JP2005506324A - 抗炎症剤としてのアミノピロール化合物 - Google Patents

抗炎症剤としてのアミノピロール化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、式Iで示されるアミノピロール化合物、またはそのプロドラック、個々の異性体、異性体の混合物もしくは薬学的に許容されうる塩、ならびにこれら化合物の製造方法および疾患、特に炎症性疾患の処置におけるそれらの使用を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノピロール化合物、並びにその製造方法及び使用方法に関する。
【0002】
TNF及びIL−1は、多くの慢性炎症性及び自己免疫性疾患の基になっている病理学的過程において、主役であることが示されてきた。IL−1は、慢性関節リュウマチ(Arend, W. P. Arthritis & Rheumatism 38 (2): 151-160, (1995)参照)、変形性関節症、骨吸収、毒性ショック症候群、結核、アテローム性動脈硬化、糖尿病、ホジキン病(Benharroch, D.; et. al. Euro. Cytokine Network 7 (1) : 51-57参照)及びアルツハイマー病などの疾患を媒介するか、または悪化させることに係っている。過剰又は無秩序なTNF産生が、慢性関節リュウマチ(Maini, R. N.; et. al. APMIS. 105 (4): 257-263, (1997); Feldmann, M., J. of the Royal College of Physicians of London 30 (6): 560-570, (1996); Lorenz, H. M.; et. al. J. of Immunology 156 (4): 1646-1653, (1996)参照)、変形性関節症、脊椎炎、敗血症、敗血症性ショック(Abraham, E.; et. al. JAMA. 277 (19): 1531-1538, (1997)参照)、成人呼吸窮迫症候群、喘息(Shah, A.; et. al. Clin. & Exp. Allergy 1038-1044, (1995) and Lassalle, P., et. al. Clin. & Exp. Immunol. 94 (1) : 105-110, (1993)参照)、骨吸収疾患、発熱(Cooper, A. L., et. al. Am. J. of Physiology 267 (6 Pt. 2): 1431-1436参照)、脳脊髄炎、脱髄(Klindert, W. E.; et al. J. of Neuroimmunol. 72 (2): 163-168, (1997)参照)及び歯周病などの疾患を媒介するか、または悪化させることに係っている。
【0003】
IL−1及びTNFレセプターアンタゴニストを用いた臨床試験では、これらのサイトカインのレセプターを介して信号を送る能力をブロックすることにより、ヒトにおいて炎症性の疾患を有意に改善することが示された。したがって、これらの炎症性サイトカインの調節は、慢性の炎症をブロックする最も効果的な戦略の一つであると考えられ、肯定的な治療結果を有する。p38MAPキナーゼが、TNFとIL−1の翻訳調節において重要な役割を果たし、また、これらの分子の生化学的シグナリングに係ることも示されている(Lee, J. C. , et al. Nature. 372 (6508): 739-46, (1994)参照)。p38MAPに結合する化合物は、骨吸収、炎症及び他の免疫性と炎症性の病状の抑制に有効である。p38MAPキナーゼの特徴付け及びTNFとIL−1の生合成におけるその中心的な役割により、このキナーゼが、これらのサイトカインにより媒介される疾患の処置における魅力的な標的となった。
【0004】
したがって、p38MAPキナーゼインヒビターを提供し、それによりTNF及びIL−1などの炎症促進性サイトカインにより媒介される疾患に対抗する手段を提供することが望ましい。
【0005】
したがって本発明の一つの態様(i)は、式:
【0006】
【化4】
Figure 2005506324
【0007】
(式中、
Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、場合により置換されているアリールであり;そして
1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル又は窒素保護基である)
で示されるアミノピロール化合物、そのプロドラッグ、個々の異性体、異性体の混合物または薬学的に許容されうる塩、並びにその製造方法又は使用方法を提供する。
【0008】
より詳細には、本発明は下記を提供する:
(ii)R1及びR2が水素である、(i)の化合物;
(iii)Ar2がハロゲン化物置換フェニルである、(i)又は(ii)の化合物;
(iv)Ar2が4−フルオロフェニルである、(i)〜(iii)のいずれか1つの化合物;
(v)Ar1が、フェニル、アルコキシ置換フェニル、ヒドロキシ置換フェニル及びヘテロアルコキシ置換フェニルからなる群より選択される、(i)〜(iv)のいずれか1つの化合物;
(vi)Ar1がヘテロアルコキシ置換フェニルである、(i)〜(v)のいずれか1つの化合物;
(vii)Ar1が、フェニル、3−メトキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル及び3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニルからなる群より選択される、(i)〜(vi)のいずれか1つの化合物。
【0009】
本発明の他の態様は、式I:
【0010】
【化5】
Figure 2005506324
【0011】
で示されるアミノピロール化合物の製造方法であって、
式II:
【0012】
【化6】
Figure 2005506324
【0013】
で示されるシアノ化合物を、式:Ar2−NH2で示されるアリールアミン化合物と、式Iで示されるアミノピロール化合物を製造するのに十分な条件下で接触させて、アミノピロール環系を形成することを含む方法であり、
式中、
Ar1及びAr2が、それぞれ上記(i)又は(iii)〜(vii)で定義されているとおりである方法を提供する。
【0014】
本発明の他の態様は、上記で示された化合物の治療有効量と賦形剤とを含む組成物を提供する。
【0015】
本発明の更に他の態様は、式Iの化合物を、p38MAPキナーゼを含む細胞に投与することを含む、細胞中のp38MAPキナーゼを阻害する方法を提供する。
【0016】
また本発明の他の態様は、式Iの化合物の治療有効量を哺乳動物に投与することを含む、p38MAPキナーゼインヒビターの投与により処置されうる哺乳動物の疾患を処置する方法を提供する。
【0017】
また本発明の他の態様は、特に、上記で定義された1つ以上の化合物の治療有効量を哺乳動物に投与することを含む、p38MAPキナーゼインヒビターの投与により処置されうる哺乳動物の疾患を処置する方法を提供し、ここで、疾患は炎症性疾患であり、より具体的には疾患は関節炎である。
【0018】
更なる態様において、本発明は、具体的には疾患が炎症性疾患であり、より具体的には疾患が関節炎である、p38MAPキナーゼインヒビターの投与により処置されうる哺乳動物の疾患を処置する薬剤の調製のための、上記で定義された1つ以上の化合物の使用を提供する。
