用される。CAポリペプチドに特異的な各々のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ腫瘍を有するBALB/cマウスの腹水から、プロテインA−セファロース上でのアフィニティークロマトグラフィーにより精製される。精製された抗体(アビジン特異的モノクローナル抗体(Skeaら,J.Immunol.151:3557(1993))のようなコントロールモノクローナル抗体が挙げられる)は、Matherら,J.Nucl.Med.31:692(1990)およびZhangら,Nucl.Med.Biol.19:607(1992)の方法を使用して、還元に引続いて99mTcで標識化される。ヒトの癌細胞を抱えるヌードマウスに、腹腔内に200〜500μCiのの99mTc−標識化抗体を注入する。注入の24時間後、マウスの画像を、動物から約8cmに位置する6mmピンホールコリメータを装備するSiemens ZLC3700ガンマカメラを使用して得る。画像化に引続きモノクローナル抗体の体内分布を決定付けるために、正常器官と腫瘍とを、採取し、秤量し、そしてこの組織とこの被注入体の試料との放射活性を測定する。さらに、抗腫瘍化合物に結合体化されたCA特異的抗体を、癌特異的化学療法に使用する。
(実施例15:免疫組織化学的方法)
癌患者からの凍結組織試料を、最適な切断温度(OCT)化合物中に包埋し、ドライアイスを含むイソペンタン中で、急速に凍結する。凍結切片をLeica 3050 CM ミクロトームを用いて5μmの厚さに切断し、その後、vectaboundで被覆したスライド上に、融解しながらマウントする。切片を、−20℃でエタノールを使用して固定し、室温で一晩、風乾させる。固定した切片を、使用するまで、−80℃で保管する。免疫組織化学については、組織切片を回収し、最初に、室温で30分間、ブロッキング緩衝液(PBS、5%正常ヤギ血清、0.1%Tween 20)中でインキュベートし、次いで、ブロッキング緩衝液(1μg/ml)中に希釈したCAタンパク質特異的モノクローナル抗体およびコントロールのモノクローナル抗体とともに、120分間インキュベートする。次いで、その切片をブロッキング緩衝液で3回洗浄する。結合したモノクローナル抗体を、0.1M 酢酸ナトリウム緩衝液 pH5.05および0.003%過酸化水素(Sigma カタログNo.H1009)中のヤギ抗マウスIgG+IgM(H+L)F(ab’)−ペルオキシダーゼ結合体およびペルオキシダーゼ基質であるジアミノベンジジン(1mg/ml、Sigma カタログNo.D5637)を用いて検出する。染色したスライドを、ヘマトキシリンで対比染色し、Nikon顕微鏡下で調べる。
種々の型の組織由来の種々の細胞株との反応性を試験するために、CAタンパク質(抗原)に対するモノクローナル抗体を使用する。種々に確立した細胞株由来の細胞を、プロテアーゼを使用せずに、増殖表面から取り除き、まとめ、その後OCT化合物中に包埋する。細胞を凍結し、切り出し、次いで標準的IHCプロトコルを使用して染色する。CellArrayTM技術は、WO 01/43869に記載される。外科的切除により入手した正常な組織(ヒト)を凍結し、マウントする。凍結切片を、Leica 3050 CMミクロトームを使用して、5μmの厚さに切削し、その後、vectaboundで被覆したスライド上に、融解しながらマウントする。切片を、−20℃でエタノールを使用して固定し、室温で一晩、風乾させる。CA特異的モノクローナル抗体の正常な組織への結合を決定するために、PolyMICATM検出キットを使用する。一次モノクローナル抗体を、1μg/mlの最終濃度で使用する。
各個々の出版物または特許出願が、特に、および個々に参考として援用されることが示されるように、本明細書に引用された全ての出版物および特許出願は、本明細書に参考として援用される。
前述の発明は、理解の明瞭性の目的のために、図および実施例を使用してある程度詳細に記載されているが、本発明の教示を考慮に入れて、添付した特許請求の範囲の精神または範囲を離れることなく、それに対して、いくつかの変化および改変がなされ得ることが、当業者には、容易に明らかである。
図1は、宿主−プロウイルス接合フラグメントのPCR増幅を示す。 図2は、ハウスキーピング遺伝子および標的遺伝子についての平均閾値サイクル(C)値の例を示す。 図3は、種々のサンプルについて、標的遺伝子のC値とハウスキーピング遺伝子のC値との間の計算された差(ΔΔC)の例を示す。 図4は、図3からの、各サンプルについてのΔΔC値と比較発現レベルを示す。 図5は、正常組織における発現と比較された乳癌組織におけるSNL1のmRNAの発現を示す。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。サンプル51および52は、正常組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図6は、正常組織における発現と比較された結腸癌組織におけるFOSBのmRNAの発現を示す。サンプル1〜11は、正常サンプルである。サンプル12〜31は、結腸癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図7は、正常組織における発現と比較された肺癌組織におけるFOSBのmRNAの発現を示す。サンプル1〜9は、正常サンプルである。サンプル10〜43は、肺癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図8は、正常組織における発現と比較された膵臓癌組織におけるFOSBのmRNAの発現を示す。サンプル1〜10は、正常サンプルである。