JP2005519075A - 吸収促進剤 - Google Patents

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Abstract

吸収促進剤としての使用するための式:(式I);[式中、R1、R2およびR3は、C6〜C26の脂肪酸、PEGポリマーおよび水素からなる群から選択される(ただし、R1、R2およびR3の少なくとも一つはC6〜C26の脂肪酸残基であり、R1、R2およびR3の少なくとも一つはPEGポリマー残基である)]を有する一つ以上のモノまたはジグリセリド。

Description

本発明は、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤として、式Iによるモノまたはジグリセリドを一つ以上含む、医薬組成物に関する。該医薬組成物は、鼻腔内投与のような粘膜投与に特に適している。
医薬のような活性物質の非経口投与(静脈内、筋肉内および皮下)は、通常、最も効果的な投与経路であるとみなされている。しかしながら、注射による投与はいくつもの不都合がある。活性物質の注射は、滅菌シリンジの使用と熟練者による投与を必要とし、特に注射が度重なる場合には、痛みや炎症が生じる可能性がある。この投与経路には感染の危険がある。さらに重要なことは、筋肉内注射はしばしば人により耐えがたい場合があり、注射部位にしこり(組織の硬化)、出血(ブリーディング)および/または壊死(組織の局部的死滅)を起こす可能性がある。
粘膜組織は鼻腔粘膜下の毛細血管の広範なネットワークに接続しており、このため、粘膜が医薬の送達(活性物質の送達)に非常に適するようになっている。特に、活性物質の迅速な吸収を提供するのに適し、迅速な薬理学的応答を提供している。かかる粘膜の一つの例は鼻腔上皮膜であり、これは本質的に単層上皮細胞(偽重層上皮)からなる。したがって、粘膜組織は医薬の送達に非常に適している。
鼻腔医薬送達のための種々の伝達システムが開発されてきた。かかる伝達システムを使用する中で遭遇した問題の一つは、局部的炎症および迅速な吸収の欠如である。迅速な吸収が行われなければ、医薬物質のような活性物質は、全身循環、リンパ系または脳のいずれの場所であれ、吸収される前に吸収部位から排除されかねない。
生体粘着性でかつ水溶性の媒体は、粘膜投与に有利であると考えられる。しかしながら、本発明者の知る限り、かかる媒体はいまだ見出されていない。したがって、特に親水性の組成物に用いられ得る生体粘着剤の開発の必要性がある。親油性組成物にも使用できれば、それもまた有利である。該生体粘着剤は、医薬物質および/またはワクチンのような活性物質の粘膜送達に適していなければならない。
鼻腔医薬送達の多様な伝達システムが開発されてきた。かかる伝達システムの使用で遭遇する問題の一つは、局部的な炎症および吸収不良である。頻繁に起こる問題は、該物質が全身循環、リンパ系または脳に吸収される前に、吸収部位から排除され得ることである。ポリエチレングリコールおよびグリコフロラム(Bechgaard、Gizurarson & Hjortkjaer、DK-1170/90 およびBechgaard、Gizurarson & Hjortkjaer、 US/5,397,771)のような多くの賦形剤は、粘度が高く、それゆえにこの目的には適していない。かくして、粘度に影響されずに低濃度で用いることのできる、鼻腔または粘膜医薬送達のための効果的な製剤が必要となっている。
WO 99/02186は、モノグリセリドまたはジグリセリド誘導体をアジュバントとして含む、抗原送達システムを記載している。ここに記載されているモノグリセリドまたはジグリセリドの誘導体は、PEGポリマーを含んでいてもよい。しかしながら、かかる誘導体が活性物質の吸収を促進させることができて、作用の発現を増大および/または改善し、あるいは活性物質の生体利用効率を改善するということは、記載も示唆もされていない。しかも、かかる誘導体が粘膜表面に粘着する能力を有するということは、記載も示唆もされていない。
US6,326,401は、特に経鼻ルートの口腔粘膜用の製剤に関する。ノンポリペプタイドの活性物質を送達するための、カプリルカプロイル−マクロゴールグリセリドを含む医薬組成物を記載している。グリセリドが生体粘着性を有するということは、記載も示唆もされていない。
本発明は、鼻粘膜への鼻腔内投与のように粘膜に投与されたとき、活性物質を循環系に速やかに吸収させ得る医薬組成物を提供する。
該組成物は、一つ以上のポリエチレングリコールおよび一つ以上の脂肪酸とグリセロールのエステル化により形成されるグリセリドエステルである、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤を含む。吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤は、請求されている濃度では鼻腔粘膜を刺激しない。
発明の要約
本発明は、式Iによるモノおよびジグリセリドが、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤であるという観察に基づいている。さらに、モノおよびジグリセリドは水溶性であり、このことは生体粘着性が、水をベースとする系のような単相システムで現れることを意味する。上記の効果に関するこの観察は、粘膜表面への投与のための医薬組成物のデザインの点で極めて価値がある。
第一に、この組成物が投与後確実に投与部位に長時間滞留し得ること(すなわち急速に排除されることが回避される)、第二にグリセリドの水溶性により、単相組成物としての組成物を調製し得ること、すなわち、2相以上の組成物を安定化させるために、(乳化剤を含む)界面活性剤などを添加する必要がなく、その結果、該界面活性剤から引き起こされる炎症作用を回避することができる。さらに、作用の発現が高められ得ること、そして/または活性物質が全身循環または作用部位に、調整されて送達され得ることが想定される。
かくして、本発明は、式(I):
Figure 2005519075
[式中、
R1、R2およびR3はC6〜C26の脂肪酸、PEGポリマーおよび水素からなる群から選択される(ただし、R1、R2およびR3の少なくとも一つはC6〜C26の脂肪酸残基であり、R1、R2およびR3の少なくとも一つはPEGポリマーの残基である)]
を有する、一つ以上のモノまたはジグリセリドを含む組成物の、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤としての使用に関する。
本文中に用いられる「PEG‐C6/C26グリセリド」という用語は、ポリオキシエチレングリコール(またはエチレンオキサイドのような、重合し得るその前駆体)の、C6−C26カルボン酸およびグリセロール、またはC6−C26カルボン酸グリセリドまたはグリセリドとの相互反応から誘導される反応生成物を意味する。かかる反応から、一般的にはポリオキシエチレングリコール−C8−C10カルボン酸ジ/トリグリセリドエステル(例えば、PEG−グリセロールカプレート、PEG−グリセロール−カプリレートなど)の混合物が、主要成分として生じる。
もう一つの局面において、本発明は、以下の成分を含む鼻腔投与用の医薬組成物に関する:
