JP2005336118A - 水素化フラーレンの製造方法、及び、製造装置 - Google Patents

水素化フラーレンの製造方法、及び、製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水素化フラーレンの製造方法として、有機溶媒にフラーレンを溶解し、高圧の水素雰囲気中で金属触媒とともに加熱処理し、水素とフラーレンを反応させる方法がある。この方法では、高温高圧の水素と、引火性、人体に対する有害性のある有機溶媒を大量に使用する。また、高価な貴金属の触媒を使用することから、安全性と製造コストの点で問題があった。
【解決手段】真空室中で発生させたプラズマ中の水素ラジカル、または、水素イオンと、フラーレン分子、または、フラーレンイオンとを反応させて、水素化フラーレンを生成することにした。水素化フラーレンの製造に、大量の有機溶媒、高温高圧の水素ガス、高価な金属触媒を必要としないので、水素化フラーレンの製造における安全性向上と製造コストの低減に効果がある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水素貯蔵材料、潤滑剤材料などに用いられる水素化フラーレンを製造する方法、及び、製造装置に関する。
特開2000-272912号公報 特開平5-229966号公報 特開2003-012572号公報
(水素貯蔵材料)
資源枯渇や大気汚染などの問題を抱える石油エネルギーに代わるクリーンなエネルギー源として、太陽電池や風力発電などの代替エネルギーの利用が進められている。しかし、これらの発電方式だけでは電気エネルギーを直接保存することができない。そのため、発電した電気で水を電気分解し水素を発生させ、発生した水素を水素貯蔵材料の中に取り込んで貯蔵し、電気エネルギーが必要な時には、燃料電池を用い水素を燃料として発電を行うという方式が、次世代のエネルギー供給方式として期待され、電気自動車、家庭用発電装置、携帯機器向け小型燃料電池などの応用分野で研究開発が進められている。
効率的に水素を貯蔵、輸送できる方法のひとつとして、水素化フラーレンを水素貯蔵材料として用いる方法が特許文献1に開示されている。水素化フラーレンは、他の水素貯蔵材料、例えば、LaNi5H6と比較して、軽いので輸送に適しており、水素貯蔵効率も重量比にしてLaNi5H6の1.4wt.%に対し、水素化フラーレンC60H36が4.8wt.%と高い値が得られる。
水素化フラーレンからの水素の単離方法は、活性アルミナを担体に用いたニッケル触媒の存在のもとに、水素化フラーレンに対し、不活性ガス雰囲気で150℃の加熱攪拌処理を行うことにより、容易に、水素ガスとフラーレンを分離、回収することができる。
(潤滑剤材料)
水素化フラーレンを含むフラーレン類は、分子構造が球状であることから、固体潤滑剤、潤滑油添加剤などの潤滑剤材料としての利用が可能である。しかし、C60、C70などのフラーレンは、ベンゼン、トルエンなどの特定の芳香族炭化水素溶媒にわずかに溶けるだけであり、潤滑油やグリース等に対する溶解性が著しく低い。そのため、固体潤滑剤としての利用は十分期待できるが、潤滑油添加剤としての利用は困難である。
一方、フラーレンを水素により化学修飾し水素化フラーレンとすることにより、フラーレンの優れた潤滑性を保持したまま、より多くの溶媒に対する溶解性、及び、親和性を改善できることが知られている。特許文献2によれば、C60H18及びC60H36、あるいは、これらを主成分とするC60Hn(n=18〜36)が混合した水素化フラーレンは、フラーレンC60と比較し、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒に対する溶解性が向上するとともに、他の炭化水素系溶媒(ヘキサンなどのアルカン系溶媒、シクロヘキサンなどのシクロアルカン系溶媒など)や他の有機溶媒(塩化メチレン、クロロホルムなど)への溶解性も高く、溶解性、分散性に優れた潤滑油添加剤としての利用が可能になる。
(従来の水素化フラーレンの製造方法)
水素化フラーレンを製造する方法として、トルエンに溶解したフラーレンを金属触媒の存在下、高圧水素雰囲気中で加熱する技術が特許文献3により開示されている。
図7は、従来の水素化フラーレンの製造装置の断面図である。50mgのC60を200mlのトルエンに溶解した溶液43を触媒44とともにステンレス容器42に入れる。触媒44は、ルテニウム、パラジウム、イリジウム、白金、または、コバルトからなる金属塩水溶液に含浸した活性アルミナに対し、水分を蒸発させた後、500℃の焼成、水素還元を行って作製した。ステンレス容器42をオートクレーブ(高圧反応装置)に設置し、オートクレーブ内を水素で置換した後に、水素圧を50kgf/cm2に設定し、加熱手段45により反応室温度を150℃に昇温し、溶液を一定速度で回転させながら、3〜6時間反応を行い水素化フラーレンの生成を行った。その結果、50mgのフラーレンから48mg〜50mgの水素化フラーレンが得られた。
