JP2005349180A - 外科用処置具 - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡下での組織吻合等において、操作性が良い外科手術処置具を実現する。
【解決手段】本発明の外科用処置具(1)は、挿入部(2)と、挿入部の一端に設けられた操作部(3)と、挿入部の他端より延出するように設けられた処置部(4)と、操作部に設けられた回動操作部材の回動操作に連動して処置部に回動力を伝達する第1の軸部材(41)と、操作部に設けられた開閉操作部材の開閉操作に連動して処置部に開閉力を伝達する第2の軸部材(42)とを有し、第1の軸部材と第2の軸部材は、略同じ軸上に配置され、処置部は、回動操作部材における回動操作に応じて延出方向の軸回りに回動可能であり、かつ、開閉操作部材における開閉操作に応じてそれぞれ挟持面を有する2つの挟持部材の少なくとも1方を動かして開閉可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は、内視鏡下で、針を把持して組織を吻合等するための外科手術処置具に関する。
内視鏡下で、例えば心臓の冠状動脈血行再建術を行う手術として、胸壁に穿刺したトラカールを介して内視鏡、針持器としての外科用処置具及び鉗子等を胸腔に挿入し、鋏鉗子によって冠状動脈の一部を切開して吻合口を設け、内胸動脈を把持鉗子によって吻合口に導き、外科用処置具によって内胸動脈を吻合口に吻合して接続するバイパス手術が知られている。
このような手術において、特に縫合針を把持して組織を吻合する外科手術処置具として、例えば米国特許第5,951,575号公報に、先端部に湾曲部を有する挿入部を設け、この挿入部の先端部に開閉可能及び挿入部の軸回りに回転可能な一対のジョーを設けた構造のものが知られている。挿入部の先端部へ回動力と開閉力を伝達するための駆動ケーブルが、操作部から挿入部を通って先端部まで挿通されている。
また、米国公開特許2002−156497号公報には、3本のリンクによって処置部の回動力と開閉力を伝達する、多自由度鉗子構造の外科用処置具が開示されている。
米国特許第5,951,575号公報 米国公開特許2002−156497号公報
しかしながら、前述した米国特許第5,951,575号公報に開示されている外科手術処置具は、挿入部の先端部に開閉自在な一対のジョーを有しており、ジョーを閉じる際には、操作部の操作によってケーブルを介して一対のジョーを筒部に引き込んで閉じ、針を把持する構成である。従って、内視鏡下での吻合時においては、縫合針の保持をしながら、回動させる操作を行う必要があり、術者にとっては操作性が良くない。
また、米国公開特許2002−156497号公報に開示されている外科用処置具は、挿入部に3本のリンク部材を有しているため、処置具の挿入部の細径化には適していない機構を有している。また、術者が、縫合針を把持したときの回動角に制限がある。さらに、上述した米国特許第5,951,575号公報に開示されている外科手術処置具と同様に、縫合針の保持力を伝達しながら、回動させる操作を行う場合、リンク部材を接続している枢軸の摩擦力が増すため、術者にとって回動操作が重くなるので、操作性が良くなく、使い勝手が悪い。また、構造が複雑であり、製造においてもコストが向上する。また、挿入部が太くなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡下での組織吻合等において、操作性が良く、挿入部の細径化が図れる外科手術処置具を提供することを目的としている。
本発明の外科用処置具は、挿入部と、該挿入部の一端に設けられた操作部と、前記挿入部の他端より延出するように設けられた処置部と、前記操作部に設けられた回動操作部材の回動操作に連動して前記処置部に回動力を伝達する第1の軸部材と、前記操作部に設けられた開閉操作部材の開閉操作に連動して前記処置部に開閉力を伝達する第2の軸部材とを有し、前記第1の軸部材と前記第2の軸部材は、略同じ軸上に配置され、前記処置部は、前記回動操作部材における前記回動操作に応じて延出方向の軸回りに回動可能であり、かつ、前記開閉操作部材における前記開閉操作に応じてそれぞれ挟持面を有する2つの挟持部材の少なくとも1方を動かして開閉可能である。
本発明によれば、内視鏡下での組織吻合等において、操作性が良く、挿入部の細径化が図れる外科手術処置具を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1から図5は、本発明の第1の実施の形態に係る針持器としての外科用処置具であるニードルドライバの構造について説明するための図である。まず、図1と図2により、ニードルドライバの外観構成について説明する。図1は、本実施の形態に係わるニードルドライバの斜視図である。図2は、本実施の形態に係わるニードルドライバの平面図である。図3は、本実施の形態に係わるニードルドライバ1の、処置部4を含む先端部分の断面図である。図4は、本実施の形態に係わるニードルドライバ1の操作部3を含む基端部分の断面図である。図5は、本実施の形態に係わるニードルドライバの処置部の挟持ユニットが開いた状態を示す先端部分の断面図である。図6は、針を挟持するために処置部の挟持ユニットを開くための操作を説明するための図である。図7は、針を挟持し回動させる動作を説明するための図である。
ニードルドライバ1は、挿入部2と、その挿入部2の基端端に設けられた操作部3と、その挿入部2の先端端に設けられた処置部4とから構成される。本実施の形態では、挿入部2は、所定の長さを有する細長い円柱状である。操作部3は、挿入部2の軸と一致する軸を有する円柱状であり、術者が片手で把持して、後述する操作をすることができる形状である。処置部4は、挿入部2の軸方向に対して所定の角度の延出方向に延出するように設けられている。処置部4は、挟持ユニット5を有する。操作部3には、長孔6から一部が突出するように設けられた回動操作部材としての回動ダイヤル7と、開閉操作器としての開閉ボタン8とが設けられている。長孔6は、操作部3に2カ所設けられており、回動ダイヤル7の一部がそれぞれの長孔6から突出する。回動ダイヤル7と開閉ボタン8は、樹脂あるいは金属からなる。開閉ボタン8は、操作部3の表面から外径方向に向かって、後述するように、弾性部材の付勢力により押圧され、開閉ボタン8が、操作部3の外周面から離間する方向に付勢されている。操作部3は、樹脂製の操作部カバー9を有する。また、挿入部2は、ステンレス等の金属製のシース10によって覆われている。
まず、図3を用いて、ニードルドライバ1の処置部4を含む先端部分の構成について説明する。
挿入部2の先端部に設けられる処置部4は、挟持ユニット5を構成する2つの挟持部材21a、21b(以下、併せて21ということもある)を含む。2つの挟持部材21の一方である第1の挟持部材21bは、ステンレス製の軸部材22と、挟持リングである円環部材23とから構成される。円環部材23は、ステンレス製である。軸部材22の先端部は、円環部材23の孔に挿通され、溶接等の手段によって円環部材23に強固に固着されている。軸部材22の先端部とは反対側の他端には、円錐形状のクサビ受け部24aを有する、軸部材22の径よりも径の大きな円柱部24が形成されている。
2つの挟持部材21の他方である第2の挟持部材21aは、円筒形状を有するステンレス製であり、軸部材22が摺動可能な第1の管部25と、その管部25よりも内径の大きな第2の管部26とを有する。第2の管部26内には、ステンレス製のコイルバネ27が配設されており、コイルバネ27の一端は、第1の管部25と第2の管部26との間の段部28に当接し、他端は、軸部材22と円柱部24との間の段部29に当接し、かつ、コイルバネ27は、軸部材22がコイルバネ27内に挿通されるように、第2の挟持部材21a内に配設されている。すなわち、段部28と29は、それぞれバネ受け部である。さらに、コイルバネ27は、縮む方向に圧縮された状態で、第2の挟持部材21a内に配設されている。従って、コイルバネ27は、2つの挟持部材21の少なくとも一方を、他方に対して常に当接する方向に付勢する付勢手段を構成する。
処置部4は、先端カバー30を有しており、先端カバー30は、第1先端カバー30aと第2先端カバー30bとからなる。第1先端カバー30aと第2先端カバー30bは、樹脂からなる。第1先端カバー30aと第2先端カバー30bの内側には、処置部4の一部が配設できるような空間が形成されている。さらに、第1先端カバー30aには、処置部4が、挿入部2の軸方向に対して所定の角度θ1で突出するように、孔31が形成されている。クサビ受け部24aの円錐形状の先端部は、先端カバー30内に位置している。
第2の管部26の基端部には、外周方向に突出したフランジ部を有し、そのフランジ部の外周部に複数の歯が形成された傘歯車が形成されている。従って、第2の管部26の基端部は傘歯車部材32を構成する。2つの挟持部材21は、第1先端カバー30aと第2先端カバー30b内に形成される空間内において、孔31の内側面に傘歯車部材32のフランジ部が当接するように設けられている。挟持ユニット5は、孔31内で摺動しながら回動可能となっている。なお、フランジ部は、抜け止めの機能を果たすものである。
第1先端カバー30aと第2先端カバー30bとを嵌め合わせた状態において、先端カバー30には、シース取り付け孔33が形成される。挿入部2のシース10内には、挿入部2の軸周りに回動自在な、第1の軸部材としての円筒形状のステンレス製のパイプ部材(以下、回動力伝達部材という)41が挿通されている。シース取り付け孔33を通して、シース10の先端部が先端カバー30に固着されている。さらにパイプ形状である回動力伝達部材41の内側には、第2の軸部材としてのステンレス製の開閉力伝達棒42が、回動力伝達部材41と同軸に挿通されている。すなわち、シース10には、開閉力伝達棒42が内挿された回動力伝達部材41が内挿されており、それぞれの両端部は、操作部3と処置部4まで延出している。開閉力伝達棒42の処置部4側の先端部には、ステンレス製のクサビ部材43が固着されている。クサビ部材43は、回動力伝達部材41内において、軸方向に摺動可能に設けられている。
回動力伝達部材41の処置部4側の先端部の外周部には、円環状の傘歯車部材44が固着されている。傘歯車部材44は、ステンレスあるいは樹脂からなる。傘歯車部材44の歯と傘歯車部材32の歯とが噛み合うように、傘歯車部材44と傘歯車部材32は位置決めされて、第1先端カバー30aと第2先端カバー30b内に形成される空間内に配置されている。この傘歯車部材44の歯と傘歯車部材32の歯とが噛み合った状態で、処置部4が、挿入部2の軸方向に対して所定の角度θ1となるように、それぞれの傘歯車部材の形状は設計されている。また、傘歯車部材44の外径は、シース10の外径よりも大きく、そのために傘歯車部材44が先端カバー30から抜けないようになっている。
また、回動力伝達部材41がシース10内で回動自在となるように、シース10と回動力伝達部材41の間には、摺動性の良い樹脂等からなる、摺動ベアリングとしての円環部材45が設けられている。
クサビ部材43は、その先端部には、挿入部2の軸に対して所定の角度を持つ傾斜面43aを有する傾斜部が形成されている。傾斜面43aと傾斜面24aとが対向するように、クサビ部材43と第1の挟持部材21bは位置決めされる。棒状の開閉力伝達棒42が、後述するように開閉ボタン8の開閉操作に応じて、挿入部2の先端部方向へ移動すると、開閉力伝達棒42の先端部に設けられたクサビ部材43の傾斜部の傾斜面43aが第1の挟持部材21bのクサビ受け部24aを押圧するので、第1の挟持部材21bの軸方向であって円環部材23が第1の管部25から離れる方向に、第1の挟持部材21bは移動する。