サンプル11〜31は、膵臓癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図9は、正常組織における発現と比較された卵巣癌組織におけるFOSBのmRNAの発現を示す。サンプル1〜16は、正常サンプルである。サンプル17〜44は、卵巣癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図10は、正常組織における発現と比較された胃癌組織におけるFOSBのmRNAの発現を示す。サンプル1〜10は、正常サンプルである。サンプル11〜39は、胃癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図11は、正常組織における発現と比較された乳癌組織におけるFOSBのmRNAの発現を示す。サンプル1〜9は、正常サンプルである。サンプル10〜30は、乳癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図12は、正常組織における発現と比較された前立腺癌組織におけるFOSBのmRNAの発現を示す。サンプル1〜7は、正常サンプルである。サンプル8〜37は、前立腺癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図13は、正常組織における発現と比較された乳癌組織におけるMYCのmRNAの発現を示す。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図14は、正常組織における発現と比較された乳癌組織におけるMYCのDNAの発現を示す。サンプル1〜49は、乳癌サンプルである。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図15は、正常組織における発現と比較された乳癌組織におけるCCND1のmRNAの発現を示す。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図16は、正常組織における発現と比較された結腸癌(S状)組織におけるCCND1のmRNAの発現を示す。サンプル1〜12は、正常サンプルである。サンプル13〜29は、結腸癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図17は、正常組織における発現と比較された結腸癌(横行)組織におけるCCND1のmRNAの発現を示す。サンプル1〜12は、正常サンプルである。サンプル13〜30は、結腸癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図18は、正常組織における発現と比較された肺組織におけるCCND1のmRNAの発現を示す。サンプル1〜9は、正常サンプルである。サンプル10〜43は、肺癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図19は、正常組織における発現と比較された卵巣組織におけるCCND1のmRNAの発現を示す。サンプル1〜14は、正常サンプルである。サンプル15〜41は、卵巣癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図20は、正常組織における発現と比較された乳癌組織におけるNFKB1のmRNAの発現を示す。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。サンプル51および52は、正常組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図21は、正常組織における発現と比較した、肺組織中のNFKB1のmRNA発現を示す。サンプル1〜9は、正常サンプルである。サンプル10〜44は、肺癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図22は、正常組織における発現と比較した、皮膚組織中のNFKB1のmRNA発現を示す。サンプル1〜9は、正常サンプルである。サンプル10〜46は、皮膚癌組織である。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図23は、正常組織における発現と比較した、乳癌組織中のPVT1のmRNA発現を示す。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。 図24は、正常組織における発現と比較した、乳癌組織中のPVT1のDNA増幅を示す。サンプル1〜50は、乳癌サンプルである。バーは、発現レベルの平均を示す。誤差バーは、標準偏差を示す。

Claims (57)

  1. 単離された核酸分子であって、表1〜6に示される配列番号5、11、17、23、29および32のヒトポリヌクレオチドmRNA配列からなる群より選択される配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチドを含む、核酸分子またはその相補体。
  2. 請求項1に記載の組換え核酸を含む、宿主細胞。
  3. 請求項1に記載の単離された核酸を含む、発現ベクター。
  4. 請求項3に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  5. 請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドまたはその相補体もしくはそのフラグメントが、検出可能な標識をさらに含む、ポリヌクレオチド。
  6. 請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドまたはその相補体もしくはそのフラグメントが、固体支持体に結合される、ポリヌクレオチド。
