JP2005343553A - 医療用具の包装体及び包装体の製造方法 - Google Patents

医療用具の包装体及び包装体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、医療用具の包装において、包装材コスト、製造コストを高くすることなく、かつ、簡易な製造プロセスによって医療用具を包装材の内部に固定することができる衛生性に優れた医療用具の包装体を提供することである。
【解決手段】 医療用具が包装用フィルムの内部に固定されている包装体であって、該固定が、包装用フィルムに設けられた深絞り型と包装体の内圧を大気圧より低い圧力とすることにより行われている医療用具の包装体。

Description

本発明は、医療用具の包装体に関する。詳しくは、医療用具を包装するためのフィルムとフィルムの間を、真空あるいは脱気した状態で周縁を封止した医療用具の包装体及び包装体の製造方法に関する。
医療用器具の包装に要求される最重要事項は衛生性である。一般的には、医療用具の表面を清浄に保ちつつ、包装材で包み込むことが行われている。このような医療用具を包装した包装体において、運搬時や取り扱い時における振動や落下による包装材のピンホール発生が問題となっており、これを防ぐために様々の工夫がなされている。例えば、包装材としては、フィルムやシートが主に用いられているが、これら包装材の強度を上げるために包装材の厚みを厚くする、包装を2重以上とするなどである。しかしながら、これらの工夫は使用原料の増大によりコストが高くなったり、使用時の操作性、特に開封性を低下させたりするだけでなく、使用後の廃棄物を増大させることにも繋がる。例えば、医薬液等を収納する容器を包装するために用いられる多重包装について特許文献1があげられる。これは、押出成形によって成形されたインフレーションフィルムを少なくとも2枚重ね合わせそのフィルム間に医療用容器を収納、密封する多重包装袋であり、製造工程の簡易化を図ろうとするものである。しかし、包装を2重以上とすることから依然として、包装材の製造工程や包装工程の簡易化には限界があり、必ずしも満足すべきものではなかった。
また、1つの包装体の内部に医療用具が接着剤等を用いることなく固定されて配置されているものは従来知られていない。
特開平7−171197号公報
本発明の課題は、医療用具の包装において、包装材コスト、製造コストを高くすることなく、かつ、簡易な製造プロセスによって医療用具を包装材の内部に固定することができる衛生性に優れた医療用具の包装体を提供することである。また、そのような包装体を簡易に製造するための製造方法を提供することである。
一般的な包装方法の1つとして真空包装があげられるが、通常、真空包装は、包装体内部の空気を可能な限り抜いてしまうことが常識であった。しかし、上記課題に鑑み本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、前記常識とは異なり、包装体内部の圧力を大気圧よりやや低い程度の適度な圧力に抑えることにより、一般的な真空包装と比べて、落下試験におけるフィルムのピンホール発生を格段に抑えられることを見出した。より具体的には、フィルムに設けた深絞り型の内部に医療用具を配して真空引きすることにより、医療用具の固定化及びピンホール発生の抑制が可能となることを見出した。また、さらに、真空度、つまり包装体内部の圧力(単に、内圧ということがある)をある特定の範囲に規定することにより、より厳密に医療用具の固定化とピンホール発生の抑制が可能となることを見出した。これは、振動時には包装体内部の医療用具を固定し、落下時には包装体内部の医療用具が動いて衝撃を吸収している。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
(1)医療用具が包装用フィルムにより包装された医療用具の包装体であって、包装体の内圧が絶対圧力で50kPa以上、95kPa未満の範囲であることを特徴とする医療用具の包装体。
(2)医療用具が包装用フィルムの内部に固定されている包装体であって、該固定が、包装用フィルムに設けられた深絞り型と包装体の内圧を大気圧より低い圧力とすることにより行われている医療用具の包装体。
(3)包装体の内圧が、絶対圧力で50kPa以上、95kPa未満の範囲である上記(2)に記載の医療用具の包装体。
(4)医療用具が包装用フィルムの内部に複数個離間した状態で固定されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載の医療用具の包装体。