第1の挟持部材21bの円環部材23と第2の挟持部材21aの第1の管部25とが接触するそれぞれの接触面23aと25aには、挟持した針が滑らないように、滑り止め加工が施されており、針を挟持したときに確実に固定できるようになっている。滑り止め加工としては、放電加工による滑り止め加工、あるいは、ローレット目をそれぞれの接触面に施すような加工でもよい。さらにあるいは、表面を金属メッキして、ダイヤモンド、サファイアの硬度の高い粒子の粉を、金属メッキに埋め込むような加工でもよい。
そして、処置部4は、針を挟持する円環部材23と第1の管部25の接触面の平面に対して略直交する方向であって、挿入部2の軸方向に対して所定の角度θ1の方向に延出している。
次に、ニードルドライバ1の操作部3の構成について説明する。
操作部3は、全体に円柱形状をしており、断面形状がそれぞれ半円形状の第1操作部カバー9aと第2操作部カバー9bとからなる操作カバー9を有している。操作カバー9は、操作部3の先端部において挿入部2の基端部を覆うように設けられている。第1操作部カバー9aと第2操作部カバー9bとは、図示しないネジ等の固定部材によって互いに固定される。第1操作部カバー9aと第2操作部カバー9bは、プラスチック等の樹脂からなる。
操作部3の軸に対して直交する方向に設けられた軸部材51が、操作部カバー9に設けられた軸受け孔52に回動可能に挿入されている。軸部材51には、回動ホイールとしての回動ダイヤル7の回動軸部材として機能するように、回動ダイヤル7が固着される。軸部材51には、さらに傘歯車部材53が固着されている。回動ダイヤル7は、アルミニウム等の金属又はプラスチックからなり、図1と図2に示したように、操作部3の長孔6から突出するような直径を有する円板部材である。回動ダイヤル7の外周面には、滑り止めのためのローレット目等の加工が施されている。
操作部カバー9には、ボタン孔54が形成されており、ボタン孔54には、押し棒としての金属製の棒部材55が挿通されている。プラスチック又はアルミニウムなどの金属からなる開閉ボタン8が、先端カバー9の外側において、棒部材55の先端部に固着している。また、開閉ボタン8は、ほぼ直方体をしており、操作カバー9とは反対側の面、すなわち術者が指を当てる面は、やや凹んだ形状を有する。開閉ボタン8の操作カバー9側の面と、操作カバー9の外周面との間には、弾性部材としてのステンレス製のコイルバネ56が、棒部材55がコイルバネ56内に挿通されるように配設されている。よって、開閉ボタン8が常に操作カバー9から離れる方向に付勢されている。
また、棒部材55の操作カバー9の内側の先端部には、ステンレス等の金属製のクサビ部材57が固着されており、開閉ボタン8が、術者の指によって押し込まれると、クサビ部材57もその押し込まれた方向に移動する。
操作カバー9aと操作カバー9bとを嵌め合わせた状態において、操作カバー9の先端側には、シース取り付け孔58が形成される。このシース取り付け孔58を通してシース10は、操作カバー9に固着されている。挿入部2の基端側においても、回動力伝達部材41がシース10内で回動自在となるように、シース10と回動力伝達部材41の間には、摺動性の良い樹脂等からなる、摺動ベアリングとしての円環部材59が設けられている。回動力伝達部材41は、操作部3の内部に延出しており、操作部3の内部において、回動力伝達部材41の基端側の外周部に円環状の傘歯車部材60が設けられている。この傘歯車部材60の歯と傘歯車部材53の歯とが噛み合うように、傘歯車部材60と傘歯車部材53は位置決めされて、操作部カバー9aと操作部カバー9b内に形成される空間内に配置されている。傘歯車部材60と傘歯車部材53は、ステンレスあるいは樹脂からなる。傘歯車部材60と傘歯車部材53によって、回動ダイヤル7の回動方向を、回動ダイヤル7の回動軸とは直交する回動伝達部材41の回動軸の周りの回動方向に変更する。また、開閉力伝達棒42も、操作部3の内部に延出している。
回動力伝達部材41に内挿された開閉力伝達棒42の操作部3側の基端部には、クサビ部材61が固着されている。クサビ部材61は、回動力伝達部材41内において、軸方向に摺動可能に設けられている。
クサビ部材61は、操作部3の基端側の先端部には、挿入部2の軸に対して所定の角度θ2を持つ傾斜面61aを有する傾斜部が形成されている。所定の角度θ2は、例えば、45度以上であることが望ましい。クサビ部材57は、その先端部に、棒部材55の軸方向に対して、所定の角度θ3を持つ傾斜面57aを有する傾斜部が形成されている。また、操作部カバー9内において、傾斜面57aと傾斜面61aとが平行な状態で対向するように、クサビ部材57とクサビ部材61は位置決めされる。開閉ボタン8が押し込まれると、棒部材55は、クサビ部材57をクサビ部材61に押しつけるように移動する。クサビ部材57の傾斜面57aが、傾斜面61aの表面を摺動しながら移動すると、クサビ部材61は、挿入部2の軸方向に沿って、開閉力伝達棒42を処置部4側に移動する。
開閉力伝達棒42が、挿入部2の先端部方向へ移動すると、開閉力伝達棒42の先端部に設けられたクサビ部材43の傾斜部の傾斜面43aが第1の挟持部材21bのクサビ受け部24aを押圧するので、第1の挟持部材21bの軸方向であって円環部材23が第1の管部25から離れる方向に、第1の挟持部材21bは移動する。
また、傘歯車部材60の歯と傘歯車部材53の歯とが噛み合うように、傘歯車部材60と傘歯車部材53は位置決めされて、操作部カバー9aと操作部カバー9b内に形成される空間内に配置されている。従って、回動ダイヤル7を、術者が指で回動させると、その回動力は、傘歯車部材53、60を介して、回動力伝達部材41を挿入部2の軸周りに回動させる。その回動力伝達部材41の回動力は、傘歯車部材44,32を介して、第2の挟持部材21aを、処置部4の延出方向の軸周りに回動させる。このとき、コイルバネ27によって、第1の挟持部材21bの円環部材23は、第2の挟持部材21aとは押圧されるように密着しているので、回動力伝達部材41の回動力は、挟持ユニット5の挟持部材21aと21bを一緒に回動させる。
次に上述した構成のニードルドライバ1の作用について説明する。術者が、回動ダイヤル7を回動させると、その回動力は、2つの傘歯車部材53と60によって、回動力伝達部材41を軸周りに回動させる。回動力伝達部材14の回動は、2つの傘歯車部材44と32によって、挟持ユニット5を延出方向の軸周りに回動させる。よって、術者は、回動ダイヤル7の回動操作によって、自在に挟持ユニット5を回動することができる。すなわち、回動ダイヤル7の回動に連動して、2つの狭持部材21が処置部4の延出方向の軸を中心に回動する。
さらに、開閉ボタン8を指で押下すると、クサビ部材57の移動によってそれぞれの傾斜面を摺動しながら、クサビ部材61が処置部4側へ移動する。その結果、クサビ部材43の傾斜面43aとクサビ受け部24aとが摺動しながら、図5と図6に示すように、開閉ボタン7の開操作に連動して、開閉力伝達棒42が先端部側に進む。その結果、クサビ部材43が第1の狭持部材21bを延出方向にスライドし、第1の狭持部材21bと第2の狭持部材21aとの間に隙間が形成される。
この状態において、図6に示すように、その隙間に、ポリプロピレン等からなる糸71が設けられた、ステンレス等の金属製の針72の基端を位置させ、開閉ボタン8を離す。すると、第1の狭持部材21bと第2の狭持部材21aとの間が閉じるようにコイルバネ27によって付勢されるようになっており、これにより針72の保持は、その付勢力により維持されるようになっている。
すなわち、開閉ボタン8の開閉操作に連動して、開閉力伝達棒42進退して開閉力を処置部4へ伝達する。そして、術者は第1の狭持部材21bと第2の狭持部材21aを開くときのみ、コイルバネ27の付勢力に抗して、開閉ボタン8に押下力を与えるが、第1の狭持部材21bと第2の狭持部材21aを閉じた状態は、該付勢力により維持されるので、術者は開閉ボタン8を操作することなく、他の操作、例えば回動ダイヤル7の操作が可能となる。すなわち、回動ダイヤル7を指で回動させると、この回転力が処置部4に伝達され、図7に示すように、針72を保持した状態で針72を処置部4の軸周りに回動することが可能となっている。なお、上述した構造によれば、針72を挟持ユニット5によって挟持した状態で、回動角度に制限はない。
以上のように、本実施の形態の外科用処置具によれば、開閉力は棒部材により挟持ユニット5へ伝達され、回動力は、その棒部材とほぼ同軸に配置されたパイプ部材によって挟持ユニット5へ伝達されるように構成されている。特に、挟持ユニット5は、外部から力を与えることなく独立して挟持状態を維持しているため、従来のような挟持力を維持しながら回動操作をする必要はない。よって、術者は、挟持ユニット5に針等の挟持対象を挟持した状態でも回動操作を容易に行うことができ、非常に使い勝手がよい。術者は、挟持対象の回動や他の操作に集中することができる。さらに、棒部材をパイプ部材にほぼ同軸に配置して、省スペース化しているので、挿入部2が細径化され、後述する理由で使い勝手が向上する。
従って、本実施の形態によれば、操作性のよいニードルドライバを、簡単な構造により実現することができる。
(第2の実施の形態)
図8から図12は、本発明の第2の実施の形態に係るニードルドライバの構造について説明するための図である。第1の実施の形態と同じ構成要素については、同一の符号を付して説明は省略し、主に異なる事項のみを説明する。本実施の形態は、上述した第一の実施の形態における回動力伝達部材41と開閉力伝達棒42の代わりに回動力伝達部材41と開閉力伝達棒42の両方の機能を兼ね備えた回動開閉力伝達部材142を有するようにした。
図8は、本実施の形態に係わるニードルドライバ1の、処置部4を含む先端部分の断面図である。図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図である。図10は、本実施の形態に係わるニードルドライバ1の操作部3を含む基端部分の断面図である。図11は、図10のXI−XI線に沿った断面図である。図12は、針を挟持するために処置部を開くための操作をしたときの、ニードルドライバの操作部を含む基端部分の断面図である。図13は、ニードルドライバの処置部の挟持ユニットが開いた状態を示す先端部分の断面図である。
挿入部2は、ステンレス等の金属製のシース110によって覆われている。シース110の内部には、後述するように軸部材としての棒部材142が挿通されている。
処置部4は、先端カバー130を有しており、先端カバー130は、第1先端カバー130aと第2先端カバー130bとからなる。第1先端カバー130aと第2先端カバー130bの内側には、処置部4の一部が配設できるような空間が形成されている。さらに、第1先端カバー130aには、処置部4が、挿入部2の軸方向に対して所定の角度θ1で突出するように、孔131が形成されている。クサビ受け部24aの円錐形状の先端部は、先端カバー30内に位置している。
第2の管部26の基端部には、外周方向に突出したフランジ部を有し、そのフランジ部の外周部に複数の歯が形成された傘歯車が形成されている。従って、第1先端カバー130aと第2先端カバー130b内に形成される空間内において、孔131の内側面に傘歯車部材32のフランジ部が当接するように設けられている。
第1先端カバー130aと第2先端カバー130bとを嵌め合わせた状態において、先端カバー130には、シース取り付け孔133が形成される。挿入部2のシース110内には、挿入部2の軸周りに回動自在でかつ挿入部2の軸方向に摺動可能な軸部材(以下、回動開閉力伝達部材という)142が挿通されている。シース取り付け孔133を通して、シース110の先端部が先端カバー130に取り付けられ固着されている。先端カバー130の内部には、回動受け部材145が、軸方向には移動ができないが、軸周りには回動可能なように収納されている。ここでは、回動開閉力伝達部材142は、棒部材である。
