JP2005335386A - トラックアジテータの付着モルタルをリサイクルする方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生コンを運搬するトラックアジテータのドラム内部を洗浄した排水を、新たに製造するコンクリートの練混ぜ水として使用し、自然環境への排出を皆無にする。
【解決手段】付着モルタルの凝結を遅延する安定剤および上水道水を、配管を用いてアジテータ1台分ずつ混合槽へ投入して安定剤希釈液を製造し、これを内壁や羽根等に付着したモルタルに噴射してスラリー化する。このスラリー状モルタルを粗骨材選別機付き貯蔵タンクに排出して保存した後、タンク下部に沈殿した固形成分をスクリューコンベヤーによって切り出し、溶液成分と混合してプラントミキサーまたはトラックアジテータのドラムへポンプ移送して練混ぜ水として使用する。
【選択図】図1
【解決手段】付着モルタルの凝結を遅延する安定剤および上水道水を、配管を用いてアジテータ1台分ずつ混合槽へ投入して安定剤希釈液を製造し、これを内壁や羽根等に付着したモルタルに噴射してスラリー化する。このスラリー状モルタルを粗骨材選別機付き貯蔵タンクに排出して保存した後、タンク下部に沈殿した固形成分をスクリューコンベヤーによって切り出し、溶液成分と混合してプラントミキサーまたはトラックアジテータのドラムへポンプ移送して練混ぜ水として使用する。
【選択図】図1
Description
本発明はレディーミクストコンクリートを運搬するトラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの再使用に関するものである。
レディークストコンクリートは、その便利さから年間1億m3以上が出荷される国内最大の工業材料である。そのため不良品や設備に付着して利用できないコンクリートも約100万m3に達している。この未使用コンクリートから砂利や砂等の骨材が回収されるが、後に残った回収水の利用方法が未解決である。
回収水は新しいコンクリートの練混ぜ水として利用するのが最も望ましいが、塩化物イオン量や固形分率等の水質基準を満足しなければならない。そのためには大型の廃水処理設備や水質管理を必要とするが、水質管理方法が購入者の全面的な信頼を得ていないため練混ぜ水への利用率は30%程度にとどまっている。
利用されなかった回収水はスラッジを分離し、強アルカリ性の上澄液を中和して廃棄しなければならないため、そのコストおよび自然環境への負荷の軽減のために安価な再利用法が強く求められている。
利用されなかった回収水はスラッジを分離し、強アルカリ性の上澄液を中和して廃棄しなければならないため、そのコストおよび自然環境への負荷の軽減のために安価な再利用法が強く求められている。
その再利用法の一つがJIS A 5308 附属書4の規定である。(以下付属書4と略称する)これはレディーミクストコンクリートの荷下しを終了したトラックアジテータの、ドラム内部に付着したモルタルを洗浄し、その洗浄排水を新たに積み込むレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として再利用する方法である。
この方法においてドラムの内壁や羽根に付着しているモルタルは、コンクリートの凝結を遅延させる付着モルタル安定剤(以下安定剤と略称する)を上水道水で希釈した安定剤希釈溶液(以下希釈溶液と略称する)を噴射して洗い落とされる。続いてドラムを高速で繰り返し正転、反転させることによってスラリー化したモルタルをドラムの再前底部に保存しておき、この上に新たなコンクリートを積み込む。スラリー状モルタルの保存期間は24時間以内とされていて、一日の運搬作業を終了したアジテータの場合は翌日の積み込みコンクリートの練混ぜ水として利用される。
この方法は、洗浄排水の水質調整を行う必要が無いため処理コストが殆ど掛からず、また洗浄排水を自然環境へ廃棄しない点で非常に優れている。
この方法は、洗浄排水の水質調整を行う必要が無いため処理コストが殆ど掛からず、また洗浄排水を自然環境へ廃棄しない点で非常に優れている。
しかし以下の問題があるため殆ど実施されていない。
まず、積載量10tの大型アジテータの場合は希釈溶液50lを使用して3m3以上の新たなコンクリートを積み込み、5tアジテータの場合は希釈溶液30lを使用して1.5m3以上のコンクリートを積み込まなければならない。一方、レディーミクストコンクリートの荷下ろしはJIS A 5308において練混ぜ開始から1.5時間以内と規定されている。