(5)包装用フィルムが、蓋材フィルムと底材フィルムとからなり、蓋材が延伸フィルムよりなる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の包装体。
(6)包装用フィルムの周縁に、延伸フィルムの延伸方向と同一の方向に開封するように開封用の切れ目あるいはノッチを有している上記(5)に記載の包装体。
(7)医療用具が、硬質医療用フィルターである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の包装体。
(8)医療用具が、軟質医療用フィルターである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の包装体。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の包装体が垂直方向に複数枚積層されて、箱体の中に配置されている医療用具包装体の梱包体。
(10)フィルムに設けられた深絞り型の窪み部分に医療用フィルターを配し、その後別のフィルムを重ね合わせて真空引きを行い、両フィルムに囲まれた包装体の内圧を大気圧より低くした状態で両フィルムの周縁部をヒートシールすることを特徴とする医療用具包装体の製造方法。
(11)前記両フィルムに囲まれた包装体の内圧が、絶対圧力で50kPa以上、95kPa未満の範囲である上記(10)に記載の製造方法。
本発明の医療用具の包装体は、運搬時や取り扱い時における振動や落下によるフィルムのピンホール発生の予防に対して特に有用である。医療用具の包装体内内力を大気圧よりやや低い程度の適度な圧力に抑えることにより、運搬中の振動時には包装体内部の医療用具を固定し、かつ落下時の衝撃に対しては包装体内部の医療用具が動いて衝撃を吸収し、ピンホールの発生を抑制することができる。その結果、包装、梱包にかかる費用を高くすることなく、また、簡易な製造プロセスによって、衛生性に優れた医療用具の包装体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう医療用具とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている器具器械である。例えば、医療用フィルター、医療用注射器、血液バッグ、人工腎臓装置、人工心肺装置、血液浄化用装置、輸血システム、人工膵臓、血液検査用器具、体液検査用器具、内蔵機能検査用器具及びこれらに用いられる関連器具等があげられる。
次に、医療用具の包装体に使用されるフィルム(シートと呼ばれることもある)について述べる。本発明の医療用具の包装体に用いられるフィルムとして使用される樹脂フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの公知の樹脂フィルムを使用することができる。その他、例えば、セロハンなどのフィルム、合成紙も使用することができる。上記フィルムは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたものなどのいずれのものでも使用することができる。
また、単層フィルムとして使用しても良いが、多層フィルムとして適宣組み合わせて用いる方が好ましい。それらフィルムの厚さは、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。フィルムの性状としては、押出し製膜されたフィルム、インフレーション製膜されたフィルム、コーティングされたフィルムなどいずれの性状のフィルムでも良い。
上記材質の中から選定したフィルムの構成上で注意すべき点は、強度、透明度、柔軟性、引裂き性、耐ピンホール性、ガスバリア性、ヒートシール性などが挙げられるが、内包する医療用具の種類によって適宣選択すればよい。
次に、前記のフィルムを用いて包装体を作製する方法を述べる。包装体の作製方法は特に限定する必要はなく、シートの溶着装置と真空装置(真空ポンプおよび真空ライン)を用いて、真空引きの時間や真空ラインの開放度と真空装置(真空ポンプおよび真空ライン)を用いて、真空引きの時間や真空ラインの開放度あるいは真空ポンプの排気能力を適宜選択調整することにより、所望の内部圧力になるように溶着を完了すればよい。したがって、公知の真空包装方法ならば何れでも利用可能であるが、食品等の包装において一般的に用いられている自動真空包装機を用いると簡便かつ確実に実施できるのでより好ましい。特に、深絞り型自動真空包装機(例えば、大森機械工業(株)製の型式MS2500等)を利用すると、様々な形状を有する医療用具を確実かつ大量に包装処理できるので特に好ましい。