回動受け部材145は、ステンレスあるいは樹脂からなり、円筒形状をしており、底面部を有する。ステンレス製の回動開閉力伝達部材142は、処置部4側の先端部に、図9に示すように、断面形状が、半円形状であって、軸方向に所定の長さのDカット部142aを有する。Dカット部142aは、先端側において、回動受け部材145の底面部に設けられたDカット孔に対して摺動可能に挿通される。Dカット部142aは、回動開閉力伝達部材142の軸方向に直交する面における断面形状が直線である平面部を少なくとも1つ有する。Dカット孔は、孔の方向に直交する面における断面形状が直線である平面部を少なくとも1つ有し、その平面部はDカット部142aの平面部と対面できるように形成されている。
円筒形状の回動受け部材145は、挿入部2側とは反対側に開口部を有しているため、先端側に凹部が形成されており、その凹部内に、ステンレス製のクサビ部材143が摺動可能に挿入されている。クサビ部材143は、基端側は、軸方向に直交する平面部を有し、先端側は、軸方向に対して所定の角度を有する傾斜面143aを有する。Dカット部142aの先端面と、クサビ部材143の基端面は接している。
回動受け部材145の処置部4側の先端部の外周部には、円環状の傘歯車部材144が固着されている。この傘歯車部材144の歯と傘歯車部材32の歯とが噛み合うように、傘歯車部材144と傘歯車部材32は位置決めされて、第1先端カバー130aと第2先端カバー130b内に形成される空間内に配置されている。
また、回動開閉力伝達部材142がシース110内で先端側に移動すると、Dカット部142aは、回動受け部材145のDカット孔を通して、クサビ部材143を挿入部2の軸方向に沿って先端側に移動させるように、進み出る。また、回動受け部材145は、シース10の内径よりも大きく形成されており、回動受け部材145と傘歯車部材144が、操作部3側へ移動することが防止されている。
次に、ニードルドライバ1の操作部3の構成について説明する。
操作カバー9aと操作カバー9bとを嵌め合わせた状態において、操作カバー9の先端側には、シース取り付け孔158が形成される。シース110と回動開閉力伝達部材142は、操作部3の内部に延出しており、さらに、挿入部2の基端側において、シース110は操作カバー9に固着されている。操作カバー9の内部には、回動受け部材162が、軸方向には移動ができないが、軸周りには回動可能なように収納されている。回動受け部材162は、ステンレスあるいは樹脂からなり、円筒形状をしており、底面部を有する。操作部3の内部において、シース110の基端部は、回動受け部材162の底面部に当接している。
また、回動開閉力伝達部材142は、操作部3側の基端部に、図11に示すように、断面形状が、半円形状であるDカット部142bを有する。シース10に内挿された回動開閉力伝達部材142のDカット部142bは、シース10の後端面よりも基端側に所定の長さだけ突出している。Dカット部142bは、基端側において、回動受け部材162に設けられたDカット孔に対して摺動可能に挿通される。Dカット部142bは、回動開閉力伝達部材142の軸方向に直交する面における断面形状が直線である平面部を少なくとも1つ有する。回動受け部材162に設けられたDカット孔は、孔の方向に直交する面における断面形状が直線である平面部を少なくとも1つ有し、その平面部はDカット部142bの平面部と対面できるように形成されている。
なお、上述した例では、Dカット孔は、孔の方向に直交する断面形状において少なくとも1つの直線部を有し、Dカット部は、その直線部に対面する直線部を有している。すなわち、回動受け部材145と回動受け部材162に設けられたDカット孔とそのDカット孔の形状に係合する断面形状として、回動開閉力伝達部材142は、両端部に所定の長さに亘ってDカット部142a、142bを有しているが、回動受け部材145と回動受け部材162の孔はDカット孔に限られず、非円形の孔であればよく、回動開閉力伝達部材142は、その非円形の孔の形状に係合する断面形状部を有していて、回動受け部材145と回動受け部材162はと噛み合えばよい。
回動受け部材162は、挿入部2側とは反対側に開口部を有しているため、基端側に凹部が形成されており、その凹部内にステンレス等の金属からなるクサビ部材161が摺動可能に挿入されている。クサビ部材161は、先端側は、軸方向に直交する平面部を有し、基端側は、軸方向に対して所定の角度を有する傾斜面161aを有する。
回動受け部材162の基端側の外周部に円環状の傘歯車部材160が固着されている。この傘歯車部材160の歯と傘歯車部材53の歯とが噛み合うように、傘歯車部材160と傘歯車部材53は位置決めされて、操作部カバー9aと操作部カバー9b内に形成される空間内に配置されている。
上述したように、クサビ部材161は、操作部3の基端側の先端部には、挿入部2の軸に対して所定の角度を持つ傾斜面161aを有する傾斜部が形成されている。操作部カバー9内において、傾斜面57aと傾斜面161aとが接するように、クサビ部材57とクサビ部材161は位置決めされる。開閉ボタン8が押し込まれると、棒部材55は、クサビ部材57をクサビ部材161に押しつけるように移動する。クサビ部材57の傾斜面57aが、傾斜面161aの表面を摺動しながら移動すると、クサビ部材161は、挿入部2の軸方向に沿って、回動開閉力伝達部材142を処置部4側に移動する。
また、傘歯車部材160の歯と傘歯車部材53の歯とが噛み合うように、傘歯車部材160と傘歯車部材53は位置決めされて、操作部カバー9aと操作部カバー9b内に形成される空間内に配置されている。従って、回動ダイヤル7を、術者が指で回動させると、その回動力は、傘歯車部材53、160及び回動受け部材162を介して、回動開閉力伝達部材142を挿入部2の軸周りに回動させる。その回動開閉力伝達部材142の回動力は、傘歯車部材144,32を介して、第2の挟持部材21aを、処置部4の軸周りに回動させる。このとき、コイルバネ27によって、第1の挟持部材21bの円環部材23は、第2の挟持部材21aとは押圧されるように密着しているので、回動開閉力伝達部材142の回動力は、挟持ユニット5の挟持部材21aと21bを一緒に回動させる。
以上のように構成されたニードルドライバ1における操作と作用について説明する。術者が、回動ダイヤル7を回動させると、その回動力は、2つの傘歯車部材53と160によって、回動開閉力伝達部材142をその軸周りに回動させる。回動力の伝達は、回動開閉力伝達部材142の両端部に設けられた2つのDカット部の平面部と、2つのDカット孔の平面部とが当接しているため、回動開閉力伝達部材142と、回動受け部材145、162が一体となって回動することによって行われる。その結果、回動開閉力伝達部材142の回動は、2つの傘歯車部材144と32によって、挟持ユニット5を回動させることになる。よって、術者は、回動ダイヤル7の回動操作によって、自在に挟持ユニット5を回動することができる。すなわち、回動ダイヤル7の回動によって、2つの狭持部材21が処置部4の軸を中心に回動する。
さらに、開閉ボタン8を指で押下すると、図12に示すように、クサビ部材57の移動によってそれぞれの傾斜面57a,161aを摺動しながら、クサビ部材161が処置部4側へ移動する。開閉力の伝達軸部であるDカット部142bは、回動受け部材162の開閉力伝達孔部であるDカット孔を通して、シース110内で先端側に移動する。
回動開閉力伝達部材142が、挿入部2の先端部方向へ移動すると、図13に示すように、回動開閉力伝達部材142の先端部に設けられたクサビ部材143の傾斜部の傾斜面143aが第1の挟持部材21bのクサビ受け部24aを押圧するので、第1の挟持部材21bの軸方向であって円環部材23が第1の管部25から離れる方向に、第1の挟持部材21bは移動する。
この状態において、開閉ボタン8を離すと、回動開閉力伝達部材142が、挿入部2の基端部方向へ移動し、さらに、コイルバネ27によって第1の狭持部材21bと第2の狭持部材21aが閉じる。すなわち、回動開閉力伝達部材142は、両端にそれぞれ傘歯車の回動力を伝達しつつ、2つの傘歯車の間で回動開閉力伝達部材142が所定の距離で進退自在して開閉力を伝達する回動進退自在機構を構成する。
針の挟持等の方法は、第1の実施の形態で説明した方法と同様であるので、説明は省略する。
以上のように、本実施の形態の外科用処置具によれば、両端部にDカット部を有する棒部材により、開閉力と回動力は、挟持ユニットへ伝達されるように構成されている。特に、開閉力の伝達機構と回動力の伝達機構が一体となっているため、第1の実施の形態の構成に比べ、挿入部2の径をさらに小さくすることができる。従って、操作性のよいニードルドライバを、簡単な構造により実現することができる。
図14は、上述した2つの実施の形態に係わるニードルドライバをトラカールを介して術部にアプローチした状態を示す概略図である。ここでは、トラカールは気密トラカールではない場合で説明する。体腔200にトラカール201が装着され、体腔内202を内視鏡203を用いて観察しながら、種々の手術が行われる。ニードルドライバ1と内視鏡203は、それぞれ、トラカール201を通して体腔内202に挿入されているが、トラカール201の孔の内径には限度がある。本発明によれば、挿入部2の細径化が図れるため、挿入部2がトラカール201の孔内で種々動かすことができる。
その結果、図14に示すように、処置部4の体腔内における可動範囲205が広くなり、術者は手術し易く、使い勝手も良い。特に、第2の実施の形態に係る構成によれば、第1の実施の形態に係る構成のニードルドライバよりも挿入部をより細くすることができるので、処置部4の体腔内における可動範囲205がより広くなる。
以上のように、本実施の形態によれば、操作性のよいニードルドライバを、簡単な構造により実現することができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を説明する。
図15は、その第3の実施の形態に係るニードルドライバの正面斜め一側方からみた外観斜視図である。図16は、本実施形態のニードルドライバの正面図、図17は、本実施形態のニードルドライバを一側方(左側方)からみた左側面図、図18は、本実施形態のニードルドライバを他側方(右側方)からみた右側面図である。
図15から図18に示すように、前記ニードルドライバ301は、挿入部302と、その挿入部302の一方端(基端側)に設けられた操作部303と、その挿入部302の他方端から延出するように設けられた処置部304とで主要部が構成される。
前記挿入部302は所定の長さを有する略円柱形状を呈する。また操作部303は挿入部302の基端側において当該挿入部302の長軸と同軸上に一体的に配設された略長方体形状を呈する部材であって、術者が片手で把持して、後述する操作をすることができる形状である。
また、前記操作部303には、処置部304の開閉操作をするための開閉操作部材としての開閉ボタン305と、処置部304の延出方向の角度の変更操作をするための角度変更操作部材としての角度可変レバー306と、処置部304の回動操作をするための回動操作部材としての回動ダイヤル307とが設けられている。
前記開閉ボタン305の基端部は、後述するバネの付勢力により操作部303の外装部から離間する方向に付勢されている。また、後述する牽引ワイヤの基端側一端が、開閉ボタン305に連結された部材に係止されている。開閉ボタン305を押し込むと、その牽引ワイヤに、後述する処置部内のバネの付勢力に抗する力が印加されるようになっている。開閉ボタン305の構成については後述する。
挿入部302の一端から延出するように設けられた処置部304は、先端側に、挟持部308を有しており、挟持部308の軸方向、すなわち処置部304の延出方向は、挿入部302の軸方向に対して所定の角度の範囲内、例えば0から90度の範囲で可変となっている。言い換えると、ニードルドライバ301には、挿入部302の軸に対する処置部304の延出方向の角度を変更するための角度変更手段が設けられている。