(高圧水素ガスの安全性)
水素ガスは、酸素濃度が4〜75%になると発火点以上の温度で爆発燃焼することが知られている。従来の水素化フラーレンの製造方法では、オートクレーブの反応室内を水素ガスで置換し、反応室を高温、高圧にして水素化反応を行っている。また、水素化反応により、水素ガス中のすべての水素原子がフラーレンに付加されるわけではなく、反応後、大量のトルエン蒸気が混入した水素ガスを排気する必要がある。従って、従来の水素化フラーレンの製造方法により、安全に水素化フラーレンを製造するには、水素置換前の反応室内の酸素の除去、反応室と給排気配管におけるリーク箇所の点検、水素化反応後の排気ガスの処理に十分注意する必要があり、従来の製造方法は、安全性の点で、水素化フラーレンの量産方法として好ましくない。
(有機溶媒の安全性)
フラーレンを溶解できる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、二硫化炭素などの有機溶媒が知られている。これらの溶媒の中で、ベンゼンは、大気汚染防止法により使用が規制されている物質であり、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、二硫化炭素に関しても、引火性、人体に対する有害性の点から大量に使用するのは好ましくない。従って、使用する溶媒を考慮しても、従来の製造方法は、水素化フラーレンの量産方法として好ましくない。
(金属触媒のコスト)
従来の製造方法においては、トルエンに溶解したフラーレンと水素ガスの反応を促進するための触媒として、貴金属であるルテニウム、パラジウム、イリジウム、白金、または、コバルトを使用している。白金は金よりも生産量が少なく高価な金属材料であり、パラジウムは金と同程度、ルテニウム、イリジウム、コバルトは金よりも安いが金に準ずる高価な金属材料である。従って、これらの貴金属を触媒材料として使用する従来の製造方法は、水素化フラーレンの量産方法として、製造コストの点から考えても好ましくない。
(水素化フラーレンの製造効率)
従来の製造方法による水素化フラーレンの収率は、特許文献3によれば、原料となるフラーレンに対し、95%〜100%と非常に効率よく製造できるという記載があるが、フラーレンのトルエン溶媒に対する溶解度は必ずしも高いとは言えない。従って、従来の製造方法により水素化フラーレンを大量に効率よく製造するのは困難であった。
少なくとも水素ラジカル、または、水素イオンを含むプラズマ流を、高周波誘導方式、接触電離方式などのプラズマ生成方式により生成し、生成したプラズマ流中にフラーレンを昇華させた蒸気を導入し、フラーレン分子、または、フラーレンイオンと水素ラジカル、または、水素イオンを反応させて、水素化フラーレンを生成することにした。生成した水素化フラーレンは、例えば、プラズマ流の下流に配置した堆積基板上に堆積して、水素化フラーレンを含む薄膜を形成し、形成した薄膜から水素化フラーレンを分離精製することにした。
1.水素化フラーレンの製造工程において、爆発燃焼のおそれがある水素ガスを高温高圧下で大量に使用する必要がないので、製造工程の安全性が向上できる。
2.水素化フラーレンの製造工程において、トルエンなどの人体に対する有害性、環境汚染の危険性が高い有機溶媒を使用する必要がない。
3.高価な貴金属触媒を使用する必要がないので、水素化フラーレンの製造コストを低減できる。
4.本発明の水素化フラーレンの製造装置は、後述するように、水素内包フラーレン、あるいは、アルカリ金属内包フラーレンの製造装置と類似した構造を持ち、製造条件の制御により、水素化フラーレンのみの生成、内包フラーレンのみの生成、あるいは、水素化フラーレンと内包フラーレンの同時生成を選択して行うことが可能である。水素化フラーレンと内包フラーレンの同時生成を行った場合においても、HPLCなどの方法で水素化フラーレンのみの分離精製が可能である。
5.水素内包フラーレンは、水素化フラーレンと同様に、加熱により水素ガスを放出し、水素貯蔵材料として用いることが可能である。従って、水素内包フラーレンと水素化フラーレンを同時に生成した場合には、分離精製を行わずに、生成物を水素貯蔵材料として使用することが可能である。
6.原料となるフラーレンを昇華によりプラズマ中に導入するので、フラーレンをトルエンなどの溶媒に溶解する必要がなく、フラーレンを効率よく水素化フラーレンの生成反応に使用することができる。