前記深絞り型真空包装装置を用いる場合、底材フィルムの深絞り型の形成は、成形温度65℃から130℃、成形時間1.0秒から5.0秒の範囲で行うことができる。深絞り部の金型形状は、内包する医療用具の形状に合わせて準備しておき、被成型品の形状に合わせて適宜交換すればよい。次に、底材フィルムに形成された深絞り型の窪みに医療用具を投入した後、蓋材フィルムを重ね合わせて真空引きをしながらフィルム周縁をヒートシールする。真空時の圧力は真空圧検知器の表示圧力で約−60kPa、真空時間を0.3秒から5.0秒の範囲で行うと所望の内部圧力を得ることができる。続くヒートシールを、ヒートシール温度120℃から150℃、ヒートシール時間0.5秒から2.5秒の範囲で行うと前記内部圧力において確実にシールできる。最後に、フィルム周縁をヒートシールした後に、昇降カッター等で医療用具入り包装体を切り離せばよい。深絞りの型の窪みは、底材フィルムに1個、または複数個形成されていればよいが、生産性および輸送性を考慮すると複数個形成されているのが望ましい。また、この窪みは底材フィルムに形成される場合もあるが、蓋材フィルムに形成される場合、あるいは両方に半分の大きさで形成される場合もある。深絞り型の窪みが蓋材フィルム側に形成される場合、蓋材フィルムを下にして該型の窪み部分に医療用具を配し、底材フィルムを蓋材フィルムの上面に重ね合わせてヒートシールすることもできる。
包装体の内圧とは、包装体内部の圧力のことを言う。
次に包装体の内圧の測定方法について述べる。例えば医療用具として医療用フィルターを用いた場合について説明する。医療用フィルターの入った包装体を、透明なガラス製または樹脂製の窓付き真空チャンバーの中に入れ、真空バルブを操作して、包装体周囲の気圧を減圧する。ここで、真空チャンバー内の気圧と包装体の内圧が等しくなった時点から、包装体が膨らみ始めるが、この包装体が膨らみ始める時点の真空チャンバー内の減圧値を、包装体の内圧(値)とする。
包装体の内圧は、上限値は収容されている医療用具を固定できる圧力であればよい。また、包装用フィルターに深絞り型の窪みを設けている場合には、該窪みと内圧によって医療用具を固定できればよい。具体的には、95kPa未満であることが望ましい。95kPaより大きいと、運搬中に医療用具が包装体内部の収納位置よりずれる不具合が生じるからである。また、固定化の他にさらに、落下時や搬送時のピンホール発生を防ぎ、内部に収容されている医療用具等の衛生性を保つためには、下限値として絶対圧力で50kPa以上であることが望ましい。従って、これら両方の作用効果を有する包装体を得るためには、内圧は絶対圧力で50kPa以上、95kPa未満の範囲であることが望ましい。より好ましい内圧は、絶対圧力で53kPa以上、93kPa未満の範囲であり、更に好ましくは、絶対圧力で55kPa以上、90kPa未満の範囲である。
包装体内の医療用具を取り出しやすくするためには、フィルムに延伸フィルム単体ないし延伸フィルムと未延伸フィルムよりなる多層フィルムを使用するのが好ましい。フィルムを延伸することにより、延伸方向のフィルム引裂き性が向上する。
医療用具を包装するためのフィルムに囲まれた空間を真空あるいは脱気した状態で周縁を封止するために、フィルムにはヒートシール可能な層を積層していることが好ましい。更に、上記のヒートシール可能な層(例えばヒートシール性を有する樹脂フィルム)の上面に、イージーピール性を有するヒートシール材を貼り合わせ、塗布ないしは印刷して、イージーピール性を有するヒートシール材層を形成することもできる。或いは、その代わりに、蓋材を構成する基材フィルムとしての樹脂フィルムの上面に直接イージーピール性を有するヒートシール材を貼り合わせ、塗布ないしは印刷して、イージーピール性を有するヒートシール材層を形成することもできる。
ヒートシール可能な層の例としては、熱溶融しやすい樹脂であれば何れでもよく、例えばポリエチレンが挙げられる。
また、イージーピール性を有するヒートシール材としては、一般的にイージーピール用途に用いられている材料であれば何れでもよく、例えばナイロン、ポリプロピレンなどがあげられる。
具体的には、例えば、蓋材フィルムおよび底材フィルムとしてそれぞれポリエチレンとナイロンの2層からからなるフィルムを用いた場合、その周縁部においてポリエチレン同士が熱溶融によってヒートシールされることになる。