図19は、図15のニードルドライバ301が把持された状態を説明するための図である。図19に示すように、術者は、親指FFと人指し指IFの間の付け根部分を樹脂製の掌掛け部材301Aに当て、中指MFを、樹脂製の指掛け部材301Xの2つの突出部301Bと301Cの間に置くことによって、術者はニードルドライバ301をしっかりと安定して把持することができる。図19に示すように、術者はニードルドライバ301を把持した状態で、人指し指IFによって、回動ダイヤル307及び角度可変レバー306を操作することができる。回動ダイヤル307及び角度可変レバー306は、人指し指IFによって、挿入部302の先端方向IFFと基端方向IFBの方向に操作することができる。さらに、親指FFによって、開閉ボタン308を操作することができる。
さらに、掌掛け部材301Aは、操作部303の側部からやや基端側に向かって斜めに延出しているので、把持されたときに掌掛け部材301Aと掌とが密着することによって、術者はニードルドライバ301をしっかりと把持することができる。
次にニードルドライバ301の先端部の構造を図20から図25に基づいて説明する。
図20乃至図23は、ニードルドライバ301の処置部304を含む先端部分の構造を説明するための図である。
図20は、ニードルドライバ301の処置部304を含む先端部分の正面図である。図21は、処置部304の挟持部308が開いた状態の先端部分の正面図である。図22は、ニードルドライバ301の軸方向に沿った、処置部304を含む先端部分の断面図である。図23は、ニードルドライバ301の軸方向に沿った、処置部304の挟持部308が開いた状態の先端部分の断面図である。図24は、先端部の内部構造を説明するための斜視図である。図25は、図23のA−A線に沿った断面図である。
挿入部302は、ステンレス製のパイプ、すなわち円筒部材であるシース311を有する。シース311の先端側、すなわち処置部304側には、ステンレス製の先端ハウジング部材312が固定されている。先端ハウジング部材312は、先端ハウジング部材312の基端側、すなわちシース311側に、シース311の内周面に嵌合する円筒形状の嵌合部を有する。
図24に示すように、先端ハウジング部材312の中央部分は、内部に空間を有し、挿入部302の軸に直交する断面形状がチャンネル形状のチャンネル形状部とを有する。先端ハウジング部材312は、図24に示すように、先端側(すなわち挟持部308側)に、チャンネル形状部内の内部空間と連通する内部空間を挟むように、先端側に延びた2つの腕部312a、312bを有する。
図22に示すように、シース311内には、軸部材としての、ステンレス製の湾曲力伝達パイプ315が挿通されている。湾曲力伝達パイプ315は、処置部304を湾曲させるように、処置部304の延出方向の角度を変更するための部材である。
シース311内には、湾曲力伝達パイプ315が挿通され、その湾曲力伝達パイプ315内には、軸部材としての、ステンレス製の回動力伝達パイプ313が挿通されている。回動力伝達パイプ313は、先端部に回動力を伝達するためのパイプである。回動力伝達パイプ313内には、後述する挟持部308の開閉動作のための、ステンレス製の牽引ワイヤ314が挿通されている。
従って、図25に示すように、シース311の内側には、同軸に、湾曲力伝達パイプ315と、回動力伝達パイプ313と、牽引ワイヤ314とが配置されている。
牽引ワイヤ314は、挟持部308の開動作を行うために操作部303側に牽引される線部材であり、細いステンレス線を編んで柔軟に構成されている。また、内部での摺動抵抗を低減し、かつ進退し易くするためにワイヤ表面にフッ素系の樹脂がコーティングされていてもよい。
先端ハウジング部材312は、ステンレス製の止めネジ316によりシース311に固定される。さらにシース311の先端部と先端ハウジング部材312とは接着剤例えばエポキシ樹脂系の接着剤が付けられて、固定されている。
上記回動力伝達パイプ313は、当該回動力伝達パイプ313の軸を回動中心として回動摺動可能に挿通され、湾曲力伝達パイプ315は、当該湾曲力伝達パイプ315の軸方向に進退可能に挿通されている。
回動力伝達パイプ313の先端には、ステンレス製の回動力伝達コイル317が固定されている。回動力伝達コイル317は、挿入部302の先端部分に回動力を伝えるためのフレキシブルなコイルである。回動力伝達コイル317内には、牽引ワイヤ314が挿通されている。回動力伝達パイプ313は金属製であるため、操作部303における回動ダイヤル307の回動操作による回動力を、回動力伝達コイル317まで確実に伝えることができる。
回動力伝達パイプ313に接続された回動力伝達コイル317は、3つのコイルを重ねるようにして構成された3重巻き密着構造をしている。1番下のコイルの上に重ねるように1番下のコイルの巻き方向と逆の巻き方向の2番目のコイルを設け、2番下のコイルの上に重ねるように2番目のコイルの巻き方向とは逆の巻き方向(1番下のコイルと同じ巻き方向)の3番目のコイルが設けられている。
回動力伝達コイル317の両端部は、ろう付けされ、かつ、ろう付けされた後に切削される。その結果、両端部の肉厚は、中心部の肉厚よりも薄い。そして、両端部は、それぞれ回動力伝達パイプ313と回動部ベース部材325とろう付けによって固定されている。
湾曲力伝達パイプ315は、ステンレス製の結合部材であるジョイント部材318とステンレス製のリンク部材319とを介して、ステンレス製の湾曲部ベース部材320に連結されている。ジョイント部材318の基端部は、回動力伝達パイプ313が、当該回動力伝達パイプ313の軸方向にかつ軸回りに摺動可能に挿通するように構成されている。さらに、湾曲力伝達パイプ315は、ジョイント部材318と基端部に嵌入されて接着によって、ジョイント部材318と連結されているので、湾曲力伝達パイプ315が、挿入部302の軸方向に沿って進退するに伴って、ジョイント部材318も同一方向に進退する。
図24と図26を用いて、湾曲力伝達パイプ315、ジョイント部材318、リンク部材319及び湾曲部ベース部材320の接続関係を説明する。図26は、先端ハウジング部材312を省略した、先端部の内部構造を説明するための斜視図である。
図24に示すように、先端ハウジング部材312は、先端ハウジング部材312の基端側においてシース311の内周面に嵌合する。先端ハウジング部材312の中央部と先端部内に、湾曲力伝達パイプ315の一部、回動力伝達コイル317、ジョイント部材318、リンク部材319及び湾曲部ベース部材320の一部とが配設される。先端ハウジング部材312の2つの腕部312aと312bの間に、湾曲部ベース部材320が配設され、湾曲部ベース部材320と先端ハウジング部材312とがピン324によって連結されている。具体的には、湾曲部ベース部材320と先端ハウジング部材312とは、2つの腕部312aと312bに嵌入するピン324が湾曲部ベース部材320に設けられた孔に嵌入されることによって連結され、湾曲部ベース部材320は、ピン324の軸を回動中心として、回動可能となっている。
また、図26に示すように、ジョイント部材318は、先端側に、2つの腕部318a、318bを有する。リンク部材319は、両端部にそれぞれ孔部を有する棒部材である。湾曲部ベース部材320は、基端側に、2つの腕部320a、320bを有する。なお、湾曲部ベース部材320は、先端側に円筒状部320cを有し、回動部ベース部材325の基端部が、その円筒状部320cの内側に嵌挿している。
湾曲部ベース部材320の2つの腕部320a、320bの間に、リンク部材319の先端部を挟むようにして、2つの腕部320a、320bと、リンク部材319の先端部の孔とを通るピン321によって、湾曲部ベース部材320とリンク部材319は連結されている。ピン321は、湾曲部ベース部材320の端部においてレーザ溶接によって固定されているが、リンク部材319は、ピン321の軸を回動中心として、回動可能となっている。
また、2つの腕部318a、318bの間に、リンク部材319の基端部を挟むようにして、2つの腕部318a、318bと、リンク部材319の基端部の孔とを通るピン322によって、ジョイント部材318とリンク部材319は連結されている。ピン322は、ジョイント部材318の端部においてレーザ溶接によって固定されているが、リンク部材319は、ピン322の軸を回動中心として、回動可能となっている。
従って、操作部303の角度可変レバー306を操作することによって、湾曲力伝達パイプ315が操作部303の軸方向の先端側に進むと、ピン324を回動中心として湾曲部ベース部材320が回動する。図27は、処置部304が挿入部302の軸に対して90度湾曲した状態を示す先端部分の正面図である。図28は、処置部304が挿入部302の軸に対して90度湾曲した状態を示す先端部分の断面図である。また、角度可変レバー306を操作することによって、湾曲力伝達パイプ315を操作部303の軸方向の基端側に戻すと、処置部304の延出方向は、挿入部302の軸に対して90度よりも小さい角度になる。なお、ピン321,322,324は、それぞれステンレス製である。操作部303の角度可変レバー306を、指で挿入部302の軸方向に進退させることによって、湾曲力伝達パイプ315が操作部303の軸方向において進退する機構については後述する。
図22に戻り、湾曲部ベース部材320の円筒状部320a内には、円筒状の回動部ベース部材325が、回動部ベース部材325の軸を回動中心として回動可能なように、嵌挿されている。回動部ベース部材325は、先端側に開口部を、基端側に底部を有する。回動部ベース部材325の基端側の底部には、孔が形成されており、その孔に回動力伝達コイル317の先端部が挿入されて、上述したようにろう付けによって固定されている。
回動力伝達コイル317は、基端側において回動力伝達パイプ313に、上述したようにろう付けによって固定され、先端側においても回動部ベース部材325にろう付けによって固定されている。回動力伝達コイル317の先端部は、回動部ベース部材325の基端側の底部に挿入されてろう付けされる。回動力伝達コイル317の基端部は、回動力伝達パイプ313の先端部の内部に形成された段部に挿入されてろう付けされる。よって、回動力伝達パイプ313が回動力伝達パイプ313の軸を回動中心として回動すると、回動力伝達パイプ313の回動量を処置部304へ伝達するように、回動力伝達コイル317と回動部ベース部材325も同様に回動する。
なお、図22に示すように、処置部304が湾曲していない状態では、回動部ベース部材325の基端側底部と回動部ベース部材325の基端側底部との間は、所定の距離d1だけ離れている。これは、処置部304が湾曲していくにつれて、回動部ベース部材325の基端側底部と回動部ベース部材325の基端側底部とが近づいていく。従って、後述するように処置部304を最大まで(例えば90度まで)湾曲させるときに、回動部ベース部材325の基端側底部と回動部ベース部材325の基端側底部とが接触して摩擦抵抗が生じないように、回動部ベース部材325の基端側底部と回動部ベース部材325の基端側の底部との間を、所定の距離d1だけ予め離している。なお、距離d1を0(ゼロ)とすると、摩擦抵抗は増加するが、湾曲操作に伴う湾曲部ベース部材320に対する回動部ベース部材325の処置部304の長軸方向の移動を抑えることが可能である。
処置部304の先端部には、針を挟持する2つの挟持部材を含む挟持部308が設けられており、一方が可動挟持片326であり、他方が固定挟持片331である。
回動部ベース部材325は、ステンレス製であり、回動部ベース部材325内には、先端側の開口部から、処置部304の挟持部308の一方の可動挟持片326の一部が内挿されている。可動挟持片326は、ステンレス製であり、基端側に内向フランジ部を有する円筒部材である。