i) 式(I):
Figure 2005519075
[式中、
R1、R2およびR3はC6〜C26の脂肪酸、PEGポリマーおよび水素からなる
群から選択され、少なくとも一つのC6〜C26脂肪酸および少なくとも一つのPEGポリマーを含むものとする]、
を有する一つ以上のモノまたはジグリセリド;
ii)治療、予防および/または診断に活性な物質;および
iii)任意に、生理学的に許容される媒体。
本発明のもう一つの局面は、治療効果を比較的早く得るための、または活性物質の生体利用効率を改善するための方法に関し、この方法は、本発明による組成物の有効量をヒトを含む哺乳動物に投与することを含む。
発明の詳細な開示
上記から明らかなように、本発明は特に粘膜表面への投与用の、式Iのモノまたはジグリセリドを一つ以上含む組成物の使用に関する。本発明は、特定のグリセリドが吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤として作用し得ること、そしてそれらが同時に鼻腔粘膜に炎症を起こさないという観察に基づいている。
かくして、本発明は、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤として、式(I):
Figure 2005519075
[式中、
R1、R2およびR3はC6〜C26脂肪酸、PEGポリマーおよび水素からなる
群から選択され、ただしR1、R2およびR3の少なくとも一つはC6〜C26脂肪酸残基であり、R1、R2およびR3の少なくとも一つはPEGポリマー残基であるものとする]
を有する、モノまたはジグリセリドを一つ以上含む組成物の使用に関する。
グリセリド上のPEGポリマーは、生体粘着剤の所望の水溶性を与える。かくして、該生体粘着剤の水溶性は比較的高くて、少なくとも50%w/w、または少なくとも60%w/wのような、少なくとも40%w/wである。上記のように、高い水溶性により、医薬組成物を単相水系の形態である液体の形態でデザインすることが可能であり、それにより界面活性剤または、例えば乳液または懸濁液を安定化させるその他の添加剤の存在に関連する副作用を回避することができる。
カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、アラキドン酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸を非限定的に含む、飽和または不飽和の、C6〜C26脂肪酸はいずれも使用できる。好適な脂肪酸の例は、飽和または不飽和の、C6〜20、C6〜C18、C6〜14、C6〜12、C8〜12またはC8〜10の脂肪酸である。一つの形態では、該脂肪酸はC6、C8またはC10の脂肪酸である。
脂肪酸の残基は、単一の残基または二つ以上の残基の混合物であってもよい。それらは、脂肪および油脂のような、天然または合成の源から誘導され得る。
市販のグリセリドを用いることができ、または特定および非特定のリパーゼを含むリパーゼを用いて、それらを酵素的に合成することができる。該リパーゼは、R1;R2;R1,R2;R1,R3のような特定の位置(R1、R2および/またはR3)上に、そして特定のラセミ構造などに脂肪酸を置く。
例えば、1gのシリカゲルに吸収されたグリセロール(0.92g)を20mlのtBuOMeで懸濁させる。ビニルカプリレート(3.4g)およびリゾープスデレマー(delemar)からのリパーゼ(50mg)をこの懸濁液に加えた。この混合液を室温で96時間攪拌し、反応の進捗をTLCを用いてモニターした。固形成分をろ過により除去し、溶媒を蒸発させた後、約91%の1,3ジカプリリングリセリドを含む粗反応混合物を得た。
この吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性をもつ剤は、グリセロールと一つ以上のC6〜C26カルボン酸とのエステル(グリセリドエステル)の存在下で、エチレンオキサイドをオリゴマー化またはポリマー化させることにより製造することができる。もう一つの経路は、カルボン酸グリセリドエステルまたはエステル類を、十分に予備形成されたポリオキシエチレングリセロールと、アルコーリシスを達成する条件下で相互反応させることによるものである。
「カルボン酸グリセリドエステル」という用語は、この明細書で便宜的に、グリセロールとカルボン酸とから誘導されたエステルを意味するものとして用いられられている。
好適なPEGポリマーは、投与された組織、特に粘膜と生体適合性の良いものである。これらの特性を有する好適なPEGポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、(非限定的にアミノ−PEG、親核性−PEG、PEG−チオール、PEGサクシネート、PEG−サクシンイミド、PEG−トレシレート、カルボキシメチル化−PEG、PEG−プロピオン酸、PEG−シラン、PEG−ホスホリピッド、ビオチン−PEGおよびPEG−オルソピリジル−ジサルファイドを含む)ポリエチレングリコール誘導体、およびポリオキシエチレングリコール誘導体を非限定的に含む。
吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または粘着性をもつ剤の生成に用いられるポリエチレングリコール(PEGまたはPEO)成分は、一般的には、例えば約300〜約600のような、約200〜1200の分子量をもつ中〜高分子量の材料である。
好ましくは、約2〜約30のポリエチレングリコール単位(PEG2−30)を有するポリエチレングリコールポリマー、または例えば2〜約10の残基、2〜約8の残基または約3〜約6の残基のような、2〜約15の残基を有するPEGポリマーである。
一つまたは二つのPEG部分がグリセリドの式に組み込まれ得る。水溶性部分は、グリセリドのR1、R2および/またはR3のいずれか一つに留まり得る。
かくして、本発明による使用のための組成物は、少なくとも第一および第二のグリセリドの混合物を含むことができ、第一グリセリドはR1、R2またはR3の位置に一つのPEGポリマーを有し、第二グリセリドはR1、R2および/またはR3の位置に二つのPEGポリマーを有する。
該ポリマーは、化学的または酵素的に形成される共有結合を介してグリセリドに接続され得る。該ポリマーは、グリセリドにアシル化されるか、または例えばエステラーゼ媒体の合成のようなエステル結合を用いて結合していてもよい。例えば、ソルケタール(Solketal)は、トリエタノールアミンおよびトリクロロメタン中でポリマークロライドと混合させることができ、その後、遊離のグリセロール結合は、希水性酢酸中で加熱することにより脱保護される。
触媒としてのトリエチルアミンおよび4−ジメチルアミノピリジンの存在下に、過剰のカプロイルクロライドで、脂肪酸は遊離のグリセロール結合手に結合する。この合成の結果、カプロイル/ポリマーグリセリドとなる。
一つの形態では、本発明による使用のための組成物は、一つ以上のものグリセリドの混合物および/または一つ以上のジグリセリドの混合物のような、式(I)を有するモノおよびジグリセリドの混合物を含む。モノグリセリドのジグリセリドに対するv/v%比は、例えば、約1:99〜約99:1、約2.5:97.5〜約97.5:2.5および好ましくは約5:95〜約95:5のような、約0.1:99.9〜約99.9:0.1である。