(本発明の水素化フラーレンの製造装置の第一実施例)
図1は、本発明の水素化フラーレンの製造装置の第一実施例に係る断面図である。本発明の第一実施例は、真空室中で水素プラズマを発生させ、プラズマ中にフラーレンを導入し、水素プラズマ中の水素ラジカル、または、水素イオンとフラーレンの反応により水素化フラーレンを生成し、堆積基板上に水素化フラーレンを含む生成物からなる薄膜を堆積させる装置である。真空ポンプ8により背景真空度を10-5〜10-4Paに排気した真空室1中に水素ガス導入管4から水素ガスを導入し、例えば、円筒状の真空室周囲に配置した高周波誘導コイル5に交流電流を流すことにより、前記水素ガスを構成する粒子を励起し、
1/2*H2 + 約1eV -> H* --- 式1
1/2*H2 + 13.6eV -> H+ + e- --- 式2
の反応により、水素ラジカル、水素イオン、電子からなるプラズマを発生させる。生成したプラズマは、円筒状の真空室の周りに配置された磁場コイル3により形成された均一磁場(B=2〜7kG)に沿って真空室1内の軸方向に閉じ込められ、プラズマ発生部から前記軸方向に沿って流れるプラズマ流2となる。
プラズマ流の途中に配置したフラーレン昇華用オーブン6には、C60などのフラーレンを充填し加熱することにより、プラズマ流2中にフラーレン蒸気を導入する。フラーレン蒸気をプラズマ流2中に導入する導入管の先端には、プラズマ流を囲むように再昇華用円筒と呼ばれる金属性の部材が配置されている。昇華用オーブン6で昇華させたフラーレン蒸気を、再昇華用円筒7において再加熱することにより、フラーレンを効率よくプラズマ中に導入することができる。
昇華用オーブン6の温度To、及び、再昇華用円筒7の温度Tcは、それぞれ、To=350〜700℃、Tc=400〜700℃とする。プラズマ中に導入されたフラーレン蒸気の一部はプラズマ中の電子と衝突し、電子親和力の大きいフラーレンに電子が付着して、負のフラーレンイオンが生成する。
プラズマ流2を構成する反応性の高い水素ラジカルはフラーレンと反応し、
C60 + nH* -> C60Hn --- 式3
の反応により水素化フラーレンを生成する。フラーレンに付加する水素の数や位置の異なる複数の異性体が混合した水素化フラーレンが生成されるが、比較的安定なC60H18、C60H36が主に生成される。生成した水素化フラーレンは、未反応のフラーレンとともに堆積基板9上に堆積し、薄膜10を形成する。薄膜10を堆積基板9から剥離回収して、水素化フラーレンを、例えば、HPLCにより分離精製する。
HPLCを行う前に、水素化フラーレンを以下の方法により濃縮することが可能である。薄膜10を堆積基板9から剥離し、粉状にした生成物を、シクロアルカン類(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど)からなる溶媒に溶解する。水素化フラーレンはシクロアルカン類に対する溶解度が高いが、C60などのフラーレンは溶解しにくいので、溶媒に溶解しない残渣物を除去することにより、水素化フラーレンを濃縮することができる。水素化フラーレンを濃縮してからHPLCを行うことにより、精製効率を向上することができる。
水素プラズマにフラーレン蒸気を噴射してフラーレンイオンを生成し、水素ラジカルとフラーレンを反応させる方法だけでなく、堆積基板上にフラーレンイオン、または、フラーレン分子を噴射し、同時、または、交互に堆積基板上に水素プラズマを噴射する方法によっても、水素化フラーレンを生成することが可能である。
堆積基板上にフラーレン(フラーレンイオンまたはフラーレン分子)を噴射する方法を用いる場合は、フラーレンを噴射する導入口と堆積基板との距離は、堆積基板上にフラーレンが効率よく噴射される位置に設定するのが好ましい。堆積基板上に均一に噴射するためには、導入口と堆積基板の距離は1cm以上とするのが好ましく、噴射されたフラーレンが途中で拡散せずに堆積基板上に効率よく到達するためには導入口と堆積基板の距離は10cm以下とするのが好ましい。
また、予め、フラーレンからなる薄膜を堆積基板上に形成して、該フラーレン薄膜上に水素プラズマを照射する方法によっても、水素化フラーレンを生成することが可能である。
(フラーレン類の分子構造)
図2に、フラーレン類の例として、フラーレン、内包フラーレン、水素化フラーレンの分子構造を示す。
