JP2005328632A - 過電流保護方法及び過電流保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷の動作状態や雰囲気温度等に影響されることなく、過電流を確実に検出することができるようにする。
【解決手段】マイクロコンピュータ1において所定の手順に基づいて決定された過電流検出しきい値がディジタル・アナログ変換器5を介して比較器12の一方の入力端子に基準電圧Refとして印加され、差動増幅器11により出力された検出抵抗器13における電圧降下と比較されて、検出抵抗器13の電圧降下が基準電圧Refを越えると、比較器12から出力される論理値Highの信号によりスイッチ制御回路3を介して電源用FET2が非導通とされて過電流の遮断がなされるようになっており、過電流しきい値を適切な値に設定して過電流の確実な検出が可能に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器の電源回路における過電流を検出する装置に係り、特に、過電流検出の信頼性の向上等を図ったものに関する。
従来、この種の回路としては、例えば、負荷電流を検出し、それが予め設定された所定値に達して、しかも、所定時間以上経過した場合に負荷への電流供給を遮断するよう構成されたものが公知・周知となっている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、車両における負荷への電源供給、例えば、ランプや電磁バルブ等に対する電源供給は、これまでは、接続用の配線を介してバッテリーから直接行われるのが通常であった。このような電源供給においては、例えば、電源ラインとグランドとの短絡や、バッテリーの短絡などが生ずると、バッテリーとランプ等との間に設けられているヒューズが溶断され、過電流からの回路の保護が図られるようになっていた。しかし、電源供給を再開するにはヒューズの交換作業が必要であることに加えて、ヒューズ溶断の原因が不明で、その原因箇所が特定できない場合などには、何度もヒューズが溶断されてしまい、復帰性において満足度の低いものであった。
ところが、近年、電子デバイス技術の発展による小型で、大電流を扱え、しかも比較的安価な電力用半導体素子の普及に伴い、従来のバッテリー直結の電源供給に代えて、このような電力半導体素子を用い、ランプ等の負荷への電流供給を制御できるようにした電源回路を介して負荷への電源供給を行う構成が採用されつつある。そして、このような電源回路は、例えば、車両の動作制御のための電子コントロールユニット(ECU)内に設けられることが多い。
このような電源回路においては、回路の安全性、信頼性等の観点から先の特許文献1に示されたような負荷の過電流を検知、遮断する機能が必要となる。
特開平2003−324841号公報(第2−6頁、図2及び図3)
ところが、車両においては、ECU内に設けられた上述のような電源回路と負荷の間を接続するワイヤーハーネスと称される配線の束が設けられ、このワイヤーハーネスを介して接続される負荷は、単純な抵抗負荷のみではないことや、配線経路が多岐にわたると共に複数の負荷が接続される等のため、例えば、ワイヤーハーネスの一部にグランドとの短絡が生じて過電流の状態となった場合に、電流検出によって過電流を判定しようとしても、雰囲気温度や、短絡箇所によるワイヤーハーネスのインピーダンスの変動により過電流の値そのものが異なるために、一つの閾値を基準として過電流か否かを判定する方式では、本来、過電流と判定されて電流供給の遮断がなされるべきところ、それが行われないことも有り得る。したがって、先の特許文献1のような過電流保護回路は、過電流と判断される値がほぼ一定とすることができるものには適用可能であるが、車両の電源回路には不向きである。
また、上記従来装置において、負荷へ流れる電流の検出は、電流検出用の抵抗器を設け、その電圧降下を測定することで行われるようになっているが、既存の抵抗器は、選択できる抵抗値の範囲、大きさが定まっており、負荷のインピーダンス変化や回路条件等を考慮して抵抗器の値を決定しても、必ずしも満足する値のものを得ることができないことがあり、近傍の値の抵抗器を選択するしかなかった。そのため、過電流の際に、設計通りの電圧降下が得られず、過電流と判定されない事態の発生の可能性もあった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、負荷の動作状態や雰囲気温度、さらには、ワイヤーハーネスの長短などに影響されることなく、過電流を確実に検出することができる過電流検出方法及びその装置を提供するものである。
本発明の他の目的は、過電流発生後の復帰性が良好な過電流検出方法及びその装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、過電流判定の基準値の調整が容易な過電流保護装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、電流検出に用いられる抵抗器の値の調整が容易な過電流保護装置を提供することにある。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る過電流保護方法は、
外部からの制御信号に応じて導通・非導通状態とされる半導体素子であって、その一端が電源に、他端が外部負荷の一端に接続されて前記外部負荷への電源供給を可能とする電源用半導体素子を有する電子機器であって、前記外部負荷の数に応じて設けられ、一端が前記外部負荷の他端にそれぞれ接続され、他端がアース側に接続された負荷制御用半導体素子を有し、当該負荷制御用半導体素子の導通・非導通を制御して、前記外部負荷の駆動を制御するよう構成された外部負荷駆動回路が設けられてなる電子機器において、前記外部負荷の過電流状態の発生の有無を検出し、当該検出結果に応じて前記電源用半導体素子の駆動制御を行う過電流保護方法であって、
前記電源用半導体素子を介して前記外部負荷へ供給される電流を検出し、当該検出電流が、電流検出時における前記外部負荷の駆動状態に応じて定められる過電流検出しきい値より大であるか否かを判定し、前記電流検出値が前記過電流検出しきい値より大であると判定された場合に、前記電源用半導体素子を非導通状態とするよう構成されてなるものである。
また、本発明の目的を達成するため、本発明に係る過電流保護装置は、
外部からの制御信号に応じて導通・非導通状態とされる半導体素子であって、その一端が電源に、他端が外部負荷端に接続されて前記外部負荷への電源供給を可能とする電源用半導体素子を有する電子機器であって、前記外部負荷の数に応じて設けられ、一端が前記外部負荷の他端にそれぞれ接続され、他端がアース側に接続された負荷制御用半導体素子を有し、当該負荷制御用半導体素子の導通・非導通を制御して、前記外部負荷の駆動を制御するよう構成された外部負荷駆動回路を有してなる電子機器に設けられ、前記外部負荷の過電流状態の発生の有無を検出し、当該検出結果に応じて前記電源用半導体素子の駆動制御を行う過電流保護装置であって、
当該過電流保護装置は、前記電源用半導体素子を介して前記外部負荷へ供給される電流を検出し、当該検出電流が、電流検出時における前記外部負荷の駆動状態に応じて定められる過電流検出しきい値より大であるか否かを判定し、前記電流検出値が前記過電流検出しきい値より大であると判定された場合に、前記電源用半導体素子を非導通状態とするよう構成されてなるものである。
本発明によれば、過電流判定の基準を実際の負荷の動作状況等に応じて変更可能としたので、負荷の動作状態や雰囲気温度、さらには、ワイヤーハーネスの長短などに影響されることなく、過電流を確実に検出することができるという効果を奏するものである。