そのためコンクリート製造工場においては、工事現場の打設状況に応じてきめ細かくトラックアジテータへの積み込み量を調整しなければならない。その結果上記の規定積み込み量に達しないアジテータが少なからず発生するため、積み込み順番の変更や前日からドラム内に保存していた洗浄排水の廃棄を余儀なくされ、作業効率が大幅に低下する。
まず、積載量10tの大型アジテータの場合は希釈溶液50lを使用して3m3以上の新たなコンクリートを積み込み、5tアジテータの場合は希釈溶液30lを使用して1.5m3以上のコンクリートを積み込まなければならない。一方、レディーミクストコンクリートの荷下ろしはJIS A 5308において練混ぜ開始から1.5時間以内と規定されている。
そのためコンクリート製造工場においては、工事現場の打設状況に応じてきめ細かくトラックアジテータへの積み込み量を調整しなければならない。その結果上記の規定積み込み量に達しないアジテータが少なからず発生するため、積み込み順番の変更や前日からドラム内に保存していた洗浄排水の廃棄を余儀なくされ、作業効率が大幅に低下する。
また地上から約4mの高さにあるトラックアジテータのホッパーに50lまたは30lの希釈溶液を入力で投入することは、肉体的な負荷だけでなく災害発生の危険性も大きいことも支障となっている。
附属書4の規定に類似した方法が特開2001−30229にも開示されている。これはレディーミクストコンクリート製造日の最後に使用したトラックアジテータまたはプラントの製造設備を安定剤希釈溶液で洗浄し、その洗浄排水から骨材を除去した残りの安定化スラリーを、新たに製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として再利用するものである。
付属書4との相違点は、トラックアジテータの洗浄水のほかに製造設備の洗浄排水を加えていることと、洗浄排水を骨材分離装置に導いて骨材を除去していることである。
付属書4との相違点は、トラックアジテータの洗浄水のほかに製造設備の洗浄排水を加えていることと、洗浄排水を骨材分離装置に導いて骨材を除去していることである。
しかし、製造設備の洗浄排水を使用することは実用上難しい。製造設備に付着しているモルタル量を測定できないうえに、洗浄水の量も明示されていないため洗浄排水であるスラリー状モルタルの濃度がばらついてしまい、コンクリートの品質ばらつきの原因になるからである。
また洗浄排水の凝結を遅延させる安定剤については、洗浄水が洗浄排水中のセメントに対して0.2〜3重量%の安定剤を含むこととなっているが、前述したように製造設備に付着しているセメント量を測定することはできないので、あらかじめ洗浄水の安定剤濃度を調整することは不可能である。
また洗浄排水の凝結を遅延させる安定剤については、洗浄水が洗浄排水中のセメントに対して0.2〜3重量%の安定剤を含むこととなっているが、前述したように製造設備に付着しているセメント量を測定することはできないので、あらかじめ洗浄水の安定剤濃度を調整することは不可能である。
この解決策として、この出願には記載されていない方法であるが、安定剤を含まない洗浄水でアジテータを洗浄した後安定剤を添加することは可能である。しかしその添加量を決定するにはアジテータ1台ごとに洗浄排水中のセメント量を測定しなければならため、設備費やコストの点から実施が困難である。
もう一つの、洗浄排水を骨材分離装置にかけて安定化スラリーとし、翌日以降に製造する生コンクリートの練混ぜ水に使用することは、その具体的な方法や設備の記載がないことから従来の大型槽や分離装置を使用することとなり、小規模事業所においては実施が困難である。
さらに、この出願においては洗浄水の量が生コン車1台あたり20〜60lの広い範囲が示されていて、練込まれたコンクリートの品質ばらつきの原因となることが懸念される。
特開2002−18828も、レディーミクストコンクリートが付着した装置を洗浄したあとの排水を、翌日以降に製造するコンクリートの練混ぜ水の一部として再使用する方法に関する出願である。作業終了後の擬凝結遅延剤タンク内の遅延剤量を検知して、擬凝結剤の投入量とスラッジタンク内のスラッジ水の量と濃度を目標とする値に制御する。
この方法も遅延剤量の検知装置および制御装置が欠かせず、その設備費および管理コストが高価なため実施の支障となっている。
この方法も遅延剤量の検知装置および制御装置が欠かせず、その設備費および管理コストが高価なため実施の支障となっている。