フラーレンは、炭素原子が籠状に結合した中空の分子構造を持ち、本発明の水素化フラーレンの製造方法において原料として使用する物質である。図1に空のフラーレンとして示すC60以外にも、C70、C76、C78、C82、C84などの高次フラーレンの存在が報告されている。代表的なフラーレンの製造方法である燃焼法やアーク放電法を用いれば、C60とC70が他の高次フラーレンと比較し、より多量に生成される。水素化フラーレンの原料として、C60、C70、あるいはC60とC70の混合フラーレンを用いるのが製造コスト低減の点で好ましい。
フラーレンの籠状分子の中にアルカリ金属やガス原子などの原子を内包させた内包フラーレンが知られている。内包フラーレンの例として、図2において、Na@ C60、H2@ C60の分子構造を示す。
Na@ C60などのアルカリ金属内包フラーレンは、内包原子の選択によりフラーレンの電子状態を制御できることから、導電性高分子材料の電気特性制御用ドーパント材料や超伝導材料への応用が期待されている。
水素内包フラーレンは、上記したように、水素貯蔵材料としての応用が期待されている。内包される水素の数は、図2に示す2個に限らず、1個、あるいは、3個以上の水素が内包される可能性もある。
水素化フラーレンの分子構造としては、付加する水素の数や位置により複数の異性体の存在が予測されている。図2に代表的な水素化フラーレンであるC60H36(T対称)、C60H36(D3d'対称)の分子構造を示す。
(製造装置内壁の表面処理)
本発明の水素化フラーレンの製造方法では、真空室中のプラズマにおける水素ラジカルまたは水素イオンとフラーレンとの反応により水素化フラーレンを生成している。真空室の内壁に水分が付着、あるいは、吸着していると、プラズマ中で気化した水蒸気とフラーレンの反応により、フラーレンが水酸基(-OH基)により化学修飾される。その結果、堆積基板上に堆積した薄膜を構成する物質は、水素のみ、水酸基のみ、または、水素と水酸基により化学修飾されたフラーレンが含まれることになる。
例えば、水素化フラーレンを水素貯蔵材料として用いる場合に、水酸基が付加したフラーレンが混じっていると、加熱して水素ガスを分離する工程で、水素と水酸基が反応して不要な水蒸気が生成する、あるいは、水素ガスの生成量が減少するという問題がある。
水素化フラーレンの分離精製工程において、水素のみ、水酸基のみ、または、水素と水酸基により化学修飾されたフラーレンを正確に分離することは、付加した基の数によっては互いに近接した質量数になることから、極めて困難である。従って、プラズマ中における水酸基の生成はできるだけ抑制することが好ましい。
水酸基の生成を抑制するためには、真空室の内壁は、水分を吸着しにくい表面処理を行うことが好ましい。例えば、ステンレスからなる真空室内壁に、酸化クロム不動態膜、あるいは、フッ化不動態膜を形成しておくことが好ましい。上記不動態膜の表面には水分が付着しにくく、付着したとしても容易に脱離させることができる。例えば、100℃に加熱しつつ高純度(不純物濃度が10ppb以下、より好ましくは1ppb以下)の不活性ガス(例えばArガス)で内部をパージすれば、付着している水分を容易に脱離させることができる。
(水素化フラーレンの原料)
水素化フラーレンの原料となるフラーレンとしては、水分などの不純物の含有量が少ない高純度品を使用するのが好ましい。例えば、東京化成工業(株)から、標準品(純度>99.0%)と高純度品(純度>99.9%)が販売されている。高純度品のフラーレンは、不純物の蒸発による真空度の劣化を防ぐことができる。また、水素化フラーレン生成前の真空引きの時間を短縮できるので、製造時間の短縮にも効果がある。
フラーレンをプラズマ中に昇華させる前に、真空室中で一定時間加熱し、不純物を除去する(脱ガスを行う)ことが好ましい。例えば、脱ガス用の真空室に粉状のフラーレンを入れた容器を設置し、300℃、3〜4時間の加熱処理を行う。フラーレンは、真空室中で350℃以下の温度では昇華しにくいので、350℃以下の温度で加熱処理を行うことにより、水分を含め、昇華温度の低い不純物を除去することが可能である。
専用の脱ガス用真空室を設けなくても、水素化フラーレン製造装置の真空室を利用して、フラーレンの脱ガスを行うことも可能である。水素プラズマを発生する前に、フラーレン昇華用オーブンを200℃以上、350℃以下の温度で加熱することにより、水分を含めた不純物を除去することができる。
(製造条件の制御)
図3(a)は、図1に示す本発明の第一実施例に係る製造装置により水素化フラーレンを生成する場合の、水素プラズマ中のプラズマ密度の高周波電力依存性を示すグラフである。高周波誘導プラズマの生成条件は、水素ガス圧力30Torr、誘導周波数13.56MHzで、高周波電力を100Wから1000Wまで変化させて、水素ラジカル密度と水素イオン密度の変化をプロットした。