また、復帰の可能性の有無を判定するようにし、復帰の可能性有りと判定される場合には、電源供給を継続するようにしたので、システムの動作に致命的な影響を与えるような事がない一時的な過電流が生じても、従来と異なり、システム動作が即座に完全に停止されるようなことがなく、復帰性の良好なシステムを提供することができるという効果を奏するものである。
さらに、回路基板に導電性部材で形成したパターンを電流検出用の抵抗器として用いることで、過電流検出の際の基準設定が、従来に比して容易となると共に高い精度で可能となることに加えて、通常の抵抗器を実装する場合に比して実装面積が少なくて済み、装置の小型化を図ることができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図11を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における過電流保護装置の第1の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における過電流保護装置は、車両の動作制御を行う一般にECUと称される電子制御ユニット内に実現されたものである。すなわち、車両の様々な負荷への電源供給が後述するようにECU内に設けられた回路を介して行われる構成であることが前提であり、本発明の実施の形態における過電流保護装置は、そのような構成に適用された例である。
以下、具体的に説明すれば、本発明の実施の形態における過電流保護装置S1は、車両の動作制御を行う電子制御ユニット101内に設けられており、後述するような過電流検出処理等を行う公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図1においては「CPU」と表記)1と、通電スイッチとしての電源用電界効果トランジスタ(以下、「電源用FET」と言う)2と、マイクロコンピュータ1からの制御信号に応じて電源用電界効果トランジスタ2を導通(オン)又は非導通(オフ)状態に制御するスイッチ制御回路(図1においては「SW−CONT」と表記)3と、負荷への供給電流の検出を行う検出回路51と、比較回路52と、温度センサ7と、不揮発性メモリ(図1においては「MEM」と表記)8とを有して構成されたものとなっている。
また、この電子機器としての電子制御ユニット101内には、マイクロコンピュータ1の制御信号に応じて外部負荷10−1〜10−nの駆動を制御する外部負荷駆動回路9が設けられている。
なお、図1においては、電子制御ユニット101が本来の車両の動作制御を行うために必要とされる回路等の構成要素については、説明を簡潔にして理解を容易にするために図示を省略してある。
まず、電源用FET2は、ドレイン(又はソース)の一方が図示されない電源、すなわち、具体的には、車両バッテリーに接続される一方、ソース(又はドレイン)は、後述する検出回路51を構成する検出抵抗器13を介して複数の外部負荷10−1〜10−nへ接続されるものとなっている。
スイッチ制御回路3は、後述する比較回路52の比較器12から出力される過電流検出の際の信号とマイクロコンピュータ1からの制御信号に基づいて、電源用FET2の導通、非導通を制御するようになっているものである。
中央処理部としてのマイクロコンピュータ1は、詳細は後述するが、スイッチ制御回路3や外部負荷駆動回路9の動作制御を行う他、比較回路52のディジタル・アナログ変換器5の出力電圧の設定制御などを行うものである。なお、このマイクロコンピュータ1は、電子制御ユニット101内に設けられ、車両の動作制御を行うための図示されないマイクロコンピュータを兼ねるようにしても良い。
検出回路51は、差動増幅器11と、検出抵抗器13と、アナログ・ディジタル変換器(図1においては、「A/D」と表記)6とを有してなり、電源用FET2を流れる電流に対応した電圧を検出抵抗器13における電圧降下として検出、出力するよう構成されているものである。
すなわち、差動増幅器11の一方の入力端子は、電源用FET2の図示されない電源との接続点に接続される一方、差動増幅器11の他方の入力端子は、検出抵抗器13の外部接続負荷10−1〜10−nとの接続点に接続されたものとなっている。そして、この差動増幅器11の出力端子は、アナログ・ディジタル変換器6の入力段に接続されて、このアナログ・ディジタル変換器6においてディジタル信号に変換されて、後述するようにマイクロコンピュータ1に読み込まれるようになっている。
ここで、検出抵抗器13は、電子部品としての一般的な抵抗器に限定される必要はなく、例えば、回路基板上にプリント配線技術により、例えば矩形状に形成された導電性プリントパターンであっても良く、この場合、導電性の部材としては、銅箔やアルミニウム、金、半田等を用いるのが好適である。
比較回路52は、比較器12とディジタル・アナログ変換器(図1においては、「D/A」と表記)5とを有してなり、後述するように過電流の判定を行い、過電流発生の際にスイッチ制御回路3へ対して所定の信号を出力するよう構成されてなるものである。
すなわち、比較器12の一方の入力端子には、先の差動増幅器11の出力端子が接続される一方、比較器12の他方の入力端子は、ディジタル・アナログ変換器5の出力端子に接続されている。そして、このディジタル・アナログ変換器5の入力端子には、マイクロコンピュータ1の所定の出力端子が接続されており、マイクロコンピュータ1からディジタル入力される過電流しきい値がアナログ電圧信号に変換されて、比較器12の他方の入力端子へ、基準電圧Refとして印加されるようになっている。
そして、比較器12の出力信号は、スイッチ制御回路3へ入力されるようになっており、マイクロコンピュータ1からのスイッチ制御回路3への制御信号と共に、スイッチ制御回路3の動作制御に供されるようになっている。
温度センサ7は、検出抵抗器13の近傍の回路基板(図示せず)上に設けられ、検出抵抗器13の実質的な温度を検出するためのもので、その出力はマイクロコンピュータ1に読み込まれるようになっている。この温度センサ7により検出された温度は、後述するようにマイクロコンピュータ1による過電流検出処理において、検出抵抗器13による検出電流の温度補正に用いられるものとなっている。
また、不揮発性メモリ8は、後述するマイクロコンピュータ1による過電流保護処理において、過電流の発生したことの記憶や、各種のデータの記憶のためのものである。このような不揮発性メモリ8は、具体的には、例えば、EEPROM等などが好適である。
外部負荷駆動回路9は、外部負荷10−1〜10−nとアースとの間に直列接続されるスイッチング素子、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を主たる構成要素としてなるもので、具体的には、外部負荷10−1〜10−nの数に対応して設けられた負荷制御用FET14−1〜14−nがマイクロコンピュータ1からの制御信号に応じてオン・オフされるようになっており、これによって外部負荷10−1〜10−nへの通電が制御されるようになっているものである。
次に、上記構成において、マイクロコンピュータ1を中心に実行される過電流保護処理の手順について、図2乃至図4を参照しつつ説明する。
まず、正常時、すなわち、マイクロコンピュータ1によって過電流発生と判定されていない状態においては、スイッチ制御回路3によって電源用FET2は導通状態とされており、図示されない電源から外部負荷10−1〜10−nの通電が電源用FET2を介して行われることとなる。ここで、通電状態とされる外部負荷10−1〜10−nは、マイクロコンピュータ1によって実行される外部負荷制御処理により、外部負荷駆動回路9を介して適宜選択されるようになっている。
最初に、図2を参照しつつ、過電流保護処理の全体的な手順について説明し、その後、適宜詳細な説明が必要な箇所について、図3以降の図面を参照しつつ説明することとする。