  7. 請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドまたはその相補体もしくはそのフラグメントが、少なくとも部分的に、化学合成によって調製される、ポリヌクレオチド。
  8. 請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドまたはその相補体もしくはそのフラグメントが、アンチセンスフラグメントである、ポリヌクレオチド。
  9. 請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドまたはその相補体もしくはそのフラグメントが、一本鎖である、ポリヌクレオチド。
  10. 請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドまたはその相補体もしくはそのフラグメントが、二本鎖である、ポリヌクレオチド。
  11. 請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、ポリヌクレオチド。
  12. 請求項1に記載のポリヌクレオチドであって、少なくとも20個の連続したヌクレオチドを含む、ポリヌクレオチド。
  13. 癌関連(CA)核酸を検出するためのマイクロアレイであって、以下:
    表1〜6に示される配列番号5、11、17、23、29および32のヒトポリヌクレオチド配列からなる群より選択される配列の少なくとも10個の連続したヌクレオチドまたはその相補体を含む少なくとも1つのプローブ、
    を備える、マイクロアレイ。
  14. 請求項13に記載のマイクロアレイであって、少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、マイクロアレイ。
  15. 請求項13に記載のマイクロアレイであって、少なくとも20個の連続したヌクレオチドを含む、マイクロアレイ。
  16. 単離されたポリペプチドであって、表1〜6に示される配列番号4、10、16、22、28および31のヒトゲノムポリヌクレオチド配列からなる群より選択されるCA配列のオープンリーディングフレームまたはその相補体内にコードされる、ポリペプチド。
  17. 請求項16に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが、表1〜6に示される配列番号5、11、17、23、29および32からなる群より選択されるヒトポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  18. 請求項16に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが、表1〜6に示される配列番号6、12、18、24、30および33からなる群より選択されるヒトコード配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  19. 請求項16に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが、表1〜6に示される配列番号6、12、18、24、30および33からなる群より選択されるCAポリペプチドのアミノ酸配列のエピトープのアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  20. 請求項16に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドまたはそのフラグメントが、固体支持体に結合される、ポリペプチド。
  21. 単離された抗体またはその抗原結合フラグメントであって、請求項16〜20のいずれか一項に記載のポリペプチドに結合する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  22. 請求項21に記載の単離された抗体またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体またはその抗原結合フラグメントが、固体支持体に結合される、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  23. 請求項21に記載の単離された抗体またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体が、モノクローナル抗体である、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  24. 請求項21に記載の単離された抗体またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体が、ポリクローナル抗体である、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  25. 請求項21に記載の単離された抗体またはその抗原結合フラグメントであって、該抗体またはその抗原結合フラグメントが、検出可能な標識をさらに含む、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
  26. 単離された抗体であって、請求項16〜20のいずれかに記載のポリペプチドまたはその抗原結合フラグメントに結合し、該抗体が、以下の工程:(i)宿主動物を該ポリペプチドまたはその抗原結合フラグメントを含む組成物で免疫する工程、およびii)該抗原またはその抗原結合フラグメントに対する抗体を発現する該宿主から細胞を収集する工程、を包含する方法によって調製される、単離された抗体。