第二の形態では、モノまたはジグリセリドは:
Figure 2005519075
からなる群から選択される構造を有する。
式II〜VのPEGポリマーは、約2〜約30のポリエチレングリコール単位(PEG2−30)を有する。特殊な形態では、式II〜VのPEGは、PEG2、PEG3、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10からなる群から選択され、さらにもう一つの特殊な形態では、式II〜VのPEGは、PEG3またはPEG6である。
もう一つの形態では、モノグリセリドは次の構造を有する。
Figure 2005519075
そして、さらにもう一つの形態では、ジグリセリドは次の構造を有する。
Figure 2005519075
特殊な形態では、該組成物は次の二つの構造の混合物を含む。
Figure 2005519075
式VIおよびVIIでは、xは例えば約4〜約12、または約6〜約8のような約4〜約20であり、yは例えば2〜約10、または3〜約6のような2〜約30である。本発明の特別な形態では、xは6および/または8であり、yは3および/または6である。
組成物中の式Iのグリセリドの総濃度は、例えば少なくとも約92.5%w/w、少なくとも約95%w/w、少なくとも約97.5%w/w、少なくとも約98%w/wまたは少なくとも約99%w/wのような、少なくとも約90%w/wであり、通常、約5〜95%の式IIおよびIIIのグリセリド脂肪酸ジエステルのような、例えば0.05〜99.5%の式IIおよびIIIのグリセリド脂肪酸ジエステル、および例えば約5〜95%の式IVおよびVのグリセリド脂肪酸モノエステルのような約0.05〜約99.95%の式IVおよびVのグリセリド脂肪酸モノエステルである。グリセリドの該脂肪酸エステルは、約30〜90%のオクタン酸エステル(C8)および約5〜80%のデカン酸エステル(C10)を含んでいてもよい。
一つの形態では、グリセリドはキラル炭素を含み、特定の形態では該キラル炭素はS−またはR−型である。
本発明で用いられる、吸収性を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を有する好適な剤は、市場で購入でき、Condea Chemie GmbH (ドイツ、Witten)製造のSoftigen(商標)767である。Softigen(商標)767は次の内訳:
Figure 2005519075
を含む。
EP−0351651は、インスリンの吸収促進剤としてのPEG−C8/C10−グリセリドの使用を記載している。特に、経口および口腔投与されるインスリン用。記載内容から、PEG−C8/C10−グリセリドの濃度の増加は、吸収の増進をもたらすことがうかがえる。鼻腔組成物に関して、記載された組成物は、比較的高い濃度、すなわち約50%w/wの吸収促進剤を有する。
本発明は、式Iによるグリセリドを提供し、それは、添付の請求の範囲に請求されている濃度で、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤として用いることができる。非常に低い濃度でも、適した治療応答が導かれたことを本発明者らが観察したことは、特に興味深い。かくして、0.005〜約2.5%、または0.01〜2.0%v/vに相当する範囲の濃度さえ、鼻腔粘膜のような粘膜を通じて、医薬のような活性物質の投与に適している。
この剤は十分に水溶性であり、水または食塩水で非粘性の溶液を生成する。本発明の剤は、鼻腔粘膜を通して活性物質の吸収を高める。本発明の使用により、上皮膜の許容しがたい炎症を生じることなく、医薬のような活性物質の全身循環への、著しく調節可能な全身吸収能力がもたらされる。
上記のように、EP−B−0 351 651(Hoffmann−La Roche)の開示は、経口および口腔インスリン組成物に焦点を当てている。本発明は、主に、鼻腔組成物を指向しているが、上記のように、本発明によるグリセリドの非常に低い濃度でも、好適な治療応答をもたらし得る。
したがって、もう一つの局面では、本発明は:
i)本発明によるモノ、またはジグリセリドを一つ以上含む組成物
ii)治療的、予防的および/または診断的に活性な物質、および
iii)任意に、生理学的に許容される媒体
を含む、鼻腔投与用の医薬組成物に関する。
本発明は、一般的組成物をも指向しており、その中で吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を有する剤が比較的低い濃度、すなわち、モノグリセリド、ジグリセリドおよびそれらの混合物からなる群から選択される化学的に修飾されたグリセリドが、例えば0.01〜2%v/vのような0.005〜2.5%v/vの範囲の濃度であり、前記グリセリドは、式(I):
Figure 2005519075
[式中、R1、R2およびR3は上に定義したとおりである]
を有する。
鼻腔投与用の本発明による組成物において、組成物中の成分i)の濃度は、例えば約0.005%〜約50%v/v、約0.005%〜約40%v/v、約0.01%〜約30%v/v、約0.01%〜約25%v/v、約0.01〜約20%v/v、約0.01〜約15%v/v、約0.01〜約10%v/vのような、多くとも50%v/vである。あるいは、組成物中の成分i)の濃度は、例えば多くとも約7.5%v/v、多くとも約5%v/v、多くとも2.5%v/vのような、多くとも約10%v/vである。
投与経路に関係なく、本発明は、組成物中に約0.2%〜約1%v/vのような例えば約0.1〜約1.5%v/vのような、約0.01%〜約2%v/vの成分i)の濃度を有する組成物に関する。
上記のように、本発明による組成物は、組成物中に含まれる活性物質の比較的早い発現をもたらす。かくして、成分i)の代わりに食塩水を含む同様の組成物を投与した後に得られるtmax−に比べて、鼻腔投与されたときのtmax−は投与後比較的速やかに発現する。言い換えれば、本発明による組成物では、モノまたはジグリセリドが、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤として用いられ、所望のtmax−を与える。
本発明による組成物のさらなる利点は、生体利用効率の向上が得られることである。かくして、鼻腔投与されたとき、生体利用効率は、成分i)の代わりに食塩水を含む同様の組成物を投与した後に得られる生体利用効率に比較して、例えば少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40のような、少なくとも2の指数で増加する。ある具体的な形態において、本発明による組成物は、溶解された形態にある活性物質ii)を含む。
上記の効果に加えて、本発明の組成物は、活性物質の鼻腔粘膜への粘着性を媒介し、それにより投与部位での該物質の滞留時間を引き延ばす。さらに、本発明による組成物は、鼻腔粘膜を通して医薬のような活性物質の吸収を促進する。すなわち、生物学的に活性であるべく十分な速さと量で、該医薬が全身循環に吸収され得る。吸収促進剤が吸収率を高めて医薬の迅速な発現を許容し、鼻腔粘膜を通して吸収される量を増大させるので、このことが達成される。