処理が開始されると、マイクロコンピュータ1によりシステムスタートがなされ(図2のステップS202参照)、過電流検出禁止状態とされる(図2のステップS204参照)。すなわち、システムスタート直後の電圧の不安定等による誤動作防止の観点から、アナログ・ディジタル変換器6を介した検出回路51の出力のマイクロコンピュータ1への取り込みを禁止し、誤った判定がなされないようにされる。
次いで、マイクロコンピュータ1からの制御信号によって外部負荷駆動回路9の全ての負荷制御用FET14−1〜14−nがオン状態とされ、全ての外部負荷10−1〜10−nが通電状態とされた場合における電流検出値がマイクロコンピュータ1の所定の記憶領域に確保された全ONレジスタ(図示せず)に記憶されることとなる(図2のステップS206参照)。ここで、電流検出値は、検出抵抗器13において生ずる電圧降下の値として差動増幅器11から出力され、次いで、アナログ・ディジタル変換器6でディジタル値に変換されてマイクロコンピュータ1へ読み込まれ、マイクロコンピュータ1によって、検出抵抗器13の抵抗値と検出された電圧降下との関係から求められる電流値である。
次に、先のステップS206で全ONレジスタに記憶された値が、予め定められている設定下限値より大であるか否かの判定が行われ(図2のステップS208参照)、全ONレジスタの値が設定下限値より大であると判定された場合(YESの場合)には、全ONレジスタの値が過電流検出のしきい値の初期値として設定されて(図2のステップS212参照)、ステップS214の処理へ進むこととなる。ここで、設定下限値は、外部負荷駆動回路9の全ての負荷制御用FET14−1〜14−nがオン状態とされた場合に、電源用FET2を通して外部負荷10−1〜10−nへ流れる負荷電流の下限値として予め設定された値である。負荷電流は、雰囲気温度や負荷の動作状態によって変動するものであるが、雰囲気温度や外部負荷が極端な状態になければ、平均的な変動の範囲が実験やシュミレーションによって求められるので、そのようなデータを基に、設定下限値を求めることが可能であり、また、そのようにして設定するのが好適である。
このような設定下限値を用いるのは、外部要因によるノイズの影響や、外部負荷10−1〜10−nに誘導性のものがある場合に発生するノイズ等を考慮したためである。
一方、ステップS208において、全ONレジスタの値は設定下限値より大ではないと判定された場合(NOの場合)には、設定下限値が過電流検出のしきい値の初期値として設定され(図2のステップS210参照)、ステップS214の処理へ進むこととなる。ここで、過電流検出のしきい値の設定は、マイクロコンピュータ1からディジタル・アナログ変換器5を介して、比較器12の一方の入力端子にしきい値に対応する基準電圧Refが印加されることを意味する。
ステップS214においては、過電流検出が開始され、それに伴いシステムの初期化が実行されることとなる(図2のステップS216参照)。ここで、システムの初期化は、過電流保護装置S1のみの初期化ではなく、過電流保護装置S1を含む電子制御ユニット101全体としての初期化である。
以上、このステップS216までが、全体の処理手順の中の初期化段階のルーチン、すなわち、いわば初期化ルーチンと称することのできる部分である。
次に、上述の初期化ルーチンを経て、いわば通常ルーチンへ進むこととなり、その最初の処理として、外部負荷10−1〜10−nの駆動状態に応じた過電流検出しきい値の設定処理が行われる(図2のステップS218参照)。なお、この過電流検出しきい値の設定処理の具体的な手順については、図3を参照しつつ後述する。
次いで、検出回路51によって検出された電流値(電流検出値)がステップS218で設定された過電流検出しきい値より大であるか否かの判定が行われ(図2のステップS222参照)、電流検出値が過電流検出しきい値より大であると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS224の処理へ進む一方、電流検出値が過電流検出しきい値より大でなないと判定された場合(NOの場合)には、過電流は生じておらず、システム全体が正常な動作状態であるとして、システムの通常動作が維持され(図2のステップS220参照)、先のステップS218の処理から再度繰り返されることとなる。
次に、ステップS224においては、ステップS222において電流検出値が過電流検出しきい値より大であると判定されたこと、すなわち、換言すれば、過電流が検出されたことに対応して、マイクロコンピュータ1からの制御信号に応じてスイッチ制御回路3によって電源用FET2がオフ状態とされて、図示されない電源から外部負荷10−1〜10−nへの電流供給が遮断されることとなる。
そして、過電流が発生したことが、不揮発性メモリ8に記憶され(図2のステップS226参照)、次いで、復帰の可能性の有無が判定されることとなる(図2のステップS228参照)。ここで、復帰の可能性の有無の判定基準は、外部負荷10−1〜10−nの具体的な特性等を考慮して選定されるべきもので、一義的には定められず、また、特定の判定基準に限定される必要はないものである。ここで、基本的な判定基準の例を挙げれば、電源用FET2をオン状態として過電流が再度発生するか否かを判定し、過電流が再度発生しない場合は、復帰の可能性有りとすることが考えられる。また、復帰しても過電流が比較的短時間で複数回発生するような場合や、所定時間以上過電流が継続するような場合には、復帰の可能性無しと判定する等を判定基準とすることが考えられる。
そして、ステップS228において、復帰の可能性有りと判定された場合(YESの場合)には、電源用FET2がスイッチ制御回路3により再びオン状態とされ(図2のステップS232参照)、先のステップS220の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS228において、復帰の可能性無しと判定された場合(NOの場合)には、電源用FET2がオフ状態とされたままでシステムの動作状態が維持されることとなる。
次に、先のステップS218の過電流検出しきい値の設定処理の具体的手順について、図3を参照しつつ説明する。
最初に、外部負荷駆動回路9においていずれかの負荷制御用FET14−1〜14−nがオン、又は、オフとされるタイミングであるか否かが判定され(図3のステップS302参照)、オン又オフのタイミングであると判定された場合(YESの場合)には、以下に説明するようにして過電流検出しきい値の決定(変更)が行われる一方、オン又はオフのタイミングではないと判定された場合(NOの場合)には、過電流検出しきい値の決定は行われず、先の図2で説明した次のステップS222の処理へ進むこととなる。
ステップS304においては、外部負荷駆動回路9の負荷制御用FET14−1〜14−nの内、この時点でオン状態とされているものについて、それぞれを流れる電流の最大値(電流MAX値)の合計が算出される。
ここで、各々の負荷制御用FET14−1〜14−nにおける電流MAX値は、例えば、動作する外部負荷が常に決まっており、しかも、そこに流れる電流値が明らかであるような場合には、その電流値に予め定めた温度補正等の補正を施して電流MAX値とし、不揮発性メモリ8に記憶しておき、これを読み出して用いるようにすると良い。
しかしながら、外部負荷10−1〜10−nの電流値が計算では一義的に求められない場合や経年変化等によって変動要素が大きい場合等においては、実測値を基にいわゆる学習処理によって電流MAX値を求めるようにするのが好適である。この学習処理により電流MAX値を求める処理手順については後述することとする。