可動挟持片326の基端側の底部には、牽引ワイヤ314が挿通可能な孔が設けられている。牽引ワイヤ314の先端部には、先端部を溶融して形成した末端肥大部314aが形成され、その末端肥大部314aが、可動挟持片326の底部の内側に固定されている。従って、牽引ワイヤ314が、操作部303側に引っ張られたときに、可動挟持片326も操作部303側に移動する。
回動部ベース部材325の円筒状部の内側であって、可動挟持片326の底部の外側面と、その外側面と対向する回動部ベース部材325の底部の内側面との間に、ステンレス製のバネ333が、圧縮された状態で、牽引ワイヤ314に介装されるようにして設けられている。図29は、回動部ベース部材325を省略した、先端部の内部構造を説明するための斜視図である。図29に示すように、バネ333は、圧縮された状態で、回動部ベース部材325の内部に設けられる。
上述したように、回動部ベース部材325の先端側には、1つの挟持部材である、ステンレス製の可動挟持片326の一部が嵌挿されている。可動挟持片326は、2つの長孔部326a、326bを有する略円筒形状であり、基端部は、上述したように底部を有する。その底部には、内向フランジ部が形成されている。可動挟持片326の先端部は、フランジ部326cを有している。可動挟持片326の先端部のフランジ部326cの先端側面は、針を挟持するための平面部を有し、ここでは、その平面部の平面は、略円筒形状の可動挟持片326の軸に対して直交する。
回動部ベース部材325の先端部には、他の挟持部材である、ステンレス製の固定挟持片331の基端部がステンレス製のピン330によって固定されている。固定挟持片331は、先端部にはフランジ部331aを有する円柱部材である。固定挟持片331と回動部ベース部材325とは、回動部ベース部材325の先端部と固定挟持片331の基端部とを貫通するピン330によって固定されている。ピン330は、可動挟持片326の2つの長孔部326a、326b内に摺動可能なように嵌挿されている。ピン330は、端部においてレーザ溶接によって回動部ベース部材325と固定される。
先端側の挟持片である固定挟持片331は、円環状であって、かつ可動挟持片326の先端部の平面部に対して平行な平面部を有する。
操作部303において、開閉ボタン305を操作していないとき、バネ333は、可動挟持片326の底部を押圧するが、可動挟持片326のフランジ部326cの先端側面が固定挟持片331のフランジ部331aの基端側面と当接して、それ以上は伸びることができないので、圧縮された状態のままである。従って、操作部303の開閉ボタン305を操作していないときに、可動挟持片326と固定挟持片331のそれぞれの平面は密着するように押圧されているので、針をしっかりと挟持することができる。また、開閉ボタン305を押すと、可動挟持片326が、固定挟持片331から基端側に向かって移動するので、可動挟持片326と固定挟持片331のそれぞれの平面間に挟持された針を放したり、針を挟持するためにそれぞれの平面の間を離したりすることができる。
また、固定挟持片331のフランジ部331aと可動挟持片326のフランジ部326cは薄く形成されているので、それぞれの平面部の間に針を当接させ易い。よって、挟持部308の湾曲角度あるいは体腔壁の状態がどのような場合でも、術者は、針を容易に挟持することができる。
従って、後述するように、開閉ボタン305に対する開閉動作に応じて、固定挟持片331の平面部と可動挟持片326の平面部とによって挟むように、針が挟持される。従って、バネ333は、2つの挟持部材の少なくとも一方を、他方に密着する方向に常に付勢する付勢手段の一部を構成する。
針の挟持を行う挟持面である、固定挟持片331の平面部と可動挟持片326の平面部のそれぞれの表面は、滑り止め加工が施されている。滑り止め加工としては、放電加工、ローレット加工、金属メッキへのダイヤモンド微小粉末の吹きつけ処理加工等がある。
次に、以上のように構成されたニードルドライバ301の処置部304の動作を説明する。
上述したように、固定挟持片331の基端側の円柱部分は、可動挟持片326の孔部に挿通され、その円柱部分が回動部ベース部材325に固定されているので、固定挟持片331は、回動部ベース部材325に対して固定された位置関係を有する。言い換えれば、固定挟持片331は、湾曲部ベース部材320に対しても長軸方向に固定された位置関係を有する。
一方、開閉ボタン305の開操作がされてすなわち開閉ボタン305が押されて、その押し込む量に応じて牽引ワイヤ314が牽引されることによって、操作部303側に移動可能な可動挟持片326は、バネ333の伸長する方向に掛かる力に抵抗しながら、可動挟持片326は、フランジ部326cが固定挟持片331のフランジ部331aから離間するように、操作部303側に移動する。従って、牽引ワイヤ314が牽引されると、可動挟持片326は、牽引ワイヤ314が引っ張られた量だけ、図21の矢印に示す方向に移動する。すなわち、バネ333による、固定挟持片331に密着する方向の付勢力に抗して、可動挟持片326は、開閉ボタン305の開操作によって、処置部304の先端部に位置する固定挟持片331から離間する方向に移動する。このとき、図23に示すように、バネ333は、図22に示す開閉ボタン305の開操作がされていない状態よりも、さらに圧縮された状態となり、開閉ボタン305には押し返す力が掛かる。開操作がされなくなると、バネ333の伸長力によって、牽引ワイヤ314は、バネ333による、可動挟持片326を固定挟持片331に密着する方向への付勢力によって、処置部304側に引っ張られる。その結果、挟持部308において、固定挟持片331の平面部と可動挟持片326の平面部の間に位置する針が挟持される。
次に回動動作について説明する。
針が挟持された状態において、あるいは針が挟持されていない状態において、回動ダイヤル307が回動されると、軸部材である回動力伝達パイプ313が軸を回動中心として回動するために、回動力伝達パイプ313に固定された回動力伝達コイル317が回動し、回動力伝達コイル317に固定された回動部ベース部材325も回動する。回動ダイヤル307が回動された量に応じて、回動力伝達パイプ313が回動するので、回動ダイヤル307が回動された量に応じた回動量が、処置部304へ伝達される。その結果、挟持部308を構成する固定挟持片331と可動挟持片326は、回動部ベース部材325の回動に連動して、回動部ベース部材325と共に回動する。
また、このとき、牽引ワイヤ314は、回動部ベース部材325の底部の孔に対して摺動可能となっているため、回動部ベース部材325が回動しても、牽引ワイヤ314は、当該回動部ベース部材325と共に回動することはない。
次に角度可変動作について説明する。
角度可変レバー306を挿入軸方向の先端側から基端側に向かって移動させることによって、図28に示すように、処置部304を含む先端部分は湾曲する。角度可変レバー306を挿入軸方向の先端側から基端側に向かって移動させると、湾曲力伝達パイプ315は、ジョイント部材318を先端側に押し、その結果、ジョイント部材318は、リンク部材319を押す。押されたリンク部材319は、さらに、湾曲部ベース部材320を押すが、湾曲部ベース部材320は、先端ハウジング部材312にピン324によって連結されているため、湾曲部ベース部材320は、ピン324を回動中心として回動する。
角度可変レバー306の回動量に応じて湾曲力伝達パイプ315が進退することによって、処置部304の湾曲量、すなわち湾曲角度が変化する。よって、術者は、上述したように、手術の状況に応じて、処置部304を挿入部302の軸に対して所望の角度にして、処置を行うことができる。
続いて、図30〜図39に基づいて、本実施形態のニードルドライバ301における操作部303について説明する。尚、図30は、ニードルドライバ301の操作部303を正面斜め一測方からみた外観斜視図、図31は、ニードルドライバ301の軸方向に沿った、操作部303の断面図、図32は、図17の円Aにて囲んだ部分を拡大した操作部303の断面図、図33は、操作部303の外装部材を省略した、回動ダイヤル307の周辺に設けられる操作部303の内部構成を示す斜視図、図34は、操作部303内の各構成部材を下面斜め一測方からみた斜視図、図35は、操作部303の外装部材の一部分を図示し、操作部303内の各構成部材を下面斜め一測方からみた斜視図、図36は、操作部303の外装部材の一部分を図示し、操作部303内の各構成部材を基端側の斜め一測方からみた斜視図、図37は、ニードルドライバ301の軸に対して直交する方向に沿って、操作部303の中途部分を切断した断面図、図38は、操作部303を側面斜め一測方からみた斜視図、図39は、ニードルドライバ301を先端側から見た正面図である。
図30に示すように、操作部303は、挿入部302の基端側において当該挿入部2の長軸と同軸上に配設され、略長方体形状を呈する外装部材327に覆われている。この外装部材327は、3つのアルミニウム等の金属部材が互いに嵌合して一体に構成されており、先端側(挿入部302側)の外装を形成する先端側外装部材327aと、回動ダイヤル307、開閉ボタン305が一面に配設されている本体外装部材327bと、指掛け部材301Xが一面に配設され、前記本体外装部材327bの回動ダイヤル307、開閉ボタン305が設けられている面と反対側に嵌合されているカバー外装部材327cとからなる。
先端側外装部材327aと本体外装部材327bは、固定ネジ328aにより固定されている。また、カバー外装部材327cは、その一面に2つの固定ネジ329a,329bにより指掛け部材301Xが固定された後に、先端側外装部材327aに対して固定ネジ328bにより固定され、本体外装部材327bに対して固定ネジ328cにより固定される。なお、外装部材327は、樹脂でもよい。
先端側外装部材327aには、内部に後述するスラスタ353及び角度可変レバー306周辺の機構が配置される空間のための孔部が形成されており、両側面に凹部形状の段部327Aが基端から先端側に向かった中途部分まで形成されている(図35参照。尚、図35においては、先端側外装部材327aの一側面側の段部327Aのみ図示されている)。
本体外装部材327bは、先端側に延びる、2つの腕部327B(図38参照。尚、図38においては、本体外装部材327bの一側面側の腕部327Bのみ図示されている)を先端側の両側部に有し、これら2つの腕部327Bが先端側外装部材327aの2つの段部327Aに夫々嵌合される。
また、先端側外装部材327aに本体外装部材327bが嵌着された状態において、操作部303の両側面となる部分には、角度可変レバー306が各側面から突出でき、且つ、可倒動作するための長溝303aが形成される(図38参照)。この長溝303aは、操作部303の1側面に2つ形成される。
図31に示すように、本体外装部材327bの基端部分には、段部340が形成されている。この段部340は、樹脂製の調整ダイヤル309のダイヤル頭部309aが当接する座部340aを有する。座部340aには、段部340の略中央に操作部303の長軸方向に沿った長孔341が形成されている。段部340と反対側の本体外装部材327bの表面には、掌掛け部材301Aの突出部301Yが入り、操作部303の長軸方向に沿った溝部342が形成されている。長孔341は、段部340と溝部342を連通する孔である。
調整ダイヤル309は、段部340側から挿入され、調整ダイヤル309のネジ部が、雌ネジが形成された突出部301Yの雌ネジ穴に螺合し、ネジ止めされることによって掌掛け部材301Aが調整ダイヤル309に固定され、かつ掌掛け部材301Aが本体外装部材327bに固定されるようになっている。その固定の際、本体外装部材327bの長軸方向における、長孔341内の調整ダイヤル309の位置を調整することによって、本体外装部材327bの長軸方向における掌掛け部材301Aの位置を、術者の手の大きさに合わせて調整することができる。
なお、調整ダイヤル309のダイヤル頭部309aは、その外周部分を把持し易くするために、操作部303の両側面から突出するように、操作部303の幅方向の長さよりも長い外径を有している。
