JP2005322544A - 絶縁電線の接続部及び絶縁電線の接続方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の絶縁電線の接続方法は、複数本の絶縁電線の絶縁被覆を各々所定長さ剥ぎ取って導体を露出せしめ、露出せしめた導体同士を同一方向に一緒に捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接して接続することを特徴とするものである。
【選択図】 図2
Description
特に昨今では、作業が簡単かつ確実である、という観点から超音波溶接がたびたび採用されている(特許文献1)。
図4が示すように、4本の導体1を2段に積み上げた状態で、水平方向をグライデイングジョー12とアンビルプレート13で挟みつつ、垂直方向下向きにはアンビル14により力Fで加圧しながら、下方に位置し図4の奥行き方向に振動するソノトロード11で矢印方向に超音波を発振せしめる。
このとき4本の導体1の各界面で摩擦熱が発生し、導体1を形成している金属原子の拡散により金属結合が行なわれる。
そのため、ソノトロード11による発振方向と一致する図4における垂直方向ではより溶接され易く、逆に水平方向では溶接がよりされ難くなる傾向がある。すなわち実線の丸が示す部分では導体1同士がより強く接続され、点線で示す丸の位置では、実線の丸が示す部分より接続強度が弱い、という傾向がある。
そのため超音波溶接後、溶接に起因する接続強度不足が原因で導体が一部ばらけてしまう、という問題が出ている、と推測される。
このようにしてなる請求項1記載の絶縁電線の接続部によれば、露出せしめた導体同士を同一方向に、好ましくは1/4回転以上一緒に捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接しているため、いずれの導体同士にあっても図3及び図4における水平方向の位置関係のみ有する導体同士は存在せずに、必ずどこかで垂直方向の位置関係を有している。その結果、超音波溶接機で溶接される各導体同士の接続強度は確実に高くなり、溶接後一部の導体がばらける、という問題はなくなる。
その結果、超音波溶接機で溶接される各導体同士の接続強度は確実に高くなり、溶接後一部の導体がばらける、という問題はなくなる。
その結果、超音波溶接機で溶接される各導体同士の接続強度はさらに一層確実に高くなって、溶接後一部の導体がばらける、ということがますます起こり難くなる。
その結果、各導体同士の接続強度はさらに一層確実に高くなる。
因みに、図1(a)は、図3における超音波溶接機のソノトロード11上に並列に積み上げられる4本の導体の正面図、図1(b)はその側面図である。また図2(a)は、図1に示す各導体を図1が示す矢印方向(反時計回り)に一緒に捻った状態のものを、図3における超音波溶接機のソノトロード11上に並列に積み上げた状態を示す正面図、図2(b)はその側面図である。
この単線からなる4本の導体1同士を一緒に指でつまんで、図1(a)の矢印の方向に4本一緒に1/4回転捻った。すなわち約90度捻った。具体的には図1(a)で示す導体1aが図に向かって左上の位置から左下の位置に来るまで捻った。
このように導体1を4本一緒に1/4回転捻った結果、例えば隣接する導体1aと導体1bは絶縁被覆2側で、例えば仮に図1(a)のように水平方向で接触している位置関係にあったとしても、絶縁被覆2が除去された導体1の先端側にいくと図2(a)が示すように垂直方向で接触する位置関係になる。
但し、撚り線である場合には、互いの導体1同士をより絡み合わせた方がより一層溶接後の接続強度が高くなる。そこで、導体1が撚り線の場合には、まず各導体1を予め撚り線の撚り方向と逆方向に捻って、撚り線の撚りを戻してばらけさせておき、互いの導体同士をより絡み易くする。因みに各導体1を構成する撚り線の撚り方向は同じものとする。
しかる後、各導体1を指で一緒につまみ、これらを一緒に導体1の撚り方向と逆方向に、あるいは撚り方向と同じ方向に、さらに1/4回転以上捻ってやる。この状態で図3に示す超音波溶接機のソノトロード11上に載置し、あとは前述したようにグライデイングジョー12とアンビルプレート13とで水平方向を押さえて規制し、かつ垂直方向をソノトロード11とアンビル14とで力Fを加えて挟持して、ソノトロード11で超音波を発振し、超音波溶接を行う。
以上のように本発明は、導体1が単線であろうと撚り線であろうと、最終的には、導体1同士を一緒に同一方向に捻って、すなわち時計方向であろうが反時計方向であろうが4本の導体1を一緒に同一方向に捻って、より好ましくは一緒に1/4回転以上捻って、隣接するいずれの導体1同士にあっても溶接に際して、ソノトロード11とアンビル14の方向、すなわち図3及び図4における垂直方向の位置関係を有するようにするものである。
この場合、特に導体1が撚り線導体の場合には、各導体1を撚り線の撚り方向と逆方向にまず捻って、撚りを戻して撚り線をばらけさせておく。そして直線状に向き合わされて重ねられたこれら導体1同士を、時計方向または反時計方向のいずれかの方向に一緒にさらに捻り、好ましくは1/4回転以上捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接すればよい。
またこの直線状の接続に際して、露出せしめた導体1同士を対向させ、導体1の先端部を重ねた状態で超音波溶接する、という場合の「重ねる」とは、撚り線導体の場合には、単純に導体同士を重ねる、という意味に加えて、撚り線を構成する細線を互いの導体の細線間に差し込むような状態も意味するものとする。
さらにまた接続する導体同士を一緒にさらに捻る場合には、導体を指でつかんで捻ってもよいし、工具を用いて捻ってもよいことはいうまでもない。具体的には一対の回転ブラシに接続しようとする導体を挿入して一緒に捻ってもよいし、導体をクランプして一緒に同一方向に回転させ捻ってもよい。
さらにまた本発明の接続部は、導体1の露出部の長さ方向に複数箇所設けてもよく、その場合、導体1同士の捻り方向と回転角度は各接続部で異なっていてもよい。但し、いずれの箇所においても1/4回転以上捻ることが好ましい。
2 絶縁被覆
3 絶縁電線
11 ソノトロード
12 グライデイングジョー
13 アンビルプレート
14 アンビル
Claims (6)
- 複数本の絶縁電線の絶縁被覆を各々所定長さ剥ぎ取って、露出せしめた導体同士を同一方向に一緒に捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接したことを特徴とする絶縁電線の接続部。
- 複数本の絶縁電線の絶縁被覆を各々所定長さ剥ぎ取って導体を露出せしめ、露出せしめた導体同士を同一方向に一緒に捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接して接続することを特徴とする絶縁電線の接続方法。
- 前記露出せしめた導体は同一方向に撚られた撚り線導体であって、各導体は撚り方向と逆方向に捻られて撚りが戻され、並列状態に並べられた各導体同士をいずれかの方向に一緒にさらに捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接して接続することを特徴とする請求項2記載の絶縁電線の接続方法。
- 前記各導体は撚り方向と逆方向に捻られて撚りが戻され、並列状態に並べられた各導体同士をいずれかの方向に一緒にさらに1/4回転以上捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接して接続することを特徴とする請求項3記載の絶縁電線の接続方法。
- 前記露出せしめた導体は撚り線導体であって、各導体は撚り方向と逆方向に捻られて撚りが戻され、直線状に向き合わされた導体同士をいずれかの方向に一緒にさらに捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接して接続することを特徴とする請求項2記載の絶縁電線の接続方法。
- 前記各導体は撚り方向と逆方向に捻られて撚りが戻され、直線状に向き合わされた導体同士をいずれかの方向に一緒にさらに1/4回転以上捻り、この捻った部分を超音波溶接により溶接して接続することを特徴とする請求項5記載の絶縁電線の接続方法。
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