【0019】
特記のない限り、明細書及び請求項で使用される下記の用語は、以下に示す定義を有する。
【0020】
「アルキル」は、炭素原子1〜6個の直鎖状飽和一価炭化水素部分、又は炭素原子3〜6個の分岐鎖状飽和一価炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ペンチル等である。
【0021】
「アルコキシ」は、Rが上記で定義されたアルキルである、−OR部分を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ等である。
【0022】
「アシル」は、Rが、水素、アルキル、ハロアルキル又はヘテロアルキルである、−C(O)R部分を意味し、例えば、アセチル、トリフルオロアセチル等である。
【0023】
「アリール」は、環原子6〜10個の一価単環式又は二環式芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等である。
【0024】
「ハロゲン化物」は、フッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物を意味する。
【0025】
「ハロアルキル」は、1個以上の同一又は異なるハロ原子で置換されているアルキルを意味し、例えば、−CH2Cl、−CF3、−CH2CF3、−CH2CCl3等である。
【0026】
「ヘテロアルキル」は、−NRab、−ORc(ここで、Ra、Rb及びRcは、互いに独立して水素、アルキル、又は対応する保護基である)から選択される1個以上、好ましくは1、2又は3個の置換基を有する、上記で定義されたアルキル部分を意味する。代表的な例には、ヒドロキシメチル、3−ヒドロキシプロピル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、2−アミノエチル、2−ジメチルアミノエチル等が含まれるが、これらには限定されない。
【0027】
「ヘテロアルコキシ」は、Rが上記で定義されたヘテロアルキル基である、−OR部分を意味し、例えば、2−ヒドロキシエトキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、2,3−ジヒドロキシプロポキシ、2,3−ジヒドロキシ−1−メチルプロポキシ、2−アミノエトキシ等である。
【0028】
「場合により置換されているアリール」は、上記で定義されたアリール環を意味し、これは、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン化物、シアノ、アシル、−NRR′(ここで、R及びR′は、独立して、水素、アルキル又はアシルから選択される)、−NHCOR(ここで、Rは、アルキルである)、−NRS(O)nR′(ここで、Rは、水素又はアルキルであり、nは、0〜2の整数であり、そしてR′は、水素、アルキル又はヘテロアルキルである)、−NRS(O)nNR′R"(ここで、Rは、水素又はアルキルであり、nは、0〜2の整数であり、そしてR′及びR"は、独立して水素、アルキル又はヘテロアルキルである)、−S(O)nR(ここで、nは、0〜2の整数であり、そしてRは、水素、アルキル又はヘテロアルキルである)、−S(O)nNRR′(ここで、nは、0〜2の整数であり、そしてR及びR′は、独立して水素、アルキル又はヘテロアルキルである)、−COOR、−(アルキレン)COOR(ここで、Rは、水素又はアルキルである)、−CONR′R"又は−(アルキレン)CONR′R"(ここで、R′及びR"は、独立して水素又はアルキルである)から選択される、1個以上、好ましくは1又は2個の置換基で独立して場合により置換されている。
【0029】
「場合により置換されているフェニル」は、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン化物、シアノ、アシル、−NRR′(ここで、R及びR′は、独立して、水素、アルキル又はアシルから選択される)、−NHCOR(ここで、Rは、アルキルである)、−NRS(O)nR′(ここで、Rは、水素又はアルキルであり、nは、0〜2の整数であり、そしてR′は、水素、アルキル又はヘテロアルキルである)、−NRS(O)nNR′R"(ここで、Rは、水素又はアルキルであり、nは、0〜2の整数であり、そしてR′及びR"は、独立して水素、アルキル又はヘテロアルキルである)、−S(O)nR(ここで、nは、0〜2の整数であり、そしてRは、水素、アルキル又はヘテロアルキルである)、−S(O)nNRR′(ここで、nは、0〜2の整数であり、そしてR及びR′は、独立して水素、アルキル又はヘテロアルキルである)、−COOR、−(アルキレン)COOR(ここで、Rは、水素又はアルキルである)、−CONR′R"又は−(アルキレン)CONR′R"(ここで、R′及びR"は、独立して水素又はアルキルである)から選択される、1個以上、好ましくは1又は2個の置換基で独立して場合により置換されているフェニルを意味する。
【0030】
「任意の」又は「場合により」は、後に続く記載の事象又は状況が起こってもよいが起こる必要もなく、記載が事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「場合によりアルキル基でモノ−又はジ−置換されているアリール基」は、アルキルが存在してもよいが、その必要はなく、その記載が、アリール基がアルキル基でモノ−又はジ置換されている状態と、ヘテロシクロ基がアルキル基で置換されていない状態とを含むことを意味する。
【0031】
「薬学的に許容されうる賦形剤」は、一般的に安全で、非毒性であり、生物学的にも、それ以外にも望ましくないものでない、医薬組成物の調製に有用である賦形剤を意味し、ヒトに対する薬学的使用と同様に獣医学的使用にも許容されうる賦形剤を含む。本明細書及び請求項で使用される「薬学的に許容されうる賦形剤」は、そのような賦形剤の1つ及び2つ以上を含む。
【0032】
「プロドラッグ」は、このプロドラッグが哺乳類の対象に投与された場合、式(I)で示される活性母剤をインビボで放出するいずれかの化合物を意味する。式(I)の化合物のプロドラッグは、修飾がインビボで開裂して親化合物を放出してもよいように、式(I)の化合物に存在する官能基を修飾することにより製造される。プロドラッグは、化合物(I)におけるヒドロキシ、アミノ又はスルフヒドリル基が、インビボで開裂してそれぞれ遊離のヒドロキシル、アミノ又はスルフヒドリル基を発生してもよいいずれかの基と結合している、式(I)の化合物を含む。プロドラッグの例には、エステル類(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステル及び安息香酸エステルの誘導体)、式(I)の化合物のヒドロキシ官能基のカルバミメート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)等が含まれるが、これらに限定されない。
【0033】
疾患を「処置する」又は疾患の「処置」には次が含まれる:(1)疾患を予防すること、すなわち疾患に曝されるか、罹患しやすくなりうるが、いまだ疾患の症状を経験又は現していない哺乳動物において、疾患の臨床症状を発現させないこと、(2)疾患を抑制すること、すなわち疾患又はその臨床症状の進行を阻止するか、減退させること、あるいは(3)疾患を緩和すること、すなわち疾患又はその臨床症状を退行させること。