次に装置に関して、トラックアジテータ内への安定剤の自動計量供給装置が特開2001−30228に示されている。トラックアジテータの運転席から操作できる位置に制御盤と演算機を設置し、その演算結果に基づいて作動する安定剤の計量弁、供給ポンプおよび移送管等から成る装置である。運転者は制御盤から気温、アジテータドラムの容積、目標とする安定化時間等を入力することによって自動的に安定剤の供給を受けられるのが特徴である。
しかし1台のドラムに添加する安定剤の量1lまたは1.5lであり、これを積載量10tまたは5tドラム内に偏りなく行き渡らせて、均質なスラリー状モルタルを製造することは至難である。
この装置を活用して、安定剤を約50lの上水道水で希釈した安定剤希釈溶液を供給することも考えられるが、それを実施する装置としても不適切である。
付属書4に記載されているように、希釈溶液はドラムの内壁、羽根などに吹き付けて付着モルタルを洗い落とし、続いてドラムを高速で繰り返し正転、反転させて洗浄排水を十分に撹拌しなければならない。その際に運転者はドラム内部を観察しながら付着モルタルを目がけて吹き付ける必要があり、またドラムを反転させる際には内部の希釈溶液があふれ出ないように、観察しながら慎重に回転させなければならないからである。運転席に着座したまま高さ4mのホッパーからドラム内部を観察することは無理である。
特開2001−30229 特開2002−18828 特開2001−30228 JIS A 5308 および 付属書4
付属書4に記載されているように、希釈溶液はドラムの内壁、羽根などに吹き付けて付着モルタルを洗い落とし、続いてドラムを高速で繰り返し正転、反転させて洗浄排水を十分に撹拌しなければならない。その際に運転者はドラム内部を観察しながら付着モルタルを目がけて吹き付ける必要があり、またドラムを反転させる際には内部の希釈溶液があふれ出ないように、観察しながら慎重に回転させなければならないからである。運転席に着座したまま高さ4mのホッパーからドラム内部を観察することは無理である。
本発明は、実用化が進まない附属書4のトラックアジテータに付着したモルタルの洗浄排水の再利用法を、経済的に余裕の少ない小規模事業所まで広く普及させることを目的としている。そのための課題は、安価で効率よく実施できる設備の開発と新たに製造するレディーミクストコンクリートの品質の安定化である。
品質面については、製造した希釈溶液の保存期間が5または7日以内と規定されているが、試験を行ったところ1両日後には腐敗臭を発し、作業環境が悪化するだけでなく品質劣化も懸念された。また、貯蔵槽に排出されたスラリー状モルタルの固形成分が沈殿してしまい、再使用するために底部からポンプで吸引しても液状成分のみが優先して排出され、固形成分が残留することが判明した。これらも解決しなければならない重要な課題である。
本発明の方法は、トラックアジテータのドラム内部を付着モルタル安定剤希釈溶液で洗浄して得られたスラリー状モルタルを、翌日以降に製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として使用する方法において、安定剤および上水道水をアジテータ1台分ずつ供給管を用いて混合槽へ投入混合して安定剤希釈溶液を製造し、この希釈溶液を混合槽に接合した配管によって導き、ドラム内の付着モルタルに噴射して洗浄する。得られたスラリー状モルタルを貯蔵タンクに保存しておき、翌朝以降に、貯蔵タンクに沈殿した成分をスクリューコンベヤーによって切り出して溶液成分と混合し、トラックアジテータのドラムまたはプラントミキサーに投入して、練混ぜ水として使用する付着モルタルのリサイクル方法である。
また本発明は、トラックアジテータの洗浄装置およびスラリー状モルタルの再利用装置から成る付着モルタルのリサイクル装置である。洗浄装置は安定剤希釈溶液を製造する混合槽に、上水道水の供給管および計量ポンプを経由して安定剤タンクからの供給管を配設し、さらにこの混合槽から希釈溶液を噴射するための配管を、ポンプを介して配設するもので、再利用装置は貯蔵タンクの上部が仕切壁によってスラリー状モルタルの受入室と排出室に分割され、それらの上部に粗骨材の選別装置を有しており、タンク下部は幅を狭くしてスクリューコンベヤーおよび排出口を装備した装置である。
本発明は付属書4と異なり、アジテータドラム内にスラリー状モルタルを保存しないため、新たに積み込むレディーミクストコンクリートが所定量に満たない場合にも、配車順番の変更やスラリー状モルタルの廃棄がなくなり作業効率が向上する。また、作業の大半はバルブ操作やスイッチ操作等の軽作業のため作業者への負荷も少ない。