次に、本発明の実施態様について、図面を引用してさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の医療用具の包装体の一例を示す模式図であり、ここでは硬質(軟質の場合もある)の容器からなる医療用フィルターの包装体の一例を示す。図1において、ノズル付き硬質医療用フィルター(a)は、包装用フィルム(b)により真空包装されている。(c)は包装用フィルムを引裂きやすいように開封用の切れ目、あるいはノッチを施している。ノッチの形状としてはV字型もしくはY字型が好ましい。包装用フィルム(b)は蓋材フィルムと底材フィルムの2枚のフィルムからなり、これらは、周縁部でヒートシールされている。(d)は包装体のヒートシールされた部分である。また、開封用の切れ目あるいはノッチの開封方向は、蓋材フィルムである延伸フィルムの延伸方向と同一であることが望ましい。
また、図1は、多数の医療器具を一度に真空包装している模式図であるが、包装体の内部に入れる医療用具は、1個であっても、複数個であっても構わない。複数個の場合は、本発明により個別に包装しなくても内部で移動、接触することなく固定化して配置することができるので特に有効である。また、一回の圧力調整とヒートシールによって複数個の医療用具を包装することができ、製造プロセスが簡易化される。
また、蓋材側に延伸フィルム、開封部分にY字型ノッチを施しているため、医療用具を取り出すときには包装用フィルムを引裂き易い。このような包装体を開封する場合には、内部の医療用具に触れることなく一度に取り出せることが特徴となっている。
図2は、硬質医療用フィルターの一例を示す模式図である。(e)は液体流入ノズル、(f)は濾液流出ノズルである。包装体では、特に、硬質医療用フィルターのノズル部分の突起により包装用フィルムを突き破りやすい。なお、硬質医療用フィルター、液体流入ノズル、濾液流出ノズルの形成材料としては、半硬質もしくは硬質塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体またはその水添物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体またはその水添物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン系樹脂とゴムをブレンドしたもの等が使用されている。
図3は、軟質医療用フィルターの一例を示す模式図である。(g)は液体流入口、(h)は濾液流出口である。形成材料は、可撓性の熱可塑性樹脂が使用され、具体的には、軟質塩化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル−ウレタン共重合体、ポリ塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸メチル共重合体、および上記ポリマーと可塑剤とからなる軟質ポリ塩化ビニル変性体、等)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体またはその水添物、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体またはその水添物の熱可塑性エラストマー、および熱可塑性エラストマーとポリオレフィン、エチレン−エチルアクリレートなどの軟化剤との混合物、ポリウレタン(ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物、等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、等)、ポリアミド等が挙げられる。好ましくは、軟質塩化ビニル系樹脂、スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合体およびこれらを主成分とする熱可塑性エラストマーである。
フィルター要素としては、不織布状、織布状、スポンジ状、等の多孔質体、特に繊維の直径が0.1から20μm程度の不織布が用いられており、繊維の素材としては、合成繊維、再生セルロースのような半合成繊維、綿のような天然繊維、無機繊維などからなるものが使用される。中でも合成繊維、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルなどの繊維が好ましく用いられる。なお、上記フィルター要素は硬質医療用フィルター、軟質医療用フィルターともに共通に用いられる。