【0034】
化学反応に言及する場合、用語「処理する」、「接触させる」及び「反応させる」は、本明細書において交互に使用され、2つ以上の試薬を、適切な条件下で加えるか又は混合して、指示された及び/又は所望された生成物を製造することを指し示す。指示された及び/又は所望された生成物を製造する反応が、最初に加えられた2つの試薬を組み合わせた直接の結果である必要はなく、すなわち混合物中に製造された1つ以上の中間体が存在してもよく、最終的にそれが指示された及び/又は所望された生成物の形成につながることを理解すべきである。
【0035】
「治療有効量」は、疾患を処置するため哺乳動物に投与する場合、そのような疾患の処置を行うのに十分である化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患及びその重篤度、並びに処置されるべき哺乳動物の年齢、体重等に応じて変更される。
【0036】
本発明の一つの態様は、式I:
【0037】
【化7】
Figure 2005506324
【0038】
(式中、Ar1、Ar2、R1及びR2は上記と同義である)、そのプロドラッグ、個々の異性体、異性体の混合物又は薬学的に許容されうる塩、並びにその調製又は使用方法を提供する。
【0039】
好ましくは、R1及びR2は水素である。
【0040】
好ましくは、Ar2は、場合により置換されているフェニルであり、より好ましくは、ハロゲン化物置換フェニルであり、最も好ましくは4−ハロフェニル、特に4−フルオロフェニルである。
【0041】
好ましくは、Ar1は、フェニル、アルコキシ置換フェニル、ヒドロキシ置換フェニル及びヘテロアルコキシ置換フェニルからなる群より選択される。より好ましくは、Ar1は、フェニル、3−メトキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル及び3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニルからなる群より選択される。
【0042】
本発明の一つの実施態様において、R1及びR2は水素であり、Ar2は場合により置換されているフェニルである。
【0043】
別の実施態様において、R1及びR2は水素であり、Ar2は、ハロゲン化物置換フェニル、好ましくは4−フルオロフェニルである。
【0044】
また別の実施態様において、R1及びR2は水素であり、Ar2は4−フルオロフェニルであり、Ar1は、フェニル、アルコキシ置換フェニル、ヒドロキシ置換フェニル及びヘテロアルコキシ置換フェニルからなる群より選択される。好ましくはAr1は、ヘテロアルコキシ置換フェニルである。より好ましくは、Ar1は3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニルである。
【0045】
また更に別の実施態様において、R1及びR2は水素であり、Ar2は4−フルオロフェニルであり、Ar1は、フェニル、3−メトキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル又は3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニルである。
【0046】
本発明の別の実施態様において、R1及びR2は水素であり、Ar1は場合により置換されているフェニルである。好ましくは、Ar1は、フェニル、アルコキシ置換フェニル、ヒドロキシ置換フェニル又はヘテロアルコキシ置換フェニルである。好ましくはAr1は、ヘテロアルコキシ置換フェニルである。より好ましくは、Ar1は3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニルである。この実施態様の範囲内において、Ar2は、好ましくはハロゲン化物置換フェニル、好ましくは4−フルオロフェニルである。
【0047】
上記記載の好ましい基の組み合わせによっても、他の好ましい実施態様が形成される。したがって、例えば、好ましい置換基R1及びR2も、好ましい置換基Ar1及び/又はAr2を有する化合物の好ましい置換基である。
【0048】
本発明の化合物は、水和形態を含む溶媒和形態と同様に、非溶媒和形態として存在することができる。一般に、水和形態を含む溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲に包含されることが意図される。更に、上記のように、本発明は、また、これらの化合物の全ての薬学的に許容されうる塩を、その化合物のプロドラッグ形態及び純粋なキラル形態又はラセミ混合物又は他の形態の混合物であるかどうかを問わず全ての立体異性体とともに含む。
【0049】
式Iの化合物は、薬学的に許容されうる酸付加塩を更に形成することができる。これら全ての形態は、本発明の範囲内である。
【0050】
式Iの化合物の薬学的に許容されうる酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等のような無機酸から誘導される塩、並びに脂肪族モノ−及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸等のような有機酸から誘導される塩が含まれる。したがってそのような塩には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜流酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等が含まれる。また、考慮されるものは、アルギン酸塩等のようなアミノ酸の塩、及びグルコン酸塩、ガラクツロン酸塩(例えば、Berge et al., "Pharmaceutical Salts," J. of Pharmaceutical Science, 1977,66, 1-19参照)である。
【0051】
塩基性化合物の酸付加塩は、遊離塩基形態を、塩を製造するのに十分な量の所望の酸と従来の方法で接触させることにより、調製することができる。遊離塩基形態は、従来の方法で塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基を単離することにより再生することができる。遊離塩基形態は、そのそれぞれの塩形態と、極性溶媒中の溶解性のような特定の物性において多少異なることがあるが、それ以外では、塩はそのそれぞれの遊離塩基と本発明の目的において等価である。
【0052】
薬学的に許容されうる塩基付加塩は、アルカリ及びアルカリ土類金属イオン又は有機アミン類などの金属イオン又はアミン類により形成することができる。カチオンとして使用される金属イオンの例には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等が含まれる。適切なアミン類の例は、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインである(例えば、Berge et al, "Pharmaceutical Salts," J. of Pharmaceutical Science, 1977,66, 1-19参照)。
【0053】
酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸形態を、塩を製造するのに十分な量の所望の塩基と従来の方法で接触させることにより、調製することができる。遊離酸形態は、従来の方法で塩形態を酸と接触させ、遊離酸を単離することにより再生することができる。遊離酸形態は、そのそれぞれの塩形態と、極性溶媒中の溶解性のような特定の物性において多少異なることがあるが、それ以外では、塩はそのそれぞれの遊離酸と本発明の目的において等価である。
【0054】
本発明の例示的な化合物を下記の表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 2005506324
【0056】
本発明の化合物は、下記の方法により製造することができる。これらの化合物を製造することにおいて使用された出発原料及び試薬は、Aldrich Chemical Co., (Milwaukee, Wisconsin, USA)、Bachem (Torrance, California, USA)、Emka-Chemie 又は Sigma (St. Louis, Missouri, USA) などの商業供給者から入手可能であるか、あるいはFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-17 (John Wiley and Sons, 1991); Rodd's Chemisty of Carbon Compounds, Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989), Organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley and Sons, 1991), March's Advanced Organic Chemistry, (John Wiley and Sons, 4th Edition) 及び Larock's Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989) などの参考文献に記載された手順に従って当業者に既知の方法により製造される。これらのスキームは、本発明の化合物を合成することができる幾つかの方法を説明しているに過ぎず、これらのスキームに対して種々の変更を行うことができ、それは、本開示を参考しながら当業者にとって容易に理解されることになる。
【0057】
反応の出発原料及び中間体を、所望であれば、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー等を含むが、それらには限定されない、従来の技術を使用して、単離及び精製することができる。そのような物質を、物理定数やスペクトルデータを含む従来の手段を使用して特徴付けすることができる。
【0058】
一つの実施態様では、Ar2は4−フルオロフェニルである。
【0059】
別の実施態様では、Ar2は、4−フルオロフェニルであり、Ar1は、アルコキシ置換フェニルである。
【0060】
更に別の実施態様では、Ar2は4−フルオロフェニルであり、そしてAr1は、アルコキシ置換フェニルであり、そしてこの方法は、更に、Ar1がヒドロキシ置換フェニルである式Iで示されるアミノピロール化合物を製造するのに十分な条件下で、式Iで示されるアミノピロール化合物をルイス酸と接触させて、アルコキシ置換基をヒドロキシ置換基に変換することを含む。
【0061】
また別の実施態様では、方法は、更に、Ar1がヘテロアルコキシ置換フェニルである式Iで示されるアミノピロール化合物を製造するのに十分な条件下で、Ar1がヒドロキシ置換フェニルである式Iで示されるアミノピロール化合物を、脱離基を含むヘテロアルキル化合物と接触させ、Ar1のヒドロキシ基をアルキル化することを含む。
【0062】
また更に別の実施態様では、式IIで示されるシアノ化合物は、式III:
【0063】
【化8】
Figure 2005506324
【0064】
で示されるアロイルアセトニトリル誘導体を、塩基の存在下、前記式IIのシアノ化合物を製造するのに十分な条件下、式IV:
【0065】
【化9】
Figure 2005506324
【0066】
で示される3−ハロアセチルピリジンと接触させることにより製造されるが、ここで式中、
Ar1は、場合により置換されているアリールであり、そして
Xは、離脱基である。
【0067】
式Iの化合物を製造する一つ特定の方法は、式II:
【0068】
【化10】
Figure 2005506324
【0069】
で示されるシアノ化合物を、式:Ar2−NH2で示されるアリールアミン化合物と、Ar1及びAr2が上記で定義されている式Iで示されるアミノピロール化合物を製造するのに十分な条件下で接触させて、アミノピロール環系を形成することを含む。アミノピロール環形成反応は、典型的には酸触媒環化反応である。好ましくは、酸は、約2以下のpHを有する強酸である。適切な酸触媒には、硫酸、リン酸、HCl、HBr、HIなどの無機酸、並びにAlCl3、BBr3、BCl3等のルイス酸が含まれる。プロトン源が利用可能な場合、ルイス酸は、無機プロトン酸を発生することもでき、それは環化反応に触媒作用を及ぼすこともできることが理解されるべきである。
【0070】
環化反応は、一般的に、エタノール、イソプロパノ−ル等の極性溶媒中で実施される。環化反応温度は、使用される特定の酸触媒、反応溶媒、出発原料の反応性等を含む多様な要因に左右される。典型的には、環化反応温度は、少なくとも約80℃である。実際には、環化反応は、反応溶媒の還流条件下で実施される。
【0071】
環化反応時間も、反応温度をはじめとする上記記載の多様な要因に左右される。しかし一般に環化反応時間は、還流条件下で少なくとも約8時間である。典型的には、環化反応時間は、約6時間から約16時間である。
【0072】
式IIのシアノ化合物は、式III:
【0073】
【化11】
Figure 2005506324
【0074】
で示されるアロイルアセトニトリル誘導体を、塩基の存在下、式IIで示されるシアノ化合物を製造するのに十分な条件下、式IV:
【0075】
【化12】
Figure 2005506324
【0076】
で示される3−ハロアセチルピリジンと接触させることにより容易に製造することができ、ここで、Ar1は、上記で定義されたものであり、そしてXは、ハロゲン化物、好ましくは臭化物又は塩化物などの離脱基である。置換反応に適切な塩基は、典型的には、非求核塩基である。好ましくは、塩基は、式IIIで示されるアロイルアセトニトリル誘導体を脱プロトン化するのに十分なほど強力である。適切な塩基には、金属水素化物、金属tert−ブトキシド等が含まれる。典型的には、強い塩基が使用されるので、塩基と式IIIで示されるアロイルアセトニトリル誘導体との間の最初の脱プロトン化反応は、発熱反応である。そのため、反応温度は、一般に約0℃以下に維持される。典型的な反応溶媒は、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテルのような非プロトン性溶媒である。
【0077】