本発明による組成物は、さらに、界面活性剤、吸水性ポリマー、酵素的分解を抑制する物質、アルコール、有機溶媒、油分、pH調整剤、可溶化剤、安定化剤、HLB調整剤、粘度調整剤、保存剤、浸透圧調整剤、噴射剤、空気置換剤、水、およびそれらの混合物からなる群から選択される成分を一つ以上含んでいてもよい。
鼻腔内投与のために、活性物質は、粘膜分泌物または繊毛摶動で除去される前に、粘膜を通して全身循環に浸透または吸収され得るような方法で、粘膜に適用されなくてはならない。粘膜に浸透するために、送達媒体は粘膜とある程度の生体適合性をもち、それゆえにある程度の親水性と疎水性をもたなければならない。
ここに記載する研究は、ここに記載される組成物の、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤としての有用性に関する。したがって、本発明は、例えば活性物質、およびPEG−C8/C10−グリセリドからなる群から選択される0.01〜2%v/vのグリセリドを含む、吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を有する剤を含む医薬組成物にも関する。
PEG−C8/C10グリセリドは、ポリオキシエチレングリコール(または、エチレンオキサイドのような、重合可能なその前駆体)C6−C26カルボン酸グリセリドまたはグリセリド類の相互反応、またはグリセロールのエステルおよび一つ以上のかかるC6−C26カルボン酸(グリセリドエステル類)の存在下にエチレンオキサイドをオリゴマー化、またはポリマー化することにより誘導される物質である。
かかる反応からの生成物は、一般に、主要成分として、ポリオキシエチレングリコール−C6−C26カルボン酸モノ/ジグリセリドエステル(例えば、PEG−C8/C10−グリセロールジカプリレート、ジPEG−グリセロール−カプレート、PEG−グリセロールジカプリレートなど)の混合物である。
本発明の吸収促進剤、生体利用効率向上剤、および/または生体粘着剤は、活性物質の粘膜表面への粘着を媒介し、また全身循環への十分な吸収と吸収率をもたらすために、医薬のような物質の吸収を調整する。
本発明において、活性物質は本発明による一つ以上のグリセリドと組み合わされ、この製剤は、哺乳動物のような対象の粘膜表面への該物質の粘着を媒介して、対象への医薬の吸収を引き出すために用いられる。活性物質および医薬の例は、制吐剤および鎮嘔剤ならびに、オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、スコポラミン、メトロピマジンのような運動疾患治療剤、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタンのような抗片頭痛薬;男性ホルモン、例えばテストステロンおよびそれらの誘導体のような性ホルモン;ニコチン、カルシトニンのようなホルモンのような麻薬拮抗治療薬、アポモルフィン、シルデナフィルのような勃起不全の治療薬、モルヒネのような鎮痛剤、メラトニンおよびベンゾジアゼピンのような催眠剤、ジアゼパム、アルプゾラム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、トリアゾラム、ニトラゼパム、ロルメタゼパム、ミダゾラム、デスメチルジアゼパム、フルラゼパムのようなベンゾジアゼピンの群からの鎮静剤、前麻酔薬、および癲癇発作治療薬;へパリン、ダルテパリン、エノキサパリンおよびトラネキサミン酸のような抗血栓治療薬;繊毛性性腺刺激ホルモン、メノトロピン、フォリトロピンアルファ、フォリトロピンベータおよびルトロピンアルファのような不妊治療薬である。
その他の活性物質は、非限定的に、抗ウィルス、抗プリオン、抗菌、抗新生物、抗寄生、抗炎症、および/または抗真菌活性を有する物質を含む。それらは、神経伝達物質、神経調整物質、ホルモン、ホルモン放出因子、ホルモン受容体アゴニストまたはアンタゴニストとして作用する。
該物質は、特定の酵素、抗酸化剤、遊離ラジカルスカベンジャーまたは金属キレート剤の活性化剤または抑制剤でもあり得る。活性物質は、さらに、刺激剤、鎮静剤、催眠薬、鎮痛剤、抗痙攣剤、制吐剤、抗不安剤、抗鬱剤、精神安定剤、認知高揚剤、健忘症予防または治療剤、新陳代謝刺激または抑制剤、食欲増進または抑制剤、および/または麻酔作用または抑制剤として作用し得る物質であってもよい。
該物質は、さらに、例えばグルコース、ケトン体などの栄養素、あるいは
レシチン、コリン、またはアルツハイマー病治療用の神経伝達物質を生成するためのアセチル補酵素Aのような代謝前駆体、あるいは肥満および糖尿病治療用のインスリンといった、治療または予防されるべき障害に関して不十分であるとわかった生理活性物質であってもよい。
該物質は、ウィルス、バクテリア、プリオン、寄生虫感染または腫瘍および/もしくは癌の治療用の抗体であってもよいし、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体および/またはその病気や障害に特徴的である生化学的マーカーが用いられる病気や障害の診断用の抗体であってもよい。
かかる診断用抗体は、本発明により好適であり得るいずれのラベリング剤でラベルされていてもよい。遺伝子操作された微生物も、腫瘍および/または癌の治療に用いられ得る。
活性物質は、アドレナリンホルモン、コルチコステロイドおよび誘導体、アミノ酸、食欲抑制剤、抗生物質、抗アレルギー剤、抗体、抗コリン作用剤、抗鬱剤、抗癲癇剤および抗痙攣剤、抗ヒスタミン剤、抗高血圧剤、抗炎症剤(酵素系または非ステロイドもしくはステロイド系)、抗新生物剤、抗敗血剤、抗腫瘍剤、鎮咳剤(喘息薬)、抗ウィルスおよび抗癌剤、ベータアドレナリン作用遮断剤、因子VII、因子VIIIなどのような血液因子、代謝調整剤、骨代謝調整剤、気管支拡張剤、強心剤、心臓血管調整ホルモン、化学療法剤、CNS刺激剤、診断薬、ドーパミン作用剤、酵素、胃腸ホルモン、視床下部ホルモンおよび誘導体、降圧剤、局部麻酔剤、偏頭痛治療物質、麻薬、拮抗剤および鎮痛剤、膵臓ホルモンおよび誘導体、副交感神経興奮剤、副交感神経遮断剤、パーキンソン病物質、脳下垂体ホルモンおよび誘導体、プロスタグランジン、プロテアーゼ抑制剤、鎮静剤、性ホルモン、交換神経興奮剤、甲状腺ホルモンおよび誘導体、精神安定剤、血管収縮剤、血管拡張剤およびビタミンからなる群から選択される物質を含んでいてもよい。
医薬のような活性物質は、粒子形態でまたは溶解して用いることができる。この製剤は、溶解された医薬に特に好適である。
本発明による、吸収促進剤、生体利用効率向上剤および/または生体粘着剤の吸収促進効果は、HPLC、LC−MS、LC−MS−MS、GC、GC−MS、分光線検査および/またはELISAアッセイのような、本技術分野において公知の方法でモニターすることができる。ここに用いられている「吸収促進効果」は、活性物質の全身循環への吸収を増大および/または促進させる能力を意味する。吸収促進効果は、非限定的に、該物質の鼻腔粘膜を通した運搬を増加させることにより該活性物質の吸収を高め、この運搬を促進する能力を含む。