設備面においては、安定剤希釈溶液を保存する必要が無いため混合槽はアジテータ1台分を製造する程度の小型槽で十分である。貯蔵タンクの容量も最終荷下ろしを終了した各アジテータの洗浄排水を貯蔵する大きさがあればよく、さらに粗骨材の選別装置も貯蔵タンクの上部に収容できる小型装置であって、選別された粗骨材を搬送するためのコンベヤーも必要ない。
このように従来の未使用コンクリートの処理設備に比較して小型化されるため、広い敷地を必要とせず設備費および処理コストが安価で作業性にも優れている。
このように従来の未使用コンクリートの処理設備に比較して小型化されるため、広い敷地を必要とせず設備費および処理コストが安価で作業性にも優れている。
新たに製造するコンクリートの品質面においても、常に新鮮な希釈溶液を使用し、また貯蔵タンクから排出するスラリー状モルタルも固形成分と溶液成分を混合されているため安定している。
自然環境への回収水の投棄や悪臭による環境劣化も解決される。
自然環境への回収水の投棄や悪臭による環境劣化も解決される。
付着モルタル安定剤希釈溶液は、附属書4に適合した安定剤を所定の割合の上水道水で希釈して製造する。安定剤タンクから計量ポンプを用いてアジテータ1台分の安定剤を混合槽へ投入し、この上に、同じくアジテータ1台分の上水道水を配管から投入混合して均質な希釈溶液とする。
製造した希釈溶液は、混合槽下部に接合した配管およびポンプを経由して作業台上のノズルに導かれ、ドラム内の付着モルタルに向けて噴射される。作業者はドラム上部のホッパーから内部を観察しながら洗浄できる。この希釈溶液の噴射はコンクリートの練混ぜから3時間以内に行わなければならない。
洗浄終了後ドラムを高速で繰り返し正転、反転させ、それによって得られたスラリー状モルタルを貯蔵タンクに排出して保存する。貯蔵タンクに投入するスラリー状モルタルは選別機よって粗骨材を除去することによって、次に貯蔵タンクから排出するポンプの能力を小型化できる。
洗浄終了後ドラムを高速で繰り返し正転、反転させ、それによって得られたスラリー状モルタルを貯蔵タンクに排出して保存する。貯蔵タンクに投入するスラリー状モルタルは選別機よって粗骨材を除去することによって、次に貯蔵タンクから排出するポンプの能力を小型化できる。
貯蔵されたスラリー状モルタルは、翌朝以降に、タンク底部に沈殿した固形成分と溶液成分を混合してポンプ移送し、プラントミキサーまたはトラックアジテータのドラムに投入して練混ぜ水として使用する。タンク底部の固形成分は流動性に乏しいためスクリューコンベヤーによって排出口へ送り出し、溶液成分とともにポンプ移送することによって排出されるモルタル成分の不均等を改善する。
附属書4に記載されている雨水の浸入および凍結防止は、貯蔵タンクを凍結温度以上に制御した屋内に設置するか、防水性の保温カバーや電熱ヒーターのような加熱装置を設けることによって達成できる。
本発明の装置を図1〜図4に基づいて説明する。付着モルタルの安定剤希釈溶液の製造、投入装置およびスラリー状モルタルの保存、再利用装置で構成される。
図1において混合槽6は、付着モルタル安定剤と上水道水を混合して付着モルタル安定剤希釈溶液を製造するための容器である。安定剤タンク1から計量ポンプ3を経由して供給管2および4と、上水道水管5が配設されていて、アジテータ1台分の希釈溶液が製造される。附属書4において大型アジテータの場合は50l、小型アジテータの場合は30lと規定されているので、混合槽の容量は100lが一つの目安である。混合槽6には水位計を設け、これによって所定量の上水道水を計量投入する。
図1において混合槽6は、付着モルタル安定剤と上水道水を混合して付着モルタル安定剤希釈溶液を製造するための容器である。安定剤タンク1から計量ポンプ3を経由して供給管2および4と、上水道水管5が配設されていて、アジテータ1台分の希釈溶液が製造される。附属書4において大型アジテータの場合は50l、小型アジテータの場合は30lと規定されているので、混合槽の容量は100lが一つの目安である。混合槽6には水位計を設け、これによって所定量の上水道水を計量投入する。
製造された希釈溶液は、混合槽の底部に接合した配管7、ポンプ8および配管9を経由してノズル12からアジテータドラム内の付着モルタルに向けて噴射される。作業者が的確にドラム内部を洗浄できるように、作業台の上へ配管9を配設するとよい。