フィルター要素は、血液適合性や選択分離性を改善する目的から特定のポリマーをコーティングしてあってもよい。コーティング用コート剤としては、非イオン性親水基を含む一種以上のモノマーと塩基性含窒素官能基を有する一種以上のモノマーを表面グラフト重合させるか、あるいはこれらのモノマーを共重合させるか、もしくは別々に合成しておき、ポリマーをブレンドしたものを用いることができる。
これらの可撓性容器やフィルター要素の固着は、接着剤を用いない融着が好ましい。溶着はヒートシールによる外部加熱溶着、高周波ウェルダ−、超音波ウェルダーによる内部加熱溶着でも良い。また溶着の方法は、上記部材をすべて同時に融着しても、分けて行っても良い。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[硬質医療用フィルターの製造]
硬質医療用フィルターの容器形成部材として、ポリカーボネートを用いた。この容器形成部材を射出成形してノズル付き液体流入側容器と、ノズル付き濾液流出側容器を作製した。このノズル付き液体流入側容器と、ノズル付き濾液流出側容器の間にポリエチレンテレフタレート繊維よりなるシート状フィルター要素を挟みこんだ後、ノズル付き液体流入側容器と、ノズル付き濾液流出側容器を超音波ウェルダーにより溶着して硬質医療用フィルターを得た。硬質医療用フィルターの形状は正方形をしており、一辺の長さは8cmであった。液体流入ノズルから濾液流出ノズルまでの長さは14cmであった。フィルター部分の厚さは1.2cmであり、ノズル部分込みの厚さは1.6cmであった。フィルター1個当たりの重量は52.5gであった。
[包装用フィルムによる医療用具の包装]
この硬質医療用フィルターを、深絞り型全自動真空包装機 (大森機械工業(株)社製、MS2500)を使用して真空包装をした。自動真空包装機による底材フィルムの深絞り条件は、成形温度95℃、成型時間3.0秒で行った。深絞り型の形状は、硬質医療用フィルターの形状に合わせて製作しており、その深さは1.8cmである。また一枚の包装体に硬質医療用フィルターが20個分入れられるように、一つの金型に20箇所分の深絞り型を製作している。自動真空包装機により深絞りをした底材フィルムの深絞り型の窪み部分に、上記超音波ウェルダーで作製した硬質医療用フィルターを20個分投入した。その後、硬質医療用フィルター入り底材フィルムに蓋材フィルムを重ね合わせて真空引きをしながらフィルム周縁をヒートシールした。真空引きをした時の真空時間は、実施例1では0.5秒とした。ヒートシール条件は、ヒートシール温度135℃、ヒートシール時間1.5秒とした。このようにして作製した硬質医療用フィルター入り包装体を、Y字型ノッチ形状の昇降カッターにより両端を裁断した。この包装体の幅は46.5cm、一方のY字型ノッチ部から他方のY字型ノッチ部までの長さは53.5cm、包装体一枚分の重さは1145gであった。
自動真空包装機に使用した包装用フィルムの材質は、延伸ナイロンとポリエチレンの多層フィルムである。使用した包装用フィルムの材質構成、およびフィルム物性を表1に示した。
[ヒートシール部分の接着強度測定方法]
次に、ヒートシール部分の接着強度を測定する方法を述べる。ヒートシール部分の接着強度を測定するために、JIS K 6251 タイプ5のダンベルを使用してヒートシール部分の引張試験を行った。ダンベル打ち抜き部分は、包装体の上辺、下辺、右辺、左辺の各4辺より5枚ずつ、ヒートシール部分を打ち抜いた。またダンベル形状は、蓋材フィルムと底材フィルムのヒートシール面がダンベルの中央部分になるように打ち抜いた。図6にヒートシール部分の打ち抜き位置とダンベル形状の模式図を示した。表2にヒートシール部分の引張強度測定結果を示した。
[包装体の内圧測定方法]
作製した硬質医療用フィルター入り包装体の内圧を測定する方法を述べる。硬質医療用フィルター入り包装体を、ESPEC製 VACUUM OVEN LCV−242の中に入れた。VACUUM OVENの真空バルブを操作して、包装体周囲の気圧を減圧した。VACUUM OVEN内の気圧と包装体の内圧が等しくなった時点から包装体の内部が膨らみ始めた。この包装体が膨らみ始める時点のVACUUM OVEN内の減圧値を、包装体の内圧値とした。この減圧値はゲージ圧であるため、絶対圧力に換算した。今回測定したときのVACUUM OVEN内の温度は23℃±4℃、湿度は50%±20%であった。