本発明による、吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を有する剤の投与は、通常、当該活性物質の薬理学的応答の向上を生じたり、もたらしたりする。この文脈で、「促進」は、吸収促進剤を欠いている場合に比べ、吸収促進剤が存在する場合には、活性物質の吸収が量的に増大し、そして/または質的に改善されていることを意味する。さらに、最適な生物学的作用応答を達成するための薬物動態学を仕立てるために、活性物質の吸収動力学は、吸収促進剤の濃度によって調整し得る。
吸収促進剤の存在下および非存在下での吸収の比較は、HPLC、LC−MS、LC−MS−MS、GC、GC−MS、分光線検査またはELISAアッセイによる滴定比較のような慣例の方法、および適当な対照により行うことができる。吸収の向上は、粘膜への直接効果の結果であり得るか、または粘膜への生物学的活性薬剤のさらに有利な表出によることができる。
本発明による、特定の活性物質を伴った、吸収促進剤、生体利用効率向上剤、および/または生体粘着剤の生体粘着効果は、生体粘着力計測器、放射線トレーサー、蛍光トレーサーのような、本技術分野で公知の方法を用いて評価できる。ここに用いられる「生体粘着効果」は、吸収部位での活性物質の滞留時間を延長させる能力を意味する。生体粘着効果は、鼻腔のような吸収部位からの活性物質の排除を減少させることにより、活性物質の滞留時間を引き延ばす能力を、非限定的に含む。
通常、本発明の、吸収を促進させ、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を付与する剤の投与は、調整された放出、および当該活性物質に対する薬理学的応答の延長を生じたり、もたらしたりする。この文脈において、「延長」は、活性物質の薬理学的効果が、本発明の該剤が存在する場合に、該剤を欠いている場合よりも量的に長く、そして/またはそれゆえに質的に改善されていることを意味することを意図している。
該生体粘着性剤の存在下および非存在下での効果の比較は、放射線ラベルトレーサーまたは蛍光ラベルトレーサーのクリアランスをモニタリングするような慣例の方法、および適切な対照により、行うことができる。延長された時間は、粘膜環境との生体適合性の結果であり、そして/または該活性物質の粘膜へのより有利な表出による、粘膜に対する直接効果の結果であり得る。
本発明の方法は、活性物質および本発明による吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を付与する剤を含む本発明による医薬組成物の薬理学的有効量を、哺乳動物、特にヒトまたはその他の霊長類に投与することを含む。
吸収を促進させ、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を付与する剤の濃度は、約0.01%〜約2%v/vの高濃度から低濃度に亘っており、より具体的には、約0.2%〜約1.5%v/v、そしてより好ましくは0.2%〜1%v/vの間が、一般に吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を付与する効果をもたらすのに効果的である。
しかしながら、活性薬剤によってこれらの投与量の範囲は変動する。さらに具体的な投与量は、治療を受ける哺乳動物の年齢、体重および健康状況や投与方法によっても異なる。熟練技術者は好適な投与量を簡単に決定する。
本発明による組成物は、任意に生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水、水、デキストロース、エタノールポリオール(グリセロールまたはプロピレングリコールのような)およびそれらの混合物のような、医薬的にまたは生理学的に許容される媒体中で、投与され得る。本発明による製剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および/または一つ以上の保存剤との混合物であり得る。
好適な分散剤または湿潤剤は、例えば天然由来のホスファタイド、例えばレシチンもしくは大豆レシチン;エチレンオキサイドと例えば脂肪酸との縮合生成物、長鎖脂肪族アルコール、または脂肪酸とヘキシトールもしくは無水ヘキシトールから誘導される部分エステル、例えばポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどである。
好適な懸濁化剤は、例えばアカシアゴム、キサンタンゴム、またはトラガカントゴムのような例えば天然由来のゴム;例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース(例えばAvicel RC591)、メチルセルロースのようなセルロース;例えばアルギン酸ナトリウムのようなアルギネートなどである。
本発明の製剤に用いられる保存剤の好適な例は、メチルまたはプロピル p−ヒドロキシベンゾエートのようなパラベン、および塩化ベンザルコニウムである。
鼻腔粘膜への適用には、鼻腔スプレーまたはインハレーション製剤が、本発明による使用に適した組成物である。典型的な鼻腔用製剤中では、活性物質は溶液の形態で存在する。医薬的に許容される媒体および賦形剤、ならびに希釈剤、着香料、保存剤などのような、組成物中に存在するその他の任意の医薬的に許容される材料は、いずれも当業者に理解されている方法で、従来の医薬プラクティスに従って選択される。本発明による鼻腔製剤の投与後、活性物質は、鼻腔粘膜を通って吸収され得る。
医薬的に許容される賦形剤は、抗酸化剤、緩衝剤、保存剤、湿潤剤および香料を含む。抗酸化剤の例は、アスコルビン酸およびその誘導体、トコフェロールおよびその誘導体、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、およびシステインである。保存剤の例は、メチルまたはプロピルp−ヒドロキシベンゾエートのようなパラベンおよび塩化ベンザルコニウムである。湿潤剤の例は、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトールおよび尿素である。
その他の賦形剤の例は、アーモンドオイル、キャスターオイル、カカオバター、ココナッツオイル、コーンオイル、綿実油、亜麻仁油、オリーブオイル、パームオイル、ピーナッツオイル、けしの実オイル、菜種油、ごま油、大豆油、ひまわり油および茶油のような食用油;ならびにカルメローズ、カルメローズナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キトサン、ペクチン、キサンタンゴム、カラゲナン、ローカストビーンゴム、アカシアゴム、ゼラチンおよびアルギネートのようなポリマーである。
多くの粘膜製剤は、賦形剤の特別な混合物を必要とする。したがって、製剤は、一つ以上の界面活性剤、および/または吸水性ポリマー、および/または酵素的分解を抑制する物質、および/またはアルコール、有機溶媒、オイル、pH調整剤、可溶化剤、安定化剤、HLB調整剤、粘度調整剤、保存剤、浸透圧調整剤、噴射剤、空気置換剤、水およびそれらの混合物を含み得る。