図2および図3はスラリー状モルタルの保存および再利用装置を示している。この装置はスラリー状モルタルの貯蔵タンク13、同タンクからの固形成分切り出し用排出装置18およびプランとミキサーまたはアジテータへの移送装置で構成される。図4は貯蔵タンクに設置した粗骨材選別用スクリューコンベヤーおよび沈殿した固形成分の切り出し用スクリューコンベヤーの拡大図である。
貯蔵タンク13は、中央部を垂直の仕切壁15によってスラリー状モルタルの受入室16と排出室17に区分し、タンク上部に粗骨材の選別装置14を設置する。さらにタンク下部は幅を狭めて固形成分の排出用スクリューコンベヤー18を配置した構造となっている。
タンク底部にはスラリー状モルタルの排出口19が設けられ、ポンプ20を経由して配管21によってプラントミキサーまたはトラックアジテータへ移送される。
貯蔵タンク13は、中央部を垂直の仕切壁15によってスラリー状モルタルの受入室16と排出室17に区分し、タンク上部に粗骨材の選別装置14を設置する。さらにタンク下部は幅を狭めて固形成分の排出用スクリューコンベヤー18を配置した構造となっている。
タンク底部にはスラリー状モルタルの排出口19が設けられ、ポンプ20を経由して配管21によってプラントミキサーまたはトラックアジテータへ移送される。
粗骨材の選別装置14は円筒網かごの中にスクリューコンベヤーを配置した構造で、スラリー状モルタルは網かごの一端に設けた導入コンベヤーaから投入される。モルタルはスクリューコンベヤー14へよって送られ、溶液成分は網目から受入室16へ落下し、粗骨材は他端bから放出される。
貯蔵タンク13を受入部16と排出部17に分割し、その下部に切出装置を配置するのは、このタンクからスラリー状モルタルの固形成分と溶液成分を均等に排出するためである。
スラリー状モルタルの固形成分は比重が大きいため、溶液成分の下部に沈殿する。これをタンク底部からポンプで吸引しても、溶液成分が優先的に排出され固形成分は殆どタンク下部に残留してしまう。そのため、スラリー状モルタルを受入室に投入してここに固形成分を集中堆積させ、これをスクリューコンベヤー18で排出口19に落とし込むことによって溶液成分と混合してポンプ移送することができる。均質に吸引されたスラリー状モルタルはポンプ20および配管21を経由してプラントミキサーまたはトラックアジテータのドラムに投入される。
スラリー状モルタルの固形成分は比重が大きいため、溶液成分の下部に沈殿する。これをタンク底部からポンプで吸引しても、溶液成分が優先的に排出され固形成分は殆どタンク下部に残留してしまう。そのため、スラリー状モルタルを受入室に投入してここに固形成分を集中堆積させ、これをスクリューコンベヤー18で排出口19に落とし込むことによって溶液成分と混合してポンプ移送することができる。均質に吸引されたスラリー状モルタルはポンプ20および配管21を経由してプラントミキサーまたはトラックアジテータのドラムに投入される。
工事現場において強度4、スランプ18の普通コンクリートを荷下ろしを行い、工場へ帰着した大型のトラックアジテータの中から10台を選び、希釈溶液を噴射してドラム内部に付着しているモルタルを洗い落とした。
希釈溶液の製造および噴射に用いた装置を図1に示す。1回にアジテータ1台分50lを製造するために、安定剤タンク1から計量ポンプ3を用いて1lの安定剤を混合槽6に投入し、これに配管5によって上水道水49lを加え均質に混合した。安定剤タンク1は容量200lのステンレス鋼製、混合槽は水位計を有する縦横50cm、高さ80cmのステンレス鋼製である。モルタル安定剤は市販品を使用した。モルタルのフロー値、凝結時間の差、圧縮強さおよびスラリー状モルタルの流動性は良好で、その他の性質も附属書4の表1を満足するものであった。
製造した安定剤希釈溶液を、混合槽から高さ3mの作業台上へ配設した配管7、ポンプ8および配管9で移送し、ホース11およびその先端の取り付けたノズル12を用いて、アジテータのドラム内部を観察しながら付着モルタルに吹き付けて洗浄した。
コンクリートの練混ぜから安定剤希釈溶液の投入までの所要時間は、総てのアジテータドラムが2.5時間以内、実施期間中の気温は15〜23℃である。