  27. 試験サンプル中の癌の存在を診断するためのキットであって、該キットが、表1〜6に示される配列番号4、10、16、22、28および31のポリヌクレオチド配列からなる群より選択されるCAポリヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズする少なくとも1つのポリヌクレオチドまたはそれらの相補体を含む、キット。
  28. 試験サンプル中の癌の存在を診断するためのキットであって、該キットが、表1〜6に示される配列番号5、11、17、23、29および32のポリヌクレオチド配列からなる群より選択されるポリヌクレオチド配列の配列に選択的にハイブリダイズする少なくとも1つのポリヌクレオチド、そのフラグメントまたはそれらの相補体を含む、キット。
  29. 電子ライブラリーであって、表1〜6に示される配列番号4、10、16、22、28および31のポリヌクレオチド配列からなる群より選択されるCAポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドまたはそのフラグメントを含む、電子ライブラリー。
  30. 電子ライブラリーであって、表1〜6に示される配列番号5、11、17、23、29および32のポリヌクレオチド配列からなる群より選択されるCAポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドまたはそのフラグメントを含む、電子ライブラリー。
  31. 電子ライブラリーであって、表1〜6に示される配列番号6、12、18、24、30および33のポリヌクレオチド配列からなる群より選択される配列のポリヌクレオチドによってコードされるCAポリペプチドを含むポリペプチドまたはそのフラグメントを含む、電子ライブラリー。
  32. 潜在的薬物の抗癌活性についてスクリーニングするための方法であって、該方法が、以下:
    (a)表1〜6に示される配列番号4、10、16、22、28および31の配列からなる群より選択される核酸配列によってコードされる癌関連(CA)遺伝子またはそのフラグメントを発現する細胞を提供する、工程;
    (b)癌細胞由来の組織サンプルを抗癌薬物候補と接触させる工程;および
    (c)該組織サンプル中でのCA遺伝子の発現に対する該抗癌薬物候補の効果をモニタリングする工程、
    を包含する、方法。
  33. 請求項32に記載の抗癌活性をスクリーニングする方法であって、ここで、前記CA遺伝子が、表1〜6に示される配列番号5、11、17、23、29および32の配列からなる群より選択される少なくとも1つの核酸配列を含む、方法。
  34. 請求項32に記載の抗癌活性をスクリーニングする方法であって、さらに以下:
    (d)前記薬物候補の非存在下での発現レベルを該薬物候補の存在下での発現レベルと比較する工程、
    を包含する、方法。
  35. 請求項33に記載の抗癌活性をスクリーニングする方法であって、ここで、前記薬物候補が、SNL、FOSB、CCND1、MYC、NFKB1、およびPVT1からなる群より選択されるCAP配列の活性を調節する、方法。
  36. 試験細胞サンプル中のポリペプチドの発現と関連する癌を検出するための方法であって、以下の工程:
    (i)表1〜6に示される配列番号6、12、18、24、30および33からなる群より選択されるヒトコード配列によってコードされるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのポリペプチドまたはそのフラグメントの発現レベルを検出する工程;および
    (ii)該試験サンプル中での該ポリペプチドの発現のレベルを正常細胞サンプル中でのポリペプチドの発現のレベルと比較する工程であって、ここで、該正常細胞サンプル中でのポリペプチド発現のレベルと比較した該試験細胞サンプル中での該ポリペプチドの発現の変化したレベルが、該試験細胞サンプル中の癌の存在を示す、工程、
    を包含する、方法。
  37. 試験細胞サンプル中のポリペプチドの発現と関連する癌を検出するための方法であって、以下の工程:
    (i)表1〜6に示される配列番号6、12、18、24、30および33からなる群より選択されるヒトコード配列によってコードされるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのポリペプチドまたはそのフラグメントの活性レベルを検出する工程であって、ここで、該活性が、表130に列挙されるポリペプチドについての少なくとも1つの活性に対応する、工程;および
    (ii)該試験サンプル中での該ポリペプチドの活性のレベルを正常細胞サンプル中でのポリペプチドの活性のレベルと比較する工程であって、ここで、該正常細胞サンプル中でのポリペプチド活性のレベルと比較した該試験細胞サンプル中での該ポリペプチドの活性の変化したレベルが、該試験細胞サンプル中の癌の存在を示す、工程、
    を包含する、方法。
  38. 試験血清サンプル中の抗体の存在と関連する癌を検出するための方法であって、以下の工程:
    (i)表1〜6に示される配列番号6、12、18、24、30および33からなる群より選択されるヒトコード配列によってコードされるアミノ酸配列を有する抗原性ポリペプチドまたはその抗原性フラグメントに対する抗体のレベルを検出する工程;および
    (ii)該試験細胞サンプル中の該抗体のレベルをコントロールサンプル中の該抗体のレベルと比較する工程であって、ここで、該コントロールサンプル中の抗体のレベルと比較した該試験サンプル中の抗体の変化したレベルが、該試験血清サンプル中の癌の存在を示す、工程、