界面活性剤は、ノンオキシノール、オクトキシノール、ツィーン、スパン、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノパルミテートから選択され得る;吸水性ポリマーは、グリコフロールおよびその誘導体、ポリエチレングリコール200−7500およびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、プロピレングリコール、ゼラチン、セルロースおよびその誘導体から選択され得る。
酵素分解を抑制する物質は、アプロチニン、DFP、カーボポールから選択され得る;オイルは、植物油、大豆油、ピーナッツオイル、ココナッツオイル、コーンオイル、オリーブオイル、ひまわり油、ミグリオールから選ばれ得る;pH−調整剤は、酢酸、塩酸、硝酸、メタリン酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、トロラミンから選択され得る;可溶化剤は、アルコール、イソプロピルアルコール、水、グリコフロール、ポリエチレングリコール200−7500から選択され得る; シクロデキストリンのような安定化剤、HLB調整剤は、ツィーン 20−85、Span 20−80、Brij 30-98、アカシアから選択され得る;
粘度調整剤は、セルロースおよびその誘導体、ツィーンおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、セチルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ゼラチンから選択され得る;保存剤は、ベンザルコニウム塩、ベンジルアルコール、フェノール、チメロサール、硝酸フェニル水銀、フェニルエチルアルコール、クロロブタノール、塩化セチルピリジニウムから選択され得る;浸透圧調整剤は、デキストロース、塩化ナトリウム、マンニトールから選択され得る;そして噴射剤は、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロモノフルオロメタン、およびブタンのようなその他のオゾン非破壊性噴射剤から選択され得る;空気置換剤は窒素でよい。
有効量の活性物質が、適切な容量で投与され得ることが重要である。
その量は、該組成物が鼻腔経路により投与される場合、対象となるヒトに対して約300μlを超えてはいけない。それより多い容量は患者にとって不快であり、前方の鼻孔からまたは後方の咽頭から排出されることになる。その結果、活性物質の一部が吸収部位から失われる。上記の容量は、好ましくは、約20μl〜約125μlであり、好ましくは一方の鼻孔に投与される。
所望の薬理学的応答で用いられる設定された投与範囲の調整および操作は、当業者の能力の範囲内である。本発明の活性物質は、未成年および成年の恒温動物、特にヒトの治療、ならびに診断または予防的使用も意図している。
本発明による、粘膜吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を付与する剤は、いくつもの重要な意味をもっている。本剤は、時間の経過とともに最適な濃度に至り、それにより所望の生理学的応答が得られるように、活性物質または薬物の吸収を調整するために用いることができる。
より具体的には、0.01−2%の低い濃度範囲でも、吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を付与する剤の濃度における変動は、所定時間でのその薬物の血中濃度を操作するのに用いることができる。その結果、効果的な治療、診断または予防の処置が達せられる。加えて、本発明の吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を有する剤は、吸収性の乏しい物質が粘膜を越えて運搬される能力を促進することができる。
また、治療的な濃度の要求を満たしつつ、毒性反応の危険を最小限にするのに十分な低い濃度に調整され得るので、より安全な薬物運搬を提供することも可能である。活性物質が効果的な治療に通常要求される濃度では毒性を有する場合、投与量を減らすことにより、毒性反応の危険が軽減され、かつ安全な薬物運搬をもたらし得る。
さらには、本発明による、吸収を促進し、生体利用効率を向上させ、そして/または生体粘着性を付与する剤は、予防接種された生物において、粘膜投与された抗原の滞留時間を延長させ、抗原が存在する細胞が抗原を認識するための適当な時間をもたらす。これは、本剤の生体粘着効果によるものである。その結果、通常必要とされる量よりも少ない量の抗原で効果的な予防が達成され得る。抗原の必要量が減少したために、製造が困難で費用のかかるワクチンがより広範に使用できることになる。
通常、活性物質の効果的な血清中濃度は、数週間または数ヶ月に亘って得られる。本発明の手段により、一段と時間をかけずに臨床的に適切な濃度を生ずることができる。いくつかの例においては、一回の投与で良好な応答が生じ得る。
本発明による組成物は、幼児、成長期・十代の若者、成人および高齢者を含んで、特にヒトに適している。本組成物の性質は、多様な活性物質の吸収を促進させ、調整する能力、および投与部位における該物質の滞留時間を延長させる能力を与えるため、該組成物は、悪心を催す人または嚥下障害のある人に加えて、例えば脾臓摘出患者、がん患者、抗がん剤使用患者、抗喘息剤使用患者、抗炎症剤使用患者、高−および低甲状腺機能患者、下痢または嘔吐などの吸収不良患者など、多様な症状にある患者に用いることができる。
本発明による組成物は、ウマ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヤギ、ウサギ、野生動物およびマウス、ラット、モルモット、ハムスタ−、ウサギ、イヌ、ネコまたはサルのような実験動物などの動物に対して;鶏、七面鳥、アヒル、ダチョウ、熱帯鳥または野鳥などの鳥類に対して投与するのにも適している。
動物については、それぞれの成分の濃度は調整が必要である。例えば、ヒツジに対しては、鼻孔が非常に水分を含んでいるので、組成物に水吸収性の賦形剤を追加する必要がある。当業者であれば、所望の効果を達成するために組成物および投与量をどのように調整すべきかは知っているだろう。
特別な形態では、本発明はトリプタン様、例えばスマトリプタンのような片頭痛治療用の薬物;またはオンダンセトロンのような嘔吐および悪心の治療用薬物、あるいはテストステロンのようなホルモンを含む組成物に関する。
さらなる形態において、本発明は:
i)約0.01%〜約2.5%v/vの下記(VI)と(VII)の混合物:
Figure 2005519075
[式中、xは、約4〜約12、または約6〜約8のような約4〜約20であり、yは例えば2〜約10、または3〜約6のような2〜約30である]
ii) 例えばスマトリプタンのようなトリプタン
iii) 任意に、生理学的に許容される媒体、および
iv) 水
を含む組成物に関する。
本発明は、さらに、本発明による組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において治療、予防および/または診断効果を引き出す方法に関する。