次に、ステップS306においては、この時点でオン状態又はオフ状態とされる外部負荷駆動回路9の負荷制御用FET14−1〜14−nの電流MAX値と、そのオン又はオフ直前の電流MAX値合計との加減算が行われる。
すなわち、負荷制御用FET14−1〜14−nの中で新たにオン状態とされるものがある場合、そのオン状態とされる負荷制御用FET14−1〜14−nの電流MAX値を、直前の電流MAX値合計、すなわち、ステップS304で算出された電流MAX値合計に加算し、電流MAX値合計の更新を行う。また、負荷制御用FET14−1〜14−nの中で新たにオフ状態とされるものがある場合、直前の電流MAX値合計からそのオフ状態とされる負荷制御用FET14−1〜14−nの電流MAX値を減算し、電流MAX値合計の更新を行う。
次いで、上述のようにして新たに求められた電流MAX値合計が過電流検出しきい値よりも大であるか否かが判定され(図3のステップS308参照)、電流MAX値合計が過電流検出しきい値よりも大であると判定された場合(YESの場合)には、過電流検出しきい値が適切ではないことを意味するため、過電流検出しきい値の引き上げが行われる(図3のステップS310参照)。ここで、この過電流検出しきい値の引き上げの仕方は、特定の方法などに限定される必要はなく、所望に応じて種々選択されるべきものである。
かかる過電流検出しきい値の引き上げの仕方として具体例を挙げれば、例えば、複数の過電流検出しきい値を予め定めて、不揮発性メモリ8などの記憶素子に記憶しておき、このステップS310又は後述するステップS318で昇順に一つ読み込むようにしておき、以下説明する処理において適正な設定値であるか否かが定まるようにすることが考えられる。また、電流MAX値合計と過電流検出しきい値との差に応じて新たな過電流検出しきい値を設定する式を定めておき、この式を用いて演算算出するようにしても好適である。
上述のようにして過電流検出しきい値の引き上げがなされた後は、電流MAX値合計がこの新たに設定された過電流検出しきい値より大であるか否かの判定が再び行われ(図3のステップS312参照)、電流MAX値合計が新たな過電流検出しきい値より大であると判定された場合(YESの場合)には、再び先のステップS310が実行されることとなる一方、電流MAX値合計が新たな過電流検出しきい値より大ではないと判定された場合(NOの場合)には、適正な過電流検出しきい値が設定されたとして、ステップS209の一連のサブルーチン処理が終了し、先に述べたステップS222の処理へ進むこととなる。
一方、先のステップS308において、電流MAX値合計が過電流検出しきい値よりも大ではないと判定された場合(NOの場合)には、過電流検出しきい値の引き下げが行われる(図3のステップS314参照)。なお、ここで、過電流検出しきい値の引き上げの仕方は、特定の方法に限定される必要はないが、例えば、複数の過電流しきい値を予め定めて、不揮発性メモリ8などの記憶素子に記憶しておき、その値を降順に一つづつ読み込むような方法が考えられる。
次いで、新たな過電流検出しきい値が電流MAX値合計より大きいか否かの判定が行われ(図3のステップS316参照)、新たな過電流検出しきい値が電流MAX値合計より大ではないと判定された場合(NOの場合)には、引き下げが大きすぎたことを意味するので、逆に過電流検出しきい値の引き上げが先のステップS310の処理と同様に行われて(図3のステップS318参照)、ステップS209の一連のサブルーチン処理が終了し、先に述べたステップS222の処理へ進むこととなる。
また、ステップS316において、新たな過電流検出しきい値が電流MAX値合計より大と判定された場合(YESの場合)には、未だ過電流検出しきい値が大きすぎることを意味することから、再び先のステップS314へ戻り、ステップS316で新たな過電流検出しきい値が電流MAX値合計より大ではないと判定されるまで一連の処理が繰り返されることとなる。
次に、電流MAX値をいわゆる学習処理により決定する場合の処理手順について、図4を参照しつつ説明する。
この学習処理は、先に図2を参照しつつ説明した過電流保護処理の初期化ルーチンにおいて実行されるのが好適であり、図4はその場合の処理手順の例を示すものである。
まず、図2で説明したステップS204の処理が実行された後、学習処理の最初のステップであるステップS402が実行されることとなる。すなわち、外部負荷駆動回路9の全ての負荷制御用FET14−1〜14−nがオフ状態、換言すれば、全ての外部負荷10−1〜10−nが非駆動状態とされる。
次いで、負荷制御用FET14−1〜14−nの一つがオン状態とされ(図4のステップS404参照)、そのオン状態の負荷制御用電界効果トランジスタを流れる電流、換言すれば、検出抵抗器13を流れる電流が検出される(図4のステップS406参照)。
すなわち、具体的には、まず、検出抵抗器13における電圧降下の大きさが、アナログ・ディジタル変換器6を介してマイクロコンピュータ1に読み込まれる。次いで、予めマイクロコンピュータ1の記憶領域又は不揮発性メモリ8等に記憶されている検出抵抗器13の例えば、常温(基準温度)における抵抗値と上述のように読み込まれた電圧値とから検出抵抗器13に流れる電流が算出され、先のオン状態の負荷制御用電界効果トランジスタの電流値とされる。
次に、温度補正が施された電流MAX値の算出が行われる(図4のステップS408参照)。
すなわち、先のステップS406で算出された電流値は、検出抵抗器13が基準となる温度、例えば、常温にあるとして算出されたものである。一方、検出抵抗器13の抵抗値は温度係数を有しており、検出抵抗器13の温度によってその抵抗値が変化する。したがって、検出抵抗器13の実際の温度における電流値を、温度センサ7により得られた実際の温度と検出抵抗器13の温度係数とから算出し、その算出値が電流MAX値とされることとなる。
この演算算出された電流MAX値は、先のステップS406においてオン状態とされた負荷制御用FETの電流MAX値として、不揮発性メモリ8に記憶され(図4のステップS410参照)、全ての負荷制御用FET14−1〜14−nについて電流MAX値が求められたか否かが判定されることとなる(図4のステップS412参照)。
そして、ステップS412において、未だ全ての負荷制御用FET14−1〜14−nについて電流MAX値が求められていないと判定された場合(NOの場合)には、負荷制御用FET14−1〜14−nの内、まだ、電流MAX値が決定されていない負荷制御用電界効果トランジスタの一つが選択され(図4のステップS414参照)、先のステップS404以降の処理が繰り返されることとなる。
一方、ステップS412において、全ての負荷制御用FET14−1〜14−nについて電流MAX値が求められたと判定された場合(YESの場合)には、全ての負荷制御用FET14−1〜14−nがオン状態とされて全ての外部負荷10−1〜10−nが通電状態とされた場合における電流検出値がマイクロコンピュータ1の所定の記憶領域に確保された全ONレジスタ(図示せず)に記憶されることとなる(図4のステップS206参照)。
次いで、不揮発性メモリ8に記憶された負荷制御用FET14−1〜14−nの各々の電流MAX値の合計が算出される(図4のステップS416参照)。そして、電流MAX値の合計値から、先に全ONレジスターに記憶された電流値(図4のステップS206参照)が減算され、その値が所定値より小さいか否かが判定されることとなる(図4のステップS418参照)。
ステップS418において、電流MAX値の合計値から全ONレジスターの電流値を減算した値が所定値より小さいと判定された場合(YESの場合)には、電流MAX値の学習が正常になされたとされて(図4のステップS426参照)、図2のステップS206の処理へ進むこととなる。