希釈溶液の製造および噴射に用いた装置を図1に示す。1回にアジテータ1台分50lを製造するために、安定剤タンク1から計量ポンプ3を用いて1lの安定剤を混合槽6に投入し、これに配管5によって上水道水49lを加え均質に混合した。安定剤タンク1は容量200lのステンレス鋼製、混合槽は水位計を有する縦横50cm、高さ80cmのステンレス鋼製である。モルタル安定剤は市販品を使用した。モルタルのフロー値、凝結時間の差、圧縮強さおよびスラリー状モルタルの流動性は良好で、その他の性質も附属書4の表1を満足するものであった。
製造した安定剤希釈溶液を、混合槽から高さ3mの作業台上へ配設した配管7、ポンプ8および配管9で移送し、ホース11およびその先端の取り付けたノズル12を用いて、アジテータのドラム内部を観察しながら付着モルタルに吹き付けて洗浄した。
コンクリートの練混ぜから安定剤希釈溶液の投入までの所要時間は、総てのアジテータドラムが2.5時間以内、実施期間中の気温は15〜23℃である。
洗浄を終えたドラムを高速で3分間繰り返し正転、反転して洗浄排水をスラリー化し、図2〜図4に示す貯蔵タンクに投入した。タンクは、上部の幅および長手方向寸法が2.5m高さ2mの鋼板製で、ほぼ中央部を仕切る厚さ6mmの垂直な鋼板製仕切壁15によって、スラリー状モルタルの受入室16および排出室17に分割され、上部に粗骨材選別機14が設置されている。
粗骨材選別機14は、直径57cm長さ150cmの円筒型の鋼製網の内部に回転するスクリューコンベアを配置してあり、網目の寸法は20mmメッシュとした。
投入されたスラリー状モルタルは、導入スクリューaによって選別用網かご14へ搬送され、モルタルは網目を抜けて受入室16に落下し、粗骨材はコンベヤーによって送られ他端bから排出される。モルタルの中の固形成分は仕切壁15にさえぎられて受入室16の下部に沈殿し、溶液成分のみが排出室17に浸入する。この状態で翌朝まで保存した。
粗骨材選別機14は、直径57cm長さ150cmの円筒型の鋼製網の内部に回転するスクリューコンベアを配置してあり、網目の寸法は20mmメッシュとした。
投入されたスラリー状モルタルは、導入スクリューaによって選別用網かご14へ搬送され、モルタルは網目を抜けて受入室16に落下し、粗骨材はコンベヤーによって送られ他端bから排出される。モルタルの中の固形成分は仕切壁15にさえぎられて受入室16の下部に沈殿し、溶液成分のみが排出室17に浸入する。この状態で翌朝まで保存した。
貯蔵タンク13の下部は長手方向の寸法は2.3mのまま幅を1.6mに狭め、ここに固形成分を切り出すスクリューフィーダー18を配置してある。スクリューの外形285cmピッチ200cmのものを用いた。翌朝、このフィーダーによって固形成分を切り出して図4に示す排出ピット23に落とし込み、溶液成分とともに水中ポンプによってプラントミキサーおよびプラントミキサーへ移送し、新たに製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として使用した。
トラックアジテータにおいては、スラリー状モルタル50lを投入後ドラムを高速回転しながら、練混ぜ水を50l減らして製造した強度24、スランプ18のレディーミクストコンクリート4m3を積載し、さらに撹拌を継続してコンクリートの均質化を図った。
一方、プラントミキサーにおいては、25lのスラリー状モルタルに続いて所定量の砂、セメント、砂利および混和剤を添加した上水道水の順に、通常のタイミングで投入してミキシングを行い、2m3のレディーミクストコンクリートを製造した。上水道水の配合量は通常よりも25l少なくしている。この工程を2回繰り返して合計4m3を1台の大型トラックアジテータに積載した。
これらのトラックアジテータのドラムを撹拌しながら約1時間走行したのち、荷下ろしして品質試験を行った。その結果、コンクリートの強度、スランプおよび空気量の各値および許容値はいずれもJIS A 5308の規格を満足し、また塩化物含有量も0.30kg/m3以下で規格を満たしていた。
トラックアジテータにおいては、スラリー状モルタル50lを投入後ドラムを高速回転しながら、練混ぜ水を50l減らして製造した強度24、スランプ18のレディーミクストコンクリート4m3を積載し、さらに撹拌を継続してコンクリートの均質化を図った。
一方、プラントミキサーにおいては、25lのスラリー状モルタルに続いて所定量の砂、セメント、砂利および混和剤を添加した上水道水の順に、通常のタイミングで投入してミキシングを行い、2m3のレディーミクストコンクリートを製造した。上水道水の配合量は通常よりも25l少なくしている。この工程を2回繰り返して合計4m3を1台の大型トラックアジテータに積載した。