図3(a)のグラフに示すように、100Wから500Wまでの比較的小さい高周波電力では、水素ラジカルが主に発生している。500W以上の高周波電力では、水素イオンの密度が高くなり、同時に電子密度も高くなっている。
水素化フラーレンの生成反応式(式3)に示すように、水素化フラーレンの生成には、水素イオンやフラーレンイオンは必ずしも必要ではない。従って、水素プラズマを生成する高周波電力を100Wから500Wまでの範囲に設定しても、水素化フラーレンの生成効率が低下することはない。高周波電力を100Wから500Wの範囲に設定して、水素化フラーレンの製造に用いる電力を低減することが可能であり、製造コスト低減に効果がある。
(水素内包フラーレンの生成反応)
例えば、高周波電力を高く設定するなどの方法で、水素プラズマ中の水素イオン量が増え、かつ、水素イオンとフラーレンイオンの運動エネルギーが高くなる製造条件では、水素の正イオンとフラーレンの負イオン間のクーロン力、及び、運動エネルギーによる強い相互作用により、フラーレンイオンの中に水素イオンが入り込む内包化反応が起こり、堆積基板上に水素内包フラーレンが生成される。堆積基板に対し正のバイアス電圧を印加すると堆積基板近傍で速度の速い水素イオンが減速され、速度の遅いフラーレンイオンが加速されて、水素イオンとフラーレンイオンの相互作用が大きくなり、水素内包フラーレンの生成効率を向上することも可能である。
上記したように、水素内包フラーレンも水素貯蔵材料として使用可能であるため、同時に生成した水素内包フラーレンと水素化フラーレンが混合した生成物を水素貯蔵材料として利用することが可能である。
また、水素内包フラーレンと水素化フラーレンを分離精製して、例えば、水素内包フラーレンを水素貯蔵材料に使用し、水素化フラーレンを潤滑剤材料として使用することも可能である。
(本発明の水素化フラーレンの製造装置の第二実施例)
図4は、本発明の水素化フラーレンの製造装置の第二実施例に係る断面図である。本発明の第二実施例は、真空室中で電子、アルカリ金属イオン、水素ラジカル、水素イオン、フラーレン分子、及び、フラーレンイオンからなるプラズマを生成し、アルカリ金属イオンを触媒として、水素ラジカル、または、水素イオンとフラーレンの反応を促進して、堆積基板上に水素化フラーレンを含む生成物からなる薄膜を堆積させる装置である。
真空室21は、真空ポンプ31により背景真空度10-5〜10-4Paに排気する。アルカリ金属プラズマ形成手段は、加熱フィラメント26、ホットプレート27、内包原子蒸発用オーブン24、内包原子ガス導入管25とから構成されている。蒸発用オーブン24で発生させたアルカリ金属蒸気を内包原子ガス導入管25からホットプレート27上に噴射すると、高温のホットプレートから放出された熱電子がアルカリ金属原子に電離エネルギーを与えるので、アルカリ金属イオンと電子とからなるプラズマが生成する。生成したプラズマは電磁コイル23により形成された均一磁場(B=2〜7kG)に沿ってメインチャンバー21内の軸方向に閉じ込められ、ホットプレート27から堆積基板32に向かって流れるプラズマ流22となる。
プラズマ流の途中で、導入管28から水素ガスを導入する。さらに、プラズマ流22の下流に配置したフラーレン導入部から、プラズマ流にフラーレン蒸気を導入する。フラーレン導入部は、フラーレン昇華用オーブン29と再昇華用円筒30とから構成され、フラーレン昇華用オーブン29に、C60などのフラーレンを充填し加熱することにより、プラズマ流22中にフラーレン蒸気を導入する。フラーレン蒸気をプラズマ流22中に導入する導入管の先端には、プラズマ流を囲むように再昇華用円筒と呼ばれる金属性の部材が配置されている。昇華用オーブン29で昇華させたフラーレン蒸気を、再昇華用円筒30において再加熱することにより、フラーレンを効率よくプラズマ中に導入することができる。
昇華用オーブン29の温度To、及び、再昇華用円筒30の温度Tcは、それぞれ、To=350〜700℃、Tc=400〜700℃とする。プラズマ中に導入されたフラーレン蒸気の一部はプラズマ中の電子と衝突し、電子親和力の大きいフラーレンに電子が付着して、負のフラーレンイオンが生成する。水素ガス導入管の位置は、図4に示すように、アルカリ金属プラズマ発生部とフラーレン導入部との間に配置してもよいし、フラーレン導入部と堆積基板との間に配置してもよい。
図4において、堆積基板32近傍のプラズマ流22において、プラズマ流を構成する粒子は、電子、水素ラジカル、水素の正イオン、アルカリ金属の正イオン、フラーレン分子、フラーレンの負イオンとなる。
プラズマ流22を構成する反応性の高い水素ラジカルはフラーレンと反応し、
C60 + nH* -> C60Hn --- 式4