一方、ステップS418において、電流MAX値の合計値から全ONレジスターの電流値を減算した値が所定値より小さくないと判定された場合(NOの場合)には、電流MAX値の学習が未だ不十分であることを意味するので、ステップS402〜S422のループを所定回数通過したか否かが判定されることとなる(図4のステップS420参照)。
そして、ステップS420において、ループを所定回数通過したと判定された場合(YESの場合)には、何らかの原因により電流MAX値の学習値が得られない状態であるので、各々の負荷制御用FET14−1〜14−nについて予め定めた電流MAX値の初期値が不揮発性メモリ8に記憶され(図4のステップS424参照)、図2のステップS206の処理へ進むこととなる。ここで、電流MAX値の初期値としては、例えば、負荷制御用FET14−1〜14−nの定格電流などを用いるのが好適である。
また、ステップS420において、ループを所定回数通過していないと判定された場合(NOの場合)には、不揮発性メモリ8に記憶されている各々の電流MAX値が消去され(図4のステップS422参照)、先のステップS402へ戻り、一連の学習処理が再び繰り返されることとなる。
なお、上述した構成例においては、比較器12において、過電流の発生の有無を判定するようにしたが、差動増幅器11の出力電圧を基にマイクロコンピュータ1内で過電流発生の有無を判定し、マイクロコンピュータ1からの制御信号によりスイッチ制御回路3を介して電源用FET2による電流供給を遮断するようにしても勿論良いものである。
また、上述した構成例における電源用FET2は、電界効果トランジスタに限定される必要はなく、パワーMOS−FETやM、NPN又はPNP型のバイポーラトランジスタ、さらには、サイリスタ等を用いるようにしても良いものである。
さらに、上述した構成例は、電源ラインが一系統である場合の例を示したが、複数系統ある場合に、それぞれの系統毎に過電流保護装置S1が構成されるようにしても勿論良いものである。
次に、過電流保護装置の第2の構成例について、図5乃至図11を参照しつつ説明する。なお、図1に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第2の構成例における過電流保護装置S2は、特に、過電流発生とされる検出電圧のレベル調整が容易となるように過電流検出回路22を構成した点に特徴を有するものである。
この過電流保護装置S2は、図1に示された構成例と同様に、車両の動作制御を行う電子制御ユニット101内に設けられのが好適であり、後述するような過電流保護処理等を行う公知・周知の構成を有してなるマイクロコンピュータ(図5においては「CPU」と表記)1と、通電スイッチとしての電源用FET2と、マイクロコンピュータ1からの制御信号に応じて電源用FET2を導通又は非導通状態に制御する制御回路(図5においては「CONT」と表記)21と、負荷電流の過電流状態の検出を行う過電流検出回路22とを有して構成されたものとなっている。
また、この電子制御ユニット101内には、マイクロコンピュータ1の制御信号に応じて外部負荷10−1〜10−nの駆動を制御する外部負荷駆動回路9Bが設けられている。
なお、図5においては、電子制御ユニット101が本来の車両の動作制御を行うために必要とされる回路等の構成要素については、説明を簡潔にして理解を容易にするために図示を省略してある。
まず、この構成例における電源用FET2には、特に、NチャンネルパワーMOS−FETが用いられており、そのドレインが図示されない車両バッテリーに接続される一方、ソースは、後述する過電流検出回路22を構成する検出抵抗器13a,13bを介して複数の外部負荷10−1〜10−nへ接続されるものとなっている。
マイクロコンピュータ1は、詳細は後述するが、制御回路21や外部負荷駆動回路9Bの動作制御などを行うものである。なお、このマイクロコンピュータ1は、電子制御ユニット101内に設けられ車両の動作制御を行うための図示されないマイクロコンピュータを兼ねるようにしても良い。
なお、この構成例における外部負荷駆動回路9Bは、負荷制御用FET14−1〜14−nとしてNチャンネルパワーMOS−FETを用いたものとなっているが、その基本的な回路構成や動作は、図1における外部負荷駆動回路9と同一のものである。
過電流検出回路22は、抵抗検出部22Aと判定部22Bとに大別されてなるものである。
抵抗検出部22Aは、電流に応じた電圧降下を得るための複数の抵抗体(素子)からなるもので、まず、電源用FET2ソースと外部負荷10−1〜10−nとの間において、検出抵抗器としての第1及び第2の銅箔パターン抵抗体13a,13bが直列接続されて設けられている。
この第1及び第2の銅箔パターン抵抗体13a,13bは、抵抗検出部22Aが形成される回路基板(図示せず)上にいわゆるプリントパターン技術により形成されたものである。このような抵抗体を用いるのは、抵抗値の選択範囲が定まっている通常の抵抗器では得られない所望の抵抗値を実現し、過電流検出のしきい値設定を容易にするためである。
なお、第1及び第2の銅箔パターン抵抗体13a,13bの抵抗値は、その幅、長さ、さらには、銅箔の厚みを種々組み合わせて、所望の抵抗値とすることができることは公知・周知の通りであり、第1及び第2の銅箔パターン抵抗体13a,13bの抵抗値はそのように設定されるものである。また、銅箔に変えてアルミニウムや金、半田等の材料を用いたものとしても良い。
また、検出抵抗部22Aには、第1の電流制限用抵抗器23aが、電源用FET2のドレインに一端が、後述する判定部22Bに他端が、それぞれ接続されるうようにして設けられている。
この抵抗検出部22Aが形成される回路基板(図示せず)には、過電流装置の最終調整の段階、例えば、製造メーカにおける出荷直前の調整段階において、過電流検出のしきい値を好ましい値に設定できるように抵抗器の半田付けの位置を選択できるように三箇所の調整抵抗取付部24a〜24cが形成されている。すなわち、過電流保護装置S2に接続される外部負荷10−1〜10−n等を考慮して、第1乃至第3の調整抵抗取付部24a〜24cのいずれかの箇所に第2の電流制限用抵抗器(図示せず)が半田付けできるようになっている。
この構成例では、第1の調整抵抗取付部24aの一端が電源用FET2のソースと第1の銅箔パターン抵抗体13aとの接続点に、第2の調整抵抗取付部24bの一端が第1の銅箔パターン抵抗体13aと第2の銅箔パターン抵抗体13bとの接続点に、第3の調整抵抗取付部24cの一端が第2の銅箔パターン抵抗体13bの他端に、それぞれ接続される一方、第1乃至第3の調整抵抗取付部24a〜24cの他端は、共に後述する判定部22Bに接続されたものとなっている。
判定部22Bは、上述した抵抗検出部22Aからの電圧と過電流しきい値との比較を行い、比較の結果、過電流発生と判定された場合に所定の信号をマイクロコンピュータ1へ出力するよう構成されてなるものである。
図6には、判定部22Bの具体回路構成例が示されており、以下、同図を参照しつつこの具体回路構成例について説明する。
この判定部22Bは、二つの演算増幅器31,32とタイマ回路(図6においては「DELAY」と表記)33とを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
まず、第1の演算増幅器31を中心とした部分は、次述するように減算回路が構成されたものとなっている。
すなわち、第1の演算増幅器31の非反転入力端子には、減算回路用第1の抵抗器34aの一端及び減算回路用第3の抵抗器34cの一端が接続されており、減算回路用第1の抵抗器34aの他端は、先の第1の電流制限用抵抗器23aの一端に、減算回路用第3の抵抗器34cの他端は、アースに、それぞれ接続されたものとなっている。