[包装体の梱包方法および落下試験方法]
上記作製した硬質医療用フィルター入り包装体の梱包方法について述べる。まずダンボール箱の中にダンボール製パットを敷き、その上に包装体を10枚分重ねた。包装体を10枚分重ねた上にダンボール製パットを敷いて、ダンボール箱の開口部をビニールテープで封止した。このようにして包装体入りダンボール箱を作製した。図4は、ダンボール製パットと包装体を組み合わせた模式図である。図5は、図4のダンボール製パットと包装体の組合せをダンボール箱に入れて開口部をビニールテープで封止した模式図である。ダンボール箱の寸法は、横54.5cm、縦47.0cm、高さ21.5cm、重量は13.2kgであった。
次に落下試験方法を述べる。図5のダンボール箱入り包装体の落下試験高さを100cmにして自由落下を行った。落下順序と落下回数は、JIS Z 0202の直方体の落下順序と落下回数に従った。
[ピンホール検査方法]
落下した後のピンホール検査方法について述べる。ダンボール箱の開口部を封止しているビニールテープを取り、ダンボール箱を開口した。次にダンボール箱内にあるダンボール製パッドを取り除き、包装体を取り出した。包装体のヒートシール部分の一部を、ハサミを使用して切り取った。この切り取り口の大きさは、包装体の内部に入れている硬質医療用フィルターを取り出すことができる最小の大きさとした。硬質医療用フィルターを全て取り出した後に、切り取り口から水を注入してピンホール検査を行った。ピンホール発生場所は、包装体内側より水が洩れ出た場所とした。
[実施例1]
自動真空包装機の真空時間を0.5秒に設定して、医療用フィルター入り包装体を13枚作製した。作製した包装体13枚のうち、3枚分を包装体の内圧測定用とした。この包装体をVACUUM OVENの中に入れて、減圧バルブを操作した。VACUUM OVENの中に入れた包装体が膨らみ始めた時点の減圧値を、包装体の内圧値とした。VACUUM OVENの減圧値はゲージ圧表示であるため、絶対圧力値に表示し直した。更に圧力の単位をmmHg表示からkPa表示に換算した。
包装体10枚分を積層し、この上下にダンボール製パッドを配して、ダンボール箱内に梱包した。この包装体入りダンボール箱の重量を測定したところ、1箱あたり13.2kgであった。
包装体入りダンボール箱の落下試験を行った。落下試験高さを100cmとした。落下順序と落下回数は、JIS Z 0202の直方体の落下順序と落下回数に従い、自由落下を行った。
落下試験後のダンボール箱を開梱して、包装体を取り出した。ダンボール箱の中に入っている包装体を、上から1枚、2枚、3枚として、10枚分全てを取り出した。このときに包装体の内部に収納しているフィルターのずれを確認した。本実施例ではフィルターのずれは見られなかった。
落下試験後の包装体より硬質医療用フィルターを取り出した。硬質医療用フィルターを取り出した後の包装体に発生したピンホールの検査を行った。実施例では、落下試験後の包装体にピンホールがないことを確認した。次に、包装体の内部に入れていた硬質医療用フィ
ルターの外観検査、リーク検査を行ったところ、外観不良、リーク発生は見られなかった。
[実施例2から実施例6]
自動真空包装機の真空時間を、実施例2では0.8秒、実施例3では1.0秒、実施例4では1.2秒、実施例5では2.0秒、実施例6では3.0秒とした以外は、実施例1と全く同様に操作して評価を行った。結果を表3に示した。

その結果、実施例2から実施例6のいずれも、落下試験後の包装体にピンホールが発生していないことを確認した。次に包装体の内部に入れていた硬質医療用フィルターの外観検査、リーク検査を行ったところ、外観不良、リーク発生は見られなかった。
[比較例1]
自動真空包装機の真空時間を、比較例1では0.3秒とした以外は、実施例1と全く同様に操作をした。自動真空包装機で包装体を作製した後、運搬トレーに入れようとして包装体を持ち上げた。この時に包装体の内部の医療用フィルターが深絞り成形部位からずれ落ちて、包装体の底部に集まった。自動真空包装機の真空時間が0.3秒では、包装体の内部の医療用フィルターを固定できる圧力にならなかった。真空時間が0.3秒の包装体の内圧を、VACUUM OVENで測定した。その後の落下試験は中止した。結果を表4に示した。
[比較例2]