また、先端側外装部材327aは、先端側に突出するように形成された筒状の連結部327aaを有している。先端側外装部材327aには、筒状の連結部327aaの先端側の開口部に連通する孔部が形成されている。その孔部は、先端側から基端側の途中に段部を有する。この連結部327aaの外周面には、ネジ溝が刻設されている。
内周面に刻設されたネジ溝を有する略円環状の押さえ環310が、連結部327aaに被さるように設けられている。アルミニウム製の押さえ環310は、先端側に開口部を有する。先端側外装部材327aには、その押さえ環310の開口部と連結部327aaの開口部とを通るように、挿入部302のシース311の基端部分が挿入され、なお、押さえ環310は、内周面のネジ溝と連結部327aaの外周面のネジ溝とが螺合することにより、連結部327aaに固定される。
詳述すると、シース311は、基端部分の外周に略筒状のシースエンド部材311aが接着されており、シースエンド部材311aと共に先端側外装部材327aの孔部内に、シースエンド部材311aの軸回りに摺動して回動可能に挿入される。シースエンド部材311aはアルミニウム製である。また、押さえ環310の先端側となる面には、シース311の外径と略同一の孔径を有する孔部(開口部)が形成されている。すなわち、押さえ環310の先端側の面が内向フランジを形成し、シース311のシースエンド部材311aが内向フランジに当接することによって、挿入部302の外装を形成するシース311が先端側外装部材327aから抜けないようにしている。
押さえ環310は、連結部327aaと螺合量が多くなるにつれて、基端側へ移動する。なお、押さえ環310とシースエンド部材311aの間には、シリコン製のOリング345が設けられている。これにより、押さえ環310の内向フランジ面がOリング345を介して、シース311のシースエンド部材311aを基端側へ押圧する。
そして、シース311の基端部分に固着されたシースエンド部材311aは、Oリング345の弾性力により、その基端面が先端側外装部材327aの孔部に形成された段部の先端面と当接される。その結果、挿入部302は、操作部303に対して、ぐらつくことなく、しっかりと固定されている。
さらに、挿入部302が操作部303にしっかりと固定されつつ、挿入部302が操作部303に対して挿入部302の軸回りに回動可能な程度に、Oリング345はシースエンド部材311aを所定の押圧力で押圧する。これは、押さえ環310の先端内面が連結部327aaの先端部に当接したときのシースエンド部材311aと押さえ環310の先端内面間の距離を、Oリング345が圧縮されてそのような所定の押圧力を生じるような距離に設定することによって実現される。
牽引ワイヤ314が挿通している回動力伝達パイプ313には、基端部分にポリアセタールなどの合成樹脂からなる受動側傘歯車部材350が接着されて固定されている。尚、回動力伝達パイプ313は、回動力伝達パイプ313の長手方向軸に直交する方向の断面中心と、受動側傘歯車部材350の回動軸が重なるように、受動側傘歯車部材350の長手方向に形成された孔部に圧入固定されている。
この受動側傘歯車部材350の、歯車を有する端部が先端側を向いており、軸部分が略筒状の軸受け352に軸回りに回動自在に軸支されている。尚、アルミニウム又は樹脂製の軸受け352は、先端側外装部材327aに挿嵌固定されている。
また、先端側外装部材327aの一面に形成された段部分には、回動ダイヤル307が配設されている。アルミニウム又は樹脂製の回動ダイヤル307の、操作部303側の面に略円板形状の軸受けプレート349が設けられている。この軸受けプレート349は、先端側外装部材327aに固定されている。アルミニウム又は樹脂製の軸受けプレート349の、回動ダイヤル307側の面と反対側の面の中央部分からホイール軸349aが突出している。軸受けプレート349には、回動ダイヤル307側の面の中心からホイール軸349aの軸中心を貫く孔部が形成されている。
この軸受けプレート349の孔部には、ポリアセタールなどの合成樹脂からなる能動側傘歯車部材351が能動側傘歯車351の軸回りに回動可能に挿通されている。また、能動側傘歯車部材351の歯車を有している側と反対側の端部は、回動ダイヤル307の回動軸中心に形成されている孔部307aの一部に嵌入し、固定されている。すなわち、回動ダイヤル307及び能動側傘歯車部材351は、一体となっている。
また、軸受けプレート349は、能動側傘歯車部材351の歯車が受動側傘歯車部材350の歯車と歯合するように設けられている。
従って、回動ダイヤル307が術者によって所定の方向に回動されると、能動側傘歯車部材351に回動が伝達され、歯合作用により、その回動力が受動側傘歯車部材350に伝達される。すなわち、回動ダイヤル307が操作部303の長手方向と直交する軸回りに回動操作されると、能動側傘歯車部材351を介して、受動側傘歯車部材350によって、回動力伝達パイプ313に長手方向の軸回りに回動力が伝達される。その結果、回動力伝達パイプ313が当該回動力伝達パイプ313の先端に固定されている回動力伝達コイル317(図9参照)に回動力を伝え、挟持部308(図1参照)が回動される。
上記軸受けプレート349は、回動に伴って生じる摩擦などによって、回動ダイヤル307と先端側外装部材327aとの磨耗劣化を防止するための保護用のプレートとしての機能も兼ねている。また、回動ダイヤル307は、上述したように、外周部が操作部303の両側面よりも突出している。そのため、回動ダイヤル307は、万一において、術者又は看護師の取り扱いによって、能動側傘歯車部材351の歯車を有している側と反対側の端部から回動ダイヤル307を引き抜く力が加えられる場合がある。その対策として、回動ダイヤル307の側面には、軸受けプレート349が設けられ、能動側傘歯車部材351から回動ダイヤル307を引き抜く大きな力が加えられることを防止している。
すなわち、軸受けプレート349は、回動ダイヤル307よりも外周の直径が僅かに小さい。これにより術者の人指し指で直接に回動操作される回動ダイヤル307の操作性を損なうことなく、引き抜く方向、つまり、先端側外装部材327aから離れた方向への大きな力が加えられることを防止している。
図32に示すように、回動力伝達パイプ313が長軸回りに回動自在に挿通している湾曲力伝達パイプ315には、基端部分に先端側外装部材327aに対して、長軸方向に摺動自在な略筒状の留パイプ346が接着されている。アルミニウム製のこの留パイプ346は、角度可変レバー306の操作により、湾曲力伝達パイプ315と共に、長軸方向に進退移動される。
また、図32と図33に示すように、留パイプ346の基端部分には、ステンレスなどの金属からなるスラスタ353が嵌合固着されている。このスラスタ353には、2つのネジ孔が外周面側から同軸上に切削され、これら2つのネジ孔に夫々ステンレスなどの金属からなるネジピン354a,354bが螺着されている。
詳しくは、スラスタ353は、略円柱形状の部材の外周側の両端部分を平行な面を有するようにカットされ、これらのカットされた夫々の面から内部側に向かって、前記各カット面に対して直交する方向に、2つのネジ孔が形成される。そして、前記2つのネジ孔には、ネジピン354a,354bが夫々螺合され、各ネジピン354a,354bの一端部分が突起するように設けられている。
尚、各ネジピン354a,354bが螺着される2つの孔部は、夫々の孔軸が同軸上となるように、スラスタ353に形成される。すなわち、2つのネジピン354a,354bは、同じ軸上に夫々の長軸が沿って、スラスタ353の外周側の両端部分において対称となる位置において、夫々がスラスタ353の外周方向に突起している。尚、これら2つのネジピン354a,354bは、夫々のネジ頭にマイナスドライバによる締め付けを可能とする溝が形成されている。
また、スラスタ353には、2つのネジピン354a,354bの軸に直交し、且つ、留パイプ346の長軸と直交する1方向側の外周部から中央に向かった切り欠きが形成されている。このスラスタ353の切欠かれた部分は、対向する平行な2つの平面を有している。
なお、留パイプ346は、基端部分の外周に周溝が形成されており、その周溝は、スラスタ353の前記切欠かれた部分の平行な2つの平面に夫々対応する溝面を有するような形状加工が施されて形成される。これにより、スラスタ353は、切欠かれた部分の2つの面と、留パイプ346の周溝の溝面が夫々接触するように、切欠かれた部分の外周方向から留パイプ346の周溝に嵌合される。
こうして、スラスタ353は、2つのネジピン354a,354bの軸が留パイプ346の長軸に直交するように、留パイプ346に嵌着される。
角度可変レバー306は、両端部分に長孔306aが穿設された金属からなる板部材をコの字状に成形した部材である。コの字状の角度可変レバー306の2つの腕部には、夫々の長孔306aの近傍に後述する枢軸ピン355が挿入される孔部306b(図33参照)が穿設されている。つまり、角度可変レバー306には、2つの長孔306aと2つの孔部306bが設けられている。
また、角度可変レバー306は、2つの長孔306aの夫々の中心が同じ軸を通り、且つ、2つの孔部306bの中心が同じ軸を通るように、コの字形状の腕部の対向する面を有する部分に各長孔306a及び各孔部306bが夫々位置決めされ、穿設されている。さらに、各長孔306a及び各孔部306bは、夫々の中心を通る軸が前記対向する面に対して、直交する軸となるように位置決めされている。尚、本実施の形態におけるニードルドライバ301には、図39に示すように、上述の角度可変レバー306が操作部303の両側面から突出するように2つ配設される。
2つの角度可変レバー306の各長孔306aには、図33に示すように、スラスタ353の2つのネジピン354a,354bが当該ネジピン354a、354bの軸回りに摺動回動可能なように挿入される。また、2つの角度可変レバー306は、スラスタ353を挟んで、留パイプ346の長軸及び2つのネジピン354a,354bの長軸に対して夫々対称となるように配置される。
これら2つの角度可変レバー306の腕部は、スラスタ353に設けられた状態において、各ネジピン354a,354bの近傍において、互い違いとなるように重畳している。つまり、一方の角度可変レバー306のネジピン354aが挿入している長孔306aを有する部分がスラスタ353側となっている場合、他方の角度可変レバー306は、ネジピン354bが挿入している長孔306aを有する部分がスラスタ353側となっている。
また、2つの角度可変レバー306の夫々の各孔部306bには、外側の面方向から枢軸ピン355が挿入されている。すなわち、本実施の形態において、1つの角度可変レバー306の2つの孔部306bには、各枢軸ピン355の軸回りに摺動回動可能なように夫々枢軸ピン355が1つずつ挿入されるため、2つの角度可変レバー306が設けられる操作部303には、合計4つの枢軸ピン355が設けられる。
これらの4つの枢軸ピン355は、夫々が先端側外装部材327aに圧入固定されている(図37参照)。また、1つの角度可変レバー306の2つの孔部306bに挿入されている2つの枢軸ピン355は、夫々、長軸が同じ軸上となるように、先端側外装部材327aに対向するように圧入固定されている。従って、2つの角度可変レバー306は、各孔部306bに対応する夫々の枢軸ピン355の軸回りに夫々回動自在となっている。
以上の構成により、2つの角度可変レバー306は、枢軸ピン355の軸回りの回動操作されることにより、スラスタ353を介して、留パイプ346を長軸方向に進退移動することができる。これにより、湾曲力伝達パイプ315は、留パイプ346の進退移動に連動して、長軸方向に進退移動する。