また、第1の演算増幅器31の反転入力端子には、減算回路用第2の抵抗器34bの一端及び減算回路用第4の抵抗器34dの一端が接続されており、減算回路用第2の抵抗器34bの他端は、第2の電流制限抵抗器23bの一端に、減算回路用第4の抵抗器34dの他端は、第1の演算増幅器31の出力端子に、それぞれ接続されたものとなっている。
そして、第1の演算増幅器31の出力端子は、比較器用第1の抵抗器35aを介して第2の演算増幅器32の非反転入力端子に接続されている。
かかる構成の減算回路においては、第1の演算増幅器31の非反転入力端子に印加された電圧と、反転入力端子に印加された電圧の差分、換言すれば、第1の銅箔パターン抵抗体13aにおける電圧降下が出力されるようになっている。
なお、この回路構成例においては、第1及び第2の銅箔パターン抵抗体13a,13bの相互の接続点に第2の電流制限用抵抗器23bが接続された例が示されている。
第2の演算増幅器32は比較器用第1及び第2の抵抗器35a,35bと共に比較器を構成するものとなっており、その反転入力端子には、比較器用第2の抵抗器35bを介して、過電流発生の判定基準となる過電流しきい値としての所定のしきい値電圧Vthが、図示されない電圧発生回路から印加されるようになっている。
そして、この第2の演算増幅器32は、その非反転入力端子へ第1の演算増幅器31から印加された電圧と、しきい値電圧Vthの大小に応じて後述するような電圧信号を出力するようになっている。
タイマ回路33は、例えば、論理値Lowに相当する入力信号が所定時間tdの間入力された場合に、その入力信号の印加時点から時間td後に、論理値Highに相当する信号を出力する公知・周知の構成を有してなるものである。
なお、説明の便宜上、第1の演算増幅器31の出力電圧をVa、第2の演算増幅器32の出力電圧をVb、そして、タイマ回路33の出力電圧をVcとする。
制御回路21は、上述した過電流検出回路22から過電流が検出された際に出力される信号及びマイクロコンピュータ1からの制御信号に基づいて、電源用FET2の導通、非導通を制御するよう構成されてなるものである。
次に、かかる構成における過電流保護装置S2の動作について、図7乃至図10を参照しつつ説明する。
ここで、図7は、この第2の実施例における過電流保護装置S2の動作の流れを示したフローチャートであり、この過電流保護装置S2の動作について同図を参照すると共に、正常時、過電流発生時及びノイズ混入時の主要部における波形についてそれぞれ示された図8乃至図10を適宜参照しつつ以下説明することとする。
まず、図示されない車両のイグニッションスイッチがオン(閉成状態)とされることで装置が始動し、制御回路21により電源用FET2が導通状態とされる。これと同時に、マイクロコンピュータ1による外部負荷駆動回路9Bを介しての外部負荷10−1〜10−nの制御が開始され、外部負荷10−1〜10−nへ適宜負荷電流の通電がなされることとなる。
そして、電源用FET2の導通に伴い、第1及び第2の銅箔パターン抵抗体13a,13bに電圧降下が生ずるが、図6に示された構成の場合には、第1の銅箔パターン抵抗体13aにおける電圧降下に相当する電圧が過電流検出回路22において第1の演算増幅器31から検出電圧Vaとして出力され、しきい値電圧Vthを越えるか否かが判定されることとなる(図7のステップS502参照)。
ここで、検出電圧Vaがしきい値電圧Vthを越えていないと判定された場合(NOの場合)、すなわち、換言すれば、外部負荷10−1〜10−nへの電源供給が正常である場合の過電流検出回路22におけるVa、Vb及びVc並びに電源用FET2を流れる電流Iについて、図8(A)乃至図8(D)を参照しつつ説明する。
図8において、「メインリレーON」は、図示されないイグニッションキーのオンに連動してオンとなる電源ラインに設けられたリレーであり(図示せず)、このリレーのオンと共に、電源用FET2が導通するものとする。
電源用FET2の導通に伴い、第1及び第2の銅箔パターン抵抗体13a,13bに適切な大きさの電流Iが流れ(図8(D)参照)、電圧降下が生じ、それに相当する電圧が第1の演算増幅器31から検出電圧Vaとして出力されるが、電源ラインの短絡等が生じていない正常な動作状態においては、この電圧Vaは、しきい値電圧Vthを下回るものとなる(図8(A)参照)。
そして、第2の演算増幅器32においては、非反転入力端子の電圧Vaが反転入力端子のしきい値電圧Vthを下回ることとなるため、出力電圧Vbは論理値Lowに相当する電圧となる(図8(B)参照)。タイマ回路33は、第2の演算増幅器32から所定時間tdの間、論理値Highに相当する信号が出力された場合に、論理値Highの信号を出力するようになっているため、このように第2の演算増幅器32の出力が論理値Lowに維持される状態においては、タイマ回路33の出力は、過電流が発生していないとして論理値Lowの状態となる(図8(C)参照)。
その結果、外部負荷10−1〜10−nは、マイクロコンピュータ1からの制御に応じてオン・オフされる通常動作が継続されることとなる(図7のステップS504参照)。
次に、図7のステップS502において、検出電圧Vaがしきい値電圧Vthを越えていると判定された場合(YESの場合)、すなわち、換言すれば、電源ラインの短絡等による過電流が発生した場合の動作について、図9(A)乃至図9(D)を参照しつつ説明する。
検出電圧Vaがしきい値電圧Vthを越える(図9(A)参照)ことで、第2の演算増幅器32の出力は、論理値Highに相当する電圧となり(図9(B)参照)、これに伴い、タイマ回路33のタイマが始動されることとなる(図7のステップS506参照)。
そして、タイマ始動時から所定時間tdの間、第2の演算増幅器32の出力が論理値Highである場合、すなわち、換言すれば、過電流状態が継続した場合(図7のステップS508において、YESの場合に対応)には、タイマ回路33から論理値Highに相当する信号が出力されることとなる(図9(C参照))。すなわち、過電流状態と判定されることとなる(図7のステップS510参照)。そして、タイマ回路33からの論理値Highの信号が制御回路21に入力されることで、制御回路21によって電源用FET2がオフとされて過電流が遮断されることとなる(図7のステップS512及び図9(D)参照)。
次に、電源ラインにタイマ回路33の遅延時間tdより短いノイズが混入して、一時的に,過電流が流れた場合の動作について、図10(A)乃至図10(D)を参照しつつ説明する。
電源用FET2がオンとされて外部負荷10−1〜10−nへ適宜負荷電流が供給されている状態において、比較的短時間の間だけ、検出電圧Vaがしきい値電圧Vthを越えるような過電流状態が生ずると(図10(A)及び図10(D)参照)、第2の演算増幅器32の出力電圧Vbは論理値Highに相当する電圧となり、同時にタイマ回路33のタイマが始動されることとなる(図10(A)及び図10(B)参照)。
しかし、検出電圧Vaがしきい値電圧Vthを越える時間が遅延時間tdより短い時間で終了すると、第2の演算増幅器32の出力は、論理値Lowの状態に戻ることとなる(図10(A)、図10(B)及び図10(D)参照)。そして、タイマ回路33においては、タイマ始動後、所定時間td経過した時点で第2の演算増幅器32の出力が論理値Highの状態に維持されていないため、タイマ回路33の出力は論理値Highとなることなく論理値Lowの状態が維持されることとなる(図10(C)参照)。
したがって、電源用FET2がオフとされることなく負荷電流の供給が継続されることとなる。