式Iの化合物の製造方法は、アリール基Ar1又はAr2を修飾することを更に含むことができる。例えば、アリール基Ar1が、置換基を含む場合、本発明の方法は、そのアリール基上の置換基を交換又は修飾することを含むことができる。これは、Ar1が1個以上のアミノ、カルボニル、ヒドロキシ及びアルコキシ基で置換されている場合、特に適用することができる。Ar1がアルコキシ基で置換されている場合、アルコキシ基は、式Iの化合物をルイス酸と接触させることにより、ヒドロキシ基に変換することができる。適切なルイス酸には、Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, John Wiley & Sons, New York, 1999で記載されているものが含まれるが、この全体は参照として本明細書に組み込まれる。
【0078】
次に遊離ヒドロキシ基を、所望の置換基で置換(例えば、アルキル化)することができる。例えば、ヒドロキシ基を、離脱基を含むヘテロアルキル化合物と接触させることにより、Ar1がヘテロアルコキシ置換フェニルである式Iで示されるアミノピロール化合物を提供する。
【0079】
本発明の化合物は、多種多様な薬学的活性を有する。例えば、本発明者らは、本発明の化合物がp38MAPキナーゼインヒビターであることを見出した。したがって、その化合物は、炎症性疾患、特に関節炎の処置に有用である。
【0080】
そのため、本発明の化合物は、慢性関節リュウマチ、変形性関節症、脊椎炎、骨吸収症、敗血症、敗血症性ショック、毒性ショック症候群、内毒素性ショック、結核、アテローム性動脈硬化、糖尿病、成人呼吸窮迫症候群、慢性炎症性肺疾患、発熱、歯周病、潰瘍性大腸炎、発熱(pyresis)、アルツハイマー病及びパーキンソン病を含む、p38MAPキナーゼにより媒介される疾患の処置に有用である。
【0081】
本発明の化合物のp38MAPキナーゼを阻害する能力は、実施例4に記載されたインビトロアッセイにより証明された。本発明の化合物がTNF−α放出を阻害する能力は、実施例5及び6でそれぞれ詳細に記載されているインビトロアッセイ及びインビボアッセイにより証明された。本発明の化合物の抗炎症活性は、ラットに関節炎を誘発するアジュバンドを用いる、実施例7に記載されたアッセイにより決定することができる。
【0082】
一般的に、本発明の化合物は、同様の効用をもつ薬剤の許容されているあらゆる投与方法によって、治療有効量が投与される。本発明の化合物、すなわち活性成分の実際の量は、典型的には、処置される疾患の重篤度、被検者の年齢及び相対的な健康状態、使用される化合物の効能、投与経路及び形態、並びに他の要因などの数多くの要因より左右される。
【0083】
本発明の化合物の治療有効量は、1日当たり、摂取者の体重1kg当たり約0.1〜50mg、好ましくは約1〜30mg/kg/日の範囲であることができる。したがって、70kgのヒトに対する投与では、用量範囲は、1日当たり約70mg〜2.1gが最も好ましい。
【0084】
一般的に、本発明の化合物は、次の経路のいずれか一つにより医薬組成物として投与される:経口、全身(例えば、経皮、経鼻内又は坐剤)又は非経口(例えば、筋肉内、静脈内又は皮下)投与。好ましい投与方法は、苦痛の程度に従って調整できる、従来の1日用量レジメンを使用する経口である。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固形剤、散剤、持続放出配合剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾル剤又は他の適切な組成物の形態をとることができる。
【0085】
処方の選択は種々の要因、例えば、薬剤投与方法(例えば、経口投与では、錠剤、丸剤又はカプセル剤の形態の製剤が好ましい)及び薬剤原料の生物学的利用能に依存する。最近、特に生物学的利用能の劣る薬剤のために、表面積を増加して、すなわち粒度を減少させて、生物学的利用能を増強させるという原理を基礎として、医薬製剤が開発された。例えば、米国特許第4,107,288号は、活性原料が高分子の架橋されたマトリックス上に支持されている、10〜1000nmの範囲の大きさの粒子を有する医薬製剤を記載している。米国特許第5,145,684号は、薬剤原料を、表面改質剤の存在下、ナノ粒子(平均粒度400nm)に微粉砕し、次に液体媒体に分散して、著しく高い生物学的利用能を示す医薬製剤を得る、医薬製剤の製造を記載している。
【0086】
組成物は、一般的に、式(I)の化合物を、少なくとも1つの薬学的に許容されうる賦形剤と組み合わせて含む。許容されうる賦形剤は、非毒性であり、投与を補助し、式(I)の化合物の治療上の利点に悪影響を与えない。そのような賦形剤は、当業者に一般的に入手可能な、固体、液体、半固体、又はエアロゾル組成物の場合はガス状賦形剤のいずれかであってよい。
【0087】
固体医薬賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、乳糖、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク等が含まれる。液体及び半固体賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール、及び石油、動物、植物性又は合成由来のものを含む種々の油、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ごま油等から選択されてよい。好ましい液体担体には、特に注射剤用には、水、生理食塩水、デキストロース水溶液及びグリコールが含まれる。
【0088】
圧縮ガスを、本発明の化合物をエアロゾル形態に分散するために使用してよい。この目的に適切な不活性ガスは、窒素、二酸化炭素等である。
【0089】
他の薬学的に適切な賦形剤及びそれらの製剤は、E. W. Martinにより編集されたRemington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company, 18th ed., 1990) に記載されている。
【0090】
製剤における化合物の量は、当業者に用いられる全ての範囲の枠内で変更できる。典型的には、製剤は、重量%(wt%)単位で、製剤全体に対して式(I)の化合物を約0.01〜99.99wt%含有し、残りが1つ以上の適切な医薬賦形剤である。好ましくは、化合物は、約1〜80wt%のレベルで存在する。式(I)の化合物を含有する代表的な医薬製剤は、実施例3に記載されている。
【0091】
実施例
実施例1
この例は、〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−フェニルメタノンの製造方法を説明している。
【0092】
【化13】
Figure 2005506324
【0093】
工程a:2−ベンゾイル−4−オキソ−4−ピリジン−3−イル−ブチロニトリルの製造
【0094】
【化14】
Figure 2005506324
【0095】
湿式氷浴で冷却した、THF 50mL中のベンゾイルアセトニトリル3.0g(21mmol)に、水素化ナトリウム(60%油中分散)0.84g(21mmol)を加えた。1時間後、3−ブロモアセチルピリジン臭化水素酸塩2.8g(10mmol)を加えた。3時間後、反応混合物をブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:40〜80%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2−ベンゾイル−4−オキソ−4−ピリジン−3−イル−ブチロニトリル2.6g(93%)(MH+=265)を得た。
【0096】