    を包含する、方法。
  39. CAタンパク質(CAP)の活性を調節し得る生物活性薬剤をスクリーニングするための方法であって、ここで、該CAPが、表1〜6に示される配列番号5、11、17、23、29および32のポリヌクレオチド配列からなる群より選択される核酸配列を含む核酸によってコードされ、該方法が、以下:
    a)該CAPおよび候補生物活性薬剤を組み合わせる工程;および
    b)該CAPの生物活性に対する該候補薬剤の効果を決定する工程、
    を包含する
    方法。
  40. 請求項39に記載の生物活性薬剤をスクリーニングする方法であって、該生物活性薬剤が、CAタンパク質(CAP)の発現に影響する、方法。
  41. 請求項39に記載の生物活性薬剤をスクリーニングする方法であって、該生物活性薬剤が、CAタンパク質(CAP)の活性に影響し、ここで、該CAPがSNL、FOSB、CCND1、MYC、NFKB1、およびPVT1からなる群より選択される、方法。
  42. 癌を診断するための方法であって、以下:
    a)第1の個体の第1の組織型における、表1〜6に概説されたヒト配列からなる群より選択された核酸配列を含む、一つ以上の遺伝子の発現を決定する工程;および
    b)該遺伝子の発現と該第1の個体に由来する第2の正常な組織型または第2の罹患していない個体に由来する正常な組織型とを比較する工程;
    を包含し、
    ここで、該発現の相違は、該第1の個体が癌を有することを示す、方法。
  43. 請求項42に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記発現の差異が、第1の個体が癌に対する傾向を有することを示す、方法。
  44. 請求項42に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記遺伝子が配列番号4、5、および6に対応するSNL1配列を含み、そして前記組織が乳癌組織である、方法。
  45. 請求項42に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記遺伝子が、配列番号10〜12に対応するFOSB配列を含み、そして前記組織が、結腸癌、肺癌、膵臓癌、卵巣癌、胃癌、乳癌および前立腺癌の組織からなる群より選択される、方法。
  46. 請求項42に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記遺伝子が、配列番号22〜24に対応するMYC配列を含み、そして前記組織が、乳癌組織である、方法。
  47. 請求項42に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記遺伝子が、配列番号16〜18に対応するCCND1配列を含み、そして前記組織が、結腸癌(S状)、結腸癌(横行)、肺癌、卵巣癌、および乳癌の組織からなる群より選択される、方法。
  48. 請求項42に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記遺伝子が、配列番号28〜30に対応するNFKB1配列を含み、そして前記組織が、肺癌、皮膚癌、および乳癌の組織からなる群より選択される、方法。
  49. 請求項42に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記遺伝子が、配列番号31〜33に対応するPVT1配列を含み、そして前記組織が、乳癌組織である、方法。
  50. 請求項42に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記癌組織における遺伝子発現が、前記正常組織における遺伝子発現と比較してアップレギュレートされる、方法。
  51. 請求項50に記載の癌を診断するための方法であって、ここで、前記発現の差異が、第1の個体が癌に対する傾向を有することを示す、方法。
  52. 癌または癌に対する傾向を診断するための方法であって、第1の個体に由来する第2の正常な組織型または第2の罹患していない個体に由来する正常な組織型に対して、該第1の個体の第1の組織型における表1〜6に概説されるヒト配列からなる群より選択されるDNA配列を含む1つ以上の遺伝子の増幅を決定する工程を包含し、ここで、該DNAの増幅が、該第1の個体が癌または癌に対する傾向を有することを示す、方法。
  53. 請求項52に記載の癌または癌に対する傾向を診断するための方法であって、ここで、前記遺伝子がMYCを含み、そして前記DNA配列が配列番号22、またはそのフラグメントである、方法。
  54. 請求項52に記載の癌または癌に対する傾向を診断するための方法であって、ここで、前記遺伝子がPVT1を含み、そして前記DNA配列が配列番号31、またはそのフラグメントである、方法。
  55. 癌を処置するための方法であって、CAタンパク質(CAP)のインヒビターを患者に投与する工程を包含し、ここで、該CAPが、表1〜6に概説される配列からなる群より選択されるヒト核酸配列を含む核酸によってコードされる、方法。
  56. 請求項55に記載の癌を処置するための方法であって、ここで、前記CAタンパク質(CAP)のインヒビターが、CAタンパク質に結合する、方法。
  57. 請求項55に記載の癌を処置するための方法であって、ここで、前記CAタンパク質(CAP)のインヒビターが、SNL、FOSB、CCND1、MYC、NFKB1、およびPVT1からなる群より選択されるCAP配列の活性を調節する、方法。
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