の反応により水素化フラーレンを生成する。
また、水素イオンもアルカリ金属イオンを触媒として、
C60 n- + nH+ -> C60Hn --- 式5
の反応により水素化フラーレンを生成する。
フラーレンに付加する水素の数や位置の異なる複数の異性体が混合した水素化フラーレンが生成されるが、比較的安定なC60H18、C60H36が主に生成される。生成した水素化フラーレンは、未反応のフラーレンとともに堆積基板32上に堆積し、薄膜33を形成する。薄膜33を堆積基板32から剥離回収して、水素化フラーレンを、例えば、HPLCにより分離精製する。
HPLCを行う前に、水素化フラーレンを濃縮することにより、精製効率を向上することができるのは上記した通りである。
プラズマにフラーレン蒸気を噴射してフラーレンイオンを生成し、水素化フラーレンを生成する方法だけでなく、堆積基板上にフラーレンイオン、または、フラーレン蒸気を噴射し、同時、または、交互に堆積基板上にプラズマを噴射する方法によっても、水素化フラーレンを生成することが可能である。
また、予め、フラーレンからなる薄膜を堆積基板上に形成して、該フラーレン薄膜上にプラズマを照射する方法によっても、水素化フラーレンを生成することが可能である。
(アルカリ金属内包フラーレンの生成反応)
プラズマ温度が十分高い条件では、アルカリ金属の正イオンとフラーレンの負イオン間のクーロン力、及び、運動エネルギーによる強い相互作用により、フラーレンイオンの中にアルカリ金属イオンが入り込む内包化反応が起こり、堆積基板上にアルカリ金属内包フラーレンが生成される。堆積基板に対し正のバイアス電圧を印加することにより堆積基板近傍で速度の速いアルカリ金属イオンが減速され、速度の遅いフラーレンイオンが加速されて、アルカリ金属イオンとフラーレンイオンの相互作用が大きくなり、アルカリ金属内包フラーレンの生成効率を向上することも可能である。
製造条件の制御により、アルカリ金属内包フラーレンのみの生成、または、アルカリ金属内包フラーレンと水素化フラーレンの同時生成を行うことが可能である。図3(b)は、アルカリ金属イオン密度、及び、フラーレンイオン密度の比を変化させた場合の、内包フラーレンと水素化フラーレンの収率の変化を測定したグラフである。アルカリ金属はLiを用い、フラーレンはC60を用いた。内包フラーレンの生成量は、アルカリ金属イオンとフラーレンイオンの密度比に対し、いずれかのイオン量が少なくなると減少する傾向はあるが大きく変化しないのに対し、水素化フラーレンの生成量は、大きな変化を示す。フラーレンイオンに対するアルカリ金属イオン密度が少ない条件(Li/C60 ≦ 2)では、水素化フラーレンの生成量は極めて少ないが、アルカリ金属イオンが増えると(Li/C60 ≧ 4)、水素化フラーレンが大量に生成される。このことから、アルカリ金属イオンが触媒となって、水素とフラーレンの反応を促進していることが考えられる。
本発明の第二実施例による製造装置を用いて水素化フラーレンを効率的に製造するには、アルカリ金属イオン密度をフラーレンイオン密度に対し、イオン密度比にして4以上に設定することが好ましい。
アルカリ金属イオン密度の制御は、例えば、アルカリ金属イオンのみのプラズマを生成して堆積基板に流れる電流を測り、アルカリ金属プラズマ発生部のプロセスパラメータ(昇華温度など)との相関データをとって、プロセスパラメータを制御することにより実施することが可能である。
フラーレンイオン密度の制御は、堆積基板に堆積するフラーレンの膜厚を測定し、フラーレン導入部のプロセスパラメータ(昇華温度など)との相関データをとって、プロセスパラメータを制御することにより実施することが可能である。
(アルカリ金属を触媒とする水素付加反応機構)
図5は、アルカリ金属イオンがフラーレンに対する水素の付加反応にどのように作用するのかを説明するための図である。
Naなどのアルカリ金属からなるプラズマ中で、NaがNaイオンと電子に電離している(図5(a))。フラーレン分子を構成する炭素原子が結合した籠状構造には、複数の二重結合がある。水素化フラーレンは、フラーレンの二重結合におけるπ結合が切断されて、結合手の余った炭素原子に水素原子が付加したものである。(図5(b)、(g))。アルカリ金属イオン密度が高くなると、フラーレンの二重結合の近傍にNaイオンと電子が存在する確率が高くなる(図5(c))。Naイオンが近接した炭素原子の方に、二重結合を構成するπ電子がNaイオンとのクーロン相互作用により局在し、アニオンになる。π電子が離れた炭素原子の方に、プラズマ中の電子が引きつけられ別のアニオンになり、さらに、該アニオンに、プラズマ中の他のNaイオンが引き付けられる(図5(d))。フラーレンの二重結合の両端の炭素原子に引き付けられた2個のNaイオンは、クーロン相互作用により反発する(図5(e))。その結果、C-C間の距離が離れ、C-C間にπ結合が再形成される確率が小さくなる(図5(f))。プラズマ中には水素イオンが存在しているため、最終的に、Naイオンによりフラーレン上に形成されたアニオンは水素イオンと結合して、水素化フラーレンが形成される(図5(g))。