工程b:〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−フェニルメタノンの製造
【0097】
【化15】
Figure 2005506324
【0098】
エチルアルコール30mL中の2−ベンゾイル−4−オキソ−4−ピリジン−3−イル−ブチロニトリル2.6g(9.8mmol)及び4−フルオロアニリン0.93mL(9.8mmol)の溶液に、6滴の濃HClを加え、混合物を加熱還流した。16時間後、反応を室温に冷却し、濾過により黄色の固体を単離した。固体をメチルアルコール/酢酸エチルから再結晶させて、〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−フェニルメタノン1.5g(42%)(融点231.4〜231.8℃)を得た。この遊離塩基の酢酸エチル溶液をHCl/エーテルで処理して、〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−フェニルメタノン塩酸塩(融点218〜222℃)を得た。
【0099】
実施例2
この例は、〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−3−{〔2−(s),3−ジヒドロキシプロポキシ〕フェニル}−メタノンの製造方法を説明している。
【0100】
【化16】
Figure 2005506324
【0101】
工程a:2−(3−メトキシベンゾイル)−4−オキソ−4−ピリジン−3−イル−ブチロニトリルの製造
【0102】
【化17】
Figure 2005506324
【0103】
湿式氷浴で冷却した、THF 30mL中の3−メトキシベンゾイルアセトニトリル1.3g(7.5mmol)に、水素化ナトリウム(60%油中分散)0.3g(7.5mmol)を加えた。1時間後、3−ブロモアセチルピリジン臭化水素酸塩1.0g(3.6mmol)を加えた。3時間後、反応混合物をブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:40〜100%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2−(3−メトキシベンゾイル)−4−オキソ−4−ピリジン−3−イル−ブチロニトリル0.95g(43%)(MH+=295)を得た。
【0104】
工程b:〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−3−(メトキシフェニル)メタノンの製造
【0105】
【化18】
Figure 2005506324
【0106】
エチルアルコール30mL中の2−(3−メトキシベンゾイル)−4−オキソ−4−ピリジン−3−イル−ブチロニトリル3.0g(10.2mmol)、4−フルオロアニリン0.97mL(10.2mmol)及び6滴の濃HClの混合物を加熱還流した。16時間後、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:20〜40%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−3−(メトキシフェニル)メタノン1.0g(25%)(MH+=388)を得た。
【0107】
工程c:〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−3−(ヒドロキシフェニル)メタノンの製造
【0108】
【化19】
Figure 2005506324
【0109】
湿式氷浴で冷却した、ジクロロメタン25mL中の〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン-3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−3−メトキシフェニル)メタノン1.0g(2.6mmol)の溶液に、三臭化ホウ素(ジクロロメタン中1.0M)15.5mL(155mmol)を加えた。反応を室温に温めた。16時間後、反応を湿式氷浴で再冷却し、水を滴加した。反応混合物のpHを濃水酸化アンモニウムで10に調整し、次にジクロロメタンで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:40〜80%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−3−(ヒドロキシフェニル)メタノン0.6g(62%)(融点240.3〜242.5℃)を得た。
【0110】
工程d:〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−〔3−(2,2−ジメチル−〔1,3〕ジオキソラン−4(s)−イルメトキシ)−フェニル〕−メタノンの製造
【0111】
【化20】
Figure 2005506324
【0112】
DMF 10mL中の〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−イル〕−3−(ヒドロキシフェニル)メタノン0.6g(1.6mmol)、L−α,β−イソプロピリデングリセロール−γ−トシレート1.06g(3.7mmol)及び炭酸カリウム1.2g(8.7mmol)の混合物を80℃で加熱した。16時間後、反応混合物を室温に冷却し、ブラインに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:15〜50%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−イル〕−〔3−(2,2−ジメチル−〔1,3〕ジオキソラン−4(S)−イルメトキシ)−フェニル〕−メタノン0.7g(90%)を得た。
【0113】
工程e:〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1h−ピロール−3−イル〕−3−{〔2(s),3−ジヒドロキシプロポキシ〕フェニル}−メタノンの製造
【0114】
【化21】
Figure 2005506324
【0115】
メチルアルコール20mL及び水5mL中の〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−イル〕−〔3−(2,2−ジメチル−〔1,3〕ジオキソラン−4(S)−イルメトキシ)−フェニル〕−メタノン0.7g(1.44mmol)及びp−トルエンスルホン酸0.35gの混合物を50℃に加熱した。18時間後、反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で濃縮した。残渣を重炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶離:100%酢酸エチル〜10%メチルアルコール/酢酸エチル/0.4%水酸化アンモニウム)により精製した。HCl/エーテルによる酢酸エチル溶液の処理により、精製した生成物をHCl塩に変換した。塩を濾過により単離し、乾燥させて、〔2−アミノ−1−(4−フルオロフェニル)−5−ピリジン−3−イル−1H−ピロール−3−イル〕−3−{〔2−(S),3−ジヒドロキシプロポキシ〕フェニル}−メタノン0.4g(56%)(MH+=448)を得た。
【0116】
実施例3
下記は、式(I)の化合物を含有する医薬製剤の代表例である。
【0117】
錠剤製剤
下記の成分を十分に混合し、単割線入り錠剤に圧縮した。