一つの形態では、本発明は、本発明による組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、ヒトを含む哺乳動物において活性物質の治療、予防および/または診断効果の迅速な発現を得る方法に関する。この発現は、tmaxおよび/またはCmaxを発現尺度として用いて、成分i)の代わりに食塩水を含む同様の組成物と比べたとき、より速くなっている。
第二の形態では、本発明は、本発明による組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、ヒトを含む哺乳動物において活性物質の治療、予防および/または診断効果の生体利用効率を改善する方法に関する。この生体利用効率は、AUCo-infinityを尺度として用いて、成分i)の代わりに食塩水を含む同様の組成物と比べたとき、改善されている。
特別な形態では、投与は鼻腔投与であり、さらなる形態では、ヒトに投与される量は約20〜約300μLの範囲である。
さらなる興味深い形態は、添付の請求の範囲に記載されている。
次の実施例は、本発明を説明するために含まれており、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。この出願全体に亘るすべての引用文献、特許および公開特許出願の内容は、参照によってここに組み込まれる。
実施例1
本発明による組成物の製造、およびウサギにおけるインビボ反応
二つの製剤AおよびBを調製した。製剤Aは、水中にスマトリプタン、1%ソフチゲン767(PEG−C8/C10−グリセリド)を含み、製剤Bはイミグラン(商標)のようにリン酸緩衝食塩水中にスマトリプタンを含む。これらの製剤をウサギの鼻腔内に投与し、スマトリプタンの血清中濃度を時間の関数として測定した。その結果は、イミグラン(商標)を使用したときよりも、ソフチゲンを使用したときに、Cmax、tmax、生体利用効率および臨床反応の著しい改善を示している。図1はその結果を示す。Cmaxは40ng/mlから600ng/mlに向上し、tmaxは30〜45分から3〜5分に改善されている。
実施例2
吸収促進物質の濃度とインビボ反応との関係
四つの製剤、I、II、およびIIIを調製した。製剤Iは水中にスマトリプタン、1%ソフチゲン767(PEG−C8/C10−グリセリド)を含み;製剤IIは水中にスマトリプタン、0.5%ソフチゲン767(PEG−C8/C10−グリセリド)を含み;製剤IIIは水中にスマトリプタン、0.2%ソフチゲン767(PEG−C8/C10−グリセリド)を含む;そして、製剤IVはイミグラン(商標)のようにリン酸緩衝食塩水中にスマトリプタンを含む。
これらの製剤をウサギの鼻腔内に投与し、スマトリプタンの血清中濃度を時間の関数として測定した。この結果は、ソフチゲン767の適正な濃度を用いることによりtmaxまでの時間が調整され得ることを示している。表1はこの結果を表す。ソフチゲン767の濃度とtmaxまでの時間との間には直線的な関係があった。
Figure 2005519075
実施例3
本発明による吸収促進剤および生体粘着剤としてソフチゲン(商標)が適用されたときの顕著な改善効果の実証
交差研究において、4匹のウサギが、1%ソフチゲン(商標)(Sasol GmbH、ドイツ)(n=4)および1%ラブラソール(Labrasol(商標): Gattefosse、フランス)(n=4)を含む製剤中の薬物Aを投与された。0、2、5、 10、15、30、45および60分後に血液試料用に採血された。これら二つの製剤の比較は、ラブラソール(商標)がAUC=2.552およびtmaxが10分であったのに対して、ソフチゲン(商標)はAUC=4.875およびtmax=6分であることを示した。図2参照。
製造者によれば、ラブラソール(商標)は、主に次の化合物の混合物である、カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド類を示す。
Figure 2005519075
x=6または8(カプリン酸およびカプリル酸)、y=8平均、遊離グリセロールは5%未満。したがって、ラブラソール(商標)は式Iの化合物の定義に含まれていないので、本発明による組成物ではない。
ラブラソール(商標)と対照的に、ソフチゲンは式Iによる組成物である。
ソフチゲン(商標)は、マクロゴール−6−グリセロール−カプリロカプレートを示し、主に次の化合物の混合物である。
Figure 2005519075
x=6または8(カプリン酸およびカプリル酸)、そして各分子上のyの合計は平均6である。
ソフチゲンは、オクタン/デカンマクロゴール−6グリセリドからなり、それはオクタン酸およびデカン酸のモノおよびジグリセリドのエトキシ化により製造される。
他方のラブラソールは、マクロゴール−8オクタン酸/デカン酸モノまたはジエステルとグリセロールのモノ、ジおよびトリエステルとの混合物である。この組成物は、マクロゴール400を用いて、対応するトリグリセリドを部分的にアルコール分解して得られる。
次の表に、ソフチゲン(商標)とラブラソール(商標)の比較を示す。
Figure 2005519075
実施例1の結果を示すグラフである。 実施例3の結果を示すグラフである。

Claims (42)

  1. 式(I)を有する一つ以上のモノまたはジグリセリドを含む組成物の、吸収促進剤としての使用:
    Figure 2005519075
    [式中、
    R1、R2およびR3は、C6〜C26の脂肪酸、PEGポリマーおよび水素からなる群から選択される(ただし、R1、R2およびR3の少なくとも一つはC6〜C26の脂肪酸残基であり、R1、R2およびR3の少なくとも一つはPEGポリマー残基である)]。
  2. 生体利用効率向上剤としての、請求項1に記載の組成物の使用。
  3. 生体粘着剤としての、請求項1および2に記載の組成物の使用。
  4. PEGポリマーが約200〜約1200の分子量を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  5. PEGがエチレングリコールまたはその誘導体の残基を2〜約30含む、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
  6. PEGが、例えば2〜約15の残基、2〜約10の残基、3〜10の残基、2〜約8の残基、または約3〜約6の残基のような、2〜20の残基を有する、請求項1〜5に記載の使用。
  7. 該組成物がモノおよびジグリセリドの混合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
  8. 該組成物が、少なくとも第一および第二のグリセリドの混合物を含み、該第一グリセリドがR1、R2またはR3の位置に一つのPEGポリマーを有し、該第二グリセリドがR1、R2、および/またはR3の位置に二つのPEGポリマーを有する、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
  9. ジグリセリドに対するモノグリセリドのv/v%比が、例えば約1:99〜約99:1、約2.5:97.5〜約97.5:2.5のような約0.1:99.9〜約99.9:0.1、そして好ましくは約5:95〜約95:5である、請求項7または8に記載の使用。
  10. モノまたはジグリセリドが、