(マススペクトル測定データ)
図6は、本発明の第二実施例による製造装置を使用し、堆積基板上に堆積した生成物の質量分析データである。
図6(a)は、アルカリ金属としてLiを用い、フラーレンとしてC60を用いた場合の質量分析データである。水素化フラーレンの製造条件は、真空室圧力2.4×10-4Pa、磁場強度0.1T、フラーレン昇華用オーブン温度620℃、再昇華用円筒温度630℃、堆積時間150分である。
図6(a)に示すマススペクトルでは、質量数727のLi内包フラーレンのピークの他に、C60H36による質量数756のピークを中心とする水素化フラーレンの異性体のピーク分布が観測される。
図6(b)は、アルカリ金属としてNaを用い、フラーレンとしてC60を用いた場合の質量分析データである。水素化フラーレンの製造条件は、真空室圧力2.1×10-4Pa、磁場強度0.2T、フラーレン昇華用オーブン温度620℃、再昇華用円筒温度630℃、堆積時間60分である。
図6(b)に示すマススペクトルでは、質量数743のNa内包フラーレンのピークの他に、C60H32による質量数752のピークを中心とする水素化フラーレンの異性体のピーク分布が観測される。また、未反応のフラーレンによる質量数720のピークも観測される。
本発明の水素化フラーレンの製造装置の第一実施例の断面図である。 空のフラーレン、内包フラーレン、及び、水素化フラーレンの分子構造を示す図である。 (a)は、水素プラズマ中のプラズマ密度のグラフである。(b)は、内包フラーレン、及び、水素化フラーレンの収率のグラフである。 本発明の水素化フラーレンの製造装置の第二実施例の断面図である。 アルカリ金属を触媒とする水素付加反応機構を説明するための図である。 本発明の水素化フラーレンの製造方法で製造した生成物のマススペクトル測定データである。 従来の水素化フラーレンの製造装置の断面図である。
符号の説明
1、21 真空室
2、22 プラズマ流
3、23 磁場コイル
4、28 水素ガス導入管
5 高周波誘導コイル
6、29 フラーレン昇華用オーブン
7、30 再昇華用円筒
8、31 真空ポンプ
9、32 堆積基板
10、33 堆積膜
24 アルカリ金属蒸発用オーブン
25 アルカリ金属ガス導入管
26 加熱フィラメント
27 ホットプレート
41 高圧反応装置
42 ステンレス容器
43 C60を溶解したトルエン溶液
44 金属触媒
45 加熱フィラメント
46 水素ガス導入管
47 排気管

Claims (25)

  1. 真空室中で発生させたプラズマを構成する水素ラジカルまたは水素イオンと、前記プラズマ中に導入したフラーレン分子またはフラーレンイオンとの反応により水素化フラーレンを生成することを特徴とする水素化フラーレンの製造方法。
  2. 前記プラズマと接触する堆積基板上に前記水素化フラーレンを堆積することを特徴とする請求項1記載の水素化フラーレンの製造方法。
  3. 真空室中で発生させた水素ラジカルまたは水素イオンを含むプラズマと、フラーレン分子を含む蒸気を、同時に、または、交互に堆積基板上に照射し、前記水素ラジカルまたは前記水素イオンと前記フラーレン分子との反応により水素化フラーレンを生成することを特徴とする水素化フラーレンの製造方法。
  4. 真空室中で発生させたプラズマを構成する水素ラジカルまたは水素イオンと、前記プラズマを構成するフラーレンイオンを、同時に、または、交互に堆積基板上に照射し、前記水素ラジカルまたは前記水素イオンと前記フラーレンイオンとの反応により水素化フラーレンを生成することを特徴とする水素化フラーレンの製造方法。