【0118】
【表2】
Figure 2005506324
【0119】
カプセル製剤
下記の成分を十分に混合し、ハードシェルゼラチンカプセルに充填した。
【0120】
【表3】
Figure 2005506324
【0121】
懸濁製剤
下記の成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成した。
【0122】
【表4】
Figure 2005506324
【0123】
注射製剤
下記の成分を混合して、注射製剤を形成した。
【0124】
【表5】
Figure 2005506324
【0125】
水を除く全ての上記成分を合わせ、撹拌しながら60〜70℃に加熱した。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら60℃で加え、成分を乳化し、次に、100gになる十分量の水を加えた。
【0126】
坐剤配合物
全重量2.5gの坐剤は、本発明の化合物をWitepsol(登録商標)H−15(飽和植物性脂肪酸のトリグリセリド、Riches-Nelson, Inc., ニューヨーク)と混合することにより調製し、下記の組成を有した。
【0127】
【表6】
Figure 2005506324
【0128】
実施例4
p−38(MAP)キナーゼ阻害インビトロアッセイ
本発明の化合物のインビトロでのp−38MAPキナーゼ阻害活性は、Ahn, N. G.; et al. J. Biol. Chem. Vol. 266(7), 4220-4227, (1991)に記載された方法を少々変更して用いて、γ−33P−ATPからミエリン塩基性タンパク質(Myelin Basic Protein)(MBP)へのp−38キナーゼによるγ−リン酸の移動を測定することにより求めた。
【0129】
組換えp38MAPキナーゼのリン酸化型は、E. coli中でSEK−1及びMEKKと共に発現させ、次にニッケルカラムを用いてアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。
【0130】
リン酸化p38MAPキナーゼは、キナーゼ緩衝液(20mM 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、pH7.2、25mM β−グリセロールリン酸、5mMエチレングリコール−ビス(ベータ−アミノエチルエーテル)−N,N,N′,N′−四酢酸、1mMバナジン酸ナトリウム、1mMジチオトレイトール、40mM塩化マグネシウム)中に希釈した。DMSOに溶解した試験化合物又はDMSOのみ(対照)を加え、試料を30℃で10分間インキュベートした。MBP及びγ−33P−ATPを含む基質カクテルの添加により、キナーゼ反応を開始させた。30℃で更に20分間インキュベートした後、0.75%リン酸を加えることにより、反応を終了させた。次にホスホセルロース膜(Millipore, Bedfrod, MA, USA)を用いて、リン酸化MBPを残留γ−33P−ATPから分離して、シンチレーションカウンター(Packard, Meriden, CT, USA)を用いて定量した。
【0131】
本発明の化合物は、このアッセイにおいて活性であった。本発明の幾つかの化合物のp−38阻害活性(測定されるp−38酵素の50%阻害を引き起こす濃度であり、IC50として表される)は、以下である:
【0132】
【表7】
Figure 2005506324
【0133】
実施例5
THP1細胞におけるLPS誘導TNF−α産生の阻害:インビトロアッセイ
TNF−α放出を阻害する本発明の化合物の能力は、Blifeld, C. et al. Transplantation, Vol. 51 (2), 498-503, (1991)に記載された方法を少々変更して用いて測定した。
【0134】
(a)TNF生合成の誘導:
THP−1細胞を培地〔15%ウシ胎仔血清、0.02mM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI(Gibco-BRL, Gailthersburg, MD)〕に、2.5×106細胞/mlの濃度で懸濁し、次に96ウェルプレートに入れた(各ウェルに0.2mlアリコート)。試験化合物は、DMSOに溶解し、次いで最終DMSO濃度が5%になるように培地で希釈した。試験溶液又はDMSOを含む培地のみ(対照)の20μlアリコートを各ウェルに加えた。細胞を37℃で30分間インキュベートした。LPS(Sigma, St. Louis, MO, USA)をウェルに0.5μg/mlの最終濃度で加え、細胞を更に2時間インキュベートした。インキュベーションの最後に、培養上清を回収して、存在するTNF−αの量を、後述のようにELISAアッセイを用いて測定した。
【0135】
(b)ELISAアッセイ:
存在するヒトTNF−αの量を、Reimund, J. M., et al. GUT. Vol. 39 (5), 684-689 (1996)に記載されている2つの抗TNF−α抗体(2TNF−H22及び2TNF−H34)を用いる特異的捕捉ELISAアッセイにより決定した。
【0136】
ポリスチレン96ウェルプレートは、PBS中の抗体2TNF−H22(10μg/ml)の1ウェル当たり50μlでコーティングして、加湿チャンバー中、4℃で一晩インキュベートした。プレートをPBSで洗浄し、次にPBS中の5%脱脂粉乳により室温で1時間ブロックして、PBS中の0.1% BSA(ウシ血清アルブミン)で洗浄した。
【0137】
TNF標準品は、ヒト組換えTNF−αのストック溶液(R & D Systems, Minneapolis, MN, USA)から調製した。このアッセイにおける標準品の濃度は、10ng/mlから始めて6回の半対数の連続希釈法で設定した。
【0138】
上記培養上清又はTNF標準品又は培地のみ(対照)の25μlアリコートを、ビオチン化モノクローナル抗体2TNF−H34(0.1% BSAを含むPBS中2μg/ml)25μlアリコートと混合し、次に各ウェルに加えた。試料は、室温で穏やかに振とうしながら2時間インキュベートし、次いでPBS中の0.1% BSAで3回洗浄した。PBS中に0.416μg/mlのペルオキシダーゼ−ストレプトアビジン及び0.1% BSAを含む、ペルオキシダーゼ−ストレプトアビジン(Zymed, S. San Francisco, CA)溶液50μlを各ウェルに加えた。試料は、室温で更に1時間インキュベートし、次にPBS中の0.1% BSAで4回洗浄した。O−フェニレンジアミン溶液(0.2Mクエン酸緩衝液、pH4.5中の1μg/mL O−フェニレンジアミン及び0.03%過酸化水素)50μlを各ウェルに加え、試料を暗所中、室温で30分間インキュベートした。試料及び基準の光学密度をそれぞれ450nm及び650nmで測定した。TNF−α濃度は、使用した濃度に対する450nmの光学密度に関するグラフから求めた。
【0139】
IC50値は、450nm吸光度の最大の減少の半分に対応する試験化合物の濃度として定義した。本発明の化合物は、このアッセイにおいて活性であった。
【0140】
実施例6
ラットにおけるLPS誘導TNF−α産生の阻害:インビボアッセイ