これらのトラックアジテータのドラムを撹拌しながら約1時間走行したのち、荷下ろしして品質試験を行った。その結果、コンクリートの強度、スランプおよび空気量の各値および許容値はいずれもJIS A 5308の規格を満足し、また塩化物含有量も0.30kg/m3以下で規格を満たしていた。
1 付着モルタル安定剤タンク(薬液タンク)
2 付着モルタル安定剤供給管
3 計量ポンプ
4 付着モルタル安定剤供給管
5 上水道水管
6 混合槽
8 ポンプ
10 ホース収納箱
11 ホース
12 バルブおよび噴射ノズル
13 スラリー状モルタル貯蔵タンク
14 粗骨材選別用スクリューコンベヤー
15 仕切り壁
16 スラリー状モルタル受入室
18 切出し用スクリューコンベヤー
19 排出口
20 移送ポンプ
22 計量槽
23 ピット
2 付着モルタル安定剤供給管
3 計量ポンプ
4 付着モルタル安定剤供給管
5 上水道水管
6 混合槽
8 ポンプ
10 ホース収納箱
11 ホース
12 バルブおよび噴射ノズル
13 スラリー状モルタル貯蔵タンク
14 粗骨材選別用スクリューコンベヤー
15 仕切り壁
16 スラリー状モルタル受入室
18 切出し用スクリューコンベヤー
19 排出口
20 移送ポンプ
22 計量槽
23 ピット
Claims (2)
- トラックアジテータのドラム内部を付着モルタル安定剤希釈溶液で洗浄して得られたスラリー状モルタルを、新たに製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として使用する方法において、付着モルタル安定剤および上水道水をアジテータ1台分ずつ供給管によって混合槽へ投入混合して付着モルタル安定剤希釈溶液を製造し、この希釈溶液を混合槽に接合した配管によってトラックアジテータに導き、ドラム内の付着モルタルに噴射して洗浄する。そのドラムを正転、反転することによってスラリー状となったモルタルを貯蔵タンクに排出して保存しておき、翌日以降に貯蔵タンク底部に沈殿した成分をスクリューコンベヤーによって切り出して溶液成分と混合し、トラックアジテータまたはプラントミキサーに投入して練混ぜ水として使用する付着モルタルのリサイクル方法。
- トラックアジテータのドラム内部を付着モルタル安定剤希釈溶液で洗浄して得られたスラリー状モルタルを、新たに製造するレディーミクストコンクリートの練混ぜ水として使用する装置であって、付着モルタル安定剤希釈溶液を製造する混合槽に、上水道水の供給管および計量ポンプを経由して安定剤タンクからの供給管が配設され、さらにこの混合槽から希釈溶液を噴射するための配管を作業台へ配設したトラックアジテータドラムの洗浄装置と、貯蔵タンクの上部が仕切壁によってスラリー状モルタルの受入室と排出室に分割され、その上部に粗骨材の選別装置を有しており、タンク下部は幅を狭くしてスクリューコンベヤーおよび排出口を設置した再利用装置とから成る付着モルタルのリサイクル装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005150116A JP2005335386A (ja) | 2004-04-30 | 2005-04-20 | トラックアジテータの付着モルタルをリサイクルする方法および装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016137575A (ja) * | 2015-01-26 | 2016-08-04 | 宇部興産株式会社 | 高強度フレッシュコンクリートの製造方法 |
JP5975147B1 (ja) * | 2015-04-27 | 2016-08-23 | 株式会社北斗商販 | 付着モルタルリサイクルシステム |
CN107020692A (zh) * | 2017-05-26 | 2017-08-08 | 王继忠 | 一种制备可固化土的成套设备 |
CN107283641A (zh) * | 2017-07-27 | 2017-10-24 | 平湖市开元混凝土有限公司 | 一种搅拌回收湖水装置 |
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2005
- 2005-04-20 JP JP2005150116A patent/JP2005335386A/ja active Pending
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