なお、上述した構成例においては、検出電圧Vaとしきい値電圧Vthとの比較、判定を第2の演算増幅器32を用いて行うようにしたが、検出電圧Vaをディジタル変換してマイクロコンピュータ1に読み込むようにし、マイクロコンピュータ1により図7のステップS502以降が実行されるようにして、マイクロコンピュータ1からの制御信号によって制御回路21を介して電源用FET2のオン・オフがなされるようにしても良い。
また、上述した構成例においては、電源用FET2としてNチャンネルパワーMOS−FETを用いたが、勿論これに限定される必要はなく、例えばPチャンネルパワーMOS−FETの他、NPN又はPNP型のバイポーラトランジスタ、さらには、サイリスタ等を用いるようにしても良いものである。
さらに、外部負荷10−1〜10−nは、ランプやリレーなどを想定しているが、勿論これらに限定される必要はなく、他にに、燃料噴射ポンプの電気部品や、他の電気部品、電気回路であっても良いものである。
またさらに、上述した構成例は、電源ラインが一系統である場合の例を示したが、複数系統ある場合に、それぞれの系統毎に過電流保護装置S2が構成されるようにしても勿論良いものである。なお、図5に示された構成例における構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
図11には、電源ラインが2系統ある場合の構成例が示されており、以下、同図を参照しつつこの構成例について説明する。
同図において、便宜的に外部負荷10−1〜10−nが一つの電源系統を、外部負荷10B−1〜10B−nがもう一つの電源系統を形成しているものとする。
そして、それぞれの電源系統で上述したような過電流検出が可能なように、回路が構成されている。なお、この構成例では、マイクロコンピュータ1は、2つの電源系統に対して共通となっており、他の過電流検出回路22や制御回路21が電源系統に応じて設けられたものとなっている。
かかる構成における動作は、先に説明したものと基本的に同一であるので、ここでの詳細な説明は省略することとする。
上述の第2の構成例における過電流保護装置は、次述するように総括することができるものである。
外部からの制御信号に応じて導通・非導通状態とされる半導体素子であって、その一端が電源に、他端が外部負荷端に接続されて前記外部負荷への電源供給を可能とする電源用半導体素子を有する電子機器であって、前記外部負荷の数に応じて設けられ、一端が前記外部負荷の他端にそれぞれ接続され、他端がアース側に接続された負荷制御用半導体素子を有し、当該負荷制御用半導体素子の導通・非導通を制御して、前記外部負荷の駆動を制御するよう構成された外部負荷駆動回路を有してなる電子機器に設けられ、前記外部負荷の過電流状態の発生の有無を検出し、当該検出結果に応じて前記電源用半導体素子の駆動制御を行う過電流保護装置であって、
当該過電流保護装置は、前記電源用半導体素子と前記外部負荷との間に直列接続された検出抵抗器を有し、当該検出抵抗器の電圧降下を検出することによって、前記電源用半導体素子を介して前記外部負荷へ供給される電流の検出を可能に構成される一方、
前記検出抵抗器は、回路基板上に導電性部材を用いたプリントパターン形成によって設けられたものであることを特徴とする過電流保護装置である。
そして、検出抵抗器は、複数直列に設けられる一方、所望する検出抵抗器の端部から電流制限用抵抗器を介して検出抵抗器の電圧降下の検出を可能とするため、各々の検出抵抗器の端部には、それぞれ前記電流制限用抵抗器を取り付け可能とする調整抵抗取付部が形成されてなる過電流保護装置である。
なお、本発明の実施の形態においては、電子機器として、車両の動作制御を行う電子制御ユニットの例を挙げたが、勿論これに限定される必要はなく、他の電子機器にも同様に適用できることは勿論である。
本発明の実施の形態における過電流保護装置の構成例を示す構成図である。 図1に示された過電流保護装置のマイクロコンピュータにおいて実行される過電流保護処理の全体の手順を示すメインフローチャートである。 図1に示された過電流保護装置のマイクロコンピュータにおいて実行される過電流検出しきい値設定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 図1に示された過電流保護装置のマイクロコンピュータにおいて実行される電流MAX値の学習処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。 本発明の実施の形態における過電流保護装置の第2の構成例を示す構成図である。 図5に示された過電流検出回路の具体回路構成例を示す回路図である。 図5に示された過電流保護装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図5に示された過電流保護装置の正常時における主要部の波形を示す波形図であって、図8(A)は過電流検出回路の判定部を構成する第1の差動増幅器から得られる検出電圧Vaの変化を示す波形図、図8(B)は過電流検出回路の判定部を構成する第2の差動増幅器の出力電圧Vbの変化を示す波形図、図8(C)は過電流検出回路の判定部を構成するタイマ回路電圧の出力電圧Vcの変化を示す波形図である。 図5に示された過電流保護装置の過電流発生時における主要部の波形を示す波形図であって、図8(A)は過電流検出回路の判定部を構成する第1の差動増幅器から得られる検出電圧Vaの変化を示す波形図、図8(B)は過電流検出回路の判定部を構成する第2の差動増幅器の出力電圧Vbの変化を示す波形図、図8(C)は過電流検出回路の判定部を構成するタイマ回路電圧の出力電圧Vcの変化を示す波形図である。 図5に示された過電流保護装置のノイズ発生時における主要部の波形を示す波形図であって、図8(A)は過電流検出回路の判定部を構成する第1の差動増幅器から得られる検出電圧Vaの変化を示す波形図、図8(B)は過電流検出回路の判定部を構成する第2の差動増幅器の出力電圧Vbの変化を示す波形図、図8(C)は過電流検出回路の判定部を構成するタイマ回路電圧の出力電圧Vcの変化を示す波形図である。 電源ラインが2系統ある場合の過電流保護装置の構成例を示す構成図である。
符号の説明
1…マイクロコンピュータ
2…電源用電界効果トランジスタ
3…スイッチ制御回路
7…温度センサ
13…検出抵抗器
51…検出回路
52…比較回路

Claims (14)

  1. 外部からの制御信号に応じて導通・非導通状態とされる半導体素子であって、その一端が電源に、他端が外部負荷の一端に接続されて前記外部負荷への電源供給を可能とする電源用半導体素子を有する電子機器であって、前記外部負荷の数に応じて設けられ、一端が前記外部負荷の他端にそれぞれ接続され、他端がアース側に接続された負荷制御用半導体素子を有し、当該負荷制御用半導体素子の導通・非導通を制御して、前記外部負荷の駆動を制御するよう構成された外部負荷駆動回路が設けられてなる電子機器において、前記外部負荷の過電流状態の発生の有無を検出し、当該検出結果に応じて前記電源用半導体素子の駆動制御を行う過電流保護方法であって、
    前記電源用半導体素子を介して前記外部負荷へ供給される電流を検出し、当該検出電流が、電流検出時における前記外部負荷の駆動状態に応じて定められる過電流検出しきい値より大であるか否かを判定し、前記電流検出値が前記過電流検出しきい値より大であると判定された場合に、前記電源用半導体素子を非導通状態とすることを特徴とする過電流保護方法。
  2. 過電流検出しきい値は、複数の外部負荷全てに電源供給がなされた際の前記電源用半導体素子を介して流れる電流を初期値とし、電流検出の際に実際に前記複数の外部負荷の全てが駆動状態とされて電源供給がなされている場合には、前記初期値を過電流検出しきい値とすることを特徴とする請求項1記載の過電流保護方法。
  3. 電流検出時に負荷制御用半導体素子のいずれかが導通又は非導通とされるタイミングにある場合には、その負荷制御用半導体素子の導通又は非導通後における電源用半導体素子を介して流れる電流を検出する一方、