そして、この湾曲力伝達パイプ315が長軸方向に進退移動に合わせて、湾曲力伝達パイプ315の先端部分に設けられたジョイント部材318は、リンク部材319を先端側への押進又は基端側へ牽引する。また、リンク部材319が湾曲部ベース部材320を先端側への押進又は基端側へ牽引することにより、湾曲部ベース部材320は、ピン324を回動中心として回動する。こうして、処置部304は、挿入部302の軸に対して90度の範囲で湾曲操作がされる。
また、図39に示すように、本実施の形態のニードルドライバ301を先端側から見たときに、2つの角度可変レバー306は、操作部303の両側面から突出するように設けられる。詳述すると、コの字形状の2つの角度可変レバー306の各中央部は、操作部303の図39の紙面に向かって見た上部側に設けられる回動ダイヤル307と、操作部303の図39の紙面に向かって見た下部側に設けられる掌掛け部材301A及び指掛け部材301B,301Cとを結び、且つ、操作部303の中心を通る垂直軸Xに対して、略直交し、且つ、操作部303の中心を通る水平軸Yが交差する操作部303の両側面から水平軸Y方向に夫々、操作部303から離れる方向に突出している。
そのため、どちらか一方の角度可変レバー306を操作することによって、術者は、処置部304を挿入部302の軸に対して90度の範囲で湾曲操作がおこなえる。すなわち、本実施の形態のニードルドライバ301は、操作部303の両側面に角度可変レバー306を1つずつ設けることにより、術者の利き腕(右利き及び左利き)に関係なく、処置部304を挿入部302の軸に対して容易に湾曲させることができる。
尚、留パイプ346に嵌着され、2つの角度可変レバー306が設けられたスラスタ353周辺の機構は、先端側外装部材327a、本体外装部材327b及びカバー外装部材327cによって形成された内部空間内に配置される。
また、図34に示すように、スラスタ353の一方のネジピン354bには、2つの角度可変レバー306の長孔306aを有する部分と一端部分が重畳し、他端が基端側へ向かって延びたステンレスなどの金属板からなるブレーキバー361が設けられている。このブレーキバーの前記一端部分には、孔部が形成されており、この孔部にネジピン354bが挿入される。
このブレーキバー361は、操作部303の内部側となるカバー外装部材327cの一面に形成された溝部327C内に設けられることによって、ブレーキバー361は直進ガイドされており、その中途部分が先端側外装部材327aとカバー外装部材327cに所定の摩擦力が与えられるように挟まれている。この摩擦力により、角度可変レバー306の回動に際して、ある程度の回動力が必要となっている。そのため、術者は、角度可変レバー306の操作により、処置部304を挿入部302の軸に対して所定の角度に湾曲した状態を保つことができる。
尚、溝部327Cは、2つの角度可変レバー306の回動により、長軸方向に移動する留パイプ346、湾曲力伝達パイプ315の進退移動量と略同じ長軸方向の長さを有するように、先端側外装部材327aに形成されている。
また、カバー外装部材327cの前記一面の中途部分には、開閉ボタン305を一方向に付勢している板バネ363の一端部が2つのピン363aにより固定されている。尚、ブレーキバー361は、図34に示すように、板バネ363とカバー外装部材327cとの間において挿通しており、板バネ363を固定している2つのピン363aの間を通り、カバー外装部材327cの溝部327Cに全体が埋まるように保持されている。
ステンレス製の板バネ363は、基端から中途部分にかけて略長方形状の切欠き部363bが形成され、他端部となる基端部分が開閉ボタン305の基端側の背面と当接している。この板バネ363の切欠き部363bには、牽引ワイヤ314が挿通している。なお、牽引ワイヤ314の基端部分には、ステンレス製のワイヤ抜け止め部材314bが設けられている。
板バネ363の中途部分には、カバー外装部材327c及びブレーキバー361に対向する面側にステンレスなどの金属からなるブレーキシュー362が設けられている。このブレーキシュー362は、開閉ボタン305が操作部303の内部側へ押し込まれると、板バネ363が受けるカバー外装部材327c側へ移動する力に伴って、ブレーキバー361側へ押される。これにより、ブレーキバー361には、ブレーキシュー362及びカバー外装部材327cの溝部と夫々接触する両端面の圧力が増大して、大きな摩擦力を受ける。従って、ブレーキバー361は、長軸方向の移動が行えないように規制される。
その結果、ブレーキバー361の移動が規制されることにより、角度可変レバー306の回動と、スラスタ353、留パイプ346及び湾曲力伝達パイプ315の長軸方向の進退移動も行えないようになり、開閉ボタン305が操作部303の内部側へ押し込まれたときに、処置部304を挿入部302の軸に対して所定の角度に湾曲した状態を確実に保つことができる。
また、開閉ボタン305は、図36に示すように、基端部から板バネ363の一端部分が当接する面にかけて、切欠き形成されたガイド溝305aを有するアルミニウムなどの金属又は樹脂からなる略四角柱のブロック体である。この開閉ボタン305のガイド溝305aには、金属製のプルリンク366の一端部分が挿入されている。また、開閉ボタン305には、ガイド溝305aの軸方向と直行する方向に、プルリンク366を回動保持するピン365が設けられている。また、図31に示すように、開閉ボタン305は、板バネ363の一端部分が当接する面側の先端部分に先端側へ突起した2つの突起部305bを有している。
この開閉ボタン305は、操作部303の内部側となる本体外装部材327bの面側から本体外装部材327bに設けられる孔部に嵌め込まれている。このとき、開閉ボタン305は、2つの突起部305bが本体外装部材327bの一面に当接することにより、操作部303からの抜脱が防止されている。
また、開閉ボタン305は、本体外装部材327bとカバー外装部材327cとによって形成される操作部303の内部空間内において操作部303の長軸に直交する方向に進退移動自在となっており、通常において、上述したように板バネ363によって本体外装部材327bの外表面方向、すなわち、2つの突起部305bが本体外装部材327bの一面に当接するように付勢されている。
開閉ボタン305に一端部分がピン365により回動自在に軸支されているプルリンク366は、他端部分に溝366aが形成されており、この溝366aが牽引ワイヤ314のワイヤ抜け止め部材314bを挟持している。また、プルリンク366の前記他端部分には、牽引ワイヤ314の溝部366aからの抜け防止用のピン366bが設けられている。
図36に示すように、カバー外装部材327cは、操作部303の内部空間を形成する側の基端部分の面から突起しているカイド凸部327caを有している。このガイド凸部327caは、突起側に平面部327cbを有しており、この平面部327cbにプルリンク366の前記他端部分が当接される。
術者によって開閉ボタン305が押されることによって回動するプルリンク366は、カイド凸部327caの平面部327cbに直進ガイドされ、平面部327cbの面上で前記他端部分が基端側へスライドする。このとき、牽引ワイヤ314は、その長軸上に沿って略ずれることなく基端側へ牽引される。
すなわち、カバー外装部材327cのカイド凸部327caの突起量、プルリンク366の長さ及びプルリンク366の前記他端部分が挟持する牽引ワイヤ314のワイヤ抜け止め部材314bの配置位置は、開閉ボタン305のボタン操作によって、牽引ワイヤ314が略ずれることなく基端側若しくは先端側へ牽引弛緩されるように夫々対応するように設定されている。
こうして、術者により開閉ボタン305が操作部303の内部側へ押し込まれ、連動するプルリンク366により、牽引ワイヤ314が長軸方向に沿って基端側へ牽引されると、牽引ワイヤ314の末端肥大部314aが底部の内側に固定されている可動挟持片326(図28参照)が基端側へ移動される。これにより、可動挟持片326のフランジ部326cの先端側面は、固定挟持片331のフランジ部331aの基端側面から離れる。
また、開閉ボタン305は、術者による操作部303の内部側への押し込みが開放されると、板バネ363からの付勢力を受け、操作部303の外部側へ移動する。このとき、回動部ベース部材325内のバネ333は、可動挟持片326の底部を押圧し、可動挟持片326のフランジ部326cの先端側面が固定挟持片331のフランジ部331aの基端側面と当接するまで伸びる。従って、操作部303の開閉ボタン305を操作していないときに、可動挟持片326と固定挟持片331のそれぞれの平面は密着するように押圧されている。
以上の結果、開閉ボタン305の押し込み操作及び非操作により、可動挟持片326が、固定挟持片331から基端側に向かって移動するので、可動挟持片326と固定挟持片331のそれぞれの平面間に挟持された針を放したり、針を挟持するためにそれぞれの平面の間を離したりすることができる。
また、開閉ボタン305が押され、牽引ワイヤ314が基端側へ引っ張られると、その張力により、牽引ワイヤ314が直線状になろうとする力が発生する。そのため、処置部304を挿入部302の軸に対して所定の角度に湾曲した状態において、開閉ボタン305が押されると、牽引ワイヤ314が内部に挿通している処置部304は、牽引ワイヤ314の直線状になろうとする力を受け、挿入部302の軸に対して湾曲する所定の角度を保つことが出来なくなる。すなわち、術者は、処置部304を挿入部302に対して所望とする湾曲状態に保つことが出来ないため、縫合手技がし難くなる。
そこで、本実施の形態のニードルドライバ301は、開閉ボタン305が押されると、ブレーキシュー362がブレーキバー361を押圧し、移動が規制されるため、処置部304を挿入部302の軸に対して所定の角度に湾曲した状態を確実に保つことができる構成となっている。その結果、術者は、処置部304を挿入部302に対して所望とする湾曲状態に保つことが出来でき、縫合手技が行い易くなる。
なお、上述したように、受動側傘歯車部材350の、歯車を有する端部は、先端側を向いている。そして、挿入部302は、操作部303に対して挿入部302の軸回りに回動可能となっている。従って、術者が操作部303を回動ダイヤル307側から見たときに、挿入部302の挿入軸に対して処置部304の延出方向がその術者が見ている目の方向と同じときは、回動ダイヤル307の回動方向(すなわち術者から見て右回りか左回りか)は、処置部304の回動方向と同じ方向になる。そして、挿入部302を、操作部303に対して挿入部302の軸回りに回動させて、術者が操作部303を回動ダイヤル307側から見たときに、挿入部302の挿入軸に対して処置部304の延出方向がその術者の視線方向と同じときは、回動ダイヤル307の回動方向は、処置部304の回動方向と逆方向になる。
縫合時、ニードルドライバ301と鉗子を用いる場合が多い。そのような場合は、術者が操作部303を回動ダイヤル307側から見たときに、挿入部302の挿入軸に対して処置部304の延出方向がその術者が見ている目の方向と同じとなるので、ニードルドライバ301の処置部304の回動操作の操作性はよい。
なお、牽引ワイヤ314が、まっすぐ基端側に向かって牽引されるように、プルリンク366がガイド凸部327caの平面部327cbに当接するようにしているが、図40に示すような構成でもよい。図40は、牽引ワイヤ314をまっすぐ基端側に向かって牽引するための他の構造を説明するための図であって、プルリンク366とガイド凸部327caとが当接している状態を牽引ワイヤ314の基端側から見た図である。図40に示すように、プルリンク366に設けられたピン366bがガイド凸部327caの平面部327cbに当接する。ガイド凸部327caには、操作部303の軸方向に沿った溝部327ccが形成され、その溝部327ccにてプルリンク366の一端が入り込んでいる。ピン366bが平面部327cbに当接している状態で、牽引ワイヤ314の軸中心314cが、平面部327cbの平面内に位置するようになっている。従って、開閉ボタン305が押されると、溝部327ccに沿ってプルリンク366の一端が移動して牽引ワイヤ314を基端側に牽引する。このとき、牽引ワイヤ314の軸中心314cが、常に平面部327cbの平面内に位置するようにしながら、牽引ワイヤ314が基端側に引っ張られる。従って、牽引ワイヤ314が、まっすぐ基端側に向かって牽引される。