自動真空包装機の真空時間を、比較例2では4.0秒とした以外は、実施例1と全く同様に操作して評価を行った。その結果、落下試験後の包装体にピンホールが発生した。包装体に発生したピンホール枚数は、ダンボール箱に梱包した包装体の上から3枚目と7枚目の、いずれも底材フィルムであった。3枚目のピンホール位置は硬質医療用フィルター表面の突起部より、7枚目のピンホール位置は硬質医療用フィルターの液体流入ノズル部より発生していた。次に包装体の内部に入れていた医療用フィルターの外観検査、リーク検査を行ったところ、外観不良、リーク発生は見られなかった。結果を表4に示した。
[比較例3]
自動真空包装機の真空時間を、比較例2では5.0秒とした以外は、実施例1と全く同様に操作して評価を行った。その結果、落下試験後の包装体にピンホールが発生した。包装体に発生したピンホール枚数は、ダンボール箱に梱包した包装体の上から3枚目と4枚目の、いずれも底材フィルムであった。3枚目と4枚目のピンホール位置は、医療用フィルターの液体流入ノズル部より発生していた。次に包装体の内部に入れていた医療用フィルターの外観検査、リーク検査を行ったところ、外観不良、リーク発生は見られなかった。結果を表4に示した。また、図7に、表3と表4の結果のうち、ピンホール発生枚数と包装体の内圧との関係をグラフに示した。これより、包装体の内圧が絶対圧力で50kPa以上、95kPa未満の範囲であれば、ピンホール発生が見られないことがわかる。
本発明は医療用具を衛生的に運搬するために有用であり、医療用具の包装体の、運搬時や取り扱い時における振動や落下によるピンホール発生の予防に対して効果がある。
本発明の医療用具(医療用フィルター)の包装体を示す模式図である。 硬質医療用フィルターを示す模式図である。 軟質医療用フィルターを示す模式図である。 ダンボール箱に梱包したダンボール製パットと包装体を示す模式図である。 図4の内容物をダンボール箱に梱包した状態を示す模式図である。 ヒートシール部分の打ち抜き位置とダンベル形状を示す模式図である。 落下試験結果(包装体の内圧に対する包装体のピンホール数)を示すグラフである。
符号の説明
a 医療用フィルター
b 包装用フィルム
c Y字型ノッチ
d ヒートシール部
e 液体流入ノズル
f 濾液流出ノズル
g 液体流入口
h 濾液流出口(フィルターの裏側に配置)
i ダンボール製パット
j 医療用フィルター入り真空包装体
k ダンボール箱の開口部をビニールテープにより封止
l ダンベル打ち抜き箇所の蓋材フィルム部分
m ダンベル打ち抜き箇所のヒートシール部分
n ダンベル打ち抜き箇所の底材フィルム部分

Claims (11)

  1. 医療用具が包装用フィルムにより包装された医療用具の包装体であって、包装体の内圧が絶対圧力で50kPa以上、95kPa未満の範囲であることを特徴とする医療用具の包装体。
  2. 医療用具が包装用フィルムの内部に固定されている包装体であって、該固定が、包装用フィルムに設けられた深絞り型と包装体の内圧を大気圧より低い圧力とすることにより行われている医療用具の包装体。
  3. 包装体の内圧が、絶対圧力で50kPa以上、95kPa未満の範囲である請求項2に記載の医療用具の包装体。
  4. 医療用具が包装用フィルムの内部に複数個離間した状態で固定されている請求項1〜3のいずれかに記載の医療用具の包装体。
  5. 包装用フィルムが、蓋材フィルムと底材フィルムとからなり、蓋材が延伸フィルムよりなる請求項1〜4のいずれかに記載の包装体。
  6. 包装用フィルムの周縁に、延伸フィルムの延伸方向と同一の方向に開封するように開封用の切れ目あるいはノッチを有している請求項5に記載の包装体。
  7. 医療用具が、硬質医療用フィルターである請求項1〜6のいずれかに記載の包装体。
  8. 医療用具が、軟質医療用フィルターである請求項1〜6のいずれかに記載の包装体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の包装体が垂直方向に複数枚積層されて、箱体の中に配置されている医療用具包装体の梱包体。
  10. フィルムに設けられた深絞り型の窪み部分に医療用フィルターを配し、その後別のフィルムを重ね合わせて真空引きを行い、両フィルムに囲まれた包装体の内圧を大気圧より低くした状態で両フィルムの周縁部をヒートシールすることを特徴とする医療用具包装体の製造方法。
  11. 前記両フィルムに囲まれた包装体の内圧が、絶対圧力で50kPa以上、95kPa未満の範囲である請求項10に記載の製造方法。

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