    Figure 2005519075
    からなる群から選択される構造を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
  11. PEGがPEG2、PEG3、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれかに記載の使用。
  12. PEGがPEG3またはPEG6である、請求項11に記載の使用。
  13. R1、R2およびR3の少なくとも一つが、例えば飽和のC6〜20、飽和のC6〜18、飽和のC6〜14、飽和のC6〜12、飽和のC8〜12または飽和のC8〜10脂肪酸のような、飽和のC6〜26脂肪酸から選択される、請求項1〜12のいずれかに記載の使用。
  14. R1、R2およびR3の少なくとも一つがC6、C8またはC10脂肪酸である、請求項13に記載の使用。
  15. 組成物中のグリセリドの総濃度が、例えば式IIおよびIIIのグリセリド脂肪酸ジエステル約5〜約95%、ならびに式IVおよびVのグリセリド脂肪酸モノエステル約5〜約95%のような、例えば少なくとも約92.5%w/w、少なくとも約95%w/w、少なくとも約97.5%w/w、少なくとも約98%w/wまたは少なくとも約99%w/wのような、少なくとも90%w/wである、請求項1〜14のいずれかに記載の使用。
  16. グリセリドがキラル炭素を有する、請求項1〜15のいずれかに記載の使用。
  17. キラル炭素がS−またはR−形態である、請求項16に記載の使用。
  18. グリセリドが次の構造を有する、請求項1〜17のいずれかに記載の使用。
    Figure 2005519075
  19. グリセリドが次の構造を有する、請求項1〜18のいずれかに記載の使用。
    Figure 2005519075
  20. 組成物が、
    Figure 2005519075
    の混合物を含む、請求項18または19に記載の使用。
  21. xが、例えば約4〜約12または約6〜約8のような約4〜約20である、請求項18〜20に記載の使用。
  22. yが、例えば2〜約10または3〜約6のような2〜約30である、請求項18〜21に記載の使用。
  23. xが6および/または8であり、yが3および/または6である、請求項18〜22に記載の使用。
  24. i)請求項1〜23のいずれかに記載の組成物、
    ii)治療、予防および/または診断用活性物質;および
    iii)任意に、生理学的に許容される媒体
    を含む鼻腔投与用の医薬組成物。
  25. 請求項1〜23のいずれかに記載の組成物を約0.005%〜約2.5%v/v含む、請求項24に記載の医薬組成物。
  26. 組成物中の成分i)の濃度が、例えば約0.005%〜約50%v/v、約0.005%〜約40%v/v、約0.01%〜約30%v/v、約0.01%〜約25%v/v、約0.01〜約20%v/v、約0.01〜約15%v/v、約0.01〜約10%v/vのような、多くとも50%v/vである、請求項24に記載の組成物。
  27. 組成物中の成分i)の濃度が、例えば多くとも約7.5%v/v、多くとも約5%v/v、多くとも2.5%v/vのような、多くとも約10%v/vである、請求項26に記載の組成物。
  28. 組成物中の成分i)の濃度が約0.01%〜約2%v/vである、請求項24〜27のいずれかに記載の組成物。
  29. 成分i)の濃度が、約0.2〜約1%v/vのような、約0.1〜約1.5%v/vである、請求項24〜28のいずれかに記載の組成物。
  30. 鼻腔投与されたとき、成分i)の代わりに食塩水を含む同様の組成物を投与した後に得られるtmaxに比べて、tmaxが投与後比較的速かに発現する、請求項24〜29のいずれかに記載の組成物。
  31. 生体利用効率が、鼻腔投与のとき、成分i)の代わりに食塩水を含む同様の組成物の投与後に得られる生体利用効率に比べて、例えば少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40のような、少なくとも2の係数で向上する、請求項24〜30のいずれかに記載の組成物。
  32. 活性物質ii)が溶解状態にある、請求項24〜31のいずれかに記載の組成物。
  33. 界面活性剤、吸水性ポリマー、酵素分解抑制物質、アルコール、有機溶媒、油、pH調整剤、可溶化剤、安定化剤、HLB調整剤、粘度調整剤、保存剤、浸透圧調整剤、噴射剤、空気置換剤、水、およびそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の成分をさらに含む、請求項24〜32のいずれかに記載の組成物。
  34. 成分i)が、所望のtmaxをもたらす、吸収促進剤、生体利用効率向上剤、および/または生体粘着剤として用いられる、請求項24〜33のいずれかに記載の組成物。
  35. 活性物質ii)を全身循環に投与するための、請求項24〜34のいずれかに記載の組成物。
  36. 活性物質が、トリプタン様、例えばスマトリプタンのような片頭痛治療用の;またはオンダンセトロン、もしくはテストステロンのようなホルモンのような嘔吐および悪心治療用の薬物である、請求項24〜35のいずれかに記載の組成物。
  37. i)
    Figure 2005519075
    [式中、xおよびyは請求項21〜23に定義されている通りである]
    の混合物を約0.01%〜約2.5%v/v、
    ii)例えばスマトリプタンのようなトリプタン、
    iii)任意に、生理学的に許容される媒体、および
    iv)水
    を含む、請求項24〜36のいずれかに記載の組成物。
  38. 請求項24〜37のいずれかに記載の組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物において治療、予防および/または診断効果を引き出す方法。
  39. 発現のための尺度としてtmaxおよび/またはCmaxを用いて、成分i)の代わりに食塩水を含む同様の組成物と比べたとき、その発現がより速やかである、請求項24〜37のいずれかに記載の組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、ヒトを含む哺乳動物において、活性物質の治療、予防および/または診断効果の速やかな発現を得るための方法。
  40. 尺度としてAUC0-インフィニティを用いて、成分i)の代わりに食塩水を含む同様の組成物と比べたとき、生体利用効率が改善されている、請求項24〜37のいずれかに記載の組成物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、ヒトを含む哺乳動物において、活性物質の治療、予防および/または診断効果の生体利用効率を改善する方法。
  41. 投与が鼻腔内投与である、請求項38〜40のいずれかに記載の方法。
  42. ヒトに投与される量が約20〜約300μLの範囲にある、請求項38〜41のいずれかに記載の方法。
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