以上のように、本実施の形態に係わるニードルドライバ301によれば、操作部303において、処置部308の挟持部308の開閉操作、回動操作及び延出方向の角度変更操作が行われると、同軸上に配置された3つの軸部材が、それぞれ開閉力、回動力及び角度可変力を、処置部308に伝達する。具体的には、操作部303に設けられた開閉操作部材としての開閉ボタン305と、回動操作部材としての回動ダイヤル307と、角度変更操作部材としての角度可変レバー306のそれぞれに対する操作に連動して、開閉力、回動力及び角度可変力を、同軸上に配置された3つの軸部材が処置部308に伝達する。
さらに、パイプ状の軸部材であるシース311の内側に上述した3つの軸部材が位置し、かつ、シース311も操作部303に対して軸回りに回動可能となっている。すなわち、挿入部302のシース311も、3つの軸部材と同じ軸上にあって、操作部303に対して挿入部302の軸回りに回動可能である。従って、術者は、処置部304の開閉操作、回動操作及び延出方向の角度変更操作をできるだけでなく、シース311を軸回りに回動することができるので、処置部304の延出方向の変更も可能となる。
従って、上述した本実施の形態に係わる各ニードルドライバによれば、内視鏡下での組織吻合等において、操作性が良く、挿入部の細径化が図れる外科手術処置具を実現することができる。操作性も良いので内視鏡下での組織吻合が容易となり、手術の質向上、手術時間の短縮が図れ、さらに、細径化が図れるので低侵襲となり、患者の早期退院、社会復帰が早まる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
本発明の第1の実施の形態に係わるニードルドライバの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係わるニードルドライバの平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係わるニードルドライバの、処置部を含む先端部分の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係わるニードルドライバの操作部を含む基端部分の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係わるニードルドライバの処置部の挟持ユニットが開いた状態を示す先端部分の断面図である。 針を挟持するために処置部の挟持ユニットを開くための操作を説明するための図である。 針を挟持し回動させる動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係わるニードルドライバの、処置部を含む先端部分の断面図である。 図8のIX−IX線に沿った断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係わるニードルドライバの操作部を含む基端部分の断面図である。 10のXI−XI線に沿った断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係わるニードルドライバの操作部を含む基端部分の断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係わるニードルドライバの処置部の挟持ユニットが開いた状態を示す先端部分の断面図である。 ニードルドライバをトラカールを介して術部にアプローチした状態を示す概略図である。 本発明の第3の実施の形態に係るニードルドライバの正面斜め一測方からみた外観斜視図である。 第3の実施の形態のニードルドライバの正面図である。 第3の実施の形態のニードルドライバを一側方(左側方)からみた左側面図である。 第3の実施の形態のニードルドライバを他側方(右側方)からみた右側面図である。 図15のニードルドライバが把持された状態を説明するための図である。 第3の実施の形態のニードルドライバの処置部を含む先端部分の正面図である。 第3の実施の形態の処置部の挟持部が開いた状態の先端部分の正面図である。 第3の実施の形態のニードルドライバの軸方向に沿った、処置部を含む先端部分の断面図である。 第3の実施の形態のニードルドライバの軸方向に沿った、処置部の挟持部が開いた状態の先端部分の断面図である。 第3の実施の形態の先端部の内部構造を説明するための斜視図である。 図23のA−A線に沿った断面図である。 第3の実施の形態の先端ハウジング部材を省略した、先端部の内部構造を説明するための斜視図である。 第3の実施の形態の処置部が挿入部の軸に対して90度湾曲した状態を示す先端部分の正面図である。 第3の実施の形態の処置部が挿入部の軸に対して90度湾曲した状態を示す先端部分の断面図である。 第3の実施の形態の回動部ベース部材を省略した、先端部の内部構造を説明するための斜視図である。 第3の実施の形態のニードルドライバの操作部を正面斜め一測方からみた外観斜視図である。 第3の実施の形態のニードルドライバの軸方向に沿った、操作部の断面図である。 図17の円Aにて囲んだ部分を拡大した操作部の断面図である。 第3の実施の形態の操作部の外装部材を省略した、回動ダイヤルの周辺に設けられる操作部の内部構成を示す斜視図である。 第3の実施の形態の操作部内の各構成部材を下面斜め一測方からみた斜視図である。 第3の実施の形態の操作部の外装部材の一部分を図示し、操作部内の各構成部材を下面斜め一測方からみた斜視図である。 第3の実施の形態の操作部の外装部材の一部分を図示し、操作部内の各構成部材を基端側の斜め一測方からみた斜視図である。 第3の実施の形態のニードルドライバの軸に対して直交する方向に沿って、操作部の中途部分を切断した断面図である。 第3の実施の形態の操作部を側面斜め一測方からみた斜視図である。 第3の実施の形態のニードルドライバを先端側から見た正面図である。 牽引ワイヤをまっすぐ基端側に向かって牽引するための他の構造を説明するための図である。
符号の説明
1、301 ニードルドライバ、2、302 挿入部、3、303 操作部、4、304 処置部、5 挟持ユニット、6 孔、7 回動ダイヤル、8 開閉ボタン、9 操作部カバー、10 シース、41 回動力伝達部材、42 開閉力伝達棒、43,61,143,161 クサビ部材、32,43,53,60,144,160 傘歯車、71 糸、72 針、142 回動開閉力伝達部材
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (10)

  1. 挿入部と、
    該挿入部の一端に設けられた操作部と、
    前記挿入部の他端より延出するように設けられた処置部と、
    前記操作部に設けられた回動操作部材の回動操作に連動して前記処置部に回動力を伝達する第1の軸部材と、
    前記操作部に設けられた開閉操作部材の開閉操作に連動して前記処置部に開閉力を伝達する第2の軸部材と、
    を有し、
    前記第1の軸部材と前記第2の軸部材は、略同じ軸上に配置され、
    前記処置部は、前記回動操作部材における前記回動操作に応じて延出方向の軸回りに回動可能であり、かつ、前記開閉操作部材における前記開閉操作に応じてそれぞれ挟持面を有する2つの挟持部材の少なくとも1方を動かして開閉可能であることを特徴とする外科用処置具。
  2. 挿入部と、
    該挿入部の一端に設けられた操作部と、
    前記挿入部の他端より延出するように設けられた処置部と、
    前記操作部に設けられた回動操作部材の回動操作に連動して前記処置部に回動力を伝達し、かつ、前記操作部に設けられた前記開閉操作部材の開閉操作に連動して前記処置部に開閉力を伝達する回動力伝達兼開閉力伝達のための軸部材と、
    を有し、
    前記処置部は、前記回動操作部材における前記回動操作に応じて延出方向の軸回りに回動可能であり、かつ、前記開閉操作部材における前記開閉操作に応じてそれぞれ平面を有する2つの挟持部材の少なくとも1方を動かして開閉可能であることを特徴とする外科用処置具。
  3. 前記処置部は、2つの挟持部材と、該2つの挟持部材の少なくとも一方を、他方に対して常に当接する方向に付勢する付勢手段とを有し、前記一方の挟持部材は開閉操作における開操作によって前記付勢手段の付勢力に抗して、前記他方の挟持部材から離間する方向に移動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外科用処置具。
  4. 前記第1の軸部材は、パイプ状で、前記第1の軸部材内に前記第2の軸部材が内挿されている請求項1に記載の外科用処置具。
  5. 前記回動操作部材からの前記処置部への回動力は、第1傘歯車、第2傘歯車、軸部材、第3傘歯車、第4傘歯車の順に伝達され、前記軸部材の両端にはそれぞれ前記第2傘歯車と前記第3傘歯車の回動力を伝達しつつ、前記第2傘歯車と前記第3傘歯車の間で前記軸部材が所定の距離で進退して開閉力を伝達する回動進退自在機構を有することを特徴とする請求項2に記載の外科用処置具。
  6. 前記回動進退自在機構は、前記第2傘歯車と前記第3傘歯車のそれぞれに設けられた非円形の断面を有する伝達孔部と、該伝達孔部のそれぞれに挿入される伝達軸部であって、前記軸部材の両端に所定の長さで設けられた、前記伝達孔部の前記非円形の断面に係合する断面を有する伝達軸部とからなることを特徴とする請求項5に記載の外科用処置具。
  7. 挿入部と、
    該挿入部の一端に設けられた操作部と、
    前記挿入部の他端より延出するように設けられた処置部と、
    前記操作部に設けられた回動操作部材の回動操作に連動して前記処置部に回動力を伝達する第1の軸部材と、
    前記操作部に設けられた開閉操作部材の開閉操作に連動して前記処置部に開閉力を伝達する第2の軸部材と、
    前記操作部に設けられた角度可変操作部の角度可変操作に連動して、前記挿入部の軸に対する前記処置部の延出方向の角度を変更する角度可変力を伝達する第3の軸部材と、
    を有し、
    前記第1の軸部材、前記第2の軸部材及び前記第3の軸部材は、略同じ軸上に配置され、
    前記処置部は、前記回動操作部材における前記回動操作に応じて延出方向の軸回りに回動可能であり、前記開閉操作部材における前記開閉操作に応じてそれぞれ挟持面を有する2つの挟持部材の少なくとも1方を動かして開閉可能であり、かつ前記角度可変操作部における前記角度可変操作に応じて前記延出方向の角度を変更可能であることを特徴とする外科用処置具。
  8. 前記処置部は、2つの挟持部材と、該2つの挟持部材の少なくとも一方を、他方に対して常に当接する方向に付勢する付勢手段とを有し、前記一方の挟持部材は開閉操作における開操作によって前記付勢手段の付勢力に抗して、前記他方の挟持部材から離間する方向に移動することを特徴とする請求項7に記載の外科用処置具。
  9. 前記第1及び前記第3の軸部材は、それぞれパイプ状で、前記第2の軸部材が棒状で、前記第1の軸部材内に前記第2の軸部材が内挿され、前記第3の軸部材内に前記第1の軸部材が内挿されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の外科用処置具。
  10. 前記挿入部は、パイプ状の第4の軸部材を有し、該第4の軸部材内に、前記第3の軸部材が内装されていることを特徴とする請求項9に記載の外科用処置具。



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