本発明の化合物のTNF−α放出をインビボで阻害する能力は、Zanetti, G.; Heumann, D., et. al.,"Cytokine production after intravenous or peritoneal Gram-negative bacterial challenge in mice," J. Immunol., 148,1890, (1992) and Sekut, L.,Menius, J. A. , et. al.,"Evaluation of the significance of elevated levels of systemic and localized tumor necrosis factor in different animal models of inflammation," J. Lab. Clin. Med., 124,813, (1994)に記載された方法を少々変更して用いて測定した。
【0141】
110から140グラムの重量の雌Sprague-Dawleyラット(Charles River, Hollister, CA, USA)を1週間順化させた。それぞれマウス8匹を含む群に、0.9%塩化ナトリウム、0.5%カルボキシメチル−セルロースナトリウム、0.4%ポリソルベート80、0.9%ベンジルアルコールを含む水性ビヒクル(CMCビヒクル)に溶解した試験化合物、又はビヒクルのみ(対照群)のいずれかを経口投与した。30分後、マウスにLPS(Sigma, St. Louis, MO, USA)50μg/kgを腹腔内注射した。1.5時間後、マウスをCO2吸入により屠殺して、心臓穿刺術により血液を採取した。血液は、15,600×gで5分間遠心分離することにより清澄化し、血清を清浄なチューブに移して、製造者のプロトコールに従いELISAアッセイ(Biosource International, Camarillo, CA)によりTNF−αの分析を行うまで、−20℃で凍結した。
【0142】
実施例7
ラットにおけるアジュバンド関節炎アッセイ:インビボアッセイ
本発明の化合物の抗炎症活性は、ラットに関節炎を誘発させるアジュバンドを用いるアッセイにより決定してもよい。要約すると、120〜155gの重量の雌Sprague-Dawleyラット(Charles River, Hollister, CA)を、使用する約1週間前に室内で順化させた。1日目、加熱殺菌し乾燥したマイコバクテリウムブチリクム(Mycobacterium Butyricum)(Difco, Bacto. , Des. , Lot 115979JA/EXP9/99)の鉱油(Sigma, St. Louis, MO, USA)懸濁液0.1mlを、動物の尾の近位部から四分の一の部分に、1mg/0.1mlの濃度で皮内注射した。
【0143】
7日目、試験化合物をCMCビヒクル中で18日目まで投与した。18日目、化合物を投与した後、動物の重さを計った。4本の足及び尾における浮腫の強度を評価するための臨床スコアを得た。スコア0〜4を各足に、0〜3を尾に割り当て、最大スコアが19となるようにした。小さい関節(指節間関節、中手指節関節、中足指節関節)又は大きい関節(手首/手根骨、足首/足根骨)のいずれにも炎症の徴候(腫張及び発赤)が観察されない場合、多発性関節炎の動物にはスコア0を付けた。僅かな炎症が観察された場合、動物にはスコア1を付け、軽い浮腫の場合は2、重篤な浮腫の場合は3、極めて重篤な浮腫が存在する場合は4を付けた。浮腫又は壊死組織の徴候が観察されない場合、尾にはスコア0を付け、接種原注射部位及び隣接周辺組織が僅かな浮腫を示す場合は1、尾の約四分の一が炎症を起こしているか又は壊死組織を示している場合は2、尾の四分の一を超える部分が重篤な壊死又は浮腫を示している場合は3を付けた。臨床スコアを付けた後、後ろ足を、足根関節のちょうど近位部の脛骨の末端で横切した。左と右の後ろ足の重さを個別に計り、記録した。

Claims (14)

  1. 下記式:
    Figure 2005506324
    (式中、
    Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、場合により置換されているアリールであり;そして
    1及びR2は、それぞれ独立して、水素、アルキル又は窒素保護基である)
    で示される化合物、そのプロドラッグ、個々の異性体、異性体の混合物または薬学的に許容されうる塩。
  2. 1及びR2が水素である、請求項1記載の化合物。
  3. Ar2が、ハロゲン化物置換フェニルである、請求項1又は2記載の化合物。
  4. Ar2が4−フルオロフェニルである、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
  5. Ar1が、フェニル、アルコキシ置換フェニル、ヒドロキシ置換フェニル及びヘテロアルコキシ置換フェニルからなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
  6. Ar1がヘテロアルコキシ置換フェニルである、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
  7. Ar1が、フェニル、3−メトキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル及び3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニルからなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の1つ以上の化合物の治療有効量と賦形剤とを含む組成物。
  9. 式I:
    Figure 2005506324
    で示されるアミノピロール化合物の製造方法であって、
    式II:
    Figure 2005506324
    で示されるシアノ化合物を、式:Ar2−NH2で示されるアリールアミン化合物と、式Iで示されるアミノピロール化合物を製造するのに十分な条件下で接触させて、アミノピロール環系を形成することを含む方法であり、
    式中、
    Ar1及びAr2が、それぞれ請求項1又は3〜7のいずれか1項で定義されたとおりである方法。
  10. 請求項9記載の方法で製造される、請求項1又は3〜7のいずれか1項記載の化合物。
  11. 具体的には疾患が炎症性疾患であり、より具体的には疾患が関節炎である、特にp38MAPキナーゼインヒビターの投与により処置されうる哺乳動物の疾患を処置するための治療上活性な物質としての、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
  12. 具体的には疾患が炎症性疾患であり、より具体的には疾患が関節炎である、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物の治療有効量を哺乳動物に投与することを含む、p38MAPキナーゼインヒビターの投与により処置されうる哺乳動物の疾患を処置する方法。
  13. 具体的には疾患が炎症性疾患であり、より具体的には疾患が関節炎である、p38MAPキナーゼインヒビターの投与により処置されうる哺乳動物の疾患を処置する薬剤の調製のための、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物の使用。
  14. 本明細書に記載される発明。
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