    当該時点で導通状態にある負荷制御用半導体素子のそれぞれを流れる電流の最大値の合計を求め、当該合計値がその時点における過電流検出しきい値より大であるか否かを判定し、
    合計値が過電流しきい値より大であると判定された場合には、前記過電流検出しきい値の引き上げを、当該引き上げ後の新たな過電流検出しきい値が前記合計値より大であると判定されるまで所定手順に基づいて行う一方、
    合計値が過電流しきい値より大ではないと判定された場合には、前記過電流検出しきい値の引き下げを、当該引き下げ後の新たな過電流検出しきい値が前記合計値より大となるまで所定手順に基づいて行うことを特徴とする請求項2記載の過電流保護方法。
  4. 各々の負荷制御用半導体素子を流れる電流の最大値は、過電流検出の開始前に行われる学習処理によって求められ、当該学習処理は、前記各々の負荷制御用半導体素子を一つずつ順に単独で導通状態とした場合に電源用半導体素子を介して外部負荷へ流れる電流を検出し、当該検出された電流に温度補正を施して求めることを特徴とする請求項3記載の過電流保護方法。
  5. 学習処理において、全ての負荷制御用半導体素子について、それぞれを流れる電流の最大値が求められた後、前記全ての負荷制御用半導体素子を導通状態とし、その際、電源用半導体素子を介して外部負荷へ流れる電流を検出し、前記負荷制御用半導体素子の各々の最大電流値の合計から、前記検出された電源用半導体素子を介して外部負荷へ流れる電流を減算し、その演算値が所定範囲内にある場合に、前記負荷制御用半導体素子のそれぞれの最大電流値を以後の過電流検出に用いる一方、前記演算値が所定の範囲内に無い場合に、学習処理を最初から繰り返し、所定回数内に前記演算値が所定範囲内とならない場合に、各々の負荷制御用半導体素子の最大電流値としてそれぞれ所定値を設定することを特徴とする請求項4記載の過電流保護方法。
  6. 検出電流が過電流検出しきい値より大であると判定されて、電源用半導体素子が非導通状態とされた場合、復帰の可能性の有無を判定し、復帰の可能性有りと判定された場合に前記電源用半導体素子を導通状態とすることを特徴とする請求項5記載の過電流保護方法。
  7. 外部からの制御信号に応じて導通・非導通状態とされる半導体素子であって、その一端が電源に、他端が外部負荷端に接続されて前記外部負荷への電源供給を可能とする電源用半導体素子を有する電子機器であって、前記外部負荷の数に応じて設けられ、一端が前記外部負荷の他端にそれぞれ接続され、他端がアース側に接続された負荷制御用半導体素子を有し、当該負荷制御用半導体素子の導通・非導通を制御して、前記外部負荷の駆動を制御するよう構成された外部負荷駆動回路を有してなる電子機器に設けられ、前記外部負荷の過電流状態の発生の有無を検出し、当該検出結果に応じて前記電源用半導体素子の駆動制御を行う過電流保護装置であって、
    当該過電流保護装置は、前記電源用半導体素子を介して前記外部負荷へ供給される電流を検出し、当該検出電流が、電流検出時における前記外部負荷の駆動状態に応じて定められる過電流検出しきい値より大であるか否かを判定し、前記電流検出値が前記過電流検出しきい値より大であると判定された場合に、前記電源用半導体素子を非導通状態とするよう構成されてなることを特徴とする過電流保護装置。
  8. 過電流保護装置は、
    前記電源用半導体素子と外部負荷との間に直列接続された検出抵抗器と、
    前記検出抵抗器における電圧降下を検出する検出回路と、
    前記電源用半導体素子の動作制御を行うスイッチ制御回路と、
    前記検出回路及び温度センサの出力を基に、前記スイッチ制御回路を介して前記電源用半導体素子の導通・非導通を制御する中央処理部とを具備し、
    前記中央処理部は、
    前記検出回路によって検出された検出抵抗器における電圧降下を電流値に変換し、当該変換値を検出電流の値とすることで電源用半導体素子を介して外部負荷へ供給される電流の検出を行うよう構成されてなることを特徴とする請求項7記載の過電流保護装置。
  9. 過電流検出しきい値は、複数の外部負荷全てに電源供給がなされた際の前記電源用半導体素子を介して流れる電流を初期値とし、電流検出の際に実際に前記複数の外部負荷の全てが駆動状態とされて電源供給がなされている場合には、前記初期値を過電流検出しきい値とすることを特徴とする請求項8記載の過電流保護装置。
  10. 電流検出時に負荷制御用半導体素子のいずれかが導通又は非導通とされるタイミングにある場合には、その負荷制御用半導体素子の導通又は非導通後における電源用半導体素子を介して流れる電流を検出する一方、
    当該時点で導通状態にある負荷制御用半導体素子のそれぞれを流れる電流の最大値の合計を求め、当該合計値がその時点における過電流検出しきい値より大であるか否かを判定し、
    合計値が過電流しきい値より大であると判定された場合には、前記過電流検出しきい値の引き上げを、当該引き上げ後の新たな過電流検出しきい値が前記合計値より大であると判定されるまで所定手順に基づいて行う一方、
    合計値が過電流しきい値より大ではないと判定された場合には、前記過電流検出しきい値の引き下げを、当該引き下げ後の新たな過電流検出しきい値が前記合計値より大となるまで所定手順に基づいて行うよう構成されてなることを特徴とする請求項9記載の過電流保護装置。
  11. 前記検出抵抗器の実質的温度を検出する温度センサを具備すると共に、
    各々の負荷制御用半導体素子を流れる電流の最大値は、過電流検出の開始前に行われる学習処理によって求められ、当該学習処理は、前記各々の負荷制御用半導体素子を外部負荷制御回路を介して一つずつ順に単独で導通状態とした場合に電源用半導体素子を介して外部負荷へ流れる電流を検出し、当該検出された電流に前記温度センサにより検出された温度を基に温度補正を施して求められるよう構成されてなることを特徴とする請求項10記載の過電流保護装置。
  12. 学習処理において、全ての負荷制御用半導体素子について、それぞれを流れる電流の最大値が求められた後、前記全ての負荷制御用半導体素子を導通状態とし、その際、電源用半導体素子を介して外部負荷へ流れる電流を検出し、前記負荷制御用半導体素子の各々の最大電流値の合計から、前記検出された電源用半導体素子を介して外部負荷へ流れる電流を減算し、その演算値が所定範囲内にある場合に、前記負荷制御用半導体素子のそれぞれの最大電流値を以後の過電流検出に用いる一方、前記演算値が所定の範囲内に無い場合に、学習処理を最初から繰り返し、所定回数内に前記演算値が所定範囲内とならない場合に、各々の負荷制御用半導体素子の最大電流値としてそれぞれ所定値を設定することを特徴とする請求項11記載の過電流保護装置。
  13. 検出電流が過電流しきい値を越えると判定された場合に、スイッチ制御回路へ対して電源用半導体素子を非導通とするべく制御信号を出力する比較回路を具備し、
    当該比較回路は、中央処理部から過電流しきい値を入力して電圧信号に変換し、検出回路の出力電圧との比較を行い、当該検出回路の電圧が前記過電流しきい値に相当する電圧信号を越えた場合に、電源用半導体素子を非導通とするべく制御信号をスイッチ制御回路へ出力するよう構成されてなることを特徴とする請求項12記載の過電流保護装置。
  14. 検出電流が過電流検出しきい値より大であると判定されて、電源用半導体素子が非導通状態とされた場合、復帰の可能性の有無を判定し、復帰の可能性有りと判定された場合に前記電源用半導体素子を導通状態とすることを特徴とする請求項13記載の過電流保護装置。
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