  5. 電磁コイルにより発生させた磁界により、前記プラズマの発生部から前記堆積基板まで前記プラズマを輸送することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  6. 前記フラーレンがCn(n=60〜84)で表されるフラーレンであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  7. 前記フラーレンがC60、C70、またはC60とC70の混合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  8. 前記水素化フラーレンが、CnHm(n=60, 70, m=18〜36)で表される水素化フラーレンであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  9. 前記フラーレンが99.9%以上の純度を持つ高純度フラーレンであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  10. 前記プラズマを高周波誘導方式により発生させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  11. 前記プラズマの発生部に印加する高周波電力が100W以上、500W以下であることを特徴とする請求項10記載の水素化フラーレンの製造方法。
  12. 前記プラズマの発生部に印加する高周波電力が500W以上、1000W以下であり、前記堆積基板に正のバイアス電圧を印加することを特徴とする請求項10記載の水素化フラーレンの製造方法。
  13. 前記プラズマを発生させるプラズマ発生部において、接触電離方式によりプラズマを発生させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  14. 前記プラズマがアルカリ金属イオンを含むことを特徴とする請求項13記載の水素化フラーレンの製造方法。
  15. 前記アルカリ金属イオンと前記フラーレンイオンの密度比、あるいは、前記アルカリ金属イオンと前記フラーレン分子の密度比が4以上であることを特徴とする請求項13乃至14のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  16. 水素化フラーレンの製造工程前に、原料となるフラーレンを真空室中で200℃以上、350℃以下の温度で加熱することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造方法。
  17. 水素ガスを導入する導入管を備えた真空室と、前記水素ガスを高周波誘導により励起して水素ラジカルまたは水素イオンを含むプラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマを輸送する磁場を発生する磁場生成部と、前記プラズマにフラーレンを導入するフラーレン導入部とからなり、前記プラズマを励起する高周波電力の制御により前記プラズマにおける水素ラジカル密度と水素イオン密度を制御可能な水素化フラーレンの製造装置。
  18. 前記真空室内に前記プラズマに接触する堆積基板を配置し、前記堆積基板上に前記水素化フラーレンを含む薄膜を堆積させることを特徴とする請求項17記載の水素化フラーレンの製造装置。
  19. 前記堆積基板と前記フラーレン導入部の距離が、1cm以上、10cm以下で、前記フラーレンを前記堆積基板に向けて照射することを特徴とする請求項17または18のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造装置。
  20. 前記高周波電力を100W以上、500W以下で制御することを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造装置。
  21. 前記堆積基板にバイアス電圧の印加が可能なことを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造装置。
  22. 水素ガスを導入する導入管を備えた真空室と、アルカリ金属イオンを含むプラズマを発生するプラズマ生成部と、前記プラズマを輸送する磁場を発生する磁場生成部と、前記プラズマにフラーレンを導入するフラーレン導入部とからなる水素化フラーレンの製造装置。
  23. 前記真空室内に前記プラズマに接触する堆積基板を配置し、前記堆積基板上に前記水素化フラーレンを含む薄膜を堆積させることを特徴とする請求項22記載の水素化フラーレンの製造装置。
  24. 前記堆積基板と前記フラーレン導入部の距離が、1cm以上、10cm以下で、前記フラーレンを前記堆積基板に向けて照射することを特徴とする請求項22または23のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造装置。
  25. 前記真空室の内部表面に、クロム酸化物を主成分とする酸化不動態膜またはフッ化不動態膜が形成されていることを特徴とする請求項17乃至24のいずれか1項記載の水素化フラーレンの製造装置。
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